JP4954885B2 - 導電粉およびその製造方法、導電粉ペースト、導電粉ペーストの製造方法 - Google Patents

導電粉およびその製造方法、導電粉ペースト、導電粉ペーストの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性或いは熱伝導性のペーストなどに使用される導電粉およびその製造方法、導電粉ペースト、導電粉ペーストの製造方法に関する。
従来、電気及び熱伝導性のペーストに使用される導電粉は、大小の球状若しくは略球状粒子を組み合わせて高充填化された(例えば、非特許文献1参照)混合導電粉が使用されていた。特に高導電性或いは高熱伝導性が要求される分野では、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、パラジウム粉又はこれらの合金粉が導電粉として用いられており、導電性や熱伝導性を高くするために、導電粉の配合量を高くしていた(非特許文献1、日刊工業新聞社刊、粉体工学会編、粉体工学便覧 初版1刷 昭和61年2月号(第101〜107頁))
上記の非特許文献1に記載されている高充填化導電粉を作製する方法は、大小の球状粒子を組み合わせて、これを混合する方法である。また、球状粒子を規則配列させ、小さい粒径の球状粒子を組み合わせることで、理論的には80%以上の充填密度が得られると記載されている。しかし、市販されている球状の銀粉は、粒子が一部凝集し、粒径3〜20μmの銀粉では相対充填密度は約60%位であり、粒径が1μm位の銀粉では相対充填密度は高くても50%位であり、これらを混合しても、相対充填密度は60%位にとどまる。
一般的に孔埋め導電性ペーストをスルーホール内に充填して多層配線板の層間接続を行う場合、導電性を高めるため、スルーホールにできる限り多くの導電性ペーストを充填し、すき間なく導電粉を埋め込む必要がある。そのため、従来この用途に使用する穴埋め用導電性ペーストでは、導電粉の配合量を高くすることが望まれている。しかし、導電粉の配合量を高くすると導電性ペーストの粘度が高くなりスルーホールへの充填性が悪化してしまう。一方、導電性ペースト中のバインダの比率を高くすると粘度が低くなりスルーホールへの充填性は向上するが、導電性が悪化してしまうという欠点が生じる。
また、導電性ペーストを熱伝導性接着剤として使用し、導電粉が球状粒子のみからなるペーストでも導電粉の充填密度が高くても又低くても、熱伝導率も低くなってしまう欠点があった。
球状導電粉を使用すると、粒子間や粒子平面との接触が点接触になり、接触効率が悪かった。これを回避するために粒子形状を略鱗片状にすると、ペーストの粘度が上昇し易く、ペーストを配線板のビアホールに充填する際の充填性が悪くなる欠点があった。またビアホールに充填したペースト中の鱗片状の導電粒子が、充填中にペーストの粘性挙動により、その鱗片状の面をビアホールのZ軸(導通方向)に対して垂直に配向しやすいため、Z軸方向の導電性や熱伝導性が予想より大幅に低くなる欠点も生じる。
また、球状導電粉を使用すると、粒子層をプレスなどで押し潰した場合、等方的に圧力が加わり、粒子同士が相互に滑りやすく、導電粉のしめる体積が減少してしまい、粒子同士が強く押しつけられにくくなる欠点があった。
このような従来の導電粉を含む導電性ペーストを、導電性接着剤として使用する場合、導電性接着剤のチキソ性が低いと、ペーストが糸引き状態になり、不要な部分に導電性接着剤を塗布してしまうトラブルも起きる。
導電性接着剤のチキソ性を高くするには、微粉と鱗片状微粒子とを併用することが考えられるが、微粉や鱗片状微粒子を併用すると微粒子が凝集しているため、これを添加したペーストでは、粘度上昇が大きく、高充填化された導電性接着剤が製造できないという欠点があった。また相対充填密度の低い混合導電粉を使用してペーストを製造する場合、混合導電粉の使用量を高くすると、粘度が極めて高くなり、ペースト化が困難となるという問題点があった。
このような情況のもと、本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の構成要件により、本発明を完成するに至った。
[1]多面体形状粒子及び略鱗片状粒子からなる略単分散導電粉であり、
全粒子の30%累積径未満は小粒子の平均アスペクト比が3以上であり、かつ小粒子の平均アスペクト比は30%累積径以上の大粒子の平均アスペクト比の1.3倍以上大きく、
略単分散導電粉は、該導電粉重量の0.5重量%以下の脂肪酸で表面処理されてなることを特徴とする導電粉。
[2]前記導電粉がさらに易分散性銀微粉を含み、
銀微粉は、その平均粒径が2.5μm以下であり、
導電粉と易分散性銀微粉の量比が重量比で95:5乃至55:45である[1]の導電粉。
[3]前記導電粉がさらに銀超微粉の凝集粉を含み、凝集粉を構成する銀超微粉はその平均一次粒径が0.3μm以下であり、導電粉と易分散性銀微粉と銀超微粉の比が重量比で94.525:4.975:0.5乃至52.25:42.75:5.00である[2]の導電粉。
[4]略単分散導電粉の材質が銀または銀合金であるか、あるいは表面が銀で被覆された銅または銅合金からなり、かつ略単分散導電粉が表面が銀で被覆された銅または銅合金の場合に、銅と銀の重量比(銅:銀)が95:5乃至65:35である[1]の導電粉。
[5]プレス密度が80乃至99%である[1]〜[4]の導電粉。
[6][1]〜[5]の導電粉と、バインダとを含み、バインダの含有量が、バインダ中の固形分と導電粉との合計量に対して、0.3重量%以上、7重量%以下であることを特徴とする導電粉ペースト。
[7]原料導電粉と微小粒径のビーズを、容器内に入れ、容器を運動させて原料導電粉とビーズを流動させて、原料導電粉を解粒するとともに多面体形状粒子及び略鱗片状粒子に形状加工することを特徴とする[1]の導電粉の製造方法。
[8]原料導電粉の材質が銀または銀合金であることを特徴とする[7]の製造方法。
[9]バインダ溶液に、凝集粉を構成する銀超微粉、および易分散性銀微粉を、添加して分散させスラリとしたのち、該スラリに剪断力を加えて凝集粉を構成する銀超微粉および易分散性銀微粉を解粒し、ついで[1]の導電粉を加えて均一混合する導電粉ペーストの製造方法。
本発明の導電粉は、多面体形状及び略鱗片状の大粒子及び小粒子からなるので、導電粉は粒子同士の接触が良好であるばかりでなく、平面との接触効率も良好となる。またペースト化して、平面内やスルーホール内に充填することで導電性や熱伝導性を発現させる場合には、平面同士を繋ぐために必要な粒子の数も少ないことから粒子同士の接触面の数も少なくなる。この粒子同士で接触する部分が電気的な抵抗を或いは熱的な抵抗を高くするので、接触面の数を減らせるとともに、粒子を点と点とで接触させるのではなく、面同士で接触させることは、高導電化或いは高熱伝導化にきわめて有益である。
とくに大粒子及び小粒子が銅からなり、かつ表面が銀で被覆されたものを含む導電粉は、最表面層の銀層と銅層とが合金層を形成し銅が酸化されていない銅となっているので、銀のマイグレーションを抑制する性能(耐マイグレーション性という)が格段に向上している。
