JP5804017B2 - 防湿シートおよびそれを用いた反り防止木質板並びに化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、木質系基材に積層する防湿シートおよびそれを用いる反り防止木質板並びに化粧板に関し、さらに詳しくは、環境温湿度の変化による木質系基材の吸湿や放湿によって生じる反りを防止する機能を有することは元より、木質系基材からの防湿シートの剥がれや浮きを防止することができる防湿シートおよびそれを用いる反り防止木質板並びに化粧板に関するものである。
従来から、木材合板、中密度繊維板(MDF)、ハードボード、パーティクルボード等の木質系基材の表面に化粧シートを積層した化粧板がドア、引き戸、間仕切り等の表面材として用いられている。木質系基材は、その含水率が外気条件下における木質系基材の平衡含水率より小さい場合には、化粧板の化粧シートを積層していない面から吸湿、吸水し、この面を膨張させ、また、反対に木質系基材の含水率が、外気条件下における木質系基材の平衡含水率より大きい場合には、放湿、放水して収縮させるのに対し、化粧シートを積層した面は吸放湿、吸放水が殆どないために、化粧板の化粧シートを積層した面と木質系基材が表出した面との膨張率または収縮率が異なり、化粧板に反りが発生し、商品価値を落とす結果となる。
このような木質系基材の反りを防止する方法としては、たとえば、化粧板を金属等で反らないように十分に補強する方法、あるいは、表面に化粧シートを積層した化粧板の裏面側に、化粧板の裏面側からの吸放湿による木質系基材の含水率の変化を防ぐために塗料を塗装する方法、あるいは、表面に化粧シートを積層した化粧板の裏面側に、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートを積層する方法、あるいは、紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シート(たとえば、特許文献1参照)を積層する方法等が知られている。
上記した化粧板を補強する方法は、補強することにより反りは防止することができる反面、フラッシュドアのような補強を十分に行うことができない構造の場合には反りを防止することはできないという問題があり、また、塗料を塗装する方法は、木質系基材の表面の塗料の吸い込みが強く、また、表面の平滑度が悪いために均一な防湿、防水層を形成することが難しいという問題があり、フラッシュドアに対しても適用可能であり、完璧にまでとはいかないまでも、反りをある程度防止することができることなどから、合成樹脂製シートあるいは防湿シートを積層する方法が採用され、広く使用されている。
しかしながら、合成樹脂製シートあるいは防湿シートを積層する方法を採用した化粧板であっても、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り等に長期間使用された場合には、木質系基材の水分分布に一方の面側と他方の面側とで差が生じ、その結果、両面に伸張や収縮の度合いが異なり、反りが発生する場合がある。また、別の問題として、防湿シートを用いた場合には両面が紙層であり、エマルジョン型接着剤で木質系基材に容易に積層することができるという加工適性の面では優れた効果を奏する反面、紙層の層間強度が弱いために、長期間使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合など、紙層の層間から剥離する虞がある。
そこで本出願人は、防湿性能に優れ、ドア、引き戸、間仕切り等において、両側の環境温湿度に大きな差がある場所で用いても、反りを防止して商品価値を落とすことがない防湿シートを提案した(特願2007−134971号)。
この防湿シートは、透湿度(JIS Z 0280)が2.0g/m2 ・24hr以下であるために、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートあるいは紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シートに比べて格段に優れた防湿性能を有し、また、上記防湿シートを用いた化粧板は、ドア、引き戸、間仕切りなど、両側の環境温湿度に大きな差がある場所で用いても、反りを生じることが殆どなく、また、長期間使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合などにも剥離する虞が殆どないというものである。
しかしながら、反りや歪みが生じやすい木質系基材(たとえば、MDF、パーティクルボード等)を使用したドアにおいては、四側面が固定されることなく、ほぼフリーな状態で存在するものであり、環境温湿度の影響を受けやすく、たとえば、フルハイトドアといわれるような天井まで達するようなドアにおいては、一層反りや歪みを生じる割合が高く、その結果、木質系基材からの防湿シートの剥がれや浮きが生じるという危惧があり、これを解消することができる防湿シートおよびそれを用いた反り防止木質板並びに化粧板が要望されていた。
特開平09−029919号公報
