JP2000060448A - ガラクトマンナン類含有食品 - Google Patents

ガラクトマンナン類含有食品

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JP2000060448A
JP2000060448A JP10237097A JP23709798A JP2000060448A JP 2000060448 A JP2000060448 A JP 2000060448A JP 10237097 A JP10237097 A JP 10237097A JP 23709798 A JP23709798 A JP 23709798A JP 2000060448 A JP2000060448 A JP 2000060448A
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food
galactomannan
xanthan gum
heat
galactomannans
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JP10237097A
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Junichi Inata
淳一 生稲
Yuko Terui
優子 照井
Makoto Arimoto
真 有本
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時安定性、使用感に優れた食品を提供す
る。 【解決手段】ガラクトマンナン類の1種または2種以上
を必須成分とし、必要に応じてキサンタンガムを配合
し、これらの0.1重量%以上が加熱処理されたもので
あることを特徴とする食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高粘弾性を有するガ
ラクトマンナン類の1種または2種以上を必須成分とし
た食品に関する。かかる高粘弾性を有するガラクトマン
ナン類、キサンタンガムは、広く食品分野において増粘
剤、乳化安定剤、沈降防止剤、保形剤、懸濁安定剤、保
水剤等として用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、食品において増粘効果、安定性、
耐冷凍性、皮膜形成性、感触改良等の付与を目的とし
て、ガラクトマンナン類、キサンタンガムが食品に添加
されている。ガラクトマンナン類を数重量%の水溶液と
すると、高い粘性液体を作ることが知られている。また
ガラクトマンナン類にキサンタンガムを適当な重量比で
混合し水溶液を作る場合、その相乗作用で結着の強い熱
可塑性ゲルができることが知られている。これらの性質
を利用して、種々の食品が作られている。例えば、冷凍
食品、乳化食品(マヨネーズ、ドレッシング類、アイス
クリーム、ホイップクリーム等)、調味料、調味液(ソ
ース、醤油、たれ類、マスタード、ケチャップ等)、飲
料(ジュース、コーヒー、乳製飲料等)、レトルト食品
(ミートボール等)、粉末状食品(粉末スープ、ココア
粉末等)、ゲル状食品(ゼリー等)、高塩性または酸性
食品(漬物等)、穀粉含有食品(スポンジケーキ、ビス
ケット、パン、めん類等)等に添加剤として用いられて
いる。
【0003】ガラクトマンナン類とは、D−マンノース
主鎖にD−ガラクトース側鎖を持つ多糖類で、ローカス
トビーンガム、タラガム、グァーガム、カシアガム等が
知られている。例えば、ローカストビーンガムの製造方
法としては、キャロブの実から外皮を取り除き、粉砕し
たものを高温の水で抽出し、ろ過、イソプロピルアルコ
ールなどのアルコール類による沈殿を経て、そのアルコ
ールを取り除き、乾燥、粉砕する方法などが知られてい
る。一方、キサンタンガムは、微生物キサントモナス・
カンペストリス(Xanthomonas campe
stris)により、澱粉、グルコース、ショ糖等の炭
水化物からつくられる微生物多糖類の一種である。キサ
ンタンガムの構造は主としてD−グルコース、D−マン
ノース及びD−グルクロン酸のナトリウム、カリウム及
びカルシウム塩からなり、主鎖はD−グルコースのβ−
1,4結合からなる。キサンタンガムの製造方法とし
て、発酵工程の後、微生物を殺菌するために熱処理さ
れ、発酵液からイソプロピルアルコール等のアルコール
でキサンタンガムを沈澱させ、そのアルコールを取り除
き、乾燥、粉砕する方法などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガラクトマンナン類、およびガラクトマンナン類とキサ
ンタンガムの混合物は、食品分野において粘度特性およ
び弾性特性、即ち粘弾性特性、保形性、耐塩性、耐酸
性、耐冷凍性、沈降防止機能に関し、十分な機能を有す
るものではなかった。即ち、冷凍食品では、フライ物の
衣剥離を防止するため、また凍結防止を目的としている
が、解凍時に調味液の油水分離が起こったり、具材表面
の調味液の不均一化が生じ、サクミなどの食感が低下す
るなどの問題がある。水中油型乳化食品では、増粘作
用、乳化安定作用などを目的として添加されているが、
従来品では期待する保形性が得られず、さらに十分な乳
