JP2007267670A - 焼菓子生地 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソフトでしっとりしていながら、歯切れのよい食感の焼菓子を得ることができ、パンなどのベーカリー生地の上掛け生地として用いた場合でも、焼成中に垂れにくい複合ベーカリー食品を得ることができる焼菓子生地を提供すること。
【解決手段】B型粘度計で、25℃、60rpmの条件下で測定したときのキサンタンガム1質量%水溶液の粘度が1000mPa・s以上である高粘度キサンタンガムを、0.01〜5質量%含有する焼菓子生地。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼菓子生地、特に好ましくは、パン等のベーカリー生地の上掛け生地である焼菓子生地に関する。
焼菓子の生地は、水分含量の多い順に大まかにショートペースト及びバッターの2種に分類される。(非特許文献1参照)
ここで、クッキー生地、ガレット生地、練パイ生地、タルト生地等の油脂を多く含有し焼きあがりがサクサクした食感となる焼菓子生地、すなわち、ショートペーストは、水分含量が少なく、常温で流動性がなく、膨張性がほとんどないため、成形した形状そのままの形で焼きあがるので焼型を使用することはほとんどなく、平展板で焼成する。
そして、得られた焼菓子も、水分が少なく、油脂が比較的多いため、硬く、歯切れのよい食感を有する。
一方、スポンジケーキ生地、バターケーキ生地、マフィン生地、シュー生地等の水分が多く常温で流動性を有する焼菓子生地、すなわち、バッターは、焼成時にカップ状の型展板や、パウンドケーキ型、スポンジケーキ型等の金属性焼型や、カップケーキ型、マフィンケーキ型等の紙製の焼型を使用する。
そして、得られた焼菓子も、水分が多く、油脂が比較的少ないため、ソフトなしっとりした食感を有する。
ところが最近は、焼菓子に対する要求が多様化し、ソフトでしっとりしていながら、歯切れのよい食感の焼菓子も求められている。
また、上記焼菓子生地をパン生地等の上掛け生地として使用した複合生地を焼成した、メロンパンに代表される複合ベーカリー食品は、バラエティーに富み、見た目も美しく食欲をそそられる上、異なる2つの食感が味わえることから、たいへん好まれている。
しかし、流動性のある生地であるバッターはもちろん、ショートペーストであっても油分が焼成中に溶けるため生地が流動化して、パン生地表面から垂れて複合ベーカリー食品の外観を損なう問題、さらには焼成中に展板まで流出して焦げついたりする問題があった。
さらには、得られた複合ベーカリー食品の上掛け生地部分は、焼成直後は硬い食感であっても、経日的にパン生地部分から上掛け生地部分へ水分が移行することによりべたついてしまうため、包装紙に接着し、包装紙から複合ベーカリー食品を取り出すときに、上掛け生地部分がパンから剥がれて、複合ベーカリー食品の外観が損なわれ、商品価値が著しく低下するという問題があった。
これらの問題を解決するために、α化澱粉を添加したパン用上掛け生地の製造法(例えば特許文献1参照)、あるいは、α化小麦粉を添加したパン用上掛け生地(例えば特許文献2参照)が開示されている。
しかし、これらの公報に記載の方法では、バッターを上掛け生地に使用した場合では、垂れ防止について一定の効果を得るには、上記副原料を大量に添加することが必要であるため、生地の粘度が著しく高くなって扱いにくくなることに加え、生地が粉っぽい不良な食感になってしまう問題もあった。
また、ショートペーストを上掛け生地に使用した場合では、上記副原料を添加してもその効果は極めて弱く、その上、生地がぼろついたものとなってしまい極めて扱いにくくなることに加え、焼成後の上掛け生地も、ぼろついた不良な食感になってしまう問題もあった。
製菓理論 基本生地とその応用 松田兼一著 昭和62年11月1日刊 p14〜17 特開平7−99878号公報 特開2001−340048号公報
従って、本発明の目的は、生地粘度を大幅に変えることなく、ソフトでしっとりしていながら、歯切れのよい食感の焼菓子を得ることができ、パン等のベーカリー生地の上掛け生地として用いた場合でも、焼成中に垂れにくい焼菓子生地を提供することにある。
本発明者等は、焼菓子生地に特定の糊料を用いることで上記問題を解決可能であることを知見した。
即ち、本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、B型粘度計で、25℃、60rpmの条件下で測定したときのキサンタンガム1質量%水溶液の粘度が1000mPa・s以上である高粘度キサンタンガムを、0.01〜5質量%含有する焼菓子生地を提供することで、上記目的を達成したものである。
