JP2004060002A - 導電性ペースト用金属粉末の製造方法、導電性ペースト用金属粉末、導電性ペースト、および積層セラミック電子部品 - Google Patents

導電性ペースト用金属粉末の製造方法、導電性ペースト用金属粉末、導電性ペースト、および積層セラミック電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】ニッケルを主成分とする導電性ペースト用金属粉末の製造方法、この金属粉末を用いた導電性ペーストならびに、導電性ペーストを用いて作製した、歩留りの好適な積層セラミック電子部品を提供する。
【解決手段】希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、およびマンガンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の塩と、ニッケル塩との混合溶液を調製する。アルカリ性還元剤溶液を調製する。前記混合溶液と還元剤溶液とを互いに混合して、ニッケル粉末と前記金属の水酸化物との混合粉末を析出させる。前記析出した混合粉末を未乾燥の状態で解砕する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に積層セラミックコンデンサ内部電極用ペースト等の導電性金属粉末として用いられる、金属粉末の製造方法、およびその方法によって得られた金属粉末に関するものであり、さらにはこの金属粉末を用いた導電性ペーストならびに、導電性ペーストを用いて作製した積層セラミック電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層セラミックコンデンサに代表される積層セラミック電子部品の内部導体を形成するため、導電性ペーストが用いられている。この導電性ペーストを数十μmから数μm厚のセラミックグリーンシート上に印刷し、これらグリーンシートを数枚から数百枚、互いに積層した後、所定サイズにカットして生チップを得る。
【0003】
カットされた生チップを900℃から1400℃前後までの温度で焼成し、続いて焼き付け等の方法により端子電極を形成したものが積層セラミック電子部品となる。この導電性ペーストは、導電成分となる金属粉末と、有機溶剤および有機バインダー成分からなるビヒクルと、必要に応じて用いられるセラミック素体に対して略同一組成のセラミック粉末からなる焼結制御剤とで構成される場合が多い。
【0004】
ここで、金属粉末としては、現在、積層セラミックコンデンサの薄層、多層化による大容量化に伴って、パラジウムに代表される貴金属に代わり、比較的安価なニッケルや銅が多く用いられるようになっている。
【0005】
このような積層セラミック電子部品において、上述のようにセラミックシートの多層化、薄層化が進むに伴い、より薄いセラミック層をより安定に形成するために、内部導体に含有される金属粉末には、より粒径の均一な、粗粒の少ないものが求められている。
【0006】
金属粉末の製造法には、特開平5−51610号公報や特開2000−87121号公報に代表される、水、または有機溶媒中で、還元剤により金属塩を還元する液相法が一般的に広く用いられている。そして、それら製造方法の最適化により、セラミックシートの薄層化、多層化に対応するための、粒径のより均一な、粗粒の少ないものが作製されている。
【0007】
さらには、これら粉末の分散性を高めるため、特開平11−343501号公報に示されるような方法により、粉砕、解砕処理が施されている場合もある。
【0008】
また、上述の還元剤により金属塩を還元する液相法においては、積層セラミックコンデンサ内部電極材料として用いた場合の、セラミック素子との焼結開始温度のミスマッチによるデラミネーション防止のため、ニッケルを主成分とする金属粉末の焼結抑制を目的に、ニッケル以外の異種元素の添加も行われている。例えば、特開2001−303112号公報においては、苛性アルカリと、ヒドラジン/またはヒドラジン水和物と、希土類金属塩と、ニッケル塩と、主溶媒とからなる混合物を作製し、希土類塩の水酸化物を析出させると共に、ニッケル塩を還元させニッケル粉末を析出させることにより、希土類金属の水酸化物を取り込んだニッケル粉末の製造方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の導電性ペースト用金属粉末の製造方法においては、特開平11−343501号公報に示されるように、一旦、洗浄、乾燥を経た金属粉末を粉砕、解砕処理していた。
【0010】
一般に、金属粉末は、湿中からの乾燥時に発生する塩架橋により凝集が進むとされている。したがって、洗浄、乾燥を経た金属粉末を粉砕、解砕処理するプロセスでは、反応時、または洗浄時の溶液内で発生する金属粉末凝集、乾燥時の塩架橋により発生する金属粉末凝集という二つの凝集因子を有する金属粉末を粉砕、解砕処理する必要があり、単分散に近い状態まで上記金属粉末を分散することが困難となる場合があった。
