JP4537812B2 - 食品の変質防止剤、その製造法およびそれを含有する食品 - Google Patents

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Description

本発明は、食品の保存性を高め、かつ品質、風味の低下を防止する、優れた食品変質防止剤及びそれを含有してなる食品、更に食品を洗浄することにより除菌、脱脂、脱臭して風味品質を高める洗浄に関する。
従来、食品の保存剤及び品質、風味の低下防止剤については数多くの提案がなされている。食品の保存剤または保存方法としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルにグリシン有機酸(塩)を併用するもの(特許文献1)ジグリセリン脂肪酸エステルと食用油脂を併用するもの(特許文献2、3)ジグリセリン脂肪酸エステルと酢酸及び酢酸ナトリウムを併用するもの(特許文献4)ジグリセリン脂肪酸エステルとプロタミンを併用するもの(特許文献5)モノまたはジグリセリン脂肪酸エステルで親水性食品添加物を被覆するもの(特許文献6)等が知られている。しかし、これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを含む食品保存剤は保存効果にバラツキが出たり、後味にしぶみやえぐみの残るものや製剤の粉塵が立ったり、固結するといった問題があった。特に、特許文献6は製造工程が複雑で実験的に製造されたもので実用的なものではない。しかも、得られた製剤は固結して塊状になり使用できないことがあり、また水分になじまないので分散しにくく、保存効果に大きなばらつきが生じる。
そこで、食品に高い保存効果と風味品質の改良及び製剤自体の品質の安定化が強く望まれていた。
特許第3249622号 特開平7−327582号 特開平8−131071号 特開平11−221065号 特開2000−93138号 特開2000−300229号
本発明の課題は、食品の保存性を高め、かつ食品の品質、風味の低下を防止する食品変質防止剤、その製法及びそれを含有してなる食品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々実験を重ねた結果、油脂とグリセリン脂肪酸エステル又は/およびポリグリセリン脂肪酸エステルを混合し、加熱溶融したものを酢酸ナトリウムに混合吸着させることにより、食品に添加した場合の乳化分散性が高く、また酸類や塩類との相乗効果により食品の保存性を高め、さらに糖類やアミノ酸との併用により食品の風味を改善し、粉塵化や固結を防止して製剤自体の安定化を図る食品変質防止、品質風味を得て本発明を完成した。
即ち本発明は、
(1)製剤全体量に対して2〜98重量%の粉末状酢酸ナトリウム(a)に、0.1〜35重量%の溶融状油脂(b)0.1〜25重量%のグリセリン脂肪酸エステル又は/およびポリグリセリン脂肪酸エステル(c)混合したものを吸着させ粉末状食品変質防止剤、
(2)更に酸類またはその塩を含有させてなる(1)記載の粉末状食品変質防止剤、
(3)更にアミノ酸又は糖類を含有させてなる(1)または(2)記載の粉末状食品変質防止剤、
(4)ポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリン重合度が2以上であり、構成脂肪酸が炭素数8〜14のものである(1)〜(3)の何れかに記載の粉末状食品変質防止剤、
(5)(1)〜(4)の何れかに記載の食品の変質防止剤を含有してなる食品、
(6)粉末状酢酸ナトリウム(a)に、溶融状の油脂(b)とグリセリン脂肪酸エステル又は/およびポリグリセリン脂肪酸エステル(c)混溶したものを加えて吸着させる粉末状食品変質防止剤の製造法、
である。
本発明の粉末状食品変質防止剤は、撹拌下、粉末状酢酸ナトリウムに溶融状の油脂およびグリセリン脂肪酸エステル又は/およびポリグリセリン脂肪酸エステルを加えて吸着させ、その過程で必要により更に酸類もしくはその塩、アミノ酸又は糖類を加えて混合することにより得ることができる。
本発明に用いられる酢酸ナトリウムとしては食品衛生上安全なものを用いるが、無水の粉末状酢酸ナトリウムを用いると取扱に便利な粉末状製剤がえられ易い。又、高比容積の無水酢酸ナトリウム粉末は油脂の吸着性が高く、特に有用である。
