JP6004676B2 - 加熱調理不要な冷麺類およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、喫食時に加熱調理する必要がなく、そのままか、又は冷水等でほぐすだけで冷たく、美味しく食べられる、茹で調理済みの冷麺類及びその製造方法に関する。また、特に本発明の冷麺類は、冷蔵での耐老化性を有しており、冷蔵で3日程度保存しても良好な麺質を維持し、コンビニエンスストア等で売られるセット麺として最適である。
近年、コンビニエンスストア等において、茹で調理した麺に、別添のつゆやたれ、薬味等を添付して容器包装を施して冷蔵流通させる、いわゆるセット麺と呼ばれる商品が販売されている。これは、喫食時に加熱調理せずに、そのままか、又は冷水等でほぐして、別添のつゆやたれで食べるという簡便性の高い商品であり、商品としては、ざるそば、ざるうどん、冷やし中華、素麺等のものがあり、その殆どは消費期限は製造後3日程度である(以下、このような商品を本発明では「セット麺」といい、また、冷して食べるざるそば、ざるうどん、冷し中華、素麺等をまとめて「冷麺類」という)。
しかし、このようなセット麺は、冷蔵で保存すると数時間で麺中の澱粉の老化の進行が感じられるようになるだけでなく、1〜2日も経つと、麺の美味しさとしての粘弾性やしなやかさも失なわれ、ボソボソした食感となり、とても喫食に耐えないものとなってしまうというのが現状である。
そこで、本発明者らは、これらの課題を解消すべく鋭意研究した結果、原料粉中のエーテル化澱粉の量を20%以上、かつ、エーテル化澱粉とそれ以外の澱粉を合計した澱粉の配合量を原料粉中50%以上とし、この原料粉を用いて製造した麺を乾燥処理し、一般的な調理麺よりもやや低い水分含量に茹で処理し、その後冷却した後の工程で麺線に水、好ましくは増粘剤水溶液等の粘性を有する水溶液を付着させることで、上記課題を解決した麺が得られることを見出して先に出願した(下記特許文献1参照)。
そしてこの方法により得られる麺は、喫食時に加熱調理する必要が無く、そのままか、又は冷水等でほぐすだけでおいしく食べられ、冷蔵状態で3日程度の消費期限を有し、消費期限内は麺質の劣化がほとんど無く、こしがあり、しかも生麺を茹で調理した後のような調理感、中芯感を維持できるという優れた特性を有している。
しかし、この方法では、麺線に乾燥処理を施す工程と、茹で後の麺に冷水を付着させる工程の2つの処理工程が必要となり、工程が複雑で生産性が悪くなるという問題があった。また、原料粉中の加工澱粉の配合量が多く、加工澱粉を主原料としているため、味気の無い麺になり、十分満足できるものではなかった。
特許第4584696号公報
本発明は、前記従来技術における問題を解決するものであり、喫食時に加熱調理する必要が無く、そのままか、又は冷水等でほぐす程度で喫食することができ、冷蔵状態で風味・食感の良好な状態を維持できる冷麺類を得ることを目的とする。特に、消費期限として製造後3日程度は麺質の劣化がほとんど無く、生麺を茹で調理した後のような調理感、しなやかさを維持できる本格的な冷麺類を、乾燥処理などの工程を必要とせずに、より簡単な製造方法で得ることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の手段を用いて鋭意検討を行った。
その結果、原料粉として小麦粉を主原料として用い、これにエーテル化澱粉とアルギン酸を配合したものに、練水を加えて混合し、真空下で押出し又は混練し、麺線とした後、カルシウムを含む茹で液にて一般的な調理麺よりもやや高い水分含量になるように茹でることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を解決した。
すなわち、本発明は、冷麺類の製造方法であって、以下の工程、
(a):(ア)小麦粉および/またはそば粉を60〜80重量%、(イ)エーテル化澱粉を20〜40重量%、(ウ)アルギン酸類を0.1〜1.0重量%配合した原料粉に、練水を加えて混合し、真空下で押出し又は混練し、麺線とする工程、
(b):該麺線をカルシウムを含む茹で液で茹でた後、水洗、冷却、水切りし、該水切り後の麺の水分含量を71〜78重量%とする工程、から構成され、(b)の後に加熱殺菌処理を行なわない冷麺類の製造方法である。
