JP6372978B2 - 導電性ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子、回路基板等の電子部品の接合に使用される導電性ペーストに関する。
近年電子機器の高機能、高性能化および小型化を実現するために半導体実装技術の高密度化が進められている。半導体素子同士の接合、半導体素子と回路基板との接合方法の代表的技術として、ワイヤボンディング技術(WB)、ワイヤレスボンディング技術であるテープオートメイテッドワイヤボンディング技術(TAB)やフリップチップボンディング技術(FCB)が挙げられる。コンピュータ機器などの半導体装置を高密度に実装する技術として、最も高密度化が可能であるフリップチップボンディング技術が多く用いられている。
フリップチップボンディングは半導体素子等上に形成されたバンプ(突起状物)を、回路基板等へ接合するものであるが、そのバンプの形成にはメッキ法が主に採用されている。
メッキ法によるバンプの形成では、微細なパターンの形成が可能であり、条件設定によりバンプ高さ制御が試みられてはいるものの、バンプの高さに多少のバラつきが生じるのを避けられないという問題点がある。
また、めっき法で形成されたバンプには、使用過程において疲労破壊に起因すると考えられるクラックの発生、破断の問題がある。フリップチップボンディングにおいては、半導体素子の構成材料と半導体素子に実装する回路配線基板との間の構成材料が異なると、熱膨張係数の相異に起因してはんだバンプ電極に応力歪を発生させる。この応力歪ははんだバンプ電極を破壊させて信頼性寿命を低下させる。このような問題点を解消する手段として、金属微粒子を含む導電性ペーストを焼成して形成される多孔質体が知られている。
特許文献1には、空孔(空隙)の偏在が少なく、粗大ボイドやクラックが存在しない、接合強度に優れた導電性バンプ、導電性ダイボンド部等の導電接続部材を得ることを目的として、平均一次粒子径1〜150nmの金属微粒子と、該金属微粒子と同種金属で平均一次粒子径が1〜10μm金属微粒子からなる金属微粒子と、有機分散媒とを含む導電性ペーストから形成された金属多孔質体からなる導電接続部材で、該金属多孔質体が平均粒子径1〜10μmの金属微粒子に由来する粒子間に、平均粒子径1〜150nmの金属微粒子に由来する粒子がその表面で部分的に結合した状態で存在していて、これらの金属微粒子間に空孔が分散している、属多孔質体からなる導電接続部材が開示されている。
特許文献2には、接合強度のムラを低減させうる、接合用金属ペーストの提供を目的として、マイクロトラック粒度分布測定装置で測定される、平均一次粒径(D50径)0.5〜3.0μmである金属サブミクロン粒子と、平均一次粒子径が1〜200nmであって、炭素数6〜8の有機分散剤で被覆された金属ナノ粒子と、これらを分散させる分散媒を含む接合材が開示されている。
特許文献3には、低温焼結可能な金属超微粒子(ナノ粒子)を用いた多層配線基板製造法における導体成分の低含有率の問題及び導体成分の含有量が少ないことによって引き起こされる配線の信頼性の問題を解決することを目的として、焼結の際に形成される配線導体の収縮を抑制するために、基板上に設けられ、1〜10nmの平均粒径の金属超微粒子を介して互いに接合されている0.5〜10μmの平均粒径の金属粒子の焼結構造からなる配線導体と、前記焼結構造の空隙部に充填された導体金属とを有し、前記焼結構造の空隙部に充填された導体金属の充填は、前記焼結構造の形成後に、前記金属粒子と前記金属超微粒子との間の空隙部に、めっき処理により前記導体金属を充填することにより行われる配線基板が開示されている。
特許文献4には、微細パターンの印刷が可能で、低温での熱処理で高い導電率が発現し、密着性に優れた樹脂金属複合導電材料の提供等を目的として、少なくとも液状樹脂と金属粒子とを含むペースト状導電材料で、金属粒子はナノサイズ金属粒子とミクロンサイズ金属粒子とを含んでおり、前記ナノサイズ金属粒子の一部は前記ミクロンサイズ金属粒子に吸着しており、前記ナノサイズ金属粒子を介して前記ミクロンサイズ金属粒子が相互に接触しており、かつ、前記液状樹脂にはナノサイズ金属粒子が独立分散している樹脂金属複合導電材料が開示されている。
特許第5041454号公報 特開2011−80147号公報 特許第4157468号公報 特許第4848674号公報
上記特許文献1に開示の金属微粒子は、ミクロンサイズの金属微粒粒子に対するナノサイズの金属微粒子の配合割合が大きいためにコスト高になり、また焼結時の体積収縮については充分に検討されていないという問題点がある。
上記特許文献2に開示の金属微粒子は、ナノ粒子の有機修飾物が低分子量のため、焼結時に分解が進み、焼結体では有機分散剤の層が残存しないために、腐食の進行の問題点がある。
上記特許文献3に開示の発明では、加熱過程において被覆性有機分散剤が粒子表面から除去されるため、焼結体表面全体には有機分散剤の層が存在しない。またに、分子量1000未満程度の低分子量の有機分散剤を使用した場合には、焼結時に分解が進み、焼結体では有機分散剤の層が残存しないために、耐食性の向上がはかられていないという問題点がある。
上記特許文献4に開示の発明では、ミクロンサイズの金属粒子に対するナノサイズの金属粒子の配合割合が小さいため、ミクロンサイズの金属粒子間をナノサイズの金属粒子がつなぎ合わせる効果が十分に発揮されないために、焼結が迅速に行われないという問題点がある。
