JP6579439B2 - 建材用防湿シート - Google Patents

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Description

本発明は、建材用防湿シートに関し、より詳細には透明蒸着フィルムの両面にプライマー層を備える建材用防湿シート、該建材用防湿シートを備える建材、および該建材を備える化粧板に関する。
従来から、木材合板、中密度繊維板(MDF)、ハードボード、パーティクルボード等の木質系基材の表面に化粧シートを積層した化粧板が、ドア、引き戸、間仕切り、床材等の表面材として用いられている。木質系基材は、その含水率が外気条件下における木質系基材の平衡含水率より小さい場合には、化粧板の化粧シートを積層していない面から吸湿や吸水し、この面を膨張させる。一方、木質系基材の含水率が、外気条件下における木質系基材の平衡含水率より大きい場合には、放湿や放水して収縮させるのに対し、化粧シートを積層した面は吸放湿、吸放水が殆どないために、化粧板の化粧シートを積層した面と木質系基材が表出した面との膨張率または収縮率が異なり、化粧板に反りが発生し、商品価値を落とす結果となる。
このような木質系基材の反りを防止する方法としては、たとえば、化粧板を金属等で反らないように十分に補強する方法、あるいは、表面に化粧シートを積層した化粧板の裏面側に、化粧板の裏面側からの吸放湿による木質系基材の含水率の変化の原因となる水蒸気の透過を防ぐ為に、塗料を塗装する方法、あるいは、表面に化粧シートを積層した化粧板の裏面側に、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートを積層する方法、あるいは、防湿シートを積層する方法等が知られている。
上記した化粧板を補強する方法は、補強することにより反りは防止することができる反面、フラッシュドアのような補強を十分に行うことができない構造の場合には反りを防止することはできないという問題があり、また、塗料を塗装する方法は、木質系基材の表面の塗料の吸い込みが強く、また、表面の平滑度が悪いために均一な防湿、防水層を形成することが難しいという問題があった。そのため、反りをある程度防止することができることなどから、合成樹脂製シートあるいは防湿シートを積層する方法が採用され、広く使用されている。
しかしながら、防湿シートを貼着する方法を採用した化粧板であっても、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に長期間使用された場合には、木質系基材の水分分布に一方の面側と他方の面側とで差が生じ、その結果、両面に伸張や収縮の度合いが異なり、反りが発生する場合があった。このような技術的課題を解決するために、PETフィルム上に無機酸化物蒸着層を設け、その上にポリビニルアルコールを含む樹脂層を設けてなる防湿シートにおいて、樹脂層の表出面に接着用プライマー層を設け、PETフィルムの無機酸化物蒸着層を設けた面とは反対側の面にプラズマを利用したリアクティブエッチング処理を施した防湿シートが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような防湿シートであっても、環境によっては十分に水蒸気の透過を防ぐことができず、防湿性が足りないことから反りが起こることが考えられた。また、長期間使用された場合にはPETフィルムと無機酸化物蒸着層の界面で剥離して、やはり防湿性が低下する恐れがあった。さらに、木質基材等に貼り合せるときの熱またはプレスによって、防湿性が低下するという課題があった。したがって、依然として、このような防湿シートと化粧材との接着強度についても更なる改善が望まれている。
特開2015−77710号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に用いても層間剥離を防止し、かつ木質系基材との密着性に優れ、また、建材や化粧材に張り合わせるときの熱プレスによっても、バリア性の低下がなく、耐熱プレス性を向上させた防湿シートを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、
上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様によれば、
プライマー層、樹脂基材、酸化アルミニウム含有蒸着膜層、バリアコート層、およびプライマー層をこの順に備える建材用防湿シートであって、
前記樹脂基材と前記酸化アルミニウム含有蒸着膜層との界面にAL−Cの共有結合を含む、建材用防湿シートが提供される。
