JP2017186656A - 銅微粒子集合体の分散溶液、焼結導電体の製造方法、及び焼結導電接合部材の製造方法 - Google Patents

銅微粒子集合体の分散溶液、焼結導電体の製造方法、及び焼結導電接合部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を好適に適用できる銅微粒子集合体の分散溶液を提供する。【解決手段】平均一次粒径が5〜100nmの範囲にある、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の複数個が、当該高分子分散剤(D)を介して互いに連結されてなる、1−プロパノールに分散させて測定される圧壊力測定試験における圧縮強度が5MPa以上である銅微粒子集合体(A)であって、平均粒径が5〜50μmの範囲にある当該銅微粒子集合体(A)を、当該高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)に分散させてなる、銅微粒子集合体の分散溶液。【選択図】図1

Description

本発明は、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を好適に適用できる銅微粒子集合体の分散溶液、焼結導電体の製造方法、及び焼結導電接合部材の製造方法に関する。
従来から、ナノメートルサイズ(1μm未満のサイズをいう。以下同じ)の金属微粒子は、融点の低下、触媒活性、磁気特性、比熱特性、光学特性の変化等を発現することから、電子材料、触媒材料、蛍光体材料、発光体材料等の分野で広く用いられている。特に、電子材料用の導電性ペーストのような配線形成材料として、プリント配線、半導体の内部配線、プリント配線板と電子部品との接続等に利用されている。
このようなナノメートルサイズの金属微粒子を製造する方法としては、大きく「気相合成法」と「液相合成法」の2種類の製法が知られている。
ここで「気相合成法」とは、気相中に導入した金属蒸気から固体の金属微粒子を形成する方法である。
他方、「液相合成法」とは、溶液中に分散させた金属イオンを還元することにより金属微粒子を析出させる方法である。また、「液相合成法」においては、一般にその金属イオンを還元するための還元剤を使用する方法と、電気化学的にカソード電極上で還元を行う方法とが知られている。
例えば、特許文献1には、金属ナノ粒子の凝集体を含む金属ペーストを部材に塗布し、乾燥(120℃で10分間、N雰囲気で乾燥)及び焼成(270℃で30分間、N雰囲気で焼成)すると、複数の凝集体が集合して凝集体間に空孔が形成される。形成された空孔を通って金属ペーストの溶媒が蒸発できるため、接合部における溶媒の残存率が低下し、高い接合強度が達成されることが記載されている。
特開2014−224296号公報
しかしながら、特許文献1に開示された金属ナノ粒子の凝集体を含む金属ペーストを、部材に塗布し、乾燥及び焼結を行う過程で金属ペーストの溶媒の蒸発は良好と考えられる一方で、焼結が無加圧で行われているため、焼結膜内にポーラス部の発生頻度が高く、緻密な焼結膜は得られ難いと考えられる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を好適に適用できる銅微粒子集合体の分散溶液を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が好適な潰れ易さ(圧壊力)を実現し、緻密性の高い焼結膜を形成する焼結導電体の製造方法を提供することを目的とし、且つ、接合強度に優れた接続層を有する導電接続部材の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の実施形態に係る銅微粒子集合体は、平均一次粒径が5〜100nmの範囲にある、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の複数個が、当該高分子分散剤(D)を介して互いに連結されてなる、銅微粒子集合体(A)を1−プロパノールに分散させて測定される圧壊力測定試験における圧縮強度が5MPa以上である。
本発明の第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液は、平均一次粒径が5〜100nmの範囲にある、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の複数個が、当該高分子分散剤(D)を介して互いに連結されてなる、1−プロパノールに分散させて測定される圧壊力測定試験における圧縮強度が5MPa以上である銅微粒子集合体(A)であって、平均粒径が5〜50μmの範囲にある当該銅微粒子集合体(A)を、当該高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)に分散させてなる。
また、本発明の第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液(B)は、銅微粒子集合体(A)の含有量が、上記銅微粒子集合体の分散溶液(B)の全量100重量%に対して、20〜60重量%であることが好ましい。
また、本発明の第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液(B)は、上記有機溶媒(S)の常圧における沸点が、140〜350℃の範囲にあることが好ましい。
また、本発明の第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液(B)は、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含み、当該有機化合物(S1)が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、及び1,2,4−ブタントリオールの中から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
また、本発明の第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液(B)は、平均一次粒子径が20〜300nmの範囲にある銅粒子(P2)を更に含むことが好ましい。
また、本発明の第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液(B)は、銅粒子(P2)の含有量が、銅微粒子集合体の分散溶液(B)の全量100重量%に対して、10〜30重量%であることが好ましい。
本発明の第3の実施形態に係る焼結導電体の製造方法は、銅微粒子集合体の分散溶液(B)を基板に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中、上記有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度で、加圧加熱処理により焼結して基板上に焼結膜を形成する。
