JPH11308971A - 高粘性キサンタンガム含有食品 - Google Patents

高粘性キサンタンガム含有食品

Info

Publication number
JPH11308971A
JPH11308971A JP10132679A JP13267998A JPH11308971A JP H11308971 A JPH11308971 A JP H11308971A JP 10132679 A JP10132679 A JP 10132679A JP 13267998 A JP13267998 A JP 13267998A JP H11308971 A JPH11308971 A JP H11308971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
xanthan gum
food
viscosity
sauce
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10132679A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Inata
淳一 生稲
Yuko Terui
優子 照井
Yoshitake Futamura
嘉毅 二村
Naotaka Ikeda
池田  直隆
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Oil Mills Ltd
Original Assignee
Nisshin Oil Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Oil Mills Ltd filed Critical Nisshin Oil Mills Ltd
Priority to JP10132679A priority Critical patent/JPH11308971A/ja
Publication of JPH11308971A publication Critical patent/JPH11308971A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のキサンタンガムでは、各種の食品に対
する粘度特性、保型性、耐塩性、耐酸性、沈降防止機能
等が不十分でしかも食感、風味が悪かった。 【解決手段】 キサンタンガムを特定の条件で加熱して
得た高粘性キサンタンガムを各種食品に含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高粘性キサンタンガ
ム含有食品に関する。かかる高粘性キサンタンガムは、
広く食品分野において増粘剤、乳化安定剤、沈降防止
剤、保形剤、懸濁安定剤、保水剤等として用いられる。
【0002】
【従来の技術】キサンタンガムは、微生物キサントモナ
ス・カンペストリス(Xanthomoas campestris )によ
り、澱粉、グルコース、ショ糖等の炭水化物からつくら
れる微生物多糖類の一種である。キサンタンガムの構造
は、主としてD−グルコース、D−マンノースおよびD
−グルクロン酸のナトリウム、カリウムおよびカルシウ
ム塩からなり、主鎖はD−グルコースのβ−1,4結合
からなる。キサンタンガムの製造方法として、発酵工程
の後、微生物を殺菌するために熱処理され、そのアルコ
ールを取り除き、乾燥、粉砕する方法などが知られてい
る。このキサンタンガムは、冷凍食品、乳化物食品(マ
ヨネーズ、ドレッシング類、アイスクリーム、ホイップ
クリーム等)、調味料、調味液(ソース、醤油、たれ
類、マスタード、ケチャップ等)、飲料(ジュース、コ
ーヒー、乳製飲料等)、レトルト食品(ミートボール
等)、粉末状食品(粉末スープ、ココア粉末等)、ゲル
状食品(ゼリー等)、高塩性または酸性食品(漬物
等)、穀粉含有食品(スポンジケーキ、ビスケット、パ
ン、めん類等)等に添加剤として用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
キサンタンガムは、食品分野において粘度特性、保形
性、耐塩性、耐酸性、沈降防止機能に関し、十分な機能
を有するものではなかった。すなわち、冷凍食品では、
フライ物の衣剥離を防止するため、キサンタンガムが用
いられているが、解凍時に調味液の油水分離が起こった
り、具材表面の調味液の不均一化が生じ、サクミなどの
食感が低下するなどの問題がある。水中油型乳化物食品
では、増粘作用、乳化安定作用などを持つキサンタンガ
ムが添加剤として用いられているが従来のキサンタンガ
ムでは適性な粘度において期待する保形性が得られず、
さらに十分な乳化安定性も期待できないため食味の改善
が求められている。調味料(ソース、たれ、ケチャッ
プ、マスタード、醤油) にはつや出し、こく出しなどの
理由でキサンタンガムが用いられているが、耐塩性、耐
酸性の面では十分ではなく、より耐塩性、耐酸性の高い
増粘剤への要望が強い。飲料においては分離、沈降防止
機能が不十分でより少量の添加量で十分な機能を有する
キサンタンガムが必要となっている。レトルト食品にお
いても煮崩れ防止機能は十分ではなく加熱による食味の
悪化は避けられない。粉末状食品(クリーミングパウダ
ー、粉末スープ、ココア、脱脂粉乳など)においては使
用時における分散性が未だ不十分であり、更なる使用感
の向上が求められている。ゲル状食品(ゼリーなど)に
おいては従来のキサンタンガムでは適性濃度におけるゲ
ル強度が不十分であり、食味、食感の改善が急務となっ
ている。高塩性または酸性食品では、耐塩、耐酸性を付
与するため添加されているが、十分とは言えない。穀粉
含有食品(パン、ケーキミックス、麺類)では、老化防
止、生地の安定化、芯の発生防止、ワレ防止、食感の改
善のために添加されているが、未だ不十分である。ま
た、めん類の腰の強さ、しなやかさ、油ぎれの良さを改
善するために添加さているが、ユーザーを満足させるも
のではない。以上のように従来キサンタンガム含有食品
は、未だ解決すべき問題点は多い。
【0004】ここであらためて、本発明における食品を
