JP3962644B2 - 変質防止剤含有食品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変質防止剤を含有してなる食品、さらに詳しくは、変質防止剤として、酢酸ナトリウム、酢酸およびジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有してなる食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは先にグリセリンC8〜C12脂肪酸エステルと酢酸、クエン酸、酒石酸及び乳酸のアルカリ性塩とグリシンを併用した食品を低温下に保管、貯蔵してその保管時に発生する冷凍・冷蔵臭等の異臭、悪臭を防止する方法(特公昭55−2269号)及びしょ糖、プロピレングリコール、ソルビトール等のモノエステルと酢酸ナトリウムを併用して低温保管時に発生する冷蔵臭等の異臭を防止する方法(特公昭50−38690号)を提案した。これらはいずれも水溶液のpHが中性付近の弱アルカリ性塩類等を併用したものであり、保存効果において必ずしも充分ではない場合がある。
一方、液性を酸性下にもってくると保存効果は高くなるが、酢酸又は酢酸ナトリウムから発生する遊離酢酸臭も強くなり、食品の風味を害する場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、酢酸ナトリウム製剤は酸性側でないと変質防止効果は少なく、酸性にすると遊離酢酸が出て製剤そのものに酢酸臭がし、pHが低くなるほど強くなる。又食品に添加した場合においても通常食品はpH6前後の酸性であるので、場合により酢酸臭がし、さらにpHが下がるにしたがって酢酸臭が強くなるのでその改善が必要となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる酢酸臭の改善について鋭意研究した結果、酢酸にジグリセリンモノ脂肪酸エステルを混和することにより、酸性域においても酢酸臭を低下させうることを見出し、更に酢酸ナトリウムを組み合わせることにより低pH域でも酢酸臭が少なく相乗作用によりジグリセリンモノ脂肪酸エステル自体のえぐみも緩和されるという知見を得て、風味が良好でしかも優れた保存効果を奏する本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)酢酸ナトリウムを2〜98重量%、酢酸を0.1〜40重量%およびジグリセリンモノ脂肪酸エステルを0.5〜25重量%を含む変質防止剤を含有してなる食品、
(2)ジグリセリンモノ脂肪酸エステルが、ジグリセリンモノC8−12脂肪酸エステルである(1)記載の食品、
(3)酢酸ナトリウムを3〜95重量%、酢酸を . 5〜30重量%、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを1〜20重量%を含む変質防止剤を含有してなる(1)記載の食品、
(4)1%(w/w)水溶液のpHが3.5〜7である変質防止剤を含有してなる(1)記載の食品、
(5)変質防止剤を食品に対して0.1〜3.0重量%含有してなる(1)〜(4)のいずれかに記載の食品、
である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる酢酸ナトリウムとしては食品衛生上安全なものを用いるが、結晶酢酸ナトリウムでもよく、無水の粉末状酢酸ナトリウムを用いると取り扱いに便利な粉末状製剤が得られ易い。又比容積の高い酢酸ナトリウム粉末は酢酸又は/及び醸造酢の吸着性が高く特に有利である。本発明に用いる変質防止剤中の酢酸ナトリウムの配合量は通常1〜99重量%、好ましくは2〜98重量%、さらに好ましくは3〜95%である。
また、本発明においては酢酸ナトリウムの代わりに、酢酸又は/及び醸造酢に炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリを加えて酢酸ナトリウムの形体にしてもよい。酢酸は合成酢であっても、また醸造酢であってもよい。
醸造酢としては醸造工程を経て製造される一般の天然酢が用いられ、例えば粕酢、麦芽酢、よね酢(米酢)、ぶどう酢、りんご酢、其の他果実酢、酒精酢などがあげられる。酢酸濃度は4〜5%程度の低濃度から15〜30%程度が市販されているが、濃度の高い方が取り扱い上便利である。また醸造酢と合成酢を併用したものでもよい。合成酢は氷酢酸を用いて浄水を加え任意の濃度に調整できる。酢酸又は/及び醸造酢は酢酸として製剤全体に対し0.05〜50重量%程度、好ましくは0.1〜40重量%程度で、より好ましくは0.5〜30重量%程度である。
本発明に用いられる変質防止剤の製剤において酢酸濃度が0.05%以下の配合では食品に対する変質防止効果が弱く、50%程度以上では酢酸臭抑制効果が弱くなる。
