JP2013201931A - 調味料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】炒め物等の加熱調理においてとろみ及び/又はぬめりをつけることなく食材からのドリップを抑制することができる調味料組成物の提供。
【解決手段】キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有し、粉末及び/又は顆粒である、調味料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はとろみ及び/又はぬめりをつけることなく食品のドリップを抑制することができる、調味料組成物に関する。
炒め物等の加熱調理においては、野菜類、肉類、魚介類等の食材からドリップ(離水)が生じる問題がある。このようなドリップは、調理した食品の外観や食感を損なうため、ドリップを抑制する方法の開発が望まれる。
加熱調理においてドリップを抑制する方法としては、一般的には、八宝菜のようにとろみのあるあんで食材を包み込む方法が知られている。しかし、加熱調理(特に炒め物)においてとろみ及び/又はぬめりをつけることなく食材からのドリップを効果的に抑制する方法は現在まで知られていない。
なお、一般的に、とろみとは、あんかけのあんのように、少し粘度のあるとろりとした状態をいい、ぬめりとは、ぬるぬるした状態をいう。
特許文献1には、増粘剤、澱粉及びトレハロースを含有する調味組成物が記載されている。特許文献2には、糖質、食塩、水系原料及び化工澱粉を含む調味ソースが記載されている。特許文献3には、アルファー化澱粉を加えることで野菜類の離水を防止する方法が記載されている。しかし、これらの技術では炒め物等の加熱調理において、とろみ及び/又はぬめりが生じたり、ドリップ抑制効果が不十分であるという課題がある。
特許文献4には、カシアガムを含有する食品用改良剤が記載されている。しかし、カシアガムは食品原料としての安定的な入手が困難という課題がある。
特開2002−209547号公報 特開平10−136930号公報 特開平2−163054号公報 特開2006−223189号公報
本発明は、炒め物等の加熱調理においてとろみ及び/又はぬめりをつけることなく食材(食品)からのドリップを抑制することができる調味料組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有し、粉末及び/又は顆粒である、調味料組成物が、上記課題を解決できることを見いだし、さらに研究を進めて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有し、粉末及び/又は顆粒である、調味料組成物。
[2]食品100重量部に対する使用量が、キサンタンガムが0.0025〜0.25重量部であり、及びローカストビーンガムが0.0006〜0.0625重量部である、上記[1]記載の調味料組成物。
[3]ローカストビーンガム1重量部に対して、キサンタンガム1〜20重量部を含有する、上記[1]記載の調味料組成物。
[4]調味料が野菜用調味料である、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の調味料組成物。
[5]炒め物用である、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の調味料組成物。
本発明の調味料組成物によれば、調理時に添加することにより、炒め物等の加熱調理においてとろみ及び/又はぬめりをつけることなく食品からのドリップを抑制することができる。
本発明の調味料組成物は、キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有する。
本発明において用いられるキサンタンガムは、食品又は食品添加物として許容されるものであれば特に限定されない。キサンタンガムとしては、市販品を用いることもでき、例えば、キサンタンガムST(商品名)(丸善薬品産業株式会社製)が挙げられる。
本発明において用いられるローカストビーンガムは、食品又は食品添加物として許容されるものであれば特に限定されない。ローカストビーンガムとしては、市販品を用いることもでき、例えば、ビストップD−171(商品名)(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)が挙げられる。
本発明の調味料組成物において、キサンタンガムの使用量は、食品100重量部に対して、好ましくは0.0025〜0.25重量部、より好ましくは0.0125〜0.05重量部である。
本発明の調味料組成物において、ローカストビーンガムの使用量は、食品100重量部に対して、好ましくは、0.0006〜0.0625重量部、より好ましくは0.003〜0.0125重量部である。
本発明の調味料組成物において、キサンタンガム及びローカストビーンガムの使用量は、好ましくは、食品100重量部に対して、キサンタンガムが0.0025〜0.25重量部であり、及びローカストビーンガムが0.0006〜0.0625重量部である。より好ましくは、食品100重量部に対して、キサンタンガムが0.0125〜0.05重量部であり、及びローカストビーンガムが0.003〜0.0125重量部である。
本発明の調味料組成物において、キサンタンガム及びローカストビーンガムの含有比率としては、ローカストビーンガム1重量部に対して、キサンタンガムが、好ましくは0.04〜417重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜10重量部、さらにより好ましくは3〜5重量部、特に好ましくは4重量部である。
