JP5823681B2 - 茹で麺類および該茹で麺類の品質改良方法 - Google Patents

茹で麺類および該茹で麺類の品質改良方法 Download PDF

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Description

本発明は、茹で麺類および該茹で麺類の品質改良方法に関する。
従来、うどん、そばなどの麺類は、小麦粉、そば粉、澱粉などの製麺用粉を主原料とし、これに食塩、水を加えて作られるが、これら麺類の品質はその食感に負うところが大きい。茹でた麺類は、茹でたてを食する場合は特に問題はない。しかし、例えばコンビニエンスストアーやスーパーなどで販売されている調理麺や、小分け包装して販売されている茹で麺類などのように、麺を茹でてから喫食されるまでに時間が経過する茹で麺類は、澱粉の老化および麺表面と中心部の水分勾配の均一化などがおこり麺の粘弾性が低下して麺本来の食感とは異なるという問題点がある。
調理麺などの茹で麺類の食感改善に関する従来技術としては、常法により製造した生麺類を常法により加工する工程において、麺線を1重量%濃度以上の糖液と接触させることを特徴とする麺類の製造方法(特許文献1)、α化した麺類の表面に、麹菌由来のα−アミラーゼを、該麺類乾物1kg当たり0.008〜0.015unit付着させることを特徴とする調理麺の製造方法(特許文献2)、アルギン酸カルシウムを含有することを特徴とする麺質改良剤(特許文献3)、常法により製麺して得られた麺線に一次酸液処理を施した後、一時蒸煮して乳化液処理を施し、更に二次蒸煮した後、二次酸液処理して密封包装し、加熱殺菌処理することを特徴とする麺類の製造方法(特許文献4)などが開示されている。
しかし、上記した従来技術では、一長一短がありさらに良い方法が求められていた。
特開平08−196225号公報 特開2000−106836号公報 特開2004−147576号公報 特開平08−317767号公報
本発明は、茹で上げた後に流通する茹で麺類の経時的な食感の変化を改善した茹で麺類および該茹で麺類の製造方法並びに該茹で麺類の品質改良方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、レシチンと酸剤とを加えた麺生地を用いて作製した茹で麺が、上記課題を解決すること見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)レシチンと酸剤とを含有することを特徴とする茹で麺類、
(2)麺生地にレシチンと酸剤とを加えた後に製麺し、茹でて得ることを特徴とする茹で麺類の製造方法、
(3)レシチンと酸剤とを含有することを特徴とする茹で麺類の品質改良方法、
からなっている。
本発明の茹で麺類は、茹で麺特有の食感である粘弾性について、茹で上げてからの経時的な変化を改善することができる。
本発明で用いられるレシチンは、大豆などの油糧種子または卵黄などの動物原料から得られるもので、リン脂質を主成分とするものであれば特に制限はなく、例えば大豆レシチンおよび卵黄レシチンなど油分を含む液状レシチン、該液状レシチンを分別・精製して得られる分別レシチンなどが挙げられる。好ましくは分別レシチンであり、例えば液状レシチンから油分を除き精製して乾燥した高純度粉末レシチン、液状レシチンを分別・精製して特定のリン脂質濃度を高めた特定リン脂質濃縮分別レシチンなどが挙げられる。
上記した高純度粉末レシチンに特に制限はないが、好ましくはペースト状大豆レシチンをアセトンなどで処理することにより、中性油や遊離脂肪酸を除去した高純度粉末レシチンが挙げられる。本発明では、高純度粉末レシチンの他に、高純度粉末レシチンと賦形剤とを含有し、高純度粉末レシチンが約50質量%以上含む高純度粉末レシチン製剤も用いることができる。高純度粉末レシチンとしては、市販されているものを用いることができ、例えば、レシオンP(商品名;理研ビタミン社製 リン脂質含量約97質量%)、サンレシチンL−61(商品名;太陽化学社製 リン脂質含量約98質量%)、ULTRALEC F(商品名;ADM社製 リン脂質含量約97質量%)、SLP−ホワイト(商品名;辻製油社製 リン脂質含有量約96質量%)、レシオンLP−1(商品名;理研ビタミン社製 リン脂質含量約68質量%の製剤)、などが挙げられる。