本発明の第4の実施形態に係る導電接続部材の製造方法は、銅微粒子集合体の分散溶液(B)を、電子部品における半導体素子、回路基板の電極端子、及び導電性基板のいずれかの一の接合面に塗布した後、当該塗布した一の接合面上に、更に接続する別の半導体素子、電極端子、及び導電性基板のいずれかの他の接合面を積層配置し、加圧加熱処理により前記一の接合面と他の接合面とを焼結して導電接続部材を形成する。
本発明によれば、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を好適に適用できる銅微粒子集合体の分散溶液が得られ、当該銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が好適な潰れ易さ(圧壊力)を実現し、緻密性の高い焼結膜を形成することができ、また、接合強度に優れた接続層を有する導電接続部材を形成することもできる。
圧壊力測定試験における、乾燥状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度と、1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度との関係を表す図である。
(1)銅微粒子集合体(A)(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る銅微粒子集合体(A)は、平均一次粒径が5〜100nmの範囲にある、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の複数個が、当該高分子分散剤(D)を介して互いに連結されて形成されたものである。
第1の実施形態に係る銅微粒子集合体(A)を1−プロパノールに分散させて測定される圧壊力測定試験において、当該銅微粒子集合体(A)の圧縮強度は、5MPa以上である。
(1−1)銅微粒子(P1)
本発明において、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の平均一次粒径は、5〜100nmである。
上記銅微粒子(P1)の平均一次粒径が、上記範囲未満である場合には、高度な粒径制御技術を伴うため、製造コストの上昇を招くおそれがある。
また、上記銅微粒子(P1)の平均一次粒径が、上記範囲未満である場合には、形成される銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が本発明で規定する範囲を超えるおそれがあり、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が潰れ難いため、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を適用できないおそれがある。
一方、上記銅微粒子(P1)の平均一次粒径が、上記範囲を超える場合には、形成される銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が本発明で規定する範囲未満となるおそれがあり、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が潰れ易いため、粒子体と粒子体の隙間から有機溶媒が蒸発する効果が発揮されず、緻密性の高い焼結膜を形成することや、接合強度に優れた接続層を有する導電接続部材を形成することができないおそれがある。
ここで「平均一次粒径」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、観察可能な任意に選択した粒子の一次粒径をそれぞれ測定し、特定の粒径分布範囲にある粒子を対象として、それぞれの一次粒径の測定値の平均を算出したものをいう。
具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、観察可能な任意に選択した80個の銅微粒子(P1)の一次粒径を測定した。
測定した銅微粒子(P1)全体(80個)のうち、一次粒径が小さい方から順に数えて、銅微粒子(P1)全体(80個)の5%に相当する銅微粒子(P1)(4個)と、一次粒径が大きい方から順に数えて、銅微粒子(P1)全体(80個)の5%に相当する銅微粒子(P1)(4個)とを除き、残り銅微粒子(P1)全体(80個)の90%に相当する銅微粒子(P1)(72個)を対象とし、72個の銅微粒子(P1)の一次粒径の測定値の平均を算出し、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の平均一次粒径とした。
(1−2)高分子分散剤(D)
本発明において、高分子分散剤(D)は、銅微粒子の表面を被覆することができ、且つ、当該高分子分散剤(D)で被覆された銅微粒子(P1)の複数個を、当該高分子分散剤(D)を介して互いに連結させることが可能なものであれば、特に限定されるものではない。
本発明において、高分子分散剤(D)の分子量は、1,000以上であることが好ましい。
上記分子量範囲にある高分子分散剤(D)を用いることで、銅微粒子の表面を好適に被覆することができ、且つ、当該高分子分散剤(D)で被覆された銅微粒子(P1)の複数個を、当該高分子分散剤(D)を介して互いに好適に連結させることを可能とする。
また、上記分子量範囲にある高分子分散剤(D)は、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結膜を形成する過程で、蒸発又は分解されずに、当該焼結膜の表面に残留して分布することに起因して、焼結膜の耐久性や耐食性を向上させることができる。
上記分子量が1,000以上の高分子分散剤(D)としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンなどが挙げられ、これらの中から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明において、高分子分散剤(D)の含有量は、銅微粒子(P1)の全量100重量%に対して、0.1〜3.0重量%であることが好ましい。
上記高分子分散剤(D)の含有量が、上記範囲未満である場合には、高分子分散剤(D)の含有量が少な過ぎ、銅微粒子の表面を好適に被覆することができず、所望の圧縮強度を有する銅微粒子集合体(A)が得られないおそれがある。
一方、高分子分散剤(D)の含有量が、上記範囲を超える場合には、高分子分散剤(D)の含有量が多過ぎ、銅微粒子の表面が被覆させ過ぎてしまい、所望の圧縮強度を有する銅微粒子集合体(A)が得られないおそれがある。
本発明において、平均一次粒径が5〜100nmの範囲にある、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)を製造する方法は、特に限定されず、公知の手法に従い、例えば、還元剤を含む水溶液に、高分子分散剤(D)を添加して、攪拌溶解させ、銅微粒子を含む水溶液を滴下し、銅イオン濃度や処理液の温度等の変更を適宜行うことによって、所望の平均一次粒径の範囲にある銅微粒子(P1)を得ることができる。
