JP5754582B2 - プリコート用ハンダペースト - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品などを搭載したプリント基板へ、ウエハをハンダなどの材料を用いてフリップチップ実装する際に、接合用のハンダなどの材料を形成する前にプリント基板やウエハの電極パッドに対しプリコートすることに好適なプリコート用ハンダペーストに関するものである。
近年、電子機器では小型軽量化を目的に高密度実装の開発が進められている。中でもフリップチップ実装(以下、FC実装)は、回路基板上に複数のシリコンチップを配置できるため、理想的な高密度実装が可能となる。このFC実装において、バンプと称される突起物を介して、ウエハとインターポーザーと言われるプリント基板、さらにはインターポーザーとマザーボード基板とが接合される。前者に用いられるバンプを一般的にインナーバンプと称し、後者をアウターバンプと称する。
このFC実装では、銅(Cu)下地膜等で形成されたハンダ付け部(パッド部)にハンダボールやハンダペーストの印刷により、突起電極となるバンプを形成するが、ハンダ付け部表面の酸化防止およびハンダボールの濡れ性向上等のため、銅(Cu)の上に錫(Sn)や銀(Ag)を浸漬めっき、または、無電解ニッケル(Ni)/パラジウム(Pd)/金(Au)や無電解ニッケル(Ni)/金(Au)めっきを行なう、もしくは予めハンダ付け部表面にプリコート用ハンダペーストを印刷等で塗り、リフローすることによってハンダをプリコートすることが行われている。
ただし、ここで定義するプリコート用ハンダペーストとは、インナーバンプ及びアウターバンプのパッド部の表面を予めコートするハンダ材料であり、それがペースト状であるものとする。
このプリコート用ハンダペーストとして、従来、例えば特許文献1には、含有されるハンダ粉末が錫および鉛の共晶タイプとされ、このハンダ粉末の中心径が3μm以上4μm以下とされたハンダ組成物が記載されている。また、特許文献2には、63Sn−Pbまたは63Sn−2Ag−Pbのハンダ粉末をペースト状フラックスと混練されたプリコート用ソルダーペーストが記載されている。
一方、電子部品の微細化と共に接合部品のファインピッチ化も進んでいることから、例えば特許文献3には、体積累積頻度が50%に達する粒径(D50)が5μm以下の範囲内にある錫粉末に、銀、銅、ニッケルまたはゲルマニウム等の、錫とは異なる種類の金属から構成され、粒径(D50)が錫粉末の粒径(D50)よりも小さい0.5μm以下の範囲内にある金属粉末を少なくとも1種以上添加混合して得られたハンダ粉末が提案されている。このハンダ粉末は、近年のファインピッチ化に対応すると共に、ファインピッチ用基板への印刷性に優れている。
特開2008−221304号公報(請求項1、段落番号0018) 特開平8−281472号公報(請求項1、段落番号0025,0027) 特開2009−190072号公報(請求項1,2、段落番号0009,0010) 特開2004−18956号公報(請求項1、段落0002) 特開平6−264116号公報(請求項1、段落0016、第3図) 特許第3744519号公報
皆川和己、垣澤英樹、木村隆、馬苣生、唐捷、原田幸明、「鉛フリー微細球状粉末の新たな製造方法」、第12回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術、社団法人溶接学会、平成18年2月、p.113〜p.118
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、特許文献1および2に記載のプリコート用ハンダペーストでは、鉛(Pb)を含有するハンダ粉末を用いており、環境の面から好ましくない。現在、電子部品の接合に用いるハンダは、鉛フリー化が進められており、バンプとなるハンダボールについても、錫を主成分とするハンダ粉末が多く採用され、プリコート用ハンダペーストについても鉛フリー化が要望されている。また、特許文献3では、鉛フリーで近年のファインピッチ化にも十分に対応したハンダ粉末が提案されているが、銀等の単一金属がそのまま添加されているため、リフロー時の溶融性および濡れ性の面でさらなる改良が望まれている。特に、プリコート用として、Cuの下地膜との濡れ性や平滑性に優れたハンダ膜が得られるハンダペーストが要望されている。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ファインピッチ化に対応でき、鉛フリーでリフロー時の濡れ性、平滑性や下地金属への表面被覆性に優れたプリコート用ハンダペーストを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のプリコート用ハンダペーストは、ハンダ粉末とフラックスとを混合したプリコート用ハンダペーストであって、前記ハンダ粉末は、1種類、又は2種類以上の金属粉末を含有し、前記金属粉末は、それぞれ金属種が異なる中心核と、前記中心核を被覆する被覆層とを有し、平均粒径が0.1μm以上5μm以下であって、前記中心核が、銀、銅、亜鉛、ビスマス、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、コバルトまたは金の単一の金属からなり、前記被覆層が、錫からなることを特徴とする。