本発明の態様においては、前記プライマー層が、2液硬化型ウレタン樹脂層であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記AL−Cの共有結合の存在量が、X線光電子分光法により測定(測定条件:X線源AlKα、X線出力120W)したCを含む全結合中5%以上で25%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記バリアコート層が、金属アルコキシドの加水分解生成物と水溶性高分子との硬化膜であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記防湿シートは、JIS K 7126−2に準拠して測定した透湿度が0.5g/m以下であることが好ましい。
また、本発明の他の態様によれば、
木質系基材と、
前記木質系基材の片面または両面に、上記の建材用防湿シートと
を備える、建材が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、
上記の建材と、
前記建材の片面または両面に化粧シートと
を備える、化粧板が提供される。
本発明においては、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に用いても層間剥離を防止し、かつ木質系基材との密着性に優れた防湿シートを提供することができる。本発明による防湿シートは、樹脂基材と蒸着膜層の層間密着性が高いため、環境耐久性能や耐熱プレス性を向上させることができる。
本発明による建材用防湿シートの一実施形態を示す模式断面図である。 本発明による建材の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明による化粧板の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明による化粧板の一実施形態を示す模式断面図である。
<建材用防湿シート>
本発明による建材用防湿シートは、プライマー層、樹脂基材、酸化アルミニウム含有蒸着膜層、バリアコート層、およびプライマー層をこの順に備える。このような建材用防湿シートは、防湿性が高く、プライマー層により木質系基材との密着性が高いため、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に好適に使用できる。
建材用防湿シートは、JIS K 7126−2に準拠して測定した透湿度が0.5g/m以下であることが好ましい。透湿度が0.5g/m以下であれば、十分な防湿性を発揮することができる。なお、透湿度は、水蒸気透過度測定装置(モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パーマトラン(PERMATRAN)3/33〕)を用いて、調湿側がバリアコート層側となるように防湿シートをセットして測定することができる。
本発明による建材用防湿シートの模式断面図を図1に示す。図1に示す建材用防湿シート10は、樹脂基材2の一方の面にプライマー層1を備え、他方の面に蒸着膜層3、バリアコート層4、プライマー層5をこの順に備える。以下、建材用防湿シートを構成する各層について説明する。
(樹脂基材)
防湿シートの樹脂基材は、特に制限されず、従来公知の樹脂フィルムまたは樹脂シートを使用することができる。樹脂フィルムまたは樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂6、ポリアミド樹脂66、ポリアミド樹脂610、ポリアミド樹脂612、ポリアミド樹脂11、およびポリアミド樹脂12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのα−オレフィンの重合体等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
樹脂基材に用いる樹脂フィルムまたは樹脂シートは、例えば、上記の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押出法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の樹脂を単独あるいは2種以上の各種樹脂を使用して多層共押し出し、製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により製造することができる。更に、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸したものを使用することができる。
上記樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
樹脂基材に用いる樹脂フィルムまたは樹脂シートの厚さとしては、特に制限を受けるものではなく、蒸着膜を成膜する際の前処理や成膜処理することができるものであればよく、可撓性、形態保持性、および搬送性等の観点から、6〜400μm、好ましくは、12〜200μmの範囲が望ましい。
(プラズマ前処理)
本発明において、下記の蒸着膜層を成膜するに際し、樹脂基材の樹脂フィルムまたは樹脂シートの表面は、蒸着膜層との密着性等を向上させるために、前処理としてプラズマを用いたプラズマ処理装置により前処理を行なうことが好ましい。 プラズマ前処理により、樹脂基材と蒸着膜との密着性等を従来法より強化や改善することができる。具体的には、プラズマ前処理は、以下の方法により行うことができる。
