JP2006225692A - スズコート銅粉及び当該スズコート銅粉を用いた複合導電性ペースト - Google Patents

スズコート銅粉及び当該スズコート銅粉を用いた複合導電性ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】 特に無鉛半田代替用の複合導電性金属粉末として、粒径が5μm以下の微粒であって、分散性に優れ、低温焼結が可能な導電部を形成することができるスズコート銅粉を提供する。
【解決手段】 銅粉の粒子をコア材として用い、当該粒子の表面にスズコート層を備えたスズコート銅粉であって、平均粒径の値が0.1μm〜5μmの銅粉の粒子をコア材とし、当該銅粉の粒子表面に40wt%〜70wt%のスズコート層を備えることを特徴とするスズコート銅粉を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スズコート銅粉及び当該スズコート銅粉を用いた複合導電性ペーストに関し、さらに詳細には、特に、複合導電性ペースト用スズコート銅粉、及び当該スズコート銅粉を用いた複合導電性ペーストに関する。
従来より、多層プリント配線板のヴィアホール(Via Hole)の充填用、プリント配線板へのIC部品等の部品実装時の位置決め用等の導電性接着剤の構成粉体として半田粉が広く用いられてきた。ところが、昨今環境上の問題から鉛(Pb)が半田粉に含まれない、半田代替材料の複合導電性金属粉末の要請が市場で高まっている。例えば欧州では電気電子機器にPb含有の半田を使用したものは輸入規制されるといった情勢となってきている。
また、半田粉単体又は半田粉と銅粉との混合粉をプリント配線板へのIC部品等の部品実装時の位置決めに用いる導電性接着剤の構成粉体として用いると、部品実装時に半田のリフロー温度(200℃〜300℃)で半田が融解するが、この半田のリフローと共に固定されるべき電子部品が位置ズレを起こしがちであり、部品実装のアライメント精度を向上させることが困難であるという問題もある。
そこで、これらの問題に解決するため半田粉の代替粉として、融点の高いCuからなる銅粉の粒子をコア材にして、その表面にスズ、半田等の低融点金属コート層を形成し、部品実装時のリフロー温度で融解する可能性のある層を表面層のみに制限して、融解による表面層の形状変形や部品の位置ずれを最小限に抑制する金属粉の一種としてスズコート銅粉の供給が検討されてきた。
その例として以下の特許文献1を参照されたい。
特開昭60−49067号
しかし、銅粉の粒子をコア材として、その表面にスズコート層を設けたスズコート銅粉は、数10μm程度と粒径が大きく、電解メッキ法を用いてスズコート層を構成する方法が採られてきた。換言すると、大きな粒径の銅粉をコア材に用いなければ、電解法を用いて粒子表面へのスズコート層形成ができなかった。
また、アトマイズ法を用いて銅−スズ合金粉が製造される場合もあるが、アトマイズ法では粒径の制御が困難なため粗粉が必ず含まれてしまい、スズコート銅粉を構成する各粒子径を5μm以下にすることは殆ど困難であった。
一方、近年のプリント配線板の軽薄短小化に伴い、プリント配線板に適用されるヴィアホール径は、小径化が進行しており、信号伝達速度の高速化、発熱問題の解消を可能にするため導体抵抗の上昇は可能な限り避けるべきであり、市場では、無鉛半田粉の代替導電性粉として、粒径が10μm以下の微粒であって、分散性に優れ、低温焼結が可能で、かつ、上述したように電子部品実装時のリフロー時の位置ずれ現象を起こさないようなスズコート銅粉に対する要求が高まってきた。
そこで、本発明者等は、微粒銅粉の粒子をコア材として、その表層に均一なスズコート層を形成する技術の開発に成功し、導電性ペーストの材料として使用した場合であって導電部をCu−Snの合金で形成できる微粉の複合導電性ペースト用スズコート銅粉により上記問題を解決した。
まず、本発明は「銅粒子をコア材とし、当該銅粒子にスズを被覆したスズコート銅粒子を含むスズコート銅粉であって、前記スズコート銅粒子の平均粒径の値が0.1μm〜5μmの粒子とし、スズコート銅粉粒子全体のwt%を100としたときに当該銅粉の粒子表面に40wt%〜70wt%のスズコート層を備えることを特徴とするスズコート銅粉」を提供する。