【0011】
金属粉末の解砕が不十分となると、その金属粉末の平均粒径より大きな凝集粒子が存在することになる。これら凝集粒子がそのまま解砕、分散されずに積層セラミックコンデンサ用内部導体として印刷、成膜されると、特に積層セラミックコンデンサの焼成後の内部電極に挟まれたセラミック層の厚みが、5μm以下と薄い場合、セラミックが素子間でショートし、積層セラミックコンデンサの歩留まりを大きく低下させるという問題が発生する場合がある。
【0012】
これを防止するため、予め、使用するニッケルに代表される金属粉末の分級処理を行い、凝集粒子を除去した上でペースト化するといった方法もとられているが、このような処理により金属粉末の歩留まりが著しく低下してしまうという弊害が発生する。
【0013】
また、これら凝集粒子をペースト加工工程時に分散、解砕する場合もあるが、特に凝集が強固な場合、加工工程時に三本ロールミル等で加える分散力では十分に解砕できなかったり、または分散工程に長時間を費やす必要が生じたりする等の不具合が発生することがあった。
【0014】
本発明は、上記問題を鑑み、反応時に発生する粉末凝集、および、金属粉末の洗浄から乾燥に到る工程で発生する凝集を防止、または低減し、導電性ペースト中における未解砕の凝集粒子の存在を無くする、または低減することにより、積層セラミックコンデンサに代表される積層セラミック電子部品の歩留まりを著しく向上させることが可能な、導電性ペースト用金属粉末の製造方法、導電性ペーストの製造方法、導電性ペースト、および積層セラミック電子部品を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の、ニッケルを主成分とする導電性ペースト用金属粉末の製造方法は、上記課題を解決するために、希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、およびマンガンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の塩と、ニッケル塩との混合溶液を調製する工程と、アルカリ性還元剤溶液を調製する工程と、前記混合溶液と還元剤溶液とを互いに混合して、ニッケル粉末と前記金属の水酸化物との混合粉末を析出させる工程と、前記析出した混合粉末を未乾燥の状態で解砕する工程と、を備えることを特徴としている。
【0016】
上記方法によれば、上記金属の塩とニッケル塩との混合溶液に対して、アルカリ性還元剤溶液を用いた還元反応により、ニッケル粉末と上記金属の水酸化物とを共析させて、ニッケルを主成分とし、上記水酸化物を含む金属粉末とすることができる。
【0017】
上記方法では、乾燥後の金属粉末を解砕するのではなく、未乾燥の金属粉末を解砕するので、解砕前の金属粉末は、乾燥時に生じる塩架橋による凝集を受けていない。このため、乾燥後の粉末を解砕するよりも、より簡易に、より効果的に凝集をほぐすことが可能となり、粒径がより均一な、粗粒の少ない、ニッケルを主成分とする導電性ペースト用金属粉末が得られる。
【0018】
上記導電性ペースト用金属粉末の製造方法では、前記混合粉末を未乾燥の状態で解砕する工程は、スラリー状の混合粉末を、メディアと衝突させて解砕する工程、または、ロータ部とステータ部との間を通過させて剪断力により解砕する工程であることが好ましい。
【0019】
上記方法によれば、前記混合粉末を未乾燥の状態で解砕する工程が、ボールミル、サンドミル等の、スラリー状の混合粉末をメディアと衝突させて解砕する工程、または、ロータ部とステータ部との間を通過させて剪断力により解砕する工程であるから、乾燥後の分散工程において解砕できないような凝集であっても、本発明のように乾燥前に、メディアとの衝突力や、せん断力を加えることによってその解砕が可能となる。これにより、上述の金属粉末の洗浄から乾燥に至る工程で発生する凝集を防止、または低減することが可能になる。
【0020】
本発明の導電性ペースト用金属粉末は、前記の課題を解決するために、上記の何れかに記載の導電性ペースト用金属粉末の製造方法によって得られ、平均粒径が1μm以下のものであることを特徴としている。
【0021】
本発明の導電性ペーストは、前記の課題を解決するために、有機ビヒクルと、上記記載の導電性ペースト用金属粉末とを含有することを特徴としている。
【0022】
本発明の積層セラミック電子部品は、前記の課題を解決するために、複数の、互いに積層されたセラミック層と、セラミック層間に、上記記載の導電性ペーストの焼結体からなる内部電極とを備えていることを特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、前述の特徴を有する本発明の導電性ペースト用金属粉末の製造方法を用いることにより、析出反応時発生する粉末凝集、および、金属粉末の洗浄から乾燥に至る工程で発生する粉末凝集、という2つの原因の相異なった凝集を、いずれも防止、または低減できるため、導電性ペースト中における未解砕の凝集粒子の存在を無くする、または低減することが可能になる。