化安定性も期待できないため食味の改善が求められてい
る。調味料(ソース、たれ、ケチャップ、マスタード、
醤油)にはつや出し、こく出しなどの理由で従来品が用
いられているが、耐塩性、耐酸性の面では十分ではな
く、より耐塩性、耐酸性の高い増粘剤への要望が強い。
飲料においては分離、沈降防止機能が不十分でより少量
の添加量で十分な機能を有するものが求められている。
レトルト食品においても煮崩れ防止機能は十分ではなく
加熱による食味の悪化は避けられない。粉末状食品(ク
リーミングパウダー、粉末スープ、ココア、脱脂粉乳な
ど)においては使用時における分散性が未だ不十分であ
り、更なる使用感の向上が求められている。ゲル状食品
(ゼリーなど)においては従来品では適性濃度における
ゲル強度が不十分であり、食味、食感の改善が急務とな
っている。高塩性または酸性食品では、耐塩、耐酸性を
付与するため添加されているが、十分とは言えない。穀
粉含有食品(パン、ケーキミックス、麺類)では、老化
防止、生地の安定化、芯の発生防止、ワレ防止、食感の
改善のために添加されているが、未だ不十分である。ま
た、めん類の腰の強さ、しなやかさ、油ぎれの良さを改
善するために添加さているが、ユーザーを満足させるも
のではない。以上のように従来のガラクトマンナン類お
よびガラクトマンナン類とキサンタンガムの混合物を含
有する食品は、未だ解決すべき問題点は多い。ここであ
らためて、本発明における食品を例示すると、冷凍食品
とは、加工した食品を包装容器に入れて凍結させたもの
をいう。乳化食品とは、マヨネーズ、ドレッシング類、
クリーム類(アイスクリーム、ホイップクリーム等)
を、調味料、調味液とは、ソース、醤油、たれ類、マス
タード、ケチャップ等を、飲料とは、ジュース、コーヒ
ー、乳製飲料等を、レトルト食品とはミートボール等を
レトルト処理したものを、粉末状食品とは、粉末スー
プ、ココア粉末等を、ゲル状食品とは、ゼリー等を、高
塩性または酸性食品とは、漬物等を、穀粉含有食品と
は、スポンジケーキ、ビスケット、パン、めん類等を各
々いうものとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、ガラクト
マンナン類の1種または2種以上を必須成分とし、ガラ
クトマンナン類の0.1重量%以上を特定の条件で加熱
した多糖類を用いることにより、上記課題を解決し得る
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、乾燥減量が50重量%以下にして55〜
150℃で1分以上加熱処理したガラクトマンナン類の
1種または2種以上から選ばれる多糖類を含有すること
を特徴とする食品に関する。本発明ではさらに、ガラク
トマンナン類に必要に応じてキサンタンガム、多価アル
コールおよび塩類を配合し、配合成分の一部もしくは全
部を加熱処理することで、さらに機能の高い食品を得る
ことができる。加熱処理した多糖類の特徴として、加熱
処理したガラクトマンナン類は40〜70℃の吸熱エン
タルピーが0.8mJ/mg以下である。一方、加熱処
理したキサンタンガムは、キサンタンガム濃度として
0.5重量%の水溶液とした場合、2500〜2500
0mPa・s(B型粘度計6rpm 25℃)の粘度を
示すことを特徴とする。
【0006】ガラクトマンナン類とキサンタンガムの配
合比は、キサンタンガムの配合がない場合を含めて1:
0〜0.001:1が効果的である。また、添加剤とし
て食品に用いる場合、添加量は、食品の種類により大き
く異なり、ガラクトマンナン類とキサンタンガムの総量
として概ね0.01〜5.0重量%であるが、特に飲料
では10ppm程度でも効果が期待できる。本発明にお
けるそれぞれの食品に対する効果は、冷凍食品では、解
凍時に、調味液の油水分離が起こったり、具材表面の調
味液の不均一化が生じ、サクミなどの食感が低下するな
どの問題を回避できる。乳化食品では、適性な粘度にお
いて期待する保形性が得られ、乳化安定性の優れた食品
ができる。調味料では、付着性、液ダレ性に優れた食品
ができる。飲料においては、より少量の添加量で分離、
沈降を防止できる。レトルト食品においても優れた煮崩
れ防止機能で、加熱による食味の悪化は回避できる。粉
末状食品においては、使用時における分散性が優れてい
て、使用感の向上が得られる。ゲル状食品においては、
保水性や食感を改善できる。高塩性食品においては、分
散性改善、耐塩性、耐酸性に優れた食品ができる。穀粉
含有食品では、老化を防ぐことができ、生地の安定化、
食感を改善することができ、さらにめん類では腰の強
さ、しなやかさ、油ぎれの良さを改善することができ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。上述のごとく、本発明の食品は、一般に、ガラクト
マンナン類の1種または2種以上を配合し、必要に応じ
てキサンタンガムを配合する。このとき、配合成分の一
部もしくは全部を、乾燥減量が50重量%以下にして5
5〜150℃で加熱処理する。適当な粘弾性を得るため
にガラクトマンナン類とキサンタンガムを配合するが、
配合比率を変えることで、好みの粘弾性を設定すること
ができる。例えば、弾性を必要とする場合、ガラクトマ
ンナンとキサンタンガムの配合量は1:0.1〜0.