このような導電粉は、原料導電粉と微小粒径のビーズを容器内に入れ、容器を運動させて導電粉とビーズを流動させ、ビーズで導電粉を解粒するとともに多面体形状粒子および略鱗片状粒子に形状加工することで調製可能であり、このような導電粉を使用すると、ペーストの調製や印刷、接着剤として使用したときの塗布性、ビアホールの充填性などの作業性に優れ、また得られた製品の導電性、熱伝導性も良好であり、さらには耐マイグレーション性にも優れた導電性ペーストの作業性も良好である。
なお、本発明によれば、原料導電粉から平均アスペクト比の異なる大粒子と小粒子とを含む導電粉を一回の処理で同時に製造するとができる。このため、大粒子と小粒子を別個に作製し、両者を混合するという複雑なプロセスは必要としない。さらに、小粒子の製造が難しい場合には、従来、分級して小さい粒子を回収する方法も採用されていたが、本発明では、このような操作も必要ない。
以下、本発明の最良の形態について説明する。
本発明の導電粉は、多面体形状粒子及び略鱗片状粒子からなる略単分散導電粉である。本発明において、略単分散されているとは、粒子の凝集の大部分が解粒されている状態を示す。多面体形状粒子とは表面が微小平面からなる多面体や、複数の平面及び曲面からなる多面体や、立方体もしくは直方体に近似できる多面体をいう。このような多面体形状粒子は、球状粒子や略球状粒子及びティアードロップ状などの原料導電粉を、ビーズと一緒に回転流動させるなどの方法でそれらの粒子の凝集を解粒すると共に、形状加工することで得られる。
また、略鱗片状粒子とは、略平行な2面を有するか、もしくは向かい合う2つの大きい平面を有する粒子を意味する。ただし、全体の形状としては特に制限されない。
導電粉の材質としては、導電性を有するものであれば特に制限されるものではないが、通常、銀または銀合金(銅、スズ)、パラジウム又パラジウム合金(銀)、銅または銅合金(銀、スズ)などが挙げられる。
本発明では、かかる導電粉が粒度分布を有し、全粒子の30%累積径以上の大粒子と、30%累積径未満の小粒子とからなる。粒度分布の測定はレーザー回折法によって測定され、マルバーン社、日機装(株)、島津製作所などのレーザー回折法測定装置を用いる。
大粒子としては平均粒径が3μm乃至20μmが、ペーストとしたときの印刷性、充填性等から好ましく、3μm乃至16μmであればより好ましい。
本発明における小粒子の平均アスペクト比は、高い方が大粒子間の接触を効率よく改善できるので好ましい。小粒子の平均アスペクト比は大粒子の平均アスペクト比より大きく、この値は大粒子に比べて1.3倍以上であれば好ましく、1.5倍以上であればより好ましく、2倍以上であればさらに好ましい。
小粒子の平均アスペクト比は、数平均で3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上であればさらに好ましい。上限としては特に制限ないものの、平均アスペクト比が20を越えると小粒子が配向し易いが、電気抵抗や熱抵抗も高くなることがある。
なお、大粒子の平均アスペクト比は1乃至6が好適である。大粒子の平均アスペクト比が小さいと、平面間に入る粒子の数が少なくなり、粒子相互で接触する数が減るので接触部分での抵抗が小さくなり、導電性や熱伝導性が良くなる。したがって、大粒子の平均アスペクト比は1に近いほどよい。しかし、平面上に回路を形成する場合には、粒子が平面に平行に配向するほど望ましいので、平均アスペクト比は大きくしても良い。したがって、大粒子の平均アスペクト比は用途に応じて適切な範囲が選択され、この大粒子間の接触性を高める役割を果たす小粒子の平均アスペクト比は大粒子より1.3倍以上であればよい。
本発明に係る導電粉はさらに易分散性銀微粉を含み、該易分散性銀微粉は、その平均粒径が2.5μm以下であり、導電粉と易分散性銀微粉の量比が重量比で95:5乃至55:45であることが好ましい。
本発明における易分散性銀微粉とは、凝集が弱く分散しやすい粉を意味し、タップ密度が相対的に大きいものをいう。易分散性銀微粉の一次粒径の平均が2.5μm以下であり、2μm以下であればより好ましく、1.6μm以下であればさらに好ましい、また、そのタップ密度が相対値で45%以上が好ましく、50%以上であればより好ましく、55%以上であればさらに好ましい。易分散性銀微粉の粒径がこれより大きいと、大粒子間の隙間を埋めるのに適切でなく、またそのタップ密度は45%未満であると、凝集が強いため、大粒子の隙間を埋めるのに適切ではない。易分散性銀微粉の形状としては、分散性や併用した場合の粘度上昇を低くする観点から、形状加工したものが好ましいが、分散性のよい略鱗片状の易分散性銀微粉を使用しても良い。なお分散性がよいということは、前記したようにタップ密度が高いということであり、略鱗片状の易分散性銀微粉を使用する場合は、タップ密度は35%以上であればよい。なお、易分散性銀微粉として、銀を還元・析出させた状態の銀微粉または噴霧法で製造した銀微粉を使用してもよい。この銀微粉は通常、塊状をしているが、さらに形状加工して、易分散性銀微粉として使用してもよい。
導電粉と易分散性銀微粉の比は、重量で95:5乃至55:45であり、95:5乃至60:40が好ましく、95:5乃至70:30がより好ましい。易分散性銀微粉がこの割合より高いと、易分散性銀微粉が多いため、粒子同士の接触点が多くなりすぎてしまい、導電性や熱伝導性を低下させてしまうことがある。
前記導電粉がさらに銀超微粉の凝集粉を含み、凝集粉を構成する銀超微粉はその平均一次粒径が0.3μm以下であり、導電粉と易分散性銀微粉と銀超微粉の凝集粉の比が重量比で94.525:4.975:0.5乃至52.25:42.75:5.00であってもよい。銀超微粉の凝集粉の比がこの範囲より多いと、粒子同士の接触点が多くなりすぎてしまうとともに、銀超微粉の凝集粉が導電粉のタップ密度を低下させてしまうので、導電性や熱伝導性を低下させてしまう。銀超微粉の凝集粉の比がこれらの範囲より少ないと、形状加工導電粉同士の隙間を十分に埋めることができず、粒子同士の接触不足から導電性や熱伝導性を低下させてしまう場合がある。凝集粉を構成する銀超微粉の平均一次粒径が0.3μm以下であり、0.2μm以下がさらに好ましく、0.15μm以下であればより好ましい。凝集粉を構成する銀超微粉の平均一次粒径がこれより大きいと、易分散性銀微粉や略単分散している大粒子、小粒子の粒子間に生成している隙間に該銀超微粉が入っても、充填密度を高くすることができず、かえって充填密度を低下させることになってしまう。
易分散性銀微粉の割合が少ないと、ペーストの印刷性が損なわれるので、印刷ペーストを作製する場合には、易分散性銀微粉の割合が5乃至30%であり、好ましくは10乃至30%であり、15乃至30%がより好ましい。
略単分散導電粉の材質としては、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではないが、通常、銀または銀合金(銅、スズ)、パラジウム又パラジウム合金(銀)、銅または銅合金(銀、スズ)などが挙げられる。これらのなかでも略単分散導電粉が銀または銀合金であるか、あるいは、表面が銀で被覆された銅または銅合金からなるものが好ましい。略単分散導電粉が表面が銀で被覆された銅または銅合金の場合に、銅と銀の重量比(銅:銀)が95:5乃至65:35であることが望ましい。