電子部品の基板上への実装接合用の導電接続部材は、ナノサイズの金属微粒子を含有する導電性ペーストを焼成して、該微粒子の表面が結合すると共にナノサイズの空孔が形成されている多孔質体とすることが好ましいが、ナノサイズの金属微粒子を含有する導電性ペーストを焼成すると、加熱処理に伴う体積収縮の影響が大きくなり、焼結体に割れが生じやすく、接続信頼性が低下する問題がある。
また、導電接続部材は自然環境下で長期使用すると、外部より水が侵入することで腐食が進行し、漏電等の動作不良を起こす場合がある。
本発明は上記問題点を解決して、加熱処理に伴う体積収縮率を少なくして、焼結体に割れが生じるのを抑制すると共に、焼結体の耐食性を向上して、接続信頼性に優れた導電性ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、導電性ペースト中に平均一次粒子1〜150nmの金属微粒子中に、該微粒子と同種金属で平均一次粒子径が1〜10μmの金属微粒子を一定割合配合させ、かつ有機分散媒として還元性を有する有機溶媒を使用することにより、加熱処理に伴う体積収縮が大きいことに起因する、焼結体の割れを抑制して、接続信頼性を向上できることを見出し、また、上記ナノサイズの金属微粒子を被覆する有機分散剤として高分子量の有機化合物を使用することにより、耐腐食性を有する保護層が焼結体に形成されることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜()に記載する発明を要旨とする。
(1)表面が分子量が1000以上の有機分散剤(O)で被覆され、被覆の平均一次粒子径が1〜150nmである金属微粒子(P1)と、前記金属微粒子(P1)と同種金属で平均一次粒子径が1〜10μmの金属微粒子(P2)からなるとともに、前記金属微粒子(P1)及び前記金属微粒子(P2)の金属はともに銅であり、前記有機分散剤(O)で被覆された前記金属微粒子(P1)と前記金属微粒子(P2)の配合割合([P1/P2]質量比)が0.43〜4.0である金属微粒子(P)と、
有機溶媒(S)、又は有機溶媒(S)と有機バインダー(B)からなる有機分散媒(D)とを含み、
前記金属微粒子(P)と前記有機分散媒(D)との配合割合([P/D]質量比)が0.3〜19であり、
前記金属微粒子(P1)において、金属微粒子(P1)と該微粒子を被覆している有機分散剤(O)の合計量中の有機分散剤(O)の割合が0.1〜3質量%であり、
前記有機溶媒(S)が、(i)常圧における沸点が100℃以上で、かつ分子中に1又は2以上のヒドロキシル基を有するアルコール及び/又は多価アルコールからなるととも前記金属微粒子(P1)及び前記金属微粒子(P2)の銅に対して還元性を有する有機溶媒(S1)、又は(ii)前記有機溶媒(S1)5〜95質量%、及びアミド基を有する有機溶媒(SA)95〜5質量%からなる有機溶媒(S2)であることを特徴とする、導電性ペースト。
)前記有機分散剤(O)が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(1)記載の導電性ペースト。
)前記有機溶媒(S)と有機バインダー(B)からなる有機分散媒(D)において、前記有機分散媒(D)の中の有機バインダー(B)の配合割合が20質量%以下であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の導電性ペースト。
(4)前記有機分散媒(D)はさらに水を含有しており、前記有機溶媒(S)と前記水(W)の合計量中の水(W)の割合が0.1〜25質量%である、前記(1)から(3)のいずれかに記載の導電性ペースト。
本発明の導電性ペーストは、ナノサイズの金属微粒子とミクロンサイズの金属微粒子を共存させることにより、導電性ペーストを加熱処理して金属多孔質体を得る際に、該ペースト中の金属微粒子がナノサイズの金属微粒子のみからなる場合と比較して、該ペースト中でミクロンサイズの金属微粒子(P2)がナノサイズの金属微粒子(P1)の自由な移動を制限することで、粗大ボイドやクラックの発生を抑制して、金属微粒子と空孔が分散された焼結構造を得ることができる。
また、ナノサイズの金属微粒子(P1)が分子量1000以上の有機分散剤(O)で被覆されていることから、導電性ペーストを熱処理して得られる焼結体表面に有機化合物の層が残存する。この有機化合物層が防水性・耐酸化性を有するため、耐腐食性に優れた導電接続部材を得ることができる。
以下に、本発明について詳述する。
本発明の導電性ペーストは、均一次粒子径が1〜150nmであり、その表面が分子量が1000以上の有機分散剤(O)で被覆された金属微粒子(P1)と、金属微粒子(P1)と同種金属で平均一次粒子径が1〜10μmの金属微粒子(P2)からなり、
金属微粒子(P1)と金属微粒子(P2)の配合割合([P1/P2]質量比)が0.43〜4.0である金属微粒子(P)と、
有機溶媒(S)、又は有機溶媒(S)と有機バインダー(B)からなる有機分散媒(D)とを含み、
金属微粒子(P)と有機分散媒(D)との配合割合([P/D]質量比)で0.3〜19であることを特徴とする。
(1)金属微粒子(P)
