JP5248417B2 - うどんの製造方法、うどんの生麺線の製造方法、うどんの生麺線、及びうどん - Google Patents

うどんの製造方法、うどんの生麺線の製造方法、うどんの生麺線、及びうどん Download PDF

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本発明は、うどんの製造方法、うどんの生麺線の製造方法、うどんの生麺線、及びうどんに関する。
うどんは、小麦粉および/または澱粉を主成分とする原料粉を水と混合して練り、麺状に成型し、それを茹でることによって製造される。小麦粉の蛋白質含量および灰分含量は、うどんの食感および色調に大きく影響する。
うどんの硬さ、粘り脆さ等の食感は、小麦粉の蛋白質含量によって大きく左右される。そのため、うどんの原料粉に適した小麦粉として、中力粉(蛋白質含量8.0〜10.5%)が一般に多用される。一方、製菓に主に使用される薄力粉(蛋白質含量8.0%以下)がうどんの原料粉として使われることは少なく、製パンに主に使用される強力粉(蛋白質含量11.5%以上)がうどんの原料粉として使われることはさらに少ない(小麦粉の分類および主な用途は、非特許文献1を参照。)。
これら薄力粉、中力粉、および強力粉は、異なる小麦種の小麦粒の胚乳を製粉したものであるから、前記のように蛋白質含量が異なる他にも、含有される成分(例えば蛋白質、糖、ビタミン等)の種類や組成が異なる。
また、うどんの色調は主に小麦粉の灰分含量に左右される。灰分を多く含む小麦粉は色調が暗くなり、小麦外皮由来の独特の味や香りが多くなることから、小麦粉の品質としては低いとされてきた。そのため、現在市販されている小麦粉は灰分含量の少ない順に、一等粉(灰分含量0.3〜0.4%)、二等粉(灰分含量0.5%前後)、三等粉(灰分含量1.0%前後)に等級分けされ(非特許文献1を参照。)、通常は一等粉が食品加工用として好まれる(特許文献1を参照。)。
前記理由から、従来のうどんの原料粉としては、中力一等粉が主に使用されている。
小麦粉の種類(薄力粉、中力粉、強力粉)は小麦の種類によって区別されるが、各小麦粉の等級は製粉工程で作られる。すなわち、製粉工程において、小麦粒はロールで粉砕され、ふるい機やピュリファイヤーという装置で純化されることによって、灰分含量等が異なる30〜40もの小麦粉に分けられるが、最終的にはおのおのの粉の特性を活かすように組合わせて、3〜4段階の等級の小麦粉製品にまとめられる(非特許文献1を参照。)。その結果、三等粉としてまとめられた小麦粉には、小麦粒の胚乳のなかでも主として外縁部分が多く含まれ、二等粉としてまとめられた小麦粉には、小麦粒の胚乳の比較的中心部に近い部分が多く含まれ、一等粉としてまとめられた小麦粉には、小麦粒の胚乳の中心部が主に含まれる(非特許文献1を参照。)。
このように、これら一等粉〜三等粉としてまとめられた小麦粉は、小麦粒の胚乳の異なる部位から得られたものなので、前記のように灰分含量が異なる他にも、含有される成分(例えば蛋白質、糖、ビタミン類等)の種類や組成が異なる。
近年の社会的なダイエット志向は、うどんにおいても、そのカロリーを低減させることが望まれている。そのため、コンニャクに多く含まれるグルコマンナン等の多糖類を原料粉に配合することなどが行われている(特許文献2を参照。)しかしながら、それらの多糖類を多く含む原料粉から製造されたうどんは、食感が従来のうどんとはかなり異なるため、必ずしも消費者の満足を得られるものではない。
特開2005−013011号公報 特開2004−357571号公報
長尾 精一(編)、「シリーズ<食品の科学> 小麦の科学」、1995年2月25日、朝倉書店、P.62−65。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来のうどんよりも低カロリーでありながら、従来のうどんのもつ食感(硬さ、粘り脆さ)および色調を維持した、うどんの製造方法、うどんの生麺線の製造方法、うどんの生麺線、及びうどんを提供することを課題とする。
本発明の第一の態様は、原料粉と水とを混合して混合物を調製する工程(ア)、該混合物から麺線を調製する工程(イ)、および該麺線を茹でることにより茹で麺を調製する工程(ウ)を有するうどんの製造方法であって、前記工程(ア)において、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有する原料粉を使用し、かつ前記工程(ウ)において、茹で歩留まりが350%以上となるように茹でることを特徴とする、うどんの製造方法である。
本発明の第二の態様は、原料粉と水とを混合して混合物を調製する工程(ア)および該混合物から麺線を調製する工程(イ)を有し、喫食時の茹で歩留まりが350%以上であるうどんの生麺線の製造方法であって、前記工程(ア)において、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有する原料粉(但し、オート麦フスマの粉砕物を含有するものを除く。)を使用することを特徴とする、うどんの生麺線の製造方法である。
本発明の第三の態様は、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有する(但し、オート麦フスマの粉砕物を含有するものを除く。)、喫食時の茹で歩留まりが350%以上であるうどんの生麺線である。


本発明の第四の態様は、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有するうどんの生麺線が、該うどんの生麺線の原料粉に対する歩留まりが350%以上となるように調理された、うどんである。