上記した特定リン脂質濃縮分別レシチンに特に制限はないが、好ましくはホスファチジルコリン濃縮タイプの分別レシチンが挙げられる。特定リン脂質濃縮分別レシチンとしては、市販されているものを用いることができ、例えば、SLP−PC35(商品名;辻製油社製)、SLP−PC70(商品名;辻製油社製)などが挙げられる。
麺生地へのレシチンの添加量は、製麺用粉100質量に対して約0.01〜1.0質量部であり、好ましくは約0.2〜0.5質量部である。レシチン含量が上記範囲内であると、レシチン特有の風味がなく、食感の良い茹で麺類が得られ好ましい。
本発明で用いられる酸剤は、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、グルコノデルタラクトン、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸などの有機酸やこれら有機酸を含有する食品類が挙げられ、これらは単独でも数種類組み合わせてもよい。好ましくは、クエン酸、グルコノデルタラクトン、乳酸、食酢などが挙げられる。
麺生地への酸剤の添加量は、茹で麺類のpHが、好ましくは約5.0〜6.5、さらに好ましくは約5.5〜6.0になるように調整すればよい。酸剤の添加量は、うどん、そばなどに用いる製麺用粉の緩衝能、または使用する成分によって異なるが、例えば、クエン酸を用いる場合、製麺用粉100質量に対して約0.15〜0.4質量部、好ましくは約0.2〜0.35質量部が挙げられる。
本発明でいう茹で麺類とは、小麦粉、そば粉、澱粉などの製麺用粉に食塩などの副原料、および練り水を加えてよく混練し、所望により熟成して得た麺生地を常法により圧延して調製し、麺線としたものを熱湯中で茹でるなどして加熱をしたものである。麺の種類を特に限定するものではなく、例えば、うどん、和そば、そうめん、冷麦などが挙げられ、好ましくはかん水を用いないうどん、和そばである。また、茹で麺類の形態も特に限定されるものではなく、例えば、茹で麺(チルド麺)、包装蒸煮麺、調理麺、冷凍麺、生タイプLL麺などが挙げられる。
上記した製麺用粉としては、例えば小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉、そば粉などの穀粉などが挙げられる。製麺用粉は、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。製麺用粉には、澱粉または加工澱粉を配合してもよい。澱粉としては、例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉などが挙げられる。また、加工澱粉としては、例えば上記澱粉にアセチル化処理、エーテル化処理、架橋処理、酸処理、酸化処理、湿熱処理などの加工処理を単独で、または2種以上を組み合わせて施した澱粉などが挙げられ、具体的には、例えばアセチル化タピオカ澱粉などが挙げられる。上記澱粉または加工澱粉は、単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
上記した副原料としては、一般的に麺類に用いることができる原材料であれば特に制限はなく、例えば、食塩、グルテン、卵白、増粘多糖類などが挙げられる。
本発明の茹で麺類は、麺生地にレシチンと酸剤とを添加すればよく、レシチンと酸剤を添加する形態としては、レシチンと酸剤とを別々の形態として添加してもよいし、まとめて製剤の形態として添加しても良い。麺生地にレシチンと酸剤とを添加する方法に特に制限はないが、例えば、(a)製麺用粉および/または副原料にレシチンと酸剤を添加する方法、(b)製麺用粉および/または副原料にレシチンを添加し、練り水に酸剤を加え溶解させた後に製麺用粉および/または副原料に添加する方法、(c)製麺用粉および/または副原料に酸剤を添加し、練り水にレシチンを加えた後に製麺用粉および/または副原料に添加する方法などが挙げられる。
レシチンと酸剤は、上記の様にそれぞれ別々に麺生地に添加することも可能であるが、レシチンと酸剤とをまとめた製剤の形態として使用することが簡便で適当である。製剤100質量%中のレシチンの含有量は、約1〜99質量%、好ましくは約20〜50質量%、さらに好ましくは約30〜40質量%であり、酸剤の含有量は、約1〜99質量%、好ましくは約15〜40質量%、さらに好ましくは約20〜35質量%である。