1:1が好ましく、粘性を必要とする場合は、これ以外
の配合量となる。また加熱処理されたものが0.1重量
%未満では加熱による効果が十分でない。加熱処理され
る原料ガラクトマンナン類は、天然物もしくは発酵で生
産されるD−マンノース主鎖にD−ガラクトース側鎖を
持つ多糖類を用いることができる。例えば、ローカスト
ビーンガム、タラガム、グァーガム、カシアガム等があ
げられるが、これに限定するものではない。また、形状
は粉末状、顆粒状のものを用いることができる。
【0008】一方、原料キサンタンガムとしてはまず市
販の粉末状、顆粒状などのキサンタンガムを用いること
ができる。かかる原料キサンタンガムとしてはまた、ト
ウモロコシ澱粉やグルコースなどを炭素源として、キサ
ントモナス・カンペリトスを液体培養して得られる培養
液から低級アルカノールで分別沈殿させるキサンタンガ
ムの製造法において、分別沈殿後の乾燥品を用いること
ができる。なお、粘弾性を向上させるために加熱処理時
には、多糖類配合品が乾燥減量が50重量%以下、好ま
しくは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以
下である必要がある。原料多糖類の乾燥減量が50重量
%より多いとガラクトマンナン類の品温が十分に上がら
ず効果がない。本発明の食品を製造するために、かかる
原料多糖類を加熱するが、一般に、ガラクトマンナン類
に必要に応じてキサンタンガム、多価アルコール類およ
び塩類を配合し、配合成分の一部もしくは全部を、55
〜150℃で1分以上で加熱するが、固形分中の水分を
50%以下にして55〜100℃で5分〜200時間、
もしくは100〜150℃で1分〜50時間で加熱処理
することが好ましい。ガラクトマンナン類は加熱処理に
より、粉末の55(40〜70)℃付近にある1〜2m
J/mg(ガラクトマンナン類1mgあたり1〜2ミリ
ジュール)の吸熱エンタルピーが、0.8mJ/mg以
下に減少する。従って、加熱処理条件が55℃以上であ
る必要性が生じる。
【0009】なお、食品に配合されるガラクトマンナン
類およびキサンタンガムは、全てが、加熱処理されてい
る必要はない。例えば、ガラクトマンナン類の一部分だ
けを加熱しても一定の効果を得ることができる。この場
合、加熱した多糖類が0.1重量%以上ないと粘弾性の
向上効果がない。また、加熱条件の異なる多糖類を用い
ることができる。この場合、多糖類の種類毎に最適な加
熱条件で加熱し、配合するのが望ましい。最適な加熱条
件としては、ガラクトマンナン類の場合は好ましくは5
5〜100℃で5分〜3時間もしくは100〜150℃
で1分〜2時間、さらに好ましくは80〜150℃で5
分〜2時間である。キサンタンガムの場合は、好ましく
は55〜150℃で1時間〜50時間、さらに好ましく
は80〜150℃で1時間〜10時間である。これらの
条件中においても、高温側では比較的短時間加熱、低温
側では比較的長時間加熱が好ましい。加熱温度が55℃
未満であると高粘弾性化能の改善が十分でなく、150
℃を超えると一般に着色する可能性が大きくなる。上記
加熱は気体中でも液体中でも行うことができる。気体中
で行う場合、空気中等酸素の存在下で行うと着色する恐
れがあるので、ガラクトマンナン類およびキサンタンガ
ムと反応しない不活性ガス中で行うのが良い。不活性ガ
スとしては窒素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、水蒸気
等を挙げることができる。また、気体中での加熱を減圧
下で行うことによっても着色を回避できる。この場合の
気体としては上記不活性ガスを用いることができるのは
勿論であるが、減圧の程度によっては空気も着色を生じ
ることなく用いることができる。減圧の程度は、特に制
限ないが、200〜0.01mmHgが適当である。
【0010】液体中で加熱を行う場合、ガラクトマンナ
ン類およびキサンタンガムを溶解しない不活性溶剤中に
ガラクトマンナン類およびキサンタンガムを分散させた
状態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色は起こ
らない。不活性溶剤としてはガラクトマンナン類および
キサンタンガムを溶解せず、ガラクトマンナン類および
キサンタンガムと反応しないものであれば特に制限はな
い。不活性溶剤の例としてはメタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール
等の炭素数1〜6のアルカノール、1,3−ブチレング
リコール、プロピレングリコール、エチレングリコール
等の炭素数1〜4のアルカンジオール、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチ
ルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル(エチルセロソルブ)等のエチレングリコールのモノ
もしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜2)エ
ーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールの
モノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜
2)エーテル等の他、植物油脂、動物油脂、脂肪酸、脂
肪酸とグリセリン等のモノ、ジ、トリエステル等の各種
油脂類を挙げることができる。不活性溶剤中での反応は
場合により加圧下で、例えばオートクレーブ中で行うこ
とができる。加熱処理後に不活性溶媒を除去するが、化
粧料の成分として残存させてもかまわない。なお、不活
性溶媒の除去は、例えば加熱処理液を濾過し、ケーキを
必要に応じエタノール等の低沸点溶剤で洗浄し、ついで
真空乾燥することによって行うことができる。
【0011】上記の如く、加熱処理を行うが、水溶液中
でガラクトマンナン類およびキサンタンガムを混合さ
せ、再度、乾燥固化させた後に加熱処理を行うと良好な