そこで本発明は、フルハイトドアといわれるようなドアに代表されるような長尺な建具において、両側の温湿度環境に大きな差がある場所に用いても、また、長期間使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合にも、反りを防止すると共に、防湿シートの剥がれや浮きの生じることがない防湿シートおよびそれを用いた反り防止木質板並びに化粧板を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、合成樹脂製基材層の一方の面側に蒸着層が積層され、前記合成樹脂製基材層に積層された蒸着層の表面に接着用プライマー層を設けてなる木質系基材用防湿シートであって、前記蒸着層上の前記接着用プライマー層が当接する側にポリビニルアルコールあるいはポリビニルアルコールに無機酸化物を添加した組成物からなるガスバリアー向上層が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の木質系基材用防湿シートにおいて、前記合成樹脂製基材層と前記蒸着層の間にプライマー層を有することを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、請求項1記載の木質系基材用防湿シートを木質系基材の一方の面に接着剤層を介して前記ガスバリアー向上層が前記木質系基材側に位置するように積層してなることを特徴とする反り防止木質板である。
また、請求項4記載の本発明は、請求項3記載の反り防止木質板の木質系基材の他方の面に接着剤層を介して、合成樹脂製基材層の一方の面側に蒸着層が積層され、前記合成樹脂製基材層の他方の面に接着剤層を介して化粧シートを積層すると共に、前記蒸着層面にカップリング剤が添加されてなる接着用プライマー層を設けてなる防湿シートを積層してなることを特徴とする化粧板である。
本発明の防湿シートは、合成樹脂製基材層と蒸着層とからなるシートであり、防湿性に優れ、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートあるいは紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シートに比べて格段に優れた防湿性能を有し、フルハイトドアといわれるようなドアに代表されるような長尺な建具において、両側の温湿度環境に大きな差がある場所に用いても、また、長期間使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合にも、反りを防止すると共に、接着用プライマー層に添加したカップリング剤の効果により、防湿シートの剥がれや浮きの生じることがないという優れた効果を奏するものである。
本発明にかかる防湿シートの第1実施形態を図解的に示す層構成図である。 本発明にかかる防湿シートの第2実施形態を図解的に示す層構成図である。 本発明の防湿シートを用いた反り防止木質板の一実施例を図解的に示す層構成図である。 本発明の防湿シートを用いた化粧板の一実施例を図解的に示す層構成図である。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳しく説明する。
図1は本発明にかかる防湿シートの第1実施形態を図解的に示す層構成図、図2は本発明にかかる防湿シートの第2実施形態を図解的に示す層構成図、図3は本発明の防湿シートを用いた反り防止木質板の一実施例を図解的に示す層構成図、図4は本発明の防湿シートを用いた化粧板の一実施例を図解的に示す層構成図であり、図中の1(a),1(b)は防湿シート、2(a)は反り防止木質板、2(b)は化粧板、10は合成樹脂製基材層、11は蒸着層、12,19は接着剤層、15,16は接着用プライマー層、20は木質系基材、30は化粧シートをそれぞれ示す。
図1は本発明にかかる防湿シートの第1実施形態を図解的に示す層構成図であって、防湿シート1(a)は合成樹脂製基材層10の一方の面にプライマー層(図示しない)、蒸着層11と接着用プライマー層15とを形成し、前記合成樹脂製基材層10の他方の面に接着用プライマー層16を形成したものである。なお、前記接着用プライマー層15は後述する反り防止木質板2(a)さらには化粧板2(b)とするための木質系基材に接着剤層を介して積層すると共に、強固に接着させて積層するために設けるものであり、前記接着用プライマー層16は最終的に、たとえば、ドアとする際に、ドアの芯材に接着剤層を介して強固に接着させて積層するために設けるものである。
また、図2は本発明にかかる防湿シートの第2実施形態を図解的に示す層構成図であって、防湿シート1(b)は合成樹脂製基材層10の一方の面に蒸着層を11と接着用プライマー層15を形成し、合成樹脂製基材層10の他方の面に接着剤層12を介して化粧シート30を積層したものである。また、前記化粧シート30としては、前記化粧シート30の基材シートが紙からなる仕様、あるいは、熱可塑性樹脂からなる仕様の周知のものを用いることができ、たとえば、特公昭63−052580号公報、特開平06−016832号公報、特開平11−207879号公報、特開2001−009972号公報、特開2003−276133号公報等に開示されている化粧紙や化粧シートを用いることができる。