本発明においては、所望の平均一次粒径の範囲にある銅微粒子(P1)を含む混合溶液は、時間の経過とともに凝集し、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の複数個が、当該高分子分散剤(D)を介して互いに連結されて、銅微粒子集合体(A)を形成する。
(1−3)銅微粒子集合体(A)
本発明で規定する、平均一次粒径が5〜100nmの範囲にある、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)は、粒径がナノサイズであることから銅微粒子(P1)同士が凝集し易い性質を有するだけでなく、当該銅微粒子(P1)の複数個が、当該高分子分散剤(D)を介して互いに連結されて銅微粒子集合体(A)が形成される特徴がある。
このようにして形成される銅微粒子集合体(A)は、1−プロパノールに分散させて測定される圧壊力測定試験において、特定の圧縮強度(5MPa以上)を有し、好ましくは5〜10MPaの圧縮強度を有する。
なお、1−プロパノールに分散させる前の乾燥状態の銅微粒子集合体(A)は、圧壊力測定試験において、特定の圧縮強度(8MPa以上)を有し、好ましくは8〜18MPaの圧縮強度を有する。
ここで「圧縮強度」とは、銅微粒子集合体(A)が潰れる(壊れる)のに要する圧力(圧壊力)を指していい、圧縮強度の値が大きいほど潰れるのに多くの圧力を要すため潰れ難さを示し、一方、圧縮強度の値が小さいほど潰れるのに少ない圧力で済むため潰れ易さを示す指標となるものである。
具体的には、微小粒子圧壊力測定装置(ナノシーズ社製のNS−A100型)を使用して、試料をステージに自由落下により散布し、当該試料に対して圧壊針を、25℃(室温)、押し込み速度3μm/sで押し込み、銅微粒子集合体(A)が潰れるのに必要な荷重F[N]の波形チャートを記録した。
記録した波形チャートから、銅微粒子集合体(A)が潰れる時のピーク値と、ベースライン(荷重がかかっていない状態時)の値との差を、銅微粒子集合体(A)が潰れるのに必要な荷重F[N]とし、圧縮強度を次の式1により求めた。
式1:圧縮強度=2.8×F/(π・D
なお、式1中、D[m]は銅微粒子集合体(A)の粒子径である。粒子径D[m]は、画像解析ソフト(Leica EZ)を用いて、測定時の画像から銅微粒子集合体(A)の長径を計測し、算出された値である。
圧壊力測定試験は、通常、乾燥状態の粒子を測定対象とするものであるが、本発明では乾燥状態の銅微粒子集合体(A)だけでなく、1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)についても測定を行い、それぞれの圧縮強度の測定結果から図1に示されるような関係にあることが分かった。
すなわち、1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度は、乾燥状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度よりも低くなることが分かった。また、1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度と、乾燥状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度との間には、下記式2で示される関係があることが分かった。
式2:y=0.5531x+0.2168
ここで、xは、乾燥状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度を表し、yは、1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度を表す。
なお、図1で表される圧壊力測定試験の結果は、後述する実施例1〜7および比較例1〜3に対応するものです。
本発明では、1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が、5MPa以上の銅微粒子集合体(A)を用い、当該銅微粒子集合体(A)を高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)に分散させることで、銅微粒子集合体の分散溶液を塗布した基板上に焼結膜を形成する際、分散溶液中の銅微粒子集合体(A)が好適な潰れ易さ(圧壊力)を実現することができるため、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件で、緻密性の高い焼結膜を形成することができる。
また、本発明では、1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が、5MPa以上の銅微粒子集合体(A)を用い、当該銅微粒子集合体(A)を高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)に分散させることで、銅微粒子集合体の分散溶液を塗布した接合面同士を焼結して導電接続部材を形成する際、分散溶液中の銅微粒子集合体(A)が好適な潰れ易さ(圧壊力)を実現することができるため、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件で、接合強度に優れた接続層を有する導電接続部材を形成することができる。
上記1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が、上記範囲未満(5MPa未満)である場合には、銅微粒子集合体の圧縮強度が小さ過ぎ、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が潰れ易いため、粒子体と粒子体の隙間から有機溶媒が蒸発する効果が発揮されず、緻密性の高い焼結膜を形成することや、接合強度に優れた接続層を有する導電接続部材を形成することができないおそれがある。
一方、上記1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が、上記範囲を超える(10MPaを超える)場合には、銅微粒子集合体の圧縮強度が大き過ぎ、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が潰れ難いため、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を適用できないおそれがある。
(2)銅微粒子集合体の分散溶液(B)(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液(B)は、上述した第1の実施形態に係る、平均粒径が5〜50μmの範囲にある銅微粒子集合体(A)を、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)に分散させたものである。
(2−1)銅微粒子集合体の分散溶液(B)