例示すると、冷凍食品とは、加工した食品を包装容器に
入れて凍結させたものをいう。乳化食品とは、マヨネー
ズ、ドレッシング類、クリーム類(アイスクリーム、ホ
イップクリーム等)を、調味料、調味液とは、ソース、
醤油、たれ類、マスタード、ケチャップ等を、飲料と
は、ジュース、コーヒー、乳製飲料等を、レトルト食品
とはミートボール等をレトルト処理したものを、粉末状
食品とは、粉末スープ、ココア粉末等を、ゲル状食品と
は、ゼリー等を、高塩性または酸性食品とは、漬物等
を、穀粉含有食品とは、スポンジケーキ、ビスケット、
パン、めん類等を各々いうものとする。
【0005】
【発明が解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、キサンタ
ンガムを固体状態で加熱して得たキサンタンガムが優れ
た粘度特性を有し、これを上記食品に含有させることに
より、予測される以上の機能を発揮することを見出し、
本発明を完成した。かかる本発明は、キサンタンガム濃
度として0.5重量%の水溶液とした場合、4000〜
25000mPa・s(B型粘度計6rpm 25℃)
の粘度を示す高粘性キサンタンガムを含有することを特
徴とする食品である。また、本発明で用いる高粘性キサ
ンタンガムは、上記水溶液をオートクレーブ内で120
℃で3時間加熱した場合に、粘度が加熱前より3000
mPa・s(B型粘度計6rpm 25℃)以上低下す
るという性質を有する。
【0006】本発明で用いる高粘性キサンタンガムは、
一般に、乾燥減量(常圧下、105℃、5時間加熱)が
50重量%以下のキサンタンガムを100〜140℃で
30分以上加熱することによって得ることができる。上
記加熱は、気体中でも液体中でも行うことができる。気
体中で行う場合、空気中等酸素の存在下で行うと着色す
る恐れがあるので、不活性ガス中で行うのが良い。ま
た、気体中での加熱を減圧下で行うことによっても着色
を回避できる。液体中で加熱を行う場合、キサンタンガ
ムを溶解しない不活性溶剤中にキサンタンガムを分散さ
せた状態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色は
起こらない。本発明の高粘度キサンタンガムを添加物と
して食品に用いる場合、添加量は、食品の種類により大
きく異なり、概ね0.05〜5.0重量%であるが、特
に飲料では1ppm程度でも効果が期待できる。
【0007】本発明におけるそれぞれの食品に対する効
果は、冷凍食品では、解凍時に、調味液の油水分離が起
こったり、具材表面の調味液の不均一化が生じ、サクミ
などの食感が低下するなどの問題を回避できる。乳化食
品では、適性な粘度において期待する保形性が得られ、
乳化安定性の優れた食品ができる。調味料では、付着
性、液ダレ性に優れた食品ができる。飲料においては、
より少量の添加量で分離、沈降を防止できる。レトルト
食品においても優れた煮崩れ防止機能で、加熱による食
味の悪化は回避できる。粉末状食品においては、使用時
における分散性が優れていて、使用感の向上が得られ
る。ゲル状食品においては、保水性や食感を改善でき
る。高塩性食品においては、分散性改善、耐塩性、耐酸
性に優れた食品ができる。穀粉含有食品では、老化を防
ぐことができ、生地の安定化、食感を改善することがで
き、さらにめん類では腰の強さ、しなやかさ、油ぎれの
良さを改善することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明で用いる高粘性キサンタンガムは、一般に、
乾燥減量(常圧下、105℃、5時間加熱、以下別に定
義する場合を除き、「乾燥減量」はこの条件下での乾燥
減量をいうものとする)が50重量%以下のキサンタン
ガムを100〜140℃で30分以上加熱することによ
って得ることができる。
【0009】この高粘性キサンタンガムを製造するのに
使用する原料キサンタンガムは、乾燥減量が50重量%
以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは1
5重量%以下のキサンタンガムである。かかる原料キサ
ンタンガムとしてはまず市販の粉末状、顆粒状等のキサ
ンタンガムを用いることができる。かかる原料キサンタ
ンガムとしてはまた、トウモロコシ澱粉やグルコース等
を炭素源として、キサントモナス・カンペストリスを液
体培養して得られる培養液から低級アルカノールで分別
沈殿させるキサンタンガムの製造法において、分別沈殿
後の乾燥工程中に乾燥減量が50重量%以下となったキ
サンタンガムを用いることができる。原料キサンタンガ
ムの乾燥減量が50重量%より多いとキサンタンガムの
品温が十分に上がらず粘度向上の効果がない。高粘性キ
サンタンガムを製造するために、かかる原料キサンタン
ガムを加熱するが、加熱は100〜140℃、好ましく
は100〜130℃、さらに好ましくは105〜125
℃で、30分以上、好ましくは30分〜10時間、さら
に好ましくは30分〜7時間、さらに一層好ましくは3
0分〜6時間である。これらの条件中においても、高温
側では比較的短時間加熱、低温側では比較的長時間加熱
が好ましい。加熱はもっとも好ましくは105〜125
℃で30分〜6時間行う。加熱温度が100℃未満であ
ると粘性の改善が十分でなく、140℃を超えると一般
に着色する可能性が大きくなる。
【0010】上記加熱は気体中でも液体中でも行うこと
ができる。気体中で行う場合、空気中等酸素の存在下で
行うと着色する恐れがあるので、キサンタンガムと反応
しない不活性ガス中で行うのが良い。不活性ガスとして
は窒素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、水蒸気等を挙げ
ることができる。また、気体中での加熱を減圧下で行う
ことによっても着色を回避できる。この場合の気体とし
ては上記不活性ガスを用いることができるのは勿論であ
るが、減圧の程度によっては空気も着色を生じることな
く用いることができる。減圧の程度は、特に制限ない
が、200〜0.01mmHgが適当である。
【0011】液体中で加熱を行う場合、キサンタンガム