【0024】
さらに、より好適には、本発明の導電性ペースト用金属粉末を、さらに未乾燥のままの導電性ペースト用導電成分とすることにより、導電性ペースト中の凝集粒子、すなわち粗粒の発生を防止し、積層セラミックコンデンサに代表される積層セラミック電子部品の歩留まりを著しく向上させることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明のニッケルを主成分とする導電性ペースト用金属粉末の製造方法は、希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、およびマンガンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の塩と、ニッケル塩との混合溶液を調製する工程と、アルカリ性還元剤溶液を調製する工程と、前記混合溶液と還元剤溶液とを互いに混合して、ニッケル粉末と前記金属の水酸化物との混合粉末を析出させる工程と、前記析出した混合粉末を未乾燥の状態で解砕する工程と、を備えている。
【0026】
まず、上記製造方法における、一つ目の特徴は、水または有機溶剤中での、還元剤を用いた還元反応によるニッケルを主成分とする金属粉末は、希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、マンガンの各水酸化物の、いずれか一種、または一種以上を還元反応中にニッケル金属粉末中に取り込んでいることである。
【0027】
従来、これら各種金属の水酸化物は、積層セラミックコンデンサ内部電極材料として用いた場合の、セラミック素子との焼結開始温度のミスマッチによるデラミネーション防止のため、ニッケルを主成分とする金属粉末の焼結抑制を目的に加えられていた。
【0028】
本発明においても、これら各種金属の水酸化物は、金属粉末の焼結抑制効果を発揮する。さらに、本発明においては、還元反応中に、ニッケル金属粉末がこれら各種金属の水酸化物を取り込むことにより、反応時の金属粉末の凝集が低減し、上述の湿中解砕時にさらに分散性が向上するという効果が得られる。
【0029】
これら各金属の水酸化物は、水、または有機溶剤中での還元剤を用いたニッケル塩の還元反応において、水酸化物として反応溶液中に析出し、還元されたニッケル中に取り込まれたものである。これらニッケル中に取り込まれた各金属の水酸化物は、ニッケル粉末内部に存在すると同時に、ニッケル粉末表面にも存在する。
【0030】
通常、還元剤によるニッケル塩からニッケルヘの還元は、全ての反応が同時に起こるわけではなく、広がりをもった時間の範囲で還元は進行する。すなわち、大部分のニッケル塩がニッケル粉末に還元された時点においても、一部のニッケル塩は還元反応の途中にあり、遅れてニッケル金属へ還元される。ここで遅れて還元されるニッケル塩は、比較的活性なすでに生成したニッケル粉末粉末表面にめっき反応のように析出する。
【0031】
ここで、すでに生成した複数のニッケル粉末が、その磁性等により接触していた場合、遅れて還元されるニッケル塩がその接触している複数のニッケル粉末の粉末表面に析出するため、その凝集を固定し、解砕の困難な凝集粉末になる。
【0032】
ここで、希土類金属、ジルコニウム、マグネシウム、マンガン等の水酸化物がニッケル表面に存在する場合、それらの存在がニッケル粉末同士の接触を防ぐため、遅れて還元されるニッケル塩がニッケル粉末表面に析出しても、その凝集が固定されて、解砕の困難な凝集粉末となることはない。従って、希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、マンガンの各水酸化物の、いずれか一種、または一種以上を還元反応中に取り込んだ金属粉末は、反応時の凝集が低減し、湿中解砕時にさらに分散性が向上するという効果が得られる。
【0033】
希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、マンガンの水酸化物としてニッケル中に取り込まれたこれら金属塩は、積層セラミックコンデンサの脱バインダーから焼成工程において酸化物に変化する。希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、マンガンの酸化物は、積層セラミックコンデンサのセラミック材料を構成する主成分、または添加成分であり、内部電極材料として積層セラミックコンデンサ中に導入しても、そのセラミック素子への影響が少ないか、または、調整が可能なものである。
【0034】
次に、前述の本発明に係る製造方法における、二つ目の特徴は、一旦乾燥工程を経た粉末を解砕するのではなく、未乾燥の混合粉末を、より好ましくはスラリー状の混合粉末を、メディアと衝突させて解砕するか、または、ロータ部とステータ部との間を通過させてせん断力により解砕することである。
