JPH04214774A - 導電性ペースト及び導電性塗膜 - Google Patents

導電性ペースト及び導電性塗膜

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JPH04214774A
JPH04214774A JP2341075A JP34107590A JPH04214774A JP H04214774 A JPH04214774 A JP H04214774A JP 2341075 A JP2341075 A JP 2341075A JP 34107590 A JP34107590 A JP 34107590A JP H04214774 A JPH04214774 A JP H04214774A
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JP
Japan
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powder
conductive
acid
conductive paste
weight
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JP2341075A
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English (en)
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Masanori Iwasaki
正規 岩崎
Yuzo Yamamoto
裕三 山本
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は長期間にわたって耐湿信頼性を維持したままで
良好な導電性を有する導電性ペースト、及び導電性塗膜
に関する。より詳しくは、紙・フェノール樹脂基板やガ
ラス・エポキシ樹脂基板などの回路基板上に、スクリー
ン印刷等で塗布後加熱硬化することにより、優れた耐湿
信頼性を維持したままで、長期間にわたって良好な導電
性を有するものであり、回路基板の電磁波ノイズ対策用
もしくは回路基板の配線用の導体に適した導電性ペース
ト、及び導電性塗膜に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に導電性ペーストは、エポキシ樹脂、飽和ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等の有機バイ
ンダー(以下バインダーと略す)と導電性粉末及び溶剤
とから基本的に構成されている。
この導電性ペーストは、従来から回路基板用の導体とし
て用いられている。また最近では、プリント回路基板の
電磁波シールド材料として導電性ペーストを使用する試
みも始まっている。即ち、この応用は基板上にアースパ
ターンを含む回路パターンを有する導電層を形成してな
る印刷配線基板において、前記基板の導電層が設けられ
た面のアースパターンの部分を除いて基板上に導電層を
覆うように絶縁層が印刷され、前記基板の絶縁層を覆い
アースパターンに接続するように導電性ペーストを印刷
することにより、電磁波シールド層を形成させ、電磁波
ノイズ対策用回路基板の導体として使用するものである
(特開昭63−15497号や実開昭55−29276
号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
導電性ペーストの中でも特に導電性銅ペーストは高価な
導電性銀ペーストに替わる導体として注目されている。
しかしながら、この導電性銅ペーストは銅が銀よりも本
質的に酸化されやすく、酸化により電気絶縁性の酸化皮
膜を形成するという欠点を有しているため、導電性銀ペ
ーストに比べて安価である反面、ペースト状態もしくは
加熱硬化膜状態での長期間にわたる導電性の維持という
点に実用上の大きな問題点を残していた。
この欠点に対してこれまでに各種の酸化防止剤、還元剤
、金属キレート剤等の添加剤を添加することが行なわれ
ている。例えば、導電性銅ペーストに対しアントラセン
誘導体や有機チタン化合物を加えることが提案されてい
るが、十分な導電性と導電性の長期安定性は未だ得られ
ていない。
また、金属キレート形成剤としてモノエタノールアミン
、ジエタノールアミン等を添加して酸化を防止し、導電
性を維持する提案(特開昭62−230869号、特開
昭62−252482号)、アセチルアセトン等の金属
キレート化合物を添加して導電性を向上させようとする
提案(特開平2−66802号)がなされているが、こ
の場合、導電性の維持、向上の効果は得られるとしても
反面、金属銅などの基材表面との密着性が低下するとい