本発明によれば、特許文献1などと比べて、味気の無い加工澱粉の配合量を減らし、麺の美味しさの元となる小麦粉またはそば粉を多く使うことが可能となるため、小麦粉等の風味が感じられる美味しい麺とすることができる。
また、原料粉に耐老化性を有するエーテル化澱粉を20〜40重量%を配合し、これから得られる麺線を通常の調理麺よりやや高い水分71〜78%に茹で上げることにより、澱粉粒が十分に膨潤してα化がしっかりなされた麺となり、耐老化性に優れた麺とすることができる。
さらに、アルギン酸類を配合した原料粉に練水を加えて混合し、真空下で押出し又は混練し、麺線とした後、カルシウムを含む茹で液で麺線を茹でることにより、麺線に形成されたアルギン酸のカルシウムゲルにより、澱粉粒が十分に膨潤したα化状態の美味しさを味わえる麺質を保持することができる。よって、冷蔵状態で3日程度経過しても、麺の食感の劣化がほとんど無く、しかも生麺を茹でた後殆ど時間の経っていないような感じの調理感、しなやかさを維持できる本格的な加熱調理不要の冷麺類を、より簡便な方法により製造することができる。
また、本発明は上記冷麺類の製造方法によって製造され、冷蔵で流通する消費期限が製造後3日以内の、喫食時に加熱調理を必要としない冷麺類に対して、最も好ましく適用される。
本発明によれば、喫食時に加熱調理する必要が無く、そのままか、又は冷水等でほぐす程度で喫食することができ、冷蔵状態で3日程度の消費期限を有する風味・食感の良好な高品質の冷麺類を得ることができる。特に、消費期限までは麺質の劣化がほとんど無く、生麺を茹でた後殆ど時間の経っていないような感じの調理感、しなやかさを維持できる本格的な冷麺類を、乾燥処理などの工程を必要とせずに、より簡単な製造方法で得ることができる。
以下、本発明を具体的に製造工程に従って説明するが、本発明はそれらの記載に限定されるものではない。
<製造方法>
(1)原料配合
本発明に使用される原料粉としては、小麦粉、そば粉、澱粉、グルテン粉末、およびアルギン酸類の各粉体原料が使用できる。このうち、必須原料として配合されるものは、小麦粉および/またはそば粉とエーテル化澱粉とアルギン酸類である。原料粉中小麦粉および/またはそば粉は60〜80重量%、エーテル化澱粉は20〜40重量%、アルギン酸類は0.1〜1.0重量%となるように配合する。従って、例えば原料粉を小麦粉80重量%、エーテル化澱粉20重量%、アルギン酸0.1重量%の小麦粉とエーテル化澱粉とアルギン酸のみの構成とすることもできる。
小麦粉およびそば粉については、小麦粉の場合は原料粉中0〜80重量%、そば粉の場合は0〜60重量%配合できる。そば粉は、商品形態がざるそば等冷やしそばの場合に用いられるが、一般的に冷やしそばは冷やし中華麺等と違って、粘りが少なくやや硬く且つもろい食感であることから、老化の進行に対する食感の許容範囲が広く、やや多めに添加することが可能である。なお、そば粉を使用する場合、小麦粉と併せて使用することもでき、この場合、そば粉と小麦粉の合計量は原料粉中80重量%以下で、且つ、小麦粉は40重量%を超えない範囲とする。
エーテル化澱粉としては、エーテル化処理されたものであればリン酸架橋化されているものでもよく、澱粉としては、タピオカ等根茎類由来のものが好ましい。
本発明においてエーテル化澱粉は原料粉中少なくとも20重量%以上配合するが、同時にエーテル化澱粉とそれ以外の澱粉を合計した澱粉を原料粉中40重量%以下となるように配合することもできる。
澱粉としては、各種澱粉が使用可能であるが、生澱粉の場合、小麦澱粉などの穀物澱粉は老化しやすいので、比較的老化しにくいタピオカ、馬鈴薯等の根茎類由来の澱粉や、ワキシーコーンスターチ等を使用する。加工澱粉も使用可能で、酢酸エステル化やオクテニルコハク酸エステル化、あるいはリン酸エステル化したアセチル化澱粉の他、リン酸架橋化した架橋澱粉、酸化処理澱粉、糊化澱粉等が用いられる。
グルテン粉末は、本発明においては必須ではないが、通常市販されている蛋白含量70〜80%程度の粉末状のグルテンが使用可能で、本発明でいうグルテン粉末とは、このような一般的なものをいう。グルテン粉末を配合する場合は、原料粉中1〜10重量%となるように配合する。
アルギン酸類としては、本発明においては、アルギン酸の他、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等のアルギン酸塩が使用できる。