ローラー式連続蒸着膜成膜装置は、減圧チャンバ内に隔壁が形成され、該隔壁により、基材搬送室、プラズマ前処理室、成膜室を備える。プラズマ前処理室及び成膜室は、基材搬送室と接して設けられており、基材を大気に触れさせないままに移動可能である。また、前処理室と基材搬送室の間は、矩形の穴により接続されており、その矩形の穴を通じてプラズマ前処理ローラーの一部が基材搬送室側に飛び出しており、該搬送室の壁と該前処理ローラーの間に隙間が開いており、その隙間を通じて基材が基材搬送室から成膜室へ移動可能である。基材搬送室と成膜室との間も同様の構造となっており、基材を大気に触れさせずに移動可能である。
基材搬送室は、成膜ローラーにより再度基材搬送室に移動させられた、片面に蒸着膜が成膜された基材をロール状に巻き取るため、巻取り手段としての巻き取りローラーが設けられ、蒸着膜を成膜された基材を巻き取り可能とするようになっている。
前記プラズマ前処理室は、プラズマが生成する空間を他の領域と区分し、対向空間を効率よく真空排気できるようにすることで、プラズマガス濃度の制御も容易となり、生産性が向上する。その減圧して形成する前処理圧力は、0.1Pa〜100Pa程度に設定、維持することが好ましい。
基材の搬送速度は、特に限定されないが、本発明は、高速での成膜処理を可能にするものであり、生産効率の観点から、少なくとも200m/min、好ましくは480m/minから1000m/minである。
プラズマ前処理手段は、プラズマ供給手段及び磁気形成手段を含むものである。プラズマ前処理手段はプラズマ前処理ローラーと協働し、基材表面近傍にプラズマを閉じ込め、基材の表面の形状や、化学的な結合状態や官能基を変化させることにより、化学的性状を変化させ、その後段の成膜時に基材と基材上に形成される蒸着膜との密着性を向上させることが可能となる。
プラズマ供給ノズルは、前処理ローラーの対向電極として機能するもので、電極機能を有するようにできているものであり、前処理ローラーとの間に供給される高周波電圧等による電位差によって供給されたプラズマ原料ガスが励起状態になり、プラズマが発生し、供給される。
プラズマ前処理装置は、プラズマ前処理ローラーとプラズマ前処理手段との間に任意の直流電位にし、基材へのプラズマの打ち込み効果を強めたり、弱めたりする機構を設置する必要がある。プラズマ打ち込み効果を高めるためには、基材にマイナス電位を与え、プラズマ打ち込み効果を弱めるためには、基材にプラスのプラス電位を与えることが好ましい。このようなプラズマ強度の調整により、基材へのプラズマ打ち込み効果を調整し、樹脂基材へのダメージを低減したり、反対に樹脂基材への膜の密着率を強めたりすることが可能となる。
具体的には、プラズマ前処理手段のプラズマ供給手段は、プラズマ前処理ローラーとの間に任意の電圧を印加した状態にすることができるものであり、基材の表面物性を物理的ないしは化学的に改質する処理ができるプラズマPを正電位にするバイアス電圧を印加できる電源を備えている。このようなプラズマ供給手段は、前処理ローラーの外周近傍に所望のプラズマPを所望の密度で供給可能であり、プラズマ前処理の電力効率を向上することができる。
本発明で採用する単位面積あたりのプラズマ強度としては、基材の消耗、破損着色、焼成等の観点から、好ましくは50〜2000W・sec/mであり、より好ましくは100〜1000W・sec/mである。次工程で形成される無機蒸着層が酸化アルミニウムを含み、そのときのAL−C結合の存在比を5〜25%とするため、200〜550W・sec/mが最も好ましい。
マグネットは、電極兼プラズマ供給手段であるプラズマ供給ノズルからのプラズマが基材に集中して適用するために設けられる。マグネットを設けることにより、基材表面近傍での反応性が高くなり、良好なプラズマ前処理面を高速で形成することが可能となる。マグネットは、基材の表面位置での磁束密度が10ガウス〜10000ガウスであることが好ましい。基材表面での磁束密度が10ガウス以上であれば、基材表面近傍での反応性を十分高めることが可能となり、良好な前処理面を高速で形成することができる。
本発明において、電極のマグネットの配置構造によりプラズマ前処理時に形成されるイオン、電子がその配置構造に従って運動するため、例えば、1m以上の大面積の樹脂基材に対してプラズマ前処理をする場合においても電極表面全体にわたり、電子やイオン、基材の分解物が均一に拡散され、樹脂基材が大面積の場合にも所望のプラズマ強度で、均一かつ安定した前処理が可能となる。
プラズマ前処理ローラーにより片面にプラズマ処理面を形成した樹脂基材は、次の成膜室に導くためのガイドロールにより基材搬送室から成膜室に移動し、成膜区画で蒸着膜(酸化アルミニウム含有層)が形成される。
(蒸着膜)
