JP2020164894A - 接合材、接合材の製造方法、接合方法、半導体装置 - Google Patents

接合材、接合材の製造方法、接合方法、半導体装置 Download PDF

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圭一 遠藤
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大輔 伊東
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Abstract

【課題】被接合部材の金属接合層との接触面が大きい場合であっても、接合を実施したときに、接触面の端部においてボイド(剥離)を生じ難い接合材を提供すること。【解決手段】金属粒子及び溶剤を含む接合材であって、前記金属粒子について、窒素雰囲気下、0.1MPaで加圧しながら、30℃から3℃/分の昇温速度で昇温する条件で熱機械分析を行ったとき、250℃における収縮率が1.5%以下である、接合材。【選択図】図2

Description

本発明は、被接合部材との間における端部のボイドが低減された金属接合層を形成可能な接合材、その接合材の製造方法、その接合材を使用した接合方法、及び半導体装置に関する。
従来、銅基板などの基板上に半導体チップなどの電子部品を搭載した半導体装置では、電子部品が半田により基板上に固定されていたが、近年では、人体や環境などへの負荷を考慮して、従来の鉛を含む半田から鉛フリー半田への移行がなされている。
また、このような半導体装置において、基板上への実装密度を大きくするために電子部品が小型化されていることから、これらを駆動する電流密度は大きくなる傾向にある。その結果として、電子部品の稼働時の発熱も大きくなる。また、半導体素子として、広く使用されていたSi素子よりも低損失で優れた特性のSiC素子を使用することが検討されている。このSiC素子を基板上に搭載した半導体装置では、動作温度が200℃を超える場合もある。このような高温環境にさらされ得る半導体装置の製造においては、電子部品を基板上に固定する半田として、融点が高い高温半田を使用する必要があるが、このような高温半田は鉛フリー化が困難である。
一方、近年、銀などの金属からなる(微)粒子及び溶剤を含む金属ペーストを接合材として使用し、被接合部材間に接合材を介在させ、これを所定時間加熱して、接合材中の金属を焼結させて、金属接合層により被接合部材同士を接合することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような金属ペーストから形成される金属接合層は、通常の半田より融点が高いため、半田の代わりに使用して、基板上に電子部品を固定する試みがなされている。
なお特許文献1の実施例1では、平均一次粒子径が13.9nmの銀微粒子とD50径が600nmの銀粒子と、溶剤と分散剤とを混合した接合材が調製され、これを使用して銅基板及び銅チップを接合して接合体を作製している。
特開2011−80147号公報
上記特許文献1におけるD50径とはいわゆる凝集粒子径であり、上記特許文献1の銀粒子の平均一次粒子径は、600nmより小さい300nm程度と推測される。
近年、接合材を使用した接合においては、接合材から形成される金属接合層と、被接合部材との間のボイドの有無が重要であることが分かってきた。
ここにボイドが存在すると、接合体全体としての導電性や熱伝導性、更にサイクル特性(冷熱サイクルをかけても前記導電性等の特性が悪化しない又は悪化しにくいこと)が不十分となりうる。
本発明者は、上記特許文献1の接合材と同様の接合材を調製して、基板上に塗布して塗膜を形成し、その塗膜上に半導体素子を載置して接合を実施した。その結果得られた接合体の半導体素子と銀接合層との間のボイドについて評価したところ、特に半導体素子の銀接合層と接触する面(接触面)の輪郭を構成する部分及びその近傍(接触面の端部)においてボイド(剥離)が多く発生していた。そしてこの傾向は、接触面の面積が大きくなるとより顕著であった。
そこで本発明は、被接合部材の金属接合層との接触面が大きい場合であっても、接合を実施したときに、接触面の端部においてボイド(剥離)を生じ難い接合材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。上記特許文献1の接合材と同様の接合材について、被接合部材の金属接合層との接触面の端部について特にボイドが発生した原因を、銀微粒子及び銀粒子が焼結する際の収縮が強いことにあるのではないかと本発明者らは考えた。焼結時にこれらの粒子が、接合材の塗膜(焼結過程にある)における中心方向に向かって収縮することにより、接触面の端部においてボイドが多くなったものと考えられる。このような考えに基づき検討を進めた結果、特定の収縮挙動を示す金属粒子を接合材において使用することによって、接合を実施したときに、被接合部材の金属接合層との接触面の端部においてボイドの発生が低減されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]金属粒子及び溶剤を含む接合材であって、前記金属粒子について、窒素雰囲気下、0.1MPaで加圧しながら、30℃から3℃/分の昇温速度で昇温する条件で熱機械分析を行ったとき、250℃における収縮率が1.5%以下である、接合材。