本特許請求の範囲および明細書中において、「歩留まり」とは、当該うどんの生麺線の原料粉の質量に対する、うどんの質量の比を百分率で表したものである。すなわち、350%の歩留まりに調理されたうどんは、当該うどんの生麺線の原料粉の質量の3.5倍の質量になるまで吸水するように調理されたうどんの意である。さらに、「茹で歩留まり」とは、原料粉の質量に対する茹で麺の質量の比を百分率で表したものである。すなわち、400%の茹で歩留まりに茹でた麺は、該麺の調製に使用した原料粉の質量の4倍の質量になるまで吸水するように茹でられた麺の意である。
また、本特許請求の範囲および明細書中において示す小麦粉の蛋白質含量は、公知の方法で測定されたものであり、より具体的には、その測定において標準方法とされるケルダール法によって測定されたものである。小麦粉の灰分含量は、公知の方法で測定されたものである。その灰分含量の公知の測定方法としては、例えば特開2004−147549の[0014]〜[0015]に開示される方法で行うことができる。
本発明によれば、従来のうどんよりも低カロリーでありながら、従来のうどんのもつ食感(硬さ、粘り脆さ)および色調を維持した、うどんの製造方法、うどんの生麺線の製造方法、うどんの生麺線、及びうどんを提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の第一の態様である、うどんの製造方法は、少なくとも下記の(ア)〜(ウ)の3工程を有する。
工程(ア)は、原料粉と水とを混合して混合物を調製する工程である。
工程(イ)は、該混合物から生麺線を調製する工程である。
工程(ウ)は、該生麺線を茹でることにより茹で麺を調製する工程である。
工程(ア)において使用する原料粉は、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有する。
当該小麦粉の蛋白質含量としては、13.0〜14.5質量%が好ましく、13.0〜14.0質量%がさらに好ましく、13.0〜13.6質量%が最も好ましい。
当該小麦粉の灰分含量としては、0.45〜0.58質量%が好ましく、0.47〜0.56質量%がより好ましい。
当該蛋白質含量および灰分含量を有する小麦粉としては、強力二等粉が好ましいものとして挙げられる。
蛋白質含量および灰分含量が上記の範囲である小麦粉を用いることにより、従来のうどんと同様の食感および色調を維持しながら、従来のうどんの茹で歩留まり(280%程度)よりも高い茹で歩留まりまで茹でることができ、当該うどんのカロリーを低減させることができる。
前記原料粉における前記小麦粉の含有割合としては、80〜100質量%が好ましく、85〜100質量%がさらに好ましい。上記範囲であることにより、本発明の効果が十分に得られる。
また、前記原料粉中の蛋白質含量としては、9.0〜16.0質量%が好ましく、10.0〜15.5質量%がより好ましく、11.0〜15.0質量%がさらに好ましい。上記範囲であることにより、本発明の効果がいっそう十分に得られる。
さらに、前記原料粉中の小麦粉由来の蛋白質含量としては、9.0〜15.0質量%が好ましく、10.0〜14.0質量%がより好ましく、11.0〜13.6質量%がさらに好ましい。上記範囲であることにより、本発明の効果がよりいっそう十分に得られる。
前記原料粉における前記小麦粉は、1種の小麦粉だけからなるものであってもよく、2種以上の小麦粉を混合した混合小麦粉であってもよい。
製粉メーカーにて小麦粉を製粉する際、その小麦粉を作るのに適した小麦を選択され、必要に応じて何種類かが配合されて製粉される(非特許文献1を参照。)。製粉工程においては、小麦粒はロールで粉砕され、ふるい機で分けられたり、ピュリファイヤーという装置で純化されることによって、品質が異なる30〜40もの小麦粉に分けられるが、最終的にはおのおのの粉の特性を活かすように組合わせて、3〜4段階の等級の小麦粉製品にまとめられる(非特許文献1を参照。)。通常入手可能な小麦粉は、このような、複数種の小麦粉から選択されて混合された混合小麦粉であることが多い。よって、前記原料粉における前記小麦粉は、1種類の小麦粉だけからなる小麦粉であってもよく、製粉メーカーにて2種類以上の小麦粉が混合された混合小麦粉1種類だけからなる小麦粉であってもよく、それらの混合小麦粉を複数混合した混合小麦粉であってもよい。
すなわち、前記原料粉における前記小麦粉は、原料粉に含有される全ての小麦粉を合わせたものであり、その小麦粉の蛋白質含量が13.0〜15.0質量%であり、かつその小麦粉の灰分含量が0.45〜0.60質量%であれば、その小麦粉の種類は特に制限されない。
前記原料粉には、原料粉成分として、小麦粉以外の副素材を含んでいてもよい。
該副素材としては、従来のうどんの原料粉に含まれる副素材を使用することができ、例えば、生澱粉類、加工澱粉類、生澱粉類の油脂コーティング澱粉類等が挙げられる。より具体的には、前記生澱粉類として、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、米澱粉、サゴ澱粉、小麦澱粉等が挙げられ;前記加工澱粉類として、前記生澱粉類をアセチル化、リン酸架橋化、エーテル化、または酸処理したものが挙げられる。
これらの副素材を用いることにより、うどんの食感を微調整することができる。
また、これらの副素材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記原料粉に副素材として澱粉を入れる場合、当該原料粉における澱粉の含有割合としては、0〜20質量%が好ましく、0〜15質量%がさらに好ましい。
上記範囲であることにより、本発明の効果を損なわずに、うどんの食感を微調整することができる。
工程(ア)において、原料粉または水には、従来のうどんに含まれる添加剤を添加してもよい。