【0006】
本発明に用いられるジグリセリンモノ脂肪酸エステルはジグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、或いはジグリセリンとトリグリセライドとのエステル交換反応等により得ることができ、分子蒸留等の方法によって精製濃縮し、水溶性にしたものでモノエステルの純度を50%以上高めたものが好ましい。ジグリセリンは、グリセリン2分子が脱水縮合して生成した形の化合物で分子中に1つのエーテル結合と4個の水酸基を有する化合物である。構成脂肪酸は炭素数8〜18の脂肪酸の単独又は混合物、好ましくは炭素数10〜16、より好ましくは炭素数12〜14のジグリセリンモノ脂肪酸エステルである。エステルを構成する脂肪酸の具体例としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの炭素数8〜18の飽和脂肪酸があげられるが、特にラウリン酸、ミリスチン酸が好ましい。
【0007】
本発明に用いられるジグリセリンモノ脂肪酸エステルの配合は製剤全体に対し0.1〜30重量%程度、好ましくは0.5〜25重量%程度、より好ましくは1〜20重量%程度である。この脂肪酸エステルの0.1重量%以下の配合では酸臭および変質防止効果が弱く、30重量%以上では固結又は分離を生じ食品に分散しにくくなる。
本発明に用いられる食品の変質防止剤は、その1%(w/w)水溶液のpHが3.0〜8.0程度、好ましくは3.5〜7.0程度、より好ましくは4.5〜6.5程度のものである。上記のpHより低いものは食品に添加した場合添加量にもよるが、酸味酸臭が強く風味改善効果がうすくなり、上記のpHより高いものは変質防止効果が弱くなる。
本発明に用いられる食品変質防止剤は酢酸ナトリウム、酢酸およびジグリセリンモノ脂肪酸エステルを混合することにより得られる。
混合方法は特に限定はないが、酢酸にジグリセリンモノ脂肪酸エステルが均一に混和されたものを酢酸ナトリウムと混合してもよく、酢酸ナトリウムと酢酸を混合しながら液状にしたジグリセリンモノ脂肪酸エステルを添加混合するようにしてもよい。
【0008】
酢酸ナトリウムの配合割合が比較的多い場合、たとえば無水酢酸ナトリウム50〜99重量%程度の場合は粉末状となり、40重量%以下で酢酸又は水分含量の多い場合は液状となる。何れにしてもよく混和することが望ましい。本発明においては酢酸ナトリウムの代わりに酢酸又は/及び醸造酢に炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリを加えて中和反応させ、酢酸ナトリウムの形にしたものにジグリセリンモノ脂肪酸エステルを加えるようにしてもよい。
ジグリセリンモノ脂肪酸エステルにおける脂肪酸の炭素数の多いもの例えば炭素数12〜18のものは常温でも固結するが、炭素数8〜10のものは常温程度以下の温度で固結するので、加温溶融したものを酢酸又は/及び醸造酢に添加するか、酢酸又は醸造酢を加温したものに混和するか、いずれにしても液状にして混和することが望ましい。
【0009】
又本発明の目的を阻害しない限り本発明に用いられる変質防止剤に各種の添加物、例えば甘味料、調味料、殺菌剤、酸化防止剤、結着剤、リン酸塩類、香辛料、食品素材、グリシン等のアミノ酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸及びアスコルビン酸等の有機酸、及びその塩類、フィチン酸、ミョウバン及びその塩類、リン酸一、リン酸二、リン酸三の塩類及びピロ、ポリ、メタの重合リン酸塩類を添加しても併用してもよい。
本発明の変質防止剤の添加対象食品としては、例えば冷凍すり身、魚肉練り製品(例、蒲鉾、竹輪、さつま揚げ、魚肉ソーセージ等)、畜肉製品(例、肉ソーセージ、ハンバーグ、肉ダンゴ、焼き肉、ハム等)、惣菜(例、サラダ、ギョーザ、シュウマイ、コロッケ、和え物、煮物、焼き物、揚げ物など)、調味料(例、肉ジュース、ミートソース、タレ、ケチャップ、マスタード、ドレッシング等)、パン、菓子類(例、ケーキ、カスタード、クリーム、シュークリーム、饅頭等)、スープ類(例、ポタージュ、コンソメ等)、佃煮類、塩蔵類、塩干類、漬物類(例、味噌煮、浅漬、麹漬、粕漬、醤油漬等)、魚介乾製品、燻製品、卵製品(例、厚焼き卵、豆腐、茶わん蒸し、マヨネーズ等)、カレー類、チルド食品、冷凍食品及びそのバッター液等、米飯類、おかゆ類、味噌類(例、米味噌、豆味噌、麦味噌等)、佃煮類、塩辛類、もづく、生わかめ、生のり、めん類(例、うどん、そば、中華麺及びそれらの生麺等)、もち類、豆腐類、生肉加工品(例、ミンチ、ひき肉等)、あん類(まめ、いも、あづき等)、丼物(例、親子丼、肉丼等)が挙げられる。更に上記食品を瓶詰、缶詰、レトルトポウチ、各種プラスチックフィルム(例、セロハン、ポリエチレン、塩酸ゴム、塩化ビニリデンポリエステル、ポリプロピレン、複合加工紙等)によりケーシング、チルド又はレトルトした密封包装食品も挙げられる。これら食品に本発明の変質防止剤を適量使用することにより風味の低下と変質を防止することができる。