[2]前記金属粒子について前記熱機械分析を行ったとき、200℃における収縮率が0.5%以下である、[1]に記載の接合材。
[3]前記金属粒子について前記熱機械分析を行ったとき、175℃における収縮率が0.27%以下である、[1]又は[2]に記載の接合材。
[4]前記金属粒子が、平均一次粒子径が5〜60nmの金属微粒子と、平均一次粒子径が400〜1500nmの金属大粒子とを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の接合材。
[5]前記金属粒子が、前記金属微粒子5〜45質量%及び前記金属大粒子55〜95質量%(ただし、前記金属微粒子及び金属大粒子の合計は100質量%である)の混合物である、[4]に記載の接合材。
[6]前記金属粒子の構成金属が、銀、銅、金、白金、ニッケル、パラジウム、鉄、アルミニウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、[1]〜[5]5のいずれかに記載の接合材。
[7]前記接合材における前記金属粒子の含有量が、70〜98質量%である、[1]〜[6]のいずれかに記載の接合材。
[8]金属粒子及び溶剤を混合する工程を有する接合材の製造方法であって、前記金属粒子について、窒素雰囲気下、0.1MPaで加圧しながら、30℃から3℃/分の昇温速度で昇温する条件で熱機械分析を行ったとき、250℃における収縮率が1.5%以下である、接合材の製造方法。
[9]平均一次粒子径が5〜60nmの金属微粒子5〜45質量部と、平均一次粒子径が400〜1500nmの金属大粒子55〜95質量部と(ただし、前記金属微粒子及び金属大粒子の合計は100質量部である)、溶剤とを混合する工程を有する、接合材の製造方法。
[10]前記金属微粒子及び金属大粒子の合計100質量部に対して、前記溶剤を2〜45質量部混合する、[9]に記載の接合材の製造方法。
[11]2つの被接合部材を接合する接合方法であって、一方の前記被接合部材上に[1]〜[7]のいずれかに記載の接合材又は[8]〜[10]のいずれかに記載の製造方法で製造された接合材を塗布して塗膜を形成する工程と、該塗膜上に他方の前記被接合部材を載置する工程と、該他方の被接合部材が載置された塗膜を160〜350℃で焼成して、前記塗膜から金属接合層を形成する工程とを有する、接合方法。
[12]前記他方の被接合部材の前記金属接合層と接触する面の形状が略矩形であり、その接触面の面積が9mm以上である、[11]に記載の接合方法。
[13]前記一方の被接合部材が基板であり、前記他方の被接合部材が半導体素子である、[11]又は[12]に記載の接合方法。
[14]前記他方の被接合部材の前記金属接合層と接触する面の形状が略矩形であり、その接触面の輪郭を構成する全ての辺の長さが5mm以上であり、前記接触面における、その輪郭を構成する辺からの距離が前記接触面の中心から前記辺までの距離の20%以内の領域の、前記金属接合層との間にボイドが生じている面積割合が、20%以下である、[11]〜[13]のいずれかに記載の接合方法。
[15]基板と、金属接合層と、半導体素子とがこの順に積層された積層体を有する半導体装置であって、前記半導体素子の前記金属接合層と接触する面の形状が略矩形であり、その接触面の輪郭を構成する全ての辺の長さが5mm以上であり、前記接触面における、その輪郭を構成する辺からの距離が前記接触面の中心から前記辺までの距離の20%以内の領域の、前記金属接合層との間にボイドが生じている面積割合が、20%以下である、半導体装置。
[16]前記接触面の形状が、一辺が10mm以上の正方形である、[15]に記載の半導体装置。
本発明によれば、被接合部材の金属接合層との接触面が大きい場合であっても、接合を実施したときに、接触面の端部においてボイド(剥離)を生じ難い接合材が提供される。
他方の被接合部材の金属接合層と接触する面における、その輪郭を構成する辺からの距離が前記接触面の中心から前記辺までの距離の20%以内の領域Aを示す概念図である。 実施例1及び比較例1の、銀粒子を熱機械分析した結果を示す図である。 実施例1の接合材を使用して得られた接合体のSi素子−銀接合層−銅基板の接合部を、超音波顕微鏡で撮影した結果を示す(図は画像処理後のもの。領域A以外の個所を灰色に塗りつぶしてある)。 比較例1の接合材を使用して得られた接合体のSi素子−銀接合層−銅基板の接合部を、超音波顕微鏡で撮影した結果を示す(図は画像処理後のもの。領域A以外の個所を灰色に塗りつぶしてある)。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[接合材]
本発明の接合材の実施の形態は、特定の金属粒子及び溶剤を含む。以下、これら各構成について説明する。
<金属粒子>
前記金属粒子は、加熱したときの収縮が小さい。具体的には、窒素雰囲気下、0.1MPaで加圧しながら、30℃から3℃/分の昇温速度で昇温する条件で熱機械分析を行ったとき、250℃における収縮率が1.5%以下である。この熱機械分析の詳細な条件は、後述する実施例に記載の通りである。このように加熱したときの収縮が小さい金属粒子を含む接合材で接合を実施すると、被接合部材の金属接合層との接触面が大きくとも、被接合部材と金属接合層との間で、接触面の端部においてボイドを生じ難い。