上記した製剤の形状としては特に制限はないが、好ましくは粉末状である。粉末状にする際は、デキストリン、澱粉、乳糖などの賦形剤を用いることができる。製剤100質量%中の賦形剤の含有量は、好ましくは約10〜65質量%、さらに好ましくは約25〜50質量%である。
上記した粉末状の製剤の製造方法としては、例えばレシチン、酸剤および所望により賦形剤とを均一に混合することにより得られる。均一に混合する方法としては特に制限はなく、公知の混合装置を用いることができる。
製剤には、本発明の目的を阻害しない範囲で他の任意の成分が含まれても良く、例えば、第三リン酸カルシウム、微粒化二酸化珪素などが挙げられる。
製剤の添加量は、製麺用粉に対して約0.35〜1.55質量%、好ましくは0.5〜1.25質量%である。製剤の添加量が上記範囲内であると、本発明の効果が得られるため好ましい。
以下に茹で麺類の製造方法の概略を説明する。
茹で麺類の製造方法の概要は、製麺用粉および副原料にレシチンと酸剤とを添加し混合して常法により麺生地を作製する。その後に常法により複合、圧延して麺帯として麺線に切り出す。得られた麺線は、沸騰した湯などで加熱し、次いで流水などで水洗冷却した後に本発明の茹で麺類が得られる。茹で麺類の流通する形態としては、例えば茹で麺類をプラスチック製容器に入れ喫食時にそのまま麺つゆなどとともに食される調理麺や、茹で麺類を個食単位で包装したチルド麺、冷凍麺および生タイプLL麺などが挙げられる。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
<調理麺(うどん)の作製>
(1)原材料
中力小麦粉(商品名:金すずらん;日清製粉社製)
加工澱粉(商品名:松谷あさがお;松谷化学工業社製、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉)
粉末グルテン(商品名:エマソフトM−1000;理研ビタミン社製)
食塩
高純度粉末レシチン(商品名:SLP−ホワイト;辻製油社製)
特定リン脂質濃縮分別レシチン(商品名:SLP−PC35;辻製油社製)
クエン酸(商品名:クエン酸(無水);磐田化学工業社製)
グルコノデルタラクトン(商品名:リケンラクトン;理研ビタミン社製)
50%乳酸(商品名:発酵乳酸HS51 PNL;ピューラック・ジャパン社製)
コーンスターチ(商品名:殺菌乾燥コーンスターチ;松谷化学工業社製)
(2)原材料配合
上記原材料を用いて作製した調理麺(うどん)の配合組成を表1に示した。
Figure 0005823681
(3)調理麺(うどん)の作製
[実施例1]
表1に記載の6倍量(g)の原材料を用いて下記のようにして調理麺(うどん)を作製した。
中力小麦粉と加工澱粉とをポリ袋に入れ1分間混合して製麺用粉を作製した後、さらに粉末グルテン、高純度粉末レシチン、クエン酸をポリ袋に加えて1分間混合して均一な混合粉を作製した。上記混合粉と、別途用意した食塩を練り水に溶かした水溶液を横型真空テストミキサー(型式:1.0kg真空HI―LO混捏;大竹麺機社製)に加え、常圧下、回転数120rpmで3分混合し、さらに回転数90rpm、600mmHgで10分混合して麺生地を得た。続いて製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ2.5mmの麺帯に成形し、切り出し機(切り刃#10S)にて麺線に切り出した。得られた麺線を25cmの長さに切断して得られた生うどんを沸騰水中で8分間茹で上げ、流水にて30秒水洗、氷水にて30秒冷却を行い、水切り後、茹で麺(うどん)150gをポリスチレン製の容器に充填・密封して調理麺(実施例品1)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、5.70であった。
[実施例2]
表1に記載の6倍量(g)の原材料を用いて下記のようにして調理麺(うどん)を作製した。