スズコート銅粉は、通常は単独で使用される。銅、金、銀、及びインジウム等の導電性の金属粉(微粉)の少なくとも1つからなる混合粉を、当該スズコート銅粉に対して一定の割合で混合して使用してもよい。そして、この混合粉を導電性ペーストの材料とし、この導電性ペーストを用いて回路等を形成し、焼成する事で導体部を形成する場合もある。
次に、スズコート銅粉の構成要素である銅粒子に関して説明する。
銅粉の平均粒径は、銅粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)により撮像し、その像から銅粉粒子の直径を測り、撮影倍率から換算して、直接的に銅粉粒子の粒径を複数個(例えば20個〜100個)測定し、その平均値(本願では随時「DIA」と称する。)により求めている。
一方、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した体積累積粒径値(本願では「D50」と称する。)により求める測定方法も随時採用する。
なお、本発明のコート粒子の平均粒径DIA値の適正範囲について、5μmを超える場合、最終的に得られるスズコート銅粉の粒子径が微細な20μm径以下のヴィアホールの内部充填に用いることができなくなることに基づく。一方,DIAの値が0.1μm未満の場合は、以下に説明する製造方法をもってしても、スズコート層を形成したときの粒子の凝集が著しくなるため、ペーストに加工したときの粘度上昇を招くことになる。
さらに、当該銅粉は、分散性を高め、且つ、その粒子の表面を微細な凹凸のない滑らかな表面とした表面平滑化銅粉を用いることで、最終的に得られるスズコート銅粉の表面状態も滑らかなものとなり、スズコート銅粉の品質向上が図ることができる。従って、銅粉の粒子を滑らかにする手法を採用することも可能である。分散性に関しては、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径平均値D50とDIAとを用いてD50/DIAで元粉となる表される凝集度の値が1.5以下であることが望ましい。この凝集度に関しては後述する。
50/DIAで規定される凝集度は、以下の理由から採用したパラメータである。すなわち、D50の値は、真に粒子の一つ一つの径を直接観察したものではないと考えられる。殆どの金属粉を構成する粒子は、個々の粒子が完全に分離した単分散粉ではなく、複数個の粒子が凝集して集合した状態になっているからである。レーザー回折散乱式粒度分布測定法は、凝集した粒子をも一個の粒子(凝集粒子若しくは一次粒子)として捉えて、体積累積粒径を算出していると言い得る。
一方、平均粒径DIAは、走査型電子顕微鏡を用いて観察される金属粉の観察像を画像処理することにより得られる平均粒径DIAはSEM観察像から直接測定し倍率で換算した粒径であり、一次粒子が確実に捉えられることになるが、粒子の凝集状態の存在を全く反映させていないことになる。
以上に鑑みて、本発明者等は、D50とDIAとを用いて、D50/DIAで算出される値を凝集度として捉えることとした。即ち、同一製造条件の銅粉において、D50とDIAとの値が同一精度で測定できるものと仮定して、上述した理論で考えると、凝集状態のあることを測定値に反映させるD50の値はDIAの値よりも大きな値になると考えられる。
このとき、D50の値は、金属粉の粒子の凝集状態が全くなくなると、限りなくDIAの値に近づいてゆき、凝集度であるD50/DIAの値が1に近づく。凝集度が1となった段階で、粒子の凝集状態が全く無くなった単分散粉と言える。但し、現実には、凝集度が1未満の値を示す場合もある。理論的に考え真球の場合に1未満の値にはならないが、現実には、真球ではなく1未満の凝集度の値が得られる。
本発明のスズコート銅粉の、コア材たる銅粉粒子の表面に設けるスズコート層は、上述したように、スズコート銅粉粒子全体のwt%を100としたときに当該銅粉の粒子表面に40wt%〜70wt%の比率で設けられている。
このようなスズコート層を設けるのは、Snの融点(228℃)が低いことを鑑みて、スズコート銅粉を含む導電性ペーストを焼成する際に、低い焼成温度でスズコート銅粉の構成要素たるスズコート銅粒子同士を接合できるからである。