なお、金属ペーストからなる接合材を利用した接合において、金属粒子を焼結させる際の焼成温度としては、160〜350℃といった範囲が一般的である。本発明の接合材に使用する金属粒子も、この温度範囲の加熱で焼結することが好ましい。
接触面の端部においてボイドを生じ難い接合材とする観点から、本発明の接合材の実施の形態に使用する金属粒子について熱機械分析を行ったとき、250℃における収縮率が1.0%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがより好ましい。なお、収縮率が小さすぎると焼結性が低いことを意味するので、250℃における収縮率は0.15%以上であることが好ましい。
また、本発明の接合材の実施の形態に使用する金属粒子が、上記熱機械分析を行ったときに、200℃における収縮率が0.5%以下であると、接合材を180〜220℃といった温度範囲で焼成を実施する接合にも好適に使用でき、好ましい。前記の温度範囲で焼成を実施する接合に用いる接合材であって、接触面の端部においてボイドを生じ難い接合材とする観点から、金属粒子について上記熱機械分析を行ったとき、200℃における収縮率が0.4%以下であることが好ましい。なお、収縮率が小さすぎると焼結性が低いことを意味するので、200℃における収縮率は0.1%以上であることが好ましい。
さらに、本発明の接合材の実施の形態に使用する金属粒子が、上記熱機械分析を行ったときに、175℃における収縮率が0.27%以下であると、接合材を160〜200℃といった温度範囲で焼成を実施する接合にも好適に使用でき、好ましい。前記の温度範囲で焼成を実施する接合に用いる接合材であって、接触面の端部においてボイドを生じ難い接合材とする観点から、金属粒子について上記熱機械分析を行ったとき、175℃における収縮率が0.25%以下であることが好ましい。なお、収縮率が小さすぎると焼結性が低いことを意味するので、175℃における収縮率は0.08%以上であることが好ましい。
金属粒子の構成金属としては、銀、銅、金、白金、ニッケル、パラジウム、鉄、アルミニウム及びチタンが挙げられる。金属粒子はこれら金属のいずれか単体からなる粒子であってもよいし、これらの任意の組合せの合金からなる粒子であってもよい。コストや接合材から形成される金属接合層の導電性の観点から、これらの中でも銀、銅及びニッケルが好ましく、さらに導電性の観点から銀及び銅が特に好ましい。
接合材中の金属粒子の含有量が高いと、その分溶剤の含有量が少なくなり、接合材の塗膜を焼成したときの、溶剤の揮発による収縮が抑制される。一方接合材の印刷適性の観点からは、溶剤が少なすぎるのは好ましくない。これらの観点から、接合材中の金属粒子の含有量は70〜98質量%であるのが好ましく、85〜98質量%であるのがより好ましく、90〜96質量%であるのが特に好ましい。
本発明の接合材の実施の形態に使用する金属粒子は、上述した熱機械分析における所定の挙動を示すものであれば特に限定されないが、以下、そのような挙動を示す具体的な金属粒子の構成について説明する。
(金属微粒子及び金属大粒子の混合物の態様)
金属粒子は、好ましくは平均一次粒子径が5〜60nmの金属微粒子と、平均一次粒子径が400〜1500nmの金属大粒子とを含む。このような特定のサイズの関係にある2種類の粒子を混合すると、金属大粒子の空隙に金属微粒子が非常に密に充填され、焼結時の収縮が抑制される(熱機械分析を行ったときの所定温度での収縮率が小さい)ものと考えられる。また金属微粒子はサイズが非常に小さいため焼結性にも優れ、焼結により金属大粒子を連結して金属接合層を形成する。金属微粒子及び金属大粒子が非常に密に充填される観点から、金属微粒子の平均一次粒子径が8〜40nmであり金属大粒子の平均一次粒子径が500〜1200nmであることがより好ましく、金属微粒子の平均一次粒子径が10〜30nmであり金属大粒子の平均一次粒子径が550〜900nmであることが特に好ましい。
なお本明細書において、平均一次粒子径とは、金属微粒子及び金属大粒子の透過型電子顕微鏡写真(TEM像)又は走査型電子顕微鏡写真(SEM像)から求められる一次粒子径の平均値(個数基準の平均一次粒子径)をいう。更に具体的には、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製のJEM−1011)又は走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテクノロジーズ株式会社製のS−4700)により金属微粒子又は金属大粒子を所定の倍率で観察した画像(SEM像又はTEM像)上の100個以上の任意の粒子の一次粒子径(粒子と面積が同じ円(面積相当円)の直径)から算出することができる。面積相当円の直径の算出は、例えば、画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製のA像くん(登録商標))により行うことができる。