該添加剤としては、乾燥卵白製剤、アルギン酸エステル製剤、アルブミン製剤、寒天末等の増粘剤類、焼成カルシウム類、アルコール、有機酸類、乳化剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、これらの添加剤を添加する方法としては、当該原料粉または水に均一に混合できる方法であれば特に制限されず、予め当該原料粉に添加してもよく、または予め当該水に添加して溶解させてもよい。
なお、これらの添加剤を添加した場合は、該添加剤の質量は原料粉の質量に含まれるものとする。
工程(ア)において、原料粉と混合する水は、食塩を含有する食塩水であることが好ましい。
該食塩水の塩分濃度としては、2.0〜13質量%が好ましく、8.0〜12質量%がより好ましく、8.5〜11質量%が最も好ましい。
上記範囲の塩分濃度の食塩水とすることで、製麺時の作業性を安定させ、当該うどんに適切な食感をもたせるように茹でることができ、また当該うどんの風味を向上させることができる。
なお、前記食塩水に含まれる食塩の質量は、原料粉の質量には含まれないものとする。
工程(ア)において、原料粉と水とを混合する方法としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、例えば、ミキサー等で該原料粉を攪拌しながら該水をシャワー状に投入する方法が好ましいものとして挙げられる。この方法により、原料粉に対して水を均一に混合することができる。また、水を投入して均一に混合した後で、減圧下でさらに混合することが好ましい。この方法により、該原料粉と該水とをより均一に混合することができる。
前記減圧下としては、真空度60〜200mmHg(−700〜−560mmHg)が好ましい。上記範囲の真空度であると、該原料粉と該水とをより均一に混合することができ、また生地の密度を高めて麺の品質を向上させることができる。
工程(ア)において、原料粉、水、および添加剤は、均一に混合された混合物となり、次の工程(イ)において、生麺線に成型される。
工程(イ)において、前記混合物を生麺線に成型する方法としては、従来のうどんの製造方法が適用できる。例えば、巾麺帯機のローラーを通すことによって、前記混合物を帯状の麺生地にし、それを切り出し機で麺線状に切り出すことによって、生麺線に成型する方法が好ましいものとして挙げられる。
前記巾麺帯機に混合物を通す方法としては、例えば、ローラーのクリアランスを変更して、複数回通すことが好ましい。
また、巾麺帯機に通した帯状の麺生地を、巻き取り棒に巻き取り、ポリ袋等に包んで密閉した状態で、室温(20℃程度)にて10〜60分程度の間静置して、当該麺生地を熟成させることが、うどんの食感を向上させる観点から好ましい。その後、麺生地を再び巾麺帯機に通して、適当な厚さの帯状の麺生地にすることが好ましい。
該帯状の麺生地を切り出し機で麺線状に切り出す方法としては、特に限定されず公知の方法で行うことができる。
当該生麺線の幅としては、1.3〜3.8mmが好ましく、1.3〜3.0mmがより好ましく、1.6〜2.8mmが最も好ましい。この範囲の幅とすることで、適当な茹で時間(5〜45分分程度)で、高い茹で歩留まり(350%以上)に茹でることができる。
当該生麺線の厚みとしては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されず、例えば、公知のうどんの厚みと同様に、当該生麺線の幅の約0.85倍にすればよい。
当該成型した生麺線は、打ち粉をして回収することが好ましい。該打ち粉によって、次の工程(ウ)における当該生麺線の取り扱いを容易にすることができる。
工程(ウ)では、茹で歩留まりが350%以上となるように当該生麺線を茹でる。
茹で歩留まりが上記値以上であることにより、従来のうどんよりも低カロリーでありながら、従来のうどんのもつ食感(硬さ、粘り脆さ)および色調を維持することができる。
一方、茹で歩留まりが上記値未満であると、うどんの食感としては硬すぎ、好ましい粘りを欠き、その色調も暗いものとなる。
また、当該うどんが、ふやけて柔らかくなり過ぎ、のびきった麺となる等の問題が発生することを防止し、良好な食感を維持する観点から、当該茹で歩留まりとしては、350〜480%が好ましく、350〜460%がさらに好ましく、350〜445%が特に好ましく、350〜430%が最も好ましい。
さらに、当該うどんにおいて、乾燥卵白製剤、アルギン酸エステル製剤等を添加剤として原料粉中に含む場合には、当該うどんの麺質が変化して、良好な食感を維持できる茹で歩留まりが、高くなる傾向がある。すなわち、当該うどんが原料粉中に添加剤を含む場合、そのうどんの良好な食感を維持する観点から、当該茹で歩留まりとしては、350〜500%が好ましく、350〜480%がより好ましく、350〜470%がさらに好ましく、350〜460%が特に好ましく、350〜450%が最も好ましい。
前記範囲の茹で歩留まりとなるように、当該生麺線を茹でる方法としては、本発明の効果を損なわないものでなければ特に制限されず、公知の方法が適用できる。例えば、沸騰した湯10L程度に、当該生麺線200gを茹でカゴを用いて投入し、5〜45分程度茹でることによって、茹で歩留まり350〜430%となるように茹でることができる。茹で時間は、当該生麺線の太さおよび所望の茹で歩留まりによって適宜調整すればよい。
工程(ウ)において、当該生麺線を茹でる湯としては、約pH5.5に調整した水を沸騰させたものを用いることが好ましい。弱酸性の湯で茹でることにより、当該茹で中の茹で融けを抑制することができる。
該水を約pH5.5に調整する方法としては、DL−リンゴ酸を該水に添加することによって行うことが好ましい。
工程(ウ)において、当該生麺線を前記範囲の茹で歩留まりとなるように茹でて茹で麺とし、該茹で麺を湯から出した後、直ぐに流水で洗い、つづいて氷水で冷却することが好ましい。流水および氷水で該茹で麺を冷却することによって、麺が引き締まり、茹で後の麺の伸びを抑制することができる。