本発明は、上記のスズコート銅粉であって、コート粒子の平均粒径をDIAとし、当該コア材の銅粉の粒子を被覆するスズコート層の膜厚をTSnとすると、2TSn /DIA値が、0.2以上0.4以下であることを特徴とするスズコート銅粉を提供する。(平均粒径DIAは、走査型電子顕微鏡によりコート粒子を撮像し、その撮像倍率から換算した実粒子径を指す。TSnの算出方法は後述する。)
本発明は、上記のスズコート銅粉を焼結することによって得られる前記Cu−Sn合金にCuが30%〜60%、及びSnが40%〜70%が含まれる導電部形成体を提供する。
スズコート銅粉の粒子同士を焼結すると、初めはスズ同士の接合が始まるが、その後、SnとCuとが拡散しSn−Cu合金を作るようになる。
続いて、本発明のスズコート銅粉の製造方法に関して説明する。この製造方法では、銅粉の粒子の表面にスズコート層を置換析出型の無電解メッキ法を採用して製造する点が従来の電解法によるものと異なる。そして、このような無電解メッキ法を採用することによって、初めて微細銅粉の粒子表面へのスズコート層の形成を行っても、電解法では不可能なレベルにスズコート銅粉の凝集を抑制できる。
本発明は、上述した銅粉を水に入れ撹拌したCuの分散濃度が0.1mol/L〜5mol/Lの銅粉スラリーを作成する工程aと、0.01mol/L〜1mol/Lの2価のスズ塩と0.1mol/L〜10mol/Lのチオ尿素に、pH2以下となるように酸を加え、液温30℃〜80℃の溶液である置換析出スズ溶液を作成する工程bと、前記銅粉スラリーと前記置換析出スズ溶液とを、前記銅粉スラリー中のCu1molに対しSnが0.2mol〜0.55molの割合となるように混合する工程と、その混合溶液を攪拌し、銅粉粒子表面にスズを置換析出する工程cと、を含むスズコート銅粉の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上記スズコート銅粉の製造方法であって、
工程cを複数回に分けて所望の膜厚のスズコートを銅粉粒子表面上に被覆させることを特徴とするスズコート銅粉の製造方法を提供する。
本発明のスズコート銅粉の製造方法において、コア材となる銅粉原料は、平均粒径が0.2μm〜5.2μmの範囲にあるものを用いる。コート後の平均粒径は0.1μm〜5μm程となるが、これはコア材粒子の銅とスズとの析出置換による厚みの減少、並びに当該析出置換に用いる反応液によるエッチング作用に起因する。
当該コア材である銅粉は、いわゆる2次粒子状態として凝集していることがあり、これはスズコートを被覆する前に解粒した方が好ましい。その理由は、スズコート銅粉の分散性を高めることができるからである。また、スズコート銅粉を用いて製造した導電性ペーストの粘度を可能な限り低減させることを考慮すると、解粒処理により当該スズコート銅粉の比表面積を可能な限り小さくすることが効果的と考えられる。
以上に述べた銅粉を純水中に0.1mol/L〜5mol/Lとなるように入れ攪拌することにより銅粉スラリーとする。このような混合割合を採用したのは、次に述べる置換析出スズ溶液の濃度、スズを置換析出させる際の溶液中での均一なスズの置換析出可能な銅粉の分散状態を考慮して、最も理想的と考えたからである。
一方、水に、塩化第1スズ二水和物等の2価のスズ塩を0.01mol/L〜1mol/L、チオ尿素を0.1mol/L〜10mol/L、及び酸を加えてpHを2以下にし液温を30〜80℃とした置換析出スズ溶液を用意するのである。なお、本願における「水」は、実質的にスズを置換析出させる際の不純物となりうるインヒビターを含まないものであればよい。従って、純水、蒸留水、イオン交換水等が望ましい。
なお、上記方法においてスズコート銅粉の分散性を高めるため、スズコートを、何段階に分けて形成し、最終的に目的となるスズコートの膜厚が得られるようにしてもよい。先のスズコートと次のスズコートを施す間に純水を用いデンカンテーション洗浄を行うことにより、塩濃度を低減でき、より均一にスズコートを行うのに好ましい。このように複数段階に分けてスズコートを施すことによって分散性を良くすることができる。仮に連続して所望の膜厚のスズコートを施した際には、粒度分布がブロードとなり、後に説明するSD(μm)が大きくなり分散性が悪くなるからである。