金属微粒子(P)は、均一次粒子径が1〜150nmであり、その表面が分子量が1000以上の有機分散剤(O)で被覆された金属微粒子(P1)と、金属微粒子(P1)と同種金属で平均一次粒子径が1〜10μmの金属微粒子(P2)からなり、
金属微粒子(P1)と金属微粒子(P2)の配合割合([P1/P2]質量比)が0.43〜4.0である金属微粒子である。
金属微粒子(P)としては、導電性ペーストに含有されていて、加熱処理後導電接続部材としての機能を発揮するものであれば使用可能であるが、導電性、加熱処理(焼結性)、市場における入手の容易性等から、銅、金、銀、ニッケル、及びコバルトの中から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
(イ)金属微粒子(P1)
金属微粒子(P1)は、平均一次粒子径が1〜150nmであり、その表面が分子量が1000以上の有機分散剤(O)で被覆されている。
金属微粒子(P1)の平均一次粒子径は、1〜150nmである。該平均一次粒子径が1nm未満では、焼成により均質な粒子径と空孔を有する多孔質体を形成することが困難である。一方、導電性ペーストを加熱処理する際に金属微粒子(P1)は平均一次粒子径が1〜10μmである金属微粒子(P2)間に存在するので、金属微粒子(P1)の平均一次粒子径が150nmを超えると、金属微粒子(P2)間に安定的に存在しづらくなり、本発明の効果を充分に発揮できなくなる場合がある。尚、本発明において、一次粒子の平均粒径とは、二次粒子を構成する個々の金属微粒子の一次粒子の直径の意味である。該一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察に基づいて測定することができる。また、平均粒径とは、一次粒子の数平均粒径を意味する。
(ロ)有機分散剤(O)
有機分散剤(O)の分子量は、1000以上である。有機分散剤(O)の分子量が1000以上であると、該有機分散剤(O)で被覆された金属微粒子(P1)を焼成する際に、蒸発又は分解されずに、得られる焼結体の外表面に分布して焼結体の耐食性を向上する効果を発揮する。
このような効果を発揮できる有機分散剤(O)としては、分子量が1000以上のポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上を例示することができる。
また、有機分散剤(O)で被覆された金属微粒子(P1)中における、有機分散剤(O)の割合は0.1〜3質量%であることが好ましい。
(ハ)金属微粒子(P2)
金属微粒子(P2)は、金属微粒子(P1)と同種金属で平均一次粒子径が1〜10μmの金属微粒子である。
本発明の導電性ペーストを焼成する際に、金属微粒子(P2)は、金属微粒子(P1)と同種金属であると、焼結がより均一に進行して接合強度の向上を図ることが可能になる。
また、金属微粒子(P2)の平均一次粒子径は、1〜10μmであることにより、金属微粒子(P1)の平均一次粒子径との粒子径の差が確保できて、加熱処理する際に金属微粒子(P1)の自由な移動を効果的に抑制することができる。
(ニ)金属微粒子(P1)と金属微粒子(P2)との配合比
金属微粒子(P1)と金属微粒子(P2)との配合比([P1/P2]質量比)が0.43〜4.0([金属微粒子(P1)/金属微粒子(P1)]として、30〜80質量%/70〜20質量%(ここで、質量%の合計は100質量%である))である。かかる配合比とすることにより、導電性ペーストを加熱処理して形成される,金属多孔質体からなる導電接続部材中で、金属微粒子(P2)が偏在するのを抑制して、分散性を向上させることが可能になる。金属微粒子(P)中の金属微粒子(P2)の割合が増加すると(例えば金属微粒子(P1)/金属微粒子(P2):0.11程度)と、金属微粒子間の焼結が進行しづらくなる。従って、低温焼結効果を得るためにも上記[P1/P2]質量比)は0.43以上であることが好ましい。
(2)有機分散媒(D)
有機分散媒(D)は、有機溶媒(S)、又は有機溶媒(S)と有機バインダー(B)とからなる。
有機分散媒(D)は、導電性ペースト中で金属微粒子(P1)と金属微粒子(P2)とを分散させ、導電性ペーストの粘度の調節、及び基板等上に配置後の形状を維持する機能を発揮する。
また、有機溶媒(S)として、分子中に1又は2以上のヒドロキシル基を有するアルコール及び/又は多価アルコールからなる還元性を有する有機溶媒(S1)を使用すると、加熱、焼成の際に液状及びガス状で、該有機溶媒(S1)が還元剤としての機能を発揮する。
(イ)有機溶媒(S)
前記有機溶媒(S)は、(i)常圧における沸点が100℃以上で、かつ分子中に1又は2以上のヒドロキシル基を有するアルコール及び/又は多価アルコールからなる還元性を有する有機溶媒(S1)、又は(ii)少なくとも、常圧における沸点が100℃以上で、かつ分子中に1又は2以上のヒドロキシル基を有するアルコール及び/又は多価アルコールからなる還元性を有する有機溶媒(S1)5〜95体積%、並びにアミド基を有する有機溶媒(SA)95〜5体積%からなる有機溶媒(S2)が好ましい。