結果が得られる。具体的にはガラクトマンナン類および
キサンタンガムを水へ分散させ、水分を除去し、水分が
0〜90重量%となった後に加熱処理を行う。このとき
の水への分散方法は、特に限定するものではないが、1
0〜100℃の水へ10分以上、攪拌で分散させる。最
も簡便な方法は50〜80℃で20分以上、攪拌で分散
させる方法が良好である。通常、攪拌による分散時間は
3時間で十分である。また、水溶液中のガラクトマンナ
ン類およびキサンタンガムの濃度は特に限定するもので
はないが、0.1〜20重量%が操作性の点で望まし
い。さらに、水溶液の系内に有機溶媒等が含有されてい
てもよいが、低級アルコール類が20重量%以上含まれ
るとガラクトマンナン類やキサンタンガムが凝集して好
ましくない。
【0012】本発明の食品中におけるガラクトマンナン
類とキサンタンガムの総配合量および多糖類成分中に占
める加熱処理品の比率は、特に限定するものではない
が、好ましくは総配合量は0.01〜5重量%、加熱処
理品の比率は多糖類成分中の0.1重量%以上である。
より好ましくは総配合量は0.05〜1重量%、加熱処
理品の比率は2重量%以上である。本発明で使用するガ
ラクトマンナン類およびキサンタンガムの加熱品は、多
価アルコールおよび塩を添加した条件では相乗効果が発
揮される。特に、ガラクトマンナン類に炭素数2〜8で
水酸基を2〜6個有する多価アルコールおよびその重合
物が系の安定化向上や粘弾性向上で効果的である。重合
物としては、水酸基を最低2個以上残存している必要が
ある。これら多価アルコールとしては1,3−ブチレン
グリコール、プロピレングリコール、エチレングリコー
ル、グリセリン、ネオペンチルアルコール、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロール
プロパン、ソルビトール、ポリグリセリン等があげられ
るが、これに限定するものではない。ガラクトマンナン
類およびキサンタンガムの加熱処理系内に塩を添加する
ことで粘弾性向上の効果がある。塩としては各種ナトリ
ウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、
亜鉛塩類があげられるが、特に2価のアルカリ金属塩が
効果的である。これらの塩類は特に限定されるものでは
ないが塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸
ナトリウム、炭酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カ
ルシウム、リンゴ酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、
第二リン酸カリウム、リン酸三ナトリウム、L−アスコ
ルビン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、L
−アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、L−ア
スコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L−アス
コルビン酸リン酸エステルカルシウム塩、L−アスコル
ビン酸リン酸エステルカリウム塩、L−アスコルビン酸
硫酸エステルナトリウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エ
ステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステ
ルカリウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステルカルシ
ウム塩、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、エデト酸ナ
トリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、パラフェノー
ルスルホン酸亜鉛等が挙げられ、これらの少なくとも1
種を適宜選択して用いることができる。
【0013】上述したガラクトマンナン類およびキサン
タンガムの処理方法は、本特許の対象となる食品の製造
工程の内、これらが乾燥状態であればどの部分でもこの
処理を行うことができる。上記方法によって製造される
ガラクトマンナン類およびキサンタンガムは、その高い
粘弾性組成物形成性において従来のキサンタンガム並び
にガラクトマンナン類とは異なる。すなわち、ローカス
トビーンガムとキサンタンガムの配合系でゲル強度が最
も高いといわれている重量比1:1の水溶液のゲル強度
を比較したところ、従来品に比して倍以上の機能アップ
がみられた。即ち、105℃で1時間加熱処理したロー
カストビーンガムと120℃で3時間加熱処理したキサ
ンタンガム(ローカストビーンガムとキサンタンガムの
重量比1:1、多糖類濃度1重量%、1,3−ブチレン
グリコール 20重量%含有)を配合して試作したゲル
のゲル強度は350g/cm2以上を示す。加熱処理を
施す前のローカストビーンガムおよびキサンタンガムを
同様に配合して試作したゲルの場合、そのゲル強度は1
59.8g/cm2を示しており、明らかに加熱処理品
の効果が実証されている。さらに、ローカストビーンガ
ムとキサンタンガムの各加熱処理品を重量比1:9で配
合し、多糖類濃度1重量%、1,3−ブチレングリコー
ル含有のゲルを作成するとき、ゲル強度は200g/c
2以上を示す。未加熱品の混合ゲルでは、ゲル強度は
100g/cm2程度である。
【0014】以下各食品についての具体的実施の形態を
述べる。ガラクトマンナン類、キサンタンガムの加熱処
理品の添加時期は、特に限定されるものではない。また
添加方法についても特に限定されるものではない。本発
明の対象となる冷凍食品は、特に限定するものではない
が、例えばフライ用冷凍食品、電子レンジ用冷凍食品、
オーブントースター用冷凍食品、蒸し調理用冷凍食品、