油脂類としては、例えば、大豆油、綿実油、サラダ油、パーム油、胡麻油、米油、サフラワー油、ヤシ油、コーン油、パーム核油、オリーブ油、魚油、動植物油、分別油、MCT、エステル交換油等の常温(25℃)で液状ないし融点が50℃以下の油脂の一種又は二種以上混合したものがよい。特に粘度が低く、展延性が高い油脂、例えばサラダ油、コーン油、パーム油、オリーブ油、大豆油、MCT等が好ましい。
本発明に使用するグリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリンモノ脂肪酸エステルが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルは複数のグリセリンが重合し、残った遊離水酸基(OH基)に脂肪酸がエステル結合したものである。ポリグリセリンの重合度は2以上で好ましくは2〜10である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは一般にジ、テトラ、ヘキサ、デカグリセリンとのエステルが好ましく、特にジグリセリンのモノ、ジ、トリ、テトラ脂肪酸エステルが望ましい。
又これらグリセリン脂肪酸エステル又は/およびポリグリセリン脂肪酸エステルと油脂の溶融物は常温(25℃)で液体かペースト状のものが望ましい。
エステルを構成する脂肪酸はカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸などの、C8〜C14の脂肪酸が好ましい。
本発明にいう酸類またはその塩類としては、食品衛生法に適合する有機酸または無機酸およびそれらの塩類である。有機酸としては、例えば、酢酸、醸造酢、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸、アスコルビン酸、フイチン酸等の有機酸及びそれらの酸性塩または塩基性塩(例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩類)が挙げられる。
無機酸類及びその塩類としては、例えば、リン酸及びリン酸一、リン酸二、リン酸三及び、ピロメタポリ等の重合リン酸又はその酸性塩、アルカリ性塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類の金属の塩類が挙げられる。
アミノ酸又はその塩としては、例えば、グリシン、L−リジン、DL−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラミン酸等のアミノ酸、またはそれらのナトリウム塩等が挙げられる。
本発明に用いられる糖類としては、単糖類、二糖類、澱粉加水分解物のほか、糖アルコールなどが挙げられる。単糖類としては、例えば、トレーオース、キシロース、アラビノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、などが挙げられる。二糖類としては、例えば蔗糖、乳糖、マルトースなどが挙げられる。これらの中では、トレハロース、マルトース、乳糖、グルコース、キシロース、ガラクトース、蔗糖等が望ましい。
糖アルコールとしては、例えばマルチトール、バラチニット、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール還元澱粉加水分解物などが挙げられる。
本発明の食品変質防止剤は前述の通り、酢酸ナトリウムに溶融した油脂とグリセリン脂肪酸エステル又は/およびポリグリセリン脂肪酸エステルを吸着させ、更に必要に応じ酸類又はその塩類、更にアミノ酸又は及び糖類を均一に混合することにより製造される粉末状の製剤である。油脂またはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが常温で液状である場合は、そのまま粉末状酢酸ナトリウムに油脂と共に加えて吸着されるまで攪拌機でよく混合する。また更に加熱することにより吸着時間が短縮され、粉末状態が良好となる。油脂またはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが常温で固体状又はペースト状である場合は、適当な温度、たとえば50℃以上、好ましくは、60〜100℃に加熱して溶融し、別々に、または混融して、粉末状酢酸ナトリウムに加えて、必要により加温しながら吸着されるまで攪拌機でよく混合する。その過程において必要により、酸類又はその塩類、更にアミノ酸又は及び糖類を均一に混合することにより粉末状の製剤が製造される。
