JP2003123537A - 混合銅粉、その混合銅粉の製造方法、その混合銅粉を用いた銅ペースト及びその銅ペーストを用いたプリント配線板 - Google Patents

混合銅粉、その混合銅粉の製造方法、その混合銅粉を用いた銅ペースト及びその銅ペーストを用いたプリント配線板

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JP2003123537A JP2002229696A JP2002229696A JP2003123537A JP 2003123537 A JP2003123537 A JP 2003123537A JP 2002229696 A JP2002229696 A JP 2002229696A JP 2002229696 A JP2002229696 A JP 2002229696A JP 2003123537 A JP2003123537 A JP 2003123537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】銅ペーストに加工して行うビアホールの良好な
充填性と、形成した導体の電気的抵抗を低く維持するこ
とのできる混合銅粉を提供する。 【解決手段】粒径が10μm以下であって、レーザー回
折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10、D
50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によ
り測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるS
D/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90/D
10で表される値が4.0以下である微粒のフレーク銅
粉を第1銅粉とし、粒径が10μm以下であって、略球
形の形状をした球状銅粉を第2銅粉とし、この第1銅粉
と第2銅粉とを混合したことを特徴とする銅ペースト製
造用の混合銅粉を用いること等による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本件出願に係る発明は、混合
銅粉、その混合銅粉の製造方法、その混合銅粉を用いた
銅ペースト及びその銅ペーストを用いたプリント配線板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から銅粉は、銅ペーストの原料とし
て広く用いられてきた。そして、銅ペーストは、プリン
ト配線板の回路形成、セラミックコンデンサの外部電極
に代表されるように各種電気的接点部等に応用され、電
気的導通確保の手段に用いられてきた。
【0003】通常、ヒドラジン還元法等により得られた
銅粉は略球形の形状をしており、銅ペーストにして導体
形成を行った場合には、その導体の抵抗を上昇させるこ
となく、しかも同時に、プリント配線板のビアホールの
穴埋め等の場合には穴埋め性の向上、形成する導体の形
状の精度等も望まれてきた。これらの市場要求に応える
ため、銅ペーストの製造に用いる銅粉に、略球形の粉粒
の銅粉を用いるのではなく、フレーク状の粉粒で構成さ
れた銅粉(本件明細書においては、単に「フレーク銅
粉」と称する。)を用いることが検討されてきた。フレ
ーク銅粉を用いることで、扁平化した形状故に、粉粒の
比表面積が大きくなり、粉粒同士の接触面積が大きくな
るため、電気的抵抗を減少させ、導体形状の精度を上げ
るには非常に有効な方法であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フレーク銅粉は、その粉粒自体にクラック状の割れが多
く、粉粒自体の厚さも不均一であり、しかも、粒径は1
0μmを越えるものであり、総じて均一で微細な粉粒の
製品は存在せず、大きな粗粒がある一定の割合で含まれ
るという品質のもので、非常に広い粒度分布を持つ製品
であった。
【0005】このような品質のフレーク銅粉を銅ペース
トに加工して、特に微細な回路を形成しファインピッチ
化の進行した多層プリント配線板分野の、層間導通の確
保手段として用いられるビアホールの充填用に直接用い
ることが出来なかった。近年のプリント配線板の配線密
度の上昇は著しいものがあり、ビアホール径も100μ
m以下の製品も多く見受けられるようになってきた。こ
のような状況に対応するためには、従来にないほど微細
なフレーク銅粉が求められ、充填性の改善が要求される
のは当然である。
【0006】また、一方では、フレーク銅粉の品質が、
上述したような状況であることから、略球形の銅粉を単
に微細化することにより、ビアホールの充填性の改善が
試みられてきた。確かに、略球形の微細銅粉を単独で用
いて銅ペーストを製造して、ビアホールの充填を行う
と、予想通りに良好な充填性を示すものとなる。ところ
が、ビアホール内に充填された銅粉は、略球形の形状を
しているため、圧縮を受けたとしても銅粉の粉粒と粉粒
との接触は、面接触ではなく、点接触の状態になり、プ
リント配線板の層間導体を形成することになる。従っ
て、通電時の電流通路が狭くなるために電気的抵抗を低
くすることが出来ない欠点がある。更に、近年のビアホ
ール形成技術においては、低圧縮或いは非圧縮成形法に
よる導体形成も試みられており、より一層ビアホール内
の低電気抵抗化が指向されている。
【0007】これらのことから分かるように、銅ペース
トに加工した際の、ビアホールの良好な充填性と、形成
した導体の電気的抵抗を低く維持することのできる銅粉
に対する要求が高まってきたのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本件発明者等
は、従来のフレーク銅粉にはない粉体特性として、粗大
粒の混入がなく、均一な粒径分布を持つ微粒のフレーク
銅粉と、略球形の銅粉とを組み合わせることで、上述し
た問題の解決が可能ではないかと考え、以下の発明に到
ったのである。以下に本件発明を説明する。
【0009】請求項1には、粒径が10μm以下であっ
て、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積
粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度
分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用
いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且
つ、D90/D10で表される値が4.0以下である微
粒のフレーク銅粉を第1銅粉とし、粒径が10μm以下
であって、略球形の形状をした球状銅粉を第2銅粉と
し、この第1銅粉と第2銅粉とを混合したことを特徴と
する銅ペースト製造用の混合銅粉としている。
【0010】請求項2には、粒径が10μm以下であっ
て、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積
粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度
分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用
いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且
つ、D90/D10で表される値が4.0以下である微
