JP4037545B2 - 食品の保存剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は食品の風味品質低下防止剤、より詳しくは、アルコール(a)、ジグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)(b)及び糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコールおよびトレハロースの一種以上(c)を含有してなる食品の保存剤及びその食品の保存剤を含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はそれを配合した粉体や油脂を食品に添加することが知られており、たとえばソース類や調味液の水濡れ性の改良剤として特開平9−271372号が、デカグリセリンペンタ脂肪酸エステルとの複合製剤で炊飯の艶や、食感、釜離れの改良剤として特開平9−191839号が、麺類の品質改良剤として特開平9−56347号、特開平9−37728号が、澱粉含有食品の品質改良及び水濡れ改良剤として特開平9−285259号が、密封加熱殺菌された澱粉含有飲料の耐熱性細菌の増殖抑制剤として特開平8−228735号が、乳成分含有飲料の耐熱性細菌増殖抑制剤として特開平8−228676号が、ポテトチップスの食感改良剤として特開平8−224067号が、水産練り製品や焼き菓子の食感、色調、風味改良剤として特開平8−70823号、特開平7−327582号が、冷凍すり身の品質、色調、風味の改良と褐変防止剤として特開平7−39346号が、そして、米飯類の離型性、ほぐれ、バラケ、光沢、冷凍耐性の改良と老化防止剤として特開平7−39325号などが知られている。
【0003】
また、澱粉含有食品の製造に際しトレハロースと老化防止剤、たとえばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、還元澱粉加水分解物を添加することが特開平7−79689号に記載されているが、そこには単に通常の乳化剤及び還元澱粉加水分解物とトレハロースを併用して澱粉の老化防止を強化することが記載されているだけで保存効果は述べられていない。しかもジグリセリンモノ脂肪酸エステルは一般にいうグリセリン脂肪酸エステルとは異なるものである。さらに食品の抗菌剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するモノ脂肪酸エステルの含有量が50重量%以上であるものが特に効果のあることが特開平10−22528号により知られている。ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、特にモノエステルの含有量が50重量%以上のC8-14脂肪酸エステルは、融点が30〜60℃前後の常温で半固体状または固体状のものであり、常温では水に溶解しにくく、また加熱溶融したものは非常に乳化しにくいという欠点がある。さらに乳化させたものも分離する等不安定で、その渋味、えぐみにより食品の風味を害するという欠点があるため、粉体製剤又は油脂に溶融させて食品に添加しているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、ポリグリセリン脂肪酸エステルは粘稠性の固体状で水に混ざりにくく、不安定で、そのままでは食品に使用しにくい。そこで本発明はジグリセリン脂肪酸エステルを用いて安定な水溶液、又は水に溶解分散しやすい安定なペースト状または固体状とし、食品の風味を損なわず、より長期に亙りその食品の保存効果を保持しうるものを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究した結果、溶融したジグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)(b)を、アルコール(a)及び糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール及びトレハロースの一種以上(c)を含有する水溶液または粘稠液に添加すると、水と混合し易く、しかもその水溶液が安定で、食品に添加した場合その風味を害さず長期に亙りその保存効果が発揮されるという知見を得て本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
(1)アルコール(a)、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)(b)及び糖アルコール、グリセリン及びプロピレングリコールおよびトレハロースの一種以上(c)を含有してなる食品の保存剤、