本発明における粉末酢酸ナトリウムの配合量は製剤全体量に対し、通常2〜98重量%、好ましくは5〜97重量%、より好ましくは5〜95重量%である。グリセリン脂肪酸エステル又は/およびポリグリセリン脂肪酸エステルは0.1〜25重量%、好ましくは0.2〜20重量%、より好ましくは0.3〜20重量%である。油脂の添加量は通常0.1〜35重量%、好ましくは0.2〜30重量%、より好ましくは0.3〜25重量%である。酸またはその塩は0.05〜98重量%、好ましくは0.1〜90重量%、より好ましくは0.5〜80重量%、糖類又はアミノ酸は一者又は両者の合計量が0.5〜40重量%、好ましくは1〜35重量%、より好ましくは2〜30重量%である。
本発明の食品変質防止剤を添加する対象食品としては、例えば冷凍摺身、魚肉練製品(例、蒲鉾、竹輪、サツマアゲ、魚肉ソーセージ等)、畜肉製品(例、肉ソーセージ、ハンバーグ、肉団子、ミートソース等)、惣菜(例、サラダ、ギョーザ、シュウマイ、コロッケ等)、乳製品(例、ヨーグルト、バター、チーズ、クリーム等)調味液(例、肉ジュース、ソースタレ、ケチャップ、マスタード、ドレッシング、ジャム等)、パン類、菓子類(例、ケーキ、カスタード、プディング、ホットケーキ、シュークリーム、饅頭等)、スープ類(例、ポタージュスープ、コンソメスープ等)、味噌加工品(例、米味噌、麦味噌、豆味噌等)、佃煮類、塩辛類、漬物(浅漬、コウジ漬等)、魚貝乾燥品(例、味醂干し、生干し、塩干物等)、燻製品(例、さけ、肉類の燻製品)、生わかめ、生のり、麺類(例、うどん、そば、中華麺、マカロニ、スパゲティ等)、もち類、米飯類、卵製品(例、卵豆腐、厚焼き、マヨネーズ等)、豆腐、カレー類(例、カレー、カレールー等)、生肉加工品(例、ミンチ、挽肉)、あん類(豆、芋、小豆等)、魚類、肉、野菜等およびそれらの揚げ物、煮物又は焼き物、中華惣菜、牛乳、コーヒー、紅茶、ジュース、生ジュース等の飲料が挙げられる。
さらに、上記食品を瓶詰め、缶詰、レトルトパウチ、各種プラスチックフィルム(例、セロハン、ポリエチレン、塩酸ゴム、塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリプロピレン、複合加工紙等)によりケーシング、チルド、またはレトルトした密封包装食品も挙げられる。
これらの食品に対する本発明の製剤の添加量は通常0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%である。
本発明において、上記各製剤を食品に添加する方法は、特に制限はないが、食品にそのまま添加してもよいし、水溶液として添加してもよい。また後述する他の添加物を予め混合して添加しておいてもよい。
本発明の製剤を食品に添加する具体的な方法としては、例えば製剤を食品の素材に練り込む、まぶす、或いは水溶液又はアルコール液にしてその中に浸漬する、塗布する、噴霧する等の方法が挙げられる。又、目的に応じて各種の添加物、例えば、甘味料、調味料、香辛料及びその抽出物、ポリリジン、プロタミン、ナイシン、リゾチーム等の抗菌剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
また、本発明の製剤を水に溶解し、その溶液に例えば鰻、鱈などの魚肉、えび、牛肉、豚肉、鶏肉などの畜肉を浸す等の処理をすると、肉類の臭みや余分な脂が抜けて著しく風味が改善される。また、野菜、カット野菜等を浸漬洗浄すると除菌効果がある。
本発明の食品変質防止剤は、変質防止効果にバラツキが無く、後味に渋みやえぐみが残らず、製剤の粉塵化や固結化が殆ど無い。そして、食品に対しては高い保存効果と品質、風味品質改良効果をもたらし、更に製剤自体の保存安定性も著しく高められた。
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、断りのない限り、部および%は重量基準である。
食品変質防止剤(製剤)の調製
(A)無水酢酸ナトリウム70部を攪拌機に入れ、攪拌下にサラダ油20部とジグリセリンモノミリスチン酸エステル10部を加熱(60〜80℃)して溶融したものを加え、溶融物が無水酢酸ナトリウムに完全に吸着されるまで攪拌を続けた。得られた製剤を(A)とした。