本発明において、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)に分散させる、銅微粒子集合体(A)の平均粒径は、5〜50μmの範囲にある。
上記銅微粒子集合体(A)の平均粒径が、上記範囲未満である場合には、銅微粒子集合体(A)の平均粒径が小さ過ぎることに起因して、銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が本発明で規定する範囲を超えるおそれがあり、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が潰れ難いため、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を適用できないおそれがある。
一方、上記銅微粒子集合体(A)の平均粒径が、上記範囲を超える場合には、銅微粒子集合体(A)の平均粒径が大き過ぎることに起因して、銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が本発明で規定する範囲未満となるおそれがあり、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が潰れ易いため、粒子体と粒子体の隙間から有機溶媒が蒸発する効果が発揮されず、緻密性の高い焼結膜を形成することや、接合強度に優れた接続層を有する導電接続部材を形成することができないおそれがある。
本発明において、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)に分散させる、銅微粒子集合体(A)の含有量は、銅微粒子集合体の分散溶液(B)の全量100重量%に対して、20〜60重量%であることが好ましい。
上記銅微粒子集合体(A)の含有量が、上記範囲未満である場合には、銅微粒子集合体(A)の含有量が少な過ぎ、緻密性の高い焼結膜を形成することや、接合強度に優れた接続層を有する導電接続部材を形成することができないおそれがある。
上記銅微粒子集合体(A)の含有量が、上記範囲を超える場合には、銅微粒子集合体(A)の含有量が多過ぎ、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を適用できないおそれがある。
(2−2)高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)
本発明において、第1の実施形態に係る、平均粒径が5〜50μmの範囲にある銅微粒子集合体(A)を分散させる分散溶媒として、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)を用いる。
上記高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)を用いることで、銅微粒子集合体(A)を分散溶媒中に均一に分散させることができることから、緻密性の高い均質な焼結膜を形成することができる。
本発明では、上記銅微粒子集合体(A)を分散溶媒中に分散させる際には、分散速度を低速度として銅微粒子集合体(A)にせん断力が高くかかり過ぎないようにし、分散処理時に銅微粒子集合体(A)が潰れないようにすることが好ましい。
本発明において、上記銅微粒子集合体(A)を分散溶媒中に好適に分散させる方法は、特に限定されず、公知の手法に従い、例えば、有機溶媒(S)に銅微粒子集合体(A)を添加した後、3本ロールミル、遠心混練、超音波ホモジナイザー等の分散処理方法を用いることで、均一分散させることができる。
本発明において、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)の常圧における沸点は、140〜350℃の範囲にあることが好ましい。
上記沸点範囲にある有機溶媒(S)を用いることで、銅粒子集合体の分散溶液(B)を加圧加熱処理により焼結膜を形成する過程で、有機溶媒(S)の蒸発の進行が好適に行われるため、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を適用することができる。
上記有機溶媒(S)の沸点が、上記範囲未満である場合には、有機溶媒(S)の沸点が低過ぎ、銅粒子集合体の分散溶液(B)を加圧加熱処理により焼結膜を形成する過程で、有機溶媒(S)の蒸発の進行が早く進み過ぎてしまい、緻密性の高い焼結膜を形成することができないおそれがある。
一方、上記有機溶媒(S)の沸点が、上記範囲を超える場合には、有機溶媒(S)の沸点が高過ぎ、銅粒子集合体の分散溶液(B)を加圧加熱処理により焼結膜を形成する過程で、有機溶媒(S)の蒸発が進まず、緻密性の高い焼結膜を形成することができないおそれがある。
本発明において、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)には、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含ませることが好ましい。
上記少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を用いることで、分散溶液中、銅微粒子集合体(A)同士が時間の経過とともに凝集する効果を効果的に抑制し、有機溶媒(S)中における銅微粒子集合体(A)の分散安定性を向上させることができる。
これによって、有機溶媒(S)中に銅微粒子集合体(A)を均一に分散させることができることから、緻密性の高い均質な焼結膜を形成することができる。
上記少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、及び1,2,4−ブタントリオールなどのアルコール類が挙げられ、これらの中から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
また、上記少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)としては、例えば、トレイトール、エリトリト−ル、ペンタエリスリト−ル、ペンチト−ル、キシリトール、リビトール、アラビトール、ヘキシト−ル、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、グリセルアルデヒド、ジオキシアセトン、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコ−ス、フルクト−ス、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、アルトロース、ラクト−ス、キシロ−ス、アラビノ−ス、イソマルト−ス、グルコヘプト−ス、ヘプト−ス、マルトトリオース、ラクツロース、及びトレハロースなどの糖類も使用することが可能であるが、これらの中で融点が高いものについては、他の有機溶媒と混合して使用することができる。