う問題がある。
一方、導電性の向上、半田ぬれ性の向上を目的として、
導電性粉末の粒径に着目した試みとして粒径5〜15μ
mのデントライトCu粉と粒径1〜4μmの粒状Cu粉
を混合することにより、Cu粉配合量の増大を可能とし
、半田ぬれ性の改良と高導電性の達成を図る提案がなさ
れている(特開昭63−81706号)。
しかしながら、導電性粉末として前記のような粒径1〜
4μmの小粒径のCu粉を配合した場合、導電性は向上
するものの、小粒径であるが故に表面活性が高く耐湿信
頼性が低下することが問題点として指摘されている。
また、小粒径の配合量が多すぎると逆に導電性の低下を
きたす等、小粒径のCu粉等を配合するにあたっては、
種々の問題点が残されているが、これらの問題点が解消
された導電性ペーストは未だ知られていないのが実情で
ある。
しかし、当業界では小粒径Cu粉等の配合により導電性
の維持、向上を図ると同時に、耐湿信頼性をも有する導
電性ペースト、換言すれば、優れた耐湿信頼性を維持し
たままで導電性の向上を期待できる導電性ペーストの開
発が期待されている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はかかる現状に鑑みて、小粒径Cu粉等の配合に
よる導電性の維持、向上及び耐湿信頼性改善を鋭意検討
した結果、特定の粒子構成からなる導電性粉末を用い、
かつヒドロキシスチレン系共重合体及び/又はその誘導
体をバインダー成分として用いた場合、導電性の向上と
共に耐湿信頼性に優れた導電性ペーストを得ることが可
能で、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
即ち本発明の要旨は、導電性粉末、有機バインダー及び
溶剤を必須成分とする導電性ペーストにおいて、該導電
性粉末が次の粒子構成:(a)タップ密度が2.0〜6
.0g/cc、平均粒径が4〜15μm及び粒度分布が
1〜40μmの樹枝状又は球状の導電性粉末、 (b)タップ密度が1.0〜6.0g/cc、平均粒径
が0.1〜5μm及び粒度分布が0.05〜20μmで
あって、球状、樹枝状、多面体状およびフレーク状から
なる群より選ばれた少なくとも1種の導電性粉末、 からなり、該有機バインダーが重量平均分子量1,00
0〜200万のヒドロキシスチレン系共重合体及び/又
はその誘導体を含有することを特徴とする導電性ペース
トに関するものである。
本発明に用いる導電性粉末としては、銅粉末、銀粉末、
半田粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末等の金属粉
末、及び表面に上記金属の被膜層を有する粉末が挙げら
れる。
本発明に用いる導電性粉末は、次の二種の粒子構成から
なる。
まず、大粒径のものとしてはタップ密度が通常2.0〜
6.0g/cc、好ましくは3.0〜5.0g/ccの
ものである。タップ密度が6.0g/ccより大きいと
技術的に用いるのが困難であり、2.0g/ccより小
さいと粉末配合量を高めることはできないので好ましく
ない。また平均粒径は、通常4〜15μm、好ましくは
4〜10μmであり、15μmをこえるとスクリーン印
刷性が不良となり、4μmより小さい粉は製造法からく
る制約上一般にコストアップにつながり、大量使用には
好ましくない。
また、粒度分布は通常1〜40μm、好ましくは2〜2
0μmであり、40μmをこえるとスクリーン印刷をす
る際にメッシュの目づまりを起こすので好ましくない。
また、このような大粒径は通常電解により生成した電解
銅粉である樹枝状粉、又は球状粉が用いられる。
なお、本明細書で言う平均粒径とは堀場製作所製“LA
−500型レーザー回折式粒度分布定装置”で求めた体
積基準によるメジアン径を指すものとする。
次に小粒径のものとしては、球状、多面体状、フレーク
状、樹枝状粉を分級したもののいずれでもよい。球状粉
は化学還元法、アトマイズ法などにより製造されたもの
であり、多面体状粉は例えば有機金属の気相分解によっ
て得られたものであり、フレーク状粉は電気銅をスタン
プミルで粉砕した片状の粉末であり、樹枝状粉は電解銅
粉を分級して得られたものである。これらの小粒径のタ
ップ密度は通常1.0〜6.0g/cc、好ましくは4
.0〜5.0g/ccであり、6.0g/ccをこえる
粉の製造は技術的に困難であり、1.0g/ccより小
さいと粉末配合量を高めることができない。
平均粒径は通常0.1〜5μm、好ましくは0.5〜2
μmであり、5μmをこえると小粒径を配合する効果は
得られず、0.1μmより小さいと耐湿信頼性が劣るの
で好ましくない。
粒度分布は通常0.05〜20μm、好ましくは0.0
5〜10μmであり、20μmをこえると平均粒径の場