粒のフレーク銅粉を第1銅粉とし、粒径が10μm以下
であって、重量累積粒径D50が0.5〜10μmであ
り、且つ、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重
量累積粒径D50と画像解析により得られる平均粒径D
IAとを用いてD50/DIAで表される凝集度の値が
1.5以下である低凝集性の略球形の形状をした球状銅
粉を第2銅粉とし、この第1銅粉と第2銅粉とを混合し
たことを特徴とする銅ペースト製造用の混合銅粉として
いる。これらの混合銅粉の代表的イメージを観察した走
査型電子顕微鏡像を図1に示している。
【0011】この請求項1と請求項2とに記載の混合銅
粉に共通することは、ある特定の粉体特性を備えたフレ
ーク銅粉と、略球形の形状をした球状銅粉とを混合して
得られる点である。ここで用いるフレーク銅粉は、粒径
が10μm以下であって、レーザー回折散乱式粒度分布
測定法による重量累積粒径D10、D50、D90、レ
ーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分
布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が
0.5以下であり、且つ、D90/D10で表される値
が4.0以下である微粒のものである。
【0012】ここで、粒径を10μm以下としたのは、
現在の段階で採用されるプリント配線板のビアホール径
を考慮すると、10μm以下でないと十分なビアホール
の充填性が得られないからである。また、ここで言う粒
径とは、走査電子顕微鏡等の銅粉の粉粒の直接的観察手
段を用いて測定した際の粒径であり、フレーク銅粉の長
径方向の長さのことである。従来に存在するフレーク銅
粉を見てみると、この粒径は、多少のバラツキはあるも
のの10μmを越えるのが一般的であり、ここで言うフ
レーク銅粉が極めて微細なものであることが分かる。
【0013】そして、従来から存在するフレーク銅粉の
粉体特性を調査した結果、そのフレーク銅粉の持つ諸特
性は、表1に示す如きものとなる。ここで、D10、D
50、D90及びDmaxとは、レーザー回折散乱式粒
度分布測定法を用いて得られる重量累積10%、50
%、90%における粒径のことであり、Dmaxは最大
粒径のことであり、フレーク銅粉0.1gをSNディス
パーサント5468の0.1%水溶液(サンノプコ社
製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製
US−300T)で5分間分散させた後、レーザー回
折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac H
RA 9320−X100型(Leeds+North
rup社製)を用いて測定したものである。
【0014】
【表1】
【0015】この表1に示した標準偏差SDとは、レー
ザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる全粒径
データのバラツキを表す指標であり、この値が大きな
程、バラツキが大きなものとなる。従って、ここで測定
した5ロットの標準偏差SDの値は、0.343〜1
4.280の範囲でばらついていることが分かり、ロッ
ト間の粒径分布のバラツキが非常に大きな事が分かる。
次に、変動係数であるSD/D50の値に着目すると
0.55〜0.87の範囲でバラツクという結果が得ら
れており、且つ、D90/D10で表される値が4.0
4〜7.61の範囲でバラツクものとなっている。更
に、Dmaxの値は、レーザー回折散乱式粒度分布測定
法を用いて得られた最大粒径を示すものであり、最大1
04.70μmという大きな粗粒が含まれている事も分
かる。この従来のフレーク銅粉を、走査電子顕微鏡で観
察したのが図3である。
【0016】これらの粉体特性を持つ従来のフレーク銅
粉を用いて、球状銅粉と混合して銅ペーストを製造し、
セラミックコンデンサの外部電極を製造した場合には形
状精度がバラツキ、プリント配線板のビアホールの充填
を行うと充填性にバラツキが生ずる事になるのである。
ここで、従来のフレーク銅粉と球状銅粉とを混ぜ合わせ
た混合銅粉(以下の「発明の実施の形態」の項で述べる
比較例として用いた混合銅粉)として、この混合銅粉
(フレーク銅粉が20wt%)の圧縮試験を行った結果
を表2に示している。
【0017】
【表2】
【0018】表2には、圧縮圧を増加させていったとき
の粉体層の厚さ変化と、圧縮密度の変化を示している。
そして、本件発明者等は、圧縮性を評価するための指標
として、A値=[(1000kgで圧縮したときの密
度)−(50kgで圧縮したときの密度)]/(50k
gで圧縮したときの密度)、B値=[(2000kgで
圧縮したときの密度)−(50kgで圧縮したときの密
度)]/(50kgで圧縮したときの密度)、C値=
[(2000kgで圧縮したときの密度)−(200k
gで圧縮したときの密度)]/(200kgで圧縮した
ときの密度)を用いた。この表1に表れた結果から、従
来のフレーク銅粉と球状銅粉とを混ぜ合わせた混合銅粉
は、A値が0.152、B値が0.224、C値が0.
167であった。この結果は、以下で本件発明に係る混
合銅粉の圧縮性の対比材料とする。
【0019】そして、本件発明者等が鋭意研究した結
果、フレーク銅粉の持つ粉体としての特性を、粒径が1
0μm以下のフレーク銅粉であって、フレーク銅粉のレ
ーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D
10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測
定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表
されるSD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D
90/D10表される値が4.0以下であるものとすれ
ば、混合銅粉を経て銅ペーストにして導体形成を行った
場合にも、その導体の抵抗を上昇させることなく、同時
に、プリント配線板のビアホールの穴埋め性を向上さ
せ、導体抵抗を低減させ、形成した導体の形状の精度も
著しく改善出来ることが判明したのである。この条件を
満たすフレーク銅粉と球状銅粉とを混ぜ合わせた混合銅
粉(以下の「発明の実施の形態」の項で述べる第1実施
形態で述べる混合銅粉)として、この混合銅粉の圧縮試
験を行った結果を表3に示している。
【0020】
【表3】
【0021】この表3に示された結果から、前述した圧
縮性を示す指標として用いたA値が0.065、B値が
0.104、C値が0.079であった。これを、上述
した従来のフレーク銅粉と球状銅粉とを混ぜ合わせた混
合銅粉(フレーク銅粉が20wt%)の場合と比較する
と、明らかに小さな値となっている。即ち、本件発明に
係る混合粉は、充填した当初から極めて良好な充填性を
備えるため、圧縮力に応じて圧縮密度及び体積変化が小
さくなり、低い圧縮力で成形が完了できるものと言え
る。従って、これらを用いて銅ペーストを製造し、プリ
ント配線板のビアホールの充填に用いても同様の効果が
期待できるのである。
【0022】この本件発明に係る混合銅粉に用いるフレ
ーク銅粉を走査型電子顕微鏡で観察したのが、図2であ
る。ここで、図2と図3とを比較することで、明らか
に、図3に示す従来のフレーク銅粉に比べて、図2のフ