本発明の調味料組成物を使用する対象の「食品」としては、特に限定されず、例えば、野菜(例えば、キャベツ、白菜、チンゲンサイ、小松菜、ほうれん草、ニラ等の葉菜、もやし等の発芽野菜、ニンジン、タマネギ、大根等の根菜、ピーマン、ナス等の果菜、アスパラガス、たけのこ等の茎菜、ブロッコリー、カリフラワー等の花菜)、果物(例えば、イチゴ、桃、マンゴー、パパイヤ、スイカ、メロン、リンゴ、柿、梨、パイナップル)、肉類(例えば、牛肉、豚肉、鶏肉)、魚介類、穀類(例えば、トウモロコシ、大豆(枝豆)、小豆、米)等が挙げられる。本発明は、炒め物等の加熱調理においてドリップが生じやすい食品(例えば、野菜等)において特に効果を発揮する。
本発明の調味料組成物は、調味料を含有するので、とろみ及び/又はぬめりをつけることなく食品のドリップを抑制すると共に、食品の調味を同時に行えるため便利である。
本発明の調味料組成物において、「調味料」は、特に限定されず、公知の調味料を用いることができる。
調味料の形状は、本発明の効果が高いことから、粉末、顆粒が好ましい。
本発明において用いられる調味料としては、例えば、基礎調味料(例えば、砂糖、塩)、天然調味料(例えば、アミノ酸系天然調味料)、うまみ調味料、エキス(例えば、畜肉エキス、魚介エキス、野菜エキス)が挙げられる。本発明においては、野菜用(特に野菜炒め用)の調味料が好ましく用いられる。
本発明において、調味料は、市販品を用いることもでき、例えば、丸鶏がらスープ(商品名)(味の素株式会社製)が挙げられる。
本発明の調味料組成物において、調味料の含有量は、通常、99.84〜85.71重量%であり、好ましくは、99.17〜96.77重量%である。
本発明の調味料組成物において、キサンタンガム及びローカストビーンガムの含有量は、調味料の種類によっても異なるが、例えば以下の範囲が例示される。なお、本発明において用いられる調味料は、例示した野菜用や粉末又は顆粒調味料に限定されるものではない。
本発明の調味料組成物において、例えば、調味料が野菜用(特に野菜炒め用)の粉末又は顆粒調味料である場合、キサンタンガムの含有量は、通常0.13〜11.43重量%、好ましくは0.66〜2.58重量%である。
本発明の調味料組成物において、例えば、調味料が野菜用(特に野菜炒め用)の粉末又は顆粒調味料である場合、ローカストビーンガムの含有量は、通常0.03〜2.86重量%、好ましくは0.17〜0.65重量%である。
本発明の調味料組成物において、例えば、調味料が野菜用(特に野菜炒め用)の粉末又は顆粒調味料である場合、キサンタンガム及びローカストビーンガムの含有量は、好ましくは、キサンタンガムが0.13〜11.43重量%であり、及びローカストビーンガムが0.03〜2.86重量%である。より好ましくは、キサンタンガムが0.66〜2.58重量%であり、及びローカストビーンガムが0.17〜0.65重量%である。
本発明の調味料組成物は、適宜、食品分野で公知の担体(例えば、賦形剤、希釈剤)、添加剤等を含んでいてもよい。
本発明の調味料組成物は、粉末又は顆粒であることを特徴とする。本発明の調味料組成物は、粉末又は顆粒であることで、食品全体にふりかけることができ、軽く混ぜるだけで、短時間で容易に均一になじませることができるので、操作性がよく、さらにその結果、とろみ及び/又はぬめりをつけることなく食品からのドリップを抑制する高い効果が得られる。
本発明の調味料組成物の製造方法は、特に限定されず、調味料、キサンタンガム、ローカストビーンガム及び任意の添加剤等を適宜混合し、必要により造粒することで製造することができる。混合、造粒は、食品分野において公知の方法で行えばよい。
本発明の調味料組成物は、調理時(例えば、炒め物等の加熱調理時)に、食品に添加し、混合して使用することができる。添加、混合方法は特に限定されず、通常の調理における一般的な調味料の使用方法に準じて、添加、混合すればよい。
炒め物等の加熱調理においては、本発明の調味料組成物の添加時期は、特に限定はなく、食品(野菜等)の加熱前、加熱中、加熱後のいずれに添加してもよく、いずれの場合も、とろみ及び/又はぬめりをつけることなく食材からのドリップを抑制することができる。
本発明の調味料組成物は、加熱しない食品及び加熱後に冷ました食品(例えば、野菜の和え物)のドリップ抑制のために使用することもできる。例えば、野菜の和え物の場合、ゆでた野菜を常温まで冷ました後、本発明の調味料組成物を添加すればよい。
以下に、実施例、比較例及び試験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例、比較例及び試験例によって限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した原料は以下の通りである。
調味料:丸鶏がらスープ(商品名)、味の素株式会社製
キサンタンガム:キサンタンガムST(商品名)、丸善薬品産業株式会社製
ローカストビーンガム:ビストップD−171(商品名)、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
タマリンドシードガム:グリロイド2A(商品名)、大日本住友製薬株式会社製
タピオカ澱粉:松谷化学工業株式会社製
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉:松谷ゆり8(商品名)、松谷化学工業株式会社製
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋馬鈴薯澱粉:セレクトアミールXF(商品名)、松谷化学工業株式会社製