変質防止剤の食品に対する添加量は、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの添加量や製剤のpHにもよるが通常食品に対して0.1〜3.0重量%、好ましくは0.2〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%程度に調整することが望ましい。
【0010】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
加温して液状にしたジグリセリンモノミリスチン酸エステル3重量部と酢酸濃度15%の醸造酢15重量部とを混和し、更に無水酢酸ナトリウム82重量部と混和して粉末状の製剤(イ)とした。
比較例1
酢酸濃度15%の醸造酢15重量部と無水酢酸ナトリウム85重量部とを混和して粉末状製剤(ロ)とした。
(イ)、(ロ)の製剤の臭気を比較すると(イ)は殆ど酢酸臭はなく無臭のような状態であるが、(ロ)は鼻をつくような刺激臭があった。また(イ)、(ロ)の1重量%水溶液のpHはいずれも6.2であった。
【0011】
実施例2
(イ)の粉末100重量部にクエン酸を10重量部加え、よく混合したものを製剤(ハ)とする。その1%水溶液のpHは5.5であったが、酢酸臭は極めて弱かった。
比較例2
(ロ)の粉末100重量部にクエン酸を10重量部加えよく混和したものを製剤(ニ)とする。その1%水溶液のpHは5.5であったが(ロ)の粉末よりさらに刺激臭が強くなった。
実施例3
15%濃度の醸造酢20重量部と90%酢酸を5重量部に、ジグリセリンモノミリスチン酸エステル2重量部を加え加温しながら混合したものに、無水酢酸ナトリウム73重量部を加え混合して粉末状製剤とした。
本剤の1%水溶液のpHは5.5であり、酢酸臭は極めて弱いものであった。
【0012】
実施例4
50%濃度の酢酸70重量部に炭酸ナトリウム10重量部を加えよく混合して中和し、更に加温溶融したジグリセリンモノミリスチン酸エステル20重量部を混合して液状の製剤とした。本剤の1%水溶液のpHは4.3であった。
なお、50%濃度の酢酸は強い刺激臭があるが、本製剤は刺激臭が大幅に緩和され、酢酸臭は弱くなった。
実施例5
60%濃度の酢酸80重量部に炭酸ナトリウム5重量部を加えよく撹拌して中和し、加温液状にしたジグリセリンモノラウリン酸エステル15重量部を加えて液状の製剤とした。本剤の1%水溶液のpHは3.71であった。
なお、60%濃度の酢酸は強い刺激臭があるが、本製剤は刺激臭が緩和されて、酢酸臭が弱くなった。
【0013】
実施例6
醸造酢(30%濃度)80重量部に加温液状にしたジグリセリンモノラウリン酸エステル10重量部を加えよく混合したものに、結晶状酢酸ナトリウム10重量部を加えよく混合して液状の製剤とした。本剤の1%水溶液のpHは3.98であった。なお、醸造酢(30%濃度)は強い刺激臭があるが、本剤は刺激臭が緩和されて酢酸臭が弱くなった。
実施例7
15%濃度の醸造酢87重量部に加温液状にしたジグリセリンモノカプリル酸エステル5重量部を加え、混合しながら無水酢酸ナトリウム8重量部を加えて液状の製剤とした。本剤も刺激臭が緩和されて酢酸臭が弱くなった。また、本剤の1%水溶液のpHは3.95であった。
【0014】
実施例8
30%濃度の醸造酢26.5重量部に加温液状にしたジグリセリンモノミリスチン酸エステル2重量部を加えよく混合して、無水酢酸ナトリウム55重量部を加えて混合しながらフマル酸一ナトリウム15重量部、コハク酸二ナトリウム1重量部、リン酸三カルシウム0.5重量部を加えて粉末製剤とした。
本剤の1%水溶液のpHは5.0であるが無臭に近かった。
比較例3
ジグリセリンモノミリスチン酸エステル2重量部を除いて実施例8と同様にして粉末製剤を製造した。
本剤も実施例8と同様にpHは5.0であったが、鼻をつくような強い刺激臭がした。
【0015】
実施例9
よく水洗いした白米300gに水500mlを加え下記の製剤を添加したものと無添加のものをそれぞれ撹拌してと常法通り炊飯した。冷却後各々をポリ袋に入れ20℃の恒温器に保存した。その結果を〔表1〕に示す。
【表1】
Figure 0003962644
尚、加温すると▲3▼対照区は酢酸臭がして風味を阻害したが、▲1▼,▲2▼は良好であった。
【0016】
実施例10
炊飯200gに水350mlを加えて、下記の製剤を添加したものと無添加のものをそれぞれ加熱撹拌して白粥を製造した。冷却後の各々をポリ袋に入れて30℃の恒温器に保存し一般生菌数/gを測定した。結果を〔表2〕に示す。
【表2】