本発明によれば、生地粘度を大幅に変えることなく、ソフトでしっとりしていながら、歯切れのよい食感の焼菓子を得ることができる。また、上掛け生地として用いた場合には、上掛け生地が焼成中に垂れにくい。
以下、本発明の焼菓子生地について詳細に説明する。
本発明で使用する高粘度キサンタンガムは、B型粘度計で、25℃、60rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が1000mPa・s以上、好ましくは1200〜2500mPa・sとなるものである。
尚、通常のキサンタンガムは、B型粘度計で、25℃、60rpmの条件下で測定したときの1質量%水溶液の粘度が100〜800mPa・S程度である。
上記高粘度キサンタンガムを得るには、従来のキサンタンガムを不溶性溶媒へ分散させて加熱したり、または粉末状態のまま加熱するなどの、無水条件下で加熱するという物理的加工を施すことによって得ることができる。
該高粘度キサンタンガムとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、伊那食品工業(株)製 商品名:ウルトラキサンタンV−T、ウルトラキサンタンV−7T等が挙げられる。
本発明の焼菓子生地は、上記高粘度キサンタンガムを0.01〜5質量%、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%含有する。また、残部は後述する任意成分の一種または2種以上である。
高粘度キサンタンガムの含有量が0.01質量%未満であると、得られる焼菓子の食感の改良効果が得られないことに加え、上掛け生地に使用した場合、焼成中に垂れてしまう。また、5質量%を超えると、表面がひび割れ状になったり、食感がねちゃついたものになってしまうことに加え、生地粘度が高くなりすぎ、強い曳糸性を示すなど、扱いにくい物性となってしまう。
本発明の焼菓子生地は、上記高粘度キサンタンガムを含有する以外は、澱粉類、油脂類、卵類、糖類等、通常の焼菓子生地に使用する原料を任意成分として使用することができる。
上記澱粉類としては、特に制限はなく、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉等の小麦粉類、ライ麦粉、米粉等のその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉等の堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等の澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理等の中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
上記澱粉類の含有量は、上記焼菓子生地中、0〜50質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましい。
上記油脂類としては、特に制限はなく、例えば、ショートニング、マーガリン、バター等の可塑性油脂組成物、サラダ油、流動ショートニング、溶かしバター、クリーム等の流動状〜液体の形態であるもの、粉末油脂の形態であるもの等が挙げられ、該油脂類が乳化物である場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、又は二重乳化型のいずれでも構わない。
上記油脂類の含有量は、上記焼菓子生地中、5〜50質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましい。
なお、油脂類を構成する油脂としても特に制限はなく、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、若しくはこれらを水素添加、分別又はエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記卵類としては、全卵、卵黄、凍結全卵、凍結卵黄等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の卵類を用いることができる。
上記卵類の含有量は、上記焼菓子生地中、3〜50質量%が好ましく、10〜45質量%がより好ましい。
上記糖類としては、例えば上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、デキストリン、ステビア、アスパルテーム等の糖類が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の糖類を用いることができる。
