JP6831417B2 - 接合用金属ペースト及びそれを用いた接合方法 - Google Patents

接合用金属ペースト及びそれを用いた接合方法 Download PDF

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Description

本発明は接合用金属ペースト及びそれを用いた接合方法に関する。
従来、部材を接合するための接合材料としては、はんだが使用されていた。しかし、はんだの融点は低いため、動作温度の高い炭化ケイ素や窒化ガリウム等のパワーデバイス素子に対して使用することは困難であった。そのため、現在では耐熱性の高い金属ナノ粒子を含む金属ペーストが接合材料として使用されている。
例えば、特許文献1は、金属ナノ粒子と、親水性部を有するリン酸系分散剤と、極性溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストを開示している。また、特許文献2は、有機溶媒を含むワニス状樹脂組成物と、平均粒径が0.5〜20μmの金属フィラーと、平均粒径が1〜100nmの金属超微粒子とを含む導電性金属ペーストを開示している。また、特許文献3は、1μm以上の凝集粒子径を有する金属ナノ粒子粉末をペースト成分として含有した接合用金属ペーストを開示しており、この接合用金属ペーストを使用して2つの部材を接合すると、高い接合強度の接合体を得ることができる。
特開2013−4309号公報 国際公開第02/35554号パンフレット 特許第6154194号公報
近年、接合用金属ペーストを使用した接合においては、接合体の接合強度に加えて、接合体における、金属ペーストから形成される金属接合層中のボイドの有無も重要であることが分かってきた。
接合強度が十分であっても、金属接合層中にボイドが存在すると、接合体全体としての導電性や熱伝導性、更にサイクル特性(冷熱サイクルをかけても前記導電性等の特性が悪化しない又は悪化しにくいこと)が不十分となりうる。
そこで、本発明においては高い接合強度を達成しつつ、しかもボイドの少ない金属接合層を形成可能な接合用金属ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、金属ナノ粒子として透過型電子顕微鏡写真で計測される平均一次粒子径が10〜40nmのものを使用し、かつペースト中にレーザー回折型粒度分布計で計測される体積基準の累積50%粒子径が1.0〜2.5μmである金属粒子を併存させたペーストを使用することにより、高い強度で、かつボイドの低減された金属接合層により部材を接合できることを見出した。
すなわち、本発明は以下を含む。
[1]透過型電子顕微鏡写真で計測される平均一次粒子径が10〜40nmである金属ナノ粒子、および分散溶媒と、レーザー回折型粒度分布計で計測される体積基準の累積50%粒子径(D50粒子径)が1.0〜2.5μmの金属粒子を含む、接合用金属ペースト。
[2]前記金属ナノ粒子の含有量が接合用金属ペーストの重量の5〜20重量%である、[1]に記載の接合用金属ペースト。
[3]前記金属粒子の含有量が接合用金属ペーストの重量の65〜85重量%である、[2]に記載の接合用金属ペースト。
[4]金属成分の含有量が接合用金属ペースト重量の90重量%以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の接合用金属ペースト。
[5]金属成分が銀である、[1]ないし[4]のいずれかに記載の接合用金属ペースト。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の接合用金属ペーストを少なくとも第1の部材に塗布する塗布工程;及び前記第1の部材と第2の部材とを接触させ、焼成することにより接合する接合工程を含む、接合方法。
[7]前記接合工程は接合部に前記第1の部材又は第2の部材の自重以外の圧力をかけない状態で行う、[6]に記載の接合方法。
本発明によれば、高い接合強度を達成しつつ、しかもボイドの少ない金属接合層を形成可能な接合用金属ペーストを提供することができる。
実施例におけるシア強度の評価方法を説明する概略図である。 比較例1の銀ペーストを使用して得られた接合体のSi素子−銀接合層−銅基板の接合部を、マイクロフォーカスX線透視装置で撮影した結果を示す(図は画像処理後のもの)。 実施例1の銀ペーストを使用して得られた接合体のSi素子−銀接合層−銅基板の接合部を、マイクロフォーカスX線透視装置で撮影した結果を示す(図は画像処理後のもの)。 実施例2の銀ペーストを使用して得られた接合体のSi素子−銀接合層−銅基板の接合部を、マイクロフォーカスX線透視装置で撮影した結果を示す(図は画像処理後のもの)。