【0035】
すなわち、乾燥前の金属粉末は、乾燥時に生じる塩架橋による凝集を受けていないため、乾燥後の粉末を解砕するよりも、より容易に、より効果的に凝集をほぐすことが可能となる。乾燥後の分散工程において解砕できないような凝集であっても、本発明のように乾燥前にせん断力を加えることによってその解砕が可能となる。これにより、上述の金属粉末の洗浄から乾燥に至る工程で発生する凝集を防止、または低減することが可能になる。
【0036】
これら二つの特徴を併せ持つ本実施の形態に係る、導電性ペースト用金属粉末の製造方法を用いることにより、反応時発生する粉末凝集、および、金属粉末の洗浄から乾燥に至る工程で発生する粉末凝集、という2つの原因の相異なった凝集を、いずれも防止、または低減できるため、導電性ペースト中における未解砕の凝集粒子の存在を無くする、または低減することが可能になる。
【0037】
さらに、より好適には、本発明の導電性ペースト用金属粉末を、さらに解砕後、未乾燥のままで、他の成分と練合し、導電性ペーストとすることにより、導電性ペースト中の凝集粒子、すなわち粗粒の発生を防止し、積層セラミックコンデンサに代表される積層セラミック電子部品の歩留まりを著しく向上させることが可能となる。
【0038】
前述の、希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、マンガンの各水酸化物のニッケル粉末中の共析量は、特に限定されないが、ニッケル100mol%に対し0.05mol%から5mol%までの範囲内が好ましい。共析量が少ないと、反応時のニッケル粉末の凝集を防止するのが困難となり、湿中での未乾燥粉末の解砕処理においても、解砕できない凝集の生成量が増加してしまう。共析量が多すぎると、セラミック素子への電気特性の影響を無視しきれなくなる。
【0039】
前述のアルカリ性還元剤溶液に用いる還元剤としては、水酸化物を共析するという目的から、ニッケル粉末をアルカリ性領域で還元析出できるものが使用可能であり、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、次亜リン酸塩、および水素化ホウ素塩のうち、少なくとも一種を用いることができる。ヒドラジンまたはヒドラジン水和物の場合は生成した金属粉末に不必要な残留物が残らないため好適である。
【0040】
苛性アルカリとしては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムおよびアンモニアの中から選ばれた少なくとも1種が用いられる。
【0041】
ニッケル塩は、例えば、塩化物、硫酸塩および硝酸塩の中から選ばれた少なくとも1種の塩が用いられる。金属塩は、反応溶媒として用いる、水または有機溶媒に良好に溶解し得るものであることが好ましい。希土類金属としては、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルピニウム、ジスプロシウム、イッテルビウムがあげられる。これらは、何れも特開2001−303112号公報に記載の希土類金属であり、いずれも水酸化物として析出が可能である特徴を備えるものである。これら希土類金属は、用いられる積層セラミックコンデンサのセラミック材料とのマッチングを考慮して選択される。
【0042】
希土類金属塩、イットリウム塩、ジルコニウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩についても、例えば、オキシ酸塩、塩化物、硫酸塩および硝酸塩の中から選ばれた少なくとも1種の塩が用いられる。金属塩は、反応溶媒として用いる、水または有機溶媒に良好に溶解し得るものであることが好ましい。
【0043】
溶媒としては、通常、水が用いられる。しかし、より均一なニッケルを主成分とする金属粉末を作製するには、有機溶剤を溶媒として全部または一部使用することもできる。有機溶媒としてはニッケル塩を溶解し易いアルコール類が使用し易く、特にメタノール、エタノール、プロパノール、などがこの目的には好適であり有効な材料である。
【0044】
さらには、ニッケルを主成分とする金属粉末の粒径をコントロールする目的により、錯化剤を添加する場合もある。錯化剤としては、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、りんご酸、クエン酸、酒石酸、フタル酸等のカルボン酸や、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等の窒素含有のカルボン酸などが適宜使用できる。
【0045】
より特定的な好ましい実施の形態では、水が反応溶媒として用いられ、苛性アルカリとして、水酸化ナトリウムが単独で用いられる。そして、還元剤溶液を得るため、前記溶媒中に、水酸化ナトリウムを0.5mol/リットル〜15mol/リットルのモル濃度で溶解させるとともに、ヒドラジンまたはヒドラジン水和物を、金属塩を還元するために化学量論的に必要な量から当該必要な量の15倍までの範囲内で溶解させる。