有機化合物(S1)は、ヒドロキシル基の結合している炭素原子に1又は2の水素原子が結合している有機化合物であることが好ましい。炭素原子に水素原子が結合した第一級アルコール又は第二級アルコールでは酸化反応によって還元性の水素ガスを放出し易いからである。
本発明で用いる有機溶媒(S)は、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒である。
上記有機溶媒(S)は、上記少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)のみを含む有機溶媒から構成されてもよい。
また、上記有機溶媒(S)は、上記有機化合物(S1)に加えて、以下に記載する有機化合物(X)、及び有機化合物(Y)等を必要に応じて適宜混合させて用いることができる。
有機化合物(X)は、アミド基(−CON=)を有する化合物であって、特に比誘電率が高いものが好ましく用いられる。
上記アミド基を有する有機化合物(X)として、例えば、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、及びアセトアミド、等が挙げられるが、これらを混合して使用することもできる。
また、これらの中でも比誘電率が100以上である、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトアミドなどが好適に使用できる。
なお、N−メチルアセトアミド(融点:26〜28℃)のように常温で固体の場合には他の溶媒と混合して作業温度で液状として使用することができる。
有機化合物(X)は、有機溶媒(S)中で微粒子の分散性と保存安定性を向上する作用を有する。
また、有機化合物(X)を有機溶媒(S)中に存在させると、銅微粒子集合体の分散溶液を基板上に塗布後焼結して得られる焼結膜の均一性や導電性を向上させる作用も有する。
有機化合物(Y)は、一般式R−O−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるエーテル系化合物(Y1)、一般式R−C(=O)−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜2である。)で表されるケトン系化合物(Y2)、及び一般式R−(N−R)−R(R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基、又は水素原子で、炭素原子数は0〜2である。)で表されるアミン系化合物(Y3)、の中から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
上記エーテル系化合物(Y1)としては、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、ジビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アリルエーテル等が例示できる。
上記ケトン系化合物(Y2)としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が例示できる。
また、アミン系化合物(Y3)としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン等が例示できる。
有機化合物(Y)は、有機溶媒(S)中で溶媒分子間の相互作用を低下させ、銅微粒子集合体の有機溶媒(S)に対する親和性を向上する作用を有していると考えられる。このような効果は一般に沸点の低い溶媒において期待され、特に常温における沸点が100℃以下の有機化合物は、有効な溶媒分子間の相互作用を低減する効果が得られることから好ましい。有機化合物(Y)の中でも特にエーテル系化合物(Y1)が、その溶媒分子間の相互作用を低減する効果が大きいことから好ましい。
本発明において、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)の含有量は、銅微粒子集合体の分散溶液(B)の全量100重量%に対して、40〜80重量%であることが好ましい。
上記含有量範囲にある有機溶媒(S)を用いることで、所望の濃度の銅粒子集合体の分散溶液が得られるため、当該銅粒子集合体の分散溶液を基板に好適に塗布することができ、緻密性の高い焼結膜を形成することができる。
上記有機溶媒(S)の含有量が、上記範囲未満である場合には、有機溶媒(S)の含有量が少な過ぎ、緻密性の高い焼結膜を形成することや、接合強度に優れた接続層を有する導電接続部材を形成することができないおそれがある。
上記有機溶媒(S)の含有量が、上記範囲を超える場合には、有機溶媒(S)の含有量が多過ぎ、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を適用できないおそれがある。
(2−3)銅粒子(P2)
本発明においては、第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液(B)に、更に、平均一次粒子径が20〜300nmの範囲にある銅粒子(P2)を含ませることが好ましい。
上記粒径範囲にある銅粒子(P2)を銅微粒子集合体の分散溶液(B)に含ませることで、粘度調整への効果とより緻密な焼結膜が得られる。粘度調整については、種類の異なった粒子を混合させることによって、粒子間の相互作用を小さくなり、分散液の粘度をより幅広く調整することが可能となる。また、銅微粒子集合体(A)よりもサイズが小さな銅粒子(P2)を混合させることで(A)は潰れる際に小さな隙間も埋められ、より緻密な焼結構造の作製が可能となる。
上記銅粒子(P2)の平均一次粒子径が、上記範囲未満である場合には、高度な粒径制御技術を伴うため、コストが高く、またシングルナノサイズの金属微粒子は表面活性化エネルギーが高くなり、粘度調整として使いにくくなるおそれがある。
上記銅粒子(P2)の平均一次粒子径が、上記範囲を超える場合には、焼結構造の隙間サイズよりも大きくなり、隙間を埋める効果が低くなるおそれがある。
本発明において、銅粒子(P2)の含有量は、銅微粒子集合体の分散溶液(B)の全量100重量%に対して、10〜30重量%であることが好ましい。
上記銅粒子(P2)の含有量が、上記範囲未満である場合には、小さな隙間を埋めてより緻密度を上げることができないおそれがある。
一方、上記銅粒子(P2)の含有量が、上記範囲を超える場合には、加圧焼結時に粒子を緻密化するための加圧力を大きくしなければ加圧が不十分となってしまう可能性がある。
また、本発明において、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)及び銅微粒子(P2)の含有量の合計は、銅微粒子集合体の分散溶液(B)の全量100重量%に対して、30〜90重量%であることが好ましい。