焼き調理用冷凍食品等があげられる。この中でフライ用
冷凍食品とは、常法により具に衣付けした後冷凍した食
品であって、喫食時に当たってフライするものをいう。
ここで具とは通常のフライ食品に使用できる全ての具材
を指し、例えばボイル後クラッシュしたジャガイモに、
畜肉、野菜等の細片を加えて整形したもの(コロッケの
具)、牛、豚、鶏肉等の、畜肉類や、エビ、タラなどの
魚介類を所定の大きさ・形状に整形したもの(カツレツ
の具、フィレの具)等をいう。また、衣付けとは、具の
表面をバッター液及び、または、パン粉で被覆すること
をいう。本発明の冷凍食品の製造法は従来の方法に従い
製造できる。実施例1に冷凍食品に関する例を挙げる
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】本発明の対象となる乳化食品は、特に限定
されるものではないが、マヨネーズ、乳化型ドレッシン
グ、各種クリーム類、乳化型調味料等が上げられる。こ
の中で、乳化型ドレッシングに用いられる油相原料は特
に限定されるものではないが、コーン油、菜種油、大豆
油、綿実油、米油、ヒマワリ油等の液体油があり、通常
サラダ油と称されるものが好ましい。乳化のために卵黄
を用いることも可能であるが、特にこれに限定される必
要はなく、一般的食品乳化剤、ショ糖脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、レシチン、リゾレシチン等も用いることもできる。
上記以外の配合剤として、例えば、食酢、砂糖、食塩、
果汁、トマトケチャップ、クエン酸、香辛料等が適宜加
えられる。
【0016】本発明の乳化型ドレッシングの製造法は従
来の方法に従い製造できる。実施例2に水中油滴乳化型
食品に関する例を挙げるが、本発明はこれに限定される
ものではない。本発明の対象となる調味料は特に限定す
るものではないが、例えば醤油、みそ、ケチャップ類、
ウスターソース、トンカツソース、絡めソース、炒めソ
ース、風味調味料、発酵調味料、煮込み用液、たれ、等
があげられる。この中でたれとは、焼き肉のたれ、焼き
鳥のたれ、ジンギスカンのたれ、餃子のたれ、照り焼き
用のたれ、蒲焼き用のたれ、味付け海苔のたれ、みりん
干しのたれ、ところてんのたれ等、特に限定するもので
はない。例えばこの中で焼き鳥のたれとは、醤油、み
そ、香辛料、甘味料、果汁、食酢、サラダ油、ごま油、
野菜、果物、あるいは香料等の副資材で構成されるもの
をあげられる。高粘性キサンタンガムの添加時期は、特
に限定されるものではない。また添加方法についても特
に限定されるものではなく、直接添加する水に溶解し、
水溶液の状態で添加する、他の粉類と混合し添加する等
あげられる。実施例3に調味料に関する例を挙げるが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】本発明の対象となる飲料は、特に限定する
ものではないが、例えば乳飲料、果汁飲料、炭酸飲料、
清涼飲料、コーヒー飲料である。この中で乳飲料とは、
乳成分(牛乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、全脂
加糖練乳、脱脂加糖練乳、無糖練乳、バター、チーズ
等)を含有する飲料であれば、特に限定するものではな
いが、例えば乳製品にコーヒー抽出物、紅茶、ココア、
抹茶、コーン、果汁等嗜好品、砂糖、液糖、ステビア、
アスパルテーム等の甘味料、ショ糖脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、レシチン、リゾレシチン等の食品用乳化剤、あるい
は香料などの副資材で構成されているものが上げあれ
る。実施例4に飲料に関する例を挙げるが、本発明はこ
れに限定されるものではない。本発明の対象となるレト
ルト食品は、特に限定するものではないが、レトルト処
理を行った食品のことを言い、通常喫食する食品のみな
らず、治療食品、健康食品、乳児用食品、なども含まれ
る。レトルト処理とは大気圧以上の圧力を使用し、11
0〜120℃で20〜30分、約150℃で5〜10分
間、加熱殺菌処理をすることを言う。対象となる食品
は、加熱殺菌処理が可能な食品であれば、特に限定する
ものではないが、例えば、缶詰、袋詰め食品、瓶詰め食
品などがあげられる。本発明のレトルト食品のの製造法
は従来の方法に従い製造できる。実施例5にレトルト食
品に関する例を挙げるが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0018】本発明の対象となる粉末状食品は、特に限
定するものではないが、ココア飲料用粉末、粉末状即席
みそ汁、スープ用粉末、ジュース用粉末等があげられ
る。本発明の対象となるココア飲料用粉末はココアパウ
ダー等のココアを素材にしたココア粉末、ビタミン混合
粉末、鉱物化合物、食物繊維、甘味料、食塩、ショ糖脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の食品用
乳化剤、あるいは香料などの副資材で構成されているも
のが上げられる。本発明の粉末状食品の製造法は従来の
方法に従い製造できる。また、添加時期も製造する食品
に応じ、任意の適切な工程において、添加することがで
きる。実施例6に粉末食品に関する例を挙げるが、本発
明はこれに限定されるものではない。本発明の対象とな
るゲル状食品は、特に限定するものではないが、例えば
ゼリー状食品などが上げられる。ゼリー状食品は寒天、
カラギナン、ペクチン、マンナン、ゼラチン、アルギン
酸塩、アラビノガラクタン、ファーセレラン、ジェラン
ガム、メチルセルロース等の基材を含有し、果汁等嗜好
品、砂糖、液糖、ステビア、アスパルテーム等の甘味
料、あるいは香料などの副資材で構成されているものが
あげられる。次に本発明にゼリー状食品を製造する方法
は、従来公知の製造法と同様の方法に従って製造するこ
とができる。実施例7にゲル状食品に関する例を挙げる