略単分散導電粉では、はんだ濡れ性を必要とする場合、導電粉の割合を高めることが望ましい。銀が多いとはんだこわれの現象が起こるので、銀の量は必ずしも高くする必要はない。このため、最表面が銀であり、その直下には酸化されていない銅が存在することが好ましく、銀量は5%乃至20%が好ましく、7.5%乃至20%がより好ましい。なお、酸化されていない銅とは、形状加工したときに、最表面近傍に拡散して、表面層の銀層と合金層を形成する銅のことである。この銅は酸化されない。また、「最表面が銀であり、その直下には酸化されていない銅」は、単に銀を銅の表面にメッキしたメッキ層とは異なる。単なるメッキ層では最表面近傍には酸化されていない銅は存在しない。後述するような形状加工を施すことではじめて、酸化されていない銅が得られる。
銀量がこの範囲を越えると、粒子表面の銀層厚さが厚くなり、粒子表面が軟らかくなる。この場合、導電粉同士の接触効率が良くなり、ペーストの導電性や熱伝導性を高くすることができる。しかし、銀を銅の表面に均一に被覆するのが困難になり、また耐マイグレーション性の改善効果が小さくなる場合がある。また銅の割合がこの範囲より高く、銀の割合がこの範囲より低いと、導電粉同士の導通抵抗値が高くなる場合や、導電粉保管中に導電粉の変色が起きる場合が有る。銀の割合が低すぎる場合、コア材の銅表層を最表面の銀で十分被覆できず、酸化しやすくなるため、導電性が悪くなるほか、耐マイグレーション性の低下することもある。
表層の銀と最表面近傍の銅が合金層を形成していてもよい。表層の銀層は柔らかいためにコア層の銅の変形に追随して変形できるとともに、コア層の最表面近傍の銅と合金化して表層は銀層および銀・銅合金層になる。この銀層および銀・銅合金層が銅の酸化を防止する。この表層近傍の酸化されていない銅は、銀のマイグレーションを抑制できる。特に、高アスペクト比に加工された小粒子は、比表面積が大きいので、酸化されていない銅が多くこれを含む導電粉は、銀微粉と併用しても耐マイグレーション性が優れたものにできる。銅層が活性でないと、銀のマイグレーションを抑制することはできないので、通常の銅粉では、銅粉の表面は酸化されているため、マイグレーション抑制効果はきわめて小さい。
銀量が以上の範囲にある導電粉を用いた導電粉ペーストを使用して、端子部分が錫めっきもしくは錫コートである電子部品と配線層の銅との導電性接着を行うと、ペースト中の銀量が少ないため、錫が導電粉中の銀への拡散が起きにくく、錫銀合金の生成に伴うボイドの発生が抑制できる。
また、銀粒子の粒界がそのままのこっているごつごつした表面からなる銀被覆面を、単に平滑化処理しただけの導電粉は、表面近傍に酸化されていない銅がないため、耐マイグレーション性は低い。
ここで、小粒子は大粒子同士の接触を補強する役割を果たすので、このような混合粒子は導電性並びに熱伝導性の良好な導電粉となる。
このため、銀被覆銅粉などをそのまま、導電粉として使用しても、銀被覆銅粉の凝集のためバインダ量を多くしないと、印刷性や、充填性の良好な導電粉ペーストが作製できない欠点があり、また、導電粉同士の接触が点接触になり易いため、導電性が悪い欠点を生じることがある。
本発明の導電粉は略単分散になっているので、他の導電粉と混合するのも容易であり、また、混合粉の特性も安定しやすい。また略単分散してあるので、ペーストを作製する場合に、導電粉とバインダ組成物を均一混合するのが容易で、混合・分散に要する時間が短くかつ簡便にペーストの製造が出来る。
本発明の導電粉は、略単分散の処理を行うため、その表面が脂肪酸処理されている。本発明で用いることのできる脂肪酸の例としては、ステアリン酸、ラウリン酸、カプリン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸又はオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ソルビン酸の等の不飽和脂肪酸が挙げられる。脂肪酸量が多いと、脂肪酸が核となり粒子同士が凝集を起こす場合もあるので、脂肪酸量は少ない方が凝集を起こさないために好ましく、具体的な表面処理量は、導電粉に対して0.5重量%以下0.02重量%以上が好ましく、0.3重量%以下0.02重量%以上がより好ましく、0.25重量%以下0.02重量%以上がさらに好ましい。
本発明の導電粉は、プレス密度が80乃至99%であることが望ましい。
従来の導電粉のプレス密度50〜75%であり、粒径の小さい鱗片状粒子のプレス密度は50〜70%であった。また、バインダ組成物と従来の導電粉を逐次混合した場合、粘度は比較的高くなったり、均一混合できず、また粒子形状の適正配合もできなくなるという問題点があった。
これに対して、本発明の導電粉は、プレス密度が高いので、バインダ組成物と混合する際のペースト粘度も低くなる。導電粉含有率の高いペーストを容易に製造できる。また、タップ密度が比較的高いわりに、プレス密度の相対的に低い導電粉は、ペースト化するときに、導電粉の充填量を比較的高くできる。このペーストを充填したスルーホールなどをプレスすると、導電粉同士の接触が高くすることができるので、導電性、熱伝導性に優れた充填物を得ることができる。
このようにプレス密度の高い導電粉を使用したペーストを平面間に供給し、両平面を狭くするように挟み込むと、導電粉は両平面間に残るが、バインダ組成物は押し出され、しかも両平面間の導電粉同士の接触も強くなる。したがって両平面間の熱伝導を高めるために使用する熱伝導グリースなどに、プレス密度の高い本発明の導電粉を使用すると有益である。
前記したように充填もしくは塗工したペーストをプレスによって潰して導電性を高める場合には、タップ密度が高く、プレス密度の低い導電粉が好ましいが、本発明の導電粉では原料導電粉を選択し、適宜形状を制御することでこれらの性質を制御可能となる。
本発明の導電粉は、緻密に充填性され易いため、少ないバインダ量でペーストにできる特長を示す。バインダ量は0.3%以上7%未満、好ましくは0.5%以上5%未満、より好ましくは0.5%以上4%未満であれば、粒子同士の接触が改善され、導電性は良好になる。特にフィルムなどの平面上に本発明の導電粉ペーストを印刷し、ついでこの印刷フィルムを多層化工程などに適用する場合には、フィルム上に印刷された導電ペースト回路は、プレスされるとともに、フィルムでサンドイッチされる形態になるため、この工程で導電性は向上する。しかし、導電ペースト回路のフィルムへの接着力は強く要求されない。したがって、上記の低バインダ量で作成した高プレス密度導電粉を使用したペーストは、バインダーが少ないためにプレス工程で導電粉同士が緻密化し、たとえば、導電粉が銀粉の場合に体積固有抵抗値が3〜8μΩcmの高い導電性を得ることができる。
本発明の導電粉は、単なる球状粒子に比較して、粒子同士の接触を強くできる。この大粒子間により平均アスペクト比の大きい小粒子や易分散性銀微粉が存在していると、大粒子間に強い力が加わったときに、小粒子や易分散性銀微粉が潰されて、大粒子間や大粒子と平面との導通を、より強いものにする事ができる。原料形状の異なる導電粉や、易分散性銀微粉、さらには銀超微粉の凝集粉などを組み合わせると、タップ密度とプレス密度の調節が可能となる。