(2)(b)がジグリセリンものモノ8-14脂肪酸エステルである請求項1記載の食品の保存剤、
(3)(b)がジグリセリンモノミリスチン酸エステルである請求項1記載の食品の保存剤、
(4)(c)がトレハロースである請求項1記載の食品の保存剤、
(5)全体に対して(a)を0.5〜60重量%、(b)を0.1〜30重量%、(c)を0.5〜40重量%含有してなる請求項1記載の食品の保存剤。
(6)請求項1記載の食品の保存剤を0.05〜5重量%含有してなる食品、
(7)食品が澱粉質加工食品である請求項6記載の食品、
(8)食品が魚介畜肉製品である請求項6記載の食品、
である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるアルコール(a)は食用アルコールであれば、無水物でも水溶液でもよい。該アルコールは変性アルコールでもよいし、みりんタイプのものでも良い。該アルコールの濃度は0.5〜60重量%、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%である。尚、本発明の食品の保存剤中のアルコール濃度は、食品の種類にもよるが、通常食品の保存には30重量%以上であることが好ましく、製剤のみの保存安定化には通常0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。また本発明によるアルコール濃度は0.5重量%以下では製剤自体の保存安定性が悪くなり、60重量%以上では引火性が出て消防法による危険物となり保存面及び取り扱い上不便を生ずる。
本発明に用いられるジグリセリン脂肪酸エステル(b)はグリセリンが2個脱水縮合した型のジグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、或いは該ジグリセリンとトリグリセライドとのエステル交換反応等により得ることができ、分子蒸留、液抽出分離、クロマト分離等の方法によって精製濃縮し、水になじみ易くしてモノエステルの含有率を50重量%以上高めたものであるが、モノエステルの含量が70重量%以上のものがさらに好ましい。エステルを構成する脂肪酸は通常、炭素数8〜14の飽和または不飽和の脂肪酸が好ましい。エステルを構成する脂肪酸の具体例としては、たとえばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸など炭素数8〜14の飽和脂肪酸があげられるが、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸が特に好ましい。これらの脂肪酸は一種又は二種以上であってもよい。脂肪酸の炭素数が8未満の場合、その特有の刺激味により食品の風味に影響が及ぼされ、炭素数14を越える場合には、融点が高くなり、製剤化しにくく分離もし易い。
【0007】
本発明におけるジグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)(b)の配合割合は、食品の保存剤、すなわち製剤全体に対し0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%である。この脂肪酸エステルの0.1重量%以下の配合では保存効果が弱く、40重量%以上では固結又は分離を生じ食品に分散しにくくなる。
本発明に用いられる糖アルコールとしては、例えばマルチトール、パラチニット、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、還元澱粉加水分解物などが挙げられる。またこれらの糖アルコールと同様の効果のある食品添加物として、プロピレングリコール、グリセリンおよびトレハロースがある。(c)成分の配合割合は製剤全体に対して0.3〜60重量%、好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%である。0.3重量%以下では製剤の安定性、ジグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)の渋み、えぐみの改良効果が薄くなり、60重量%以上では固結したり粘度が高くなり分散しにくくなる。
【0008】