有機分散媒(D)中に還元性を有する有機溶媒(S1)が含有されていると、導電性ペーストを加熱処理する際に、先ず金属微粒子表面が還元され、その後に該微粒子の表面間で焼結に基づく結合が進行すると考えられるので、有機溶媒(S1)が連続的に蒸発して、液体および蒸気が存在する雰囲気で還元・焼成すると、還元作用を発揮して焼結が促進されて良好な導電性を有する導電接続部材が形成される。従って、有機分散媒(D)中に有機溶媒(S1)が存在すると、加熱処理の際に非酸化性雰囲気が形成されて、金属微粒子(P)表面における還元、結合が促進される。
導電性ペースト中にアミド基を有する有機溶媒(SA)が一定割合で存在すると、金属微粒子(P)の表面、及び他の接合端子、金属基材等における、有機分散剤(O)等に由来する金属−アミンの過剰配位を抑制して、アミン系化合物の脱離が容易になり、150℃程度の比較的低温の加熱で接合性の高い活性度が得られて、金属微粒子(P)間の焼結、金属微粒子(P)と接合端子、金属基材等間の焼結が進行し易くなる。また、導電性ペースト中にアミド基を有する有機溶媒(SA)が含まれることで、焼結の際に有機溶媒(S1)が熱分解により生成したケトン、アルデヒドと共沸しやすくなり、150〜300℃の低温焼結温度でも容易に除去される。これにより、有機物残留量が少なくなり、金属微粒子(P)間の接合、金属微粒子(P)と接合端子、金属基材等間の接合が強固になると共に電気抵抗と接触抵抗を低くすることができる。
かかる観点から、有機溶媒(S2)は有機溶媒(S1)60〜95体積%、及びアミド基を有する有機溶媒(SA)40〜5体積%からなることがより好ましい。
有機溶媒(S1)の具体例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、及び1,2,4−ブタントリオールの中から選択される1種又は2種以上が例示できる。
また、有機溶媒(S1)として、トレイトール、エリトリトール、ペンタエリスリトール、ペンチトール、キシリトール、リビトール、アラビトール、ヘキシトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、グリセリンアルデヒド、ジオキシアセトン、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、アルトロース、ラクトース、キシロース、アラビノース、イソマルトース、グルコヘプトース、ヘプトース、マルトトリオース、ラクツロース、及びトレハロース、等の糖類も使用することが可能であるが、これらの中で融点が高いものについては他の融点の比較的低い有機溶媒(S1)と混合して使用することができる。
前記有機溶媒(S1)については、ヒドロキシル基を2つ以上有しており、該ヒドロキシル基が結合している炭素基部分が(−CH(OH)−)構造の多価アルコールが還元機能を発揮し易い点からより好ましい。尚、上記多価アルコールの例示において、カッコ内は常圧における沸点を示す。
有機溶媒(SA)の具体例として、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、及びアセトアミド等が挙げられる。
(ロ)有機バインダー(B)
有機バインダー(B)は、導電性ペースト中で金属微粒子(P)の凝集の抑制、導電性ペーストの粘度の調節、及び電子部品における半導体素子もしくは回路基板の電極端子の接合面に載せた後の形状を維持する機能を発揮する。このような機能を有する有機バインダー(B)としては、セルロース樹脂系バインダー、アセテート樹脂系バインダー、アクリル樹脂系バインダー、ウレタン樹脂系バインダー、ポリビニルピロリドン樹脂系バインダー、ポリアミド樹脂系バインダー、ブチラール樹脂系バインダー、及びテルペン系バインダーの中から選択される1種又は2種以上が好ましい。
有機バインダー(R)の具体例として、前記セルロース樹脂系バインダーがアセチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ブチルセルロース、及びニトロセルロース;アセテート樹脂系バインダーがメチルグリコールアセテート、エチルグリコールアセテート、ブチルグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、及びブチルジグリコールアセテート;アクリル樹脂系バインダーがメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及びブチルメタクリレート;ウレタン樹脂系バインダーが2,4−トリレンジイソシアネート、及びp−フェニレンジイソシアネート;ポリビニルピロリドン樹脂系バインダーがポリビニルピロリドン、及びN−ビニルピロリドン;ポリアミド樹脂系バインダーがポリアミド6、ポリアミド66、及びポリアミド11;ブチラール樹脂系バインダーがポリビニルブチラール;テルペン系バインダーがピネン、シネオール、リモネン、及びテルピネオール等が挙げられる。
有機バインダー(B)を含む有機分散媒(D)において、有機分散媒(D)の中の有機バインダー(B)の配合割合が20質量%以下であることが好ましい。
有機分散媒(D)中の有機バインダー(B)の配合割合が20質量%を超えると、導電性ペーストを加熱処理する際に有機バインダー(B)が熱分解して飛散する速度が遅くなり、また導電性バンプ中に残留カーボン量が増えると焼結が阻害されて、クラック、剥離等の問題が生ずる可能性があり好ましくない。有機溶媒(S)の選択により、該溶剤のみで金属微粒子(P1)と金属微粒子(P2)とを分散させ、導電性ペーストの粘度を調節し導電接続部材前駆体の形状を維持できる機能を発揮できる場合には、有機分散媒(D)として有機溶媒(S)のみからなる成分を使用できる。