本発明においてタップ密度(%)とは、タッピングして測定した密度を、その粒子の真密度で除した値を%で表示したものである。なお、本発明で粒子のタップ密度を求める方法は、25mmのストロークでタッピングを1,000回行い、その体積と質量から算出したタップ密度を充填密度とし、これをその粒子の真密度又は理論密度で除することで算出した。ここで理論密度とは、たとえば銀めっき銅粉の場合、銀及び銅の含有量と真密度から案分して銀めっき銅粉の密度を算出することを指す。
本発明におけるプレス密度とは、筒状内にいれた平面間に導電粉を挟み、この平面を0.2MPaの圧力で押しつぶし、平面間に入れた導電粉の質量を、平面間距離と平面の面積から算出した体積から算出した見かけの密度を、該導電粉の真密度で除する
ことで算出できる。
また、アスペクト比とは粒子の長径と短径の比率(長径/短径)をいう。その測定方法としては、たとえば粒子の電子顕微鏡写真を撮り、この写真から粒子の長径と短径を測定して、算出する事が出来る。粒子の大きさは上面からの電子顕微鏡写真で測定でき、この上面の電子顕微鏡写真から大きい方の直径を長径として測定する。この長径に対して短径は粒子の厚さになる。粒子の厚さは上面からの電子顕微鏡写真では測定できない。粒子の厚さを測定するには、電子顕微鏡写真を撮る際に、粒子の載っている試料台を傾斜させて取り付け、上面から電子顕微鏡写真を撮り、試料台の傾きの角度で補正して粒子の厚さを算出すれば良い。
本発明の導電粉を使用すると、導電性と熱伝導性に優れたペーストを調製できる。
なお、粒子形状が球形の場合には、粒子同士の滑りはよく高充填化し易いが、粒子同士の接触は点接触であり充填性を高くしても導電性や熱伝導性は高くなりにくい。
以上のような本発明の導電粉(易分散性銀微粉を含む)を使用したペースト硬化物の断面を図6に示す。図6に示されるように、大粒子同士は面同士で接触し、その間隙を平均アスペクト比の大きい小粒子や易分散性銀微粉が埋めているため、導電性や熱伝導性が高いことがわかる。
本発明の導電粉ペーストは、上記記載の導電粉と、バインダ成分とを含み、バインダの含有量が、バインダ中の固形分と導電粉との合計量に対して、0.3重量%以上、7重量%以下であることを特徴とする。このようなバインダは導電粉と基材との接着性を高め、またペーストを固化させる機能を有する。バインダとしては、エポキシ、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、フェノキシ、ポリエステル、アクリルなどの樹脂が使用される。
以上のような導電賁は、以下の製造方法で製造できる。本発明の導電粉の製造方法は、原料導電粉と微小粒径のビーズを容器内に入れ、容器を運動させて原料導電粉とビーズを流動させて、導電粉を解粒すると共に多面体形状粒子及び略鱗片状粒子に形状加工する。
本発明において、原料導電粉と微小粒径のビーズを容器内に入れ、容器を回転させて原料導電粉とビーズを流動させると、ビーズで原料導電粉を解粒すると共に原料導電粉を多面体形状或いは略鱗片状粒子に形状加工させ、原料導電粉中の小粒子を大粒子より平均アスペクト比の大きい略鱗片状粒子に形状加工させる。使用する微小粒径のビーズとしては、平均粒径10mm以下が良く、5mm以下であればより好ましく、3mm以下であればさらに好ましい。ビーズの材質としては、ビーズの質量の小さいことが好ましいので、金属粒子より密度の小さい、ガラスやジルコニア、アルミナなどのセラッミックスが適する。
原料導電粉としては、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではないが、通常、銀または銀合金(銅、スズ)、パラジウム又パラジウム合金(銀)、銅または銅合金(銀、スズ)などが挙げられる。
原料導電粉の一次粒子が解粒、形状加工されて上記した多面体形状粒子、略鱗片状粒子となるので、前記大粒子と同程度か、それ以下の大きさとなる。
図1および図3に本発明で使用される原料導電粉の走査型電子顕微鏡写真を示す。図1は銀粉であり、図3は銀メッキ銅粉である。
ビーズと原料導電粉を入れる容器の直径が大きいと、ビーズの落下距離が大きくなるため、ビーズ同士の衝突エネルギーが大きすぎて、十分に解粒されないままに形状加工されてしまうため、平均アスペクト比の高い小粒子を得ることは困難になる。
また、容器の回転速度が速すぎると、容器内で起きるビーズ同士の衝突エネルギーが大きくなりすぎて、形状加工が進みすぎて、上記同様に平均アスペクト比の高い小粒子を得ることが困難となる。回転速度が小さいと、解粒および形状加工処理に時間がかかりすぎるので好ましくない。好適な回転速度は、10〜100rpm、好ましくは30〜80rpmである。
ビーズと原料導電粉を入れる容器の内径は、直径が10cm乃至80cmが好ましく、10cm乃至60cmがより好ましく、10cm乃至40cmであればさらに好ましい。また、ビーズの充填体積は、容器の有効体積の約20乃至80%が好ましく、30乃至70%がより好ましく、40乃至70%がさらに好ましい。ビーズの充填体積がこれより多いと、ビーズによる凝集した原料導電粉の解粒がスムースに出来ず、また原料導電粉の形状加工もうまく進まない。また、ビーズの体積がこれより少なくても、原料導電粉の解粒や形状加工も効率よく出来ない。
ビーズの充填体積と原料導電粉の体積比は、ビーズ:原料導電粉で50:50乃至96:4が好ましく、60:40乃至96:4がより好ましく、さらに好ましくは70:30乃至95:5である。なお、ビーズ及び原料導電粉の体積は、嵩密度で算出する。原料導電粉の割合がこれ以下の場合、処理の効率が悪いという欠点がある。また、原料導電粉がこの割合を超えると、原料導電粉の解粒や形状加工が効率よく出来ない。
本発明において、容器にビーズと原料導電粉を入れ、容器を回転して原料導電粉を加工する際の処理時間は、容器の大きさ、ビーズの投入量、原料導電粉の投入量や容器の回転速度等によって変わり,得られた導電粉のタップ密度や粒子形状の変化をチェックしながら最適値を求めるが、大略2時間乃至100時間くらいである。
易分散性銀微粉と銀超微粉の凝集粉と本発明の導電粉との混合方法は特に制限しないが、粒子の変形を避けられる方法が好ましく、たとえばVブレンダー、ボール(メディア)無しのボールミル、プラネタリーミキサー等の方法が例として挙げられる。ボール(メディア)無しのボールミルとは、ボールミルの容器に混合する粉末のみを投入して容器を回転させ、導電粉同士を混合させる方法である。また、各粉を混合する場合に、逐次に混合してもよく、その順番は特に制限されない。
このような処理後の粒子の走査型電子顕微鏡写真を図2および図4に示す(図2および図4の原料はそれぞれ図1および図3に相当する)。
図5は、図4の粒子をさらに形状加工し、鱗片化を進めた粒子の例である。
混合時間は、装置の形式、容量、原料の投入量等によって適宜選択される。
導電粉ペーストの製造方法
本発明に係る導電粉ペーストは、溶剤中に、バインダ成分、銀超微粉の凝集粉および易分散性銀微粉を添加させて分散させたのち、該分散スラリーに剪断力を加えて銀超微粉の凝集粉および易分散性銀微粉を解粒したのち、ついで前記導電粉を加えて均一混合することで製造できる。
このときの各成分比は目的の成分比となるようにすれば特に制限されるものではない。また、該分散液に剪断力を加えて銀超微粉の凝集粉および易分散性銀微粉を解粒する方法としては、三本ロール、プラネタリーミキサー、攪拌羽などがあげられ、このとき必要に応じて、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなどが添加される。