レーク銅粉の粉粒のサイズが揃っていることが分かるの
である。
【0023】以上に述べてきたフレーク銅粉を第1銅粉
として、これと混合するために用いる第2銅粉は、略球
状の形状を持つ銅粉であり、フレーク銅粉と区別する意
味で、本件明細書では球状銅粉と称している。請求項1
に記載の混合銅粉に用いる第2銅粉には、通常のヒドラ
ジン還元法に代表される湿式法、アトマイズ法に代表さ
れる乾式法で得られる銅粉をそのまま使用するか、若し
くは、その銅粉の表面を平滑化処理した銅粉を用いるか
のいずれかである。従って、球状銅粉とは、ある程度角
張った形状、多面体形状等をしていても、ある程度扁平
した球状をしていても、全体として球状と称することの
できる銅粉の全てを指す用語として用いている。
【0024】これに対して、請求項2に記載の混合銅粉
で用いる第2銅粉には、ヒドラジン還元法に代表される
湿式法、アトマイズ法に代表される乾式法で得られた銅
粉に解粒処理を施し、凝集状態にある粉粒を単分散粉の
状態にした銅粉を用いる点で異なるのである。そこで、
「粒径が10μm以下であって、重量累積粒径D50
0.5〜10μmであり、且つ、レーザー回折散乱式粒
度分布測定法による重量累積粒径D50と画像解析によ
り得られる平均粒径DIAとを用いてD50/DIA
表される凝集度の値が1.5以下である低凝集性の略球
形の形状をした球状銅粉」として、使用する第2銅粉を
明らかとしているのである。
【0025】ここで凝集度という概念を用いているが、
以下のような理由から採用したものである。即ち、レー
ザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる重量累
積粒径D50の値は、真に粉粒の一つ一つの径を直接観
察したものではないと考えられる。殆どの銅粉を構成す
る粉粒は、個々の粒子が完全に分離した、いわゆる単分
散粉ではなく、複数個の粉粒が凝集して集合した状態に
なっているからである。レーザー回折散乱式粒度分布測
定法は、凝集した粉粒を一個の粒子(凝集粒子)として
捉えて、重量累積粒径を算出していると言えるのであ
る。
【0026】これに対して、走査型電子顕微鏡(SE
M)を用いて観察される銅粉の観察像を画像処理するこ
とにより得られる平均粒径DIAは、SEM観察像から
直接得るものであるため、一次粒子が確実に捉えられる
ことになり、反面には粉粒の凝集状態の存在を全く反映
させていないことになる。
【0027】以上のように考えると、本件発明者等は、
レーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D
50と画像解析により得られる平均粒径DIAとを用い
て、D 50/DIAで算出される値を凝集度として捉え
ることとしたのである。即ち、同一ロットの銅粉におい
てD50とDIAとの値が同一精度で測定できるものと
仮定して、上述した理論で考えると、凝集状態のあるこ
とを測定値に反映させるD50の値は、DIAの値より
も大きな値になると考えられる。
【0028】このとき、D50の値は、銅粉の粉粒の凝
集状態が全くなくなるとすれば、限りなくDIAの値に
近づいてゆき、凝集度であるD50/DIAの値は、1
に近づくことになる。凝集度が1となった段階で、粉粒
の凝集状態が全く無くなった単分散粉と言えるのであ
る。但し、現実には、凝集度が1未満の値を示す場合も
ある。理論的に考え真球の場合には、1未満の値にはな
らないのであるが、現実には、真球ではなく1未満の凝
集度の値が得られることになるようである。なお、本件
明細書における走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観
察される銅粉の画像解析は、旭エンジニアリング株式会
社製のIP−1000PCを用いて、円度しきい値1
0、重なり度20として円形粒子解析を行い、平均粒径
IAを求めたものである。
【0029】そして、請求項3及び請求項4に記載した
混合銅粉は、請求項1及び請求項2で用いた第1銅粉
を、「粒径が10μm以下であって、フレーク銅粉のレ
ーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D
50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定し
た粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D
の値が0.15〜0.35であり、且つ、フレーク銅
粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D50とで
表されるアスペクト比([厚さ]/[D50])の値が
0.3〜0.7である微粒のフレーク銅粉」に置き換え
たものである。従って、第1銅粉を除いての説明は、重
複したものとなるため、ここでの説明は省略する。
【0030】ここで用いるフレーク銅粉も、請求項1及
び請求項2に記載したフレーク銅粉の中に含まれるもの
であるが、銅ペーストに加工した際の低粘度化、プリン
ト配線板のビアホールの穴埋め充填性、形成した導体の
低抵抗化を可能とするのである。中でも、この混合銅粉
を用いて製造した銅ペーストを用いて形成した導体は優
れた低抵抗化が可能となるのである。
【0031】ここで用いた第1銅粉は、イメージ的には
図2に示したフレーク銅粉と同様である。フレーク銅粉
の製造方法は、加工手法に僅かの差はあれ、物理的に球
形若しくは多角形状の銅粉粒を塑性加工して製造するも
のである。本件発明に係るフレーク銅粉も、以下で述べ
るような物理的手法を用いている。このように物理的手
法を用いる限り、扁平加工度が大きくなるほど、粉粒の
内部にパッケージされる転位密度が上昇し、結晶粒の微
細化が起こることになる。転位密度が上昇し、結晶粒の
微細化が起これば、当然に粉粒自体の電気抵抗は大きく
なるのである。従って、この請求項3及び請求項4で用
いる第1銅粉は、銅ペースト製造し、導体を形成した際
に、粉粒同士の接触界面面積を良好に保ち、且つ、加工
度を低減させ転位密度の上昇及び結晶粒の微細化による
高抵抗化を抑制したバランスのとれた粉体と言えるので
ある。
【0032】フレーク銅粉を構成する粉粒の厚さと前記
重量累積粒径D50とで表されるアスペクト比([厚
さ]/[D50])の値が0.3〜0.7としている。
このアスペクト比は、フレーク銅粉の加工度を表すもの
である。従って、アスペクト比の値が0.3未満の場合
には、粉粒の厚さが薄くなりすぎ、粉粒内部の転位密度
が急激に上昇し、結晶粒の微細化が起こり始め、抵抗の
上昇を引き起こすと考えられるのである。これに対し、
アスペクト比の値が0.7を越えると、加工度が低く扁
平率が低いため、粉粒が球状銅粉である第2銅粉との十
分な接触界面面積が得られず、抵抗を下げる事が出来な
くなるためである。
【0033】以上に述べてきた第1銅粉と第2銅粉とを
混合させる割合は、請求項に記載したように、第1銅粉
と第2銅粉との混合は、混合銅粉の重量を基準として、
第1銅粉の含有量が1wt%〜40wt%とする事が好
ましい。厳密に言えば、第1銅粉と第2銅粉の持つ粒度
分布の組み合わせを考慮して、第1銅粉の含有量を定め
るのが通常である。即ち、本件発明における考え方は、
第2銅粉の持つ粒径を越えることのない第1銅粉を混合
して用いるとの考え方を採用しているが、フレーク銅粉
である第1銅粉の粒径が3μm以下の微細なものとなっ
てくると、混合銅粉の全体量に対して極微量を混合させ