このプリコート用ハンダペーストでは、中心核が、銀、銅、亜鉛、ビスマス、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、コバルトまたは金の単一の金属からなり、被膜層が、錫からなり、中心核の金属種が異なる1種類、又は2種類以上の金属粉末を含有し、含有する金属粉末がいずれも中心核を錫によって被覆されており、単一金属からなる金属粉末がそのまま要素粉として添加された従来のハンダ粉末に比べ、リフロー時における前記中心核と錫との接触面積が大きくなる。そのため、従来のハンダ粉末に比べて溶融性および下地膜に対する濡れ性が良好になると共に、局所的な組成の偏りを抑制できる。したがって、本発明のプリコート用ハンダペーストを用いると、下地膜に対する良好な濡れ性によりリフロー後のプリコートハンダは薄く均一で平滑性、下地金属への表面被覆性に優れ、ハンダボールの搭載等によるバンプ形成に好適である。
なお、錫よりも融点が高い単一金属を中心核とする場合には、上述の効果に加え、融点の高い中心核を融点の低い錫にて被覆することにより、金属粉末の溶融性向上に寄与することができる。
また、インナーバンプ用のプリコートでは、小さい面積に薄く形成する必要があるため、従来のプリコート用ハンダペーストでは対応が困難であった。このため、インナーバンプ用のプリコートは、従来、めっき法やスパッタ法を用いて形成されていたが、ハンダペーストを用いた簡易なプリコートが要望されていた。これに対し、本発明のプリコート用ハンダペーストは、上述のような優れた特性を有するため、従来ハンダペーストでは対応できなかったインナーバンプに対しても、良好なプリコートを施すことができる。
電子部品接合に用いられるハンダは環境の面から鉛フリー化が進められ、現在では、錫を主成分としたハンダ粉末が採用されている。ハンダ粉末のような微細な金属粉末を得る方法としては、ガスアトマイズ法や回転ディスク法などといったアトマイズ法や、メルトスピニング法、回転電極法などといった機械的プロセスによる方法が知られている。ガスアトマイズ法は、誘導炉やガス炉で金属を溶融した後、金属を溶融した溶湯を貯えるタンディッシュと呼ばれる容器の底のノズルから溶融金属を流下させ、その周囲より高圧ガスを吹き付けて粉化する方法である。回転ディスク法とも呼ばれる遠心力アトマイズ法は、溶融した金属を高速で回転するディスク上に落下させて、接線方向に剪断力を加えて破断して微細粉を作る方法である。
一方、電子部品の微細化とともに接合部品のファインピッチ化も進んでおり、より微細な粒径のハンダ粉末が求められているため、こうしたファインピッチ化に向けた技術の改良も盛んに行われている。例えば、ガスアトマイズ法を改良した技術として、ガスを巻き込ませた状態の金属溶湯をノズルから噴出させ、このノズルの周囲から高圧ガスを吹き付けることを特徴とする金属微粉末の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4) 。この文献に開示された方法によれば、溶湯がノズルを通過する際にガスを巻き込ませることによって、ノズルから出湯した時点で溶湯がすでに分断され、より小さな粉末を製造することができる。
また、回転ディスク法を改良した技術として、回転体に金属微粉末サイズ調整手段としてのメッシュを配し、このメッシュを通して溶融金属を飛散させる金属微粉末の製法が開示されている(例えば、特許文献5)。この文献に開示された方法によれば、従来の回転ディスク法に比べて微細な金属微粉末を効率良く生成できる。さらに、ガスアトマイズ法と回転ディスクとを組み合わせた技術が提案されている(例えば、非特許文献1)。これらとは別の微粉末作製に適した方法として、液体金属に圧力を加え、多孔質膜から接している液体連続相中に液体金属を分散させる技術(例えば、特許文献6)が知られている。
上述の粉末合成法は、何れも気相及び油相中に溶融した合金を粒子化させる手法であり、得られる粉末粒子の形状は表面積を最小にする為、球形となる。また、得られる粉末粒子の粒度分布は比較的広い分布を有するため、必要に応じて、所望の粒度に分級を行なう必要がある。
これに対して、本発明で用いる粉末合成方法は、金属粉末を中心核としてSnイオンを析出させることにより粉末を得る手法であり、粉末粒子形状は球形ではなく多面体となる。また、粉末粒子の粒度分布は狭い分布となるため、分級を行なうことなく、高い歩留りにて所望の粒度の粉末を得ることが出来る。