本発明においてアルギン酸類は原料粉中0.1〜1.0重量%配合する。
(2)混捏、押出し、圧延および切出し
これら原料粉は粉体でよく混合して、さらに必要に応じて副原料を添加する。副原料としては、食塩、かんすい等のアルカリ剤、卵白等の蛋白素材、増粘剤、色素、油脂等である。これら副原料は練水に溶かして添加しても、原料粉に粉体のまま添加してもよく、添加後は真空ミキサー等でよく混練する。加水量は澱粉の添加量によって最適値が異なるが、原料粉1kgに対して、350〜450ml程度が最も良い。
次いで混練して調製された麺生地を、エクストルーダー、真空麺帯機等の押出成形機を用いて真空度−650から−760mmHgの真空下で押出して麺線とするか、圧延して麺帯とした後、これを切出して麺線とする。
(3)茹で、水洗冷却、包装
得られた麺線は、次いでカルシウムを含む茹で液で茹でられる。茹では、熱水中に乳酸カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩を添加した茹で液に前記麺線を投入して行う。このような処理を行うことで、麺線にアルギン酸のカルシウムゲルを形成させ、麺線の組織の強化とほぐれの向上を行うことができる。
本発明では、めんの茹で後の水分含量が通常の調理麺(通常は65〜70%)よりやや高い71〜78%になるように茹で上げることが重要である。これにより、麺線内の澱粉粒が十分に膨潤してα化がしっかりなされた麺となり、耐老化性に優れた麺とすることができる。
めんの茹で後の水分含量とは、麺線を茹でた後、冷水でよく水洗冷却して、水切りした後の水分含量(重量%)であり、これが71%未満の場合には、冷蔵状態で3日程度経過すると麺中の澱粉の老化が進み、麺線は調理感が無くボソボソとした食感となる。一方、水分が78%を越える場合には、麺線は水っぽくなり組織感が欠けた弱い食感となる。
このようにして製造された本発明の加熱調理不要な冷麺類は、通常プラスチック容器等に入れ、たれ、つゆ、薬味等とともに組み合わされて商品(セット麺)とされるが、業務用等として麺だけを袋に入れて商品とすることもできる。商品形態としては、冷やし中華麺、ざるそばの他、ざるうどん、素麺、冷製スパゲティー等が可能であり、喫食に際しては加熱調理せずに、そのままか又は冷水等でほぐす程度で、つゆ、たれ、スープ等を掛けて、またはつゆ、たれ等に麺をつけて喫食する。
本発明を実施例に基づいて、以下に具体的に説明するが、本発明は、これらの実験例、実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきではない。
また、以下の例中、特に記載しない限り、「重量%」は「%」と表すものとする。
実験例1:原料配合と茹で時間による比較実験
小麦粉(中力粉)、エーテル化タピオカ澱粉、エーテル化リン酸架橋タピオカ澱粉、酸化タピオカ澱粉、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムを下記表1のサンプル1〜6の配合として混合し原料粉体を調製した。これに副原料としてグルテン粉末10〜30gを配合に応じて添加し、かんすい(炭酸ナトリウム4:炭酸カリウム6)12g、クチナシ色素2gを水に溶解して作成した練水を加え、ミキサーで予備混合した。練水作成時の加水量は、生麺とした時に最も適切な麺質となる量(一般的には澱粉配合量が増えると加水量は増える)を適宜加えた(表1参照)。混合して得られた麺生地は、次いで真空麺帯押出機(貴信製)を用いて真空度−760mmHgの真空下で押出して麺帯とし、ロール圧延機で麺帯厚を1.3mmとして、切刃20番角で切出して麺線を得た。
次いで、この麺線を下記表1及び2のように、0.1%塩化カルシウム水溶液で茹で時間を変えて茹で、流水で30秒水洗後、氷水で60秒浸漬冷却し水切りした。この水切りを行った麺は、水分含量の測定(表2中の水切り後の水分)に供する一方、一食分各180gずつ量り取ってプラスチック製容器に入れ蓋をした後、約7℃の冷蔵庫で保存し、これをサンプル1−1〜6とした(表2参照)。この1日又は3日冷蔵保存した麺に、冷やし中華のタレ60gをかけ、麺をほぐした後、5人の熟練したパネラーで試食して、ホグレ、老化感および食感について評価した。
