JPH11221065A - 食品の変質防止剤 - Google Patents

食品の変質防止剤

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JPH11221065A
JPH11221065A JP3804498A JP3804498A JPH11221065A JP H11221065 A JPH11221065 A JP H11221065A JP 3804498 A JP3804498 A JP 3804498A JP 3804498 A JP3804498 A JP 3804498A JP H11221065 A JPH11221065 A JP H11221065A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】食品の変質防止効果を増大させ、酸性域におい
ても、酢酸臭のしない変質防止剤を提供すること。 【解決手段】酢酸にジグリセリンモノ脂肪酸エステルを
混和することにより、酸性域においても酢酸臭を低下さ
せることができ、さらに酢酸ナトリウムを組み合わせる
ことによって低pH域での酢酸臭が少なく相乗効果によ
りジグリセリンモノ脂肪酸エステル自体のえぐみも緩和
され、風味が良好でしかも優れた保存効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品の変質防止剤さ
らに詳しくは、酢酸ナトリウム、酢酸およびジグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルを含有してなる食品の変質防止剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは先にグリセリンC8〜C12
脂肪酸エステルと酢酸、クエン酸、酒石酸及び乳酸のア
ルカリ性塩とグリシンを併用した食品を低温下に保管、
貯蔵してその保管時に発生する冷凍・冷蔵臭等の異臭、
悪臭を防止する方法(特公昭55−2269号)及びし
ょ糖、プロピレングリコール、ソルビトール等のモノエ
ステルと酢酸ナトリウムを併用して低温保管時に発生す
る冷蔵臭等の異臭を防止する方法(特公昭50−386
90号)を提案した。これらはいずれも水溶液のpHが
中性付近の弱アルカリ性塩類等を併用したものであり、
保存効果において必ずしも充分ではない場合がある。一
方、液性を酸性下にもってくると保存効果は高くなる
が、酢酸又は酢酸ナトリウムから発生する遊離酢酸臭も
強くなり、食品の風味を害する場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、酢酸
ナトリウム製剤は酸性側でないと変質防止効果は少な
く、酸性にすると遊離酢酸が出て製剤そのものに酢酸臭
がし、pHが低くなるほど強くなる。又食品に添加した
場合においても通常食品はpH6前後の酸性であるの
で、場合により酢酸臭がし、さらにpHが下がるにした
がって酢酸臭が強くなるのでその改善が必要となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる酢酸
臭の改善について鋭意研究した結果、酢酸にジグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルを混和することにより、酸性域に
おいても酢酸臭を低下させうることを見出し、更に酢酸
ナトリウムを組み合わせることにより低pH域でも酢酸
臭が少なく相乗作用によりジグリセリンモノ脂肪酸エス
テル自体のえぐみも緩和されるという知見を得て、風味
が良好でしかも優れた保存効果を奏する本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、(1)酢酸ナトリウ
ム、酢酸およびジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有
してなる食品の変質防止剤、(2)ジグリセリンモノ脂
肪酸エステルが、ジグリセリンモノC8-18脂肪酸エステ
ルである前記(1)記載の食品の変質防止剤、(3)全