合と同様に配合効果が得られず、0.05μmより小さ
いと耐湿信頼性が劣るので好ましくない。
本発明においては、これらの小粒径の粉末は球状粉、多
面体状粉、樹枝状粉、フレーク状粉をそれぞれ単独で用
いてもよく、混合して用いてもよい。上記金属粉末の純
度は高い方が好ましい。特に銅粉末については、回路基
板の導体に用いられている銅箔又はめっき銅層の純度と
一致するものが最も好ましい。
また、本発明のヒドロキシスチレン系共重合体及び/又
はその誘導体の作用効果は金属銅粉末を用いた場合によ
り顕著に発現されるので、本発明は導電性銅ペーストの
製造にとって特に重要である。
導電性粉末の配合量は、硬化塗膜状態において50〜9
5重量%の範囲で用いられ、好ましくは70〜90重量
%、更に好ましくは80〜88重量%である。
配合量が50重量%未満では十分な導電性が得られず、
逆に95重量%を超える時は導電性粉末が十分バインド
されず、得られる塗膜ももろくなり、塗膜の耐久性が低
下するとともにスクリーン印刷性も悪くなる。
導電性粉末のうち小粒径の配合量は、溶剤を除く全重量
に対し通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜1
0重量%である。20重量%をこえるとかえって導電性
が低下し、0.1重量%より少ないと小粒径を配合する
効果が劣るので好ましくない。
本発明によると、有機バインダー中に含有される有機高
分子に導入する置換基の種類及びその密度を調整するこ
とによって、金属表面に対する親和性、反応性を制御し
、導電性粉末の酸化安定性を高めるとともに、金属や絶
縁層との密着性を高めることができる。
本発明において有機バインダー中に含有される有機高分
子としては、例えば次の一般式(I):〔式中、m≧0
、n≧3で、それぞれ一般式(I)の有機高分子の重量
平均分子量が1,000〜200万になるまでの任意の
数、 ;0≦k≦2、 ;0≦p≦2、 ;0<u≦2、 (但し、k、p、uは重合体中の平均 値を示す。) ;R1〜R3はH又は炭素数1〜5のアルキル基、 ;Xは重合性のビニル系単量体、 ;Y、Zは同種又は異種であり、かつ 又は炭素数1〜18のアルキル基もしくはアリール基か
ら選ばれるものである(式中、;MはH、アルカリ金属
、アルカリ土類金属又はアミン類などの有機カチオン ;Y1、Y4はハロゲン ;Y2−、Y3−はハロゲンイオン、有機酸アニオン、
無機酸アニオンなどの対イオン;WはSまたはO ;R4〜R8は同種または異種であって直鎖または分岐
鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、またはH
、さらにR6とR7はN基とで環を形成していてもかま
わない。
;R9〜R16は同種または異種であって直鎖または分
岐鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、または
H ;q、s、tは0又は1 ;rは0、1又は2を示す)〕 で表されるヒドロキシスチレン系共重合体及びその誘導
体が挙げられる。
上記一般式(I)において、m、n、k、p、uはある
一定の範囲の任意の数(実数)である。
重合体を構成する単量体について考えるならば、k、p
は当然整数であり、構成単位のブロックごとに考えるな
らば、mは整数であり、そして分子ごとに考えるならば
、nは整数である。しかしながら重合体はその本質にお
いて、混合物であり、そして重合体の性質はその混合物
の性質としてとらえる方が、その個々の構成単位を問題
にするよりも適切である。従って、本発明において、m
、n、k、p、uは重合体中の平均値として表示される
ものである。
上記一般式(I)で表されるヒドロキシスチレン系共重
合体又はその誘導体は、一般式(I)においてYまたは
Zで表されるような置換基を有するかあるいは有しない
ところの、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシ−α−メチ
ルスチレン、あるいはヒドロキシ−α−エチルスチレン
等のヒドロキシスチレン系単量体同士のみの共重合体、
あるいはこれらのヒドロキシスチレン系単量体と他の重
合性のビニル系単量体(X)との共重合体であり得る。
重合単位のヒドロキシスチレン系単量体は、オルソ体、
メタ体、パラ体あるいはこれらの混合物であってもよい
が、パラ体あるいはメタ体が好ましい。
また共重合体である場合の他のビニル系単量体(X)と
しては、アニオン系、カチオン系等のイオン性単量体や
ノニオン性単量体、メタクリレート、ビニルエステル、
ビニルエーテル、マレート、フマレート、α−オレフィ
ンなどの公知の化合物を挙げることができる。