また、金属粒子は好ましくは以上説明した金属微粒子5〜45質量%及び金属大粒子55〜95質量%の混合物である(金属微粒子と金属大粒子の量の合計は100質量%である)。熱機械分析における収縮率を小さくして、接触面の端部においてボイドを生じ難い接合材とする観点から、金属粒子はより好ましくは、金属微粒子15〜30質量%及び金属大粒子70〜85質量%の混合物である(金属微粒子と金属大粒子の合計は100質量%である)。
なお金属微粒子は粒子径が小さく凝集し易い傾向にある。これを防止するため、金属微粒子は有機化合物で被覆されているのが好ましい。なお、この有機化合物としては金属微粒子を被覆可能な公知のものを特に制限なく使用可能である。前記有機化合物の例としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基及びジスルフィド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する炭素数1〜18の有機化合物が挙げられる。この有機化合物は分岐を有してもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。
160〜350℃程度での焼成により十分に金属微粒子から分離して金属微粒子同士の焼結を阻害しないように、有機化合物としては炭素数12以下のものが好ましく、炭素数2〜8の飽和脂肪酸もしくは不飽和脂肪酸や飽和アミンもしくは不飽和アミンがより好ましい。このような脂肪酸やアミンの例として、ヘキサン酸、ソルビン酸、ヘキシルアミン及びオクチルアミンが挙げられる。
また金属大粒子について、接合材中での分散性を高めて金属微粒子との密な充填を可能とする観点から、金属大粒子は有機化合物で被覆されているのが好ましい。なお、この有機化合物としては金属大粒子を被覆可能な公知のものを特に制限なく使用可能である。前記有機化合物の例としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基及びジスルフィド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する炭素数12〜24の有機化合物が挙げられる。この有機化合物は分岐を有してもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。このような有機化合物の例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸などが挙げられる。
<溶剤>
本発明の接合材の実施の形態は、溶剤を含む。この溶剤としては、金属粒子を分散させることができ、接合材中の他の成分との反応性を実質的に有しないものを広く使用可能である。
接合材中の溶剤の含有量は、2〜30質量%であるのが好ましく、3.9〜9.9質量%であるのがより好ましい。この溶剤として、極性溶剤や非極性溶剤を使用することができるが、接合材中の他の成分との相溶性や環境負荷の観点から、極性溶剤を使用するのが好ましい。
極性溶剤の例としては、水;
ターピネオール、テキサノール、フェノキシプロパノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、テルソルブMTPH(日本テルペン化学株式会社製)、ジヒドロターピニルオキシエタノール(日本テルペン化学株式会社製)、テルソルブTOE−100(日本テルペン化学株式会社製)、テルソルブDTO−210(日本テルペン化学株式会社製)等のモノアルコール;
3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(オクタンジオール)、ヘキシルジグリコール、2−エチルヘキシルグリコール、ジブチルジグリコール、グリセリン、ジヒドロキシターピネオール、3−メチルブタン−1,2,3−トリオール(イソプレントリオールA(IPTL−A)、日本テルペン化学株式会社製)、2−メチルブタン−1,3,4−トリオール(イソプレントリオールB(IPTL−B)、日本テルペン化学株式会社製)等のポリオール;
ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ターピニルメチルエーテル(日本テルペン化学株式会社製)、ジヒドロターピニルメチルエーテル(日本テルペン化学株式会社製)等のエーテル化合物;
ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート;
1−メチルピロリジノン、ピリジン等の含窒素環状化合物;
γ―ブチロラクトン、メトキシブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、3−ヒドロキシ−3−メチルブチルアセテート、ジヒドロターピニルアセテート、テルソルブIPG−2Ac(日本テルペン化学株式会社製)、テルソルブTHA−90(日本テルペン化学株式会社製)、テルソルブTHA−70(日本テルペン化学株式会社製)等のエステル化合物;
などを使用することができる。これらは1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<その他の成分(添加剤)>
本発明の接合材の実施の形態は、公知の添加剤を含んでいてもよい。添加剤として具体的には、酸系分散剤やリン酸エステル系分散剤などの分散剤、ガラスフリットなどの焼結促進剤、酸化防止剤、粘度調整剤、有機バインダー(例えば樹脂バインダー)、無機バインダー、pH調整剤、緩衝剤、消泡剤、レベリング剤、揮発抑制剤が挙げられる。添加剤の接合材における含有量は、0.1質量%以下であることが好ましい。