[実施例]
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1
平均粒径が5.2μmの略球状銀粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は53%であった。この銀粉の表面をステアリン酸0.1重量%で処理し、これを500g秤量して、内容積2リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラスビーズが1リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=11.1:1であった。ボールミル容器の直径は約12cmであった。該ボールミルを50min-1の回転速度で4時間処理した。
この結果得られた導電粉をSEMで観察した結果、平均粒径は6.0μmであり、累積30%径以上の大粒子の平均アスペクト比は2.3であり、累積30%径は2.5μmであり、その小粒子の平均アスペクト比は7.3で
あった。得られた導電粉のタップ密度は64.1%であった。この導電粉を常温常湿で12ヶ月保管していたが変色は認められなかった。
上記とは別に、エポキシ当量が170g/eqのビスフェノールF型エポキシ
樹脂(三井化学(株)製、商品名エポミックR110)85重量部、モノエポキサイド(旭電化工業(株)製、商品名グリシロールED-509)10重量部、2−フェニル−4−メチル−イミダゾール(四国化成(株)製、商品名キュアゾール2P4MZ)5重量部を均一に混合してバインダを得た。
次に、上記で得たバインダ7gに、本実施例の導電粉93gを添加し、混合してペーストを作製した。次いで、このペーストを使用して、ライン幅が0.5mm、ライン間隔が2mm、平行部分の長さが40mmである2対の櫛形電極を、洗浄済みのスライドガラス板上に印刷・乾燥してテスト基板を作製した。
このテスト基板の櫛形パターンの平行ライン上に濾紙をおき、イオン交換水を滴下して濾紙をぬらした後、対向する櫛形電極間に30Vの直流電圧を印可し、耐マイグレーション性を、櫛形電極間に漏洩電流の変化で測定した。その結果、対向する櫛形電極間を流れる電流が5mAになるまでの時間は57秒であった。このペーストでライン長が115mm、ライン幅が0.8mmの回路を印刷したのち、185℃で30分間乾燥硬化させた回路の体積固有抵抗は14μΩ・cmであった。またこのペーストを、ボイドが含まれないように注意深く印刷と乾燥を繰り返して積層印刷及び乾燥して厚さが1.3mmの試験片を作製した。この試験片の熱伝導率は、46Wm-1-1であった。
実施例2
平均粒径が5.2μmの略球状の銀粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は53%であった。この銀粉の表面をオレイン酸0.1重量%で処理し、これを700g秤量して、内容積3リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが1.5リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=10.9:1であった。ボールミル容器の直径は約14cmであった。該ボールミル容器を48min-1の回転速度で6時間処理した。
実施例3
平均粒径が8.9μmの略球状の銀粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は54%であった。この銀粉の表面をステアリン酸0.1重量%で処理し、これを1500g秤量して、内容積5リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが3リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=11.3:1であった。ボールミル容器の直径は約17cmであった。該ボールミル容器を40min-1の回転速度で6時間処理した。
実施例4
平均粒径が8.9μmの略球状の銀粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は54%であった。この銀粉の表面をステアリン酸0.05重量%で処理し、これを2500g秤量して、内容積10リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが6リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=13.6:1であった。ボールミル容器の直径は約21cmであった。該ボールミル容器を35min-1の回転速度で8時間処理した。
実施例5
原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを15重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は45%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.2重量%で処理し、これを500g秤量して、内容積2リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約4mmのアルミナビーズが1リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=8.3:1であった。ボールミル容器の直径は約12cmであった。該ボールミル容器を60min-1の回転速度で2時間処理した。
次に、次に実施例1と同様にペースト化し、櫛形電極を印刷して、耐マイグレーション性を試験した。またこのペーストで実施例1と同様に熱伝導率測定用試験片を作製した。
この試験片の表面を800番の研磨紙で軽く研磨したのち、260℃に加熱した、はんだ糟に浸積したところ表面にはんだが付着した、試験片を0.5mmの巾にスリットしてもはんだは剥離しなかったので、はんだは該試験片によく濡れると判断した。
実施例6
原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを20重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は45%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.3重量%で処理し、これを1500g秤量して、内容積5リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが3リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=8.3:1であった。ボールミル容器の直径は約17cmであった。該ボールミル容器を46min-1の回転速度で4時間処理した。
実施例7
原料銅粉の平均粒径が5.9μmで、銀めっきを20重量%処理したティアードロップ状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は39%であった。