中力小麦粉と加工澱粉とをポリ袋に入れ1分間混合して製麺用粉を作製した後、製麺用粉、粉末グルテンおよび特定リン脂質濃縮分別レシチンをロボ・クープミキサー(形式:R−4V.V.A;ロボ・クープ社製)を用いて1分間混合して均一な混合粉を作製した。上記混合粉と、別途用意した食塩、グルコノデルタラクトンおよび50%乳酸を練り水に溶かした水溶液を、横型真空テストミキサー(型式:1.0kg真空HI―LO混捏;大竹麺機社製)に加え、常圧下、回転数120rpmで3分混合し、さらに回転数90rpm、600mmHgで10分混合して麺生地を得た。続いて製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ2.5mmの麺帯に成形し、切り出し機(切り刃#10S)にて麺線に切り出した。得られた麺線を25cmの長さに切断して得られた生うどんを沸騰水中で8分間茹で上げ、流水にて30秒水洗、氷水にて30秒冷却を行い、水切り後、茹で麺(うどん)150gをポリスチレン製の容器に充填・密封して調理麺(実施例品2)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、5.65であった。
[実施例3]
表1に記載の6倍量(g)の原材料を用いて下記のようにして調理麺(うどん)を作製した。
中力小麦粉と加工澱粉とをポリ袋に入れ1分間混合して製麺用粉を作製した後、さらに粉末グルテン、高純度粉末レシチンをポリ袋に加えて1分間混合して均一な混合粉を作製した。上記混合粉と、別途用意した食塩、グルコノデルタラクトンおよび50%乳酸を練り水に溶かした水溶液を、横型真空テストミキサー(型式:1.0kg真空HI―LO混捏;大竹麺機社製)に加え、常圧下、回転数120rpmで3分混合し、さらに回転数90rpm、600mmHgで10分混合して麺生地を得た。続いて製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ2.5mmの麺帯に成形し、切り出し機(切り刃#10S)にて麺線に切り出した。得られた麺線を25cmの長さに切断して得られた生うどんを沸騰水中で8分間茹で上げ、流水にて30秒水洗、氷水にて30秒冷却を行い、水切り後、茹で麺(うどん)150gをポリスチレン製の容器に充填・密封して調理麺(実施例品3)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、5.94であった。
[実施例4]
実施例1の調理麺の製造において、クエン酸(1.26g)に替えて、クエン酸(1.44g)を加える以外は同様の操作を行い、調理麺(実施例品4)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、5.52であった。
[実施例5]
表1に記載の6倍量(g)の原材料を用いて下記のようにして調理麺(うどん)を作製した。
高純度粉末レシチン、クエン酸、コーンスターチをポリ袋に入れ、1分間混合して均一にしてレシチンと酸剤を含有する製剤を作製した。
中力小麦粉と加工澱粉とをポリ袋に入れ1分間混合して製麺用粉を作製した後、さらに粉末グルテン、レシチンと酸剤を含有する製剤をポリ袋に加えて1分間混合して均一な混合粉を作製した。上記混合粉と、別途用意した食塩を練り水に溶かした水溶液を横型真空テストミキサー(型式:1.0kg真空HI―LO混捏;大竹麺機社製)に加え、常圧下、回転数120rpmで3分混合し、さらに回転数90rpm、600mmHgで10分混合して麺生地を得た。続いて製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ2.5mmの麺帯に成形し、切り出し機(切り刃#10S)にて麺線に切り出した。得られた麺線を25cmの長さに切断して得られた生うどんを沸騰水中で8分間茹で上げ、流水にて30秒水洗、氷水にて30秒冷却を行い、水切り後、茹で麺(うどん)150gをポリスチレン製の容器に充填・密封して調理麺(実施例品5)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、5.70であった。
[比較例1]
実施例1の調理麺(うどん)の作製において、クエン酸を加えない以外は同様に操作して、調理麺(比較例品1)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、6.90であった。