[接合材の製造方法]
次に、本発明の接合材の製造方法の実施の形態について説明する。当該製造方法は、金属粒子及び溶剤を混合する工程を有している。金属粒子は、以上説明した本発明の接合材の実施の形態に用いられる金属粒子と同様である(すなわち、窒素雰囲気下、0.1MPaで加圧しながら、30℃から3℃/分の昇温速度で昇温する条件で熱機械分析を行ったとき、250℃における収縮率が1.5%以下である金属粒子である)。その好ましい態様や具体的構成についても同様である。
前記の混合工程においては、金属粒子と溶剤に加えて、更にその他の成分(添加剤)を加えてともに混合してもよい。
金属粒子を、上記で説明した金属微粒子及び金属大粒子の混合物とする場合は、混合工程において、金属微粒子5〜45質量部と金属大粒子55〜95質量部とを(溶剤等とともに)混合する。なおこのとき、金属微粒子及び金属大粒子の使用量の合計は100質量部である。
また溶剤の混合量は、接合材の塗膜を焼成したときの溶剤揮発による収縮を抑制しつつ、接合材の印刷特性を高める観点から、金属粒子100質量部(前記金属微粒子及び金属大粒子の混合物の場合は、これらの合計100質量部)に対して2〜45質量部が好ましく、2〜25質量部がより好ましく、4〜15質量部が特に好ましい。
また、金属粒子及び溶剤(更に必要に応じてその他の成分)の混合方法は特に制限されるものではなく、例えば、これらを個別に用意し、任意の順で、超音波分散、ディスパー、三本ロールミル、ボールミル、ビーズミル、二軸ニーダー、又は公転式攪拌機などで混合することによって、接合材を製造することができる。
[接合方法]
本発明の接合方法の実施の形態は、本発明の接合材の実施の形態、又は本発明の接合材の製造方法の実施の形態により製造された接合材を用いて2つの被接合部材を接合する方法であり、この方法によれば、被接合部材の金属接合層と接触する面(接触面)の面積が大きくとも、被接合部材と金属接合層との間で、接触面の端部においてボイドを生じ難い。本発明の接合方法の実施の形態は、塗膜形成工程と、載置工程と、金属接合層形成工程とを有し、その他予備乾燥工程等を実施してもよい。以下、これら各工程について説明する。
<塗膜形成工程>
本工程では、一方の被接合部材上に本発明の接合材の実施の形態又は本発明の接合材の製造方法の実施の形態により製造された接合材を、(印刷などにより)塗布して塗膜を形成する。前記一方の被接合部材の例としては、基板が挙げられる。基板としては、銅基板などの金属基板、銅と何らかの金属(例えばW(タングステン)やMo(モリブデン))との合金基板、銅板をSiN(窒化珪素)やAlN(窒化アルミニウム)などに挟んだセラミック基板、更にPET(ポリエチレンテレフタレート)基板などのプラスチック基板、FR4などのPCB基板などが挙げられる。さらにこれらを積層した積層基板も、本発明の接合方法において使用可能である。
なお、前記一方の被接合部材の接合材が塗布される個所は、金属でメッキされていてもよい。塗膜中の金属粒子との接合相性の観点からは、金属メッキにおける金属の種類は、接合材における金属粒子の構成金属と同様であることが好ましい。また塗膜の形状(前記一方の被接合部材の上方からみたときの平面形状)については、コストの観点から接合に必要かつ最小限の量となる形状であることが好ましい。より具体的には、塗膜の形状は、被接合物(すなわち他方の接合部材)の底面の形状と実質的に同一であることが好ましい。他方の接合部材の底面とは、当該部材を塗膜上に載置したときに、上記一方の被接合部材と対向する二つの面のうち、一方の被接合部材に近い側の面である。
<載置工程>
続いて、前記の一方の被接合部材上に形成された塗膜の上に、他方の被接合部材を載置する。この他方の被接合部材の例としては、SiチップやSiCチップなどの半導体素子、一方の被接合部材の例として挙げたのと同様の基板が挙げられる。
他方の被接合部材の塗膜と接触する個所(底面)は、金属でメッキされていてもよい。塗膜中の金属粒子との接合相性の観点からは、前記他方の被接合部材の金属メッキにおける金属の種類は、接合材における金属粒子の構成金属と同様であることが好ましい。また塗膜上に他方の被接合部材を載置する際には、2つの被接合部材の間に、塗膜を圧縮する方向の圧力をかけてもかけなくてもよい。
本発明の接合方法の実施の形態は、他方の被接合部材の、下記にて説明する金属接合層形成工程で塗膜から(焼結により)形成される金属接合層と接触する面(接触面)の端部において、他方の被接合部材と金属接合層との間でボイドを生じ難い。このことから、上記一方の被接合部材が基板であり、前記他方の被接合部材が半導体素子であることが好ましい。半導体素子の基板への接合においては高度な信頼性が求められ、前記のボイドを生じがたいことは、信頼性において重要であるからである。なお半導体素子は代表的には直方体ないし立方体形状であり、この場合、底面(塗膜及びそれから形成される金属接合層と接触する面)の形状は矩形である。
また、本発明の接合方法の実施の形態は、他方の被接合部材の接触面が大面積の場合の接合に好適である。接触面が大面積であると、金属粒子の収縮による、塗膜から金属接合層が形成される際の収縮の絶対値がより大きくなるからである。本発明の接合方法の実施の形態によれば、このような場合にも接触面の端部にボイドが発生しがたい。