本発明の食品の保存剤はアルコール(a)、ジグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)(b)及び糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、トレハロースの一種以上(c)を水と混合して乳化液又はペースト状又は固体状にすることにより得られる。混合方法は特に限定はないが、加熱溶融させたジグリセリン脂肪酸エステルをアルコールと混合し、さらに浄水を加えたものに糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、トレハロースの一種以上を混合するようにしても良い。また、本発明の目的を阻害しない限り本発明の食品の保存剤に各種添加物、例えば甘味料、調味料、油脂類、酸化防止剤、結着剤、リン酸塩類、香辛料、食品素材、グリシン等のアミノ酸、酢酸、醸造酢、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸及びアスコルビン酸等の有機酸及びその塩類、フィチン酸、ミョウバン及びその塩類、リン酸一、リン酸二、リン酸三の塩類及びピロ、ポリ、メタの重合リン酸類、アミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素類及び栄養強化剤としてビタミン類、アミノ酸、ミネラル等を添加してもよいしまた併用してもよい。
【0009】
本発明による食品の保存剤を添加する対象の食品としては、例えば魚介類製品(例、冷凍すり身、カラ揚げ、フライ、蒲鉾、竹輪、さつま揚げ、魚肉ソーセージ、エビ、カニ、イカの冷凍及び加工品等)、畜肉製品(例、肉ソーセージ、ハンバーグ、カラ揚げ、フライ、肉ダンゴ、焼き肉、焼き鳥、ハム等)、惣菜(例、サラダ、ギョーザ、シュウマイ、コロッケ、和え物、煮物、焼き物、揚げ物等)、調味料(例、肉ジュース、ミートソース、タレ、ケチャップ、マスタード、ドレッシング等)、パン、菓子類(例、ケーキ、カスタード、クリーム、シュークリーム、饅頭等)、飲料(例、コーヒー、紅茶、ココア、ジュース、乳酸飲料等)、スープ類(例、ポタージュ、コンソメ等)、佃煮類、塩蔵類、塩干類、漬物類(例、味噌漬、浅漬、麹漬、粕漬、醤油漬等)、魚介乾製品、燻製品、卵製品(例、厚焼き卵、豆腐、茶わん蒸し、マヨネーズ等)、カレー類、チルド食品、冷凍食品及びそのバッター液等、米飯類、おかゆ類、味噌類(例、米味噌、豆味噌、麦味噌等)、塩辛類、もづく、生わかめ、生のり、めん類(例、うどん、そば、中華麺及びそれらの生麺等)、もち類、豆腐類、生肉加工品(例、ミンチ、ひき肉等)、あん類(豆、いも、小豆等)、丼物(例、親子丼、肉丼等)が挙げられ、特に米飯類、めん類、パン類、もち類の澱粉質加工食品や魚介畜肉製品に効果が高い。更に上記食品を瓶詰、缶詰、レトルトポウチ、各種プラスチックフィルム(例、セロハン、ポリエチレン、塩酸ゴム、塩化ビニリデンポリエステル、ポリプロピレン、複合加工紙等)によりケーシング、チルド又はレトルトした密封包装食品も挙げられる。これら食品に本発明の保存剤を適量使用することにより保存効果の低下を防止することができる。本発明の保存剤の食品に対する添加量は、ジグリセリン脂肪酸エステルの添加量や食品の種類にもよるが、通常食品に対して0.05〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%、より好ましくは0.2〜2.0重量%程度である。
【0010】
【実施例】
以下に合成例、実施例、比較例、および試験例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
合成例1
ジグリセリン脂肪酸モノエステルの合成グリセリン20kgに酸化カルシウム40g加え、260℃で3時間縮合反応を行った後、リン酸72gを添加して中和し冷却した。得られた組成物は、グリセリン59重量%、ジグリセリン23重量%、トリグリセリン12重量%、テトラグリセリン5重量%、ペンタグリセリン1重量%であった。この組成分を分子蒸留に付してジグリセリン95重量%のフラクションを得た。このジグリセリンとカプリン酸(純度99%)、ラウリン酸(純度99%)またはミリスチン酸(純度99%)を、それぞれ1:1(モル比)で仕込み、260℃で1時間エステル化反応を行った。得られたそれぞれの反応物を分子蒸留に付して、以下のジグリセリン脂肪酸モノエステルを得た。
A:ジグリセリンモノカプレート(モノエステル含有量76重量%)
B:ジグリセリンモノラウレート(モノエステル含有量83重量%)
C:ジグリセリンモノミリステート(モノエステル含有量84重量%)
【0014】
実施例1
ジグリセリンモノミリステート(c)3重量部、グリセリン4重量部、食用油0.5重量部を加温混合し、さらにアルコール4重量部を混合した後に浄水83.5重量部にトレハロース5重量部を溶解したものを混合して組成物(1)とした。
