JP2007151408A - スチームコンベクションオーブン調理用調味料 - Google Patents

スチームコンベクションオーブン調理用調味料 Download PDF

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嘉彦 高木
Yuhei Okamura
悠平 岡村
Kanae Murata
かなえ 村田
Shinji Ueda
信二 上田
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Abstract

【課題】粘度を付与したい調理品において適当な粘度を均一に付与し、作業や味を平準化することができる、スチームコンベクションオーブンによる調理に適したスチームコンベクションオーブン調理用調味料を提供する。
【解決手段】澱粉類5〜20質量%と水溶性糊料とを含むスチームコンベクションオーブン調理用調味料を使用する。また、このような調味料を使用し、スチームコンベクションオーブンで熱風及び/又は蒸気により調理する加熱調理食品の製造方法も提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチームコンベクションオーブンによる加熱調理に適した調味料(スチームコンベクションオーブン調理用調味料)とそれを使用した食品の製造方法に関する。
大量調理施設において加熱調理食品(調理品)を製造する場合には、通常、鍋(フライパン、中華鍋、大鍋、回転釜等)を使って加熱調理が行われているが、鍋を使った加熱調理は時間、温度、品質が調理作業者のレベルによって変わることが多い。そこで、この課題を解決すべく、大量調理用の加熱機器として、近年、スチームコンベクションオーブンが開発され、その導入率が高くなっている。
このスチームコンベクションオーブンは加熱時間と品温の管理が容易であり、密閉容器内で加熱を行うため、加熱に際して衛生的で安全である。さらに、スチームコンベクションオーブンは焼く(オーブン)、蒸す(スチーム)、蒸し焼(コンビ)の大きく3つの機能があり、それぞれのモードを使い分けることによって、すなわち、熱風及び/又は蒸気により加熱することによって、多彩な料理を調理することが可能である。(非特許文献1参照)
一方、スチームコンベクションオーブンには、密閉容器(調理庫)内に蒸気を充満させることができることから、水分蒸発量が少なく、調味料又は調味液が濃縮されないという特徴がある。したがって、スチームコンベクションオーブンによる加熱調理食品の製造においては、調味液や加熱方法等、鍋調理と同じ仕様(条件)で調理をすると、従来の鍋調理との加熱特性の違いから、調理開始時と調理終了時の調味液の濃度が殆ど変化しない、又は調味液の濃度が具材からの離水で希釈されるため、種々の問題が生じ、鍋調理と同等の食品を製造することは困難である。
例えば、調理品の味が極めて薄くなるという問題があり、これを解決すべく、調味液が濃縮されないこと及び具材からの離水を考慮した高い濃度の調味液を使用して加熱調理することや、調理素材を入れ、その上に吸水性シート類を載せて上から調味料又は調味液をかけた後、加熱調理することが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、スチームコンベクションオーブンによる加熱調理食品の製造において、依然として以下のような問題がある:
(1)従来の調味料を用いスチームコンベクションオーブンで調理した場合には、水分蒸発量が少なく、野菜類等の具材からの離水が多いため、粘度を付与したい調理品において適当な粘度が発生しない;
(2)スチームコンベクションオーブンによる調理において、従来の調味料に澱粉類を添加して粘度を付与しようとしても、澱粉類が分散しきれずダマ(沈殿)が発生し、及び均一に粘度が発生しない;
(3)スチームコンベクションオーブンによる調理は密閉した庫内に熱風や水蒸気を強制的に送りこんで調理が行われる(扉を開けたまま加熱調理は機械の機能上出来ない)ので加熱調理中の攪拌は出来ず、そのため加熱調理中に澱粉類を加えることはできず、予め澱粉類を添加した場合であっても均一に粘度を付与することはできない;
(4)大量調理では、複数の調味料を配合することによって起こる計量ミスや、味のブレを抑制し、調理品の品質を安定させ、作業や味を平準化することが望ましい。
粘度を付与したい調理品において適当な粘度を付与するため、水溶きにより12時間静置させて片栗粉が沈殿しないように、水溶性糊料を含有させた片栗粉水分散液が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この片栗粉水分散液は、従来の鍋調理用であり、スチームコンベクションオーブンによる加熱調理用として用いることは困難である。また、粘度を付与したい調理品において適当な粘度を付与することができ、更にスチームコンベクションオーブンによる調理に適するよう改善された調味料自体についての記載は見当たらない。
このような情況下に、粘度を付与したい調理品において適当な粘度を均一に付与し、作業や味を平準化することができる、スチームコンベクションオーブンによる調理に適したスチームコンベクションオーブン調理用調味料が求められる。