これらの化合物の具体例としては、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマー
ル酸、シトラコン酸、又はそれらの無水物及びそのモノ
アルキルエステルやカルボキシエチルビニルエーテル、
カルボキシプロピルビニルエーテル等の不飽和カルボン
酸単量体、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の
不飽和スルホン酸単量体、ビニルホスホン酸、ビニルホ
スフェート、アクリル酸エチルホスフェート、メタクリ
ル酸エチルホスフェート等の不飽和リン酸単量体、アク
リルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、マ
レイン酸イミド等のα,β−不飽和カルボン酸アミド、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸ブチル、パーフルオロアルキルエチルメタクリレ
ート、ステアリルメタクリレート、ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ア
ミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、メトキシメチルメタクリレート、ク
ロルメチルメタクリレート、ジクロルトリアジニルアミ
ノエチルメタクリレート、及びマレイン酸、フマル酸、
イタコン酸のジエステル等、α,β−不飽和カルボン酸
のエステル、メチロールアクリルアミド、メチロールメ
タクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミドなどの
不飽和カルボン酸の置換アミド類、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のα、β−不飽和カルボン酸のニ
トリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、クロル酢酸ビニルな
どの外、ジビニルベンゼン等のジビニル化合物、ビニリ
デン化合物、スチレンに代表される芳香族ビニル化合物
、ビニルピリジンやビニルピロリドンに代表される複素
環ビニル化合物、ビニルケトン化合物、ビニルエーテル
化合物、ビニルアミド化合物、エチレン、プロピレン等
のモノオレフィン化合物、ブタジエン、イソプレン、ク
ロプレン等の共役ジオレフィン化合物、アリルアルコー
ル、酢酸アリル等のアリル化合物、並びにグリシジルメ
タクリレート等で代表される単量体の群から選択される
1種以上の単量体が使用される。
これらの単量体のうち特に限定されるものではなく、い
ずれでも使用できるが具体的には、次のようなものが好
適に使用される。
本発明においては、前記のようにヒドロキシスチレン系
単量体同士のみの共重合でもよいが、他の重合性のビニ
ル系単量体(X)との共重合とする場合には、ヒドロキ
シスチレン系単量体/他のビニル系単量体(X)の割合
は、モル比で1/10〜20/1までが適当である。ビ
ニル系単量体(X)の割合がヒドロキシスチレン系単量
体より10倍量(モル比)を超えるとヒドロキシスチレ
ン系単量体の効果が発揮されないので好ましくなく、ビ
ニル系単量体(X)の割合が1/20未満では、共重合
させる効果が発揮されないので、あえてビニル系単量体
(X)と共重合させる必要はない。
従って、本発明においてはこのようなビニル系単量体(
X)の個数はm≧0である。
またヒドロキシスチレン系単量体の置換基については、
以下のようなものが挙げられる。
(イ) ここでMはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり
、例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba等が
適当である。スルホン基の導入は発煙硫酸または無水硫
酸などをスルホン化剤として用いる通常のスルホン化法
により達成できる。
(ロ) ここでR4〜R8は同種または異種であって直鎖または
分岐鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基または
H)さらにR6とR7はN基とで環を形成していてもか
まわない。また、Y2−は、ハロゲンイオン、有機酸ア
ニオン、無機酸アニオンなどの対イオンを示す。
ここで、直鎖または分岐鎖アルキル基としては、炭素数
1〜36のものが挙げられ、アルキル誘導体基としては
、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、ホスホア
ルキル基、メルカプトアルキル基等が挙げられ、芳香族
基としては炭素数1〜16の直鎖、分岐鎖アルキル基で
置換されたベンジル基等が挙げられる。好ましくは、直