この銀めっき銅粉の表面をオレイン酸0.15重量%で処理し、これを700g
秤量して、内容積3リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが1.5リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=7.7:1であった。ボールミル容器の直径は約14cmであった。該ボールミル容器を50min-1の回転速度で6時間処理した。
実施例8
原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを30重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は45%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.1重量%で処理し、これを500g秤量して、内容積2リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが1リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=8.4:1であった。ボールミル容器の直径は約12cmであった。該ボールミル容器を40min-1の回転速度で20時間処理した。
実施例9
原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを30重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は37%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.1重量%で処理し、これを2000g秤量して、内容積10リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約3mmのアルミナ製ビーズが4リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=6.9:1であった。ボールミル容器の直径は約21cmであった。
該ボールミル容器を35min-1の回転速度で6時間処理した。
実施例10
原料銅粉の平均粒径が5.9μmで、銀めっきを40重量%処理したティアード
ロップ状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は38%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.1重量%で処理し、これを600g秤量して、内容積2リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約1mmのジルコニア製ビーズが1リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比は、ビーズ:導電粉=6:1であった。ボールミル容器の直径は約12cmであった。該ボールミル容器を50min-1の回転速度で8時間処理した。
実施例11
原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを20重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は43%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.2重量%で処理し、これを500g秤量して、内容積3リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約10mmのジルコニア製ビーズが1.5リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=11.9:1であった。ボールミル容器の直径は約14cmであった。該ボールミル容器を40min-1の回転速度で3時間処理した。
実施例12
原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを20重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は43%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.2重量%で処理し、これを500g秤量して、内容積3リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約3mmのアルミナ製ビーズが1.5リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=11.9:1であった。ボールミル容器の直径は約14cmであった。該ボールミル容器を40min-1の回転速度で6時間処理した。
実施例13
原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを30重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は37%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.1重量%で処理し、これを2000g秤量して、内容積10リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約3mmのアルミナ製ビーズが4リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=6.9:1であった。ボールミル容器の直径は約21cmであった。該ボールミル容器を25min-1の回転速度で48時間処理した。
実施例14
原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを20重量%処理した略球状の銀
めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は43%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.2重量%で処理し、これを500g秤量して、内容積3リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが1.5リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=11.9:1であった。ボールミル容器の直径は約14cmであった。該ボールミル容器を36min-1の回転速度で72時間処理した。
実施例15
原料銅粉の平均粒径が10.4μmで、銀めっきを10重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は47%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.1重量%で処理し、これを2500g秤量して、内容積10リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが7リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=12:1であった。ボールミル容器の直径は約21cmであった。該ボールミル容器を40min-1の回転速度で6時間処理した。