実施例2
ジグリセリンモノミリステート(C)4重量部、グリセリン3重量部、食用油1重量部を加温混合し、更にアルコール5重量部を混合したものに浄水82重量部にトレハロース5重量部を溶解したものを混合して組成物(2)とした。
実施例3
ジグリセリンモノミリステート(C)10重量部、マルチトール10重量部、浄水70重量部を加温混合し、更にアルコール10重量部を混合して組成物(3)とした。
実施例4
ジグリセリンモノラウレート(B)10重量部を加温熔融し、アルコール10重量部を混合したものに、浄水57重量部にトレハロース23重量部を溶かしたものを混合して組成物(4)とした。
【0015】
実施例5
ジグリセリンモノミリステート(C)15重量部を加温熔融したものに、アルコール30重量部、グリセリン15重量部及び食用油1重量部を混合し、さらに浄水37重量部にトレハロース2重量部を溶かしたものを混合して組成物(5)とした。
実施例6
ジグリセリンモノカプレート(A)25重量部とプロピレングリコール5重量部を加温熔融し、アルコール25重量部を混合したものに、浄水35重量部にラクチトール10重量部を溶かしたものを混合して組成物(6)とした。
実施例7
ジグリセリンモノカプレート(A)25重量部を加温熔融してアルコール20重量部を混合したものに、浄水50重量部にエリスリトール5重量部を溶かしたものを混合して組成物(7)とした。
【0016】
試験例1
原料白米300gを水洗、水切りし、それぞれ150gづつに2等分して一方に実施例1で得た組成物(1)を米に対し0.8重量%と水を加えて225mlとし、片方、無添加区には水のみ225ml加えて常法により炊飯器で炊飯した。冷却後各々の米飯をポリ袋に入れて30℃の恒温器に保存しその保存状況を観察した。その結果を〔表1〕に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
試験例2
原料白米150g、もち米150g及びササゲ50gをそれぞれ水洗し、常法によりササゲの煮汁に水を加えて275mlにして炊飯(赤飯)し無添加区とした。一方、煮汁に水を加えたもの257mlに実施例2で得た組成物(2)を原料米に対し0.6重量%加え275mlとして常法により炊飯して発明区とした。冷却後各々をポリ袋に入れて30℃の恒温器に保存し、その保存状況を観察した。結果を〔表2〕に示す。
【表2】
【0019】
試験例3すり身の配合冷凍すり身(特級)100g食塩29gグルタミン酸ナトリウム9g砂糖9g馬鈴薯澱粉83g酒精調味料 20g(味しるべ武田薬品工業製)
複合調味料5g(プレミックス武田薬品工業製)
核酸系調味料5g(リボタイド散武田薬品工業製)
氷水400g上記原料を用いて常法によりケーシング蒲鉾を製造するに際し、得られた仕上がりすり身を2等分し、片方に実施例3で得た組成物(3)を0.3重量%添加して発明区とし、他方は無添加でそれぞれ常法によりケーシング蒲鉾を製造した。それぞれの製造品5検体を20℃の恒温器に入れ、10日、13日、18日及び20日における経日変化を観察した。結果を〔表3〕に示す。
【0020】
【表3】
【0021】
試験例4
茹で麺配合割合
茹で麺原材料 無添加区 発明区
小麦粉(中力粉) 1000g 1000g
水 450g 450g
食塩 50g 50g
コーティングフマル酸 2g 2g
組成物(4) 3g
上記原材料を用いてそれぞれ常法により製麺して沸騰水中で20分間茹でた後ザルに取り上げて水洗した。得られた各茹麺を200gずつ耐熱性合成樹脂フイルムで真空包装して更に80〜90℃で30分間2次加熱を行い、冷水にて冷却後30℃の恒温器に入れて無添加区、発明区の保存性を観察した。結果を〔表4〕に示す。
【表4】
以上の如く発明区の保存状態は良好であった。
【0021】
試験例5
ひき肉(豚) 300g
白菜 150g
塩 5g
醤油 10g
胡麻油 10g
上記材料割合のギョウザの具に実施例5で得た組成物(5)を0.3重量%練り込んだもの(発明区)と無添加品(無添加区)を、それぞれ市販のギョウザの皮に包み90℃で20分間蒸した後、冷却しポリ袋に入れた。これを20℃の恒温器中に保存し日数ごとに(一般生菌数/g)について測定した。結果を〔表5〕に示す。
【表5】
【0022】
試験例6
市販のハンバーグ用トマトソースタレ(マルシン(株)製)に実施例7で得た組成物(7)を0.1重量%添加混合したもの(発明区)と、無添加のもの(無添加区)を90℃30分間加熱殺菌した瓶に密封して30℃の恒温器中に1カ月保存後開封して風味、品質を比較した。その結果は無添加区は発酵状態で風味が低下していたが、発明区は風味、品質共に良好であった。