(ハ)有機分散媒(D)中の水分含有
有機分散媒(D)中には、水を含有させることができる。有機分散媒(D)中の好ましい水分含有量は、有機溶媒(S)と水(W)の合計量中の水(W)の割合が0.1〜25質量%である。有機溶媒(S)は水との親和性が良いものが多いので、水を吸収し易く、そのため予め水を添加しておくことで導電性ペーストの経時的な粘性変化が生ずるのを抑制することが可能になる。有機溶媒(S2)中にアミド系有機溶媒(SA)を上記割合含有させると、有機溶媒(S1)との混ざりがよく、また有機溶媒(S1)として沸点の高い有機溶媒を使用する際に溶媒の蒸発を促進して粒子間の焼結を進行させるため、焼成後の焼結粒子と導電性基板との密着性と接続強度の向上が期待できる。
(3)導電性ペースト
導電性ペーストは、金属微粒子(P)と、有機溶媒(S)、又は有機溶媒(S)と有機バインダー(B)からなる有機分散媒(D)とを含み、金属微粒子(P)と有機分散媒(D)との配合比([P/D]質量比)は、0.3〜19である。
金属微粒子(P)の割合が前記配合比19を超えるとペーストが高粘度となり、加熱処理において金属微粒子(P)表面間の結合不足が生じて導電性が低下するおそれがある。一方、金属微粒子(P)の割合が前記配合比0.3未満では、ペーストの粘度が低下して半導体素子の電極端子又は回路基板の電極端子の接合面等に載せた後の形状維持が困難となるおそれがあり、また、加熱処理の際に焼結体の収縮率が大きくなるという不具合が生ずるおそれがある。かかる観点から前記金属微粒子(P)と有機分散媒(D)との配合比(P/D)は0.3〜19が好ましい。
本発明においては、導電性ペーストを加熱処理すると、ある温度に達すると有機溶媒(S)の蒸発、又は有機溶媒(S)の蒸発と有機バインダー(B)の熱分解が進行して、金属微粒子(P)の表面同士が接触した後に、互いに結合(焼結)する原理を利用するものである。本発明の導電性ペーストには、本発明の効果を損なわない範囲において、前記した成分に必要に応じて消泡剤、分散剤、可塑剤、界面活性剤、増粘剤等、また他の金属粒子等を加えることができる。
導電性ペーストを製造するに際し、前記金属微粒子(P)に有機分散媒(D)を添加してせん断応力を付加することにより、混練し、導電性ペーストを調製することができる。
せん断応力を付加する方法としては、例えば、ニーダー、三本ロール等の混練装置、密閉系で混練可能なライカイ器等を用いることができる。混練の際、銅粉の酸化が過度に進行しないようにすることが好ましい。
(4)導電性ペーストの焼成
導電性ペーストは、電子部品における半導体素子もしくは回路基板の電極端子の接合面等に載せ(塗布、印刷等も含まれる)、該導電性ペースト上に更に接続する他方の電極端子の接合面を配置した後、加熱処理、又は加圧下に加熱処理により焼結して形成される。
焼成温度は好ましくは150〜350℃、より好ましくは250〜350℃で、加熱焼成することにより、電子部品等の被接合体を導電性ペーストから形成される焼結体を介して電気的、機会的に接合される。
以下に、本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)有機分散剤で覆われた銅微粒子の調製
メタノール中で、分子量3500のポリビニルピロリドン(PVP)の濃度が5wt%となるようにPVPを溶解させて、PVP含有メタノール溶液を調製した。
平均一次粒子径が50nmの銅微粒子10gとPVP含有メタノール70mlを試験管に入れ、超音波ホモジナイザーを用いてよく攪拌した後、遠心分離機で粒子成分を回収した。上記工程で回収された銅微粒子を真空乾燥処理してメタノール成分を除去し、有機分散剤であるポリビニルピロリドンで覆われた銅微粒子を得た。
炭素・硫黄分析計を用いた分析では、有機分散剤であるポリビニルピロリドンで被覆された銅微粒子(Pa)における、ポリビニルピロリドンの割合は、1.2質量%であった。
(2)導電性ペーストの作製
上記有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子(Pa)35質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子(Pb)35質量%と、有機溶媒としてグリセロール30質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
上記ペーストにおける、銅微粒子(Pa)+(Pb)と、有機溶媒(S)の割合([Pa+Pb]/S 質量比)は2.3である。
(3)電子部品の接合
上記ペーストを銅基板(サイズ:2cm×2cm)に焼結後の導電接続部材の厚みが40μmとなるようにそれぞれ乾燥塗布した後、熱処理炉中で、半導体シリコンチップ(サイズ:4mm×4mm)を10MPaの加圧力で塗布膜上に押し付けて、窒素ガス雰囲気中300℃で30分間加熱・焼成させた後、ゆっくりと室温まで炉冷し、銅で構成された焼結体を介して半導体素子と導体基板とを接合した。
(4)接続部の評価
(i)ダイシェア強度試験