体に対して、酢酸ナトリウムの含量が1〜99重量%、
酢酸の含量が0.05〜50重量%、ジグリセリンモノ
脂肪酸エステルの含量が約0.1〜30重量%である前
記(1)記載の食品の変質防止剤、および(4)変質防
止剤の1%(w/w)水溶液のpHが3〜8程度である
前記(1)記載の食品の変質防止剤、である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる酢酸ナトリウ
ムとしては食品衛生上安全なものを用いるが、結晶酢酸
ナトリウムでもよく、無水の粉末状酢酸ナトリウムを用
いると取り扱いに便利な粉末状製剤が得られ易い。又比
容積の高い無水酢酸ナトリウム粉末は酢酸又は/及び醸
造酢の吸着性が高く特に有利である。本発明の製剤中の
酢酸ナトリウムの配合量は通常1〜99重量%、好まし
くは2〜98重量%、さらに好ましくは3〜95%であ
る。また、本発明においては酢酸ナトリウムの代わり
に、酢酸又は/及び醸造酢に炭酸ナトリウム、水酸化ナ
トリウム等のアルカリを加えて酢酸ナトリウムの形体に
してもよい。酢酸は合成酢であっても、また醸造酢であ
ってもよい。醸造酢としては醸造工程を経て製造される
一般の天然酢が用いられ、例えば粕酢、麦芽酢、よね酢
(米酢)、ぶどう酢、りんご酢、其の他果実酢、酒精酢
などがあげられる。酢酸濃度は4〜5%程度の低濃度か
ら15〜30%程度が市販されているが、濃度の高い方
が取り扱い上便利である。また醸造酢と合成酢を併用し
たものでもよい。合成酢は氷酢酸を用いて浄水を加え任
意の濃度に調整できる。酢酸又は/及び醸造酢は酢酸と
して製剤全体に対し0.05〜50重量%程度、好まし
くは0.1〜40重量%程度で、より好ましくは0.5〜
30重量%程度である。本発明の製剤において酢酸濃度
が0.05%以下の配合では変質防止効果が弱く、50
%程度以上では酢酸臭抑制効果が弱くなる。
【0006】本発明におけるジグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルはジグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、或
いはジグリセリンとトリグリセライドとのエステル交換
反応等により得ることができ、分子蒸留等の方法によっ
て精製濃縮し、水溶性にしたものでモノエステルの純度
を50%以上高めたものが好ましい。ジグリセリンは、
グリセリン2分子が脱水縮合して生成した形の化合物で
分子中に1つのエーテル結合と4個の水酸基を有する化
合物である。構成脂肪酸は炭素数8〜18の脂肪酸の単
独又は混合物、好ましくは炭素数10〜16、より好ま
しくは炭素数12〜14のジグリセリンモノ脂肪酸エス
テルである。エステルを構成する脂肪酸の具体例として
は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの炭素数8〜18
の飽和脂肪酸があげられるが、特にラウリン酸、ミリス
チン酸が好ましい。
【0007】本発明においてジグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルの配合は製剤全体に対し0.1〜30重量%程
度、好ましくは0.5〜25重量%程度、より好ましく
は1〜20重量%程度である。この脂肪酸エステルの
0.1重量%以下の配合では酸臭および変質防止効果が
弱く、30重量%以上では固結又は分離を生じ食品に分
散しにくくなる。本発明の食品の変質防止剤はその1%
(w/w)水溶液のpHが3.0〜8.0程度、好ましく
は3.5〜7.0程度、より好ましくは4.5〜6.5程度
のものである。上記のpHより低いものは食品に添加し
た場合添加量にもよるが、酸味酸臭が強く風味改善効果
がうすくなり、上記のpHより高いものは変質防止効果
が弱くなる。本発明の食品変質防止剤は酢酸ナトリウ
ム、酢酸およびジグリセリンモノ脂肪酸エステルを混合
することにより得られる。混合方法は特に限定はない
が、酢酸にジグリセリンモノ脂肪酸エステルが均一に混
和されたものを酢酸ナトリウムと混合してもよく、酢酸