金属粉末の平均粒径を上記範囲に設定した理由は、5μmを超えるとリフロー時に十分な平滑性が得られず、0.1μm未満であると、金属粉末の表面積が大きくなり、酸化された金属粉末表面のSn(錫)を還元するためにフラックスが多く必要になってしまうためである。
なお、本明細書において、粉末の平均粒径とは、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置(堀場製作所社製、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950)にて測定した体積累積中位径(Median径:D50)、すなわち体積累積頻度が50%に達する粒径をいう。
また、本発明のプリコート用ハンダペーストは、前記ハンダ粉末が、30〜80質量%含有されていることを特徴とする。
このプリコート用ハンダペーストでは、ハンダ粉末が、30〜80質量%含有されているので、リフロー時の十分な厚さのハンダ膜と印刷時の良好な平滑性とを得ることができる。すなわち、ハンダ粉末が30質量%未満であると、ハンダ粉末がハンダ用フラックスに対して少なすぎてリフロー時に必要な厚さのハンダ膜が得られず、80質量%を超えると、ハンダ粉末がハンダ用フラックスに比べて多すぎて印刷時に良好な平滑性を得ることができない。
また、本発明のプリコート用ハンダペーストは、前記中心核の金属種が異なる金属粉末の各含有割合が前記ハンダ粉末の全体量100質量%に対し、10質量%以上であることが好ましい。
すなわち、プリコート用ハンダペーストでは、中心核の金属種が異なる金属粉末の各含有割合がハンダ粉末の全体量100質量%に対し、10質量%未満であると、一箇所のプリコートハンダに対して、混合した一粉末粒子が組成に大きく影響し、これにより、形成後のプリコートハンダにおいて、組成の均一性に問題が生じるからである。
また、本発明のプリコート用ハンダペーストは、前記ハンダ粉末が、多面体であることを特徴とする。
すなわち、このプリコート用ハンダペーストでは、ハンダ粉末が多面体であるので、粒子同士が面で接触する為、粒子同士が点接触の球形粒子と比較して印刷後及びリフロー中において印刷直後の形状を維持することができる。したがって、本発明のプリコート用ハンダペーストを用いることにより、印刷直後の形状を維持することが可能であることから、リフロー後のプリコート用ハンダは薄く均一で平滑性、下地金属への表面被覆性に優れ、次の工程のハンダボールの搭載等によるバンプ形成に好適である。更に、インナーバンプ用としても用いることができ、従来のめっき法やスパッタ法といった複雑な工程を経ることなく、下地膜へのハンダ濡れ性の良い膜の形成が可能となる。
また、本発明のプリコート用ハンダペーストは、各金属元素の含有割合がハンダ粉末の全体量100質量%に対して所定の範囲とされていることが好ましい。
すなわち、銀を含むとき銀の含有割合は0.1〜10質量%であり、銅を含むとき銅の含有割合は0.1〜2.0質量%であり、亜鉛を含むとき亜鉛の含有量は0.1〜20質量%であり、ビスマスを含むときビスマスの含有割合は0.1〜10質量%であり、ゲルマニウムを含むときゲルマニウムの含有割合は0.01〜0.5質量%であり、ニッケルを含むときニッケルの含有割合は0.01〜0.5質量%であり、インジウムを含むときインジウムの含有割合は0.1〜10質量%であり、コバルトを含むときコバルトの含有割合は0.1〜10質量%であり、金を含むとき金の含有割合は1〜90質量%であることが好ましい。
このプリコート用ハンダペーストにおいて、上記各金属元素の含有割合を上記各範囲とした理由は、共晶点から組成が大きくずれることによるハンダ粉末の溶融温度の上昇を防止するためである。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るプリコート用ハンダペーストによれば、中心核が、銀、銅、亜鉛、ビスマス、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、コバルトまたは金の単一の金属からなり、被覆層が、錫からなるので、下地膜に対して高い濡れ性により良好な表面被覆性(カバレッジ性)が得られると共に薄く均一で平滑性に優れ、次工程のハンダボールの搭載等によるバンプ形成に好適である。更に、インナーバンプ用としても用いることができ、従来のめっき法やスパッタ法といった複雑な工程を経ることなく、下地膜へのハンダ濡れ性の良い膜の形成が可能となる。
したがって、本発明のプリコート用ハンダペーストを用いてプリコートハンダを形成すれば、ファインピッチ化されても良好にハンダバンプを形成することができると共に、良好なハンダ接合を得ることができる。