基板表面に接合されたシリコンチップを米国MIL−STD−883に準拠したダイシェア強度評価装置を用いて、25℃において、ダイシェア強度を評価した。ダイシェア強度は58N/mmであった。
(ii)耐湿試験、耐熱サイクル試験
上記半導体素子と導体基板とを接合した部材を、85℃/85%RHの恒温恒湿室内に168時間放置した後、1サイクルの温度変化を下記4つの条件を順に100回繰り返すことにより、冷熱サイクルによる耐熱サイクル試験を行った。
温度サイクル条件:−55℃で30分間、25℃で5分間、200℃で30分間、25℃で5分間の順
冷熱サイクル試験後、接続部において超音波顕微鏡を用いて、剥離部の有無の観察を行った。超音波顕微鏡観察では、剥離部は、超音波の反射信号が高く観察される。10サンプル測定しても、接続面全体で接続部位における超音波反射信号がほとんどなく、剥離が発生したサンプルは見られなかった。
[実施例2]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子(Pa)50質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子(Pb)15質量%と、有機溶媒としてグリセロール30質量%とN−メチルアセトアミド5質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表1に示す。
[実施例3]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子(Pa)20質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子(Pb)35質量%と、有機溶媒としてグリセロール20質量%とN−メチルアセトアミド25質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表1に示す。
[比較例1]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子(Pa)5質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子(Pb)45質量%と、有機溶媒としてグリセロール50質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表1に示す。
[比較例2]
(1)有機分散剤で覆われた銅微粒子の調製
メタノール中で、N−ビニルピロリドン(分子量111.14)の濃度が1wt%となるようにN−ビニルピロリドンを溶解させて、N−ビニルピロリドン含有メタノール溶液を調製した。
平均一次粒子径が50nmの銅微粒子10gとN−ビニルピロリドン含有メタノール70mlを試験管に入れ、超音波ホモジナイザーを用いてよく攪拌した後、遠心分離機で粒子成分を回収した。上記工程で回収された銅微粒子を真空乾燥処理してメタノール成分を除去し、有機分散剤であるN−ビニルピロリドンで覆われた銅微粒子を得た。
炭素・硫黄分析計を用いた分析では、有機分散剤であるN−ビニルピロリドンで被覆された銅微粒子(Pa)における、N−ビニルピロリドンの割合は、0.4質量%であった。
(2)導電性ペーストの作製
上記有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子(Pa)25質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子(Pb)25質量%と、有機溶媒としてグリセロール50質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(3)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表1に示す。
[比較例3]
(1)有機分散剤で覆われた銅微粒子の調製
メタノール中で、分子量3500のポリビニルピロリドンの濃度が1質量%となるようにPVPを溶解させて、PVP含有メタノール溶液を調製した。
平均一次粒子径が350nmの銅微粒子10gとPVP含有メタノール70mlを試験管に入れ、超音波ホモジナイザーを用いてよく攪拌した後、遠心分離機で粒子成分を回収した。上記工程で回収された銅微粒子を真空乾燥処理してメタノール成分を除去し、有機化合物であるN−ビニルピロリドンで覆われた銅微粒子を得た。
炭素・硫黄分析計を用いた分析では、有機分散剤であるポリビニルピロリドンで被覆された銅微粒子における、ポリビニルピロリドンの割合は、0.9質量%であった。
(2)導電性ペーストの作製
上記有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が350nmの銅微粒子35質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子35質量%と、有機溶媒としてグリセロール30質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(3)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表1に示す。
[比較例4]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子35質量%と、平均一次粒子径が0.5μmの銅粒子35質量%と、有機溶媒としてグリセロール30質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表1に示す。