[比較例2]
実施例2の調理麺(うどん)の作製において、特定リン脂質濃縮分別レシチンを加えない以外は同様に操作して、調理麺(比較例品2)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、5.71であった。
ここで調理麺(茹で麺)のpHの測定方法を説明する。得られた茹で麺40gと水10をホモゲナイザー(型式:DX TYPE;日本精機製作所社製)にて30秒ホモゲナイズした後、pHメーター(型式:HM−30G;東亜電波工業社製)を用いて測定した。
<調理麺(うどん)の食感評価>
(1)評価方法
得られた調理麺(うどん:実施例品1〜5、比較例品1、2)に麺つゆ(商品名:つゆ合わせだし;理研ビタミン社製 つゆ5gを水25gで希釈)30gを加え、麺をほぐしてから麺の食感について官能評価を行った。また、得られた調理麺(うどん:実施例品1〜5、比較例品1、2)を5℃で24時間保存したのち、同様に麺の食感について官能評価を行った。
評価は、下記表2に示す評価基準に従い10名のパネラーでおこなった。結果はそれぞれ10名の評点の平均値として求め、下記基準にて記号化した。結果を表3に示す。
また、各調理麺のpHをまとめて記載する。

記号化
◎: 平均値3.5以上
○: 平均値2.5以上3.5未満
△: 平均値1.5以上2.5未満
×: 平均値1.5未満
Figure 0005823681
Figure 0005823681
結果より、実施例品は、5℃で24時間保存した後も麺特有の非常にもちもちとした適度な粘弾性を有していた。比較例品は、麺特有のもちもちとした適度な粘弾性を維持することができなかった。
<調理麺(そば)の作製>
(1)原材料
強力小麦粉(商品名:オーション;日清製粉社製)
そば粉(商品名:金寿;日穀製粉社製)
加工澱粉(商品名:松谷あさがお;松谷化学工業社製、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉)
粉末グルテン(商品名:エマソフトEX−550;理研ビタミン社製)
粉末卵白(商品名:リケンランパクR;理研ビタミン社製)
食塩
高純度粉末レシチン(商品名:SLP−ホワイト;辻製油社製)
特定リン脂質濃縮分別レシチン(商品名:SLP−PC35;辻製油社製)
クエン酸(商品名:クエン酸(無水);磐田化学工業社製
グルコノデルタラクトン(商品名:リケンラクトン;理研ビタミン社製)
50%乳酸(商品名:発酵乳酸HS51 PNL;ピューラック・ジャパン社製)
(2)原材料配合
上記原材料を用いて作製した調理麺(そば)の配合組成を表4に示した。
Figure 0005823681
(3)調理麺(そば)の作製
[実施例6]
表4に記載の6倍量(g)の原材料を用いて下記のようにして調理麺(そば)を作製した。
強力小麦粉、そば粉および加工澱粉をポリ袋に入れ1分間混合して製麺用粉を作製した後、さらに粉末グルテン、粉末卵白、高純度粉末レシチン、クエン酸をポリ袋に加えて1分間混合して均一な混合粉を作製した。上記混合粉と別途用意した食塩を練り水に溶かした水溶液を横型真空テストミキサー(型式:1.0kg真空HI―LO混捏;大竹麺機社製)に加え、常圧下、回転数120rpmで3分混合し、さらに回転数90rpm、600mmHgで10分混合して麺生地を得た。続いて製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.5mmの麺帯に成形し、切り出し機(切り刃#20S)にて麺線に切り出した。得られた麺線を25cmの長さに切断して得られた生そばを沸騰水中で3分間茹で上げ、流水にて30秒水洗、氷水にて30秒冷却を行い、水切り後、茹で麺(そば)150gをポリスチレン製の容器に充填・密封し、調理麺(実施例品6)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、5.71であった。
[実施例7]
表4に記載の6倍量(g)の原材料を用いて下記のようにして調理麺(そば)を作製した。