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】本発明の対象となる高塩性または酸性食品
とは、特に限定するものではないが、例えばソース、佃
煮、漬け物、ヨーグルト等があげられる。この中でソー
スとは、ウスターソース、中濃ソース、濃厚ソース、ト
ンカツソース、ホワイトソース、スパゲティー用ソー
ス、デミグラスソースなどがあげられるがこれに限定さ
れるものではない。ウスターソースは、トマトエキス、
甘味料、食塩、食酢、香辛料、果汁、野菜エキス等で構
成されているものである。次に本発明の耐塩性および酸
性食品を製造する方法は、従来公知の製造法と同様の方
法に従って製造することができる。実施例8に耐塩性お
よび酸性食品に関する例を挙げるが、本発明はこれに限
定されるものではない。本発明の対象となる穀粉含有食
品は、特に限定するものではないが、例えば生麺、乾
麺、パン、スポンジケーキ、ビスケット、餅、団子、パ
スタなどが上げられる。例えば生麺とは、穀類として、
そば、小麦、米、澱粉等を主成分にするものが挙げられ
る。ここで小麦とは、小麦から得られた薄力粉、中力
粉、準強力粉、強力粉のみならず大麦、ライ麦、ハトム
ギ等から作られた穀粉を含む広い概念である。また、澱
粉としては、馬鈴薯、甘藷、みどりまめ、タピオカ、サ
ゴ、トウモロコシ及びこれらをアルファー化、酸化、エ
ステル化、エーテル化あるいは、架橋などした、加工澱
粉が好適に使用可能である。なお、本発明における主成
分としての穀粉は、それぞれ単独で使用することもある
いは併用することも可能であり、併用する場合の混合比
率も特に限定するものではなく、生麺の用途に応じて定
めることが好適である。その他副成分も特に限定するも
のではないが、ペクチン、寒天、食塩、香料等があげら
れる。次に本発明の穀粉食品を製造する方法は、従来公
知の製造法と同様の方法に従って製造することができ
る。添加時期を特に限定するものではない。実施例9に
穀粉含有食品に関する例を挙げるが、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0020】本発明を以下実施例、比較例および参考例
によって具体的に説明するが、これらは本発明を例証す
るためのものであって、本発明を何等限定するものでは
ない。 <参考例1>キサンタンガムを100℃の恒温槽で加熱
し、加熱処理品を得た。水99.5重量部をラボスター
ラーで攪拌しながらキサンタンガム0.5重量部を添加
し、さらに1時間攪拌した。一晩放置した後に粘度を測
定した。結果を表1に示す。なお、表1中の加熱時間
は、キサンタンガムの品温が80℃以上で加熱された時
間である。
【0021】
【表1】 測定条件:B型粘度計、6rpm、25℃
【0022】<参考例2>ガラクトマンナン類を加熱処
理をした。未加熱品、100℃で2時間加熱品および9
0℃で6時間加熱品をDSCにて熱測定を行った(セイ
コー電子工業製示差走査熱量計DSC220C:−20
〜300℃ 昇温 5℃/min)。50〜60℃近辺
の吸熱エンタルピーを比較した。結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】<参考例3>タラガム、ローカストビーン
ガム、キサンタンガム、乳酸カルシウムを表3の重量比
で合計2重量部を水50重量部に溶解させた。凍結乾燥
で水を除去し、未加熱品を得た。凍結乾燥の後、さらに
恒温槽で加熱し、加熱処理品を得た。
【0025】
【表3】
【0026】<参考例4>ローカストビーンガム1重量
部を1,3−ブチレングリコール4重量部に分散させ、
105℃で1時間加熱し分散液Aを得た。一方、キサン
タンガム1重量部を1,3−ブチレングリコール4重量
部に分散させ、115℃で3時間加熱し分散液Bを得
た。ローカストビーンガム、キサンタンガム、分散液
A、分散液Bを多糖類の重量比が表3、4になるように
混合し、濾過した。ろ過ケーキをエタノール40gで洗
浄し、真空乾燥でエタノールを除去して、多糖類粉末を
得た。得られた多糖類粉末を多糖類1重量部に対して、
1,3−ブチレングリコールを20重量部添加した。攪
拌しながら、水を79重量部加え、80〜90℃で均一
に混合した。室温まで放冷し、さらに24時間放置した
後のゲル強度(レオメーター:20℃ 円柱プランジャ
ー10mmφ テストスピード30cm/min)を測
定した。結果を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】<実施例1および比較例1:冷凍食品>豚
肉のロース切り身に60gに、表5に示す組成のバッタ
ーミックス液をつけ、さらに表5に示す粒状物を付着さ
せた。次いで180℃の大豆油で3分間フライし、フラ
イ食品を調製した。
【0029】
【表5】
【0030】得られたフライ食品をそれぞれ―30℃で
冷凍した。この冷凍品をオーブントースターで5分間加
熱した。フライ食品の調理、冷凍時の粒状物の付着性お
よびフライの食感を評価した。結果を表6に示した。
【0031】
【表6】 注)◎:優、 ○:良、 △:やや劣る、 ×:劣る 本発明品1、2により得られたフライ食品は粒状物の付
着性が高く、冷凍保存性にも優れ、また、良好なサクイ
食感を有するものであった。
【0032】<実施例2および比較例2:乳化食品>表
7に示す砂糖、多糖類、をよく混合し、加塩卵黄を加え
水に分散・溶解した。食塩を溶解した食酢を加え、さら
にトマトペースト、マスタードを加えて水相部とした。
上記水相部をホモミキサーにて攪拌しながら、サラダ油
を滴下し、全量投入後さらに7000rpmにて10分
間、加熱を続け、乳化状液状ドレッシングを調整した。
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】得られたドレッシングをそれぞれ100m
l容のガラスビンに入れ、70℃にて5分間加熱殺菌し
た。殺菌後の製品と加熱前の製品を30℃の恒温槽中で
振とう培養器を用いて振とう試験を行ない、油、水の分
離状況を観察した。その結果を表9に示した。