【0046】
次に、金属塩溶液(混合溶液)として、水に、希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、マンガンの塩化物の何れか一つを、ニッケル100mol%に対し0.05mol%から5mol%の範囲内で添加する。さらに、ニッケル塩として硫酸ニッケルを添加し、さらに錯化剤としてクエン酸をニッケルに対し等量モル程度添加して、金属塩溶液を作製する。
【0047】
上記金属塩溶液と、前述の還元剤溶液とを互いに混合し、希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、マンガンの水酸化物を析出させるとともにニッケル塩を還元して、希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、およびマンガンの少なくとも一つの水酸化物を取り込んだニッケルを主成分とする金属粉末を作製する。
【0048】
還元剤溶液と金属塩溶液との混合方法については、特に限定はしないが、還元剤溶液中に金属塩溶液を投入した方がより効果的である。反応温度についても限定はしないが、通常、還元剤の還元力を高めるために、40℃〜90℃の範囲で反応が行われる。
【0049】
本発明における解砕方法としては、ボールミルやサンドミルに代表される、メディアの衝突による解砕、または、回転体によりせん断力を加える方式の解砕のいずれかを用いることが好ましい。
【0050】
ここで、分散メディアを用いる分散機、例えばポットミルやサンドミルによる粉砕では、金属粒子の変形や、メディアからのコンタミ(汚染)の発生の可能性があるため、その条件設定には、金属粒子の変形や、メディアからのコンタミ防止を考慮する必要がある。
【0051】
粉砕に用いられるメディアは、硬く、小径なものが適している。メディアの種類は特に限定はしないが、好適には安定化ジルコニウムビーズを用い、その粒径は、ボールミルであれば5mm以下、サンドミルであれば2mm以下、より好適には1mm以下のものが用いられる。
【0052】
一方、回転体によりせん断を加える方式の分散機は、金属粒子の変形や、メディアからのコンタミの発生がないことと、メディアを用いた解砕のように、媒体に付着する粉末のロスが多くなく、水または有機溶剤中に存在する金属粉末に対して、効果的なせん断が加えられるため、より好適に用いることができる。
【0053】
ここで、回転体によりせん断を加える方式の分散機とは、例えば0.1mm以上1.5mm以下、より好適には0.1mm以上1.0mm以下のクリアランス(間隙)に調整されたステータ部とロータ部を持ち、このロータ部の外周部が、それに対面するステータ部に対して周速4m/s以上の速度で回転するような機構をもつ設備を指す。
【0054】
より具体的にこのような機構をもつ設備として特殊機化工業株式会社製のT.KホモミクサーMARKII型や、同じくT.Kホモミックラインフロー型、同じくT.Kフィルミックス等が挙げられるが、本発明の効果はこの設備に限定されるものではなく、同様なせん断機構をもつ設備であれば使用可能である。
【0055】
水、または有機溶剤中での、還元剤を用いた還元反応によるニッケルを主成分とする金属粉末の未乾燥の粉末に、水または有機溶剤中で、ボールミル、サンドミルを用いて解砕するか、または0.1mm以上、1.5mm以下の間隙を周速4m/s以上の速度で回転する回転体によるせん断により解砕する工程は、その粉末の洗浄時に行ってもよいし、洗浄後に行ってもよい。重要なことは、その反応後に、乾燥工程を経ずに、未乾燥の状態の金属粉末を解砕することである。
【0056】
本発明の金属粉末は、ニッケルを主成分とする金属粉末である。これは、前述のように、近年の積層セラミックコンデンサの薄層、多層化に伴い、比較的安価なニッケル粉末が多く用いられるようになったからであって、導電性ペーストに用いられる他の一般的な金属粉末、例えばパラジウム粉末、銅粉末、銀粉末への同様な効果を妨げるものではない。また、ニッケルを主成分とする金属粉末は、銅などを含む金属粉末であってもよい。
【0057】
これら金属粉末は、平均粒径が1.0μm以下であることが好ましいが、これは、平均粒径が1.0μm以下の粉末において、凝集が生じる傾向が強く、本発明の効果が顕著に現れるからであって、平均粒径が1.0μmを超える粉末に対しても同様な効果は期待できる。本発明において、平均粒径とは、電子顕微鏡により撮影された粉末を測長することにより求めた数値を指す。
【0058】
続いて、上記した金属粉末を用いた導電性ペーストを内部電極材料とした、積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサについて図1に基づき以下に説明する。
【0059】