実施例16
原料銅粉の平均粒径が10.7μmで、銀めっきを10重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は47%であった。この銀めっき銅粉の表面にステアリン酸を0.1重量%処理し、これを15000g秤量して、内容積50リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが30リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比
はビーズ:導電粉=8.6:1であった。ボールミル容器の直径は約38cmであった。該ボールミル容器を20min-1の回転速度で8時間処理した。
実施例17
原料銅粉の平均粒径が10.7μmで、銀めっきを10重量%処理した略球状の
銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は47%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.1重量%で処理し、これを12000g秤量して、内容積50リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約2mmのガラス製ビーズが30リットル充填してある。ビーズと導電粉の体積比はビーズ:導電粉=10.7:1であった。ボールミル容器の直径は約38cmであった。該ボールミル容器を25min-1の回転速度で10時間処理した。
実施例2〜17で得られた導電粉およびペーストについて実施例1と同様に評価した。
結果を表1に示す。
比較例1
実施例1記載の平均粒径が5.2μmの略球状の銀粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は53%であった。この銀粉の表面をステアリン酸0.1重量%で処理し、これを500g秤量して、内容積2リットルのボールミル容器に入れた。該ボールミル容器には、直径が約10mmのジルコニアボールが1.2リットル充填してある。該ボールミル容器を50min-1の回転速度で200時間処理した。
この結果得られた導電粉の平均粒径は15.5μmであり、累積30%径は4.5μmであった。SEMで観察した結果、大粒子の平均アスペクト比は18.9であり、小粒子の平均アスペクト比は31であった。得られた導電粉のタップ密度は40.7%であった。この導電粉を大気中で12ヶ月保管していたが変色は認められなかった。
次いで実施例1と同じ配合でペースト化を試みたがバインダが不足して、ペースト化出来なかった。
比較例2
実施例5記載の原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを15重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉のタップ密度は45%であった。この銀めっき銅粉の表面をステアリン酸0.2重量%で処理し、これを500g秤量して内容積が2リットルのボールミル容器に入れた。このボールミル容器には、直径が約10mmのジルコニアボールが1.2リットル充填してある。該ボールミル容器を50min-1の回転速度で200時間処理した。
この結果得られた導電粉の平均粒径は14.5μmであり、累積30%径は4.3μmであった。SEMで観察した結果、大粒子の平均アスペクト比は15.2であり、小粒子の平均アスペクト比は29.6であった。得られた導電粉のタップ密度は43.4%であった。この導電粉を大気中で12ヶ月保管していたところ黒褐色に変色した。
次いで実施例1と同じ配合でペースト化を試みたがバインダが不足して、ペー
スト化出来なかった。
比較例3
実施例5記載の原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを15重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉を加工せずそのまま実施例1と同じ配合でペースト化を試みたがバインダが不足して、ペースト化出来なかった。
次いで実施例1記載のバインダを13gと上記原料導電粉87gでペーストを得た。このペーストで実施例1と同様に櫛形電極を印刷して、30Vの直流電圧で耐マイグレーション性を試験したところ、櫛形電極間を流れる電流が5mAになるまでの時間は93秒であった。
比較例4
実施例8記載の原料銅粉の平均粒径が5.5μmで、銀めっきを30重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉を加工せずそのまま実施例1と同じ配合でペースト化を試みたがバインダが不足して、ペースト化出来なかった。
次いで実施例1記載のバインダを13gと上記原料導電粉87gでペーストを得た。このペーストで実施例1と同様に櫛形電極を印刷して、30Vの直流電圧で耐マイグレーション性を試験したところ、櫛形電極間を流れる電流が5mAになるまでの時間は87秒であった。
比較例5
実施例16記載の原料銅粉の平均粒径が10.7μmで、銀めっきを10重量%処理した略球状の銀めっき銅粉を原料導電粉として使用した。この原料導電粉を加工せずそのまま実施例1と同じ配合でペースト化を試みたがバインダが不足して、ペースト化出来なかった。
次いで実施例1記載のバインダを13gと上記原料導電粉87gでペーストを得た。このペーストで実施例1と同様に櫛形電極を印刷して、30Vの直流電圧で耐マイグレーション性を試験したところ、櫛形電極間を流れる電流が5mAになるまでの時間は89秒であった。
実施例18
実施例15で得た導電粉350gと、平均粒径が1.6μmで、タップ密度が57.7%の易分散性銀微粉150gを、内容積が2リットルのVブレンダ内で0.5時間混合し、導電粉を得た。この導電粉93gと実施例1に記載のバインダ7gとを混合してペーストを得た。このペーストでライン長さが115mm、ライン幅が0.8mmの回路を印刷したのち、185℃で30分間乾燥固化させた回路の体積固有抵抗は9μΩ・cmであった。またこのペーストを、ボイドを含まないように注意深く印刷と乾燥を繰り返して積層印刷及び乾燥して厚さが1.3mmの試験片を作製した。この試験片の熱伝導率は、87Wm-1-1であった。この試験片を使用して、実施例5と同様に半田との濡れ性を試験したところ、幅0.5mmにスリットしても剥離せず、はんだは十分に濡れていると判断できた。
実施例19
実施例5で得た導電粉400gと、平均粒径が1.6μmで、タップ密度が57.7%の易分散性銀微粉100gを内容積が2リットルのVブレンダ内で0.5時間混合し、導電粉を得た。この導電粉94gと実施例1記載のバインダ6gとを混合してペーストを得た。このペーストでライン長さが115mm、ライン幅が0.8mmの回路を印刷したのち、185℃で30分間乾燥固化させた回路の体積固有抵抗9μΩ・cmであった。