また、図3は本発明の防湿シートを用いた反り防止木質板の一実施例を図解的に示す層構成図であって、反り防止木質板2(a)は木質系基材20の一方の面に上記した図1に示す防湿シート1(a)を前記接着用プライマー層16が表出するように接着剤層19を介して積層したものである。このように構成した反り防止木質板2(a)は前記防湿シート1(a)を木質系基材20の一方の面に設けたことにより、一方の面側からの木質系基材20に対する吸放湿を防止することができる。
また、図4は本発明の防湿シートを用いた化粧板の一実施例を図解的に示す層構成図であって、化粧板2(b)は図3に示した反り防止木質板2(a)の前記木質系基材20の他方の面に上記した図2に示す防湿シート1(b)を前記化粧シート30が表出するように接着剤層19を介して積層したものである。このように構成した化粧板2(b)は前記防湿シート1(a)および1(b)により、いずれの面からの木質系基材に対する吸放湿をも防止することができる。
次に、防湿シート1(a)、1(b)および反り防止木質板2(a)および化粧板2(b)を構成する諸材料について説明する。まず、前記合成樹脂製基材層10としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合体,あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体,ポリカーボネート,ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタアクリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいは、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。前記合成樹脂製基材層10は、一軸ないし二軸方向に延伸したシートであっても、未延伸であってもよいが、後述する蒸着層11が少なくとも一方の面に形成される基材となることから、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。前記合成樹脂製基材層10の厚さとしては、概ね9〜25μmが適当である。また、前記合成樹脂製基材層10の必要な面には必要に応じてコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等の易接着処理が施されているものである。
また、蒸着層11としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物の蒸着層、あるいは、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物の薄膜からなる無機酸化物蒸着層であり、この蒸着層11は真空蒸着法、プラズマ活性化化学反応蒸着法等の周知の蒸着法で、上記した合成樹脂製基材層10の少なくとも一方の面に薄膜形成される。なお、前記蒸着層11としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる蒸着層は金属光沢があるために、意匠によっては金属光沢を隠蔽しなければならないという問題、また、フラッシュドア加工の際に高周波を使用して接着を行う場合などがあり、より好ましくは、蒸着層が透明である無機酸化物蒸着層である。また、前記蒸着層11のガスバリアー性を一層向上させる目的で、前記蒸着層11上(前記接着用プライマー層15が当接する側の面)にポリビニルアルコールあるいはポリビニルアルコールに酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物を添加した組成物をロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布方法でポリビニルアルコール層あるいは前記組成物層を塗布形成してもよいものである。
また、本発明では合成樹脂製基材層10と蒸着層11との密着性を高めるために、合成樹脂製基材層10と蒸着層11の間に更にプライマー層を設けてもよい。
このようなプライマー層に用いる樹脂としては、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独又は混合して使用できる。プライマー層の形成は、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて行える。
この中でも、プライマー層はアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体とイソシアネートから形成するのが好ましい。
なお、前記プライマー層の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/m2 であり、好ましくは1〜5g/m2 である。また、前記プライマー層は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいのである。