を溶解しない不活性溶剤中にキサンタンガムを分散させ
た状態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色は起
こらない。不活性溶剤としてはキサンタンガムを溶解せ
ず、キサンタンガムと反応しないものであれば特に制限
はない。不活性溶剤の例としてはメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコー
ル等の炭素数1〜6のアルカノール、1,3−ブチレン
グリコール、プロピレングリコール、エチレングリコー
ル等の炭素数1〜4のアルカンジオール、エチレングリ
コールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メ
チルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエー
テル(エチルセロソルブ)等のエチレングリコールのモ
ノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜2)
エーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール
のモノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜
2)エーテル等の他、植物油脂、動物油脂、脂肪酸、脂
肪酸とグリセリン等のモノ、ジ、トリエステル等の各種
油脂類を挙げることができる。不活性溶剤中での反応は
場合により加圧下で、例えばオートクレーブ中で行うこ
とができる。
【0012】上述したキサンタンガムの処理方法は、本
特許の対象となる食品の製造工程の内、キサンタンガム
が乾燥状態であればどの部分でもこの処理を行うことが
できる。加熱処理後に得られる高粘性キサンタンガムの
単離は、例えば加熱処理液を濾過し、ケーキを必要に応
じエタノール等の低沸点溶剤で洗浄し、ついで真空乾燥
することによって行うことができる。上記方法によって
製造される高粘性キサンタンガムは、その高い粘性にお
いて従来のキサンタンガムと異なる。すなわち、本発明
の高粘性キサンタンガムは、キサンタンガム濃度として
0.5重量%の水溶液とした場合、4000〜2500
0mPa・s(mPa・s=ミリパスカル×秒)(B型
粘度計、6rpm、25℃。以下別に定義する場合を除
き、粘度値はこの条件下でのものをいうものとする。な
お、1mPa・s=1cP(センチポアズ)である)、
好ましくは4500〜23000mPa・s、さらに好
ましくは5000〜22000mPa・s、さらに一層
好ましくは6000〜21000mPa・sの粘度を示
す。市販のキサンタンガムの0.5重量%水溶液の粘度
は1600〜3300mPa・s程度である。
【0013】また、この高粘性キサンタンガムは、一般
に、キサンタンガム濃度として0.5重量%とした水溶
液をオートクレーブ内で120℃で3時間加熱した場合
に、粘度が加熱前より3000mPa・s以上、好まし
くは3000〜23000mPa・s、さらに好ましく
は4000〜20000mPa・s、さらに一層好まし
くは5000〜20000mPa・s低下する。その他
の物性については、みかけの分子量が従来のキサンタン
ガムと比し、大きくなっているが、分子式上の実質的変
化はない。
【0014】以下各食品についての具体的実施の形態を
述べる。高粘性キサンタンガムの添加時期は、特に限定
されるものではない。また添加方法についても特に限定
されるものではない。本発明の対象となる冷凍食品は、
特に限定するものではないが、例えばフライ用冷凍食
品、電子レンジ用冷凍食品、オーブントースター用冷凍
食品、蒸し調理用冷凍食品、焼き調理用冷凍食品等があ
げられる。この中でフライ用冷凍食品とは、常法により
具に衣付けした後冷凍した食品であって、喫食時に当た
ってフライするものをいう。ここで具とは通常のフライ
食品に使用できる全ての具材を指し、例えばボイル後ク
ラッシュしたジャガイモに、畜肉、野菜等の細片を加え
て整形したもの(コロッケの具)、牛、豚、鶏肉等の、
畜肉類や、エビ、タラなどの魚介類を所定の大きさ・形
状に整形したもの(カツレツの具、フィレの具)等をい
う。また、衣付けとは、具の表面をバッター液及び、ま
たは、パン粉で被覆することをいう。本発明の冷凍食品
の製造法は従来の方法に従い製造できる。実施例1に高
粘性キサンタンガムを用いた冷凍食品に関する例を挙げ
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】本発明の対象となる乳化食品は、特に限定
されるものではないが、マヨネーズ、乳化型ドレッシン
グ、各種クリーム類、乳化型調味料等が上げられる。こ
の中で、乳化型ドレッシングに用いられる油相原料は特
に限定されるものではないが、コーン油、菜種油、大豆
油、綿実油、米油、ヒマワリ油、等の液体油があり、通
常サラダ油と称されるものが好ましい。乳化のために卵
黄を用いることも可能であるが、特にこれに限定される
必要はなく、一般的食品乳化剤、ショ糖脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、レシチン、リゾレシチン等も用いることもでき
る。上記以外の配合剤として、例えば、食酢、砂糖、食
塩、果汁、トマトケチャップ、クエン酸、香辛料等が適
宜加えられる。本発明の乳化型ドレッシングの製造法は
従来の方法に従い製造できる。実施例2に高粘性キサン
タンガムを用いた水中油滴乳化型食品に関する例を挙げ
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】本発明の対象となる調味料は特に限定する
ものではないが、例えば醤油、みそ、ケチャップ類、ウ
スターソース、トンカツソース、絡めソース、炒めソー
ス、風味調味料、発酵調味料、煮込み用液、たれ、等が
あげられる。この中でたれとは、焼き肉のたれ、焼き鳥
のたれ、ジンギスカンのたれ、餃子のたれ、照り焼き用
のたれ、蒲焼き用のたれ、味付け海苔のたれ、みりん干
しのたれ、ところてんのたれ等、特に限定するものでは