ナトリウムと酢酸を混合しながら液状にしたジグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルを添加混合するようにしてもよ
い。
【0008】酢酸ナトリウムの配合割合が比較的多い場
合、たとえば無水酢酸ナトリウム50〜99重量%程度
の場合は粉末状となり、40重量%以下で酢酸又は水分
含量の多い場合は液状となる。何れにしてもよく混和す
ることが望ましい。本発明においては酢酸ナトリウムの
代わりに酢酸又は/及び醸造酢に炭酸ナトリウム、水酸
化ナトリウムなどのアルカリを加えて中和反応させ、酢
酸ナトリウムの形にしたものにジグリセリンモノ脂肪酸
エステルを加えるようにしてもよい。ジグリセリンモノ
脂肪酸エステルにおける脂肪酸の炭素数の多いもの例え
ば炭素数12〜18のものは常温でも固結するが、炭素
数8〜10のものは常温程度以下の温度で固結するの
で、加温溶融したものを酢酸又は/及び醸造酢に添加す
るか、酢酸又は醸造酢を加温したものに混和するか、い
ずれにしても液状にして混和することが望ましい。
【0009】又本発明の目的を阻害しない限り本発明の
変質防止剤に各種の添加物、例えば甘味料、調味料、殺
菌剤、酸化防止剤、結着剤、リン酸塩類、香辛料、食品
素材、グリシン等のアミノ酸、フマル酸、クエン酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸及びアスコルビン酸
等の有機酸、及びその塩類、フィチン酸、ミョウバン及
びその塩類、リン酸一、リン酸二、リン酸三の塩類及び
ピロ、ポリ、メタの重合リン酸塩類を添加しても併用し
てもよい。本発明の食品の改良された変質防止剤の添加
対象食品としては、例えば冷凍すり身、魚肉練り製品
(例、蒲鉾、竹輪、さつま揚げ、魚肉ソーセージ等)、
畜肉製品(例、肉ソーセージ、ハンバーグ、肉ダンゴ、
焼き肉、ハム等)、惣菜(例、サラダ、ギョーザ、シュ
ウマイ、コロッケ、和え物、煮物、焼き物、揚げ物な
ど)、調味料(例、肉ジュース、ミートソース、タレ、
ケチャップ、マスタード、ドレッシング等)、パン、菓
子類(例、ケーキ、カスタード、クリーム、シュークリ
ーム、饅頭等)、スープ類(例、ポタージュ、コンソメ
等)、佃煮類、塩蔵類、塩干類、漬物類(例、味噌煮、
浅漬、麹漬、粕漬、醤油漬等)、魚介乾製品、燻製品、
卵製品(例、厚焼き卵、豆腐、茶わん蒸し、マヨネーズ
等)、カレー類、チルド食品、冷凍食品及びそのバッタ
ー液等、米飯類、おかゆ類、味噌類(例、米味噌、豆味
噌、麦味噌等)、佃煮類、塩辛類、もづく、生わかめ、
生のり、めん類(例、うどん、そば、中華麺及びそれら
の生麺等)、もち類、豆腐類、生肉加工品(例、ミン
チ、ひき肉等)、あん類(まめ、いも、あづき等)、丼
物(例、親子丼、肉丼等)が挙げられる。更に上記食品
を瓶詰、缶詰、レトルトポウチ、各種プラスチックフィ
ルム(例、セロハン、ポリエチレン、塩酸ゴム、塩化ビ
ニリデンポリエステル、ポリプロピレン、複合加工紙
等)によりケーシング、チルド又はレトルトした密封包
装食品も挙げられる。これら食品に本発明の変質防止剤
を適量使用することにより風味の低下と変質を防止する
ことができる。変質防止剤の食品に対する添加量は、ジ
グリセリンモノ脂肪酸エステルの添加量や製剤のpHに
よるが通常食品に対して0.1〜3.0重量%、好ましく
は0.2〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重
量%程度に調整することが望ましい。
【0010】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 実施例1 加温して液状にしたジグリセリンモノミリスチン酸エス
テル3重量部と酢酸濃度15%の醸造酢15重量部とを
混和し、更に無水酢酸ナトリウム82重量部と混和して
粉末状の製剤(イ)とした。 比較例1 酢酸濃度15%の醸造酢15重量部と無水酢酸ナトリウ
ム85重量部とを混和して粉末状製剤(ロ)とした。
(イ)、(ロ)の製剤の臭気を比較すると(イ)は殆ど
酢酸臭はなく無臭のような状態であるが、(ロ)は鼻を