防湿シートの蒸着膜層は、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止、遮断するガスバリア性能を有する薄膜であり、例えば、化学気相成長法を用いて酸化アルミニウム層を成膜化する方法によって製造することができる。
蒸着膜を形成する無機酸化物層は、酸化アルミニウム含有層であり、AL−Cの共有結合を含む。より詳細には、主成分として酸化アルミニウムを含む無機酸化物層であって、少なくとも酸化アルミニウム又はその窒化物、炭化物の単独又はその混合物を含む、アルミニウム化合物を主成分として含む層である。
さらに、蒸着膜層は、前記アルミニウム化合物を主成分として含み、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸化窒化物、ケイ素炭化物、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、またはこれらの金属窒化物、炭化物及びその混合物などを含むAL−Cの共有結合を含む無機酸化物の混合物からなる層であってもよい。
蒸着膜層は、X線光電子分光装置(測定条件:X線源AlKα、X線出力120W)を用い、樹脂基材と蒸着膜の界面から蒸着膜の深さ方向にイオンエッチングにより測定したピークにAL−Cの共有結合の存在を示すものであって、すなわち、樹脂基材と蒸着膜層との界面にAL−Cの共有結合を含むものであり、蒸着膜と樹脂基材との密着性が強化される。
また、蒸着膜層は、AL−Cの共有結合の存在量がX線光電子分光法により測定したCを含む全結合中、5%以上25%以下であることが好ましい。AL−Cの共有結合の存在量が上記範囲内であれば、蒸着膜と樹脂基材との密着性が強化され、透明性も優れ、ガスバリア性の蒸着フィルムとしてバランスのよい性能のものが得られる。AL−C結合存在比が5%以上であれば、蒸着膜と樹脂基材との密着性が十分であり、長期間建材として使用される上で剥離をより防止することができ、Al−C結合存在比が25%以下であれば、防湿性能の点で劣化するのをより防止することができる。
1つの成膜装置で形成する無機酸化物の蒸着膜の厚さは、10〜200nmであり、好ましくは10〜50nmである。
成膜室には、成膜ローラー及び蒸着膜成膜手段を含む蒸着膜成膜装置が設けられている。蒸着膜成膜装置の該成膜手段は、プラズマ前処理手段で前処理した樹脂基材のプラズマ前処理面に蒸着膜を成膜するものである。
本発明の蒸着膜成膜装置は、プラズマ前処理された樹脂基材表面に蒸着膜を成膜するように配置されており、蒸着膜を成膜する蒸着法としては、物理蒸着法、化学蒸着の中から種々の蒸着法が適用できる。物理蒸着法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、クラスターイオンビーム法からなる群から選ぶことができ、化学蒸着法としては、プラズマCVD法、プラズマ重合法、熱CVD法、触媒反応型CVD法からなる群から選ぶことができる。
前記成膜装置は、減圧された成膜室内に配置され、プラズマ前処理装置で前処理された基材の処理面を外側にして基材を巻きかけて搬送し、成膜処理する成膜ローラーと、該成膜ローラーに対向して配置された成膜源のターゲットを蒸発させて基材表面に蒸着膜を成膜する、蒸着成膜装置、スパッタリング成膜装置、イオンプレーティング成膜装置、イオンビームアシスト成膜装置、クラスターイオンビーム成膜装置、プラズマCVD成膜装置、プラズマ重合成膜装置、熱CVD成膜装置、触媒反応型CVD成膜装置などの蒸着膜成膜手段を含むものである。
本発明の前記成膜装置は、前記成膜源のターゲットの蒸発手段を交換することで各種の物理蒸着装置が適用でき、また、化学蒸着装置による成膜を実施可能な装置構成とすることもでき、種々の成膜法を使い分けることができる。
該蒸着膜成膜手段としては、抵抗加熱真空成膜装置、スパッタリング装置、イオンプレーティング成膜装置、イオンビームアシスト成膜装置、クラスターイオンビーム成膜装置などの物理蒸着装置やプラズマCVD成膜装置、プラズマ重合成膜装置、熱CVD成膜装置、触媒反応型CVD成膜装置などの化学蒸着装置を用いて無機酸化物層を成膜化することにより製造することができる。
本発明の蒸着膜成膜手段として、真空成膜装置を採用した場合、蒸発源として坩堝にアルミニウムが主成分となる割合でターゲットの金属材料を、単独又は複数種類充填し、高温に加熱し、アルミ金属を含む金属蒸気とし、その金属蒸気に対し、ガス供給手段から供給される酸素ガスを導入することで金属蒸気を酸化し、基材表面にアルミニウム酸化物を含む金属酸化物を成膜する。
抵抗加熱による場合には、アルミ等の金属線材を用い、金属蒸気とし酸化しつつ基材表面に成膜させることができる。成膜の蒸発源として、スパッタ蒸発源、アーク蒸発源、あるいはプラズマ発生電極や原料ガス供給手段などのプラズマCVD成膜機構を採用することもできる。
成膜の際、成膜する蒸着膜の組成により、ターゲットの金属材料は、アルミニウムと他の金属との蒸気になりやすさに応じ、アルミニウム酸化物が主成分となるように、金属材料を別々に蒸気化し、あるいは金属材料を目的の割合となるように混合したものを蒸気化することもできる。成膜室には、成膜する蒸着膜に応じ、成膜手段として、1つの成膜装置を設けてもよいし、2以上の同種または異種の成膜装置を設けてもよい。