ない。例えばこの中で焼き鳥のたれとは、醤油、みそ、
香辛料、甘味料、果汁、食酢、サラダ油、ごま油、野
菜、果物、あるいは香料等の副資材で構成されるものを
あげられる。高粘性キサンタンガムの添加時期は、特に
限定されるものではない。また添加方法についても特に
限定されるものではなく、直接添加する水に溶解し、水
溶液の状態で添加する、他の粉類と混合し添加する等あ
げられる。実施例3に高粘性キサンタンガムを用いた調
味料に関する例を挙げるが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0017】本発明の対象となる飲料は、特に限定する
ものではないが、例えば乳飲料、果汁飲料、炭酸飲料、
清涼飲料、コーヒー飲料である。この中で乳飲料とは、
乳成分(牛乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、全脂
加糖練乳、脱脂加糖練乳、無糖練乳、バター、チーズ
等)を含有する飲料であれば、特に限定するものではな
いが、例えば乳製品にコーヒー抽出物、紅茶、ココア、
抹茶、コーン、果汁等嗜好品、砂糖、液糖、ステビア、
アスパルテーム等の甘味料、ショ糖脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、レシチン、リゾレシチン等の食品用乳化剤、あるい
は香料などの副資材で構成されているものが上げあれ
る。実施例4に高粘性キサンタンガムを用いた飲料に関
する例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0018】本発明の対象となるレトルト食品は、特に
限定するものではないが、レトルト処理を行った食品の
ことを言い、通常喫食する食品のみならず、治療食品、
健康食品、乳児用食品、なども含まれる。レトルト処理
とは大気圧以上の圧力を使用し、110〜120℃で2
0〜30分、約150℃で5〜10分間、加熱殺菌処理
をすることを言う。対象となる食品は、加熱殺菌処理が
可能な食品であれば、特に限定するものではないが、例
えば、缶詰、袋詰め食品、瓶詰め食品などがあげられ
る。本発明のレトルト食品のの製造法は従来の方法に従
い製造できる。実施例5に高粘性キサンタンガムを用い
たレトルト食品に関する例を挙げるが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0019】本発明の対象となる粉末状食品は、特に限
定するものではないが、ココア飲料用粉末、粉末状即席
みそ汁、スープ用粉末、ジュース用粉末等があげられ
る。本発明の対象となるココア飲料用粉末はココアパウ
ダー等のココアを素材にしたココア粉末、ビタミン混合
粉末、鉱物化合物、食物繊維、甘味料、食塩、ショ糖脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の食品用
乳化剤、あるいは香料などの副資材で構成されているも
のが上げあれる。本発明の粉末状食品の製造法は従来の
方法に従い製造できる。また、添加時期も製造する食品
に応じ、任意の適切な工程において、添加することがで
きる。実施例6に高粘性キサンタンガムを用いた粉末食
品に関する例を挙げるが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0020】本発明の対象となるゲル化状食品は、特に
限定するものではないが、例えばゼリー状食品などが上
げられる。本発明の対象となるゼリー状食品は寒天、カ
ラギナン、ペクチン、マンナン、ローカストビーンガ
ム、ゼラチン、アルギン酸塩、アラビノガラクタン、フ
ァーセレラン、タラガム、グアガム、ジェランガム、メ
チルセルロース等の基材を含有し、果汁等嗜好品、砂
糖、液糖、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、ある
いは香料などの副資材で構成されているものがあげあれ
る。次に本発明にゼリー状食品を製造する方法は、従来
公知の製造法と同様の方法に従って製造することができ
る。実施例7に高粘性キサンタンガムを用いたゲル状食
品に関する例を挙げるが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0021】本発明の対象となる高塩性及び酸性食品と
は、特に限定するものではないが、例えばソース、佃
煮、漬け物、ヨーグルト等があげられる。この中でソー
スとは、ウスターソース、中濃ソース、濃厚ソース、ト
ンカツソース、ホワイトソース、スパゲティー用ソー
ス、デミグラスソースなどがあげられるがこれに限定さ
れるものではない。ウスターソースは、トマトエキス、
甘味料、食塩、食酢、香辛料、果汁、野菜エキス、等で
構成されているものである。次に本発明の耐塩性および
酸性食品を製造する方法は、従来公知の製造法と同様の
方法に従って製造することができる。実施例8に高粘性
キサンタンガムを用いた耐塩性および酸性食品に関する
例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0022】本発明の対象となる穀粉含有食品は、特に
限定するものではないが、例えば生麺、乾麺、パン、ス
ポンジケーキ、ビスケット、餅、団子、パスタなどが上
げられる。例えば生麺とは、穀類として、そば、小麦、
米、澱粉等を主成分にするものが挙げられる。ここで小
麦とは、小麦から得られた薄力粉、中力粉、準強力粉、
強力粉のみならず大麦、ライ麦、ハトムギ等から作られ
た穀粉を含む広い概念である。また、澱粉としては、馬
鈴薯、甘藷、みどりまめ、タピオカ、サゴ、トウモロコ
シ、及びこれらをアルファー化、酸化、エステル化、エ
ーテル化、あるいは、架橋などした、加工澱粉が好適に
使用可能である。なお、本発明における主成分としての
穀粉は、それぞれ単独で使用することもあるいは併用す
ることも可能であり、併用する場合の混合比率も特に限
定するものではなく、生麺の用途に応じて定めることが
好適である。その他副成分も特に限定するものではない
が、ペクチン、タラガム、寒天、食塩、香料等があげら