(3)焼結導電体の製造方法(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る焼結導電体の製造方法は、上記第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液(B)を、基板に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中、有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度で、加圧加熱処理による焼結を行い、基板上に焼結膜を形成するものである。
上記銅微粒子集合体の分散溶液(B)を、基板上に塗布する方法は、特に限定されないが、例えば、スキージ法、スクリーン印刷、マスク印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷、スプレーコート、バーコート、ナイフコート、及びスピンコート等が代表的に挙げられる。
本発明においては、上記銅微粒子集合体の分散溶液(B)を塗布した基板に対して、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中、有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度で、加圧加熱処理による焼結を行い、基板上に焼結膜が形成される。
上記銅微粒子集合体の分散溶液(B)を基板上に対して、加圧加熱処理による焼結を行う前に、予め、加熱処理等による乾燥を行うことが好適な焼結を行う観点から望ましい。
上記加熱処理等による乾燥条件は、使用する有機溶媒(S)にもよるが、望ましくは100〜200℃の温度で15〜30分間の乾燥条件を挙げることができる。
上記加圧加熱処理による焼結条件は、塗布の厚みにもよるが、望ましくは0.5〜15MPa、有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度で20〜60分間の焼結条件を挙げることができる。
上記銅微粒子集合体の分散溶液(B)を塗布する基板の種類は、特に限定されないが、例えば、ガラス基板、セラミック基板、銅基板、及びポリイミド基板等が代表的に挙げられる。
(4)導電接続部材の製造方法(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る導電接続部材の製造方法は、上記第2の実施形態に係る銅微粒子集合体の分散溶液(B)を、電子部品における半導体素子、回路基板の電極端子、及び導電性基板のいずれかの一の接合面に塗布した後、当該塗布した一の接合面上に、更に接続する別の半導体素子、電極端子、及び導電性基板のいずれかの他の接合面を積層配置し、加圧加熱処理により上記一の接合面と上記他の接合面とを焼結して導電接続部材を形成するものである。
導電接続部材としては、半導体素子と導電性基板間を接合するための導電性ダイボンド部等が挙げられるがこれらに限定されない。
導電性ダイボンド部は、通常、銅微粒子集合体の分散溶液を電子部品における回路基板の接合面に載せ(塗布、印刷等も含まれる)、当該銅微粒子集合体の分散溶液上に更に接続する他方の電極端子の接合面を積層配置した後、加圧加熱処理により上記一の接合面と上記他の接合面とを焼結して形成される。
加圧下の加熱処理は、両電極端子間、又は電極端子と基板間の加圧により導電接続部材前躯体と両電極端子接合面、又は電極端子と導電性基板間との接合を確実にするか、又は導電接続部材前躯体に適切な変形を生じさせて電極端子接合面との確実な接合を行うことができるとともに、導電接続部材前躯体と電極端子接合面との接合面積が大きくなり、接合信頼性を一層向上することができる。
また、半導体素子と導電接続部材前躯体間を加圧型ヒートツ−ル等を用いて加圧下で焼結を行うと、接合部での焼結性が向上してより良好な接合部が得られる。上記両電極端子間、又は電極端子と基板間の加圧は、0.5〜15MPaが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
(1)粒径の測定・算出方法
(1−1)高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)
走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、観察可能な任意に選択した80個の銅微粒子(P1)の一次粒径を測定した。
測定した銅微粒子(P1)全体(80個)のうち、一次粒径が小さい方から順に数えて、銅微粒子(P1)全体(80個)の5%に相当する銅微粒子(P1)(4個)と、一次粒径が大きい方から順に数えて、銅微粒子(P1)全体(80個)の5%に相当する銅微粒子(P1)(4個)とを除き、残り銅微粒子(P1)全体(80個)の90%に相当する銅微粒子(P1)(72個)を対象とし、72個の銅微粒子(P1)の一次粒径の測定値の平均を算出し、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の平均一次粒径とした。
なお、銅微粒子集合体の分散溶液に含ませる、銅粒子(P2)についても、上記銅微粒子(P1)と同様の方法で粒子の一次粒径を測定し、平均一次粒径を算出した。
(1−2)銅微粒子集合体(A)
走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、観察可能な任意に選択した80個の銅微粒子集合体(A)の二次粒径を測定した。
測定した銅微粒子集合体(A)全体(80個)のうち、二次粒径が小さい方から順に数えて、銅微粒子集合体(A)全体(80個)の5%に相当する銅微粒子集合体(A)(4個)と、二次粒径が大きい方から順に数えて、銅微粒子集合体(A)全体(80個)の5%に相当する銅微粒子集合体(A)(4個)とを除き、残り銅微粒子集合体(A)全体(80個)の90%に相当する銅微粒子集合体(A)(72個)を対象とし、72個の銅微粒子集合体(A)の二次粒径の測定値の平均を算出し、銅微粒子集合体(A)の平均粒径とした。
(2)圧壊力測定試験
微小粒子圧壊力測定装置(ナノシーズ社製のNS−A100型)を使用して、試料をステージに自由落下により散布し、当該試料に対して圧壊針を、25℃(室温)、押し込み速度3μm/sで押し込み、銅微粒子集合体(A)が潰れるのに必要な荷重F[N]の波形チャートを記録した。
記録した波形チャートから、銅微粒子集合体(A)が潰れる時のピーク値と、ベースライン(荷重がかかっていない状態時)の値との差を、銅微粒子集合体(A)が潰れるのに必要な荷重F[N]とし、圧縮強度を次の式1により求めた。
式1:圧縮強度=2.8×F/(π・D
なお、式1中、D[m]は銅微粒子集合体(A)の粒子径である。粒子径D[m]は、画像解析ソフト(Leica EZ)を用いて、測定時の画像から銅微粒子集合体(A)の長径を計測し、算出された値である。
圧壊力測定試験の対象とする試料としては、(I)乾燥状態の銅微粒子集合体(A)、及び(II)1−プロパノールに分散させた状態の銅微粒子集合体(A)を用いた。
(3)焼結膜の評価
(3−1)ポーラス部の含有率(%)
走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、基板上に形成された焼結膜を500倍率で観察し、焼結膜に発生したポーラス部の含有率(%)を測定した。