特開2005−110570号公報 特開2003−61591号公報 「ガススチームコンベクションオーブンのすべて」東京ガス株式会社、2002年8月、P.2−3
そこで、解決しようとする課題は、粘度を付与したい調理品において適当な粘度を均一に付与し、作業や味を平準化することができる、スチームコンベクションオーブンによる調理に適したスチームコンベクションオーブン調理用調味料、並びにこれを使用した加熱調理食品の製造方法を提供することである。
本発明によれば、スチームコンベクションオーブンによる調理において、特定の構成の調味料(スチームコンベクションオーブン調理用調味料)を用いることにより、粘度を付与したい調理品において適当な粘度が均一に付与され、作業や味が平準化される。このスチームコンベクションオーブン調理用調味料は、澱粉類5〜20(W/W)%、及び水溶性糊料を含む。即ち、スチームコンベクションオーブンによる調理において、調理素材にスチームコンベクションオーブン調理用調味料を添加すると、当該スチームコンベクションオーブン調理用調味料において、澱粉類は水溶性糊料により均一に分散されているので、粘度を付与したい調理品において適当な粘度が均一に付与される一方、当該スチームコンベクションオーブン調理用調味料は予め調製されているので、作業や味が平準化される。また、スチームコンベクションオーブンによる調理において、調理品によっては、直火である鍋調理と異なり、調理品に炒め感が不足する問題が生じうるが、当該スチームコンベクションオーブン調理用調味料に炒めた香味野菜を、好ましくは5〜15(W/W)%更に含有させることにより調理品に炒め感を付与することができる。
即ち、本発明の第一の視点において、澱粉類5〜20(W/W)%と水溶性糊料とを含むことに特徴を有するスチームコンベクションオーブン調理用調味料(以下、「本発明の調味料」とも称する。)を提供することができる。
また、本発明の調味料には、更に、炒めた香味野菜類を含有させることができ、前記炒めた香味野菜類を、ニンニク、生姜、長ねぎ、玉ねぎ、セロリ、及び人参から選ばれる少なくとも一種とすることができる。
更に、本発明では、前記澱粉類を、馬鈴薯澱粉、浮粉、コーンスターチ、葛粉、タピオカ、及び加工澱粉より選ばれる少なくとも一種とし、前記水溶性糊料を、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、及びアルギン酸ナトリウム、から選ばれる少なくとも一種とすることができる。
なお、本発明の調味料は、その使用の際には、通常、水等の食用の希釈溶媒により、目的とする加熱調理食品に応じて選択される適当な希釈倍率で、例えば2〜4倍に希釈される。なお、当該希釈は、調味料を含む水等により行われてもよい。
本発明の第二の視点において、前記記載のスチームコンベクションオーブン調理用調味料(本発明の調味料)を使用し、スチームコンベクションオーブンで熱風及び/又は蒸気により調理することに特徴を有する加熱調理食品の製造方法(以下、「本発明の加熱調理食品の製造方法」とも称する。)を提供することができる。
本発明の調味料をスチームコンベクションオーブンでの加熱調理に使用することで、下記のような効果により、均質で高品質な加熱調理食品を簡便に製造することができる:
(1)本発明の調味料によれば、スチームコンベクションオーブンで調理する際、スチームコンベクションオーブン使用時の野菜類等からの離水発生や水分の蒸発量が少ないという特性にもかかわらず、適度な粘度を付与することが出来る;
(2)本発明の調味料では、澱粉類が水溶性糊料で均一に分散されているので、澱粉類が沈殿しない。そのためダマの発生がなく、調理品全体に均一に粘度をつけることが出来る;
(3)鍋調理で発現するような炒め感を必要とする調理品種を選択する場合には、本発明の調味料に、更に炒め調理を施した香味野菜類(炒めた香味野菜類)を含有させて、調製された調味料を使用することにより炒め感を向上させることができる。
(4)粘度を付与するために澱粉類を使用する場合には、通常、撹拌しながら添加することが必要であるが、本発明の調味料では澱粉類が水溶性糊料で均一に分散されているので、加熱前にこれを加えるだけでよく、加熱中の攪拌は必要としない;並びに
(5)本発明の調味料は、予め調製され、そのまま又はこれを水で希釈して使用することを基本としているので、計量ミスや味のブレが抑制され、調理品の品質が安定され、作業や味が平準化される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明には、スチームコンベクションオーブン調理用調味料が含まれる。尚、本発明の調味料を中心に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(本発明の調味料)
本発明の調味料は、澱粉類5〜20(W/W)%程度、及び水溶性糊料を含む。この調味料は、スチームコンベクションオーブンによる調理において、粘度を付与したい調理品に適当な粘度を均一に付与し、作業や味を平準化することができるので、スチームコンベクションオーブン調理用の調味料として極めて優れている。
ここで、「スチームコンベクションオーブン調理用調味料」とは、本発明の調味料が「スチームコンベクションオーブン専用」であることを意味し、本発明の調味料の使用説明書やラベル等にその旨を表示することが好ましい。