1つの成膜装置で厚く薄膜を形成すると、その薄膜は応力のために脆くなり、クラックが発生してガスバリア性が著しく低下することや、搬送時または巻取り時に薄膜が剥離することが生じる。そのため、ガスバリア性薄膜の厚い層を得るには、複数の成膜装置を設け、同じ物質の薄膜を複数回形成することが好ましい。さらに、本発明は、前記密着性を強化し形成した蒸着フィルムに、さらに耐湿熱性ガスバリア性塗膜を、図示しない連設して設けた公知のローラー式塗布装置により形成するものである。ここで、複数の成膜装置により、異なる材料の薄膜を形成してもよく、その場合には、ガスバリア性だけでなく、さまざまな機能を付与された多層多機能膜が得られる。
複数の成膜装置により、異なる材料の薄膜を形成してもよく、その場合には、ガスバリア性だけでなく、さまざまな機能を付与された多層膜が得られる。
特に、蒸着膜成膜装置では、関連する機械部品の耐熱性の制約や汎用性の面から設定温度は−20℃から100℃の間で一定温度に設定できることが好ましい。
種々の成膜法において、連続的に蒸着膜の成膜を行なう成膜室の成膜圧力は、十分な蒸着膜の緻密性と、基材への密着性を有する蒸着膜を形成するため、0.1Pa〜100Pa程度に設定、維持することが好ましい。
(バリアコート層)
防湿シートのバリアコート層は、ガスバリア性を有する塗布膜であることが好ましく、金属アルコキシドの加水分解生成物と水溶性高分子との硬化膜でることがより好ましい。バリアコート層は、例えば、下記のガスバリア性塗膜により形成することができる。該塗膜は、高温多湿環境下でのガスバリア性を保持する塗膜であり、一般式R M(OR(ただし、式中、R、Rは、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上の金属アルコキシドと、水溶性高分子とを含有し、更に、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合してなるガスバリア性組成物からなる塗布膜である。該組成物を上記蒸着フィルム上の蒸着膜の上に塗工して塗布膜を設け、20℃〜180℃、かつ上記の蒸着フィルムの融点以下の温度で10秒〜10分間加熱乾燥処理して形成することができる。
また、前記ガスバリア性組成物を上記基材フィルム上の蒸着膜の上に塗工して塗布膜を2層以上重層し、20℃〜180℃、かつ、上記基材フィルムの融点以下の温度で10秒〜10分間加熱乾燥処理し、ガスバリア性塗膜を2層以上重層した複合ポリマー層を形成してもよい。
上記金属アルコキシドは、上記一般式R M(OR中、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他等を例示することができる。
本発明では、上記アルコキシドは、2種以上を併用してもよい。例えばアルコキシシランとジルコニウムアルコキシドを混合して用いると、得られるガスバリア性積層フィルムの靭性、耐熱性等を向上させることができ、また、延伸時のフィルムの耐レトルト性などの低下が回避される。また、アルコキシシランとチタニウムアルコキシドを混合して用いると、得られるガスバリア性塗膜の熱伝導率が低くなり、耐熱性が著しく向上する。
本発明で使用する水溶性高分子は、ポリビニルアルコール系樹脂、またはエチレン・ビニルアルコ一ル共重合体を単独で各々使用することができ、あるいは、ポリビニルアルコ一ル系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することができる。本発明では、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用することにより、ガスバリア性、耐水性、耐候性、その他等の物性を著しく向上させることができる。
ポリビニルアルコ一ル系樹脂としては、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるものを使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂でも、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、OH基が変性された変性ポリビニルアルコール系樹脂でもよく、特に限定されるものではない。
エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものを使用することができる。例えば、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではない。ただし、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが好ましい。なお、上記エチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは、20〜45モル%であるものことが好ましい。