るだけで、第2銅粉の粉粒間に進入し易くなり、ビアホ
ールの充填性の改善と共に、形成した層間導体の電気抵
抗の低減に寄与できるのである。これとは反対に、第1
銅粉の粒径が大きくなるほど、多くの量の第1銅粉を含
有させなければ、第2銅粉の粉粒間への進入がしにくく
なるため、ビアホールの充填性の改善と共に、形成した
層間導体の電気抵抗の低減に寄与できなくなるのであ
る。これらのことと、第1銅粉及び第2銅粉の粒径が共
に10μm以下の範囲であることを考慮し、第1銅粉の
含有量が1wt%〜40wt%とする事が好ましいとし
ているのである。
【0034】従って、下限値である1wt%とは、粒径
が10μmの第2銅粉に粒径が3μm以下の第1銅粉と
の組み合わせにおいて、銅ペーストを製造し、ビアホー
ルの充填性の改善と共に、形成した層間導体の電気抵抗
の低減に寄与できる最低限量を意味している。そして、
上限値である40wt%とは、第1銅粉と第2銅粉と
の、各々の粒径が10μmの組み合わせとしたときに、
これ以上第1銅粉の混合割合を増加させても、銅ペース
トを製造し、ビアホールの充填性の改善と共に、形成し
た層間導体の電気抵抗の低減に寄与できるものではなく
なる上限量を意味しているのである。
【0035】続いて、上述してきた混合銅粉の製造方法
について説明する。製造方法としては、請求項に、凝集
状態にある銅粉を解粒処理し、解粒処理の終了した銅粉
の粉粒を高エネルギーボールミルで圧縮変形しフレーク
状にすることで第1銅粉である微粒のフレーク銅粉を製
造し、凝集状態にある乾燥した銅粉を衝突摩擦式粉砕装
置を用いて、表面の平滑化を行い、粉粒表面の微細な凹
凸を消失させた粒径が10μm以下の略球形の形状をし
た球状銅粉を第2銅粉として製造し、この得られた第1
銅粉と第2銅粉とを混合機を用いて攪拌混合することで
2種類の銅粉を均一に混合分散させることを特徴とした
混合銅粉の製造方法としている。
【0036】更に、請求項には、凝集状態にある銅粉を
解粒処理し、解粒処理の終了した銅粉の粉粒を高エネル
ギーボールミルで圧縮変形しフレーク状にすることで第
1銅粉である微粒のフレーク銅粉を製造し、凝集状態に
ある銅粉を解粒処理し、凝集状態を無くし、且つ、表面
の平滑化を行い粉粒表面の微細な凹凸を消失させた粒径
が10μm以下の略球形の形状をした球状銅粉を第2銅
粉として製造し、この得られた第1銅粉と第2銅粉とを
混合機を用いて攪拌混合することで2種類の銅粉を均一
に混合分散させることを特徴とした混合銅粉の製造方法
としている。
【0037】まずここで、フレーク銅粉である第1銅粉
の製造方法について説明する。上述した如き粉体特性を
備えるフレーク銅粉を安定して製造するためには、従来
の製造方法を用いても製造することは出来ないのであ
る。即ち、従来のフレーク銅粉は、ヒドラジン還元法に
代表される手法で得られた略球形の銅粉を、直接、ビー
ズミル等の圧縮粉砕機にかけ、メディアであるビーズに
より銅粉の粉粒を圧縮することで、粉粒を塑性変形させ
扁平化させることでフレーク状にしたものである。
【0038】ところが、この様な製造方法の場合には、
当初用いる略球形の銅粉自体が、一定の凝集状態にあ
り、凝集状態を破壊することなく圧縮変形を行っても、
粉粒同士の凝集状態が保たれたまま圧縮変形を受け、凝
集状態のままのフレーク銅粉が得られ、粉粒同士が分散
した状態にはならないのである。
【0039】従って、本件発明者等は、まず略球形の状
態の銅粉の凝集状態を破壊し、解粒処理を行い、その
後、粉粒をフレーク状に圧縮変形する方法に想到したの
である。例えば、解粒処理の終了した銅粉の粉粒を高エ
ネルギーボールミルで圧縮変形することでフレーク状に
するのである。
【0040】凝集状態にある銅粉とは、所謂ヒドラジン
還元法に代表される湿式法であっても、アトマイズ法に
代表される乾式法であっても、一定の凝集状態が形成さ
れるためこのように表現しているのである。特に、湿式
法の場合には、粉粒の凝集状態の形成が起こりやすい傾
向にある。即ち、一般的に湿式法による銅粉の製造は、
硫酸銅溶液を出発原料として、水酸化ナトリウム溶液を
用いて反応させ、酸化銅を得て、これをヒドラジン還元
して、洗浄、濾過、乾燥することで行われる。このよう
にして乾燥した銅粉が得られるのであるが、このように
湿式法で得られた銅粉の粉体は、一定の凝集状態にあ
る。この凝集した状態の粉体を、一粒一粒の粉粒に分離
することを、本件明細書では「解粒」と称しているので
ある。
【0041】単に解粒作業を行うことを目的とするので
あれば、解粒の行える手段として、高エネルギーボール
ミル、高速導体衝突式気流型粉砕機、衝撃式粉砕機、ゲ
ージミル、媒体攪拌型ミル、高水圧式粉砕装置等種々の
物を用いることが可能である。ところが、銅ペーストの
粘度を可能な限り低減させることを考えると、銅粉の比
表面積を可能な限り小さなものとすることが求められ
る。従って、解粒は可能であっても、解粒時に粉粒の表
面に損傷を与え、その比表面積を増加させるような解粒
手法であってはならないのである。
【0042】このような認識に基づいて、本件発明者等
が鋭意研究した結果、請求項に記載したような二つの解
粒手法に想到した。この二つの方法に共通することは、
銅粉の粉粒が装置の内壁部、攪拌羽根、粉砕媒体等の部
分と接触することを最小限に抑制し、凝集した粉粒同士
が相互に衝突し合い、しかも、解粒が十分可能な方法で
ある点である。即ち、装置の内壁部、攪拌羽根、粉砕媒
体等の部分と接触することで粉粒の表面を傷つけ、表面
粗さを増大させるものであってはならないのである。そ
して、十分な粉粒同士の衝突を起こさせることで、凝集
状態にある粉粒を解粒し、同時に、粉粒同士の衝突によ
る粉粒表面の平滑化の可能な手法を採用したのである。
【0043】解粒方法の一つは、凝集状態にある乾燥し
た銅粉を、遠心力を利用した風力サーキュレータを用い
て解粒処理するのである。ここで言う「遠心力を利用し
た風力サーキュレータ」とは、エアをブロワーして、凝
集した銅粉を円周軌道を描くように吹き上げてサーキュ
レーションさせ、このときに発生する遠心力により粉粒
同士を気流中で相互に衝突させ、解粒作業を行うために
用いるものである。このときに、遠心力を利用した市販
の風力分級器を用いることも可能である。係る場合、あ
くまでも分級を目的としたものではなく、風力分級器が
エアをブロワーして、凝集した銅粉を円周軌道を描くよ
うに吹き上げるサーキュレータの役割を果たすのであ
る。
【0044】また、二つめの解粒手法は、凝集状態にあ
る銅粉を含有した銅粉スラリーを、遠心力を利用した流
体ミルを用いて解粒処理するのである。ここで言う「遠
心力を利用した流体ミル」とは、銅粉スラリーを円周軌
道を描くように高速でフローさせ、このときに発生する
遠心力により凝集した粉粒同士を溶媒中で相互に衝突さ
せ、解粒作業を行うために用いるのである。このように
することで、解粒作業の終了した銅粉スラリーを洗浄、
濾過、乾燥することで解粒作業の終了した低凝集性の銅
粉が得られることになるのである。
【0045】上述した解粒処理は、必要に応じて複数回
を繰り返して行うことも可能であり、要求品質に応じ
て、解粒処理のレベルの任意選択が可能である。解粒処
理の施された銅粉は、凝集状態が破壊され新たな粉体特
性を備えることになるのである。そして、レーザー回折
散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50と画像