<予備乾燥工程>
他方の被接合部材が載置された塗膜を加熱して金属粒子を焼結させる際に、形成される金属接合層中のボイドを低減するため、塗膜上に他方の被接合部材を載置する前又は後に(載置工程の前又は後に)、塗膜を予備乾燥する予備乾燥工程を実施してもよい。予備乾燥は塗膜から溶剤を除去することを目的としており、溶剤が揮発し、かつ金属粒子が焼結を実質的に起こさないような条件で乾燥する。このため、予備乾燥は塗膜を60〜150℃で加熱することによって実施することが好ましい。この加熱による乾燥は大気圧下で行ってもよいし、減圧ないし真空下で行ってもよい。また、次に説明する金属接合層形成工程において、焼結温度までの昇温速度が7℃/分以下程度であれば、焼結温度までの昇温をもって予備乾燥工程を実施することができる。
<金属接合層形成工程>
載置工程を実施して必要に応じて予備乾燥工程を実施した後、2つの被接合部材にサンドイッチされた塗膜を160〜350℃で焼成し、金属粒子を焼結させることで、金属接合層を形成する。載置工程までは代表的には室温で実施されるため、この金属接合層工程では、まず前記160〜350℃の焼結温度まで昇温する。昇温速度は特に限定されるものではないが、例えば1.5℃/分〜10℃/分とすることができ、2℃/分〜6℃/分とすることが好ましい。そして焼結温度で例えば1分〜2時間保持して、接合材の塗膜から金属接合層を形成する。なお、焼結温度を280℃以上として、前記の昇温速度で昇温すれば、焼結温度に達するまでに金属接合層が形成されるので、焼結温度での保持時間は0分としてもよい。
焼結温度は、形成される金属接合層の接合強度やコストの観点から、175〜280℃であることが好ましい。
焼結温度で保持する時間は、形成される金属接合層の接合強度やコストの観点から、10〜60分であることが好ましい。
また、この金属接合層形成工程において、被接合部材間に(塗膜を圧縮する方向の)圧力を加える必要はないが、5MPa以下(通常15Pa以上)の圧力を加えてもよい。
また本工程は大気雰囲気中で実施しても窒素雰囲気などの不活性雰囲気中で実施してもよいが、酸化防止の観点から不活性雰囲気中で実施することが好ましい。更にコストの観点から、焼結工程を窒素雰囲気中で実施することがより好ましい。
以上説明した本発明の接合方法の実施の形態によれば、被接合物(すなわち以上説明した他方の接合部材)の金属接合層と接触する面の面積が大きくとも、他方の被接合部材と金属接合層との間で、接触面の端部においてボイドを生じがたい。面積が大きいとは具体的には、金属接合層との接触面の面積が9mm以上である場合の接合である。本発明の接合方法の実施の形態は、更に大面積の接合にも好適であり、接触面の面積が25mm以上である接合に更に好適であり、接触面の面積が36〜400mmである接合に特に好適である。なお接触面とは、他方の被接合部材と金属接合層との間でボイドが全く発生しなかったと仮定した場合の、被接合部材と金属接合層とが接触している面を意味する。
他方の被接合部材の金属接合層との接触面の形状は特に限定されるものではないが、本発明の接合方法の実施の形態の適用が有用な半導体素子の底面の代表的な形状が矩形であることから、前記接触面の形状は略矩形であることが好ましい。略矩形とは、完全な矩形や、その四角の少なくとも一つの角が丸められているような、矩形に近似しうる形状を包含する趣旨である。
接触面を略矩形かつ大面積とした場合の本発明の接合方法の実施の形態の一例を挙げると、他方の被接合部材の金属接合層と接触する面の形状が略矩形であり、その接触面の輪郭を構成する全ての辺の長さが5mm以上であるものについて接合を実施する。このとき、前記接触面における、その輪郭を構成する辺からの距離が前記接触面の中心から前記辺までの距離の20%以内の領域Aの、前記金属接合層との間にボイドが生じている面積割合が、20%以下である。
前記領域Aは、図1にその概念図(他方の被接合部材の接触面を正方形とした)を示す通り、四角い枠形状の領域である。接触面の中心は、平面形状がその接触面であり厚さが一様の板の重心から前記接触面に下した垂線の、当該接触面との交点である。接触面が正方形や長方形であれば、それは対角線の交点に一致する。本発明の接合方法の実施の形態によれば、領域Aにおいてボイドが生じている面積割合を、好ましくは15%以下とすることができ、より好ましくは10%以下とすることができる。
[半導体装置]
以上説明した通り本発明の接合方法の実施の形態は、特に大面積の半導体素子の基板への接合に好適であり、そのような接合を実施してその他の種々の工程を経ることで、半導体素子と金属接合層との間での、接触面の端部におけるボイドが低減された半導体装置を得ることができる。
具体的にはこの半導体装置は、基板と、金属接合層と、半導体素子とがこの順に積層された積層体を有する半導体装置であって、前記半導体素子の前記金属接合層と接触する面の形状が略矩形であり、その接触面の輪郭を構成する全ての辺の長さが5mm以上であり、前記接触面における、その輪郭を構成する辺からの距離が前記接触面の中心から前記辺までの距離の20%以内の領域Aの、前記金属接合層との間にボイドが生じている面積割合が、20%以下である、半導体装置である。領域Aについては上記で図1を示して説明した通りである。本発明を利用すれば、得られる半導体装置における、前記領域Aにおけるボイドの面積割合を好ましくは15%以下とすることができ、より好ましくは10%以下とすることができる。