<接合用金属ペースト>
本発明は、金属ナノ粒子と分散溶媒とを含み、その金属ナノ粒子の平均一次粒子径は10〜40nmであり、かつ接合体を形成する骨格として体積基準の累積50%粒子径(D50粒子径)が1.0〜2.5μmである金属粒子を含む、接合用金属ペーストに関する。金属ナノ粒子と金属粒子が存在することにより、金属ペーストを部材に塗布すると、塗膜中には金属ナノ粒子と金属粒子の間の空隙に由来する空孔が形成される。この塗膜を乾燥及び焼成すると、前記空孔を通って金属ペーストの分散溶媒が蒸発できるため、金属接合層中の分散溶媒の残存率をより下げることができる。
特許文献3の金属ペーストでは、金属ナノ粒子の凝集体の間に空孔が形成され、ここから溶媒が蒸発することができたが、凝集体間の空孔は大きく、これが原因となって、金属接合層にボイドが形成されてしまう場合がある。本発明の場合は、空孔は金属ナノ粒子と金属粒子の間の空隙に由来するものであり小さく、金属接合層にはボイドが形成され難い。
金属ナノ粒子の平均一次粒子径は、10〜40nmであり、12〜35nmであることがより好ましく、14〜25nmであることが特に好ましい。このような微小サイズの金属ナノ粒子を使用することにより、部材の接合強度を向上しつつ、接合部のボイド形成を抑制することができる。なお、「平均一次粒子径」は透過型電子顕微鏡(TEM)写真から算出することができる。
金属ナノ粒子の含有量は、金属ペーストの重量の好ましくは5〜20重量%、より好ましくは10〜20重量%、特に好ましくは12〜20重量%である。このような含有量で金属ナノ粒子が存在することにより、部材の接合強度を向上しつつ、ボイドの少ない金属接合層を形成することができる。
金属ナノ粒子は、その表面が有機化合物で被覆されていることが好ましい。金属ナノ粒子の表面に被膜が存在することにより、金属ペースト中で金属ナノ粒子が凝集することを防止できる。有機化合物の種類は特に限定されないが、炭素数が8以下の有機化合物であることが好ましい。炭素数が8以下の有機化合物は低温で除去することができるため、部材を低温で接合することが可能となる。
炭素数が8以下の有機化合物としては、例えば、C1〜C8のカルボン酸、ジカルボン酸、不飽和脂肪酸等を挙げることができる。より具体的には、オクタン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ペンタン酸、ブタン酸、プロパン酸、シュウ酸、マロン酸、エチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ソルビン酸、マレイン酸等を挙げることができる。
金属ナノ粒子の金属の種類は、部材の接合に使用可能なものであれば特に限定されない。貴金属及び卑金属のいずれも使用することができる。貴金属としては、例えば、銀、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金等を挙げることができる。卑金属としては、例えば、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル等を挙げることができる。1種の金属ナノ粒子を使用してもよいし、2種以上の金属ナノ粒子を使用してもよい。特に限定するものではないが、銀ナノ粒子を使用することが好ましい。
本発明の接合用金属ペーストは、レーザー回折型粒度分布計で計測される体積基準の累積50%粒子径(D50粒子径)が1.0〜2.5μmである金属粒子を含む。金属ペースト(の塗膜)の焼結時には、金属ナノ粒子が焼結して、金属粒子を連結するようにして、金属接合層が形成される。この際金属接合層にボイドが形成されにくくするためには、金属粒子のD50粒子径は1.2〜2.3μmであることが好ましく、1.4〜2.0μmであることがより好ましい。
この金属粒子は、分散性向上などのため有機化合物で被覆されていてもよく、その際に、金属粒子を炭素数20以下の有機化合物(有機化合物の炭素数は通常2以上である。)にて被覆するのが好ましい。そのような有機化合物の例としては、オレイン酸やステアリン酸が挙げられる。