次に、接着用プライマー層15,16および接着剤層12について説明する。前記接着用プライマー層15,16および接着剤層12としては、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独ないし混合して接着組成物としたものを主剤とし、これに硬化剤としてイソシアネートを添加したものを用い、ロールコート法やグラビアコート法等の適宜の塗布手段を用いて形成することができる。そして、本発明においては、特に前記接着用プライマー層15は、前記蒸着層11と前記木質系基材20との間の接着強度を高め、フルハイトドアといわれるようなドアに代表されるような長尺な建具において、両側の温湿度環境に大きな差がある場所に用いても、また、長期間使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合にも、反りを防止すると共に、防湿シート1(a)および1(b)の剥がれや浮きを防止するために、カップリング剤を添加した層とするものである。
前記接着用プライマー層15に添加するカップリング剤としては、テトラアルコキシチタン,チタンアシレート,チタンキレート等の有機チタン系カップリング剤、あるいは、トリアルキシアルミニウム,アルミニウムキシレート,アルミニウムアシレート等の有機アルミニウム系カップリング剤、あるいは、有機反応性基含有オルガノアルコキシシランであるシラン系カップリング剤を挙げることができるが、本発明においては、シラン系カップリング剤が好ましく、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、たとえば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。このようなシラン系カップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよいものであり、その配合量としては、前記接着用プライマー層15を形成する樹脂100重量部に対して、樹脂分として0.1〜10重量部の範囲内が適当である。また、前記接着用プライマー層15,16および前記接着剤層12の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/m2 であり、好ましくは1〜5g/m2 である。また、前記接着用プライマー層15,16および前記接着剤層12は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。また、今までの説明では、前記防湿シート1(a)において前記接着用プライマー層15を木質系基材20側に位置するようにした反り防止木質板2(a)および化粧板2(b)としてきたが、前記接着用プライマー層16が木質系基材20側に位置するようにした反り防止木質板あるいは化粧板としてもよいのであって、その場合には、少なくとも木質系基材20側に位置する前記接着用プライマー層16にシラン系カップリング剤を添加すればよいものである。また、カップリング剤の添加は、接着用プライマー層15、16のいずれにも添加して、いずれの層間も接着強度を高めたものとしてもよいものである。
次に、接着剤層19について説明する。前記接着剤層19は、防湿シート1(a)および1(b)と木質系基材20とを積層するために用いる層であり、前記接着剤層19を形成する接着剤としては、たとえば、熱可塑性樹脂系、熱硬化型樹脂系、ゴム(エラストマー)系等のいずれのタイプの接着剤であってもよいものである。これらは公知のもの、ないし、市販品を適宜選択して使用することができる。熱可塑性樹脂系接着剤としては、たとえば、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができる。また、熱硬化型樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等を挙げることができる。また、ゴム系接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS、SIS、SEBS等)等を挙げることができる。特に、化粧シートが設けられる防湿シート1(b)と木質系基材20とを積層する前記接着剤層19は木質系基材20の表面色を隠蔽して意匠性を向上させるために、顔料等により着色してもよいものである。
また、木質系基材20としては、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)等の木質系基材やフラッシュ構造からなる基材を挙げることができる。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げて更に詳しく説明する。
〔実施例1〕