本発明に係るプリコート用ハンダペーストの一実施形態において、互いに異なる金属種の中心核を持つ第1の粉末および第2の粉末を示す概念的な断面図である。 本実施形態において、プリコート用ハンダペーストを用いたプリコートハンダの製造方法を工程順に示した断面図である。 本実施形態において、プリコートハンダを形成したヒートシンク基板におけるハンダバンプの製造および半導体チップの実装の方法を工程順に示した断面図である。 本実施形態において、プリコートハンダを形成したヒートシンク基板におけるハンダバンプの製造および半導体チップの実装の方法を工程順に示した断面図である。 本発明に係るプリコート用ハンダペーストの実施例において、ハンダ粉末を示す電子顕微鏡による画像である。 本発明に係るプリコート用ハンダペーストの比較例において、ハンダ粉末を示す電子顕微鏡による画像である。
以下、本発明に係るプリコート用ハンダペーストの一実施形態を、図1から図3を参照して説明する。
本実施形態のプリコート用ハンダペーストは、ハンダ粉末とハンダ用フラックスとを混合しペースト化することにより得られたプリコート用ハンダペーストであって、ハンダ粉末が、図1に示すように、1種類、又は2種類以上の金属粉末を含有し、金属粉末は、それぞれ金属種が異なる中心核1A,1Bと、中心核1A,1Bを被覆する被覆層2とを有し、平均粒径が0.1μm以上5μm以下であって、中心核1A,1Bが、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、ゲルマニウム(Ge)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、コバルト(Co)または金(Au)の単一の金属からなり、被覆層2が、錫からなる。
また、本発明のプリコート用ハンダペーストにおいて、上記ハンダ粉末は、30〜80質量%含有され、中心核の金属種が異なる金属粉末の各含有割合がハンダ粉末の全体量100質量%に対し、それぞれ10質量%以上とされている。
次に、本発明のハンダ粉末の製造方法の一例について、詳細な手順とともに説明する。先ず、溶媒に、錫イオンとして溶解する錫化合物を添加し、スターラーを用いて、好ましくは回転速度100〜500rpmにて10〜30分間攪拌することにより錫イオンを含む水溶液を調製する。溶媒としては、水又はpHを0.5〜2に調整した塩酸水溶液、硝酸水溶液、硫酸水溶液等が挙げられる。錫イオンとして溶解する錫化合物には、塩化錫(II)、硝酸錫(II)、硫酸錫(II)等が挙げられる。
また、錫イオンを含む水溶液中の錫イオンの濃度は、0.05〜3モル/Lの範囲内とするのが好ましい。下限値未満では、錫イオンの濃度が希薄なため、反応が極めて遅くなり、定量的に反応が終了しないからである。一方、上限値を越えると、錫イオンを含む水溶液と還元剤水溶液の均一な混合に時間がかかるため、反応が局所的に進むことによって粒径が不均一になる傾向があることから好ましくない。上記調製した錫イオンを含む水溶液のpHを調整し、更に分散剤を添加する。錫イオンを含む水溶液のpHは、還元反応によって析出した金属等の再溶解を防ぐため、0.5〜2の範囲に調整するのが好ましい。分散剤としては、セルロース系、ビニル系の分散剤、或いは多価アルコール等が挙げられ、その他にゼラチン、カゼイン、ポリビニルピロリドン(PVP)等を用いることができる。分散剤の添加量は、好ましくは0.001〜15質量%の範囲である。分散剤を添加した後、更にスターラーを用いて、好ましくは回転速度100〜500rpmにて1〜30分間攪拌する。
次に、金属イオンを溶解し、かつ金属微粉末を分散させた分散液を調製する。溶媒に、金属微粉末を添加し、超音波ホモジナイザを用いて分散させる。金属微粉末を構成する金属種は銀、銅、亜鉛、ビスマス、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、コバルトまたは金の金属のいずれかである。金属微粉末の平均粒径は、0.1〜4μmの範囲が好ましい。添加する金属微粉末の平均粒径を上記範囲としたのは、0.1μm未満では、錫イオンの還元反応における核が小さくなり、得られるハンダ粉末の平均粒径が1μmを下回り、4μmを越えると、錫イオンの還元反応における核が大きくなり、得られるハンダ粉末の平均粒径が5μmを上回るためである。
金属微粉末の添加量と金属イオンの添加量との和が、製造するハンダ粉末100質量%に対して、0.01〜20質量%の範囲となるように金属微粉末及び金属イオンを添加する。金属微粉末の添加量と金属イオンの添加量との和を上記範囲としたのは、0.01質量%未満では、還元反応時における単位体積当たりの核の数が少なくなり、得られるハンダ粉末の平均粒径が5μmを上回るためであり、20質量%を越えると、還元反応時の単位体積当たりの核の数が多くなり、得られるハンダ粉末の平均粒径が1μmを下回り、ハンダ粉末を粒径制御する効果がなくなるためである。