(B)無水酢酸ナトリウム80部を攪拌機に入れ、攪拌下にサラダ油15部とジグリセリンモノミリスチン酸エステル5部を加熱(60〜80℃)して溶融したものを加え、溶融物が無水酢酸ナトリウムに完全に吸着されるまで攪拌を続けた。得られた製剤を(b)とした。
(C)無水酢酸ナトリウム80部を攪拌機に入れ、醸造酒14部、パーム油3部、ジグリセリンモノミリスチン酸エステル3部を加熱(60〜80℃)して溶融したものを加へ、溶融物が無水酢酸ナトリウムに完全に吸着されるまで撹拌を続けた。得られた製剤を(C)とした。
(D)無水酢酸ナトリウム80部を攪拌機に入れ、コーン油15部、ジグリセリンモノミリスチン酸エステル1.5部、グリセリンモノカプリン酸エステル3.5部を加熱(60〜80℃)して溶融したものを加え、溶融物が無水酢酸ナトリウムに完全に吸着されるまで撹拌を続けた。得られた製剤を(D)とした。
(E)無水酢酸ナトリウム90部を攪拌機に入れ、攪拌下にサラダ油5部とジグリセリンモノミリスチン酸エステル5部を加熱(60〜80℃)して溶融したものを加え、溶融物が無水酢酸ナトリウムに完全に吸着されるまで攪拌を続けた。得られた製剤を(E)とした。
(F)無水酢酸ナトリウム88部を攪拌機に入れ、攪拌下にパーム油10部とジグリセリンモノミリスチン酸エステル2部を加熱(60〜80℃)して溶融したものを加え、溶融物が無水酢酸ナトリウムに完全に吸着されるまで攪拌を続けた。得られた製剤を(F)とした。
(G)無水酢酸ナトリウム80部を攪拌機に入れ、攪拌下にコーン油10部とジグリセリンモノミリスチン酸エステル10部を加熱(60〜80℃)して溶融したものを加え、溶融物が無水酢酸ナトリウムに完全に吸着されるまで攪拌を続けた。得られた製剤を(G)とした。
(H)製品(B)20部に無水酢酸ナトリウム48部、フマル酸−ナトリウム10部、DL−アラニン4部、エリスリトール18部を加え、よく混和して製剤(H)とした。
(I)製品(D)50部に無水酢酸ナトリウム27部、フマル酸−ナトリウム12部、DL−アラニン4部、コハク酸1部、マルトース6部を加え、よく混合して製剤(I)とした。
(J)製品(B)50部、ポリリン酸ナトリウム20部、ピロリン酸ナトリウム10部、クエン酸ナトリウム5部、炭酸水素ナトリウム15部を加え、よく混合して製剤(J)とした。
〔比較例1〕
エタノール10重量部にジグリセリンモノミリスチン酸エステル5重量部を添加し、80〜90℃で湯煎しながらジグリセリンモノミリスチン酸エステルを溶解した。他方で無水酢酸ナトリウム95重量部をミキサーに入れ、これに溶解したジグリセリンミリスチン酸エステルを加え撹拌混合した。その後60〜70℃で約12時間エタノールを揮発させた後、冷却して、乳鉢に入れほぐしながら撹拌した。得られた粉末を(K)とした。
以上の実施例1の各製剤及び比較例1の製剤をポリ袋に入れて1kgの加圧をして、1日後に比較観察すると実施例1の各製剤はほぐれがよく粒子が滑らかであるが、比較例1の製剤は固結状になりほぐれが悪く粒子も粗くなっている。
また、それぞれの3%水溶液を作り比較観察すると、本発明実施例1の各製剤は完全な乳化状態になっているが、比較例1はジグリセリンミリスチン酸エステルが粒状になり浮上して分離している。
下記表1のように調整した実施例1の(H)剤と比較例1の(K)剤を、ハンバーグ原料に、それぞれ1%添加して常法によりハンバーグを製造した。実施例1の(H)添加物を(ア)とし〔比較例1〕の添加物を(イ)とした。冷却後10名からなる熟練したパネリストに風味を比較させた。
Figure 0004537812
ハンバーグ原料
合挽肉 400部
微塵切り玉葱 100部
卵 50部
水 30部
パン粉 25部
食塩 4.5部
胡椒 0.5部
すべてのパネリストは比較例1製剤(K)を配合したハンバーグ(イ)には後味にえぐみ、しぶみをはっきり感じたが、実施例1の製剤(H)を配合したハンバーグ(ア)にはそれらを全く感じなかったと答えた。
これは、(イ)においては製剤が食品に十分にはなじまず、分散しにくいために風味に大きなバラツキが出たものと思われる。
その後、それぞれのハンバーグを30℃、4日間保存して、その保存効果を比較観察した。その結果を下記に示す。
Figure 0004537812