本発明の調味料において使用する澱粉類として、例えば、馬鈴薯澱粉、浮粉、コーンスターチ、葛粉、タピオカ、加工澱粉が挙げられる。好ましくは、馬鈴薯澱粉、浮粉、コーンスターチ、葛粉、タピオカ、加工澱粉から少なくとも一種以上が選択される。
本発明の調味料において、前記澱粉類の含有量は、5〜20(W/W)%程度である。前記澱粉類の含有量が5(W/W)%未満であると最適な粘度が発現されず、20(W/W)%を超えると澱粉類と水溶性糊料のバランスが悪く調味料中に澱粉類が均一に分散されない傾向がある。
本発明の調味料は、前記澱粉類を調味料中に均一に分散させるため、水溶性糊料を含む。
本発明の調味料において使用する水溶性糊料として、例えば、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。好ましくは、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、及びアルギン酸ナトリウムより選ばれた少なくとも一種以上が使用される。
本発明の調味料において、前記水溶性糊料の含有量については、選択される水溶性糊料に応じて、前記澱粉を調味料中において均一に分散させるために適した量が選択される。例えば、水溶性糊料としてキサンタンガムが選択される場合には、0.25〜1.00(W/W)%程度が選択される。
スチームコンベクションオーブン調理では、直火である鍋調理と異なり、調理品に炒め感が不足する。そこで、鍋調理で発現するような炒め感を必要とする調理品種の場合には、本発明の調味料には、炒め調理を施した香味野菜類(炒めた香味野菜類)を含有させて炒め感を付与することが好ましい。なお、炒めた香味野菜については、これに替えて、これから得られるエキスや、油脂等を用いて香味野菜を炒めた後に得られる調味油を使用しても同様の効果が得られる場合があり、このような場合でも本発明に含めることが可能である。このような香味野菜類として、炒め調理を施した場合に、味及び風味を好ましいものにする野菜類、例えばニンニク、生姜、長ねぎ、玉ねぎ、セロリ、人参等が挙げられる。好ましくは、ニンニク、生姜、長ねぎ、玉ねぎ、セロリ、人参より少なくとも一種以上が選択される。
本発明の調味料において、前記炒めた香味野菜類の含有量は、好ましくは5〜15(W/W)%程度である。5(W/W)%未満であると炒めた香味野菜類の風味・炒め感が感じられず、15(W/W)%より多いと香味野菜類の風味が目立ち、炒め感とは言えない調味料になる傾向がある。
前記炒め調理を施した香味野菜類において、香味野菜類を炒める方法については、特に制限は無い。例えば、香味野菜類を、サラダ油等の油脂を用いて適当な温度且つ適当な時間炒めることができる。
本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料には、本発明の目的(粘度を付与したい調理品に適当な粘度を均一に付与し、作業や味を平準化すること)を阻害しない範囲で、例えば、粉体及び液体調味料、香辛料等を適宜配合させることができる。なお、香辛料については、スチームコンベクションオーブン調理では鍋調理に比べ直火による加熱が弱いため、辛味成分等の香辛料が完成した調理品の中に残りやすいということから、その使用量を極力抑えることが望ましい。
本発明の調味料を使用して、スチームコンベクションオーブンにより調理する方法については、特に制限は無く、目的とする食品(調理品)に応じて適宜選択すればよい。
通常、本発明の調味料を使用する際には、当該調味料は水等の食用の希釈溶媒により、適宜希釈されるが、目的とする食品(加熱調理食品)に応じて適当な希釈倍率で希釈すればよい。例えば、2〜4倍で希釈することができる。なお、当該希釈は、既に水等で希釈された調味料等、調味料を含む水等により行われてもよい。
また、加熱温度も目的とする食品(調理品)に応じて適宜選択すればよいが、通常、衛生上の安全性から、調理素材の中心温度として低くとも80℃(80℃以上)、好ましくは85〜100℃程度が選択される。
例えば、スチームコンベクションオーブンにより炒め料理の調理をする場合には、調理素材に本発明の調味料を添加して、コンビモード(オーブン機能(熱風加熱)とスチーム機能(蒸気加熱)の併用)を選択し、オーブンの温度設定を200〜260℃程度、スチームの温度設定を100%(機種によりスチームの加減ができない場合があるため、スチーム併用条件は100%で設定)にして加熱を行う。衛生上の安全性から、調理素材の中心温度が低くとも80℃(80℃以上)になる様に設定して加熱(芯温調理)し、加熱終了後速やかに調理品を攪拌することで品質の良い料理の製造ができる。
例えば、スチームコンベクションオーブンにより煮込み料理の調理をする場合には、調理素材に本発明の調味料を添加して、コンビモード(オーブン機能とスチーム機能の併用)を使用し、オーブンの設定を130〜190℃程度、スチームの設定を100%にして蓋をして加熱を行う。衛生上の安全性から、調理素材の中心温度が80℃以上になる様に設定して加熱(芯温調理)するが、素材の食感を見て時間設定を行う。加熱終了後速やかに調理品を攪拌することで品質の良い料理の製造ができる。