そして、この分散液に錫以外の元素から構成された金属イオンとして溶解する金属化合物を溶解させる。金属イオンを構成する金属種は、上記金属微粉末を構成する金属種と同一元素であり、銀、銅、亜鉛、ビスマス、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、コバルトまたは金のいずれかである。使用されるコバルト化合物としては、塩化銅(II)、硫酸銅(II)または酢酸銅等が挙げられる。亜鉛化合物としては、塩化亜鉛(II)、硫酸亜鉛(II)、硝酸亜鉛(II)等が挙げられる。ビスマス化合物としては、塩化ビスマス(III)、硫酸ビスマス(III)または硝酸ビスマス(III)等が挙げられる。ゲルマニウム化合物としては、塩化ゲルマニウム(II)またはβ−カルボキシエチルゲルマニウム等が挙げられる。ニッケル化合物としては、塩化ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)六水化物または硝酸ニッケル(II)六水化物等が挙げられる。インジウム化合物としては、塩化インジウム、硝酸インジウムまたは硫酸インジウム等が挙げられる。コバルト化合物としては、塩化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)または硝酸コバルト(II)等が挙げられる。金化合物としては、テトラクロロ金(III)酸等が挙げられる。
また、金属微粉末の添加量と金属イオンの添加量との質量比が1〜300の範囲となるように金属微粉末及び金属イオンを添加する。金属微粉末の添加量と金属イオンの添加量との比率を上記範囲としたのは、上記比率が1未満では還元反応時における単位体積当たりの核の数が多くなり、得られるハンダ粉末が1μmを下回り、上記比率が300を越えると還元反応時の単位体積当たりの核の数が少なくなり、得られるハンダ粉末が5μmを上回り、ハンダ粉末を粒径制御する効果がなくなるためである。更に、分散剤を添加することにより、金属イオンが溶解した金属微粉末分散液を調製する。分散剤は上記錫イオンを含む水溶液の説明で挙げた分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は、好ましくは金属微粉末100質量%に対して、0.001〜15質量%の範囲である。分散剤を添加した後、更にスターラーを用いて、好ましくは回転速度100〜500rpmにて1〜30分間攪拌する。
次に、還元剤を溶解した水溶液を調製する。還元剤としては、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン等のホウ素水素化物、ヒドラジン等の窒素化合物、三価のチタンイオンや2価クロムイオン等の金属イオン等が挙げられるが、酸化還元反応が可逆的であり、再利用が比較的容易であることから、2価クロムイオンを用いるのが特に好ましい。2価クロムイオンは不安定であるため、これを還元剤に用いる場合は、上記錫イオンを含む水溶液及び金属微粉末分散液と混合する直前にその都度調製するのが好ましい。
例えば、錫イオンを含む水溶液及び金属微粉末分散液と混合する直前に、塩化第二クロム溶液を非酸化性雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で金属亜鉛に接触させて2価クロムイオンに還元し、塩化第一クロム溶液としたものを用いればよい。この水溶液のpHは、還元反応によって析出した金属等の再溶解を防ぐこと、及びクロムの水酸化物の生成を防ぐために、上記調製した錫イオンを含む水溶液と同程度、即ち0.5〜2の範囲に調整するのが好ましい。
次に、上記錫イオンを含む水溶液、金属イオンが溶解した金属微粉末分散液及び還元剤水溶液を混合する。先ず、錫イオンを含む水溶液と金属イオンが溶解した金属微粉末分散液とをスタティックミキサー等を用いて混合する。続いて、上記錫イオンを含む水溶液と金属イオンが溶解した金属微粉末分散液との混合液と還元剤水溶液とを反応容器にそれぞれ送液する。スターラー及び攪拌子にて反応容器内に供給された錫イオンを含む水溶液と金属イオンが溶解した金属微粉末分散液と還元剤水溶液との混合液を一定時間、攪拌混合する。このとき、回転速度50〜500rpmにて5〜15分間攪拌するのが好ましい。
上記撹拌混合で錫イオンの還元反応が生じるが、この還元反応時に、錫以外の元素から構成された金属イオンを存在させることにより、この金属イオンが錫イオンよりも先に還元されて自己核形成し、錫イオンの還元反応においてその核を中心として錫が成長する。また、混合液中に錫以外の元素から構成された金属微粉末を存在させることにより、錫イオンの還元反応において金属微粉末を核としてこの核を中心に錫が成長する。これにより、この還元反応により析出した粉末が分散する分散液が得られる。