[比較例5]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子35質量%と、平均一次粒子径が20μmの銅粒子35質量%と、有機溶媒としてグリセロール30質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表1に示す。
[実施例4]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子15質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子15質量%と、有機溶媒としてグリセロール20質量%とN−メチルアセトアミド50質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表1に示す。
[実施例5]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子15質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子20質量%と、有機溶媒としてグリセロール2質量%とN−メチルアセトアミド63質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表1に示す。
Figure 0006372978
[比較例6]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機化合物被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子47質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子50質量%と、有機溶媒としてグリセロール3質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表2に示す。
[実施例6]
(1)有機化合物で覆われた銅微粒子の調製
メタノール中で、分子量3500のポリビニルピロリドン(PVP)の濃度が0.1質量%となるようにPVPを溶解させて、PVP含有メタノール溶液を調製した。
平均一次粒子径が50nmの銅微粒子10gとPVP含有メタノール70mlを試験管に入れ、超音波ホモジナイザーを用いてよく攪拌した後、遠心分離機で粒子成分を回収した。上記工程で回収された銅微粒子を真空乾燥処理してメタノール成分を除去し、有機化合物であるN−ビニルピロリドンで覆われた銅微粒子を得た。
炭素・硫黄分析計を用いた分析では、有機化合物であるポリビニルピロリドンで被覆された銅微粒子(P1)における、ポリビニルピロリドンの割合は、0.05質量%であった。
(2)導電性ペーストの作製
上記有機化合物被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子20質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子35質量%と、有機溶媒としてグリセロール45質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(3)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表2に示す。
[実施例7]
(1)有機分散剤で覆われた銅微粒子の調製
メタノール中で、分子量3500のポリビニルピロリドン(PVP)の濃度が10質量%となるようにPVPを溶解させて、PVP含有メタノール溶液を調製した。
平均一次粒子径が50nmの銅微粒子10gとPVP含有メタノール70mlを試験管に入れ、超音波ホモジナイザーを用いてよく攪拌した後、遠心分離機で粒子成分を回収した。上記工程で回収された銅微粒子を真空乾燥処理してメタノール成分を除去し、有機分散剤であるN−ビニルピロリドンで覆われた銅微粒子を得た。
炭素・硫黄分析計を用いた分析では、有機分散剤であるポリビニルピロリドンで被覆された銅微粒子における、ポリビニルピロリドンの割合は、3.8質量%であった。
(2)導電性ペーストの作製
上記有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子30質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子30質量%と、有機溶媒としてグリセロール40質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(3)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表2に示す。
[比較例7]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子10質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子5質量%と、有機溶媒としてグリセロール85質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表2に示す。