冷却後、水を切った当該茹で麺を200g程度(1食分)に計量し、冷凍庫に入れることによって、急速凍結することが好ましい。急速凍結することで、うどんの食感および色調を良好に保ちながら、長期間保存することができる。前記冷凍庫の温度としては、当該茹で麺を短時間で凍結できる温度であれば特に制限はなく、通常−40〜−30℃で行うことができる。
本発明にかかるうどんの製造方法によって、従来のうどんのもつ食感(硬さ、粘り脆さ)および色調を維持したまま、従来のうどんのカロリー(約130kcal/100g)よりも低カロリー(50〜110kcal/100g)のうどんを製造することができる。
本発明の第二の態様である、うどんの生麺線の製造方法は、少なくとも下記の(ア)および(イ)の2工程を有する。
工程(ア)は、原料粉と水とを混合して混合物を調製する工程である。
工程(イ)は、該混合物から生麺線を調製する工程である。
工程(ア)は、前記本発明の第一の態様で説明した工程(ア)と同様である。
工程(イ)は、前記本発明の第一の態様で説明した工程(イ)と同様である。
前記(ア)および(イ)の2工程を有するうどんの生麺の製造方法によって、喫食時の茹で歩留まりが350%以上であるうどんの生麺線を製造することができる。
当該うどんの生麺は、茹で歩留まりが350%以上となるように茹でて喫食される。
その茹でる方法としては、公知の方法が適用でき、例えば、前記第一の態様の工程(ウ)と同様に行うことができる。
該茹で歩留まりが350%以上であることにより、従来のうどんよりも低カロリーでありながら、従来のうどんのもつ食感(硬さ、粘り脆さ)および色調を維持することができる。
一方、茹で歩留まりが350%未満であると、うどんの食感としては硬すぎ、好ましい粘りを欠き、その色調も暗いものとなる。
また、当該うどんが、ふやけて柔らかくなり過ぎ、のびきった麺となる等の問題が発生することを防止し、良好な食感を維持する観点から、当該茹で歩留まりとしては、350〜500%が好ましく、350〜480%がより好ましく、350〜460%がさらに好ましく、350〜445%が特に好ましく、350〜430%が最も好ましい。
上述のとおり、喫食時の茹で歩留まりが350%以上であるうどんの生麺線の製造方法によって、従来のうどんのもつ食感(硬さ、粘り脆さ)および色調を維持したまま、従来のうどんのカロリー(約130kcal/100g)よりも低カロリー(50〜110kcal/100g)のうどんの生麺線を製造することができる。
本発明の第三の態様である、うどんの生麺線は、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有する。
前記うどんの生麺線は、原料粉と水とを混合し、麺線状に加工されたものである。
ただし、前記うどんの生麺線に含まれる水は、当該うどんの生麺線の成分とはみなさない。すなわち、仮に当該うどんの生麺線の質量のうち50質量%以上を水が占めた場合でも、該水が当該うどんの生麺線の主成分であるとはしない。
前記うどんの生麺線の原料粉は、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有する。
当該小麦粉の蛋白質含量としては、13.0〜14.5質量%が好ましく、13.0〜14.0質量%がさらに好ましく、13.0〜13.6質量%が最も好ましい。
当該小麦粉の灰分含量としては、0.45〜0.58質量%が好ましく、0.47〜0.56質量%がより好ましい。
当該蛋白質含量および灰分含量を有する小麦粉としては、強力二等粉が好ましいものとして挙げられる。
蛋白質含量および灰分含量が上記の範囲である小麦粉を主成分として有することにより、従来のうどんと同様の食感および色調を維持しながら、従来のうどんの歩留まり(280%程度)よりも高い歩留まりまで調理され、当該うどんのカロリーが低減される。
前記原料粉における前記小麦粉の含有割合としては、80〜100質量%が好ましく、85〜100質量%がさらに好ましい。上記範囲であることにより、本発明の効果が十分に得られる。
また、前記原料粉中の蛋白質含量としては、9.0〜16.0質量%が好ましく、10.0〜15.5質量%がより好ましく、11.0〜15.0質量%がさらに好ましい。上記範囲であることにより、本発明の効果がいっそう十分に得られる。
さらに、前記原料粉中の小麦粉由来の蛋白質含量としては、9.0〜15.0質量%が好ましく、10.0〜14.0質量%がより好ましく、11.0〜13.6質量%がさらに好ましい。上記範囲であることにより、本発明の効果がよりいっそう十分に得られる。
前記原料粉における前記小麦粉は、1種の小麦粉だけからなるものであってもよく、2種以上の小麦粉を混合した混合小麦粉であってもよい。
製粉メーカーにて小麦粉を製粉する際、その小麦粉を作るのに適した小麦を選択され、必要に応じて何種類かが配合されて製粉される(非特許文献1を参照。)。製粉工程においては、小麦粒はロールで粉砕され、ふるい機で分けられたり、ピュリファイヤーという装置で純化されることによって、品質が異なる30〜40もの小麦粉に分けられるが、最終的にはおのおのの粉の特性を活かすように組合わせて、3〜4段階の等級の小麦粉製品にまとめられる(非特許文献1を参照。)。通常入手可能な小麦粉は、このような、複数種の小麦粉から選択されて混合された混合小麦粉であることが多い。よって、前記原料粉における前記小麦粉は、1種類の小麦粉だけからなる小麦粉であってもよく、製粉メーカーにて2種類以上の小麦粉が混合された混合小麦粉1種類だけからなる小麦粉であってもよく、それらの混合小麦粉を複数混合した混合小麦粉であってもよい。