以下、表中のホグレおよび老化感の官能評価は、非常に良好なもの(老化感については老化感が感じられないもの)を5とし、良好なものを4、普通のものを3、やや劣るものを2、劣るもの(老化感については老化感が非常に強いもの)を1とし、5段階で評価した。結果を表2に示す。
表2の通り、小麦粉を60〜80%、エーテル化タピオカ澱粉を20〜40%又はエーテル化リン酸架橋タピオカ澱粉を40%、アルギン酸、又は、アルギン酸ナトリウムを0.5%配合した原料粉を用いて、真空下で押出して麺線とした後、0.1%塩化カルシウム水溶液中で、通常の調理麺よりやや高い水分含量に茹でたもの(サンプル2−1,2−2,3,4,5)は、ほぐれが良く、冷蔵状態で3日経過したものでも老化感がなく、しなやかさを維持することが出来ており良好であった。
一方、エーテル化澱粉が10%のもの(サンプル1−1〜1−3)は、冷蔵状態で3日経過すると、老化感(モソモソして脆い食感)が出てきて食べ難い食感となった。また、澱粉が酸化タピオカ澱粉のもの(サンプル6)は、やや脆さが出て老化感のある食感となり好ましくなかった。更に、水切後の水分含量が79%以上のもの(サンプル1−3,2−3)は、麺質が水っぽく弱い食感となった。
実験例2:アルギン酸の有無と茹で条件による比較実験
小麦粉(中力粉)600g、エーテル化タピオカ澱粉400g、アルギン酸配合無し(サンプル7−1,7−2,8−1,8−2)又は5g(サンプル9−1,9−2,10−1〜10−3)を混合して原料粉体を調整した。これに副原料としてグルテン粉末30gを加え、かんすい(炭酸ナトリウム4:炭酸カリウム6)12g、クチナシ色素2gを水470gに溶解して作成した練水を加えミキサーで予備混合し、得られた麺生地を、次いで真空麺帯押出機(貴信製)を用いて真空度−760mmHgの真空下で押出して麺帯とし、ロール圧延機で麺帯厚を1.3mmとして、切刃20番角で切出して麺線を得た。
次いで、この麺線を下記表3のように、塩化カルシウムの添加が無い熱水中で(サンプル7−1,7−2,9−1,9−2)、又は、塩化カルシウムを0.1%添加した熱水中で(8−1,8−2,10−1〜10−3)、茹で時間を変えて茹でたのち、流水で30秒水洗後、氷水で60秒浸漬冷却し、水切りした。この水切りを行った麺は、水分含量の測定(表3中の水切り後の水分)に供する一方、一食分各180gずつ量り取ってプラスチック製容器に入れ蓋をした後、約7℃の冷蔵庫で保存し、これを最終的に下記表3に示すサンプル7−1〜10−3とした。この1日冷蔵保存した麺に、冷やし中華のタレ60gをかけ、麺をほぐした後、5人の熟練したパネラーで試食して、食感について評価した。結果を表3に示す。
表3の通り、麺にアルギン酸を配合した原料粉を用いて、真空下で押出して麺線とした後、塩化カルシウム水溶液中で、茹で後の水分含量が通常の調理麺よりやや高い71%〜78%となるように茹でたもの(サンプル10−1〜10−3)が、ほぐれが良く、冷蔵状態で1日経過後も老化感がなく、しなやかさを維持することができ良好であった。
一方、アルギン酸を配合していないもの(サンプル7−1,7−2,8−1,8−2)は、老化感は無いものの、めんのほぐれが悪く、麺質がニチャニチャして麺の体をなしていなかった。また、アルギン酸を配合しても、沸騰水中に塩化カルシウムを含んでいないもの(サンプル9−1,9−2)は、めんのほぐれが悪いだけでなく、ベチャベチャした食感で、めんとしては不合格のものであった。
実験例3:真空ミキサーを用いた場合のアルギン酸の効果、茹で時間の影響
小麦粉(中力粉)、エーテル化タピオカ澱粉、アルギン酸を下記表4のように配合し原料粉体を調製した。これに副原料として下記表4のように、グルテン粉末と卵白末を加え、かんすい(炭酸ナトリウム4:炭酸カリウム6)12g、クチナシ色素2gを水(470g又は440g)に溶解して作成した練水を加え、真空ミキサー(トーキョーメンキ製)を用いて真空度−700mmHgで8分間混練した。混練して得られた麺生地は、次いで圧延して麺帯とし、ロール圧延機で麺帯厚を1.3mmとして、切刃20番角で切出して麺線を得た。
次いで、この麺線を下記表4のように、0.1%塩化カルシウム水溶液で茹で時間を変えて茹でた後、流水で30秒水洗後、氷水に60秒浸漬冷却して、水切りした。この水切りを行った麺は、水分含量の測定(表4中の水切り後の水分)に供する一方、一食分各180gずつ量り取ってプラスチック製容器に入れ蓋をした後、約7℃の冷蔵庫で保存し、これをサンプル11〜13−3とした。この1日又は3日冷蔵保存した麺に、冷やし中華のタレ60gをかけ、麺をほぐした後、5人の熟練したパネラーで試食して、食感について評価した。結果を表5に示す。