図1に示すように、積層セラミックコンデンサ1は、互いに積層されたセラミック層2aを備える、略直方体形状のセラミック素体2と、各セラミック層2a間に設けられた内部電極(内部導体)3と、外部電極4とを有している。さらに、外部電極4上に、Niめっき膜5と、Snめっき膜6とが、この順にて積層されていることが好ましい。
【0060】
セラミック素体2は、誘電体材料、例えばBaTiO を主成分とする複数のセラミックグリーンシートが互いに積層され焼成されてなる各セラミック層2aを有している。
【0061】
内部電極3は、所定枚数のセラミックグリーンシート上に形成された内部電極用導電性ペースト層がセラミックグリーンシートとともに同時に焼成されてなり、それぞれの端縁がセラミック層2aのいずれかの端面に露出するように形成されている。上記導電性ペーストは、本発明に係る導電性ペースト用金属粉末と有機ビヒクルとを含む混合物を、練合・分散させて得られたものである。
【0062】
よって、上記各内部電極3は、セラミック層2aの何れかの端面(辺部)に交互に露出すると共に、セラミック層2a間に互いに離間して対面することにより、セラミック素体2内において、静電容量を形成して、コンデンサとしての機能を発揮できるように配置されていることになる。
【0063】
外部電極4は、セラミック素体2の両端面に、外部電極用の厚膜導電性ペーストがそれぞれ塗布され乾燥されて焼成されてなる一対の厚膜電極であり、セラミック素体2の両端面にそれぞれ露出した各内部電極3に電気的かつ機械的に接続されるように形成されている。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
以下に、本発明の導電性ペースト用金属粉末の製造方法に関する実施例1について説明する。
【0065】
まず、平均粒径が0.2μmのニッケル粉末またはニッケルを主成分とする金属粉末を作製した。
【0066】
すなわち、まず、水酸化ナトリウム240gを水700mlに溶解したものに、抱水ヒドラジン300gを添加した後、さらに水を加えて、全量を1500mlとして、アルカリ性の還元剤溶液を調製した。この還元剤溶液を、湯浴上にて60℃に加温した。
【0067】
他方、硫酸ニッケル6水和物(ニッケル塩)517gおよび錯化剤としてのクエン酸三ナトリウム200gを水に溶解して、全量を1500mlとすることによって、ニッケルイオンおよび錯化剤を含有するニッケル塩溶液を調製した。このニッケル塩溶液を、湯浴上にて60℃に加温した。
【0068】
次いで、ニッケル塩溶液を、還元剤溶液中に、500ml/分の割合で添加してニッケル粉末を析出させた。ニッケル塩溶液を添加してから、20分〜30分後には、ニッケル粉末の析出反応が終了した。反応終了後、溶液をろ過することにより、ニッケル粉末を取り出した後、このニッケル粉末を水洗し、そのまま水中で保管した。
【0069】
次に、水洗後の粉末を、エタノールを用いて水からの置換を行ったのち、100℃のオーブンで乾燥させて、試料1のニッケル粉末を得た。また、そのまま水中で保管したものを試料2のニッケル粉末とした。
【0070】
次に、上記ニッケル塩溶液と同様の溶液中に、塩化ランタンをニッケル100mol%に対して1.0mol%添加して混合溶液を調製した。その後、この混合溶液を、上記と同様の還元剤溶液中に、上記と同様に添加して、ニッケル粉末とランタンの水酸化物との混合粉末からなる金属粉末を試料3として得た。そして、水洗後、水中で保管した。
【0071】
同様に、塩化ランタンに代えて、塩化イットリウムを添加し、反応させて得られ、ニッケル粉末とイットリウムの水酸化物との混合粉末からなる金属粉末を試料4とした。また、同様に、塩化ランタンに代えて、オキシ塩化ジルコニウムを添加し、反応させて得られ、ニッケル粉末とジルコニウムの水酸化物との混合粉末からなる金属粉末を試料5とした。さらに、同様に、塩化ランタンに代えて、塩化マンガンを添加し、反応させて得られ、ニッケル粉末とマンガンの水酸化物との混合粉末からなる金属粉末を試料6とした。さらに、同様に、塩化ランタンに代えて、塩化マグネシウムを添加し、反応させて得られ、ニッケル粉末とマグネシウムの水酸化物との混合粉末からなる金属粉末を試料7〜試料12とした。
【0072】
次に、水洗後に水中で保管した金属粉末に対して、試料8については、スラリー状の金属粉末を、メディアと衝突させる方法で解砕した。また、試料2〜試料6、試料7〜試料12については、ロータ部とステータ部との間を通過させて、剪断力により解砕処理を施した。なお、試料7については、何れの解砕処理も施さなかった。
【0073】
上記した、金属粉末を、メディアと衝突させる具体的な方法としては、1リットルのポリ容器中に、ウェット状態の金属粉末と、2mm径のPSZ玉石200g、水400mlとを加え、70rpmの回転数で2時間回転させる方法を行った。
【0074】