れる。次に本発明の穀粉食品を製造する方法は、従来公
知の製造法と同様の方法に従って製造することができ
る。添加時期を特に限定するものではない。実施例9に
高粘性キサンタンガムを用いた穀粉含有食品に関する例
を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】本発明を以下実施例、比較例および参考例
によって具体的に説明するが、これらは本発明を例証す
るためのものであって、本発明を何等限定するものでは
ない。 (従来のキサンタンガムの比較製造例)市販のキサンタ
ンガムの0.5重量%水溶液を作り、粘度を測定した。
【0024】
【表1】 ※測定条件:B型粘度計、6rpm、25℃
【0025】(高粘性キサンタンガムの製造例1)キサ
ンタンガム粉末(ザ・ニュートラスウィート・ケルコカ
ンパニー・ア・ユニット・オブ・モンサントカンパニー
製、乾燥減量14重量%)1Kgを大豆油中4Kgに分
散させ、100〜120℃で加熱した。キサンタンガム
分散液をそれぞれ濾過し、ケーキをエタノール40gで
洗浄した。真空乾燥に12時間付してエタノールを除去
して高粘性キサンタンガムを得た。それぞれの0.5重
量%水溶液を調製し、粘度を測定した。
【0026】
【表2】 ※測定条件:B型粘度計、6rpm、25℃
【0027】(高粘性キサンタンガムの製造例2)キサ
ンタンガム粉末(ローヌ・プーラン・ケミカルズ・カン
パニー製、乾燥減量8重量%)1Kgを大豆油中4Kg
に分散させ、100〜120℃で加熱した。キサンタン
ガム分散液をそれぞれ濾過し、ケーキをエタノール40
gで洗浄した。真空乾燥に12時間付してエタノールを
除去して高粘性キサンタンガムを得た。それぞれの0.
5重量%水溶液を調製し、粘度を測定した。
【0028】
【表3】 ※測定条件:B型粘度計、6rpm、25℃
【0029】(高粘性キサンタンガムの製造例3)キサ
ンタンガム粉末(株式会社興人製、乾燥減量11重量
%)100gを110℃の窒素中において加熱した。得
られた高粘性キサンタンガムの0.5重量%水溶液を作
り、粘度を測定した。結果を表4に示す。なお、表4中
の加熱時間はキサンタンガムの品温が100℃以上で加
熱された時間である。
【0030】
【表4】 ※測定条件:B型粘度計、6rpm、25℃
【0031】
【実施例】以下本発明の実施例および比較例を説明す
る。 実施例1および比較例1 <冷凍食品>豚肉のロース切り身に60gに、表5に示
す組成のバッターミックス液をつけ、さらに表5に示す
粒状物を付着させた。次いで180℃の大豆油で3分間
フライし、フライ食品を調製した。
【0032】
【表5】
【0033】得られたフライ食品をそれぞれ―30℃で
冷凍した。この冷凍品をオーブントースターで5分間加
熱した。フライ食品の調理、冷凍時の粒状物の付着性お
よびフライの食感を評価した。結果を表6に示した。
【0034】
【表6】 注)◎:優 ○:良 △:やや劣る ×:劣る 本発明品1、2により得られたフライ食品は粒状物の付
着性が高く、冷凍保存性にも優れ、また、良好なサクイ
食感を有するものであった。
【0035】実施例2および比較例2 <乳化状食品>表7に示す砂糖、高粘性キサンタンガム
(高粘性品3)あるいは比較例としてキサンタンガム
(未加熱品1)、をよく混合し、加塩卵黄を加え水に分
散・ 溶解した。食塩を溶解した食酢を加え、さらにトマ
トペースト、マスタードを加えて水相部とした。上記水
相部をホモミキサーにて攪拌しながら、サラダ油を滴下
し、全量投入後さらに7000rpmにて10分間、加
熱を続け、乳化状液状ドレッシングを調整した。
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】得られたドレッシングをそれぞれ100c
c容のガラスビンに入れ、70℃にて5分間加熱殺菌し
た。殺菌後の製品と加熱前の製品を30℃の恒温槽中で
振とう培養器を用いて振とう試験を行ない、油、水の分
離状況を観察した。その結果を表9に示した。
【0039】
【表9】 注)+:明らかにオイルオフが観察される。 −:分離は観察されない。
【0040】また、調製したドレッシングを100cc
容ガラスビンに90g充填し、30℃の恒温槽中に1時
間静置した後、B型回転粘度計を用いて粘度を測定し
た。結果は表10に示した。
【0041】
【表10】 注)◎:優 ○:良 △:やや劣る ×:劣る また、調整したドレッシングを100cc容ガラスビン
に90g充填し、- 20℃の冷凍庫で24時間保管後、
解凍し乳化状態を観察した。結果は表11に示した。
【0042】
【表11】 注)○:分離なし △:若干油浮きあり ×:油水
分離 これらの結果から、従来のキサンタンガムを使用したも
の(比較品1、2、3)は、耐振動性が弱く、耐熱性を
もたない。また冷凍耐性がない。本発明品1〜3により
得られた乳化状ドレッシングは乳化安定性が高く、流動
性にも優れ、冷凍解凍後の耐性にも優れている。また、
まろやかな風味を有するものであった。
【0043】実施例3および比較例3 <調味料>表12に示す組成をミキサーにて混合して、
たれを調整した。
【0044】
【表12】
【0045】
【表13】
【0046】得られた液状調味料をそれぞれ100cc
容のガラスビンに入れ、80℃にて10分間加熱殺菌し
た。殺菌後の製品について、3cm角の焼いた鳥肉片を
浸して引き上げた際の付着と曳糸の状態について観察し
た。その結果を表14に示した。
【0047】
【表14】 注)○:優 △:やや劣る ×:劣る
【0048】これらの結果から、従来のキサンタンガム
を使用したもの(比較品1、2)は、曳糸性の面で液だ
れが多く、調味料としての具材への付着量が少なかっ
た。本発明品1〜2により得られた液状調味料は具材に
適度な量が付着し、かつ、液だれの少ない良好な物性を
有していた。
【0049】実施例4および比較例4 <飲料>表15に示すコーヒー抽出物、全脂粉乳、脱脂
粉乳、グラニュー糖および水を加えて混合溶解し、高粘
性キサンタンガム(高粘性品11)あるいは比較例とし
てキサンタンガム(未加熱品3)を熱水に溶解したもの