金属粒子の含有量は、金属ペーストの重量の好ましくは65〜85重量%、より好ましくは68〜82重量%、特に好ましくは70〜80重量%である。このような含有量で金属粒子が存在することにより、部材の接合強度を向上しつつ、金属接合層におけるボイド形成を抑制することができる。
金属粒子の金属の種類としては、金属ナノ粒子と同様のものを挙げることができる。特に限定するものではないが、金属粒子と金属ナノ粒子とは同じ種類の金属であることが好ましく、銀であることが特に好ましい。
金属粒子は金属ナノ粒子よりも大きく比表面積が小さいため、金属ペーストの粘度は相対的に低くなる。そのため、本発明に係る接合用金属ペーストは流動性が高く、取扱いが容易である。また、金属ペーストの粘度が低いため、金属成分の含有量を増加させることもできる。
例えば、接合用金属ペーストに含まれる金属成分(基本的には金属ナノ粒子及び金属粒子)の合計の含有量を、金属ペーストの重量の好ましくは90重量%以上、より好ましくは91重量%以上、更に好ましくは92重量%以上、特に好ましくは93重量%以上とすることができる。金属成分の合計の含有量の上限は100重量%未満の数値であれば特に限定されないが、例えば、99重量%、98重量%等とすることができる。このような含有量で金属成分を含んでいても金属ペーストは高い流動性を有するため、容易に取り扱うことができる。また、金属成分の含有量が増加することにより、接合体の接合強度を向上しつつ、金属接合層におけるボイド形成を抑制することができる。
本発明の接合用金属ペーストは、金属ナノ粒子及び金属粒子を分散溶媒と混合することにより調製することができる。
本発明に係る接合用金属ペーストは金属成分を分散させるための分散溶媒を含む。分散溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、水やアルコール等のプロトン性極性溶媒;アミド(例えばジメチルアセトアミド)、ニトリル(例えばアセトニトリル)、ケトン(例えばアセトン)、環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン)等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。特に限定するものではないが、アルコール(例えば、C1〜18アルコール等)を使用することが好ましく、より具体的には、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソボルニルシクロヘキサノール、テルピネオール、オクタンジオール、デカノール、ノナノール、ウンデカノール等を使用することが好ましい。
分散溶媒の含有量は、接合用金属ペーストの重量の好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜7重量%である。金属粒子は上記の通り比表面積が小さいため、分散溶媒の含有量を少なくしても金属ペーストの流動性を維持することができる。また、分散溶媒の含有量を少なくすることにより、金属成分の含有量を相対的に増加させることができる。
本発明に係る接合用金属ペーストは、金属成分を分散させるための分散剤を更に含んでいてもよい。分散剤の種類は特に限定されないが、例えば、リン酸系分散剤等を挙げることができる。
リン酸系分散剤はリン酸基及び親水部を有するものであることが好ましい。例えば、リン酸エステル系分散剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸系分散剤、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸系分散剤等を挙げることができる。リン酸基は塩の形態であってもよい。親水性部としては、例えば、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、ポリグリセリン等を挙げることができる。特に限定するものではないが、親水性部としてポリエチレングリコールを有していることが好ましい。
また、以下の構造:
(式中、
xは6〜20の整数(好ましくは6〜14の整数)であり、
yは0〜5の整数(好ましくは0〜2の整数)であり、
zは0〜5の整数(好ましくは0〜2の整数)であり、
x+y+zは6〜30の整数(好ましくは6〜18の整数)である)を有するリン酸系分散剤を挙げることもできる。
分散剤の含有量は、接合用金属ペーストの重量の好ましくは0.05〜0.8重量%、より好ましくは0.08〜0.5重量%、特に好ましくは0.1〜0.4重量%である。