解析により得られる平均粒径DIAとを用いてD50
IAで表される凝集度の値が1.5以下とすること
が、最も望ましいのである。ここで言う凝集度が1.5
以下となると、殆ど完全な単分散の状態が確保できてい
ると言えるためである。
【0046】以上のようにして解粒処理の終了した略球
形の銅粉を、高エネルギーボールミルを用いて処理する
ことで、銅粉の粉粒を圧縮変形させ、フレーク銅粉とす
るのである。
【0047】ここで言う高エネルギーボールミルとは、
ビーズミルに代表される湿式法、アトライターに代表さ
れる乾式法等のメディアを用いて、銅粉の粉粒を圧縮し
て塑性変形させる事のできる装置の総称として用いてい
るのである。このような装置を用いて得られたフレーク
銅粉は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量
累積粒径D50と平均粒径D90、レーザー回折散乱式
粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SD
を用いて表されるSD/D50の値が0.5以下であ
り、且つ、D90/D10で表される値が4.0以下と
なる特徴を備えるものとなるのである。
【0048】また、加工する度合いを加工時間により調
整することで、粒径が10μm以下であって、レーザー
回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10
、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法に
より測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表される
SD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90
10で表される値が4.0以下である微粒のフレーク
銅粉を得ることが出来るのである。
【0049】そして、これらを第1銅粉として用いるの
である。但し、本件明細書の発明の対象となるフレーク
銅粉は、従来にある銅粉と異なり、図2から分かるよう
にフレーク状と言うよりは、微小ナゲット状と称するの
が適当であると言える。この形状を見れば明らかなよう
に、従来のフレーク銅粉の形状に比べ滑らかな表面形状
をしており、銅ペーストに加工した際のフレーク銅粉の
分散性を高めることができ、結果としてペースト粘度の
低減に寄与するものと考えられる。以上のようにして製
造したフレーク銅粉の粉体特性を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】この表4に掲載した内容と、表1に記載し
た内容とを対比して考えれば、本実施形態により得られ
たフレーク銅粉の粉体特性は、表1に掲載した従来のフ
レーク銅粉の粉体品質に比べて、ロット間に置いても非
常に安定してバラツキの無いものであり、各ロット内に
おける粉粒の分布も非常にシャープな分布をしているこ
とが分かる。即ち、微細で且つ狭い範囲に粒度分布が収
まるのである。
【0052】以下、第2銅粉について説明する。請求項
に記載の製造方法で用いる第2銅粉は、凝集状態にある
乾燥した銅粉を衝突摩擦式粉砕装置を用いて、表面の平
滑化を行い、粉粒表面の微細な凹凸を消失させた粒径が
10μm以下の略球形の形状をした球状銅粉である。但
し、この請求項4に記載の製造方法で用いる第2銅粉
は、完全に解粒処理のなされたものである必要はないの
である。
【0053】この表面の平滑化に用いる衝突摩擦式粉砕
装置とは、いわゆるジェットミル、ディスインテグレー
タ、ハイブリタイザー等であり、各々の略球形の銅粉の
粉粒同士を衝突させることで、粉粒表面の微細な凹凸を
消失させ、滑らかな表面を形成ることができる。また、
単なる攪拌翼を備えた攪拌機内で銅粉を攪拌する方法、
銅粉を溶液中に入れ溶液攪拌を行う方法、ボールミルの
如きメカニカルな手法等を用いることも可能である。
【0054】このような手法を採用することで銅粉の粉
粒表面の微細な凹凸形状を消失させるとともに、完全で
はないがある程度銅粉の凝集状態を破壊して、凝集した
粉粒の分離を行い、銅ペーストに加工した際の銅粉の分
散性を高め、ペースト粘度の低減に寄与するものとな
る。
【0055】これに対し、もう一方の製造方法で用いる
第2銅粉は、凝集状態にある銅粉を解粒処理し、凝集状
態を無くし、且つ、表面の平滑化を行い粉粒表面の微細
な凹凸を消失させた粒径が10μm以下の略球形の形状
をした球状銅粉である。即ち、ここでは凝集状態にある
銅粉をほぼ完全に解粒処理し、同時に粉粒の表面の平滑
化を行った球状銅粉を意味しているのである。ほぼ完全
に解粒処理がされ、同時に表面の平滑化が行われた球状
銅粉を用いることで、銅ペーストに加工した際の銅粉の
分散性を高め、ペースト粘度の低減に寄与するものとな
る。
【0056】この解粒処理に用いる手法は、第1銅粉で
あるフレーク銅粉を製造する過程で用いたと同様の前述
した解粒手法をそのまま用いることが出来る。従って重
複した説明を避けるため、ここでの説明は省略する。
【0057】以上に述べてきた第1銅粉と第2銅粉とを
混ぜ合わせて混合銅粉とするのであるが、混合銅粉とす
る際に用いる混合機、攪拌方法等に特に限定はない。工
程に適合させた手法を選択使用すればよいのである。
【0058】このようにして得られた混合銅粉を用いて
銅ペーストを製造するのであるが、上述してきたように
本件発明において用いるフレーク銅粉と球状銅粉との組
み合わせは、それぞれの銅粉が滑らかな表面を備えてい
るため、従来のフレーク銅粉と球状銅粉とを組み合わせ
た混合銅粉を用いて製造した銅ペーストの粘度と対比し
ても、銅ペーストの粘度の低減化が可能となるのであ
る。しかも、上述したように本件発明に係るフレーク銅
粉は、従来の銅粉に比べて微細なものであり、ビアホー
ルの充填性において、優れた特性を発揮することは容易
に考え得るところである。そこで、請求項9には、請求
項1〜請求項5のいずれかに記載の混合銅粉を用いて製
造した銅ペーストとしている。
【0059】更に、以上に述べた混合銅粉を用いて製造
した銅ペーストは、その充填性に優れ、形成した導体の
電気抵抗を低く維持できることから、多層プリント配線
板の層間導体であるビアホール、スルーホール等の穴埋
め用途に最適なものとなるのである。そこで、請求項1
0には、請求項9に記載の混合銅粉を用いて製造した銅
ペーストにより形成した導体を含んだプリント配線板と
しているのである。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態を通じ
て、本件発明に関し、より詳細に説明する。
【0061】そこで、最初に第1実施形態、第2実施形
態、比較例で共通する内容となる、湿式法による銅粉及
び銅粉スラリーの製造方法について説明する。ここで
は、硫酸銅(五水塩)100kgを、温水に溶解させ液
温60℃の200リットルの溶液とした。そして、ここ
に125リットルの25質量%濃度の水酸化ナトリウム
水溶液を添加し、液温を60℃に維持しつつ、1時間の
攪拌を行い、酸化第二銅を生成した。
【0062】酸化第二銅の生成が終了すると、液温を6
0℃に維持し続け、ここに濃度450g/lのグルコー
ス水溶液80リットルを、20分かけて一定の速度で添
加し、酸化第一銅スラリーを生成した。ここで、このス
ラリーを一旦濾過し、洗浄した後、温水を加えて320
リットルの再スラリーとした。
【0063】次に、再スラリーに、1.5kgのアミノ