サラダ油15部に対しジグリセリンモノカプリル酸エステル、テトラグリセリンモノカプリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステルをそれぞれ5部加え60〜80℃に加熱しながら撹拌したものをミキサーに入れた無水酢酸ナトリウム80部の上に加え、混合吸着させて粉末状にした。
表3に示した本発明の製剤1〜4及び比較例2の製剤1〜4の8種の製剤を次の原料からなるハンバーグに0.8%添加して風味をパネルテストにより比較した。
その結果、比較例2の製剤1〜4は、しぶみ、えぐみをはっきりと感じられた。本発明によるものはほとんど感じられなかったが、後味にわずかにしぶみが残る程度であり、10:0で本発明のほうが良好との結果が得られた。
また保存試験においては、本発明のものは25℃、48時間後の細菌数が4.2×10箇であったのに対して比較例のものは25℃、36時間後の細菌数が4.7×10箇と、両者間に明らかな差が観察された。
ハンバーグ原料
合挽肉 400部
微塵切り玉葱 100部
卵 50部
牛乳 30部
パン粉 25部
食塩 4.5部
MSG 1.8部
胡椒 0.5部
Figure 0004537812
ポテトサラダ原料
茹でじゃがいも 200部
マヨネーズ 10部
スライスきゅうり 30部
食塩 2部
以上の素材をよく混ぜてポテトサラダを製造し、2等分して片方に実施例1の製品(F)を0.5%添加混合し、無添加品との風味を比較した。本発明を添加したものは無添加品と全く変わらず風味が著しく良好であった。
また、それぞれをポリ袋に入れて密封し、10℃の冷蔵庫に入れて保管し、7日後に開封して比較すると、無添加品はつやがなくなり変質がみとめられたが、本発明品を添加したものは変質も無く風味は良好であった。
里芋の煮物
煮汁
顆粒だしの素 3.9部
水 586.4部
砂糖 32.8部
酒 44.0部
みりん風調味料 62.4部
濃口醤油 74.4部
煮汁:里芋(2:1)の割合で常法により里芋の煮物を作る工程で対全量(煮汁+里芋)に対し0.8%の実施例1の(H)を添加して製造したもの(1)と無添加のもの(2)を作り冷却後風味、保存効果を比較した結果、本発明品を添加したものも無添加のものも風味は著しく良好であった。しかし保存効果においては両者間に明らかな差が観察された。その結果を下表に示す。
Figure 0004537812
脂の乗った養殖うなぎを背開きにして実施例1の製剤(J)の0.5%水溶液を作り、うなぎを水溶液2:うなぎ1の割合で投入し、5分間浸漬後軽く撹拌後引き上げ水切りしたものと無添加で同様に製造したものを蒲焼にして10人のパネラーが試食した。本発明によるものは余分な脂が抜けて著しく風味が良好であったが、無添加のものは脂が多く魚臭がして風味が悪かった。パネルテストの結果は、10:0で本発明品のほうが良好だった。
本発明の食品変質防止剤は、例えば冷凍摺身、魚肉練製品、畜肉製品、惣菜、乳製品、調味料、パン類、菓子類、スープ類、味噌加工品、燻製品、麺類、もち類、米飯類、卵製品、豆腐、カレー類、生肉加工品、あん類、魚類、肉、野菜等およびそれらの揚げ物、煮物又は焼き物等の加工食品に添加して、保存効果と品質。風味改良効果が期待される。

Claims (6)

  1. 製剤全体量に対して2〜98重量%の粉末状酢酸ナトリウム(a)に、0.1〜35重量%の溶融状の油脂(b)0.1〜25重量%のグリセリン脂肪酸エステル又は/およびポリグリセリン脂肪酸エステル(c)混融したものを吸着させ粉末状食品変質防止剤。
  2. 更に酸類またはその塩を含有させてなる請求項1記載の粉末状食品変質防止剤。
  3. 更にアミノ酸又は糖類を含有させてなる請求項1または2記載の粉末状食品変質防止剤。
  4. ポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリン重合度が2以上であり、構成脂肪酸が炭素数8〜14のものである請求項1〜3の何れかに記載の粉末状食品変質防止剤。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の食品の変質防止剤を含有してなる食品。
  6. 粉末状酢酸ナトリウム(a)に、溶融状の油脂(b)とグリセリン脂肪酸エステル又は/およびポリグリセリン脂肪酸エステル(c)混融したものを吸着させる粉末状食品変質防止剤の製造法。
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