Figure 0003962644
尚、冷却後の白粥を加温すると▲3▼対照区は酢酸臭がして風味を阻害したが▲1▼,▲2▼は共に良好であった。
【0017】
実施例11
スケソウダラ冷凍すり身A級 5 kg
砂 糖 50g
馬鈴薯澱粉 500g
食 塩 150g
L−グルタミン酸ナトリウム 50g
氷 水 1.5kg
以上の原料配合割合で常法通り練り合わして蒲鉾用仕上げすり身を作る工程中、実施例1で得た製剤(イ)および比較例1で得た製剤(ロ)を〔表3〕に示す量でそれぞれ均一に練り込み成型後、常法通り蒲鉾を製造した。冷却後それぞれをポリ袋に入れ20℃の恒温器に入れて保存し、一般生菌数/gを測定した。結果を〔表3〕に示す。
【0018】
【表3】
Figure 0003962644
尚、▲1▼,▲2▼は風味、品質共に良好であったが、▲3▼は酢酸臭がして風味が低下した。
【0019】
実施例12
市販のハンバーグ用トマトソースタレ(マルシン(株)製)に本発明実施例6で得た製剤0.3重量%添加混合したもの▲1▼と無添加のもの▲2▼を、90℃で30分間加熱殺菌した瓶に密封して30℃の恒温器に1カ月間保存後開封して風味品質を比較した。結果は無添加品は醗酵状態で風味が低下したが本発明製剤を添加したものは風味品質ともに良好であった。
実施例13
牛乳84.0重量部、バター7.0重量部、小麦粉9.0重量部に実施例8で得た製剤を0.8重量%加えたものと無添加品とを、それぞれよく混合後加熱してホワイトソースを製造した。それぞれを70gずつ成形して小麦粉、卵、パン粉をつけ、170℃の油で3分間揚げてクリームコロッケを製造した。
冷却後の添加品は無添加品と同様酢酸臭はなく風味は良好であった。本品のそれぞれをポリ袋に入れて30℃の恒温器に保存し一般生菌数/gを測定した。結果を〔表4〕に示す。
【0020】
【表4】
Figure 0003962644
【0021】
実施例14
ひき肉 300g
白菜 150g
塩 5g
醤油 10g
胡麻油 10g
上記材料割合のギョウザの具に実施例8で得た製剤を0.6重量%練り込んだものと無添加品をそれぞれ市販のギョウザの皮に包み90℃で20分間蒸した後試食した。
結果は▲1▼,▲2▼共に異味異臭がなく風味は著しく良好であった。またそれぞれを冷却させ30℃及び20℃の恒温器に保存し、日数ごとに一般生菌数/gについてそれぞれ測定した。結果を〔表5〕および〔表6〕に示す。
【0022】
【表5】
Figure 0003962644
【0023】
【表6】
Figure 0003962644
【0024】
実施例15
ミンチ肉(豚肉50%、牛肉50%) 1kg
食塩 36g
卵白 100g
ガーリック 12g
ホワイトペッパー 2g
玉葱 480g
パン粉 360g
大豆蛋白 100g
水 700g
上記配合にて常法によりハンバーグを製造する工程中に実施例8で得た製剤及び比較例3で得た製剤をそれぞれ0.8重量%添加したものと無添加のものを作り風味及び保存性を比較した。
無添加品及び実施例8、比較例3で得た製剤を添加したものの風味は冷えた状態ではいずれも良好で差はないが、加温した状態では比較例3で得た製剤入りのものは酢酸臭が強くなり風味が低下した。無添加及び実施例8で得た製剤入りのものはいずれも良好であった。30℃での保存効果については〔表7〕に示す。
【表7】
Figure 0003962644
【0025】
【発明の効果】
本発明は食品変質防止剤として、酢酸ナトリウム、酢酸およびジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する食品であるが、酸性域においても、酢酸臭がしないかまたは極めて弱く、長期に亙って食品の変質防止効果が持続し、食品の風味が損なわれることもない。

Claims (5)

  1. 酢酸ナトリウムを2〜98重量%、酢酸を0.1〜40重量%およびジグリセリンモノ脂肪酸エステルを0.5〜25重量%を含む変質防止剤を含有してなる食品。
  2. ジグリセリンモノ脂肪酸エステルが、ジグリセリンモノC8−12脂肪酸エステルである請求項1記載の食品。
  3. 酢酸ナトリウムを3〜95重量%、酢酸を . 5〜30重量%、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを1〜20重量%を含む変質防止剤を含有してなる請求項1記載の食品。
  4. 1%(w/w)水溶液のpHが3.5〜7である変質防止剤を含有してなる請求項1記載の食品。
  5. 変質防止剤を食品に対して0.1〜3.0重量%含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の食品。
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