本発明に係る接合用金属ペーストは金属成分を高い比率で含みながら、粘度を低く維持することができる。例えば、金属ペーストの25℃で15.7s−1にて測定した粘度は、15〜100Pa・s、好ましくは25〜90Pa・s、より好ましく30〜80Pa・sである。
<接合方法及び接合体>
本発明は、上記の接合用金属ペーストを少なくとも第1の部材に塗布する塗布工程;及び前記第1の部材と第2の部材とを接触させ、焼成することにより接合する接合工程;を含む接合方法、並びに前記接合方法で接合された接合体にも関する。この接合方法により形成された接合体は、接合強度が高く、しかも金属接合層におけるボイドが少ないため、導電性やサイクル特性などにも優れる。
接合する部材の種類は特に限定されず、金属材料、プラスチック材料、セラミック材料等を挙げることができる。金属材料としては、例えば、銅基板、金基板、アルミ基板等を挙げることができる。プラスチック材料としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート等を挙げることができる。セラミック材料としては、例えば、ガラス、シリコン等を挙げることができる。また、部材として電子素子を挙げることもできる。特に、金属ペーストが耐熱性の金属成分を含む場合には、炭化ケイ素や窒化ガリウム等のパワーデバイス素子を部材として使用することができる。
第1の部材及び第2の部材は同じ種類の部材であってもよいし、異なる種類の部材であってもよい。
塗布工程において塗布する接合用金属ペーストの量は特に限定されず、接合する部材の大きさ、種類等に応じて適宜調節することができる。本発明の接合用金属ペーストによれば、大面積の部材の接合も可能である。具体的には、接合面の面積が3mm×3mm以上、好ましくは5mm×5mm以上、更に好ましくは8mm×8mm以上(通常は20mm×20mm以下)である部材の接合を実施しても、高い接合強度を達成しつつ、接合部のボイドの発生を低減できる。
接合工程では、第1の部材に塗布された金属ペーストと第2の部材とを接触させ、焼成することにより、第1の部材と第2の部材とを接合することができる。本発明に係る接合方法では、接合工程を無加圧条件で行うこともできる。なお、「無加圧条件」とは、接合部に第1の部材又は第2の部材の自重以外の圧力をかけない状態で接合を実施するという意味である。無加圧条件で部材を接合することにより、接合体の製造コストを大幅に削減することができる。
接合工程における焼成条件は、適宜変更され得るが、例えば、大気圧下、N雰囲気、真空中、又は還元雰囲気で200〜300℃、220〜270℃等の条件を挙げることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
<銀ナノ粒子の調製>
5Lの反応槽に水3400gを入れ、この反応槽の下部に設けたノズルから3000mL/分の流量で窒素を反応槽内の水中に600秒間流して溶存酸素を除去した後、反応槽の上部から3000mL/分の流量で窒素を反応槽中に供給して反応槽内を窒素雰囲気にするとともに、反応槽内に設けた撹拌羽根付き撹拌棒により撹拌しながら、反応槽内の水の温度が60℃になるように調整した。この反応槽内の水に28重量%のアンモニアを含むアンモニア水7gを添加した後、1分間撹拌して均一な溶液にした。この反応槽内の溶液に有機化合物として飽和脂肪酸であるヘキサン酸(和光純薬工業株式会社製)45.5g(銀に対するモル比は1.98)を添加して4分間撹拌して溶解した後、還元剤として50重量%のヒドラジン水和物(大塚化学株式会社製)23.9g(銀に対して4.82当量)を添加して、還元剤溶液とした。
また、硝酸銀の結晶(和光純薬工業株式会社製)33.8gを水180gに溶解した硝酸銀水溶液を銀塩水溶液として用意し、この銀塩水溶液の温度が60℃になるように調整し、この銀塩水溶液に硝酸銅三水和物(和光純薬工業株式会社製)0.00008g(銀に対して銅換算で1ppm)を添加した。なお、硝酸銅三水和物の添加は、ある程度高濃度の硝酸銅三水和物の水溶液を希釈した水溶液を狙いの銅の添加量になるように添加することによって行った。