焼結膜に発生した空隙の大きさを、画像処理ソフトで2値化し、所定の単位面積当たり50%以上の空隙を有する部分をポーラス部とした。
(3−2)焼結膜の成膜性(緻密性)
光顕微鏡を使用して、基板上に形成された焼結膜を観察し、以下に示すように成膜性(緻密性)の評価を行った。
○:焼結膜の中央部や端部に割れが無いもの
△:焼結膜の端部に割れが生じたもの
×:焼結膜の全体に割れが生じたもの
(実施例1)
(銅微粒子集合体(A)の分離・回収工程)
銅微粒子(P1)の原料として酢酸第二銅((CHCOO)Cu・1HO)0.2gを蒸留水10mlに溶解させ、酢酸第二銅水溶液10mlを調製した。
金属イオン還元剤として5.0mol/リットルとなるように水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を蒸留水に混合し、水素化ホウ素ナトリウム水溶液100mlを調製した。
次に、上記調製した水素化ホウ素ナトリウム水溶液に、高分子分散剤(D)としてポリビニルピロリドン(PVP、数平均分子量;約3,500)0.1g(銅微粒子(P1)の全量に対して0.5重量%)を添加して、攪拌溶解させ、続いて、窒素ガス雰囲気中で、上記調製した酢酸第二銅水溶液を滴下し、銅イオン濃度が5.0mol/lとなるように銅微粒子(P1)混合溶液を調製した。
ここで、上記調製した銅微粒子(P1)混合溶液の一部を採取し、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の一次粒径を測定し、平均一次粒径を算出した。
次に、上記調製した銅微粒子(P1)混合溶液100mlに、凝集促進剤としてクロロホルム(CHCl)5mlを添加して数分間攪拌し、数分間静置した後、反応液を遠心分離機に入れ、銅微粒子を沈殿させ回収した。
上記沈殿・回収された銅微粒子3.0gと、エタノール50mlとを試験管に入れ、スパチュラーでよく攪拌させた後に、遠心分離を行い、形成された銅微粒子集合体(A)を分離し回収するエタノール洗浄を3回行った。
続いて、同じ試験管中に、1−ブタノール50mlを入れ、スパチュラーでよく攪拌させた後に、遠心分離を行い、形成された銅微粒子集合体(A)を分離し回収する1−ブタノール洗浄を3回行った。
ここで、上記エタノール洗浄、及び1−ブタノール洗浄を経て得られた銅微粒子集合体(A)の一部を採取し、圧壊力測定において(I)乾燥状態の圧縮強度、及び(II)1−プロパノールに分散させた状態の圧縮強度をそれぞれ測定した。
(銅微粒子集合体の分散溶液(B)を得る工程)
上記エタノール洗浄、及び1−ブタノール洗浄を経て得られた銅微粒子集合体(A)12.0g(銅微粒子集合体の分散溶液(B)の全量に対して60重量%)を、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)としてグリセロール(C(OH),沸点;290℃)8.0g(銅微粒子集合体の分散溶液(B)の全量に対して40重量%)に添加し、3本ロールミルによる分散処理を行い、銅微粒子集合体の分散溶液(B)を得た。
(銅微粒子集合体の分散溶液(B)の塗布・焼結工程)
上記得られた銅微粒子集合体の分散溶液(B)を、スキージ法でガラス基板(基板サイズ;20mm×20mm)上に塗布し(塗布サイズ;40mm×40mm)、大気圧雰囲気中、150℃の温度で10分間、加熱処理による乾燥を行った。
次いで、銅微粒子集合体の分散溶液(B)を塗布したガラス基板に対して、窒素ガス雰囲気中、10MPaの加圧下で、220℃の温度で60分間、加圧加熱処理による焼結を行い、室温まで炉冷し、基板上に焼結膜が形成された焼結導電体を製造した。
(実施例2)
実施例1の銅微粒子集合体(A)の分離・回収工程において、平均一次粒径が20nmの銅微粒子(P1)から平均一次粒径が8nmの銅微粒子(P1)に変更したこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例1の銅微粒子集合体(A)の分離・回収工程において、平均一次粒径が20nmの銅微粒子(P1)から平均一次粒径が80nmの銅微粒子(P1)に変更したこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例4)
銅微粒子集合体粒子の分散液(B)を得る工程において、銅微粒子集合体(A)の含有量を60重量%(12g)から40重量%(9.6g)に変更し、有機溶媒(S)の含有量を40重量%(8g)から50重量%(12g)に変更し、銅微粒子集合体粒子の分散液(B)中に銅粒子(P2)を2.4g(銅微粒子集合体粒子の分散液(B)の全量に対して10重量%)含有させたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例5)
実施例1の銅微粒子集合体(A)の分離・回収工程において、平均一次粒径が20nmの銅微粒子(P1)から平均一次粒径が10nmの銅微粒子(P1)に変更し、実施例1の銅微粒子集合体粒子の分散液(B)を得る工程において、銅微粒子集合体(A)の含有量を60重量%(12g)から50重量%(10g)に変更し、銅微粒子集合体粒子の分散液(B)中に銅粒子(P2)を2.0g(銅微粒子集合体粒子の分散液(B)の全量に対して10重量%)含有させたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例6)
実施例1の銅微粒子集合体(A)の分離・回収工程において、平均一次粒径が20nmの銅微粒子(P1)から平均一次粒径が10.5nmの銅微粒子(P1)に変更し、実施例1の銅微粒子集合体粒子の分散液(B)を得る工程において、銅微粒子集合体(A)の含有量を60重量%(12g)から30重量%(12g)に変更し、有機溶媒(S)の含有量を40重量%(8g)から70重量%(28g)に変更しこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例7)
実施例1の銅微粒子集合体(A)の分離・回収工程において、平均一次粒径が20nmの銅微粒子(P1)から平均一次粒径が12nmの銅微粒子(P1)に変更し、実施例1の銅微粒子集合体粒子の分散液(B)を得る工程において、銅微粒子集合体(A)の含有量を60重量%(12g)から20重量%(12g)に変更し、有機溶媒(S)の含有量を40重量%(8g)から80重量%(48g)に変更しこと以外は、実施例1と同様である。
(比較例1)
実施例1の銅微粒子集合体(A)の分離・回収工程において、平均一次粒径が20nmの銅微粒子(P1)から平均一次粒径が12nmの銅微粒子(P1)に変更し、実施例1の銅微粒子集合体粒子の分散液(B)を得る工程において、有機溶媒の種類をグリセロールからトルエンに変更し、銅微粒子集合体(A)の分散処理法を3本ロールミルから超音波に変更したこと以外は、実施例1と同様である。
(比較例2)
