JP3952004B2 - 導電ペースト - Google Patents
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Description
電子材料、1994年10月号の42〜46頁
と低いが工程が複雑であるため高価になるという欠点があった。さらに、銀粉を用いた導電ペーストは、高温多湿の雰囲気下電界が印加されると、配線導体や電極にマイグレーションと称する銀の電析が生じ電極間又は配線間が短絡するという欠点が生じる。このマイグレーションを防止するための方策はいくつか行われており、導体の表面に防湿塗料を塗布するか又は導電ペーストに含窒素化合物などの腐食抑制剤を添加するなどの方策が検討されているが十分な効果が得られるものではなかった。
請求項2〜4記載の発明は、よりアンカー効果に優れる導電ペーストを提供する。
請求項7〜9記載の発明は、より導電性に優れ、さらに接着性に優れた導電ペーストを提供する。
(1)少なくとも複合導電粉、結合剤及び硬化剤を含有してなる導電ペーストであって、前記複合導電粉は、レーザー散乱型粒度分布測定装置により測定した平均粒子径が25μm以下である扁平状銀被覆銅粉と、レーザー散乱型粒度分布測定装置により測定した平均粒子径が3〜20μmである不定形状導電粉との混合物であり、
前記不定形状導電粉は、銀又は銀合金より硬度が高い導電体が銀で被覆されたものであり、その被覆量は前記導電体に対して3〜50重量%であり、銀で被覆した後に形状を変形させたものであり、かつ被覆された導電体が露出しているものである導電ペースト。
(2)銀又は銀合金により硬度が高い導電体が、Co、Ni、Cr、Cu、W粉又はこれらの合金粉である(1)記載の導電ペースト。
(3)銀又は銀合金より硬度が高い導電体が、銅粉又は銅合金粉である(1)記載の導電ペースト。
(4)銅合金粉は、銅とスズの合金粉又は銅と亜鉛の合金粉である(3)記載の導電ペースト。
(6)扁平状銀被覆銅粉は、アスペクト比が6〜11である(1)記載の導電ペースト。
(7)結合剤が、液状エポキシ樹脂、フェノール樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂を含有してなる(1)記載の導電ペースト。
(8)さらに溶剤を含有してなる(1)記載の導電ペースト。
(9)さらに腐食抑制剤及び/又は微小黒鉛粉末を含有してなる(1)記載の導電ペースト。
請求項2〜4記載の導電ペーストは、よりアンカー効果に優れる。
請求項7〜9記載の導電ペーストは、より導電性に優れ、さらに接着性に優れる。
なお、本発明において行った具体的方法については後述する。
上記の銀合金としては、パラジウム(例えば銀合金中に1〜5重量%程度)、白金(例えば銀合金中に1重量%程度)等との合金を用いることが好ましい。
また上記の銀粉を作製する方法の1つに液中還元法があり、この方法によって作製される銀粉は平均粒径が数μmの微粉末であることから工業的な生産方法として広く利用されている。この液中還元法とは、銀を酸で溶解した後、これをアルカリで中和し、次いでこれにホルマリン、デンプン等の還元剤を添加して液中で還元して微粉末とする方法であり、これによって得られる粉末を還元銀粉といい、その形状は、塊状に近いが一定の形状ではなく不規則な形状をしている。この還元銀粉は本発明において不定形状導電粉として使用できる。
不定形状導電粉としては、銀又は銀合金以外の導電体が銀又は銀合金で被覆されている銀被覆導電体粉であってもよい。
これを使用することにより、電気回路を加圧したとき、扁平状銀被覆銅粉に不定形状導電粉がくい込み電気回路の導電性が高くなるので好ましい。
上記の銅合金粉としては、例えば銅とスズ、銅と亜鉛等との合金粉が用いられる。
銅粉又は導電粉の露出面積は、良好な導電性を得る点で50%以下が好ましく、20%以下がさらに好ましい。
基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、紙フェノール積層板、エポキシ樹脂ガラス布基材積層板、ポリイミド樹脂ガラス布基材積層板等が用いられる。
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1で得た樹脂組成物145重量部に実施例1で得たりん片状の銀被覆銅粉を400重量部添加し、撹拌らいかい機及び三本ロールで均一に混合分散して導電ペーストを得た。次にプレスでの加熱加圧工程を除いた以外は実施例1と同様の工程を経て電気回路を作製してその特性を評価した。その結果、電気回路の比抵抗は62μΩ・cmであった。また電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は10%であり、くし型電気回路の湿中負荷試験では、配線間の絶縁抵抗は108Ω以上であった。
実施例1で得た樹脂組成物145重量部にアスペクト比が8で長径の平均粒径が8μmのりん片状の銀粉(徳力化学研究所製、商品名TCG−1)を400重量部添加し、撹拌らいかい機及び三本ロールで均一に混合分散して導電ペーストを得た。次にプレスでの加熱加圧工程を除いた以外は実施例1と同様の工程を経て電気回路を作製してその特性を評価した。その結果、電気回路の比抵抗は62μΩ・cmであった。また電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は10%であり、くし型電気回路の湿中負荷試験では、試験時間370時間で配線間の絶縁抵抗は108Ω以下に低下し、配線間に銀のマイグレーションが発生していた。
実施例1で得た樹脂組成物145重量部に実施例1で得たりん片状に変形する前の表面を銀で被覆した銅粉(銅の露出面積が1%未満で、ほぼ0%)を400重量部を添加し、撹拌らいかい機及び三本ロールで均一に混合分散して導電ペーストを得た。次にプレスでの加熱加圧工程を除いた以外は実施例1と同様の工程を経て電気回路を作製してその特性を評価した。その結果、電気回路の比抵抗は65μΩ・cmであった。また電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は12%であり、くし型電気回路の湿中負荷試験では、試験時間530時間で配線間の絶縁抵抗は108Ω以下に低下し、配線間に銀のマイグレーションが発生していた。
2 ポリエチレンテレフタレートフィルム
Claims (9)
- 少なくとも複合導電粉、結合剤及び硬化剤を含有してなる導電ペーストであって、
前記複合導電粉は、レーザー散乱型粒度分布測定装置により測定した平均粒子径が25μm以下である扁平状銀被覆銅粉と、レーザー散乱型粒度分布測定装置により測定した平均粒子径が3〜20μmである不定形状導電粉との混合物であり、
前記不定形状導電粉は、銀又は銀合金より硬度が高い導電体が銀で被覆されたものであり、その被覆量は前記導電体に対して3〜50重量%であり、銀で被覆した後に形状を変形させたものであり、かつ被覆された導電体が露出しているものである導電ペースト。 - 銀又は銀合金より硬度が高い導電体が、Co、Ni、Cr、Cu、W粉又はこれらの合金粉である請求項1記載の導電ペースト。
- 銀又は銀合金より硬度が高い導電体が、銅粉又は銅合金粉である請求項1記載の導電ペースト。
- 銅合金粉は、銅とスズの合金粉又は銅と亜鉛の合金粉である請求項3記載の導電ペースト。
- 不定形状導電粉は、アスペクト比が5以下である請求項1記載の導電ペースト。
- 扁平状銀被覆銅粉は、アスペクト比が6〜11である請求項1記載の導電ペースト。
- 結合剤が、液状エポキシ樹脂、フェノール樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂を含有してなる請求項1記載の導電ペースト。
- さらに溶剤を含有してなる請求項1記載の導電ペースト。
- さらに腐食抑制剤及び/又は微小黒鉛粉末を含有してなる請求項1記載の導電ペースト。
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