例えば、スチームコンベクションオーブンにより乳製品(牛乳・生クリーム等)を含む煮込み料理の調理をする場合は、調理素材に本発明の調味料を添加して、乳成分の分離を防止するためスチームモードを使用し、庫内の設定を70〜100℃程度、スチームの設定を100%にして蓋をして加熱を行う。加熱終了後速やかに調理品を攪拌することで品質の良い料理の製造ができる。
本発明の調味料において、スチームコンベクションオーブンで調理素材(本発明の調味料を含む)の中心温度が85℃以上に加熱されたときに発現する粘度が高くとも200mPa・s(200mPa・s以下)であると、加熱処理水溶き澱粉液として適さない粘度になる傾向にあるため、粘度は低くとも200mPa・s(200mPa・s以上)であることが望ましい。
(本発明の加熱調理食品の製造方法)
本発明の加熱調理食品の製造方法は、前記記載のスチームコンベクションオーブン調理用調味料(本発明の調味料)を使用し、スチームコンベクションオーブンで熱風及び/又は蒸気により、調理素材を調理して加熱調理食品を製造するものである。したがって、前記本発明の調味料における記載内容に基づいて容易に実施することができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
[評価例1]各種加熱処理水溶き澱粉液の製造及び評価
下記製造方法により各種加熱処理水溶き澱粉液を製造し、得られた各加熱処理水溶き澱粉液について下記評価方法により評価を行った。それらの結果を下記表1に示す。
(製造方法)
加工澱粉としてフードスターチF−11(松谷化学工業株式会社製)及び水を混合して(重量比で澱粉:水=75g:925g)水溶き澱粉液を調製した。得られた水溶き澱粉液の中心温度を85℃にして5分間加熱処理し、その後蒸発した水分を補うため1000gになるよう水で調整して加熱処理水溶き澱粉液を得た。これを粘度50、100、200、500、1000mPa・sになるように水で希釈した。
(評価方法)
A.粘度測定
加熱処理水溶き澱粉液の粘度については、B型粘度計(芝浦システム株式会社製)を用いて、RPM 30:1.5 60秒の測定条件で測定した。
B.官能評価
パネル10名が加熱処理水溶き澱粉液があんかけ用途として適切な粘度であるかを観察し、下記基準を用いて3点採点法で官能評価を行った。なお、評価結果については、パネル10名の平均値で示した。
(評価基準)
1.0:あんかけ用途として適切な粘度
2.0:あんかけ用途としてありえる粘度(下限)
3.0:あんかけ用途として適切でない粘度
C.てり及びつやの評価
上記官能評価結果に基づいて、下記評価基準を用いて評価した。
(評価基準)
1.0:てり及びつやがあり好ましい
2.0:てり及びつやがわずかにある
3.0:てり及びつやがなく好ましくない
Figure 2007151408
(評価結果)
表1より、適切な粘度を発現するのは200mPa・s以上であることがわかる。
[実施例1]調味料の製造−1
加工澱粉としてフードスターチF−11(松谷化学工業株式会社製)を用い、これを水に5(W/W)%になるよう添加、混合して、水溶き澱粉液を調製した。得られた水溶き澱粉液に水溶性糊料としてキサンタンガムST(丸善薬品産業株式会社製)を0.3(W/W)%添加して加工澱粉を分散させ、本発明の調味料を製造した。
[実施例2〜4並びに比較例1及び2]調味料の製造−2〜6
上記実施例1における加工澱粉(フードスターチF−11)の使用量について、下記表2の実施例2の欄に記載の加工澱粉の使用量に替える以外は、何ら変更することなく、実施例1に示す方法を実施し、本発明の調味料を製造した(実施例2)。次に、下記表2の実施例3、実施例4、比較例1又は比較例2の欄に記載の加工澱粉の使用量に基づいて、前記同様に実施して各種の調味料を製造した(実施例3及び4並びに比較例1及び2)。
Figure 2007151408
[評価例2]分散性の評価
各種調味料の分散性の評価をした。なお、試料として実施例1〜4並びに比較例1及び2において調製した調味料を使用した。その結果を、下記表3に示す。
(評価方法)
各種調味料(希釈及び加熱なし)中の澱粉の沈殿の有無を目視により確認して分散性を評価した。
Figure 2007151408
*1:希釈及び加熱をしない状態で評価
(評価結果)
表3から、澱粉量が20(W/W)%より多い場合には、分散性(水溶性糊料と澱粉のバランス)が悪く、調味料中に澱粉が均一に分散されないため、保存時に安定しないものであることが明らかである。したがって、本発明の調味料では、澱粉量(澱粉濃度)が5〜20(W/W)%であるので、スチームコンベクションオーブン調理用調味料として適していることが分かる。
[評価例3]各種調味料の使用条件(使用の際の分散性及び粘度)の評価
各種調味料を使用する際の条件について確認すべく、評価した。具体的には、各種調味料を、これを使用する際の条件を考慮した下記処理方法により処理して、これらの分散性及び粘度について評価し、さらにこれら分散性及び粘度について総合評価して、調味料における適切な使用条件を確認した。なお、試料として実施例1〜4並びに比較例1及び2において調製した調味料を使用した。それらの結果を、下記表4に示す。
(処理方法)
各種調味料を、その中心温度を85℃として5分間加熱した後に適切な粘度が発現するように、水で2及び4倍に希釈して、澱粉量の調整を行った。