すなわち、前記原料粉における前記小麦粉は、原料粉に含有される全ての小麦粉を合わせたものであり、その小麦粉の蛋白質含量が13.0〜15.0質量%であり、かつその小麦粉の灰分含量が0.45〜0.60質量%であれば、その小麦粉の種類は特に制限されない。
前記原料粉には、原料粉成分として、小麦粉以外の副素材が含まれていてもよい。
該副素材としては、従来のうどんの原料粉に含まれる副素材を使用することができ、例えば、生澱粉類、加工澱粉類、生澱粉類の油脂コーティング澱粉類等が挙げられる。より具体的には、前記生澱粉類として、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、米澱粉、サゴ澱粉、小麦澱粉等が挙げられ;前記加工澱粉類として、前記生澱粉類をアセチル化、リン酸架橋化、エーテル化、または酸処理したものが挙げられる。
これらの副素材が含まれることにより、うどんの食感が微調整されうる。
また、これらの副素材は、1種が単独で含まれていてもよく、2種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
前記原料粉に副素材として澱粉が含まれる場合、当該原料粉における澱粉の含有割合としては、0〜20質量%が好ましく、0〜15質量%がさらに好ましい。
上記範囲であることにより、本発明の効果を損なわずに、うどんの食感が微調整されうる。
本発明の第三の態様である、うどんの生麺線において、原料粉または水には、従来のうどんに含まれる添加剤が添加されてもよい。
該添加剤としては、乾燥卵白製剤、アルギン酸エステル製剤、アルブミン製剤、寒天末等の増粘剤類、焼成カルシウム類、アルコール、有機酸類、乳化剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、1種が単独で含まれていてもよく、2種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
また、これらの添加剤が添加される方法としては、当該原料粉または水に均一に混合される方法であれば特に制限されず、予め当該原料粉に添加されてもよく、または予め当該水に添加されて溶解されてもよい。
なお、これらの添加剤が添加された場合は、該添加剤の質量は原料粉の質量に含まれるものとする。
本発明の第三の態様である、うどんの生麺線において、原料粉と混合される水は、食塩を含有する食塩水であることが好ましい。
該食塩水の塩分濃度としては、2.0〜13質量%が好ましく、8.0〜12質量%がより好ましく、8.5〜11質量%が最も好ましい。
上記範囲の塩分濃度の食塩水とすることで、製麺時の作業性が安定し、当該うどんに適切な食感がもたされるように調理され、また当該うどんの風味が向上されうる。
なお、前記食塩水に含まれる食塩の質量は、原料粉の質量には含まれないものとする。
本発明の第三の態様である、うどんの生麺線において、原料粉と水とが混合される方法としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、例えば、ミキサー等で該原料粉が攪拌されながら該水がシャワー状に投入される方法が好ましいものとして挙げられる。この方法により、原料粉に対して水が均一に混合される。また、水が投入され均一に混合された後で、減圧下でさらに混合されることが好ましい。この方法により、該原料粉と該水とがより均一に混合される。
前記減圧下としては、真空度60〜200mmHg(−700〜−560mmHg)が好ましい。上記範囲の真空度であると、該原料粉と該水とがより均一に混合され、また生地の密度が高められて麺の品質が向上される。
本発明の第三の態様である、うどんの生麺線は、前述の原料粉、水、および添加剤が、均一に混合された混合物となり、さらに該混合物が生麺線に成型されたものである。
前記混合物が生麺線に成型される方法としては、従来のうどんの製造方法が適用されうる。例えば、巾麺帯機のローラーに通されることによって、前記混合物が帯状の麺生地にされ、それが切り出し機で麺線状に切り出されることによって、生麺線に成型される方法が好ましいものとして挙げられる。
前記巾麺帯機に混合物が通される方法としては、例えば、ローラーのクリアランスが段階的に変更されて、複数回通されることが好ましい。
また、巾麺帯機に通された帯状の麺生地は、巻き取り棒に巻き取られ、ポリ袋等に包まれて密閉された状態で、室温(20℃程度)にて10〜60分程度の間静置され、当該麺生地が熟成されることが、当該うどんの食感が向上される観点から好ましい。その後、麺生地が再び巾麺帯機に通され、適当な厚さの帯状の麺生地にされることが好ましい。
該帯状の麺生地が切り出し機で麺線状に切り出される方法としては、特に限定されず公知の方法で行われる。
当該生麺線の幅としては、1.3〜3.8mmが好ましく、1.3〜3.0mmがより好ましく、1.6〜2.8mmが最も好ましい。この範囲の幅とされることで、適当な調理時間(例えば、5〜45分程度の茹で)で、高い歩留まり(350%以上)に調理されうる。
当該生麺線の厚みとしては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されず、例えば、公知のうどんの厚みと同様に、当該生麺線の幅の約0.85倍が好ましい厚みとして挙げられる。
当該成型された生麺線は、打ち粉されて回収されることが好ましい。該打ち粉によって、当該生麺線の取り扱いが容易になる。
当該うどんの生麺線は、歩留まりが350%以上となるように、さらに調理されて喫食される。
該歩留まりが喫食に適した350%以上であることにより、従来のうどんのもつ食感(硬さ、粘り脆さ)および色調が維持されたまま、従来のうどんのカロリー(約130kcal/100g)よりも低カロリー(50〜110kcal/100g)のうどんとなる。
一方、該歩留まりが350%未満であると、うどんの食感としては硬すぎ、好ましい粘りを欠き、その色調も暗いものとなる。