鎖または分岐鎖アルキル基、ヒドロキシアルキル基、あ
るいは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換
された芳香族基が挙げられる。上記第3級アミノ基の導
入は、例えばジアルキルアミンとホルムアルデヒドとを
用いるマンニッヒ反応により容易に第4級アンモニウム
塩基の導入は、例えば上記第3級アミノ化物に対するハ
ロゲン化アルキルによるメンシュトキン反応により容易
に (ハ) ここでR4、R5は前記に同じであり、R9〜R12は
同種または異種であって、直鎖または分岐鎖アルキル基
、アルキル誘導体基、芳香族基、またはHを表わす。ま
た、WはSまたはOであり、qは0又は1、rは0、1
又は2を示す。ここで直鎖または分岐鎖アルキル基とし
ては炭素数1〜36のものが、アルキル誘導体基として
はヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、メルカプ
トアルキル基、ホスホアルキル基等が挙げられ、芳香族
基としては炭素数1〜16の直鎖または分岐鎖アルキル
基で置換されたフェニル基が挙げられる。好ましくは炭
素数18の直鎖又は分岐鎖アルキル基、ヒドロキノアル
キル基、あるいは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖アル
キル基で置換された芳香族基が挙げられる。式(ハ−1
)で表されるものは例えば特開昭53−71190号公
報に開示されているように、ヒドロキシスチレン系共重
合体をメチロール化した後にリン酸またはリン酸エステ
ル基導入体と反応させることによって得られる。式(ハ
−2)で表されるヒドロキシスチレン系共重合体は例え
ば特開昭53−47489号公報に開示されているよう
に、ヒドロキシスチレン系共重合体をまずハロゲン化ま
たはハロメチル化し、それに3価のリン化合物を反応(
アルブゾフ反応)させ、ついでそれを熱転位させること
によって得られる。
(ニ) ここでR4、R5は前記に同じであり、R13、R14
、R15は同種または異種であって、直鎖または分岐鎖
アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、またはHを
表わす。またSは0又は1を示す。また、Y2−はハロ
ゲンイオン、有機酸アニオン、無機酸アニオンなどの対
イオンを示す。
このホスホニウム基を含むヒドロキシスチレン系共重合
体の製造は例えば特開昭61−34444号公報に示さ
れているように、ハロゲン化水素とホルムアルデヒドと
を作用させて、ハロゲノメチル化(例えば−CH2Cl
化)を行ない、次いで3価の亜リン酸エステル類を作用
すれば容易に得られる。
(ホ) ここでY1、Y4はハロゲンを、R4、R5、R6は前
記に同じ。tは0又は1を示す。
(ヘ)その他に、炭素数1〜18のアルキル基もしくは
アリール基が挙げられる。
一般式(I)において、前記のヒドロキシスチレン系単
量体の置換基であるY、Zの個数は重合体中の平均値で
、0≦k≦2、0≦p≦2であり、また、OHの個数は
0<u≦2である。
本発明における有機バインダー成分として用いることの
できるヒドロキシスチレン系共重合体及び/又はその誘
導体はその重量平均分子量が1,000〜200万の範
囲に、好ましくは1,000〜100万の範囲である。
この理由は有機高分子の分子量が本発明の効果に影響を
与え、分子量が1,000未満の低分子体では導電性粉
末の酸化安定性が得られにくく、反面分子量が200万
を超えると良好な導電性が得られにくい。このようなも
のを得るには、一般式(I)で表される繰り返し単位は
、通常n≧3である。
アミノ基、リン酸基、スルホン基等の極性基(水酸基、
芳香環は含まない)は有機高分子の金属粉末との親和性
、反応性を高める点で特に重要であり、その好ましい極
性基密度の範囲は、分子量500単位当たり平均0.0
1〜5個の間にある。極性基密度が0.01未満だと金
属粉末との親和性が悪くて問題となり、5個を超えると
得られるペーストの耐食性が低下して問題となるからで
ある。導電性粉末の耐食性向上の点からはアミノ基系、
メチロール基及びリン系の極性基が好ましい。水酸基は
金属粉末の耐食性向上及び絶縁層との密着性向上にとっ
て重要であり、直接置換基としてついていた方が、また
その数が多い方が効果がよく発揮されるので好ましい。
上記の有機高分子の分子量、構成単位、極性基の種類と
密度、主鎖の種類等の因子は本発明の導電性ペーストの
バインダーにとって本質的役割を果たす重要な因子であ
る。
ヒドロキシスチレン系共重合体及びその誘導体のほとん
どは熱可塑性樹脂なので、熱硬化性樹脂を併用すること
が好ましい。熱硬化性樹脂を用いる場合の配合割合は目