実施例1の銅微粒子集合体(A)の分離・回収工程において、平均一次粒径が20nmの銅微粒子(P1)から平均一次粒径が150nmの銅微粒子(P1)に変更し、高分子分散剤(D)の含有量を0.5重量%(0.1g)から0.1重量%(0.02g)に変更しこと以外は、実施例1と同様である。
(比較例3)
実施例1の銅微粒子集合体(A)の分離・回収工程において、平均一次粒径が20nmの銅微粒子(P1)から平均一次粒径が4nmの銅微粒子(P1)に変更し、高分子分散剤(D)の含有量を0.5重量%(0.1g)から0.2重量%(0.04g)に変更しこと以外は、実施例1と同様である。
(結果)
表1には、各実施例及び比較例において行われた、圧壊力測定試験の結果、及び焼結膜の評価結果を示す。
Figure 2017186656
(結果のまとめ)
表1に記載されている評価結果より、以下のことが分かる。
比較例1の銅微粒子集合体の分散溶液では、有機溶媒として高分子分散剤(D)を可溶させることができないトルエンを用いたことに起因して、銅微粒子集合体(A)を有機溶媒中に好適に分散させることができず、分散処理法を3本ロールミルから超音波に変更せざるをえなかった。
超音波による分散処理直後は固形分が混ざり合った状態であったが、当該銅微粒子集合体の分散溶液を基板に塗布し、加熱による乾燥を行うと塗膜表面に凹凸が観察された。次に、加圧加熱処理による焼結を行った結果、ポーラス部の含有率が高く、焼結膜の成膜性(緻密性)は不良であることが分かった。
また、比較例2の銅微粒子集合体の分散溶液では、本発明で規定する粒径範囲を超える銅微粒子(P1)を用いたことに起因して、形成される銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が本発明で規定する範囲未満となることが分かった。
このことから、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が潰れ易いため、粒子体と粒子体の隙間から有機溶媒が蒸発する効果が発揮されなかったことが推測される。
このため、加圧加熱処理による焼結を行った結果、ポーラス部の含有率が高く、焼結膜の成膜性(緻密性)は不良であることが分かった。
また、比較例3の銅微粒子集合体の分散溶液では、本発明で規定する粒径範囲未満の銅微粒子(P1)を用いたことに起因して、形成される銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が本発明で規定する好ましい範囲を超えることが分かった。
このことから、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が潰れ難いため、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を適用できなかったことが推測される。
このため、加圧加熱処理による焼結を行った結果、ポーラス部の含有率が高く、焼結膜の成膜性(緻密性)は不良であることが分かった。
これに対して、実施例1〜7の銅微粒子集合体の分散溶液では、本発明で規定する粒径範囲の銅微粒子(P1)を用い、形成される銅微粒子集合体(A)の圧縮強度が本発明で規定する範囲で、且つ、高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)を用いたことに起因し、銅微粒子集合体の分散溶液を加圧加熱処理により焼結して焼結膜を形成する過程で、銅微粒子集合体(A)が好適な潰れ易さが実現され、低加圧(10MPa以下)・低加熱(300℃以下)による焼結条件を好適に適用できることが分かった。
このため、加圧加熱処理による焼結を行った結果、ポーラス部の含有率が低く、焼結膜の成膜性(緻密性)は良好であることが分かった。

Claims (9)

  1. 平均一次粒径が5〜100nmの範囲にある、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の複数個が、当該高分子分散剤(D)を介して互いに連結されてなる、銅微粒子集合体(A)を1−プロパノールに分散させて測定される圧壊力測定試験における圧縮強度が5MPa以上である、銅微粒子集合体。
  2. 平均一次粒径が5〜100nmの範囲にある、高分子分散剤(D)で被覆された表面を有する銅微粒子(P1)の複数個が、当該高分子分散剤(D)を介して互いに連結されてなる、1−プロパノールに分散させて測定される圧壊力測定試験における圧縮強度が5MPa以上である銅微粒子集合体(A)であって、平均粒径が5〜50μmの範囲にある当該銅微粒子集合体(A)を、当該高分子分散剤(D)が可溶な有機溶媒(S)に分散させてなる、銅微粒子集合体の分散溶液。
  3. 前記銅微粒子集合体(A)の含有量が、前記銅微粒子集合体の分散溶液の全量100重量%に対して、20〜60重量%であることを特徴とする、請求項2に記載の銅微粒子集合体の分散溶液。
  4. 前記有機溶媒(S)の常圧における沸点が、140〜350℃の範囲にあることを特徴とする、請求項2又は3に記載の銅微粒子集合体の分散溶液。
  5. 前記高分子分散剤(D)が可溶な前記有機溶媒(S)が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含み、当該有機化合物(S1)が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、及び1,2,4−ブタントリオールの中から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項2から4のいずれか1項に記載の銅微粒子集合体の分散溶液。
  6. 平均一次粒子径が20〜300nmの範囲にある銅粒子(P2)を更に含むことを特徴とする、請求項2から5のいずれか1項に記載の銅微粒子集合体の分散溶液。
  7. 前記銅粒子(P2)の含有量が、銅微粒子集合体の分散溶液の全量100重量%に対して、10〜30重量%であることを特徴とする、請求項6に記載の銅微粒子集合体の分散溶液。
  8. 前記請求項2から7のいずれか1項に記載の銅微粒子集合体の分散溶液を基板に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中、前記有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度で、加圧加熱処理により焼結して基板上に焼結膜を形成する、焼結導電体の製造方法。
  9. 請求項2から7のいずれか1項に記載の銅微粒子集合体の分散溶液を、電子部品における半導体素子、回路基板の電極端子、及び導電性基板のいずれかの一の接合面に塗布した後、当該塗布した一の接合面上に、更に接続する別の半導体素子、電極端子、及び導電性基板のいずれかの他の接合面を積層配置し、加圧加熱処理により前記一の接合面と前記他の接合面とを焼結して導電接続部材を形成する、導電接続部材の製造方法。
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