つくような刺激臭があった。また(イ)、(ロ)の1重
量%水溶液のpHはいずれも6.2であった。
【0011】実施例2 (イ)の粉末100重量部にクエン酸を10重量部加
え、よく混合したものを製剤(ハ)とする。その1%水
溶液のpHは5.5であったが、酢酸臭は極めて弱かっ
た。 比較例2 (ロ)の粉末100重量部にクエン酸を10重量部加え
よく混和したものを製剤(ニ)とする。その1%水溶液
のpHは5.5であったが(ロ)の粉末よりさらに刺激
臭が強くなった。 実施例3 15%濃度の醸造酢20重量部と90%酢酸を5重量部
に、ジグリセリンモノミリスチン酸エステル2重量部を
加え加温しながら混合したものに、無水酢酸ナトリウム
73重量部を加え混合して粉末状製剤とした。本剤の1
%水溶液のpHは5.5であり、酢酸臭は極めて弱いも
のであった。
【0012】実施例4 50%濃度の酢酸70重量部に炭酸ナトリウム10重量
部を加えよく混合して中和し、更に加温溶融したジグリ
セリンモノミリスチン酸エステル20重量部を混合して
液状の製剤とした。本剤の1%水溶液のpHは4.3で
あった。なお、50%濃度の酢酸は強い刺激臭がある
が、本製剤は刺激臭が大幅に緩和され、酢酸臭は弱くな
った。 実施例5 60%濃度の酢酸80重量部に炭酸ナトリウム5重量部
を加えよく撹拌して中和し、加温液状にしたジグリセリ
ンモノラウリン酸エステル15重量部を加えて液状の製
剤とした。本剤の1%水溶液のpHは3.71であっ
た。なお、60%濃度の酢酸は強い刺激臭があるが、本
製剤は刺激臭が緩和されて、酢酸臭が弱くなった。
【0013】実施例6 醸造酢(30%濃度)80重量部に加温液状にしたジグ
リセリンモノラウリン酸エステル10重量部を加えよく
混合したものに、結晶状酢酸ナトリウム10重量部を加
えよく混合して液状の製剤とした。本剤の1%水溶液の
pHは3.98であった。なお、醸造酢(30%濃度)
は強い刺激臭があるが、本剤は刺激臭が緩和されて酢酸
臭が弱くなった。 実施例7 15%濃度の醸造酢87重量部に加温液状にしたジグリ
セリンモノカプリル酸エステル5重量部を加え、混合し
ながら無水酢酸ナトリウム8重量部を加えて液状の製剤
とした。本剤も刺激臭が緩和されて酢酸臭が弱くなっ
た。また、本剤の1%水溶液のpHは3.95であっ
た。
【0014】実施例8 30%濃度の醸造酢26.5重量部に加温液状にしたジ
グリセリンモノミリスチン酸エステル2重量部を加えよ
く混合して、無水酢酸ナトリウム55重量部を加えて混
合しながらフマル酸一ナトリウム15重量部、コハク酸
二ナトリウム1重量部、リン酸三カルシウム0.5重量
部を加えて粉末製剤とした。本剤の1%水溶液のpHは
5.0であるが無臭に近かった。 比較例3 ジグリセリンモノミリスチン酸エステル2重量部を除い
て実施例8と同様にして粉末製剤を製造した。本剤も実
施例8と同様にpHは5.0であったが、鼻をつくよう
な強い刺激臭がした。
【0015】実施例9 よく水洗いした白米300gに水500mlを加え下記
の製剤を添加したものと無添加のものをそれぞれ撹拌し
てと常法通り炊飯した。冷却後各々をポリ袋に入れ20
℃の恒温器に保存した。その結果を〔表1〕に示す。
【表1】 尚、加温すると対照区は酢酸臭がして風味を阻害した
が、,は良好であった。
【0016】実施例10 炊飯200gに水350mlを加えて、下記の製剤を添
加したものと無添加のものをそれぞれ加熱撹拌して白粥
を製造した。冷却後の各々をポリ袋に入れて30℃の恒
温器に保存し一般生菌数/gを測定した。結果を〔表
2〕に示す。
【表2】 尚、冷却後の白粥を加温すると対照区は酢酸臭がして
風味を阻害したが,は共に良好であった。
【0017】実施例11 スケソウダラ冷凍すり身A級 5 kg 砂 糖 50g 馬鈴薯澱粉 500g 食 塩 150g L−グルタミン酸ナトリウム 50g 氷 水 1.5kg 以上の原料配合割合で常法通り練り合わして蒲鉾用仕上
げすり身を作る工程中、実施例1で得た製剤(イ)およ
び比較例1で得た製剤(ロ)を〔表3〕に示す量でそれ
ぞれ均一に練り込み成型後、常法通り蒲鉾を製造した。