酢酸及び0.7kgのアラビアゴムを添加し、攪拌し
て、溶液温度を50℃に保持した。この状態の再スラリ
ーに、20質量%濃度の水加ヒドラジン50リットル
を、60分かけて一定の速度で添加し、酸化第一銅を還
元して銅粉として、銅粉スラリーを生成した。この銅粉
スラリーが、以下の第2実施形態で用いる銅粉スラリー
である。
【0064】続いて、この銅粉スラリーを濾過し、純水
で十分に洗浄し、濾過して水切りを行い、乾燥して銅粉
を得た。この銅粉が第1実施形態で用いる凝集状態にあ
る乾燥した銅粉である。この凝集状態にある銅粉のレー
ザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50
1.19μm、全粒径の標準偏差0.58μm、比表面
積0.70m/gであり、画像解析により得られる平
均粒径DIAは0.68μm、従って、D50/DIA
で算出される凝集度は1.75であった。
【0065】第1実施形態: 本実施形態では、最初に
第1銅粉として用いるフレーク銅粉を製造した。まず、
「凝集状態にある乾燥した銅粉」を、市販の風力分級器
である日清エンジニアリング社製のターボクラシファイ
ヤを用いて、回転数6500rpmでサーキュレーショ
ンさせ、凝集状態にある粉粒同士を衝突させて解粒作業
を行った。
【0066】この結果、解粒作業の終了した銅粉のレー
ザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50
0.78であり、画像解析により得られる平均粒径D
IAは0.70μm、従って、D50/DIAで算出さ
れる凝集度は1.12であり、十分な解粒処理が行われ
ていることが確認できた。
【0067】次に、この解粒処理した銅粉を、媒体分散
ミルであるWilly A.Bachofen AG
Maschinenfabrik製のダイノーミル K
DL型を用いて、0.7mm径のジルコニアビーズをメ
ディアとして用い、溶媒にメタノールを用いて30分間
分散し、銅粉の粉粒を圧縮して塑性変形させる事で、略
球形の銅粉をフレーク状の銅粉にした。
【0068】以上のようにして得られた第1銅粉である
フレーク銅粉の諸特性は、D10が0.486μm、D
50が0.71μm、D90が1.059μm、最大粒
径D maxが2.31μm、標準偏差SDが0.216
μmであって、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によ
る重量累積粒径D10、D50、D90、及びレーザー
回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標
準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.3
0であり、D90/D10で表される値が2.18とな
っている。従って、本件発明に係る第1銅粉の具備すべ
き要件を満足するものであることが分かるのである。
【0069】次に、第2銅粉として用いる球状銅粉は、
「凝集状態にある乾燥した銅粉」を平滑化処理として、
ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、
5分間の処理を行い、球状銅粉の粉粒の表面の平滑化を
行った。この結果、重量累積粒径D50は4.78μ
m、全粒径の標準偏差1.96μm、比表面積0.18
/gであり、平滑化を行う前に比べて、粉粒の分布
が小さく、粉粒表面の形状が滑らかになっている事が分
かる。
【0070】以上のようにして得られた第1銅粉を10
wt%、第2銅粉を90wt%含有する混合銅粉を製造
した。このときの混合には、株式会社ヤヨイ社製の混合
機YGG−2L3を用いて行った。
【0071】そして、この混合銅粉を用いてエポキシ系
銅ペーストを製造した。ここで製造したエポキシ系銅ペ
ーストは、混合銅粉を90重量部、第1のエポキシ樹脂
には油化シェル社製のエピコート806を2.3重量
部、第2のエポキシ樹脂には東都化成株式会社製のYD
−141を6.8重量部、エポキシ樹脂硬化剤として味
の素株式会社製のアミキュアMY−24を0.9重量部
として、これらの混錬を行ってエポキシ系銅ペーストを
得たのである。
【0072】以上のようにして得られたエポキシ系銅ペ
ーストの製造直後の粘度を測定すると350Pa・s、
一週間経過後の粘度は385Pa・sであり、あまり粘
度変化がないという結果が得られている。
【0073】更に、この銅ペーストを金型に入れ、加圧
して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を
持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、
このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵
抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗
値は、2.9×10−5Ω・mであった。
【0074】第2実施形態: 本実施形態では、最初に
第1銅粉として用いるフレーク銅粉を製造した。まず、
「銅粉スラリー」を、市販の遠心力を利用した流体ミル
である太平洋機工社製のファイン・フローミルを用い
て、回転数3000rpmでサーキュレーションさせ、
凝集状態にある粉粒同士を衝突させて解粒作業を行っ
た。
【0075】この結果、解粒作業の終了した銅粉のレー
ザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50
0.80であり、画像解析により得られる平均粒径D
IAは0.76、従って、D50/DIAで算出される
凝集度は1.05であり、十分な解粒作業が行われてい
ることを確認した。
【0076】次に、この解粒処理した銅粉を、媒体分散
ミルである第1実施形態で用いたと同様のダイノーミル
を用いて、0.7mm径のジルコニアビーズをメディア
として用い、溶媒にメタノールを用いて30分間分散
し、銅粉の粉粒を圧縮して塑性変形させる事で、略球形
の銅粉をフレーク状の銅粉にした。
【0077】以上のようにして得られたフレーク銅粉の
諸特性は、D10が0.503μm、D50が0.80
7μm、D90が1.294μm、最大粒径Dmax
3.27μm、標準偏差SDが0.294μmであっ
て、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積
粒径D10、D50、D90及びレーザー回折散乱式粒
度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを
用いて表されるSD/D 50の値が0.36であり、D
90/D10で表される値が2.57となっている。従
って、本件発明に係るフレーク銅粉の具備すべき要件を
満足するものであることが分かるのである。
【0078】次に、第2銅粉として用いる球状銅粉は、
「凝集状態にある乾燥した銅粉」を、市販の風力分級器
である日清エンジニアリング社製のターボクラシファイ
ヤを用いて、回転数6500rpmでサーキュレーショ
ンさせ、凝集状態にある粉粒同士を衝突させて解粒作業
を行い、同時に平滑化処理した。この結果、重量累積粒
径D50は4.78μm、全粒径の標準偏差1.96μ
m、比表面積0.18m/gであり、平滑化を行う前
に比べて、粉粒の分布が小さく、粉粒表面の形状が滑ら
かになっている事が分かる。