上記糖類の含有量は、上記焼菓子生地中、10〜45質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましい。
なお、本発明の焼菓子生地は、上記澱粉類、油脂類、卵類、糖類以外にも、イースト、イーストフード、乳製品、膨張剤、水、食塩、乳化剤、高粘度キサンタンガム以外の増粘安定剤、調味料、香辛料、着香料、着色料、ココア、チョコレート、ヨーグルト、チーズ、抹茶、紅茶、コーヒー、豆腐、黄な粉、豆類、野菜類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、果物、ハーブ、肉類、魚介類、保存料、日持ち向上剤等の材料を適宜用いることができる。
上記乳製品としては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、ホエイプロテインコンセートレート、トータルミルクプロテイン等が挙げられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記乳製品の含有量は、上記焼菓子生地中、0〜20質量%が好ましく、0〜15質量%がより好ましい。
上記乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、乳脂肪球皮膜蛋白質等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられる。
上記乳化剤の含有量は、上記焼菓子生地中、0〜3質量%が好ましく、0〜1質量%がより好ましい。
なお、高粘度キサンタンガム以外の増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、高粘度キサンタンガム以外のキサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができるが、本発明の焼菓子生地においては、これらの増粘安定剤を用ちいることで本発明の効果が減じられるおそれがあるため、用いないことが好ましい。
本発明の焼菓子生地は、生地作成後に焼成する生地であれば、ショートペーストであってもバッターであってもよいが、常温で固体であるショートペーストよりも、常温でペースト状〜流動状であるバッターにおいて、より焼流れ防止効果、曳糸性の防止、食感のねばつきの防止の各効果が大きいため、本発明の焼菓子生地はバッターであることが好ましい。
なお、上記バッターとは、上述のとおり、製菓用の焼菓子生地分類の一種であり、水分含量が高く、常温で流動性を有する生地であり、例えばスポンジケーキ生地やバターケーキ生地、マフィン生地等の各種ケーキ生地や、ソフトクッキー生地、シュー生地等の小麦粉を含有するバッターや、ベイクドチーズケーキ生地、ガトーショコラ生地、メレンゲ生地、マカロン生地、カスタード生地、フラワーペースト等の小麦粉を含有しないバッター等が挙げられる。
本発明の焼菓子生地においては、上記バッターの油分含量が10〜30質量%、且つ、水分含量が20〜50質量%であることが、ソフトでしっとりし、且つ、歯切れのよい食感を有する焼菓子が得られる点で好ましく用られる。
ここでバッターの油分含量が30質量%を超えると、油っぽい食感となってしまうおそれがあり、一方、油分含量が10質量%未満であると歯切れが悪くなるおそれがある。また、水分含量が20質量%未満であると、ソフトでしっとりした食感が得られにくく、焼成直後の食感が、全体に均質なものにならないおそれがある。一方、水分含量が50質量%を超えると、ねちゃついた食感の焼菓子となってしまうおそれがある。
また、上記ショートペーストとは、サクサクした食感をもつ焼菓子を得るための生地のことであり、小麦粉と油脂と水分を必須成分とし、バッターと明らかに異なり、常温で流動性がない生地をさし、例えば、クッキー生地、ガレット生地、練パイ生地、タルト生地等が挙げられる。
なお、上記ショートペーストの一般的な油分含量は10〜35質量%、且つ、水分含量は5〜40質量%程度である。
なお、本発明の焼菓子生地は、冷凍解凍しても水分の分離がなく、焼成後の食感においても全体に均質でしっとりとしてソフトな食感が保たれることから、冷凍生地として保存することができる。これは、高粘度キサンタンガムの保水力が高く、冷凍中の水分移行やそれに伴う氷結晶の粗大化が進みにくく、その結果、生地組織への障害が起こりにくいためであると考えられる。