バリアコート層は、以下の方法で製造することができる。まず、上記金属アルコキシド、シランカップリング剤、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、酸、水、有機溶媒等を混合し、ガスバリア性組成物を調製する。
次いで、蒸着フィルム上の前記蒸着膜の上に、常法により、上記のガスバリア性組成物を塗布し、および乾燥する。この乾燥工程によって、上記金属アルコキシド、シランカップリング剤およびポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体等の重縮合が更に進行し、塗布膜が形成される。第一の塗布膜の上に、更に上記塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗膜を形成してもよい。
次いで、上記ガスバリア性組成物を塗布した基材フィルムを20℃〜180℃、かつ蒸着フィルムの融点以下の温度、好ましくは、50℃〜160℃の範囲の温度で、10秒〜10分間加熱処理する。これによって、前記蒸着膜の上に、上記ガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を1層ないし2層以上形成したバリア性フィルムを製造することができる。
上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の塗布手段により、1回あるいは複数回の塗布で、乾燥膜厚が、0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μm位の塗布膜を形成することができ、更に、通常の環境下、50〜300℃、好ましくは、70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾操することにより、縮合が行われ、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
(プライマー層)
防湿シートのプライマー層は、前記バリアコート層と木質系ボードなどを接着剤層を介し貼着する際、十分な接着強度を得るために設けるものである。プライマー層は、例えば、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を用いて形成することができ、これらの樹脂を1種または2種以上用いることができる。その中でも、ウレタン樹脂と硝化綿系樹脂の共重合体と、イソシアネートからなる樹脂で形成される2液硬化型ウレタン樹脂層の形成が特に好ましい。
プライマー層の厚みは0.1μm〜3μmの間で形成されるのが好ましく、プライマー層を設ける方法としてはロールコートやグラビア印刷法等の塗布手段を用いて形成することができる。このようなプライマー層は、木質系基材との密着性に優れるため、本発明の防湿シートは、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に好適に使用できる。なお、樹脂基材に接するプライマー層とバリアコート層に接するプライマー層とは、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
<建材>
本発明による建材は、木質系基材の片面または両面に上記建材用防湿シートを備えるものであり、建材用防湿シートと木質系基材との間に接着剤層を設けてもよい。このような建材は、防湿性が高く、防湿シートのプライマー層と木質系基材との密着性が高いため、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に好適に使用できる。
本発明による建材の模式断面図を図2に示す。図2に示す建材20は、建材用防湿シート10と木質系基材11とが接着剤層12を介して、積層されたものである。以下、建材を構成する各層について説明する。なお、建材用防湿シートは上記で説明した通りである。
(木質系基材)
建材の木質系基材は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。木質系基材としては、例えば、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、および高密度繊維板(HDF)等が挙げられる。
(接着剤層)
建材の接着剤層は、特に限定されず、従来公知の建材用の接着剤を用いることができる。接着剤としては、例えば、1液あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネート用接着剤等が挙げられる。上記の接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。その塗布量としては、0.1g/m〜10g/m(乾燥状態)位が好ましく、1g/m〜5g/m(乾燥状態)位がより好ましい。
<化粧材>