最後に、この分散液を、デカンテーション等によって固液分離し、回収した固形分を水又はpHを0.5〜2に調整した塩酸水溶液、硝酸水溶液、硫酸水溶液、或いはメタノール、エタノール、アセトン等で洗浄する。洗浄後は、再度固液分離して固形分を回収する。洗浄から固液分離までの工程を、好ましくは2〜5回繰り返した後、回収した固形分を真空乾燥させることにより、ハンダ粉末を得ることができる。
以上の工程により、ファインピッチ化に対応し得る平均粒径が1〜5μmの範囲内に粒径制御された微細なハンダ粉末を、湿式還元法による簡便な方法で歩留まり良く製造することができる。
以上の工程で得られたハンダ粉末は、ハンダ用フラックスと混合してペースト化し、本実施形態のプリコート用ハンダペーストとする。なお、上記ハンダ用フラックスとしては、例えば、市販フラックスのRA(活性)またはRMA(弱活性)のものが採用される。
このプリコート用ハンダペーストの調製は、ハンダ用ペーストを20〜70質量%混合してペースト化することで行われる。すなわち、上記ハンダ粉末が、30〜80質量%含有されるように調製される。
また、中心核の金属種が異なる金属粉末の各含有割合がハンダ粉末の全体量100質量%に対し、それぞれ10質量%以上に設定される。
なお、ハンダ粉末において、各金属元素の含有割合がハンダ粉末の全体量100質量%に対して所定の範囲とされていることが好ましい。
すなわち、銀を含むとき銀の含有割合は0.1〜10質量%であり、銅を含むとき銅の含有割合は0.1〜2.0質量%であり、亜鉛を含むとき亜鉛の含有量は0.1〜20質量%であり、ビスマスを含むときビスマスの含有割合は0.1〜10質量%であり、ゲルマニウムを含むときゲルマニウムの含有割合は0.01〜0.5質量%であり、ニッケルを含むときニッケルの含有割合は0.01〜0.5質量%であり、インジウムを含むときインジウムの含有割合は0.1〜10質量%であり、コバルトを含むときコバルトの含有割合は0.1〜10質量%であり、金を含むとき金の含有割合は1〜90質量%であることが好ましい。
このように各金属元素の含有割合を上記各範囲に限定した理由は、共晶点から組成が大きくずれることによるハンダ粉末の溶融温度の上昇を防止するためである。
例えば、ハンダ粉末が、図1に示すように、銀を中心核1Aの金属とする第1の粉末3Aと銅を中心核1Bの金属とする第2の粉末3Bとの混合粉末である場合、銀の含有割合をハンダ粉末の全体量100質量%に対して0.1〜10質量%とし、銅の含有割合をハンダ粉末の全体量100質量%に対して0.1〜2.0質量%とする。
次に、本実施形態のプリコート用ハンダペーストを用いて、バンプを基板上に形成する方法を説明する。
まず、図2の(a)に示すように、プリント基板等の基板4上にハンダ付け部以外を覆うように所定パターンのレジスト5を形成し、ハンダ付け部に露出した基板4上にCuの下地膜6を形成する。次に、図2の(b)に示すように、ハンダ付け部の下地膜6上を除いた部分(レジスト5上)をメタルマスク7で覆い、スキージ8を用いて下地膜6上に本実施形態のプリコート用ハンダペースト9を埋め込むようにして印刷する。そして、図2の(c)に示すように、メタルマスク7を取り除く。次に、図2の(d)に示すように、リフローを行いプリコート用ハンダペースト9のハンダ粉末を溶融させ、下地膜6上にプリコートハンダ10を形成する。
例えば、基板4がプリント基板の場合、図3の(a)に示すように、プリント基板へ実装されるアウター側の面4aと半導体チップICを実装するインナー側の面4bとの両面に対して上記の方法でハンダ付け部にプリコートハンダ10が形成される。
この後、図3の(b)に示すように、インナー側の面4bでは、メタルマスク(図示省略)で覆い、スキージを用いてハンダペーストPを印刷する。続いて、図3の(c)に示すように、リフローを行うことでバンプ15を形成する。次に、図4の(a)に示すように、半導体チップICが配置され、各バンプ15に半導体チップICのバンプ13が接触した状態でリフローが行われて、図4の(b)に示すように、ハンダ接合部14が形成される。
そして、アウター側の面4aのプリコートハンダ10には、図4の(a)に示すように、例えばSn−Ag−Cuで形成されたハンダボール11をプリコートハンダ10表面にマウントして接触させた状態で、リフローを行うことで、図4の(b)に示すように、ハンダボール11とプリコートハンダ10とが互いに溶融してバンプ12が下地膜6上に形成される。
なお、上記印刷条件およびリフロー条件は、例えば以下のように設定される。
ベルト式リフロー炉を使用し、窒素雰囲気とすると共に酸素濃度を50〜100ppmとする。また、温度プロファイルは、ハンダ溶融温度:T℃に対して、プレヒート部は温度:T−50℃〜T−30℃、保持時間:30〜60secに、また、本ヒート部は温度:T+30℃〜T+50℃、保持時間:30〜60secとなるように設定する。