的に応じて異なってくるが、導電性粉末100重量部に
対しヒドロキシスチレン系共重合体及び/又はその誘導
体が0.1〜60重量部、好ましくは1〜45重量部、
更に好ましくは5〜35重量部の範囲であり、かつ熱硬
化性樹脂とヒドロキシスチレン系共重合体及び/又はそ
の誘導体との和が5〜85重量部であることが好ましい
本発明に有効に用いられる熱硬化性樹脂は、フェノール
系樹脂、ユリア樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ケ
イ素樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の公知の熱硬化性樹脂を
用いることができる。
特にフェノール系樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂が好
ましい。
フェノール系樹脂としては、フェノール、クレゾール、
キシレノール、p−アルキルフェノール、クロルフェノ
ール、ビスフェノールA、フェノールスルホン酸、レゾ
ルシンなどのフェノール性水酸基を有するものにホルマ
リン、フルフラールなどのアルデヒド類を付加、縮合し
た樹脂を挙げることができる。特にレゾール型フェノー
ル系樹脂が好ましい。ノボラック型フェノール系樹脂を
用いる場合はヘキサメチレンテトラミンを併用すること
が好ましい。
アミノ樹脂としては、尿素、メラミン、グアナミン、ア
ニリン、スルホンアミドなどのアミノ基にホルマリンを
付加縮合した樹脂を挙げることができ、好ましくはアル
キルエーテル化したメラミン樹脂である。
アミノ樹脂の中ではアルキルエーテル化メラミン樹脂が
有効で、重量平均分子量が500以上5万以下の範囲で
かつアルキルエーテル化度が10%以上95%以下(1
00%でトリアジン環1ユニットに対し6個のアルキル
エーテル基が導入される)の範囲が好ましい。
上記のアミノ樹脂を用いる場合は硬化反応促進のため、
公知の酸触媒を介在させてもよい。酸性触媒としては、
塩酸、リン酸等の鉱酸の他、リノール酸、オレイン酸等
の有機脂肪酸、オレイン酸フェノール、リノール酸フェ
ノール等の1価又は多価フェノール付加物、シュウ酸、
酒石酸、パラトルエンスルホン酸またはそのアミン塩な
どの有機酸等、公知の酸が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール類のジエポキシ
ドが好ましく、例えばシェル化学社製エピコート827
、828、834、1001、1002、1004、1
007、1009、ダウケミカル社製 DER 330
、331、332、334、335、336、337、
660、661、662、667、668、669、チ
バガイギー社製アラルダイト GY 250、260、
280、6071、6084、6097、6099、J
ONES DABNEY社製 EPI−RE 2510
、5101、大日本インキ化学社製エピクロン810、
1000、1010、3010(いずれも商品名)や旭
電化社製EPシリーズがある。さらにエポキシ樹脂とし
て、平均エポキシ基数3以上の、例えばノボラック・エ
ポキシ樹脂も使用することができる。これらのノボラッ
ク・エポキシ樹脂としては、分子量500以上のものが
適している。このようなノボラック・エポキシ樹脂で工
業生産されているものとしては、例えば次のようなもの
がある。チバガイギー社製アラルダイト EPN 11
38、1139、ECN 1273、1280、129
9、ダウケミカル社製 DEN 431、438、シェ
ル化学社製エピコート152、154、ユニオンカーバ
イト社製 ERR−0100、ERRB−0447、E
RLB−0488、日本化薬社製 EOCN シリーズ
等がある。また、必要に応じてさらにエポキシ樹脂の硬
化触媒や希釈剤を使用することができる。
エポキシ樹脂の硬化触媒としては、ジエチレン・トリア
ミン、トリエチレン・テトラミン、テトラメチレン・ペ
ンタミンなどの脂肪族アミン、ベンジルジメチルアミン
、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスル
ホンなどの芳香族アミン、無水マレイン酸、無水フタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無
水物などの酸無水物、p−ジメチルアミノベンゾアルデ
ヒド、三フッ化ホウ素・ピペリジン錯体などを用いるこ
とができる。エポキシ樹脂の希釈剤としては、n−ブチ
ルグリシジルエーテル、オクチレンオキサイド、フェニ
ルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、アリルグ