【0023】
試験例7
ミンチ肉(豚肉50%牛肉50%) 1000g
食塩 36g
卵白 100g
ガーリック 12g
ホワイトペッパー 2g
玉葱 480g
パン粉 360g
大豆蛋白 100g
水 700g
上記配合にて常法によりハンバーグを製造する工程中に実施例6で得た組成物(6)を0.1重量%添加したもの(発明区)と無添加のもの(無添加区)を作り、30℃における保存性を比較した。結果を〔表6〕に示す。
【表6】
【0024】
実施例8
ジグリセリンモノカプレート(A)3重量部、グリセリン4重量部、食用油0.5重量部を加温混合し、さらにアルコール4重量部を混合した後に浄水81.5重量部にトレハロース7重量部を溶解したものを混合して組成物(8)とした。
比較例1
ジグリセリンモノカプレート(A)3重量部に熱湯97重量部を加え撹拌混合したが、アメ状の小粒子になり、これを乳化するのに4〜5分を要した。
実施例9
ジグリセリンモノラウレート(B)4重量部、グリセリン4重量部、食用油0.5重量部を加温混合し更にアルコール5重量部混合したものに浄水81.5重量部にマルチトール5重量部を溶解したものを混合して組成物(9)とした。
比較例2
ジグリセリンモノラウレート(B)4重量部に熱湯96重量部を加えよく撹拌混合したが、アメ状の小粒子が出来て、これを乳化するのに5〜6分の時間を要した。
【0025】
実施例10
ジグリセリンモノミリステート(C)5重量部、グリセリン3重量部、食用油1重量部を加温混合し、更にアルコール5重量部を混合したものに浄水76重量部にマルトース10重量部を溶解したものを混合して組成物(10)とした。
比較例3
ジグリセリンモノミリステート(C)5重量部に熱湯95重量部を加えよく撹拌混合したがアメ状の小粒子が溶けにくく、乳化するのに6〜7分の時間を要した。実施例8〜10で得られた組成物(8)〜(10)と、比較例1〜3で得られた組成物をそのままで味の比較をすると、実施例の組成物はやや甘みがあり殆ど味に影響はなかったが、比較例の組成物は何れも後味が悪く渋味が残った。
試験例8
原料白米300gを水洗、水切りし、それぞれ150gづつに2等分して実施例10の組成物(10)を米に対し0.8重量%と水を加えて225mlとし、片方、無添加区には水のみ225mlを加えて常法により炊飯器で炊飯した。冷却後それぞれの米飯をポリ袋に入れて10時間後比較観察した結果、無添加区はパサついた食感であったが、発明区は米飯のほぐれがよく、適度の粘性があり風味が良好であった。又10℃の冷蔵庫に5日間保存後再加熱して試食した結果、発明区は風味品質ともに良好であったが、無添加区はやや異臭がして水っぽくなり舌触りが悪く風味品質ともに低下した。
【0031】
【発明の効果】
ジグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)とアルコール及び糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、トレハロースの少なくとも1種を含有する本発明の食品の保存剤は、水に溶けやすく、食品にまざりやすく、そして風味、品質の保存効果を顕著に発揮する。
Claims (8)
- アルコール(a)1〜40重量%、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)(b)0.5〜30重量%及び糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコールおよびトレハロースの一種以上(c)0.5〜40重量%を含有してなる食品の保存剤。
- (b)がジグリセリンモノC 8−14 脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)である請求項1記載の食品の保存剤。
- (b)がジグリセリンモノミリスチン酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)である請求項1記載の食品の保存剤。
- (c)がトレハロースである請求項1記載の食品の保存剤。
- 全体に対して(a)を1〜30重量%、(b)を1〜25重量%、(c)を1〜30重量%含有してなる請求項1記載の食品の保存剤。
- 請求項1記載の食品の保存剤を0.05〜5重量%含有してなる食品。
- 食品が澱粉質加工食品である請求項6記載の食品。
- 食品が魚介畜肉製品である請求項6記載の食品。
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