【0036】
【表9】 注)+:明らかにオイルオフが観察される。 −:分離は観察されない。
【0037】また、調製したドレッシングを100ml
容ガラスビンに90g充填し、30℃の恒温槽中に1時
間静置した後、B型回転粘度計を用いて粘度を測定し
た。結果は表10に示した。
【0038】
【表10】 注)◎:優、 ○:良、 △:やや劣る、 ×:劣る また、調整したドレッシングを100ml容ガラスビン
に90g充填し、−20℃の冷凍庫で24時間保管後、
解凍し乳化状態を観察した。結果は表11に示した。
【0039】
【表11】 注)○:分離なし △:若干油浮きあり ×:油水分離 これらの結果から、従来品を使用したもの(比較品1、
2、3)は、耐振動性が弱く、耐熱性をもたない。また
冷凍耐性がない。本発明品1〜3により得られた乳化状
ドレッシングは乳化安定性が高く、流動性にも優れ、冷
凍解凍後の耐性にも優れている。また、まろやかな風味
を有するものであった。
【0040】<実施例3および比較例3:調味料>表1
2に示す組成をミキサーにて混合して、たれを調整し
た。
【表12】
【0041】
【表13】
【0042】得られた液状調味料をそれぞれ100ml
容のガラスビンに入れ、80℃にて10分間加熱殺菌し
た。殺菌後の製品について、3cm角の焼いた鳥肉片を
浸して引き上げた際の付着と曳糸の状態について観察し
た。その結果を表14に示した。
【0043】
【表14】 注)○:優、 △:やや劣る、 ×:劣る
【0044】これらの結果から、従来品を使用したもの
(比較品1、2)は、曳糸性の面で液だれが多く、調味
料としての具材への付着量が少なかった。本発明品1〜
2により得られた液状調味料は具材に適度な量が付着
し、かつ、液だれの少ない良好な物性を有していた。
【0045】<実施例4および比較例4:飲料>表15
に示すコーヒー抽出物、全脂粉乳、脱脂粉乳、グラニュ
ー糖および水を加えて混合溶解し、多糖類を熱水に溶解
したものを加え、重曹にてpH6.7に調製後さらに水
を加えて全量を100%とした。この混合液を65〜7
5℃の温度で高速攪拌機を用いて予備乳化を行なった。
次いで溶液を高圧型均質機を用い65〜75℃の温度で
200kg/cm2の圧力で均質化し、容器に充填後1
21℃、30分間レトルト殺菌を行なった。
【0046】
【表15】 (*):pH6.7に調製
【0047】
【表16】
【0048】本発明品1〜3および比較品1〜3により
得られた飲料をそれぞれ55℃、2週間保存した。結果
を表17に示す。
【0049】
【表17】 注) リングの発生 油滴の発生 ○:リング観察されず ○:油滴観察されず △:リングがわずかに観察される △:油滴わずかに観察される ×:リング観察される ×:油滴観察される 沈殿の発生 ○:沈殿観察されず △:沈殿わずかに観察される ×:沈殿観察される。
【0050】これらの結果から、従来品を使用したもの
(比較品1、2、3)は保存安定性が悪く、リングの発
生、油滴の発生、沈殿の発生が観察される。本発明品1
〜3により得られた乳飲料は、乳化安定性が高く、リン
グの発生、油滴の発生、沈殿の発生がなく良好な乳飲料
を製造することができた。
【0051】<実施例5および比較例5:レトルト食品
>表18に示す組成を肉部、ソース部について夫々別々
に予備調理して、麻婆ソースを調整した。
【0052】
【表18】
【0053】
【表19】
【0054】本発明品1〜2および比較品1〜2により
得られたソースを肉部と合わせて合計100g(肉部3
0g、ソース部70g)アルミ箔入りレトルトパウチに
充填した後、レトルト殺菌(120℃、25分)したも
のを製品とした。殺菌後の製品について、湯煎で10分
間加熱した後、茹でた春雨250gにかけたときのソー
スと具材(肉部)の分散状態、春雨への付着およびソー
ス中の油の分離について観察した。その結果を表20に
示した。
【0055】
【表20】 注)○:優、 △:やや劣る、 ×:劣る これらの結果から、従来品を使用したもの(比較品1,
2)は、ソースの液だれが多く、具材(挽肉)との分離
が見られ調味料としての春雨への付着も少なかった。ま
た、ソース中の油が分離していた。本発明品1〜2によ
り得られた麻婆ソースは、ソース中の油の分離が無く、
具材とソースが均一に分散しており、かつ、春雨への付
着も適当な量である良好な物性を有していた。
【0056】<実施例6および比較例6:粉末状食品>
表21に示す成分を混ぜ、造粒し、粉末ココアを調整し
た。
【0057】
【表21】
【0058】
【表22】
【0059】得られた粉末ココアを少なめの湯で溶い
て、氷を入れて、アイスココアとした。湯で溶くときの
溶解性および5分後の粒子の沈降具合を評価した。その
結果を表23に示した。
【0060】
【表23】 注)◎:優、 ○:良、 △:やや劣る、 ×:劣る これらの結果から、本発明品1、2により得られた粉末
ココアは乳化安定性が高く、流動性にも優れ、また、ま
ろやかな風味を有するものであった。
【0061】<実施例7および比較例7:ゲル化状食品
>表24に示す水の中に砂糖、および多糖類の粉体混合
物を添加する。80℃、10分間加熱攪拌溶解する。1
/5濃縮オレンジ果汁、酸味料、香料、着色料を添加し
蒸発水を補正する。容器に充填し80℃、30分間殺菌
し水冷する。
【0062】
【表24】
【0063】
【表25】 本発明品1〜3および比較品1〜3により得られたオレ
ンジゼリーを、40℃75%RHの条件で3ヵ月放置し
た後、各ゼリー組成物を容器より取り出して離水の有
無、保型性、風味、食感を調べた。結果を表26に示し
た。
【0064】
【表26】 注) 離水の有無 保型性 ○:離水が観察されず ○:良好 △:離水がわずかに観察される △:やや劣る ×:離水が観察される ×:劣る 風味、食感 ○:優れている △:やや劣る ×:劣る
【0065】これらの結果から、従来品を使用したもの
(比較品1〜3)は保存中に離水が発生し、保型力の劣
る結果となった。また風味、食感についても満足得られ