リシジルエーテル、メタアクリルグリシジルなどの反応
性希釈剤、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート
、トリクレジルホスフェート、トリアセテート、キシレ
ン、ヒマシ油、パイン油などの非反応性希釈剤、アルキ
ル(ノニル)フェノール、ポリグリコール、ポリサルフ
ァイド、スチレンジアリルフタレート、ε−カプロラク
タム、ブチロラクトンなどの準反応性希釈剤を用いるこ
とができる。
本発明に用いられる前述の熱硬化性樹脂は単独あるいは
2種以上混合して使用してもよい。
本発明におけるバインダーの配合割合は、導電性粉末1
00重量部に対して5〜85重量部、好ましくは10〜
45重量部であり、5重量部未満の場合はバインダーの
絶対量が不足して、得られる組成物の流動性が悪くなり
、印刷性が低下すると共に加熱硬化時に導電性粉末が酸
化されやすくなり、導電性の低下をまねく。バインダー
の量が85重量部を超えるときは逆に導電性粉末の絶対
量が不足し、回路を形成するのに必要な導電性が得られ
ない。
本発明においては添加剤として金属キレート剤を用いる
ことができる。金属キレート剤は金属イオンを選択吸着
するものであり、金属イオンに配位してキレート化合物
を作るものであれば特に限定されるものではなく、金属
キレート剤として一般に使用されているものをそのまま
用いることができる。例えば各種のアミン類としてo−
アミノフェノールなどの環状アミン、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エ
チレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレン
テトラミンなどの脂肪族アミン、EDTA(エチレンジ
アミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、CDTA
(t−1,2−シクロヘキサンジアミン−N,N,N’
,N’−四酢酸水和物)、DTPA(ジエチレントリア
ミン五酢酸)などのポリアミノカルボン酸類、ジビニル
ベンゼン/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合
体のようなグリシジルメタクリレート共重合体、ポリビ
ニルアミンおよびビニルアミン/ビニルアルコール共重
合体等の誘導体、o−ニトロフェノール樹脂、高分子エ
ステルにヒドロキシルアミンを反応させて得られる高分
子ヒドロキサム酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、ト
リカルバリル酸、フミン酸、フミン酸アンモニウム、ニ
トロフミン酸などのカルボン酸、クエン酸、乳酸、酒石
酸、グリセリン酸、リンゴ酸、グルコン酸、トロパ酸、
ベンジル酸、マニデル酸、アトロラクチン酸、グリコー
ル酸、アスコルビン酸などのヒドロキシカルボン酸、サ
リチル酸、サリチルアミド、サリチルヒドロキシサム酸
、サリチルアルドキシム、サリチルヒドラジド、N、N
’−ビスサリチロイルヒドラジンなどのサリチル酸系化
合物、フェニルアラニン、チロシン、アントラニル酸、
トリプトファン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸、リジン、アルギニン等のアミノ酸、プロリン、
ヒドロキシプロリン等のイミノ酸、ニコチン酸等のピリ
ジンカルボン酸、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、ヒ
ドラゾベンゼン等のヒドラジン類、一塩酸ヒドラジン、
硫酸ヒドラジン等のヒドラジニウム塩、ラウリルメルカ
プタンなどが挙げられる。
本発明における金属キレート剤としては、前記のように
特に限定されるものではないが、好ましくは本発明の導
電性ペーストに用いる溶剤に溶けやすいものが用いられ
る。
金属キレート剤の添加量は通常0.01〜5重量%、好
ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1
〜1重量%である。添加量が0.01重量%未満である
と添加効果が充分でなく、5重量%を超えると密着性の
低下、耐マイグレーション性の低下をまねくので好まし
くない。
本発明の導電性ペーストには、導電性粉末の酸化防止又
は分散性付与のため、飽和・不飽和脂肪酸又はその金属
塩や高級脂肪族アミンの中から選ばれる1種又は2種以
上の添加剤を用いてもよい。
好ましい飽和脂肪酸としては、例えばパルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキン酸などが挙げられ、好ましい不飽
和脂肪酸としては、例えばオレイン酸、リノール酸など