ロータ部とステータ部との間を通過させて、剪断力により解砕する工程に用いる解砕機には、特殊機化工業株式会社製のT.KホモミクサーMARKII型を用いた。上記解砕機は、ステータ部と、ステータ部に対して0.1mm以上1.5mm以下の間隙(クリアランス)を保ちつつ周速4m/s以上で回転するロータ部とを有するものである。本実施の形態では、クリアランス0.5mmに調整し、表1に示す周速により解砕処理を施した。
【0075】
容器は10リットルビーカーを用い、液量は5リットルとした。解砕時間は何れも50分とした。なお、解砕処理中のスラリー温度の上昇を防止する目的で、10リットルビーカーの周りを15℃に設定した冷水で冷却した。
【0076】
T.KホモミクサーMARKII型を用いて解砕した金属粉末は、静沈による粉末分離回収が困難となったため、1000Gの重力加速度による遠心分離を3分間行い、解砕液からの粉末分離を行った。
【0077】
上述の方法により解砕した金属粉末、および試料7の粉末を、5リットルビーカー中に投入しエタノール3リットルを加えた。さらにT.KホモミクサーMARKII型を用いて2m/Sの周速で10分攪拌し、エタノール溶液に置換した。エタノール溶液による置換はいずれも2回行い、その都度、遠心分離による粉末分離を行った。エタノール置換した粉末は、そのままエタノール中で保管した。
【0078】
次に、試料12の粉末は、エタノールから分離し、100℃のオーブン中で乾燥させた。
【0079】
また、試料2〜試料11については、金属粉末を含むエタノールスラリーの比重を測定して、スラリー中に含まれる金属粉末の重量比率を算出しておいた。
【0080】
次に、導電性ペーストを作製した。まず、金属粉末100gに対し、分散剤としてステアリン酸1g、希釈溶剤としてエタノール200mlを混合して第1ミルベースとし、これを玉石(2mm径)とともに容積0.5リットルの樹脂ポット中に調合した。なお、金属粉末は、スラリー中に含まれる金属粉末の重量比率によりエタノールスラリーとして秤量、添加した。希釈溶剤のエタノールについても、金属粉末を含むエタノールスラリー中のエタノールを合算して200mlとなるように調合した。
【0081】
この調合済みポットを一定回転速度で12時間回転させてポットミル分散処理を行い、第1スラリーを得た。次に、上記ポット中に、エチルセルロース系バインダー10重量部をテルピネオール90重量部に溶解して作製した有機ビヒクル99gを添加し、さらに一定回転速度で12時間回転させてポットミル分散処理を行い、第2スラリーを得た。
【0082】
次に、第2スラリーを減圧下で70℃に加熱して希釈溶剤を除去して導電性ペーストを得た。なお、試料1については、乾燥した金属粉末をそのまま第一ミルベース原料とした。
【0083】
上述のように作製したそれぞれのペーストを、スクリーン印刷によりガラス基板上に印刷した。塗布厚は、1.0μmとした。印刷した塗膜の表面粗さRaを、干渉縞を用いた表面形状測定装置により測定した。ここで、印刷塗膜の表面粗さRaは、その大小が粉末の分散度を現す指標となる。すなわち、Ra値が小さい程、そのペーストに用いられている粉末の分散性が良いということになる。表面粗さの測定結果を、表1に併記する。なお、表1において、各共析水酸化物は、水和水を含む場合もあるが、ここでは省略してある。
【0084】
【表1】
Figure 2004060002
【0085】
上記表1において、ポット分散;○有り、−なし、粉末乾燥;○有り、−なしを示し、*は本発明の範囲外を示す。
【0086】
反応後に解砕処理が行われず、かつ乾燥工程を経てペースト化された、各水酸化物の共析がされていない試料1については、印刷塗膜のRaが300nmを示した。また、各水酸化物の共析がされていないニッケル粉の反応後に解砕処理が行われ、かつ乾燥工程を経ないでペースト化された試料2の表面粗さは、220nmとなり300nmより小さくなった。この80nmの差が、反応後の解砕処理と乾燥工程を経ないでペースト化した工法の効果であるが、220nm未満への表面粗さの低減は、今回用いたT.KホモミクサーMARKII型では困難であった。
【0087】
水酸化ランタン、水酸化イットリウム、水酸化ジルコニウム、水酸化マグネシウム、または水酸化マンガンを1.0mol%共析させ、T.KホモミクサーMARKII型、またはポット分散による解砕処理を施した粉末を用いて、ペースト化した、本発明の範囲内の試料3〜試料6、試料8〜試料12については、表面粗さが100nm〜180nmとなり、試料2よりもさらに分散性に優れた導電性ペーストが得られている。
【0088】
水酸化ランタン、水酸化イットリウム、水酸化ジルコニウム、水酸化マグネシウム、または水酸化マンガンを1.0mol%共析させ、T.KホモミクサーMARKII型、またはポット分散による解砕処理を施すことによる分散性向上効果が確認できる。
【0089】
また、試料9から11の比較によれば、分散機の周速を上げることにより分散性をさらに向上させることができる。また、試料11と試料12との比較によれば、粉末を乾燥することなくペースト化することにより、さらに分散性を向上させることができる。