また、当該うどんが、ふやけて柔らかくなり過ぎ、のびきった麺となる等の問題が発生することを防止し、良好な食感を維持する観点から、当該歩留まりとしては、350〜500%が好ましく、350〜480%がより好ましく、350〜460%がさらに好ましく、350〜445%が特に好ましく、350〜430%が最も好ましい。
当該うどんの生麺線が、喫食に適した350%以上の歩留まりにまで、調理される方法としては、公知の方法が適用される。例えば、沸騰した湯に前記うどんの生麺線が投入され、5〜45分間程度茹でられることで、行われうる。当該茹で時間は、当該うどんの生麺線の太さおよび所望の茹で歩留まりによって適宜調整される。
本発明の第四の態様である、うどんは、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有するうどんの生麺線が、該うどんの生麺線の原料粉に対する歩留まりが350%以上となるように調理されたものである。
前記うどんの生麺線は、本発明の第三の態様である、うどんの生麺線と同様である。
本発明の第四の態様である、うどんにおいて、当該うどんの生麺線の原料粉に対する歩留まりが350%以上となるように調理される方法としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、公知の方法が適用される。
例えば、茹でられる、煮られる、蒸される、および電子レンジで加熱される方法が好ましいものとして挙げられる。これらの調理方法のなかでも、茹でられる又は煮られる方法がより好ましく、茹でられる方法がさらに好ましい。前記茹でられる又は煮られる方法によって、当該うどんの生麺線がより均一に加熱されうる。
前記茹でられる方法としては、例えば、沸騰した湯10L程度に、前記うどんの生麺線200gが茹でカゴで投入され、5〜45分程度茹でられることによって、歩留まりが350%以上となるように茹でられる。当該茹で時間は、当該生麺線の太さおよび所望の歩留まりによって適宜調整されうる。
前述のように、当該うどんの生麺線が350%以上の歩留まりとなるように調理されて、本発明の第四の態様である、うどんとなる。
該うどんは調理された後、直ぐに流水で洗われ、つづいて氷水で冷却されることが好ましい。流水および氷水で当該麺が冷却されることによって、当該麺が引き締まり、調理後の当該麺の伸びが抑制されうる。
冷却後、水を切られた当該うどんは200g程度(1食分)に計量され、冷凍庫に入れられることによって、急速凍結されることが好ましい。急速凍結されることで、当該歩留まりに留めたうどんが長期間保存されうる。前記冷凍庫の温度としては、当該うどんが短時間で凍結される温度であれば特に制限はなく、通常−40〜−30℃で行われる。
前記うどんは、当該歩留まりが喫食に適した350%以上であることにより、従来のうどんのもつ食感(硬さ、粘り脆さ)および色調が維持されたまま、従来のうどんのカロリー(約130kcal/100g)よりも低カロリー(50〜110kcal/100g)のうどんとなる。
一方、該歩留まりが350%未満であると、うどんの食感としては硬すぎ、好ましい粘りを欠き、その色調も暗いものとなる。
また、当該うどんが、ふやけて柔らかくなり過ぎ、のびきった麺となる等の問題が発生することを防止し、良好な食感を維持する観点から、当該歩留まりとしては、350〜500%が好ましく、350〜480%がより好ましく、350〜460%がさらに好ましく、350〜445%が特に好ましく、350〜430%が最も好ましい。
当該うどんが、冷凍保存されたうどんである場合、解凍後に喫食されることが好ましい。その解凍の方法としては、公知の方法が適用される。例えば、当該冷凍うどんを沸騰した湯に投入して2分間茹でることで、行うことができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜6、比較例1〜24]
表1〜5に示す小麦粉、澱粉、および添加剤を室温(20℃)、湿度30%においてポリ袋中で混合し、原料粉(A)を調製した。また、12℃に調整した水に、塩を溶解させて食塩水(B)とした。その水と塩の量を表1〜5に示す。
前記原料粉(A)を真空ミキサーTVM03−0043(トーキョーメンキ株式会社製)に投入し、120回転/分で運転しながら、前記食塩水(B)をシャワー状に噴霧しながら添加し、3分間混合した。つぎに、回転数を50回転/分に落として、減圧下(−600mmHg)で7分間混合した。その後、そぼろ状になった生地を巾麺帯機HR8−215(トーキョーメンキ株式会社製)に投入し、ローラーのクリアランスを4mmに設定し、幅215mmの麺帯(帯状の麺生地)に成型した。つづいて成型された麺帯を二つ折りに畳み、該ローラーのクリアランスを5.6mmに設定した巾麺帯機に通して複合した。さらにローラーのクリアランスを4mmに設定した巾麺帯機に通し、巻き取り棒に麺帯を巻き取った状態でポリ袋に包んで、30分間、室温(20℃)に置いて熟成させた。その後、熟成した麺帯を、ローラーのクリアランスの設定を3.2mm、2.2mm、1.8mmに順次変えた巾麺帯機に通して圧延した。その圧延された生地を、切出機GW4−215(トーキョーメンキ株式会社製)の#12番切り刃によって、1.7mmの厚みで切り出して、商品名「うちっこ303」(昭和産業株式会社製)を打ち粉し、麺線として回収した。つぎに、DL−リンゴ酸を添加してpH5.5に調整した水を沸騰させた湯10Lに約200gの麺線を茹でカゴで投入して、表1〜6に示す茹で歩留まりになるように茹でた。その後、麺線の入った茹でカゴを流水で約30秒間洗い、さらに氷水で約30秒間冷却した。水を切った麺を茹でカゴから取り出し、1玉あたり200gとなるように計量した後、凍結用トレーに移して−35℃にて急速凍結した。
[官能評価]