表5の通り、エーテル化タピオカ澱粉を20%又は40%とアルギン酸を0.5%配合した原料粉を用いて、真空ミキサーで混練し、水分含量を74〜77%に茹でたもの(サンプル12,13−3)が、ほぐれが良く、冷蔵状態で3日経過後も老化感がなく、問題なく食べられるものであった。
一方、アルギン酸を配合していないもの(サンプル11)は、めんのほぐれが極めて悪く、ベトベト感のある食感であった。また、水切後の水分含量が69.7%のもの(サンプル13−1は、ほぐれが悪く、冷蔵状態で1日経過後のものはボソボソしてまずい食感のめんであった。
実験例4:アルギン酸の添加量による影響
小麦粉(中力粉)700gとエーテル化タピオカ澱粉300gに対し、アルギン酸を下記表6のように変えて配合し原料粉体を調製した。これに副原料として、グルテン粉末20gと卵白末5gを加え、かんすい(炭酸ナトリウム4:炭酸カリウム6)12g、クチナシ色素2gを水450gに溶解して作成した練水を加え、ミキサーで予備混合した。混合して得られた麺生地を、次いで真空麺帯押出機(貴信製)を用いて真空度−760mmHgの真空下で押出して麺帯とし、ロール圧延機で麺帯厚を1.3mmとして、切刃20番角で切出して麺線を得た。
次いで、この麺線を0.1%塩化カルシウム水溶液でボイル時間5分又は7分で茹でた後、流水で30秒水洗後、氷水に60秒浸漬冷却して、よく水切りした。この水切りを行った麺は、水分含量の測定(表6中の水切り後の水分)に供する一方、一食分各180gずつ量り取ってプラスチック製容器に入れ蓋をした後、約7℃の冷蔵庫で保存し、これをサンプル14〜17−2とした。この1日又は3日冷蔵保存した麺に、冷やし中華のタレ60gをかけ、麺をほぐした後、5人の熟練したパネラーで試食して、食感について評価した。結果を表6に示す。
表6の通り、アルギン酸の添加量が、2g〜8g(0.2〜0.8%)のもの(サンプル15−1,15−2,16−1,16−2,17−1,17−2)は、ほぐれが良く、しなやかな麺となり良好であった。一方、アルギン酸の添加が無いものは、ほぐれが悪くベトベトして弱い食感のめんであった(サンプル14)。
実験例3:そば
そば粉300g、小麦粉(準強力粉)280g、エーテル化タピオカ澱粉350g、アルギン酸5g、グルテン粉末70gを混合し原料粉体1005gとした。これに副原料として、卵白粉末20gを加え、ミキサーで水440gを加え、混合した。混合して得られた麺生地を、真空麺帯押出機(貴信製)を用いて真空度−760mmHgの真空下で押出して麺帯とし、ロール圧延機で麺帯厚を1.3mmとして、切刃20番角で切出して麺線を得た。
次いで、該麺線を5分間、0.1%塩化カルシウム水溶液にて茹で、流水で30秒水洗後、氷水に60秒間浸漬冷却して、水切りし(この時の麺線の水分含量を測定したところ、75.0%であった)、次いで、一食分として180gを量り取り、プラスチック製容器に入れ蓋をした後、約7℃の冷蔵庫で1日冷蔵保存した後、そばのつゆをかけて、5人の熟練したパネラーで試食を行った。
その結果、つゆで簡単に麺をほぐすことができ、麺質の劣化が殆ど無くて、生麺を茹でた後殆ど時間の経っていないような感じの調理感、しなやかさを維持した良好なそばであった。

Claims (2)

  1. 冷麺類の製造方法であって、以下の工程、すなわち、
    (a):(ア)小麦粉および/またはそば粉を60〜80重量%、(イ)エーテル化澱粉を20〜40重量%、(ウ)アルギン酸類を0.1〜1.0重量%配合した原料粉に、練水を加えて混合し、真空下で押出し、麺線とする工程、
    (b):該麺線をカルシウムを含む茹で液で茹でた後、水洗、冷却、水切りし、該水切り後の麺の水分含量を74.7〜78重量%とする工程、から構成され、(b)の後に加熱殺菌処理を行なわない冷麺類の製造方法。
  2. 前記冷麺類が、喫食時に加熱調理を必要としない冷麺類である、請求項1に記載の冷麺類の製造方法。
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