(評価方法)
A.分散性
得られた各種調味料(希釈及び加熱後のもの)について、澱粉と水溶性糊料のバランス(分散性)を目視により確認し、下記評価基準1を用いて評価した。
(評価基準1)
○:あんかけ用途として適度な粘度である
×:あんかけ用途として適度な粘度でない
B.粘度
得られた各種調味料について、B型粘度計(芝浦システム株式会社製)を用いて、RPM 30:1.5 60秒の測定条件で測定した。測定の結果、200mPa・s以上を示すものを加熱処理水溶き澱粉液として良好な粘度であると評価した。
C.総合評価
下記評価基準2を用いて上記目視確認及び粘度測定についての総合評価を行った。
(評価基準2)
○:あんかけ用途として好ましい
×:あんかけ用途として好ましくない
Figure 2007151408
(評価結果)
表4から、2倍希釈品では5(W/W)%未満の場合には調理品として要求される粘度が発現せず、10(W/W)%より多い場合には粘度が発現し過ぎ、適度な粘度ではないが、5〜10(W/W)%の場合には、加熱処理水溶き澱粉液として好ましいものであることが明らかである。一方、4倍希釈品では10(W/W)%未満の場合には調理品として要求される粘度が発現せず、20(W/W)%より多い場合には粘度が発現し過ぎ、適度な粘度ではないが、15〜20(W/W)%の場合には、加熱処理水溶き水溶液として好ましいものであることが明らかである。
以上から、本発明の調味料は、目的とする加熱調理食品に応じて、適宜希釈して用いることにより、そのような食品を提供することができることが分かる。したがって、本発明の調味料は、スチームコンベクションオーブン調理用調味料として適していることも分かる。
[評価例4] 調味料に対する各種水溶性糊料の配合量における分散性の評価
下記製造方法により各種調味料を製造し、得られた各種調味料について下記評価方法により分散性の評価を行った。それらの結果を下記表5に示す。
(製造方法)
水に加工澱粉としてフードスターチF−11(松谷化学工業株式会社製)を5(W/W)%又は20(W/W)%添加し、水溶き澱粉液を調製した。得られた水溶き澱粉液に水溶性糊料としてキサンタンガム(キサンタンガムST:丸善薬品工業株式会社製)、グアーガム(グアガム:ソマール株式会社製)、タラガム(ビストップD−2101:三栄原エフエフアイ株式会社製)、ローカストビーンガム(ビストップD−171:三栄原エフエフアイ株式会社製)、アルギン酸ナトリウム(マニュコールDMF:大日本住友製薬株式会社製)、コンニャクマンナン(レオックスRS:清水化学工業株式会社製)の何れかをそれぞれ0.10、0.25、0.50、0.75、1.00、1.25(W/W)%の何れかで添加し、各種調味料を得た。
(評価方法)
各種調味料における澱粉の沈殿の有無を目視により確認して、下記評価基準を用いて各種調味料における分散性を評価した。
(評価基準)
○:澱粉が均一に分散されている
×:澱粉が分離している
(評価結果)
Figure 2007151408
表5から、水溶性糊料の種類に応じて、その添加量は適宜選択されるものの、澱粉添加5(W/W)%において、キサンタンガムは0.25%以上の添加、グアーガム、タラガム、及びコンニャクマンナンは0.50%以上の添加、ローカストビーンガムは1.00%以上の添加、アルギン酸ナトリウムは0.75%以上の添加で澱粉が均一に分散されることが分かった。
[評価例5]調味料における澱粉の量及び水溶性糊料の量間の関係
下記製造方法により各種調味料を製造し、得られた各調味料について下記評価方法により評価を行った。それらの結果を下記表6に示す。
(製造方法)
水に加工澱粉としてフードスターチF−11(松谷化学工業株式会社製)を5(W/W)%又は20(W/W)%添加し、水溶き澱粉液を調製した。得られた水溶き澱粉液に水溶性糊料としてキサンタンガムST(丸善薬品工業株式会社製)を下記表6の水溶性糊料添加量の欄に記載の使用量で添加して加工澱粉を分散させ、目的とする調味料を得た。
(評価方法)
A.分散性
各種調味料について、その沈殿の有無(分散性)を目視により観察して、澱粉と水溶性糊料の量のバランスを、下記評価基準1を用いて評価した。
(評価基準1)
○:澱粉が均一に分散され、調味料として適性がある
×:分離が目立つ、又は分散はされているが調味料としての適性がない
B.粘度
粘度については、B型粘度計(芝浦システム株式会社製)を用いて、RPM 30:1.5 60秒の測定条件で測定した。
C.作業性
また、各種調味料(希釈及び加熱なし)を、容器(φ75mm×高さ95mm)に200g充填した後、この容器を、115°程度、下方に傾けて1分間保持したときに、調味料が自然に排出されるときの状態を、下記評価基準2を用いて評価した(図1参照)。なお、この容器の内壁に付着して容器内に残った調味料の重量(調味料の付着残量)を測定した
(評価基準2)
○:容器から調味料が出しやすい
×:容器から調味料が出しにくい
Figure 2007151408
(評価結果)