得られた冷凍茹で麺を沸騰した湯に投入して2分間茹でて、流水で約30秒間洗い、氷水で約30秒間冷却し、水を切ったものを官能評価に用いた。
官能評価は6名のパネラーが、食感(硬さ、粘り脆さ)および色調について、下記の評価基準によって行った。
<食感(硬さ)の評価基準>
前記パネラーが、実施例1〜6および比較例1〜24で得たうどんの硬さについて、9段階の評点(5点=硬い、4.5点=かなり硬い、4点=やや硬い、3.5点=少し硬い、3点=基準の硬さ、2.5点=少し柔らかい、2点=やや柔らかい、1.5点=かなり柔らかい、1点=柔らかい)を付けた。なお、基準の硬さ(3点)は、比較例16で得たうどん(従来のうどん)のもつ硬さとした。
各パネラーの評点を平均し、下記の評価基準によって硬さを判断した。
○(2.5点以上3.5点以下):うどんとして適当な硬さである。
×(1点以上2.5点未満):うどんとしては柔らかすぎる。
×(3.5点よりも大きく5点以下):うどんとしては硬すぎる。
その結果を表1〜5に示す。
<食感(粘り脆さ)の評価基準>
前記パネラーが、実施例1〜6および比較例1〜24で得たうどんの粘り脆さについて、9段階の評点(5点=粘る、4.5点=かなり粘る、4点=やや粘る、3.5点=少し粘る、3点=基準の粘り、2.5点=少し粘らない(少し脆い)、2点=やや粘らない(やや脆い)、1.5点=かなり粘らない(かなり脆い)、1点=粘らない(脆い))を付けた。なお、基準の粘り(3点)は、比較例16で得たうどん(従来のうどん)のもつ粘りとした。
各パネラーの評点を平均し、下記の評価基準によって粘り脆さを判断した。
○(2.5点以上3.5点以下):うどんとして適当な粘りである。
×(1点以上2.5点未満):うどんとしては粘らなすぎる(脆すぎる)。
×(3.5点よりも大きく5点以下):うどんとしては粘りすぎる。
その結果を表1〜5に示す。
<色調の評価基準>
前記パネラーが、実施例1〜6および比較例1〜24で得たうどんの色調について、9段階の評点(5点=濃い、4.5点=かなり濃い、4点=やや濃い、3.5点=少し濃い、3点=基準の色調、2.5点=少し薄い、2点=やや薄い、1.5点=かなり薄い、1点=薄い)を付けた。なお、基準の色調(3点)は、比較例16で得たうどん(従来のうどん)のもつ色調とした。
各パネラーの評点を平均し、下記の評価基準によって色調を判断した。
○(3.5点以下):うどんとして適当な色調である。
×(3.5点よりも大きく5点以下):うどんとしては濃すぎる色調である。
その結果を表1〜5に示す。
[カロリー計算]
得られた冷凍茹で麺のカロリー計算は、次の式で計算した。
茹で麺100gのカロリー=原料粉100gのカロリー/{茹で歩留まり(%)/100}
前記原料粉100gのカロリーは、当該原料粉に含まれる小麦粉、澱粉、および添加剤のカロリーの和である。当該小麦粉、澱粉、および添加剤のそれぞれのカロリーは、後述の規格値を用いた。なお、本明細書中のカロリー数値は、全て小数点第一位を四捨五入して、整数で表記した。
その結果を表1〜5に示す。
なお、当該茹で麺のカロリーを実測すると、上記式で計算したカロリー値(表1〜5に記載)の約84%となる傾向がある。これは、当該うどんの一部が、茹で湯や冷却水等へ溶出したためであると考えられる。
Figure 0005248417
Figure 0005248417
Figure 0005248417
Figure 0005248417
Figure 0005248417
表1〜5,8中、[ ]内の数値は配合量(質量部)を示す。また、表1〜5,8中の記号はそれぞれ以下のものを示す。
(A)−1:強力二等粉(蛋白質含量=13.30質量%,灰分含量=0.48質量%){商品名「赤ネオン」(昭和産業株式会社製);351kcal/100g(規格値)}
(A)−2:強力二等粉(蛋白質含量=13.50質量%,灰分含量=0.55質量%){商品名「紫ボタン」(日本製粉株式会社製);350kcal/100g(規格値)}
(A)−3:強力一等粉(蛋白質含量=11.80質量%,灰分含量=0.40質量%){商品名「カメリヤ」(日清製粉株式会社製);367kcal/100g(規格値)}
(A)−4:中力二等粉(蛋白質含量=10.10質量%,灰分含量=0.58質量%){商品名「帆立貝」(昭和産業株式会社製);360kcal/100g(規格値)}
(A)−5:中力一等粉(蛋白質含量=8.80質量%,灰分含量=0.37質量%) {商品名「金すずらん」(日清製粉株式会社製);367kcal/100g(規格値)}
(A)−6:薄力二等粉(蛋白質含量=10.00質量%,灰分含量=0.58質量%){商品名「丸招K」(昭和産業株式会社製);369kcal/100g(規格値)}
(A)−7:薄力一等粉(蛋白質含量=7.80質量%,灰分含量=0.30質量%) {商品名「バイオレット」(日清製粉株式会社製);367kcal/100g(規格値)}
(A)−8:強力三等粉(蛋白質含量=16.50質量%,灰分含量=0.75質量%){商品名「K青鶏」(日清製粉株式会社製);367kcal/100g(規格値)}
(B)−1:タピオカアセチル化澱粉{商品名「松谷あじさい」(松谷化学工業株式会社製);343kcal/100g(規格値)}
(C)−1:アルギン酸エステル{商品名「ネオソフトAL−31」(太陽化学株式会社製);215kcal/100g(規格値)}/乾燥卵白{商品名「サンキララ21」(太陽化学株式会社製)<蛋白質含量81.9%>;348kcal/100g(規格値)}=1:4(質量比)の混合物
(D)−1:グルテン{商品名「A−グルG」(グリコ栄養食品株式会社製);420kcal/100g(規格値)}<蛋白質含量76.50%>
(D)−2:グルテン{商品名「A−グルWP」(グリコ栄養食品株式会社製);417kcal/100g(規格値)}<蛋白質含量84.00%>