一方の面にアルミナ蒸着層が形成されると共に、蒸着層面にポリビニルアルコールが塗布形成された12μm厚さの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、12μm厚さの蒸着PETフィルムと呼称する)のPET面にコロナ放電処理を施した後、主剤としてのウレタン樹脂/硝化綿系樹脂に硬化剤としてのイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂をグラビア印刷法にて塗布乾燥して2μm厚さの第1接着用プライマー層を形成し、次に蒸着面側に主剤としてのウレタン樹脂/硝化綿系樹脂100重量部に対して0.4重量部のシラン系カップリング剤を添加すると共に、硬化剤としてのイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂をグラビア印刷法にて塗布乾燥して2μm厚さの第2接着用プライマー層を形成した防湿シートを作製した。3mm厚さの中密度繊維板(MDF)に酢酸ビニル系接着剤をウエット状態で7〜8g/尺2 塗布し、乾燥した後に、該塗布面に前記防湿シートを前記蒸着層側が位置するようにロールラミネート機で積層して本発明の反り防止木質板を作製した。
〔比較例1〕
第2接着用プライマー層の形成時にシラン系カップリング剤を添加することなく形成した以外は、実施例1と同様にして比較例とする反り防止木質板を作製した。
上記で作製した実施例1、および、比較例1の反り防止木質板について、透湿度、平面引張強度、基材ピーリング強度を下記する評価方法で評価し、その結果を表1に纏めて示した。
Figure 0005804017
〔評価方法〕
・透湿度:
JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準拠して実施例1、および、比較例1の防湿シートを測定して透湿度を算出した。なお、透湿度の単位は、g/m2 ・24hrである。
・平面引張強度:
JAS合板 平面引張試験に準拠して測定して平面引張強度を算出した。なお、評価に供した反り防止木質板は、上記で作製した反り防止木質板を24時間コールドプレスしたものを用い、反り防止木質板を5cm角にカットし、底辺が2cm角の金属治具を防湿シート面にシアノアクリレート系接着剤にて貼り、24時間常温(約23℃)養生した後、カッターナイフにて金属治具に沿ってMDFにまで達する切り込みを入れ、測定試験機器により試験片に対して垂直面方向に引っ張り、その際の剥離界面を目視観察して評価すると共に引張強度を測定した。
測定単位は、N/cm2 である。
・基材ピーリング強度:
試験片に1インチ巾にカッターナイフにて防湿シート側からMDFに達する切り込みを入れると共に任意の方法にて防湿シートに切欠を作り、測定試験機器により180°方向に200mm/分の速度で防湿シートを引っ張り、その際の剥離界面を目視観察して評価すると共に引張強度を測定した。なお、試験片は上記で作製した反り防止木質板を24時間コールドプレスしたものを用いて常温(23℃)で測定した結果(1)と、試験片に1インチ巾にカッターナイフにて防湿シート側からMDFに達する切り込みを入れると共に任意の方法にて防湿シートに切欠を作った状態で、恒温層(−20℃)に24時間保管した後に、−20℃の雰囲気下で測定した結果(2)の両方を示した。
測定単位はN/インチである。
表1からも明らかなように、本発明の防湿シートはアルミナ蒸着層を設けたことにより、透湿度性能の向上が見られ、環境温湿度の変化により発生する化粧板の反りを防止することができるという効果が期待できるのみならず、防湿シートの蒸着層側の接着用プライマー層にシラン系カップリング剤を添加することにより、防湿シートとMDFとの間の接着強度を向上させることができ、フルハイトドアといわれるようなドアに代表されるような長尺な建具において、両側の温湿度環境に大きな差がある場所に用いても、また、長期間使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合にも、反りを防止すると共に、防湿シートの剥がれや浮きの生じることがないという優れた効果が期待できる。
1(a),1(b) 防湿シート
2(a) 反り防止木質板
2(b) 化粧板
10 合成樹脂製基材層
11 蒸着層
12,19 接着剤層
15,16 接着用プライマー層
20 木質系基材
30 化粧シート

Claims (4)

  1. 合成樹脂製基材層の一方の面側に蒸着層が積層され、前記合成樹脂製基材層に積層された蒸着層の表面に接着用プライマー層を設けてなる木質系基材用防湿シートであって
    記蒸着層上の前記接着用プライマー層が当接する側にポリビニルアルコールあるいはポリビニルアルコールに無機酸化物を添加した組成物からなるガスバリアー向上層が形成されていることを特徴とする木質系基材用防湿シート。
  2. 前記合成樹脂製基材層と前記蒸着層の間にプライマー層を有することを特徴とする請求項1に記載の木質系基材用防湿シート。
  3. 請求項1記載の木質系基材用防湿シートを木質系基材の一方の面に接着剤層を介して前記ガスバリアー向上層が前記木質系基材側に位置するように積層してなることを特徴とする反り防止木質板
  4. 請求項3記載の反り防止木質板の木質系基材の他方の面に接着剤層を介して、
    合成樹脂製基材層の一方の面側に蒸着層が積層され、前記合成樹脂製基材層の他方の面に接着剤層を介して化粧シートを積層すると共に、前記蒸着層面にカップリング剤が添加されてなる接着用プライマー層を設けてなる防湿シートを積層してなることを特徴とする化粧板
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