このように本実施形態のプリコート用ハンダペースト9では、中心核が、銀、銅、亜鉛、ビスマス、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、コバルトまたは金の単一の金属からなり、被覆層2が、錫からなり、中心核の金属種が異なる1種類、又は2種類以上の金属粉末を含有し、含有する金属粉末がいずれも中心核を錫によって被覆されており、単一金属からなる金属粉末がそのまま添加された従来のハンダ粉末に比べ、リフロー時における粉末同士の接触面積が非常に大きくなる。そのため、従来のハンダ粉末に比べて溶融性および濡れ性が非常に良いと共に、局所的な組成の偏りが非常に少ない。したがって、本実施形態のプリコート用ハンダペースト9は、下地膜6に対して高い濡れ性により良好な表面被覆性(カバレッジ性)が得られると共に薄く均一で平滑性に優れ、ハンダボール11の搭載等によるバンプ形成に好適である。更に、インナーバンプ用としても用いることができ、従来のめっき法やスパッタ法といった複雑な工程を経ることなく、下地膜へのハンダ濡れ性の良い膜の形成が可能となる。
また、ハンダ粉末が、30〜80質量%含有されているので、リフロー時の十分な厚さのハンダ膜と印刷時の良好な平滑性とを得ることができる。
さらに、中心核の金属種が異なる金属粉末の各含有割合がハンダ粉末の全体量100質量%に対し、それぞれ10質量%以上とすることで、プリコートハンダ10において良好な組成均一性を得ることができる。
また、ハンダ粉末が多面体であるので、粒子同士が面で接触する為、粒子同士が点接触の球形粒子と比較して印刷後及びリフロー中において印刷直後の形状を維持することができる。したがって、本実施形態のプリコート用ハンダペーストを用いることにより、印刷直後の形状を維持することが可能であることから、リフロー後のプリコート用ハンダは薄く均一で平滑性、下地金属への表面被覆性に優れ、次工程のハンダボールの搭載等によるバンプ形成に好適なプリコート用ハンダとなる。更に、インナーバンプ用としても用いることができ、従来のめっき法やスパッタ法といった複雑な工程を経ることなく、下地膜へのハンダ濡れ性の良い膜の形成が可能となる。
次に、上記実施形態のプリコート用ハンダペーストを実際に作製した実施例、比較例の評価結果について説明する。
「実施例1」
まず、本発明の実施例の製造方法について説明する。
本実施例は、まず、水1000mLに塩化錫(II)1.2molを溶解させ塩酸にてpHを0.2に調整し、セルロース系分散剤4.5gを加えSnイオン溶液とする。平均粒径0.3μmの銀粉末0.084molを水1000mLに超音波ホモジナイザにて分散した後、この溶液にセルロース系分散剤4.5gを加え、Ag微粉末分散液とする。
Snイオン溶液、Ag微粉末分散液及び還元剤であるCr2+をそれぞれ容器へ送液し、還元反応を進行させハンダ粉末分散液を得る。還元反応終了後、分散液を60分間静置してハンダ粉末を沈降させ、上澄み液を捨て、ここに水1000mLを加え300rpmにて10分間攪拌する操作を4回繰返すことで洗浄を行った。その後、真空乾燥機にて乾燥し平均粒径2.0μm、Ag6.0wt%の第1の粉末を得た。
次に、Ag微粉末をCu微粉末に変更し、平均粒径0.25μmの銅粉末0.023molを用いたこと以外はAg微粉末と同様の方法により、平均粒径1.8μm、Cu1.0wt%の第2の粉末を得た。
上記得られた両粉末を質量比で、1:1で混合することにより、混合後の粉末の全体量100質量%に対し、各金属粉末がそれぞれ50質量%ずつ含まれるハンダ粉末を得た。得られたハンダ粉末を組成分析したところ、Snが96.5質量%、Agが3.0質量%、Cuが0.5質量%であった。なお、ハンダ粉末中の金属含有量は、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)により測定した。
次に、市販のRAまたはRMAタイプのフラックスと上記ハンダ粉末とを、ハンダ粉末:フラックス=70質量%:30質量%の混合比で混練することにより、いずれも粘度:約90Pa・sを有するプリコート用ハンダペーストを作製した。
これら実施例のプリコート用ハンダペーストをパターン形成されたメタルマスク(開口径:400μm、厚み:20μm)を用いて、基板のCu上に印刷した。その後、ベルト炉を使用し、窒素雰囲気中、最大温度240℃の条件のリフロー処理を行った。さらに、形成された1000個のパターンについて、溶融性、Cuへの濡れ広がり(表面被覆性)、形状および厚み(凹凸度)を測定した。
「実施例2〜35、比較例1〜6」
実施例2〜35、比較例1〜6については、表1の粉末合成条件及び表2のペースト組成にしたこと以外は、実施例1と同様にして粉末合成、ペースト作製及び評価を行った。評価結果については、表2のペースト組成及び評価結果一覧(1)に纏めた。
「実施例36」