次に、本発明の焼菓子生地の製造方法について述べる。
本発明の焼菓子の製造方法は、焼菓子生地を製造する過程において、高粘度キサンタンガムを添加及び混合すること以外は、公知の焼菓子の製造方法によって得ることができる。
例えば、焼菓子生地がスポンジケーキ生地の場合は、別立て法、後粉法、あるいは製菓用起泡剤を用いたオールインミックス法等の方法が挙げられ、バターケーキ生地の場合は、フラワーバッター法、シュガーバッター法、あるいは製菓用起泡剤を用いたオールインミックス法等の方法が挙げられ、マフィン生地の場合は、後油法、オールインミックス法、フラワーバッター法、シュガーバッター法等の方法が挙げられ、シュー生地の場合は、沸騰した油脂と水に小麦粉を添加して十分に混捏後卵を乳化していく一般的な方法や、糊化小麦粉及び糊化澱粉を使用するいわゆるインスタント法などが挙げられる。
また、焼菓子生地がクッキー生地の場合は、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法など公知の方法で得ることが可能であり、練りパイ生地及びタルト生地の場合はロールイン用油脂を含む全原料を混合するオールインミックス法でも、ロールイン油脂以外の成分でいったん生地を製造後、小片状のロールイン油脂を生地中に分散させる方法でももちろん可能である。
ここで、高粘度キサンタンガムを粉末の状態で、水分を有する原材料や焼菓子生地中に添加するとダマになり、生地中に均質に分散しないため、好ましくは、使用する澱粉類や糖類等の粉体原料にあらかじめ混合して添加する方法、使用する油脂類中の油相の中にあらかじめ分散しておく方法等の方法により添加することが好ましい。
上記のようにして得られた本発明の焼菓子生地は、その物性に応じ、平展板上に絞ってそのまま焼成してもよく、型展板や、金属製、樹脂製及び紙製の焼型を使用して型焼きしてもよいが、好ましくは、上掛け、下敷き、包餡、サンド等の方法で、他のベーカリー生地と組合せた複合生地とした後、同時焼成する。
中でも本発明の焼菓子生地は、特に焼成時の流動性が少なく、得られる焼菓子の食感がしっとりとしてボソつきがないことから、上掛け生地として好ましく使用することができる。
なお、上記上掛け生地として使用する場合、その土台となるベーカリー生地としては、パン生地、パイ生地、デニッシュ生地、シュー生地、ドーナツ生地、ケーキ生地、クラッカー生地、クッキー生地、ハードビス生地、ワッフル生地等が挙げられるが、特に、パン生地、デニッシュ生地を使用することが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限されるものではない。
尚、実施例1は、上記高粘度キサンタンガムを含有する焼菓子生地(チョコレートケーキ生地)の製造、比較例1及び2は、それぞれ通常のキサンタンガム又は糊化澱粉を含有する焼菓子生地(チョコレートケーキ生地)の製造、比較例3は、上記高粘度キサンタンガムを含有しない焼菓子生地(チョコレートケーキ生地)の製造を示す。
実施例及び比較例で製造した焼菓子生地を上掛け生地として、複合ベーカリー食品(メロンパン)を製造し、後述する方法により評価した。
〔実施例1〕
マーガリン23質量部、上白糖23質量部を縦型ミキサーでビーターを使用して低速1分、中速1分混合したのち、全卵(正味)32質量部を徐々に添加しながらさらに中速2分混合した。次に、あらかじめ混合しておいたココアパウダー8質量部、アーモンドプードル4質量部、高粘度キサンタンガム(ウルトラキサンタンV−7:伊那食品製、B型粘度計で、25℃、60rpmの条件下で測定したとき、キサンタンガムの1質量%水溶液の粘度が、1800mPa・s)0.1質量部の混合物を添加し、中速1分混合した。最後に薄力粉9.9質量部を添加し、低速1分混合することで油分含量26質量%、水分含量30質量%のバッターである本発明の焼菓子生地(チョコレートケーキ生地)を得た。
〔比較例1〕
実施例1で使用した高粘度キサンタンガムに代えて、通常のキサンタンガム(エコーガムKO−B:大日本住友製薬製、B型粘度計で、25℃、60rpmの条件下で測定したとき、キサンタンガムの1質量%水溶液の粘度が、500mPa・s)を使用した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、油分含量26質量%、水分含量30質量%のバッターである比較例1の焼菓子生地(チョコレートケーキ生地)を得た。
〔比較例2〕