このペーストで実施例1と同様に櫛形電極を印刷して、30Vの直流電圧で耐マイグレーション性を試験したところ、櫛形電極間を流れる電流が5mAになるまでの時間は352秒であった。またこのペーストを、ボイドを含まないように注意深く印刷と乾燥を繰り返して積層印刷及び乾燥して厚さが1.3mmの試験片を作製した。この試験片の熱伝導率は、72Wm-1-1であった。
実施例20
実施例14で得た導電粉300gと、平均粒径が1.4μmで、タップ密度が59.3%の易分散性銀微粉200gを内容積が2リットルのボールミル容器内で、ボール無しに40min-1の回転速度で0.5時間混合し、導電粉を得た。この導電粉94gと実施例1記載のバインダ6gとを混合してペーストを得た。このペーストで、ライン長さが115mm、ライン幅が0.8mmの回路を印刷したのち、185℃で30分間乾燥固化させた回路の体積固有抵抗は8μΩ・cmであった。
このペーストで実施例1と同様に櫛形電極を印刷して、30Vの直流電圧で耐マイグレーション性を試験したところ、櫛形電極間を流れる電流が5mAになるまでの時間は348秒であった。またこのペーストを、ボイドを含まないように注意深く印刷と乾燥を繰り返して積層印刷及び乾燥して厚さが1.3mmの試験片を作製した。この試験片の熱伝導率は、74Wm-1-1であった。
実施例21
実施例3で得た導電粉291gと、平均粒径が1.4μmで、タップ密度が59.3%の易分散性銀微粉194gと、一次粒径が0.06μmでタップ密度は18%の銀超微粉の凝集粉15gを内容積が2リットルのボールミル容器内で、ボール無しに40min-1の回転速度で50時間混合し、導電粉を得た。この導電粉のタップ密度は74.3%であった。この導電粉94.5gと実施例1に記載のバインダ5.5gとを混合してペーストを得た。このペーストでライン長さが115mm、ライン幅が0.8mmの回路を印刷したのち、185℃で30分間乾燥固化させた回路の体積固有抵抗は6.5μΩ・cmであった。
またこのペーストで実施例1と同様に熱伝導率測定用試験片を作製した。この試験片の熱伝導率は、59Wm-1-1であった。
またこのペーストを、ボイドを含まないように注意深く80℃で60分間乾燥し、ついでその上に印刷し、乾燥・印刷を繰り返して厚さ2mmの半硬化物を作製した、ついでこの半硬化物をプレスで2MPaの圧力を加えたまま80℃で2時間保持し、ついで圧力を1MPaにして165℃まで3時間で昇温、165℃で1時間保持して硬化させた。この試験片の熱伝導率は、104Wm-1-1であった。
実施例22
実施例21で使用したものと同じ銀超微粉の凝集粉2.84gを実施例21のバインダ組成物5.5gに添加し、3本ロールミルで30分間混合した。ついで実施例21の易分散性銀微粉36.67gを混合物に添加し、3本ロールミルでさらに1時間混合した。ついで実施例21の導電粉55gを添加し、10分間混合してペーストを得た。
このペーストでライン長さが115mm、ライン幅が0.8mmの回路を印刷したのち、185℃で30分間乾燥固化させた回路の体積固有抵抗は6.2μΩ・cmであった。またこのペーストで実施例1と同様に熱伝導率測定用試験片を作製した。この試験片の熱伝導率は、62Wm-1-1であった。
実施例23
タップ密度が64%、平均粒径が11μmの略単分散された鱗片状銀粉700gと、タップ密度が55%、平均粒径が1.5μmの易分散性銀微粉300gを、内容積が2リットルのボール無しのボールミルに入れ、該ボールミルを40min-1の回転速度で、0.5時間回転し、均一混合した。導電粉のプレス密度は94%であった。
該導電粉と、軟化点が195℃のフェノキシ樹脂の25重量%溶液をバインダとして使用し、表2の配合で、導電粉ペーストを作製した。該導電粉ペーストを前記実施例と同様に印刷した。印刷品を110℃45分乾燥した後、得られた回路の導電性を体積固有抵抗で評価した。結果をあわせて表2に示した。
ここで、導電粉量及びバインダ固形量は重量部であり、バインダ固形量とは、添加したバインダのフェノキシ樹脂溶液中の固形分量を表す。
表2より、熱可塑系バインダを使用した導電粉ペーストの体積固有抵抗は、導電粉量96〜99%で、4.6乃至9.7μΩcmと良好であった。
一部凝集している略球状銀粉の例(原料導電粉)タップ密度56% 解粒と多面体化および略鱗片化の形状加工をした導電粉(銀)(原料は図1の銀粉) タップ密度66% 凝集した略球状銀メッキ銅粉の例(原料導電粉)タップ密度33% 図3の原料導電粉の解粒と、多面体化および略鱗片化の形状加工した導電粉の例(銀メッキ銅粉)。略鱗片化タップ密度61% 図4の粒子をさらに形状加工して、鱗片化を進めた導電粉の例。タップ密度59% 形状加工された多面体形状および略鱗片状の大粒子および小粒子と、易分散性銀微粉を混合した導電粉を含むペースト固化物断面の例。固化物の密度8.6g/cm3、バインダーを含む固化物の相対密度98.5%(ボイド1.5%)

Claims (9)

  1. 多面体形状粒子及び鱗片状粒子からなる単分散導電粉であり、
    全粒子の30%累積径未満は小粒子の平均アスペクト比が3以上であり、かつ小粒子の平均アスペクト比は30%累積径以上の大粒子の平均アスペクト比の1.3倍以上大きく、
    単分散導電粉は、該導電粉重量の0.5重量%以下の脂肪酸で表面処理されてなることを特徴とする導電粉。
  2. 前記導電粉がさらに易分散性銀微粉を含み、
    銀微粉は、その平均粒径が2.5μm以下であり、
    導電粉と銀微粉の量比が重量比で95:5乃至55:45であることを特徴とする請求項1に記載の導電粉。
  3. 前記導電粉がさらに銀超微粉の凝集粉を含み、凝集粉を構成する銀超微粉はその平均一次粒径が0.3μm以下であり、導電粉と易分散性銀微粉と銀超微粉の比が重量比で94.525:4.975:0.5乃至52.25:42.75:5.00であることを特徴とする請求項2に記載の導電粉。
  4. 単分散導電粉の材質が銀または銀合金であるか、あるいは表面が銀で被覆された銅または銅合金からなり、かつ単分散導電粉が表面が銀で被覆された銅または銅合金の場合に、銅と銀の重量比(銅:銀)が95:5乃至65:35であることを特徴とする請求項1に記載の導電粉。
  5. プレス密度が80乃至99%である請求項1〜4のいずれかに記載の導電粉。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電粉と、バインダとを含み、バインダの含有量が、バインダ中の固形分と導電粉との合計量に対して、0.3重量%以上、7重量%以下であることを特徴とする導電粉ペースト。
  7. 原料導電粉と微小粒径のビーズを、容器内に入れ、容器を運動させて原料導電粉とビーズを流動させて、原料導電粉を解粒するとともに多面体形状粒子及び鱗片状粒子に形状加工することを特徴とする請求項1に記載の導電粉の製造方法。
  8. 原料導電粉の材質が銀または銀合金であることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. バインダ溶液に、凝集粉を構成する銀超微粉、および易分散性銀微粉を、添加して分散させスラリとしたのち、該スラリに剪断力を加えて凝集粉を構成する銀超微粉および易分散性銀微粉を解粒し、ついで請求項1記載の導電粉を加えて均一混合する導電粉ペーストの製造方法。
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