を加え、重曹にてpH6.7に調製後さらに水を加えて
全量を100%とした。この混合液を65〜75℃の温
度で高速攪拌機を用いて予備乳化を行なった。次いで溶
液を高圧型均質機を用い65〜75℃の温度で200k
g/cm2 の圧力で均質化し、容器に充填後121℃、
30分間レトルト殺菌を行なった。
【0050】
【表15】 (*):pH6.7に調製
【0051】
【表16】 本発明品1〜3および比較品1〜3により得られた飲料
をそれぞれ55℃、2週間保存した。結果を表17に示
す。
【0052】
【表17】 注)リングの発生 油滴の発生 ○:リング観察されず ○:油滴観察されず △:リングがわずかに観察される △:油滴わずかに観察される ×:リング観察される ×:油滴観察される 沈殿の発生 ○:沈殿観察されず △:沈殿わずかに観察される ×:沈殿観察される これらの結果から、従来のキサンタンガムを使用したも
の(比較品1、2、3)は保存安定性が悪く、リングの
発生、油滴の発生、沈殿の発生が観察される。本発明品
1〜3により得られた乳飲料は、乳化安定性が高く、リ
ングの発生、油滴の発生、沈殿の発生がなく良好な乳飲
料を製造することができた。
【0053】実施例5および比較例5 <レトルト食品>表18に示す組成を肉部、ソース部に
ついて夫々別々に予備調理して、麻婆ソースを調整し
た。
【0054】
【表18】
【0055】
【表19】
【0056】本発明品1〜2および比較品1〜2により
得られたソースを肉部と合わせて合計100g(肉部3
0g、ソース部70g)アルミ箔入りレトルトパウチに
充填した後、レトルト殺菌(120℃、25分)したも
のを製品とした。殺菌後の製品について、湯煎で10分
間加熱した後、茹でた春雨250gにかけたときのソー
スと具材(肉部)の分散状態、春雨への付着およびソー
ス中の油の分離について観察した。その結果を表20に
示した。
【0057】
【表20】 注)○:優 △:やや劣る ×:劣る
【0058】これらの結果から、従来のキサンタンガム
を使用したもの(比較品1,2)は、ソースの液だれが
多く、具材(挽肉) との分離が見られ調味料としての春
雨への付着も少なかった。また、ソース中の油が分離し
ていた。本発明品1〜2により得られた麻婆ソースは、
ソース中の油の分離が無く、具材とソースが均一に分散
しており、かつ、春雨への付着も適当な量である良好な
物性を有していた。
【0059】実施例6および比較例6 <粉末状食品>表21に示す成分を混ぜ、造粒し、粉末
ココアを調整した。
【0060】
【表21】
【0061】
【表22】
【0062】得られた粉末ココアを少なめの湯で溶い
て、氷を入れて、アイスココアとした。湯で溶くときの
溶解性および5分後の粒子の沈降具合を評価した。その
結果を表23に示した。
【0063】
【表23】 注)◎:優 ○:良 △:やや劣る ×:劣る これらの結果から、本発明品1、2により得られた粉末
ココアは乳化安定性が高く、流動性にも優れ、また、ま
ろやかな風味を有するものであった。
【0064】実施例7および比較例7 <ゲル化状食品>表24に示す水の中に砂糖、および高
粘性キサンタンガム(高粘性品1)あるいは比較例とし
てキサンタンガム(未加熱品2)の粉体混合物を添加す
る。80℃、10分間加熱攪拌溶解する。1/5濃縮オ
レンジ果汁、酸味料、香料、着色料を添加し蒸発水を補
正する。容器に充填し80℃、30分間殺菌し水冷す
る。
【0065】
【表24】
【0066】
【表25】
【0067】本発明品1〜3および比較品1〜3により
得られたオレンジゼリーを、40℃75%RHの条件で
3ヵ月放置した後、各ゼリー組成物を容器より取り出し
て離水の有無、保型性、風味、食感を調べた。結果を表
26に示した。
【0068】
【表26】 注)離水の有無 保型性 ○:離水が観察されず ○:良好 △:離水がわずかに観察される △:やや劣る ×:離水が観察される ×:劣る 風味、食感 ○:優れている △:やや劣る ×:劣る
【0069】これらの結果から、従来のキサンタンガム
を使用したもの(比較品1〜3)は保存中に離水が発生
し、保型力の劣る結果となった。また風味、食感につい
ても満足得られない結果となった。本発明品1〜3によ
り得られたゼリーは、従来のキサンタンガムに比べ少量
で良好な保型性を有し、離水の無い結果であった。また
風味、食感についても良好な結果であった。
【0070】実施例8および比較例8 <高塩性食品>表27に示す、野菜果実ピューレ、野菜
エキス、水、および高粘性キサンタンガム(高粘性品1
0)あるいは比較例としてキサンタンガム(未加熱品
3)を混合し90℃で加熱する。砂糖、食塩、香辛料、
食酢、胡麻を加え攪拌加熱溶解後、液量調整し製品とし
た。
【0071】
【表27】
【0072】
【表28】
【0073】本発明品1〜3および比較品1〜3により
得られたソースを、容器に充填した。各ソースを30℃
で振とう後静置し、胡麻がソース中に滞留する分散状
態、風味を観察した。結果を表29に示した。
【0074】
【表29】 注)分散状態 ○:均一に分散 △:胡麻浮きあり ×:完全に分
【0075】これらの結果から、従来のキサンタンガム
を使用したもの(比較品1〜3)は振とう後、胡麻の分
散保持時間が短い結果となった。本発明品1〜3により
得られたソースは胡麻の分散能に優れ、風味についても
良好な結果であった。
【0076】実施例9および比較例9 <穀粉含有食品>表30に示す組成を混合した後、混練
機を用いて、720mmHg以下の真空雰囲気において
15分間混練し、麺生地とした。次に、麺生地を、圧延
機を用いて、比較例1および実施例1は麺圧1.3mm
の麺帯とし、比較例2および実施例2は麺圧5.0mm
の麺帯とした。カッターを用いて切断し、幅約20m
m、長さ約25cmの生麺を調整した。得られた麺を、
比較品1および本発明品1は、茹で機を用いて、約3分
間茹で、比較品2と本発明品2は、蒸煮機を用いて、約
3分間蒸煮した。さらに、酸液(1重量%乳酸水溶液)
に、振動を与えながら60秒浸漬した。浸漬後、ポリエ
チレン袋に封入し、加熱殺菌(98℃、40分蒸気加