実施例1で使用した高粘度キサンタンガムに代えて、糊化澱粉(パインソフトB:松谷化学製)3質量%を使用し、薄力粉を7質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、油分含量26質量%、水分含量30質量%のバッターである比較例2の焼菓子生地(チョコレートケーキ生地)を得た。
〔比較例3〕
実施例1で使用した高粘度キサンタンガムを無添加とし、薄力粉を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、油分含量26質量%、水分含量30質量%のバッターである比較例3の焼菓子生地(チョコレートケーキ生地)を得た。
<ベーカリー試験>
下記の配合・製法で得られた菓子パン生地の上に、上記焼菓子生地を上掛け生地として使用した複合生地を得、さらに焼成して複合ベーカリー食品(メロンパン)を製造し、得られた複合ベーカリー食品について、上掛け生地の垂れの程度、上掛け生地表面の状態、食感を下記評価基準にしたがって評価した。その結果を下記〔表1〕に示した。
なお、上掛け生地は、(1)前述の処方に基づき製造した直後のもの(未凍結品)と、(2)製造後に冷凍解凍を経たもの(解凍品)を用い、冷凍耐性の比較も行った。生地の冷凍解凍は、該生地200gを−40℃で1時間急速冷凍後、−40℃で2週間保管し、これを20℃で12時間かけて解凍するという条件で行った。また該生地はビスコステスター(リオン(株)製、2号ローター使用)を用いて、冷凍前と解凍後の生地粘度(品温20℃)を測定した。
〔菓子パン生地の配合・製法〕
強力粉70質量部、薄力粉30質量部、イースト4質量部、イーストフード0.1質量部、上白糖15質量部、食塩1.2質量部、脱脂粉乳2質量部、全卵(正味)10質量部、水52質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用して低速3分、中速2分混合した。ここに、練り込み油脂(マーガリン)12質量部を投入し、更に低速2分、中速2分、高速2分混合し、菓子パン生地を得た。(捏ね上げ温度:26℃)
〔複合ベーカリー食品(メロンパン)の製造〕
上記菓子パン生地をフロアタイム50分とった後、45gに分割、丸目を行ない、ベンチタイム20分とった後、コッペ型に成型して展板に並べ、38℃、湿度85%で50分ホイロをとった。この菓子パン生地上に、上記焼菓子生地を35g上掛けして、固定オーブンで180℃13分焼成した。
〔評価基準〕
・生地の垂れ:
◎:上掛け生地が展板に達していない。
〇:上掛け生地が2〜3条の細い流れで展板に達している。
△:上掛け生地が塊状となって展板に達している。
×:上掛け生地のほとんどが展板まで流出している。
・上掛け生地表面の状態
◎:平滑な表面である
〇:粗い凹凸が見られる
△:空隙が多数見られる
×:割れ目が多数見られる
・上掛け生地の食感
◎:ソフトでしっとりしていて、且つ、歯切れが良好である。
〇:ソフトでしっとりしている。
△:ややボソついた食感である。
×:ボソついた食感である。
Figure 2007267670
〔表1〕の結果からわかるように、高粘度キサンタンガムを使用した実施例1の焼菓子生地から得られた複合ベーカリー食品は、生地の垂れ、表面の状態、食感とも極めて良好であった。未凍結品、解凍品いずれも上掛け生地を用いた場合も同様の結果となり高い冷凍耐性を有していた。
それに対し、通常のキサンタンガムを使用した比較例1の焼菓子生地から得られた複合ベーカリー食品は、生地の垂れの点は良好であったが、食感はぼそついた食感で不良であった。なお、表面の状態は未凍結品では良好であったが、凍結品は悪化しており、冷凍耐性が不十分であった。
また、糊料に代えて糊化澱粉を使用した比較例2の焼菓子生地から得られた複合ベーカリー食品は、未凍結品、凍結品とも、生地の垂れは無く良好であるが、表面の状態は割れ目が多数見られるなど極めて悪く、また、食感も不良であった。
また、糊料を含有しない比較例3の焼菓子生地から得られた複合ベーカリー食品は、生地の垂れが激しく、また、食感もぼそついた食感で不良であった。なお、表面の状態は未凍結品では良好であったが、凍結品は悪化しており、冷凍耐性が不十分であった。

Claims (3)

  1. B型粘度計で、25℃、60rpmの条件下で測定したときのキサンタンガム1質量%水溶液の粘度が1000mPa・s以上である高粘度キサンタンガムを、0.01〜5質量%含有することを特徴とする焼菓子生地。
  2. バッターであることを特徴とする請求項1記載の焼菓子生地。
  3. 上掛け生地であることを特徴とする請求項1又は2記載の焼菓子生地。

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