表6から、水溶性糊料の量が0.1(W/W)%以下の場合には澱粉が均一に分散されず、調味料中に沈殿してしまうため、調味料として適していないことが明らかである。1.00(W/W)%より多いと、調味料中に澱粉は均一に分散されるが、粘度が高すぎるため容器から取り出し難く作業性が悪い。したがって、水溶性糊料としてキサンタンガムを選択した場合には、スチームコンベクションオーブン調理用調味料において水溶性糊料の量が0.25〜1.00(W/W)%となるようにすることが、好ましいことがわかる。
[評価例6]香味野菜の炒め工程の有無の評価
下記製造方法により炒めた香味野菜及び炒めていない香味野菜を添加した各種の調味料を製造し、得られた各調味料について下記官能評価により評価を行った。それらの結果を下記表7に示す。
(製造方法)
フライパン(直径26cm)に、すりおろしたにんにく250g及び生姜250gを入れ、これらの香味野菜素材を、その中心温度が90〜100℃程度になるようにして、10分間程度炒めた。その後、得られたものに、蒸発した水分を補うため1000gになるように、水を添加して、混合物(炒めた香味野菜成分)を得た。得られた混合物を撹拌して、このうち100gを取り出し、これを、予め加工澱粉としてフードスターチF−11(松谷化学工業株式会社製)30gと水溶性糊料としてキサンタンガムST(丸善薬品工業株式会社製)3gと水867gとを混合して調製しておいた調味料(2倍希釈品)に添加し、混合した。得られた混合物をホテルパン1/1サイズ(内径横幅502mm、縦幅297mm、深さ65mm)に入れ、スチームコンベクションオーブンにて加熱条件をコンビモード、230℃、スチーム100%で3分間として、加熱して目的とする試料を得た。なお、前記製造における前記香味野菜素材について、前記香味野菜素材として炒め工程を行わないものに替える以外は、何ら変更することなく、前記同様に実施して、比較対象となる試料も製造した。
(評価方法)
官能評価については、3点識別法で行った。具体的には、先ず2種の試料について、Aを炒めた香味野菜を含むものとし、Bを炒め工程なしの香味野菜を含むものとした。20名のパネルを2組に分けて、1組には(A・B・B)の組み合わせ、他方には(A・A・B)の組み合わせの試料をそれぞれ与え、3個1組の試料から風味の異なるものを1個選ばせた。なお、評価結果については、下記表8の検定表(株式会社幸書房発行、古川秀子著、「おいしさを測る食品官能検査の実際」から参考として一部記載)を用いる下記検定法による検定結果も、示した。
(検定法)
下記表8の検定表のn=10の欄に基づき、判定度数が
9以上ならば0.1%有意(***印)
8以上ならば1%有意(**印)
7以上ならば5%有意(*印)
とした。
Figure 2007151408
Figure 2007151408
表7から、調味料における香味野菜の炒め工程の有無が全員一致で識別できることは明らかである。したがって、調味料に炒めた香味野菜を添加することにより、より優れた調味料となることが分かる。
[評価例7]炒めた香味野菜の添加量の評価
下記製造方法により炒めた香味野菜を添加した各種の調味料を製造し、得られた各調味料について下記官能評価により評価を行った。それらの結果を下記表9に示す。
(製造方法)
フライパン(直径26cm)に、香味野菜としてすりおろしたにんにく250g及び生姜250g、並びにサラダ油を入れ、これらの素材を、その中心温度が90〜100℃程度になるようにして、10分間程度炒めた。その後、得られたものを、蒸発した水分を補うため1000gになるように水を添加して、混合物(炒めた香味野菜成分)を得た。その後、組成の全重量を1000gとしたときに、炒めた香味野菜成分が無添加(炒めた香味野菜成分の割合が0(W/W)%)で、又は炒めた香味野菜成分が1、5、10、15、20(W/W)%の何れかの割合で含まれ、加工澱粉としてフードスターチF−11(松谷化学株式会社製)を6.0%及び水溶性糊料としてキサンタンガムST(丸善薬品工業株式会社製)を0.6%とした後、更に水で2倍希釈して、目的とする各種調味料を得た。得られた調味料を湯煎にて90℃程度で5分程加熱し、その後蒸発した水分を補うため1000gになるように水を添加した。得られた混合物を水で4倍希釈した後、これをホテルパン1/1サイズ(内径横幅502mm、縦幅297mm、深さ65mm)に入れ、スチームコンベクションオーブンにてコンビモード、加熱温度230℃、スチーム100%に設定して、3分間程度、加熱調理を行った。
(評価方法)
A.官能評価
パネル20名が上記得られた加熱調理食品を試食し、炒めた香味野菜成分が無添加(炒めた香味野菜成分の割合が0(W/W)%)の場合をコントロールとした下記評価基準1を用いて、3点採点法で官能評価を行った。なお、評価結果については、パネル20名の平均値で示した。
(評価基準1)
1.0:非常に良い
2.0:この程度なら良い(合格範囲)
3.0:悪い(コントロールと同等)
B.総合評価
パネル20名による下記評価基準2を用いる2点嗜好試験法で行った。具体的には、各パネルに、炒め感があることによって好ましいか否かを○か×の何れかを選択させた。なお、評価結果については、下記表10の検定表(株式会社幸書房発行、古川秀子著、「おいしさを測る食品官能検査の実際」から参考として一部記載)を用いる下記検定法による検定結果も、示した。
(評価基準2)
○:炒め感が分かり好ましい