本発明による化粧材は、上記建材の片面または両面に化粧シートを備えるものであり、建材と化粧シートとの間に接着剤層を設けてもよい。このような化粧材は、防湿性が高く、防湿シートのプライマー層と木質系基材との密着性が高いため、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に好適に使用できる。
本発明による化粧材の模式断面図を図3および図4に示す。図3に示す化粧材30は、木質系基材11の一方の面に接着剤層12を介して建材10が積層され、木質系基材11の他方の面に化粧シート13が積層されたものである。また、図4に示す化粧材30は、木質系基材11の両方の面に接着剤層12を介して建材10が積層され、さらに、片方の建材10に化粧シートが積層されたものである。以下、化粧材を構成する各層について説明する。なお、建材および接着剤層は上記で説明した通りである。
(化粧シート)
化粧材の化粧シートは、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。化粧シートとしては、例えば、木目模様からなる絵柄印刷が少なくとも施された紙基材や合成樹脂製基材からなる化粧シートが挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
[実施例1]
樹脂基材である厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ製PET−F)の蒸着層を設ける面に、プラズマ前処理装置を配置した前処理区画と成膜区画を隔離した連続蒸着膜成膜装置を用いて、前処理区画において下記プラズマ前処理条件下でプラズマ供給ノズルからプラズマを導入し、搬送速度600m/minでプラズマ前処理を施した。その後、連続搬送した成膜区画内で、プラズマ処理面上に下記条件において真空蒸着法の加熱手段として反応性抵抗加熱方式により、厚さ8nmの酸化アルミニウム含有蒸着膜層を形成した。
(プラズマ前処理条件1)
高周波電源出力:2kW
プラズマ強度:200W・sec/m
プラズマ形成ガス:酸素100(sccm)、アルゴン1000(sccm)
磁気形成手段:1000ガウスの永久磁石
前処理ドラム−プラズマ供給ノズル間印加電圧:420V
前処理区画の真空度:2.0×10−1Pa
(酸化アルミニウム成膜条件)
真空度:2.1×10−2Pa
波長366nmの光線透過率:88%
ここで、EVOH(エチレン共重合率29%)、イソプロピルアルコール、及びイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、テトラエトキシシラン(エチルシリケート40)、塩酸、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる予め調製した固形分4質量%の加水分解液を加え、攪拌した。さらに、ポリビニルアルコール水溶液、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる予め調製した混合液を加え、攪拌して、無色透明のバリアコート層形成用組成物を得た。続いて、PETフィルムの酸化アルミニウム含有蒸着膜層上に、バリアコート層形成用組成物をグラビアロールコート法によりコーティングし、次いで、ゾルゲル法によって、150℃で60秒間加熱し、前記組成物を重縮合させ、硬化させて、バリアコート層を形成した。
さらに、バリアコート層上に、主剤としてのウレタン樹脂/硝化綿系樹脂に硬化剤としてのイソシアネートを添加した2液硬化型ウレタン樹脂組成物をグラビア印刷法にて塗布し、プライマー層を形成した。また、PETフィルムの蒸着膜層と反対側の面にコロナ処理放電を施した後、主剤としてのウレタン樹脂/硝化綿系樹脂に硬化剤としてのイソシアネートを添加した2液硬化型ウレタン樹脂組成物を塗布し、プライマー層を形成して、防湿シート(層構成:プライマー層/樹脂基材/(プラズマ前処理1)/蒸着膜/バリアコート層/プライマー層)を得た。
[実施例2]
前処理区画において下記プラズマ前処理条件下でプラズマ供給ノズルからプラズマを導入し、搬送速度480m/minでプラズマ前処理を施した以外は実施例1と同様にして防湿シート(層構成:プライマー層/樹脂基材/(プラズマ前処理2)/蒸着膜/バリアコート層/プライマー層)を作製した。
(プラズマ前処理条件2)
高周波電源出力:4kW
プラズマ強度:550W・sec/m
プラズマ形成ガス:酸素100(sccm)、アルゴン1000(sccm)
磁気形成手段:1000ガウスの永久磁石
前処理ドラム−プラズマ供給ノズル間印加電圧:420V
前処理区画の真空度:2.0×10−1Pa
[比較例1]
プラズマ前処理を行わなかった以外は実施例2と同様にして防湿シート(層構成:プライマー層/樹脂基材/蒸着膜/バリアコート層/プライマー層)を作製した。
[比較例2]