無電解メッキとしてスズを置換析出させるのに用いる溶液の構成成分として考えたときに、塩化スズ、硫酸スズ等の2価のスズ塩、チオ尿素、酒石酸、硝酸、硫酸、塩酸等の酸、からなる組み合わせ自体はある程度想起できるものである。しかし、本発明のように、微粒銅粉の粒子表面に適度な厚さ(0.1μm〜5μm)の均一なスズコート層を形成するためには、上述した組成及び液温条件の組み合わせを採用することが好ましい。
ここで、2価のスズ塩が0.01mol/L未満の場合には、溶液中のスズイオン量が少ないため析出速度が遅く、均一な置換析出が行えない。また、2価のスズ塩が1mol/Lを超えると、他の添加剤とのバランスが悪くなり、不均一な置換析出状態となる。そして、チオ尿素は、スズの析出安定性を改善し、スズコート層の欠陥の発生を防止するために添加するものであり、0.1mol/L未満の場合には、スズの析出安定剤としての効果を発揮せず、10mol/Lを超えて添加しても、スズの析出安定剤としての効果が飽和してしまい不経済となるためである。また、酸は、銅粉の粒子表面を酸化させ銅イオンの溶出を促進し、スズイオンの銅粉への置換析出を促進するための置換促進剤である。この酸のpHが2超える場合には、置換促進剤としての効果が低く、pHが0.1未満では反応が早くなりすぎ均一なコート形成の阻害となる。
以上のようにして、スズコート層の形成が終了すると、一旦スズコート銅粉を濾別採取し水等を用いて洗浄し、濾過し、乾燥することで本発明のスズコート銅粉を得ることができるのである。これらの工程は常法に基づいて行えばよいため、ここでの説明を省略する。
本発明のスズコート銅粉は、Snの融点の228℃近辺という比較的低い温度からスズコート銅粒子同士の焼結を始めることができる。また、この導電部はSnとCuの合金となり、半田の融点が低い(200℃〜300℃)ために半田をリフローする際に起きうる部品取付箇所の位置ずれが、SnとCuの合金の場合はCuの融点が高い(1083℃)ことに起因して起こりにくくなる。また、粒子の平均粒径0.1μm〜5μmという微粉であり分散性もよいためヴィアホール等への充填性も優れている。
以下、本発明を実施例1及び実施例2を通じて、発明の実施の形態について以下説明する。
表1は、実施例1及び実施例2の上記製造方法に基づく製造条件(特に原料の投入重量等)を、表2は、各実施例で得られたスズコート銅粉の粉体特性の諸結果を示す。
Figure 2006225692

Figure 2006225692
初めに、表2に示された各諸特性の測定方法について表2の評価項目を左から順に以下説明することとする。
平均粒径DIA(μm)は、上述したのでその説明は省略する。
50(μm)90(μm)SD(μm)は、スズコート銅粉0.1gをSNディスパーサント5468の0.1%水溶液(サンノプコ社製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製 US−300T)で5分間分散させた後、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac HRA 9320−X100型(Leeds+Northrup社製)を用いて測定した。
SD/D50は、前述したD50/DIAと同様にスズコート銅粉の凝集度を表すパラメータである。数値が大きいほど凝集度が高い。D50/DIAと明らかに相関があることはいうまでもない。
Tsn(nm)は、まず、測定すべきスズコート銅粉(スズコート銅粉の粒子の総数をNとする。)を秤量した(=W[g]とする。)。次に、酸に溶解させ、塩酸酸性の条件下ICP測定によりスズコート銅粉中のスズの含有量率を求め(A[%]とする。)、また銅の含有量率(B[%]=100−Aとする。)し、粒子一粒当たりのスズの重量Sw=W×A/100[g]、粒子一粒当たりの銅の重量Cw=W×B/100[g]と求め、dcu、dsnはそれぞれ銅の密度、スズの密度とすると。
Cw=N×W×B/100
=N×4/3・π(DIA−Tsn)・dcu
Sw=N×W×A×N/100
=N×{4/3・π・DIA −4/3・π・(DIA−Tsn)}・dsn
A=100×N×Sw/(N×Sw+N×Cw)=100×Sw/(Sw+Cw)
ゆえに、
A(ICPで求めたスズの含有量率%)
=100×{DIA −(DIA−Tsn)}・dsn/〔{DIA −(DIA−Tsn)}・dsn+(DIA−Tsn)・dcu〕
これをTsnについて解くことにより求めた。