ない結果となった。本発明品1〜3により得られたゼリ
ーは、従来品に比べ少量で良好な保型性を有し、離水の
無い結果であった。また風味、食感についても良好な結
果であった。
【0066】<実施例8および比較例8:高塩性食品>
表27に示す、野菜果実ピューレ、野菜エキス、水、お
よび多糖類を混合し90℃で加熱する。砂糖、食塩、香
辛料、食酢、胡麻を加え攪拌加熱溶解後、液量調整し製
品とした。
【0067】
【表27】
【0068】
【表28】
【0069】本発明品1〜3および比較品1〜3により
得られたソースを、容器に充填した。各ソースを30℃
で振とう後静置し、胡麻がソース中に滞留する分散状
態、風味を観察した。結果を表29に示した。
【0070】
【表29】 注)分散状態 ○:均一に分散 △:胡麻浮きあり ×:完全に分離
【0071】これらの結果から、従来品を使用したもの
(比較品1〜3)は振とう後、胡麻の分散保持時間が短
い結果となった。本発明品1〜3により得られたソース
は胡麻の分散能に優れ、風味についても良好な結果であ
った。
【0072】<実施例9および比較例9:穀粉含有食品
>表30に示す組成を混合した後、混練機を用いて、7
20mmHg以下の真空雰囲気において15分間混練
し、麺生地とした。次に、麺生地を、圧延機を用いて、
比較例1および実施例1は麺圧1.3mmの麺帯とし、
比較例2および実施例2は麺圧5.0mmの麺帯とし
た。カッターを用いて切断し、幅約20mm、長さ約2
5cmの生麺を調整した。得られた麺を、比較品1およ
び本発明品1は、茹で機を用いて、約3分間茹で、比較
品2と本発明品2は、蒸煮機を用いて、約3分間蒸煮し
た。さらに、酸液(1重量%乳酸水溶液)に、振動を与
えながら60秒浸漬した。浸漬後、ポリエチレン袋に封
入し、加熱殺菌(98℃、40分蒸気加熱)を施し麺を
調整した。
【0073】
【表30】
【0074】生麺調整後および1ヶ月常温にて保存した
後に、約90℃のお湯で戻し、麺のコシ等の強さを、食
味したり、あるいは麺の状態を目視にて観測し、評価し
た。結果は表31に示した。
【0075】
【表31】 これらの結果から、本発明品1、2により得られた麺は
弾力性、こし、粘り、風味などの食感に優れ、保存安定
性も良好であった。
【0076】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の食品は、
ガラクトマンナン類の1種または2種以上を必須成分と
し、必要に応じてキサンタンガムを配合し、これらの
0.1重量%以上が加熱処理されたものを配合すること
により、粘度特性、保型性、耐塩性、耐酸性、沈降防止
機能等が予測以上に改善され、風味、食感も従来品より
も著しく優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ローカストビーンガムのDSCを表す図であ
る。
【図2】 加熱したローカストビーンガムのDSCを表
す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/16 A23L 1/16 A 4B041 1/22 1/22 D 4B046 Z 4B047 1/24 1/24 A 1/39 1/39 2/38 2/38 P Fターム(参考) 4B014 GB01 GE06 GK08 GL11 4B017 LC10 LG14 LK18 LL04 4B027 FB24 FC05 FK04 4B035 LE04 LE11 LE15 LE16 LE17 LG24 LG27 LK04 4B036 LC05 LF03 LF06 LK02 4B041 LD01 LH08 LH16 LK02 LK06 LK12 LP01 4B046 LA01 LB01 LC02 LC09 LG18 4B047 LB09 LE01 LE03 LF04 LG30 LG65 LG66

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラクトマンナン類の1種または2種以
    上を必須成分とし、ガラクトマンナン類の0.1重量%
    以上が55〜150℃で1分以上加熱処理されたもので
    あることを特徴とするガラクトマンナン類含有食品。
  2. 【請求項2】 ガラクトマンナン類にガラクトマンナン
    類とキサンタンガムの重量比が1:0.001〜0.0
    01:1となるようにキサンタンガムを配合し、かつこ
    れらのいずれかまたは両方の成分の0.1重量%以上が
    加熱処理をされたものであることを特徴とする請求項1
    記載のガラクトマンナン類含有食品。
  3. 【請求項3】 加熱処理したガラクトマンナン類が、4
    0〜70℃の吸熱エンタルピーが0.8mJ/mg以下
    であることを特徴とする請求項1または2記載のガラク
    トマンナン類含有食品。
  4. 【請求項4】 加熱処理したキサンタンガムが、キサン
    タンガム濃度として0.5重量%の水溶液とした場合、
    2500〜25000mPa・s(B型粘度計6rpm
    25℃)の粘度を示すことを特徴とする請求項2記載
    のガラクトマンナン類含有食品。
  5. 【請求項5】 さらに炭素数2〜8で水酸基を2〜6個
    有する多価アルコールおよびその重合物、ナトリウム
    塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩から選
    ばれる少なくとも1種以上の成分を配合する請求項1〜
    4のいずれか1項記載のガラクトマンナン類含有食品。
  6. 【請求項6】ガラクトマンナン類含有食品が、冷凍食
    品、乳化食品、調味料、飲料、レトルト食品、粉末状食
    品、ゲル状食品、高塩性または酸性食品、穀粉含有食品
    のいずれかである請求項1〜5のいずれか1項記載のガ
    ラクトマンナン類含有食品。
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