パターンが形成されたメタルマスク(開口径:100μm、厚み:20μm)を用いて、基板のCu上に印刷したこと以外は、実施例1と同様にして粉末合成、ペースト作製し、評価を行った。
本実施例は実施例1に比べてマスクの開口径が1/4としており、インナーバンプ用へのプリコートを意図したものある。
「実施例37〜44、比較例7〜8」
実施例37〜44、比較例7〜8については、表1の粉末合成条件及び表3のペースト組成にしたこと以外は、実施例36と同様にして、粉末合成、ペースト作製し、評価を行った。評価結果については、表3のペースト組成及び評価結果一覧(2)に纏めた。
「比較例9」
ガスアトマイズ法により粒径が5.0μmのSnAgCu合金粉末(Sn−3.0wt%Ag−0.5wt%Cu)を作製した。
次に、市販のRAまたはRMAタイプのフラックスと上記ハンダ粉末とを、ハンダ粉末:フラックス=70質量%:30質量%の混合比で混練することにより、いずれも粘度:約90Pa・sを有するプリコート用ハンダペーストを作製した。
これら実施例のプリコート用ハンダペーストをパターン形成されたメタルマスク(開口径:400μm、厚み:20μm)を用いて、基板のCu上に印刷した。その後、ベルト炉を使用し、窒素雰囲気中、最大温度240℃の条件のリフロー処理を行った。さらに、形成された1000個のパターンについて、溶融性、Cuへの濡れ広がり(表面被覆性)、形状および厚み(凹凸度)を測定した。
「比較例10」
ガスアトマイズ法により粒径が2.0μmのSnAgCu合金粉末(Sn−3.0wt%Ag−0.5wt%Cu)を作製したこと以外は、比較例19と同様にペースト作製及び評価を行った。
ペースト組成及び評価結果一覧(3)を表4に纏めた。
溶融性評価については、溶融後のハンダ表面に占める未溶融ハンダの占有面積比とし、占有面積比が0%以上20%未満の場合をGood、20%以上60%未満の場合をFair、60%以上100%以下の場合をBadとした。
また、表面被覆性については下地金属表面に占める溶融後のハンダの占有面積比とし、占有面積比が0%以上70%未満の場合をBad、70%以上90%未満の場合をFair、90%以上100%以下の場合をGoodとした。
さらに、凹凸度については、0μm以上6μm未満の場合をGood、6μm以上11μm未満の場合をFair、11μm以上の場合をBadとした。
なお、溶融後のハンダ表面の凹凸度の評価方法は、まずレーザ顕微鏡(キーエンス社VK−9700)を用いてプリコートハンダの3次元形状を測定する。次に、プリコートハンダの中心を通る断面形状のプロファイルを球面補正(理想球面を直線に変換する機能)し、補正後のプロファイルの最も高い位置と最も低い位置との差を凹凸度とした。
これらの結果から判るように、本発明の実施例は、いずれも良好な溶融性、表面被覆性および凹凸度を有している。
次に、本発明の実施例2のハンダ粉末をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮像した画像を図5に示す。また、比較例7のハンダ粉末についても同様にSEMで撮像した画像を図6に示す。これらの画像から判るように比較例のハンダ粉末は球形であるのに対し、本発明の実施例のハンダ粉末は、種々の形態の多面体で構成されている。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本発明のプリコート用ハンダペーストは、バンプ形成やハンダ接合のためのプリコートハンダ用のハンダペーストとして利用でき、微細な電子部品の実装に好適に用いることができる。
1A,1B…中心核、2…被覆層、3A…第1の粉末、3B…第2の粉末

Claims (3)

  1. ハンダ粉末とフラックスとを混合したプリコート用ハンダペーストであって、
    前記ハンダ粉末は2種類以上の金属粉末を含有し、
    前記金属粉末は、それぞれ金属種が異なる中心核と、前記中心核を被覆する被覆層とを有し、平均粒径が0.1μm以上5μm以下であって、
    前記中心核が、銀、銅、亜鉛、ビスマス、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、コバルトまたは金の単一の金属からなり、
    前記被覆層が、錫からなり、
    前記ハンダ粉末が、多面体であることを特徴とするプリコート用ハンダペースト。
  2. 請求項1に記載のプリコート用ハンダペーストにおいて、
    前記ハンダ粉末が、30〜80質量%含有されていることを特徴とするプリコート用ハンダペースト。
  3. 請求項1または2に記載のプリコート用ハンダペーストにおいて、
    前記中心核の金属種が異なる金属粉末の各含有割合が前記ハンダ粉末の全体量100質量%に対し、10質量%以上であることを特徴とするプリコート用ハンダペースト。
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