SSA(m/g)は、実測の比表面積である。より詳細には、試料2.00gを75℃で10分間の脱気処理を行った後、モノソーブ(カンタクロム社製)を用いてBET1点法で測定した。SSA値が大きくなるほど表面積の大きな粒子であることを意味する。そして、この粒子の凹凸が大きな程、導電ペーストに加工した際のペースト粘度を上昇させることになる。一般に、銅粉の粒子にスズコート層を形成すると、その表面状態は粗れて、微細な凹凸形状が粒子表面に形成されることを意味しているが、問題となるほどのレベルでないことが分かる。
TD(タップ充填密度)(g/cm)は、試料重量を120gとして、パウダーテスターPT−E(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて測定した。
酸化開始温度(℃)は、スズコート銅粉を用いて、大気雰囲気中でTg測定による熱分析により測定した。
実施例1では、DIA=1.12μm、D50=1.26μm、D90=1.79μm、SD=0.30μm、SD/D50 =0.24、凝集度が1.1、SSA=0.65m/gである銅粉の粒子をコア材とし(実施例2でも同様のコア材を使用)、当該銅粉の粒子表面に50wt%のスズコート層を備えるスズコート銅粉を以下の方法で製造した。
実施例1で用いた置換析出スズ溶液は、純水に塩化第1スズ二水和物475g、チオ尿素3700g、酒石酸2600gを溶解させ、液温を40℃に維持して15Lとした。一方、40℃に維持した10Lの純水中に1kgの銅粉を入れ攪拌して銅粉スラリーとした。そして、この銅粉スラリー中に置換析出スズ溶液を入れ、液温を40℃に維持したまま、30分間攪拌した。その後、常法に従って、濾過洗浄、濾過、及び乾燥を行いスズコート銅粉を得た。
実施例1で得られたスズコート銅粉の粉体特性は、DIA=1.00μm、D50=3.57μm、D90=6.83μm、SD=1.81μm、SD/D50 =0.51、凝集度=3.6、Tsn=130nm、SSA=2.20m/g、TD=1.8g/cm、及びスズ含有量は53wt%であった。
さらに、このスズコート銅粉を用いて、大気雰囲気中で熱分析を行いTg測定を行った結果、酸化終了温度は約300℃であった
実施例2で用いた置換析出スズ溶液は、純水に塩化第1スズ二水和物475g、チオ尿素3700g、酒石酸2600gを溶解させ、液温を40℃に維持して15Lとした。一方、40℃に維持した10Lの純水中に1kgの銅粉を入れ攪拌して銅粉スラリーとした。そして、この銅粉スラリー中に置換析出スズ溶液7.5Lを入れ、液温を40℃に維持したまま、30分間攪拌後静置し、上澄み液(置換析出スズ溶液)を10L取り除き、次に置換析出スズ溶液10Lを加え撹拌後静置し、上澄み液(置換析出スズ溶液)を10L取り除き、さらにこの上澄み液である置換析出スズ溶液10Lを加え撹拌後静置し、上澄み液(置換析出スズ溶液)を10L取り除くといったような、上澄み液を取り除いてはまた戻すといったような同じ操作を計5回行い、その後純水を加え液量を10Lとし、残りの置換析出スズ溶液7.5Lを添加することにより実施例2のスズコート銅粉を得た。
実施例2で得られたスズコート銅粉の粉体特性は、DIA=1.02μm、D50=1.62μm、D90=2.74μm、SD=0.62μm、SD/D50 =0.38、凝集度1.6、Tsn=140nm、SSA=1.50m/g、TD=2.9g/cm、及びスズ含有量は53wt%であった。
さらに、このスズコート銅粉を用いて、大気雰囲気中で熱分析を行いTg測定を行った結果、酸化終了温度は約300℃であった。
なお、追加的に、スズコート銅粉単体の熱挙動(合金化等の挙動)を調べた。より詳細には、約50wt%のスズコート銅粉について、1%水素雰囲気で300℃×30minの熱処理を行い、当該熱処理後のスズコート銅粉についてX線分析を行うことによりその挙動を調べた。その結果、熱処理を施したスズコート銅粉は、CuとSn−Cuの合金とが含まれていることが分かった。
一方、スズコートが約80wt%のスズコート銅粉について、同様の熱処理を行い、当該熱処理後のスズコート銅粉についてX線分析を行った。その結果、熱処理を施したスズコート銅粉は、SnとSn−Cuの合金とが含まれていることが分かった。