アセチル化アジピン酸架橋コーン澱粉:日食マプス(#281)(商品名)、日本食品化工株式会社製
トレハロース:トレハ(商品名)、株式会社林原製
アルファー化コーン澱粉:コーンアルファーY(商品名)、三和澱粉工業株式会社製
実施例1〜8、比較例1
表1に記載の配合比で、各成分をビニール袋に入れて混合し、実施例1〜8の調味料組成物を調製した。調味料のみからなるものを、比較例1とした。
Figure 2013201931
試験例1
実施例1〜8及び比較例1で調製した調味料組成物を用いて、野菜を加熱調理したときのとろみ及び/又はぬめりの程度、及びドリップ量を下記の評価方法に従って評価した。結果を表2に示す。
[評価方法]
1.調理条件:
<野菜>
カット野菜400g(もやし240g、キャベツ100g、たまねぎ30g、人参30g)、洗浄なし
<調味料組成物>
調味料組成物の使用量は、組成物中に含まれる調味料の量が7.5gとなる量を使用する。例えば、実施例1で調製した調味料組成物の場合、カット野菜400gに対して、調味料組成物7.5125g(調味料7.5g、キサンタンガム0.01g、ローカストビーンガム0.0025gを含む)を使用する。
<炒め条件>
テフロン(登録商標)フライパンにサラダ油大さじ1を入れて点火し火力を中火に調整する。点火から30秒後に野菜を該フライパンに投入する。野菜投入から45秒後(点火から1分15秒後)に菜箸で野菜の攪拌を開始する。攪拌開始から1分45秒後(点火から3分後)に消火し、調味料組成物を投入し、さらに1分間攪拌後、アルミトレー(皿)に盛り付ける。
2.官能評価:
(1)とろみ及び/又はぬめりの程度は外観評価及び喫食評価で、(2)ドリップ量は外観評価で、下記評価尺度に従って、評価する。なお、とろみ及び/又はぬめりの程度が弱いほど良好であり、ドロップ量が少ないほど良好である。
<評価尺度>
(1)とろみ及び/又はぬめりの程度
++:弱い
+:やや弱い
±:ふつう
−:やや強い
−−:強い
(2)ドリップ量
++:少ない
+:やや少ない
±:ふつう
−:やや多い
−−:多い
Figure 2013201931
比較例1に比べ、実施例1〜8ではドリップ抑制効果が認められた。特に実施例3〜8ではドリップ抑制効果が高く、実施例3〜6はドリップが少なく、とろみ及び/又はぬめりも弱く良好であった。なかでも特に実施例5が良好であった。実施例1では、とろみ及び/又はぬめりは弱いものの、ドリップがやや多かった。実施例8では、ドリップは少ないものの、とろみ及び/又はぬめりがやや強かった。
比較例2〜7
表3に記載の配合比で、各成分をビニール袋に入れて混合し、比較例2〜7の調味料組成物を調製した。
Figure 2013201931
試験例2
比較例2〜7で調製した調味料組成物を用いて、野菜を加熱調理したときのとろみ及び/又はぬめりの程度、及びドリップ量を試験例1と同じ評価方法に従って評価した。結果を表4に示す。
Figure 2013201931
比較例8〜10
表5に記載の配合比で、各成分をビニール袋に入れて混合し、比較例8〜10の調味料組成物を調製した。
Figure 2013201931
試験例3
比較例8〜10で調製した調味料組成物を用いて、野菜を加熱調理したときのとろみ及び/又はぬめりの程度、及びドリップ量を試験例1と同じ評価方法に従って評価した。結果を表6に示す。
Figure 2013201931
比較例8、9は、とろみ及び/又はぬめりが弱いが、ドリップが多く、好ましくなかった。比較例10は、とろみ及び/又はぬめりが強く、好ましくなかった。
実施例9〜12
表7に記載の配合比で、各成分をビニール袋に入れて混合し、実施例9〜12の調味料組成物を調製した。
Figure 2013201931
試験例4
実施例5、9〜12で調製した調味料組成物を用いて、野菜を加熱調理したときのとろみ及び/又はぬめりの程度、及びドリップ量を試験例1と同じ評価方法に従って評価した。結果を表8に示す。
Figure 2013201931
ローカストビーンガム1重量部に対して、キサンタンガム1〜約20重量部のとき、ドリップ抑制効果があり、好ましかった。ローカストビーンガム1重量部に対して、キサンタンガム1〜4重量部のとき、特に好ましかった。さらに、ローカストビーンガム1重量部に対して、キサンタンガム4重量部のとき、ドリップ抑制効果が高く、とろみ及び/又はぬめりも弱く、最も好ましかった。
本発明によれば、炒め物等の加熱調理においてとろみ及び/又はぬめりをつけることなく食材(食品)からのドリップを抑制することができる調味料組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有し、粉末及び/又は顆粒である、調味料組成物。
  2. 食品100重量部に対する使用量が、キサンタンガムが0.0025〜0.25重量部であり、及びローカストビーンガムが0.0006〜0.0625重量部である、請求項1記載の調味料組成物。
  3. ローカストビーンガム1重量部に対して、キサンタンガム1〜20重量部を含有する、請求項1記載の調味料組成物。
  4. 調味料が野菜用調味料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の調味料組成物。
  5. 炒め物用である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の調味料組成物。
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