次に、上記の銀塩水溶液を上記の還元剤溶液に一挙に添加して混合して、攪拌しながら還元反応を開始させた。この還元反応の開始から約10秒で反応液であるスラリーの色の変化が終了し、攪拌しながら10分間熟成させた後、攪拌を終了し、吸引濾過による固液分離を行い、得られた固形物を純水で洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して、(ヘキサン酸で被覆された)銀ナノ粒子の乾燥粉末を得た。なお、この銀ナノ粒子中の銀の割合は、加熱によりヘキサン酸を除去した後の重量から、97重量%であることが算出された。また、この銀ナノ粒子の平均一次粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)により求めたところ、17nmであった。
<銀粒子の準備>
銀粒子として、D50粒子径が1.5μmの銀粒子であるAG−3−60(DOWAハイテック社製造、DOWAエレクトロニクス社販売)、及びD50粒子径が0.8μmの銀粒子であるAG−2−1C(DOWAハイテック社製造、DOWAエレクトロニクス社販売)を用意した。
<銀ペーストの調製>
後記表1に記載の金属成分及び分散溶媒、並びにその他の成分を表1に記載の配合割合(重量%)で混練して、実施例1及び2並びに比較例1の銀ペーストを調製した。
<評価用接合体の作製>
上記で調製した実施例及び比較例の各銀ペーストを10mm×10mm(厚さ1mm)の銅基板にメタルマスク(開口部2.5mm×2.5mm、厚さ70μm)で塗布した。銅基板上に塗布された各銀ペースト上に2mm×2mm(厚さ0.3mm)のSi素子を搭載して、塗膜の厚さを30μmとした。これを室温から250℃まで3℃/分で昇温させ、250℃で60分間、N雰囲気で無加圧で焼成して銀接合層を形成し、試験片(接合体)を得た。
<シア強度評価>
SERIES4000(DAGE社製)を用い、図1に示すようにして、上記で得られた試験片のシア強度を測定した。具体的には、試験片は、銅基板3と、その上に形成された銀接合層2と、その上に形成され銀接合層2により銅基板3と接合しているSi素子1とからなる。このSi素子1の側面から、シアツール4で5mm/minに設定して銅基板3の水平方向に力をかけ、破断したときの力をSi素子の底面の面積で割って、試験片のシア強度を求めた。
なお、銅基板3から高さ50μmの位置に、シアツール4の下端が当たるようにして上記試験を行った。
<ボイド評価>
各試験片のSi素子−銀接合層−銅基板の接合部を、マイクロフォーカスX線透視装置(SMX−16LT、島津製作所製)で、撮影した。得られた画像を画像処理ソフト(商品名:ペイントショップ)で2値化した後、ボイド率を決定した。黒い部位はボイドなしと判断し、白い部位はボイドありと判断した。画像処理後の接合部の写真を図2(比較例1)、3(実施例1)及び4(実施例2)に示す。
Si素子の接合面の面積を100%とすると、実施例1及び2の銀ペーストを用いた場合の接合面積率は100%であり(すなわちボイド率は0%)、比較例1の銀ペーストを用いた場合の接合面積率は94.7%(すなわちボイド率は5.3%)であった。
以上の結果を下記表1にまとめる。
1 Si素子
2 銀接合層
3 銅基板
4 シアツール

Claims (4)

  1. 透過型電子顕微鏡写真で計測される平均一次粒子径が10〜40nmであるナノ粒子と
    レーザー回折型粒度分布計で計測される体積基準の累積50%粒子径(D50粒子径)が1.0〜2.5μmの粒子と、
    分散剤と、
    分散溶媒と、
    を含み、
    接合用金属ペーストに含有される金属粒子は前記銀ナノ粒子と前記銀粒子からなり、
    前記銀ナノ粒子の含有量が接合用金属ペーストの重量の5〜20重量%であり、
    前記銀粒子の含有量が接合用金属ペーストの重量の65〜85重量%であり、
    前記分散剤の含有量が接合用金属ペーストの重量の0.1〜0.4重量%である、接合用金属ペースト。
  2. 前記銀ナノ粒子と前記銀粒子からなる金属粒子の含有量が接合用金属ペースト重量の90重量%以上である、請求項に記載の接合用金属ペースト。
  3. 請求項1又は2に記載の接合用金属ペーストを少なくとも第1の部材に塗布する塗布工程;及び
    前記第1の部材と第2の部材とを接触させ、焼成することにより接合する接合工程を含む、接合方法。
  4. 前記接合工程は接合部に前記第1の部材又は第2の部材の自重以外の圧力をかけない状態で行う、請求項に記載の接合方法。
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