以上の結果から、本発明のスズコート銅粉のスズコートの上限70wt%近辺では、CuとSn−Cuの合金との、Cuリッチのためリフロー時の部品の位置ずれが起きにくいと考えられるが、当該スズコート70wt%を大きく超えた80%位では、Sn同士の密着性は確保し易いもののSnリッチのためリフロー時に部品の位置ずれが起きやすいと考えられる。
<総合評価>
本発明のスズコート銅粉は、粒径が5μm以下の微粒であって、分散性に優れ、通常の銅粉と比較したときの低温焼結が可能で、且つ、そのスズ含有量が比較的多いため、スズコート銅粉粒子同士が容易に接着する。その後、スズと銅との合金が形成され導電部となる。
また、特に実施例2の製造方法ではスズコートを数回に分けて被覆を行ったため、分散性の良い、即ち凝集度が極めて低いものが得られた。
なお、スズコート銅粉を300℃(略30分)で熱処理を行うと、70wt%以下の粉体はSn−Cuの合金化の比率が高まっており、融点が大きく上昇することが考えられる。
一方で、70wt%を超える場合、短時間の熱処理では、合金層とスズ層が残り、再溶融が起こり易くなる傾向があり、位置安定性に劣る傾向があると考えられる。
本発明は、特に半田粉の代替として用いることができる、スズコート銅粉及び当該スズコート銅粉を用いた複合導電性ペーストを提供する。さらに詳細には、特に、複合導電性ペースト用スズコート銅粉、及び当該スズコート銅粉を用いた複合導電性ペーストを提供する。

Claims (8)

  1. 銅粒子をコア材とし、当該銅粒子にスズを被覆したスズコート銅粒子を含むスズコート銅粉であって、
    前記スズコート銅粒子の平均粒径の値が0.1μm〜5μmの銅粉の粉子をコア材とし、スズコート銅粉粒子全体のwt%を100としたときに当該銅粉の粒子表面に40wt%〜70wt%のスズコート層を備えることを特徴とするスズコート銅粉。
  2. 請求項1に記載のスズコート銅粉であって、
    当該コア材の銅粉の粒子を被覆するスズコート層の膜厚が10nm以上1.0μm以下であることを特徴とするスズコート銅粉。
    (スズコート層の膜厚TSnは、スズコート銅粉粒子を球とみなしたときのスズコート層のwt%とSnの密度から換算した膜厚を指す。)
  3. 請求項1に記載のスズコート銅粉であって、
    コート粒子の平均粒径をDIAとし、当該コア材の銅粉の粒子を被覆するスズコート層の膜厚をTSnとすると、
    2TSn /DIA値が、0.2以上0.4以下であることを特徴とするスズコート銅粉。
    (平均粒径DIAは、走査型電子顕微鏡によりコート粒子を撮像し、その撮像倍率から換算した実半径を指す。)
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のスズコート銅粉を焼結することによって得得られるCu−Sn合金の導電部形成体。
  5. 請求項4に記載のスズコート銅粉を焼結することによって得られる前記Cu−Sn合金にCuが30%〜60%、及びSnが40%〜70%が含まれる導電部形成体。
  6. 銅粉を水に入れ撹拌したCuの分散濃度が0.1mol/L〜5mol/Lの銅粉スラリーを作成する工程aと、
    0.01mol/L〜1mol/Lの2価のスズ塩と0.1mol/L〜10mol/Lのチオ尿素に、pH2以下となるように酸を加え、液温30℃〜80℃の溶液である置換析出スズ溶液を作成する工程bと、
    前記銅粉スラリーと前記置換析出スズ溶液とを、前記銅粉スラリー中のCu1molに対しSnが0.2mol〜0.55molの割合となるように混合する工程と、
    その混合溶液を攪拌し、銅粉粒子表面にスズを置換析出する工程cと、
    を含むスズコート銅粉の製造方法。
  7. 請求項6に記載のスズコート銅粉の製造方法であって、
    工程cを複数回に分けて所望の膜厚のスズコートを銅粉粒子表面上に被覆させることを特徴とするスズコート銅粉の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の複合導電性ペースト用スズコート銅粉を用いた複合導電性ペースト。

JP2005038393A 2005-02-15 2005-02-15 スズコート銅粉及び当該スズコート銅粉を用いた複合導電性ペースト Pending JP2006225692A (ja)

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