強力小麦粉、そば粉および加工澱粉をポリ袋に入れ1分間混合して製麺用粉を作製した後、製麺用粉、粉末グルテン、粉末卵白および特定リン脂質濃縮分別レシチンをロボ・クープミキサー(形式:R−4V.V.A;ロボ・クープ社製)を用いて1分間混合して均一な混合粉を作製した。上記混合粉と、別途用意した、食塩、グルコノデルタラクトンおよび50%乳酸を水に溶かした水溶液を、横型真空テストミキサー(型式:1.0kg真空HI―LO混捏;大竹麺機社製)に加え、常圧下、回転数120rpmで3分混合し、さらに回転数90rpm、600mmHgで10分混合して麺生地を得た。続いて製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.5mmの麺帯に成形し、切り出し機(切り刃#20S)にて麺線に切り出した。得られた麺線を25cmの長さに切断して得られた生そばを沸騰水中で3分間茹で上げ、流水にて30秒水洗、氷水にて30秒冷却を行い、水切り後、茹で麺(そば)150gをポリスチレン製の容器に充填・密封し、調理麺(実施例品7)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、5.55であった。
[比較例3]
実施例6の調理麺(そば)の作製において、クエン酸を加えない以外は同様に操作して、調理麺(比較例品3)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、6.63であった。
[比較例4]
実施例7の調理麺(そば)の作製において、特定リン脂質濃縮分別レシチンを加えない以外は同様に操作して、調理麺(比較例品4)を得た。得られた調理麺のpHを測定したところ、5.62であった。
<調理麺(そば)の食感評価>
(1)評価方法
<調理麺(うどん)の食感評価>に記載の評価方法および評価基準(表2)と同様に評価を行った。結果を表5に示す。
また、各調理麺のpHをまとめて記載する。
Figure 0005823681
結果より、実施例品は、5℃で24時間保存した後も麺特有のもちもちとした適度な粘弾性を有していた。比較例品は、麺特有のもちもちとした適度な粘弾性を維持することができなかった。
<加熱ゲル物性>
粘弾性を官能との関連においてそのまま数値化することは難しいとするのが定説である。本発明上、調理麺の粘弾性付与の効果を確かめるために前述の官能評価のほかに、以下の麺類様生地に関する加熱ゲル物性試験を行った。
(1)原材料および配合
調理麺(うどん・そば)の作製に用いた原材料を用いて作製した加熱ゲル強度測定用の麺類様生地の配合組成を表6に示した。
Figure 0005823681
(2)麺類(うどん、そば)様生地の作製方法
上記表の各原材料の6倍量を撹拌機(型式:ケンウッドミキサーKM−600;愛工舎製作所社製)に加え、撹拌羽(フック使用)で10分撹拌した後、脱気処理した。その後にクレハロンフィルム(タイプ:D−84;呉羽化学工業社製)に充填し、90℃、30分間ボイル後流水にて1時間冷却して加熱ゲル強度測定用の麺類(うどん、そば)様生地を得た。
(3)評価方法
得られた加熱ゲル強度測定用の麺類(うどん、そば)様生地を厚さ3cmに切断し、レオメーター(型式:RT−2002J;不動工業社製)を用い破断試験を行った。
測定条件:アダプター径5mm、速度6cm/min、荷重2kg
測定結果を表7に示す。
Figure 0005823681
結果より、うどん様生地を用いた実施例品のゼリー強度は、比較例品より約1.3倍以上の大きな値を示した。そば用生地を用いた実施例品のゼリー強度は、比較例品より約1.2倍以上の大きな値を示した。何れの実施例品も比較例品と比較して粘弾性を有していた。

Claims (3)

  1. 麺生地にレシチンと酸剤とを加えた後に製麺し、茹でて得る茹で麺類の製造方法であって、酸剤の麺生地に対する添加量が、茹で麺類のpHが5.0〜6.0未満になる量であることを特徴とする茹で麺類の製造方法。
  2. レシチンが、分別レシチンであることを特徴とする請求項1に記載の茹で麺類の製造方法。
  3. 麺生地にレシチンと酸剤とを加えた後に製麺し、茹でて得る茹で麺類の品質改良方法であって、酸剤の麺生地に対する添加量が、茹で麺類のpHが5.0〜6.0未満になる量であることを特徴とする茹で麺類の経時的な食感の変化を改善する方法
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