【0079】以上のようにして得られた第1銅粉を5w
t%、第2銅粉を95wt%含有する混合銅粉を製造し
た。このときの混合には、第1実施形態と同様の装置を
用いて行った。
【0080】そして、この混合銅粉を用いてエポキシ系
銅ペーストを製造した。ここで製造したエポキシ系銅ペ
ーストは、混合銅粉を90重量部、第1のエポキシ樹脂
には油化シェル社製のエピコート806を2.3重量
部、第2のエポキシ樹脂には東都化成株式会社製のYD
−141を6.8重量部、エポキシ樹脂硬化剤として味
の素株式会社製のアミキュアMY−24を0.9重量部
として、これらの混錬を行ってエポキシ系銅ペーストを
得たのである。
【0081】以上のようにして得られたエポキシ系銅ペ
ーストの製造直後の粘度を測定すると330Pa・s、
一週間経過後の粘度は350Pa・sであり、あまり粘
度変化がないという結果が得られている。
【0082】更に、この銅ペーストを用いて第1実施形
態と同様の製造方法でペレットを製造し、同様の抵抗測
定を行った。その結果の抵抗値は、2.5×10−5Ω
・mであった。
【0083】第3実施形態: 本実施形態では、第1実
施形態と同様の方法で第1銅粉を製造した。但し、解粒
処理した銅粉を、媒体分散ミルであるWilly A.
Bachofen AG Maschinenfabr
ik製のダイノーミル KDL型を用いて、0.7mm
径のジルコニアビーズをメディアとして用い、溶媒にメ
タノールを用いて15分間分散し、銅粉の粉粒を圧縮レ
ベルを低くして塑性変形させる事で、略球形の銅粉をア
スペクト比の平均値が0.3〜0.7のフレーク状の銅
粉にした。
【0084】以上のようにして得られた第1銅粉である
フレーク銅粉の諸特性は、D10が0.514μm、D
50が0.689μm、D90が1.121μm、最大
粒径Dmaxが2.12μm、標準偏差SDが0.21
6μmであって、レーザー回折散乱式粒度分布測定法に
よる重量累積粒径D10、D50、D90、及びレーザ
ー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の
標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.
25であり、D90/D10で表される値が2.18と
なっている。更に、フレーク銅粉を構成する粉粒の平均
厚さと前記重量累積粒径D50とで表されるアスペクト
比([厚さ]/[D50])の値が0.48であった。
【0085】また、第2銅粉として用いる球状銅粉は、
第1実施形態で用いたと全く同様の「凝集状態にある乾
燥した銅粉」を平滑化処理として、ハイブリタイザーを
用いて得られたものを用いた。
【0086】以上のようにして得られた第1銅粉を10
wt%、第2銅粉を90wt%含有する混合銅粉を製造
した。このときの混合には、株式会社ヤヨイ社製の混合
機YGG−2L3を用いて行った。
【0087】そして、この混合銅粉を用いてエポキシ系
銅ペーストを製造した。ここで製造したエポキシ系銅ペ
ーストは、混合銅粉を90重量部、第1のエポキシ樹脂
には油化シェル社製のエピコート806を2.3重量
部、第2のエポキシ樹脂には東都化成株式会社製のYD
−141を6.8重量部、エポキシ樹脂硬化剤として味
の素株式会社製のアミキュアMY−24を0.9重量部
として、これらの混錬を行ってエポキシ系銅ペーストを
得たのである。
【0088】以上のようにして得られたエポキシ系銅ペ
ーストの製造直後の粘度を測定すると350Pa・s、
一週間経過後の粘度は385Pa・sであり、あまり粘
度変化がないという結果が得られている。
【0089】更に、この銅ペーストを金型に入れ、加圧
して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を
持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、
このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵
抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗
値は、2.5×10−5Ω・mであった。
【0090】比較例: 最初に第1銅粉として用いるフ
レーク銅粉を製造した。ここで用いたフレーク銅粉は、
従来からあるフレーク銅粉であり、「凝集状態にある乾
燥した銅粉」を、解粒処理を行うことなく、ビーズミル
を用いて、銅粉の粉粒を圧縮して塑性変形させる事で、
略球形の銅粉をフレーク状の銅粉にした。このときのビ
ーズミル及びミル条件は、上述した実施形態で用いたと
同様である。
【0091】以上のようにして得られたフレーク銅粉の
諸特性は、D10が2.810μm、D50が8.20
3μm、D90が21.380μm、最大粒径Dmax
が52.33μm、標準偏差SDが7.166μmであ
って、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累
積粒径D10、D50、D90、及びレーザー回折散乱
式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差S
Dを用いて表されるSD/D50の値が0.87であ
り、D90/D10で表される値が7.61となってい
る。従って、本件発明に係るフレーク銅粉の具備すべき
要件を満足するものではない。
【0092】次に、第2銅粉として用いる球状銅粉は、
「凝集状態にある乾燥した銅粉」をそのまま用いた。以
上のようにして得られた第1銅粉を35wt%、第2銅
粉を65wt%含有する混合銅粉を製造した。このとき
の混合に用いた装置は、第1実施形態と同じである。
【0093】そして、この混合銅粉を用いてエポキシ系
銅ペーストを製造した。ここで製造したエポキシ系銅ペ
ーストの組成及び製法は、上述した実施形態同様である
ため、ここでの記載を省略する。
【0094】以上のようにして得られたエポキシ系銅ペ
ーストの製造直後の粘度を測定すると1200Pa・
s、一週間経過後の粘度は1800Pa・sであり、実
施形態と比較して、初期粘度も高く、粘度の経時変化も
非常に大きいことが分かる。
【0095】更に、この銅ペーストを用いて、第1実施
形態と同様の形状を持つペレットを製造し、同様の抵抗
測定を行った。その結果の抵抗値は、4.0×10−5
Ω・mであった。これを実施形態の測定位置と比較する
と、高い抵抗値を示すことになる。
【0096】
【発明の効果】本件発明に係る混合銅粉を用いることで
製造する銅ペーストの粘度を下げ、形成した導体の充填
性の改善、電気的抵抗性を損なうことなく、しかも、導
体形状の制御が容易となるため、従来不可能であったフ
ァインパターン回路形状の形成が可能となるのである。
また、本件発明に係る混合銅粉の製造方法を用いること
で、従来にない混合銅粉の製造が可能となり、しかも、
本件発明に係る粉体特性を備えた混合銅粉の製造歩留ま
りを飛躍的に向上させることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】混合銅粉の走査型電子顕微鏡観察像。
【図2】フレーク銅粉の走査型電子顕微鏡観察像。
【図3】フレーク銅粉の走査型電子顕微鏡観察像(従来