また本発明の接合方法を利用すれば、前記接触面の形状が、一辺が10mm以上(通常20mm以下)の正方形である半導体装置も、好適に製造することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
<接合材(実施例1及び比較例1)の調製>
(銀微粒子の調製)
5Lの反応槽に水3400gを入れ、この反応槽の下部に設けたノズルから3000mL/分の流量で窒素を反応槽内の水中に600秒間流して溶存酸素を除去した後、反応槽の上部から3000mL/分の流量で窒素を反応槽中に供給して反応槽内を窒素雰囲気にするとともに、反応槽内に設けた撹拌羽根付き撹拌棒により撹拌しながら、反応槽内の水の温度が60℃になるように調整した。この反応槽内の水に28重量%のアンモニアを含むアンモニア水7gを添加した後、1分間撹拌して均一な溶液にした。この反応槽内の溶液に有機化合物として飽和脂肪酸であるヘキサン酸(和光純薬工業株式会社製)45.5g(銀に対するモル比は1.98)を添加して4分間撹拌して溶解した後、還元剤として50重量%のヒドラジン水和物(大塚化学株式会社製)23.9g(銀に対して4.82当量)を添加して、還元剤溶液とした。
また、硝酸銀の結晶(和光純薬工業株式会社製)33.8gを水180gに溶解した硝酸銀水溶液を銀塩水溶液として用意し、この銀塩水溶液の温度が60℃になるように調整し、この銀塩水溶液に硝酸銅三水和物(和光純薬工業株式会社製)0.00008g(銀に対して銅換算で1ppm)を添加した。なお、硝酸銅三水和物の添加は、ある程度高濃度の硝酸銅三水和物の水溶液を希釈した水溶液を狙いの銅の添加量になるように添加することによって行った。
次に、上記の銀塩水溶液を上記の還元剤溶液に一挙に添加して混合して、攪拌しながら還元反応を開始させた。この還元反応の開始から約10秒で反応液であるスラリーの色の変化が終了し、攪拌しながら10分間熟成させた後、攪拌を終了し、吸引濾過による固液分離を行い、得られた固形物を純水で洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して、(ヘキサン酸で被覆された)銀微粒子の乾燥粉末を得た。なお、この銀微粒子中の銀の割合は、加熱によりヘキサン酸を除去した後の重量から、97重量%であることが算出された。また、この銀微粒子の平均一次粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)により求めたところ、17nmであった。
(銀大粒子の準備)
銀大粒子として、走査型電子顕微鏡写真(SEM像)により求めた平均一次粒子径が800nmの銀粒子であるAG−3−60(DOWAハイテック社製造、DOWAエレクトロニクス社販売)を用意した。また比較として、走査型電子顕微鏡写真(SEM像)により求めた平均一次粒子径が300nmであるAG−2−1C(DOWAハイテック社製造、DOWAエレクトロニクス社販売)を用意した。
(接合材の調製)
下記表1に記載の銀粒子及び溶剤、並びにその他の成分を表1に記載の配合割合(質量%)で混練して、実施例1及び比較例1の接合材を調製した。
(銀粒子の熱機械分析)
銀微粒子及びAG−3−60を、表1の実施例1についてのこれらの銀粒子の配合割合と同じ質量割合(20:72=21.7:78.3)で、合計100g計量した。また銀微粒子及びAG−2−1Cを、表1の比較例1についてのこれらの銀粒子の配合割合と同じ質量割合(20:72=21.7:78.3)で、合計100g計量した。
それぞれについて、計量後、へらで撹拌し、混練脱泡機で30秒撹拌した。混練脱泡機の容器の公転速度は1400rpm、自転速度は700rpmとした。
撹拌された銀粒子を、上端が解放された内径5mmの円筒型容器にそれぞれ0.5g入れ、2000Nの荷重を20秒かけてφ5mmで3.5〜3.7mm厚の円柱状のサンプルを成形した。
得られた各サンプルについて、以下の条件で熱機械分析を行った。
メーカー:SII(セイコーインスツルメンツ株式会社) 型番:TMA/SS6200
昇温速度:3℃/min
測定温度:30〜700℃
測定荷重:700mN(プローブ面積:φ3mmなので0.1MPa相当)
測定雰囲気:窒素を熱機械分析装置内に200mL/minの流量で流した。
結果を図2に示す。また実施例1及び比較例1の175℃、200℃、250℃における収縮率を下記表2にまとめる。
<評価用接合体の作製>
上記で調製した実施例1及び比較例1の各接合材を30mm×30mm(厚さ1mm)の銅基板にメタルマスク(開口部13.5mm×13.5mm、厚さ150μm)で塗布した。銅基板上に形成された各接合材の塗膜上に、13mm×13mm(厚さ0.3mm)の、底面が正方形形状のSi素子を載置した。これをN雰囲気中で25℃から250℃まで3℃/分で昇温させ、当該温度で60分間、無加圧で焼成して銀接合層を形成し、接合体を得た。
<ボイド評価>