冷却後それぞれをポリ袋に入れ20℃の恒温器に入れて
保存し、一般生菌数/gを測定した。結果を〔表3〕に
示す。
【0018】
【表3】 尚、,は風味、品質共に良好であったが、は酢酸
臭がして風味が低下した。
【0019】実施例12 市販のハンバーグ用トマトソースタレ(マルシン(株)
製)に本発明実施例6で得た製剤0.3重量%添加混合
したものと無添加のものを、90℃で30分間加熱
殺菌した瓶に密封して30℃の恒温器に1カ月間保存後
開封して風味品質を比較した。結果は無添加品は醗酵状
態で風味が低下したが本発明製剤を添加したものは風味
品質ともに良好であった。 実施例13 牛乳84.0重量部、バター7.0重量部、小麦粉9.0
重量部に実施例8で得た製剤を0.8重量%加えたもの
と無添加品とを、それぞれよく混合後加熱してホワイト
ソースを製造した。それぞれを70gずつ成形して小麦
粉、卵、パン粉をつけ、170℃の油で3分間揚げてク
リームコロッケを製造した。冷却後の添加品は無添加品
と同様酢酸臭はなく風味は良好であった。本品のそれぞ
れをポリ袋に入れて30℃の恒温器に保存し一般生菌数
/gを測定した。結果を〔表4〕に示す。
【0020】
【表4】
【0021】実施例14 ひき肉 300g 白菜 150g 塩 5g 醤油 10g 胡麻油 10g 上記材料割合のギョウザの具に実施例8で得た製剤を
0.6重量%練り込んだものと無添加品をそれぞれ市販
のギョウザの皮に包み90℃で20分間蒸した後試食し
た。結果は,共に異味異臭がなく風味は著しく良好
であった。またそれぞれを冷却させ30℃及び20℃の
恒温器に保存し、日数ごとに一般生菌数/gについてそ
れぞれ測定した。結果を〔表5〕および〔表6〕に示
す。
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】実施例15 ミンチ肉(豚肉50%、牛肉50%) 1 kg 食塩 36g 卵白 100g ガーリック 12g ホワイトペッパー 2g 玉葱 480g パン粉 360g 大豆蛋白 100g 水 700g 上記配合にて常法によりハンバーグを製造する工程中に
実施例8で得た製剤及び比較例3で得た製剤をそれぞれ
0.8重量%添加したものと無添加のものを作り風味及び
保存性を比較した。無添加品及び実施例8、比較例3で
得た製剤を添加したものの風味は冷えた状態ではいずれ
も良好で差はないが、加温した状態では比較例3で得た
製剤入りのものは酢酸臭が強くなり風味が低下した。無
添加及び実施例8で得た製剤入りのものはいずれも良好
であった。30℃での保存効果については〔表7〕に示
す。
【表7】
【0025】
【発明の効果】本発明の食品変質防止剤は、酢酸ナトリ
ウム、酢酸およびジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含
有するものであるが、酸性域においても、酢酸臭がしな
いかまたは極めて弱くなり、長期に亙って食品の変質防
止効果を発揮し、しかも食品の風味を損なうことがな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 明宏 兵庫県神戸市東灘区御影山手4丁目11番13 号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酢酸ナトリウム、酢酸およびジグリセリン
    モノ脂肪酸エステルを含有してなる食品の変質防止剤。
  2. 【請求項2】ジグリセリンモノ脂肪酸エステルが、ジグ
    リセリンモノC8-18脂肪酸エステルである請求項1記載
    の食品の変質防止剤。
  3. 【請求項3】全体に対して、酢酸ナトリウムの含量が1
    〜99重量%、酢酸の含量が0.05〜50重量%、ジ
    グリセリンモノ脂肪酸エステルの含量が約0.1〜30
    重量%である請求項1記載の食品の変質防止剤。
  4. 【請求項4】変質防止剤の1%(w/w)水溶液のpH
    が3〜8程度である請求項1記載の食品の変質防止剤。
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