熱)を施し麺を調整した。
【0077】
【表30】
【0078】生麺調整後および1ヶ月常温にて保存した
後に、約90℃のお湯で戻し、麺のコシ等の強さを、食
味したり、あるいは麺の状態を目視にて観測し、評価し
た。結果は表31に示した。
【0079】
【表31】 注)◎:優 ○:良 △:やや劣る ×:劣る これらの結果から、本発明品1、2により得られた麺は
弾力性、こし、粘り、風味などの食感に優れ、保存安定
性も良好であった。
【0080】参考例1 比較製造例1のキサンタンガム(未加熱品2)と製造例
1の高粘性キサンタンガム(高粘性品6)の0.3、
0.6,0.9重量%水溶液を作った。各溶液を光散乱
光度計(大塚電子株式会社製 DLS−7000型)
で、24.5℃における40、50、60、70、8
0、90°の角度の静的光散乱測定を行った。また、Z
immプロット解析を行い、見かけの分子量と慣性自乗
半径を求めた。表32にその結果を示す。表32に示す
とおり高粘性キサンタンガムは未加熱品より大きな粒子
で存在することが示された。
【0081】
【表32】
【0082】参考例2 比較製造例1のキサンタンガム(未加熱品1)と製造例
1の高粘性キサンタンガム(高粘性品1)の1重量%水
溶液にそれぞれクエン酸ナトリウム、リン酸L-アスコル
ビルマグネシウム(VC-PMg)を0〜2重量%添加したとき
の粘度を測定した。結果を図1に示す。図1に示すとお
り、高粘性キサンタンガムは塩に対し強く、各塩濃度に
おいて未加熱品よりも高い粘度であった。
【0083】参考例3 比較製造例1のキサンタンガム(未加熱品1)と製造例
1の高粘性キサンタンガム(高粘性品1)の1重量%水
溶液の粘弾性を測定した。測定にはCarri−Med
社製ストレス制御式レオメーター(CSL―100型)
を用いた。図2に未加熱品1のフローテストの結果を、
図3に高粘性品1のフローテストの結果を示す。図2お
よび図3の比較から、未加熱品より高粘性品の方が降伏
値が高いことが示された。
【0084】
【発明の効果】本発明の食品は、特定の高粘性を有した
高粘性キサンタンガムを含有することにより、粘度特
性、保型性、耐塩性、耐酸性、沈降防止機能等が予測以
上に改善され、風味、食感も従来品よりも著しく優れた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 塩類によるキサンタンガムの粘度の影響を表
す図である。
【図2】 キサンタンガム(未加熱品1)のフローテス
トの結果を表す図である。
【図3】 高粘性キサンタンガム(高粘性品1)のフロ
ーテストの結果を表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 1/068 A23L 1/068 1/16 1/16 A C 1/22 1/22 D 1/24 1/24 A 1/31 1/31 A 1/39 1/39 1/48 1/48 2/52 2/38 P 2/39 2/00 E 2/38 Q

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キサンタンガム濃度として0.5重量%
    の水溶液とした場合、4000〜25000mPa・s
    (B型粘度計6rpm 25℃)の粘度を示す高粘性キ
    サンタンガムを含有することを特徴とする食品。
  2. 【請求項2】 請求項1の水溶液を120℃で3時間加
    熱した場合に、粘度が加熱前より3000mPa・s
    (B型粘度計6rpm 25℃)以上低下する高粘性キ
    サンタンガムを含有することを特徴とする食品。
  3. 【請求項3】 高粘性キサンタンガムが、乾燥減量(常
    圧下、105℃、5時間)が50重量%以下のキサンタ
    ンガムを100〜140℃で30分以上加熱するもので
    ある請求項1または2記載の食品。
  4. 【請求項4】 食品が、冷凍食品、乳化食品、調味料、
    飲料、レトルト食品、粉末状食品、ゲル状食品、高塩性
    または酸性食品、穀粉含有食品のいずれか1である請求
    項1〜3のいずれか1項記載の食品。
JP10132679A 1998-04-27 1998-04-27 高粘性キサンタンガム含有食品 Pending JPH11308971A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10132679A JPH11308971A (ja) 1998-04-27 1998-04-27 高粘性キサンタンガム含有食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10132679A JPH11308971A (ja) 1998-04-27 1998-04-27 高粘性キサンタンガム含有食品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11308971A true JPH11308971A (ja) 1999-11-09

Family

ID=15086985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10132679A Pending JPH11308971A (ja) 1998-04-27 1998-04-27 高粘性キサンタンガム含有食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11308971A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002291859A (ja) * 2001-03-30 2002-10-08 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd ゲル状組成物
JP2006213867A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Sanei Gen Ffi Inc キサンタンガムの改質方法及びその応用