プラズマ前処理の代わりに、有機層(アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体とイソシアネートを混合し形成された層)を設けた後に、有機層上に酸化アルミニウム含有蒸着膜層を形成した以外は実施例1と同様にして防湿シート(層構成:プライマー層/樹脂基材/有機層/蒸着膜層/バリアコート層/プライマー層)を作製した。
[比較例3]
PETフィルムの蒸着膜層と反対側の面にプライマー層を設けなかった以外は実施例2と同様にして防湿シート(層構成:樹脂基材/(プラズマ前処理2)/蒸着膜層/バリアコート層/プライマー層)を作製した。
[比較例4]
PETフィルムの両方の面にプライマー層を設けなかった以外は実施例2と同様にして防湿シート(層構成:樹脂基材/(プラズマ前処理2)/蒸着膜層/バリアコート層)を作製した。
<防湿シートの評価>
上記の各実施例および比較例で作製した防湿シートを用いて、下記の測定および評価を行った。
<Al−Cの共有結合の存在量測定>
PHI社製X線光電子分光装置(Quantum2000)を用いてX線源としてAlKα(1486.6eV)を使用し、出力120Wで、酸化アルミ含有蒸着膜とPET基材等のフィルム基材との界面の結合状態の分析を実施し、炭素−アルミニウム結合(AL−Cの共有結合)に由来する283.5±0.5eV(CISの結合エネルギー)の結合を含む蒸着膜とフィルムとの各種結合を測定して、Al−Cの共有結合の存在量を算出した。
<透湿度測定>
水蒸気透過度測定装置(モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パーマトラン(PERMATRAN)3/33〕)を用いて、調湿側がバリアコート層側となるようにプレス処理前の防湿シートをセットし、温度40℃湿度90%の条件にてJIS K 7126−2に準拠し、透湿度を測定した。また、防湿シートを110℃または130℃で2連式油圧成型機にて、圧力70kg/cmで、3秒間プレス処理した後に、同様に透湿度を測定した。
<バリアコート面側MDF密着性評価>
酢酸ビニル系接着剤(中央理科工業製BA−10/BA−11B)を防湿フィルムのバリアコート塗工面側に塗工し、MDFとラミネート後、1週間養生し、端面、及び裏面をアルミテープで封止した後、60℃湿度90%RH環境下1ヶ月後の剥離状態を評価した。密着性評価として、引張り試験機(エー・アンド・デー(株)製テンシロン)を使用して180度剥離試験を実施し、MDF材料破壊、または接着剤の凝集破壊が生じた場合を合格(○)とし、バリアコート層/接着剤界面で剥離が生じた場合を不合格(×)とした。
<層間密着性評価>
層間密着性評価として、防湿フィルムバリアコート塗工面側とCPPを耐加水分解性接着剤(ロックペイント製KT−0035/H−039Z2)を使用し貼り合わせ、プレッシャークッカー試験(115℃85%、1.4気圧)24時間後の180度層間密着強度を、引張り試験機(エー・アンド・デー(株)製テンシロン)を使用して評価した。層間強度は、水の存在下、180度剥離試験にて測定した。
<PET面側密着性評価>
床施工用接着剤(コニシ製KU−928R−W)を防湿フィルムPET面側に塗工し、パーチクルボード(PB)とラミネートした後、1週間養生し、60℃湿度90%RH環境下1ヶ月後の剥離常態を評価した。密着性評価として、引張り試験機(エー・アンド・デー(株)製テンシロン)を使用して180度剥離試験を実施し、施工要接着剤の凝集破壊が生じた場合を合格(○)とし、PET/接着剤界面で剥離が生じた場合を不合格(×)とした。
上記の測定結果および評価結果を表1に示す。
Figure 0006579439
1 プライマー層
2 樹脂基材
3 蒸着膜層
4 バリアコート層
10 防湿シート
11 木質系基材
12 接着剤層
13 化粧シート
20 建材
30 化粧材

Claims (5)

  1. プライマー層、樹脂基材、酸化アルミニウム含有蒸着膜層、バリアコート層、およびプライマー層をこの順に備える建材用防湿シートであって、
    前記樹脂基材と前記酸化アルミニウム含有蒸着膜層との界面にAL−Cの共有結合を含み、
    前記バリアコート層が、金属アルコキシドの加水分解生成物と水溶性高分子との硬化膜であり、
    JIS K 7126−2に準拠して測定した透湿度が0.5g/m 以下である、建材用防湿シート。
  2. 前記プライマー層が、2液硬化型ウレタン樹脂層である、請求項1に記載の建材用防湿シート。
  3. 前記酸化アルミニウム含有蒸着膜層中の前記AL−Cの共有結合の存在量が、X線光電子分光法により測定(測定条件:X線源AlKα、X線出力120W)したCを含む全結合中5%以上で25%以下である、請求項1または2に記載の建材用防湿シート。
  4. 木質系基材と、
    前記木質系基材の片面または両面に、請求項1〜のいずれか一項に記載の建材用防湿シートと
    を備える、建材。
  5. 請求項に記載の建材と、
    前記建材の片面または両面に化粧シートと
    を備える、化粧板。
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