品)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 淳一 山口県下関市彦島西山町1丁目1番1号 彦島製錬株式会社機能粉工場内 (72)発明者 安成 邦彦 山口県下関市彦島西山町1丁目1番1号 彦島製錬株式会社機能粉工場内 Fターム(参考) 4E351 BB01 BB31 CC11 DD04 DD52 EE16 GG16 4K018 BA02 BB01 BB03 BC08 BD04 KA33 5G301 DA06 DA57 DD01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が10μm以下であって、レーザー
    回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10
    50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法に
    より測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表される
    SD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90
    10で表される値が4.0以下である微粒のフレーク
    銅粉を第1銅粉とし、 粒径が10μm以下であって、略球形の形状をした球状
    銅粉を第2銅粉とし、 この第1銅粉と第2銅粉とを混合したことを特徴とする
    銅ペースト製造用の混合銅粉。
  2. 【請求項2】 粒径が10μm以下であって、レーザー
    回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10
    50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法に
    より測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表される
    SD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90
    10で表される値が4.0以下である微粒のフレーク
    銅粉を第1銅粉とし、 粒径が10μm以下であって、重量累積粒径D50
    0.5〜10μmであり、且つ、レーザー回折散乱式粒
    度分布測定法による重量累積粒径D50と画像解析によ
    り得られる平均粒径DIAとを用いてD50/DIA
    表される凝集度の値が1.5以下である低凝集性の略球
    形の形状をした球状銅粉を第2銅粉とし、 この第1銅粉と第2銅粉とを混合したことを特徴とする
    銅ペースト製造用の混合銅粉。
  3. 【請求項3】 粒径が10μm以下であって、フレーク
    銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累
    積粒径D50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によ
    り測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるS
    D/D50の値が0.15〜0.35であり、且つ、フ
    レーク銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D
    50とで表されるアスペクト比([厚さ]/
    [D50])の値が0.3〜0.7である微粒のフレー
    ク銅粉を第1銅粉とし、 粒径が10μm以下であって、略球形の形状をした球状
    銅粉を第2銅粉とし、 この第1銅粉と第2銅粉とを混合したことを特徴とする
    銅ペースト製造用の混合銅粉。
  4. 【請求項4】 粒径が10μm以下であって、フレーク
    銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累
    積粒径D50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によ
    り測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるS
    D/D50の値が0.15〜0.35であり、且つ、フ
    レーク銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D
    50とで表されるアスペクト比([厚さ]/
    [D50])の値が0.3〜0.7である微粒のフレー
    ク銅粉を第1銅粉とし、 粒径が10μm以下であって、重量累積粒径D50
    0.5〜10μmであり、且つ、レーザー回折散乱式粒
    度分布測定法による重量累積粒径D50と画像解析によ
    り得られる平均粒径DIAとを用いてD50/DIA
    表される凝集度の値が1.5以下である低凝集性の略球
    形の形状をした球状銅粉を第2銅粉とし、 この第1銅粉と第2銅粉とを混合したことを特徴とする
    銅ペースト製造用の混合銅粉。
  5. 【請求項5】 第1銅粉と第2銅粉との混合割合は、混
    合銅粉の重量を基準として、第1銅粉の含有量が1wt
    %〜40wt%である請求項1〜請求項4のいずれかに
    記載の銅ペースト製造用の混合銅粉。
  6. 【請求項6】 凝集状態にある銅粉を解粒処理し、解粒
    処理の終了した銅粉の粉粒を高エネルギーボールミルで
    圧縮変形しフレーク状にすることで第1銅粉である微粒
    のフレーク銅粉を製造し、 凝集状態にある銅粉を衝突摩擦式粉砕装置を用いて、表
    面の平滑化を行い、粉粒表面の微細な凹凸を消失させた
    粒径が10μm以下の略球形の形状をした球状銅粉を第
    2銅粉として製造し、 この得られた第1銅粉と第2銅粉とを混合機を用いて攪
    拌混合することで2種類の銅粉を均一に混合分散させる
    ことを特徴とした混合銅粉の製造方法。
  7. 【請求項7】 凝集状態にある銅粉を解粒処理し、解粒
    処理の終了した銅粉の粉粒を高エネルギーボールミルで
    圧縮変形しフレーク状にすることで第1銅粉である微粒
    のフレーク銅粉を製造し、 凝集状態にある銅粉を解粒処理し、凝集状態を無くし、
    且つ、表面の平滑化を行い粉粒表面の微細な凹凸を消失
    させた粒径が10μm以下の略球形の形状をした球状銅
    粉を第2銅粉として製造し、 この得られた第1銅粉と第2銅粉とを混合機を用いて攪
    拌混合することで2種類の銅粉を均一に混合分散させる
    ことを特徴とした混合銅粉の製造方法。
  8. 【請求項8】 解粒処理は、凝集状態にある乾燥した銅
    粉を、遠心力を利用した風力サーキュレータを用いて粉
    粒同士を衝突させるか、又は凝集状態にある銅粉を含ん
    だ銅粉スラリーを、遠心力を利用した流体ミルを用いて
    粉粒同士を衝突させることで行うものである請求項6又
    は請求項7に記載の混合銅粉の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    混合銅粉を用いて製造した銅ペースト。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の混合銅粉を用いて製
    造した銅ペーストにより形成した導体を含んだプリント
    配線板。
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