【0090】
これに対して、水酸化マグネシウムを1.0mol%共析しているが、反応後に解砕処理が行われず、未乾燥のままペースト化した試料7については、表面粗さが200nmとなり、試料2よりは分散性の向上が認められるが、不十分である。
【0091】
(実施例2)
以下に、上記の実施例1に記載の導電性ペーストを用い、作製した積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサについて説明する。
【0092】
まず、積層セラミックコンデンサの内部電極用の導電性ペーストには、上述の実施例1に記載の試料1、試料11を用いた。このペーストを、BaTiO を主成分とする、耐還元性セラミック材料を含有するグリーンシートに印刷し、積層後、焼成して、ニッケル内部電極を用いた積層セラミックコンデンサを試作品として作製した。焼成後のセラミック層の厚みは、2.5μmで、内部電極層は、100層であった。試作品数は、100個である。得られた積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗を、IRメーターにより測定し、ショート不良率を算出した。結果を表2に示す。表2では、試料1を用いたものを比較試作品、試料11を用いたものを実施試作品と表記した。
【0093】
【表2】
Figure 2004060002
【0094】
反応後に解砕処理が行われず、かつ乾燥工程を経てペースト化された、各水酸化物の共析がされていない試料1の導電性ペーストを内部電極として用いた、比較試作品である積層セラミックコンデンサのショート不良率は57%に達した。
【0095】
一方、水酸化マグネシウムを1.0mol%共析させ、T.KホモミクサーMARKII型による解砕処理を施し、さらに乾燥工程を経ないでペースト化した試料11を用いた実施試作品については、ショート不良率が15%と、大幅に改善されていることがわかる。
【0096】
なお、試料11の導電性ペーストを用いた実施試作品である積層セラミックコンデンサにおいても、15%と二桁のショート不良が発生しているが、これはあくまで今回の試作条件による結果であって、本発明内容に、さらに他の公知の積層セラミックコンデンサ歩留まり改善方法を加えれば、これらショート不良率がより低減されることは言うまでもない。
【0097】
【発明の効果】
本発明の導電性ペースト用金属粉末の製造方法、および導電性ペーストを用いれば、以上のように、金属粉末の反応、および乾燥に至る工程で発生する凝集を防止、または低減し、導電性ペースト中の未解砕の凝集粒子の存在を無くする、または低減することができる。したがって、導電性ペースト中の金属粉末の分散性が向上し、積層セラミックコンデンサに代表される積層セラミック電子部品の歩留まりを大幅に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサの概略断面図である。
【符号の説明】
1  積層セラミックコンデンサ
2  セラミック素体
2a セラミック層
3  内部電極(内部導体)
4  外部電極
5  Niめっき膜
6  Snめっき膜

Claims (5)

  1. 希土類金属、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、およびマンガンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の塩と、ニッケル塩との混合溶液を調製する工程と、
    アルカリ性還元剤溶液を調製する工程と、
    前記混合溶液と還元剤溶液とを互いに混合して、ニッケル粉末と前記金属の水酸化物との混合粉末を析出させる工程と、
    前記析出した混合粉末を未乾燥の状態で解砕する工程と、を備えることを特徴とする、ニッケルを主成分とする導電性ペースト用金属粉末の製造方法。
  2. 前記混合粉末を未乾燥の状態で解砕する工程は、スラリー状の混合粉末を、メディアと衝突させて解砕する工程、または、ロータ部とステータ部との間を通過させて、剪断力により解砕する工程であることを特徴とする、請求項1記載の導電性ペースト用金属粉末の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の導電性ペースト用金属粉末の製造方法によって得られ、平均粒径が1μm以下のものであることを特徴とする、導電性ペースト用金属粉末。
  4. 有機ビヒクルと、
    請求項3に記載の導電性ペースト用金属粉末とを含有することを特徴とする、導電性ペースト。
  5. 複数の、互いに積層されたセラミック層と、
    セラミック層間に、請求項4記載の導電性ペーストの焼結体からなる内部電極とを備えていることを特徴とする、積層セラミック電子部品。
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