各接合体のSi素子−銀接合層−銅基板の接合部を、超音波顕微鏡(C−SAM D−9500、sonoscan社製)で、プローブ(トランスデューサー)として50MHzのものを用いてSi素子側から撮影した。
得られた画像を画像処理ソフト(商品名:ペイントショップ)で2値化した後、Si素子の銀接合層と接触する面における、その輪郭を構成する辺からの距離が接触面の中心から前記辺までの距離の20%以内の領域A、すなわちSi素子の各辺から1.3mm以内の領域における、前記銀接合層との間にボイドが生じている面積割合を求めた。黒い部位はボイドなしと判断し、白い部位はボイドありと判断した。画像処理後の接合部の写真を図3(実施例1)及び4(比較例1)に示す。なお領域A以外の個所は灰色に塗りつぶしてある。
実施例1の接合材を用いた場合の領域Aにおけるボイド率は8.1%であり、比較例1の接合材を用いた場合の領域Aにおけるボイド率は45.2%であった。

Claims (16)

  1. 金属粒子及び溶剤を含む接合材であって、
    前記金属粒子について、窒素雰囲気下、0.1MPaで加圧しながら、30℃から3℃/分の昇温速度で昇温する条件で熱機械分析を行ったとき、250℃における収縮率が1.5%以下である、接合材。
  2. 前記金属粒子について前記熱機械分析を行ったとき、200℃における収縮率が0.5%以下である、請求項1に記載の接合材。
  3. 前記金属粒子について前記熱機械分析を行ったとき、175℃における収縮率が0.27%以下である、請求項1又は2に記載の接合材。
  4. 前記金属粒子が、平均一次粒子径が5〜60nmの金属微粒子と、平均一次粒子径が400〜1500nmの金属大粒子とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の接合材。
  5. 前記金属粒子が、前記金属微粒子5〜45質量%及び前記金属大粒子55〜95質量%(ただし、前記金属微粒子及び金属大粒子の合計は100質量%である)の混合物である、請求項4に記載の接合材。
  6. 前記金属粒子の構成金属が、銀、銅、金、白金、ニッケル、パラジウム、鉄、アルミニウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜5のいずれかに記載の接合材。
  7. 前記接合材における前記金属粒子の含有量が、70〜98質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の接合材。
  8. 金属粒子及び溶剤を混合する工程を有する接合材の製造方法であって、
    前記金属粒子について、窒素雰囲気下、0.1MPaで加圧しながら、30℃から3℃/分の昇温速度で昇温する条件で熱機械分析を行ったとき、250℃における収縮率が1.5%以下である、接合材の製造方法。
  9. 平均一次粒子径が5〜60nmの金属微粒子5〜45質量部と、平均一次粒子径が400〜1500nmの金属大粒子55〜95質量部と(ただし、前記金属微粒子及び金属大粒子の合計は100質量部である)、溶剤とを混合する工程を有する、接合材の製造方法。
  10. 前記金属微粒子及び金属大粒子の合計100質量部に対して、前記溶剤を2〜45質量部混合する、請求項9に記載の接合材の製造方法。
  11. 2つの被接合部材を接合する接合方法であって、
    一方の前記被接合部材上に請求項1〜7のいずれかに記載の接合材又は請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法で製造された接合材を塗布して塗膜を形成する工程と、
    該塗膜上に他方の前記被接合部材を載置する工程と、
    該他方の被接合部材が載置された塗膜を160〜350℃で焼成して、前記塗膜から金属接合層を形成する工程と
    を有する、接合方法。
  12. 前記他方の被接合部材の前記金属接合層と接触する面の形状が略矩形であり、その接触面の面積が9mm以上である、請求項11に記載の接合方法。
  13. 前記一方の被接合部材が基板であり、前記他方の被接合部材が半導体素子である、請求項11又は12に記載の接合方法。
  14. 前記他方の被接合部材の前記金属接合層と接触する面の形状が略矩形であり、その接触面の輪郭を構成する全ての辺の長さが5mm以上であり、
    前記接触面における、その輪郭を構成する辺からの距離が前記接触面の中心から前記辺までの距離の20%以内の領域の、前記金属接合層との間にボイドが生じている面積割合が、20%以下である、請求項11〜13のいずれかに記載の接合方法。
  15. 基板と、金属接合層と、半導体素子とがこの順に積層された積層体を有する半導体装置であって、
    前記半導体素子の前記金属接合層と接触する面の形状が略矩形であり、その接触面の輪郭を構成する全ての辺の長さが5mm以上であり、
    前記接触面における、その輪郭を構成する辺からの距離が前記接触面の中心から前記辺までの距離の20%以内の領域の、前記金属接合層との間にボイドが生じている面積割合が、20%以下である、半導体装置。
  16. 前記接触面の形状が、一辺が10mm以上の正方形である、請求項15に記載の半導体装置。
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