×:炒め感が分からない、炒め感が分かるが好ましくない、又は炒め感があっても好 ましくない
(評価結果)
Figure 2007151408
Figure 2007151408
表9から、香味野菜の添加量が5(W/W)%未満では香味野菜の風味が感じられず、20(W/W)%より多いと炒めた風味が強すぎて好ましくないことがわかる。したがって、本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料に、炒めた香味野菜(炒め工程を施した香味野菜)を含有させる場合には、5〜15(W/W)%の炒めた香味野菜を含む組成にすることが適していることがわかる。
[実施例5]加熱調理食品の製造例
下記製造方法により加熱調理食品(炒め料理;八宝菜)を製造した。
ホテルパン1/1サイズ(内径横幅502mm、縦幅297mm、深さ65mm)に、調理素材として豚肉スライス(2cm幅)200g、イカ(1cm×5cm)200g、エビ(100/200サイズ)150g、白菜(5cm×5cm)1000g、竹の子スライス(2cm×5cm)100g、椎茸(4つ割)100g、ピーマン(3cm大乱切り)150g、人参(1cm×5cm短冊切り)200gを、図2の順序で入れた。これら全重量2,100gの調理素材に対して、本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料(八宝菜用:加工澱粉としてフードスターチF−11(松谷化学株式会社製)を9.0%、水溶性糊料としてキサンタンガムST(丸善薬品工業株式会社製)を0.3%、及びその残部での水からなる調味料に、チキン及びポークエキス、にんにく、しょうが、ごま油、グラニュー糖、その他の粉体及び液体調味料(アミノ酸等)を適量加えたもの)300gと水600gを混合(3倍希釈)したものを添加して、下記加熱条件下のスチームコンベクションオーブンにより加熱を行った。なお、上記調理素材については、野菜の焦げ付きや過熱による素材の収縮等を考慮して、上記順序で入れることが望ましい。
加熱条件としては、スチームコンベクションオーブンのコンビモードを選択し、スチームの温度設定は100%、オーブン温度を230℃に設定し、9分間加熱調理した。但し、使用するスチームコンベクションオーブンの機種によっては、加熱条件はこの限りではない。
(製造結果)
以上から、本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料を使用すれば、適当な条件下において炒め料理を容易に調理することができる。
[評価例8]保温による評価
大量調理施設では、一旦加熱調理したものを1時間程度保温する場合があり、調理直後と喫食時の品質の差が課題となっていることから本発明の調味料(八宝菜用:評価例4様の調味料に、チキン及びポークエキス、にんにく、しょうが、ごま油、グラニュー糖、その他の粉体及び液体調味料(アミノ酸等)を加えたもの)の保温による耐熱試験を実施した。なお、比較対象としては既存調味料(味の素株式会社製「中華あわせ」うま煮味)を使用した。
(評価方法)
ホテルパン(内径横幅197mm、縦幅148mm、深さ100mm)に、実施例5において所定の加熱条件下(コンビモード、スチームの温度設定100%、オーブン温度230℃、8分間)の調理加熱により得られた加熱調理食品(八宝菜)、又は前記実施例5における前記調味料成分について既存調味料に替える以外は、何ら変更することなく、前記実施例5と同様に実施して製造した加熱調理食品(八宝菜)を3kg入れた。このホテルパンを、湯煎器具(ニチワ電機株式会社製、電気卓上ウォーマー(タテ型、3つ切))に載置した。湯煎器具の保温温度を70℃、90℃の何れかの温度帯に設定し、蓋をせずに30分、60分、90分の保温を実施した。加熱直後品(0分)をコントロールとして、各保温時間における加熱調理食品について下記評価をした。それらの結果を表11に示す。
A.水分蒸発量
調理直後の加熱調理品重量を0とし、各経時の加熱調理品重量を計測し、重量の差を割合で示した。
B.色
加熱調理直後品をコントロールとして目視により下記評価基準を用いて評価を行った。
(評価基準)
無 :コントロールと同じ
やや有り:コントロールよりやや渇変しているが、調理品として提供できる品質
有り :コントロールより明らかに渇変していて、調理品として提供できない品質
C.粘度
各保温時間におけるたれ画分について粘度を、B型粘度計(芝浦システム株式会社製)を用いて、RPM 30:1.5 60秒の測定条件で測定した。
D.官能評価
パネル20名が上記得られた加熱調理食品を試食し、調理直後品(保温時間0分)をコントロールとした下記評価基準を用いて、3点採点法で官能評価を行った。なお、評価結果については、パネル20名の平均値で示した。
(評価基準)
1.0:完成品として味及び食感のバランスがよい
2.0:完成品として味及び食感の面で少し違和感がある
3.0:完成品として明らかに品質が悪い
E.総合評価
下記評価基準を用いて総合評価した。
(評価基準)
○:総合的に判断してお客様に提供できる品質
×:総合的に判断してお客様に提供できない品質
Figure 2007151408