(D)−3:グルテン{商品名「パウダーグルA」(昭和産業株式会社製);417kcal/100g(規格値)}<蛋白質含量71.50%>
表1〜5に示すように、本発明にかかる実施例1〜6のうどんは、いずれも、硬さ、粘り脆さ、および色調が従来のうどん(比較例16)と同様に良好であり、従来のうどんよりも低カロリーであることが明らかである。
以上の結果において、蛋白質含量が13.0質量%未満の小麦粉にグルテンを添加して原料粉中の蛋白質含量を高めた原料粉を使用した比較例3〜10のうどんは、本発明にかかる実施例1〜6のうどんよりも、食感(硬さ、および/または粘り脆さ)に劣る。このことは、比較例3〜10のように、グルテンを添加して原料粉中の蛋白質含量を増加させ、実施例1〜6にかかるうどんの原料粉中の蛋白質含量に近いものとしても、本発明の課題を解決することはできないことを示している。また、グルテンを比較的多く添加した比較例9および10のうどんは、異臭等の問題も発生した。
[せん断荷重測定]
上記の実施例2、実施例3、比較例16、および比較例18の官能評価に用いたうどんを、せん断荷重測定に用いた。
測定対象とするサンプルは、冷凍状態のうどん一玉(200g)を沸騰水中に投入し、3分間ボイルして完全に解凍した後、冷水中に30秒晒し、次いで氷水中に30秒晒し、水切りすることにより調製し、その後直ちに測定器のサンプル台に移し、麺の長軸方向に直角な横断面形状にて長い方の辺が上下になるように載置して、測定に供した。
測定は、測定器であるレオメーターCR−500DX(株式会社サン科学製)に、せん断用感圧アダプタ・プランジャ(剃刀型プランジャーの刃の無い側を使用するため、先端形状が幅28mm・厚さ0.25mmの平面からサンプル上面に当接し降下、せん断に供される)およびせん断用感圧アダプタ・サンプル台(縦20mm、横59mm、高さ20mmの直方体の上面の縦方向に幅1mmのスリットが設けられているもの)を装着し、当該サンプル台のスリットに対し長軸方向が直角に載るように置いた麺に向かって、プランジャーをスリットに挿入するように、垂直に、120mm/分の速度で降下させることにより実施した。ランダムに麺を選び、延べ15箇所を測定した。
測定器のロードセル出力(g)は、プランジャーがサンプルに接触後、降下にともない上昇し、サンプルの高さの半分程度までめり込んだところで減少傾向に転じたため、その最大値を当該麺線のせん断荷重(g)とみなした。その平均値と標準偏差を表6に示す。
Figure 0005248417
また、上記の実施例2、実施例3、比較例16、および比較例18のうどんについて測定した、せん断荷重のT検定の結果を表7に示す。なお、該T検定は、両側分布を使用し、等分散の2標本を対象とするt検定である。
Figure 0005248417
表6、7の結果から、本発明にかかる実施例2および3のうどんは、比較例18のうどんと比べて、比較例16で得たうどん(従来のうどん)に近いせん断力をもつことが確認された。ここで、該せん断力は、うどんの食感である硬さに対応するものである。したがって、本発明にかかる実施例2および3のうどんは、従来のうどんよりも低カロリーでありながら、従来のうどんの食感を維持していることが明らかである。
[実施例7〜8、比較例25〜28]
さらに、表8に示す小麦粉、澱粉、および添加剤を用いてうどんを製造し、その食感(硬さ、粘り脆さ)および色調を評価した。該うどんの製造方法および評価方法は、前記実施例1〜6と同様である。その結果を表8に示す
Figure 0005248417
表8に示すように、本発明にかかる実施例7〜8のうどんは、いずれも、硬さ、粘り脆さ、および色調が従来のうどん(比較例16)と同様に良好であり、従来のうどんよりも低カロリーであることが明らかである。

Claims (6)

  1. 原料粉と水とを混合して混合物を調製する工程(ア)、該混合物から麺線を調製する工程(イ)、および該麺線を茹でることにより茹で麺を調製する工程(ウ)を有するうどんの製造方法であって、
    前記工程(ア)において、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有する原料粉を使用し、かつ前記工程(ウ)において、茹で歩留まりが350%以上となるように茹でることを特徴とする、うどんの製造方法。
  2. 前記原料粉中、前記小麦粉を80〜100質量%および澱粉を0〜20質量%含有することを特徴とする、請求項1記載のうどんの製造方法。
  3. 原料粉と水とを混合して混合物を調製する工程(ア)および該混合物から麺線を調製する工程(イ)を有し、喫食時の茹で歩留まりが350%以上であるうどんの生麺線の製造方法であって、
    前記工程(ア)において、蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有する原料粉(但し、オート麦フスマの粉砕物を含有するものを除く。)を使用することを特徴とする、うどんの生麺線の製造方法。
  4. 前記原料粉中、前記小麦粉を80〜100質量%および澱粉を0〜20質量%含有することを特徴とする、請求項3記載のうどんの生麺線の製造方法。
  5. 蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有する(但し、オート麦フスマの粉砕物を含有するものを除く。)、喫食時の茹で歩留まりが350%以上であるうどんの生麺線。
  6. 蛋白質含量が13.0〜15.0質量%かつ灰分含量が0.45〜0.60質量%である小麦粉を主成分として有するうどんの生麺線が、該うどんの生麺線の原料粉に対する歩留まりが350%以上となるように調理された、うどん。
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