[実施例8]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機化合物被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子35質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子35質量%と、有機溶媒としてグリセロール25質量%と、有機バインダーとしてメチルメタクリレート5質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
上記ペーストの有機分散媒(D)における有機溶媒(S)と有機バインダー(B)の配合割合([S/B]質量比)は83/17である。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表2に示す。
[実施例9]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子35質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子35質量%と、有機溶媒としてグリセロール20質量%と、有機バインダーとしてメチルメタクリレート10質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。上記ペーストの有機分散媒(D)における有機溶媒(S)と有機バインダー(B)の配合割合([S/B]質量比)は67/33である。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表2に示す。
[実施例10]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子35質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子35質量%と、有機溶媒としてグリセロール25質量%と、イオン交換水5質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
上記ペーストの有機分散媒(D)における有機溶媒(S)と水(W)の配合割合([S/W]質量比)は83/17である。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表2に示す。
[実施例11]
(1)導電性ペーストの作製
実施例1で用いた、有機分散剤被覆処理を行った平均一次粒子径が50nmの銅微粒子35質量%と、平均一次粒子径が5μmの銅粒子35質量%と、有機溶媒としてグリセロール18質量%と、イオン交換水12質量%とを混練して、導電性ペーストを調製した。
上記ペーストの有機分散媒(D)における有機溶媒(S)と水(W)の配合割合([S/W]質量比)は60/40である。
(2)実施例1と同様に、電子部品の接合、及び接続部の評価を実施した。結果を表2に示す。
Figure 0006372978

Claims (4)

  1. 表面が分子量が1000以上の有機分散剤(O)で被覆され、被覆の平均一次粒子径が1〜150nmである金属微粒子(P1)と、前記金属微粒子(P1)と同種金属で平均一次粒子径が1〜10μmの金属微粒子(P2)からなるとともに、前記金属微粒子(P1)及び前記金属微粒子(P2)の金属はともに銅であり、前記有機分散剤(O)で被覆された前記金属微粒子(P1)と前記金属微粒子(P2)の配合割合([P1/P2]質量比)が0.43〜4.0である金属微粒子(P)と、
    有機溶媒(S)、又は有機溶媒(S)と有機バインダー(B)からなる有機分散媒(D)とを含み、
    前記金属微粒子(P)と前記有機分散媒(D)との配合割合([P/D]質量比)が0.3〜19であり、
    前記金属微粒子(P1)において、金属微粒子(P1)と該微粒子を被覆している有機分散剤(O)の合計量中の有機分散剤(O)の割合が0.1〜3質量%であり、
    前記有機溶媒(S)が、(i)常圧における沸点が100℃以上で、かつ分子中に1又は2以上のヒドロキシル基を有するアルコール及び/又は多価アルコールからなるととも前記金属微粒子(P1)及び前記金属微粒子(P2)の銅に対して還元性を有する有機溶媒(S1)、又は(ii)前記有機溶媒(S1)5〜95質量%、及びアミド基を有する有機溶媒(SA)95〜5質量%からなる有機溶媒(S2)であることを特徴とする、導電性ペースト。
  2. 前記有機分散剤(O)が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記有機溶媒(S)と有機バインダー(B)からなる有機分散媒(D)において、前記有機分散媒(D)の中の有機バインダー(B)の配合割合が20質量%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記有機分散媒(D)はさらに水を含有し、前記有機溶媒(S)と前記水(W)の合計量中の水(W)の割合が0.1〜25質量%である、請求項1から3のいずれかに記載の導電性ペースト。
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