表11から、色変化に関しては、保温温度70℃において、既存品を使用して加熱調理した場合には60分を越えると変色が明らかであるのに対し、本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料を使用して加熱調理した場合には90分経過後でも調味料を含む食品全体の色の変化(調味料の褐変、調理素材の変色等)はわずかであった。また、保温温度90℃において、既存品を使用して加熱調理した場合には30分を超えると変色が大きく、品質を維持できないのに対し、本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料を使用して加熱調理した場合には、保温温度70℃のときと同様に、90分経過後でも調味料を含む食品全体の色の変化はわずかであった。
たれ画分の粘度に関しては、保温温度70℃及び90℃の何れにおいても、既存品を使用して加熱調理した場合には60分以降、徐々に粘度が低下するのに対し、本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料を使用して加熱調理した場合には90分経過後でも加熱直後品と比べて同等の粘度を有することが分かる。したがって、本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料によれば、加熱調理食品における素材からの離水による粘度低下を、従来に比べてより長い時間、防ぐことができる。
官能評価に関しては、保温温度70℃及び90℃の何れにおいても、既存品を使用して加熱調理した場合、粘度低下により全体の味バランスが崩れ、また素材からの離水により味が薄くなる傾向にあるため、30分経過後では色の変化及び官能評価において低い評価となるが、本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料を使用して加熱調理した場合には、60分経過後まではコントロール品とほぼ同等の品質である。
よって、本発明のスチームコンベクションオーブン調理用調味料を使用して加熱調理食品を製造した場合には、従来に比較して、保温耐性において優れた加熱調理食品を提供することができる。
本発明の調味料は、スチームコンベクションオーブンによる調理に適しているため、これを使用して、スチームコンベクションオーブンにより、適当な粘度を均一に付与した調理品を、連続的、かつ簡便に製造することができる。したがって、本発明は、特に食品分野等において、工業的に極めて有用である。
図1は、調味料についての作業性試験の方法の概略を図示したものである。容器に各調味料を200g入れ(図1の(A))、この容器を下方に115°程度傾斜させ、1分間静止して(図1の(B))試験が行われる。 図2は、本発明の調味料を使用した加熱調理食品の製造方法における調理素材の構成の概略を一例として図示したものである。なお、下記(1)から(6)の順で加熱調理食品の製造が行われる。 (1)1/1ホテルパン内に椎茸、竹の子スライス、人参の混合物を広げる。 (2)所定の分量の半分の白菜を入れる。 (3)イカ、エビを入れる。 (4)残りの白菜、ピーマンを入れる。 (5)豚肉を入れる。 (6)スチームコンベクションオーブン調理用調味料と水を混合し、調味素材全体にかける。その後スチームコンベクションオーブンにて加熱調理を開始する。
符号の説明
1.ガラスボール(直径18cm)
2.容器(ガラスビーカー(200cc用))
3.調味料
4.1/1ホテルパン
5.椎茸、竹の子スライス、人参の混合物
6.所定の分量の半分の白菜
7.イカ、エビ
8.残りの白菜、ピーマンの混合物
9.豚肉
10.スチームコンベクションオーブン調理用調味料(本発明の調味料)

Claims (8)

  1. 澱粉類5〜20質量%と水溶性糊料とを含むことを特徴とするスチームコンベクションオーブン調理用調味料。
  2. 使用の際に、目的とする加熱調理食品に応じて選択される適当な希釈倍率で希釈されることを特徴とする請求項1に記載の調味料。
  3. 前記希釈倍率が、2〜4倍であることを特徴とする請求項2に記載の調味料。
  4. 更に炒めた香味野菜類を含むことを特徴とする請求項1〜3に記載の調味料。
  5. 前記炒めた香味野菜類が、ニンニク、生姜、長ねぎ、玉ねぎ、セロリ、及び人参から選ばれる少なくとも一種であり、前記炒めた香味野菜類の含有量が、5〜15質量%であることを特徴とする請求項4記載の調味料。
  6. 前記澱粉類が、馬鈴薯澱粉、浮粉、コーンスターチ、葛粉、タピオカ、及び加工澱粉より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5何れかに記載の調味料。
  7. 前記水溶性糊料が、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、及びアルギン酸ナトリウムより選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5何れか記載の調味料。
  8. 請求項1〜7何れか記載のスチームコンベクションオーブン調理用調味料を使用し、スチームコンベクションオーブンで熱風及び/又は蒸気により調理することを特徴とする加熱調理食品の製造方法。

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