WO2006132288A1 (ja) * 2005-06-07 2006-12-14 San-Ei Gen F.F.I., Inc. ペクチンの改質方法及びその応用
JP2007267670A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Adeka Corp 焼菓子生地
JPWO2007037347A1 (ja) * 2005-09-28 2009-04-09 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 乳化組成物及びその調製方法
JP2009171983A (ja) * 2009-04-30 2009-08-06 Ogawa & Co Ltd 煮魚調味液及び該調味液を使用した煮魚調理方法
JP2011010574A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Adeka Corp 起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP2011019436A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Ina Food Industry Co Ltd 増粘用組成物、液体含有食品、及びその製造方法
JP2014000059A (ja) * 2012-06-21 2014-01-09 Adeka Corp パン生地

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002291859A (ja) * 2001-03-30 2002-10-08 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd ゲル状組成物
JP2006213867A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Sanei Gen Ffi Inc キサンタンガムの改質方法及びその応用
WO2006132288A1 (ja) * 2005-06-07 2006-12-14 San-Ei Gen F.F.I., Inc. ペクチンの改質方法及びその応用
JP5057972B2 (ja) * 2005-06-07 2012-10-24 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 ペクチンの改質方法及びその応用
JPWO2007037347A1 (ja) * 2005-09-28 2009-04-09 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 乳化組成物及びその調製方法
JP2007267670A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Adeka Corp 焼菓子生地
JP4578429B2 (ja) * 2006-03-31 2010-11-10 株式会社Adeka 焼菓子生地
JP2009171983A (ja) * 2009-04-30 2009-08-06 Ogawa & Co Ltd 煮魚調味液及び該調味液を使用した煮魚調理方法
JP2011010574A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Adeka Corp 起泡性水中油型乳化油脂組成物
JP2011019436A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Ina Food Industry Co Ltd 増粘用組成物、液体含有食品、及びその製造方法
JP2014000059A (ja) * 2012-06-21 2014-01-09 Adeka Corp パン生地

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102014661B (zh) 食品用品质改良剂和食品
JP4972044B2 (ja) デキストリンを含有する加工食品組成物
JP5004750B2 (ja) 食感改良剤及びその製造方法
CN108366592A (zh) 食品改良剂
JP2004313122A (ja) 液状食品の膜生成抑制方法
JP6397184B2 (ja) 起泡性および泡保持性のある液状飲食品組成物
US4671966A (en) Method for fabricating a thickener concentrate for thickening sauces
WO2006126472A1 (ja) 酸性水中油滴型エマルジョン及びその食品への応用
JP5849009B2 (ja) 加熱調理済卵加工食品
CN112969372A (zh) 用于食品应用的可溶性粉
JP4680212B2 (ja) 卵黄含有食品用原料及びその製造方法
JP4313107B2 (ja) 食品用静菌剤
JP6147997B2 (ja) 容器詰めサラダの製造方法
JP2009219469A (ja) サラダの製造方法
JPH11308971A (ja) 高粘性キサンタンガム含有食品
JP4077719B2 (ja) 飲食品及びその製造方法
JP3213574B2 (ja) 食物繊維高含有澱粉素材の製造法
WO2022009891A1 (ja) 風味増強剤
JP2017042164A (ja) 食品の離水抑制方法
JP4747187B2 (ja) 改質された食品用澱粉およびその製造方法
JPH10195104A (ja) 食物繊維高含有澱粉素材、それを含有する飲食品、医薬品、化粧品及び工業製品
JP4284885B2 (ja) フィリング材及びその製造方法
JP2004222550A (ja) 穀類加工食品の品質改良
JP2000060448A (ja) ガラクトマンナン類含有食品
JPH10155445A (ja) 即席麺類およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040701