が挙げられる。それらの金属塩としては、例えばナトリ
ウム塩、カリウム塩などが挙げられる。また、不飽和脂
肪酸を60%以上含有するような、例えば大豆油、ゴマ
油、オリーブ油、サフラワー油などの植物油を用いるこ
とも可能である。添加量は導電性粉末100重量部に対
して添加剤の総和が0.1〜20重量部、好ましくは0
.5〜10重量部である。0.1重量部未満の場合は添
加効果がほとんど現れず、20重量部を超える場合は添
加量に見合う分散性の向上が得られないばかりでなく、
逆に得られる塗膜の導電性やその耐久性が低下してしま
う。
また、本発明に用いられる高級脂肪族アミンはアミノ基
を有する有機化合物であれば何でも使用可能であり、他
の置換基をもっていてもよい。例えば、α−オレフィン
から導かれるヒドロキシル基をもったアミンであっても
よい。しかし、導電性粉末と共に用いることの必要性か
ら、例えば溶剤に溶けない固体のものなどは使用できな
い。好ましいものは炭素数8〜22の高級脂肪族アミン
である。
かかる高級アミンとしては、ステアリルアミン、パルミ
チルアミン、ペヘニルアミン、セチルアミン、オクチル
アミン、デシルアミン、ラウリルアミンのような飽和モ
ノアミン、オレイルアミンのような不飽和モノアミン、
ステアレルプロピレンジアミン、オレイルプロピレンジ
アミンのようなジアミン等が挙げられる。
本発明においては高級脂肪族アミンは、導電性粉末10
0重量部に対してその総和が0.1〜10重量部の割合
で用いられるのが好ましい。
本発明の導電性ペーストには、導電性粉末の酸化防止の
ため、必要に応じて公知の還元剤を1種又は2種以上用
いることができる。好ましい還元剤としては、例えば亜
リン酸、次亜リン酸などの無機系還元剤、及びヒドロキ
ノン、カテコール類、アスコルビン類、ヒドラジン化合
物、ホルマリン、水素化ホウ素化化合物、還元糖類など
の有機系無機系化合物など挙げられる。
本発明においては還元剤を用いる場合、導電性粉末10
0重量部に対して一般に0.1〜20重量部、好ましく
は0.5〜10重量部の割合で用いるのが好ましい。
本発明の導電性ペーストを製造するには、例えば、まず
ヒドロキシスチレン系共重合体及び/又はその誘導体を
溶剤に溶かし、次いで熱硬化性樹脂と導電性粉末とを加
え、これをディスパーやボールミルや三本ロール等によ
り十分均一に混練して導電性ペーストを調製する。
ここで用いることるできる溶剤としては、ベンゼン、ト
ルエン、ヘキサノン、ジオキサン、ソルベントナフサ、
工業用ガソリン、酢酸セロソルブ、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチ
ルカルビトールアセテート、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、イソプロ
ピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
系等の公知の溶剤が挙げられる。溶剤の配合量は混練機
の種類、混線条件及び溶剤の種類によって異なってくる
。混練終了後のペースト粘度がスクリーン印刷の行なえ
る範囲で溶剤量を調製することが好ましい。
本発明の導電性ペーストを用いて、回路基板上に電磁波
シールド層を設けた電磁波ノイズ対策用回路基板を作製
する方法は、例えば金属張積層板よりエッチドフォル法
によって形成させた導電回路上に加熱硬化型又は紫外線
硬化型の有機絶縁体をアースパターン部を除いて塗布し
て絶縁層を設け、絶縁体層上に本発明に係る導電性ペー
ストを用いて、スクリーン印刷によってアースパターン
に接続するように絶縁体層上のほぼ全面に導電性ペース
トを塗布し、これを加熱硬化させることにより、有効な
電磁波シールド層を有した電磁波ノイズ対策用回路基板
を作製することができる。この回路基板は静電シールド
層としても有効に活用することができる。
さらに本発明の導電性ペーストを回路基板の配線用の導
体として使用する方法は、従来と同様の方法が使用でき
る。塗布する絶縁基板は、ガラス・エポキシ樹脂基板、
紙、フェノール樹脂基板、セラミック基板、ポリカーボ
ネート樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート樹脂基板
、ポリイミド樹脂基板、ポリオレフィン樹脂基板、塩化
ビニル樹脂基板、ポリエステル樹脂基板、ABS樹脂基
板、ポリメチルメタクリレート樹脂基板、メラミン樹脂
基板、フェノール樹脂基板、エポキシ樹脂基板、ガラス
基板などいずれでもよい。配線形成方法はスクリーン印
刷、凹版印刷、スプレー又はハケ塗り等により塗布する
方法を用いることができる。
本発明において導電性塗膜とは、本発明の導電性ペース
トを乾燥硬化させて得られる1×10−2Ω・cm以下
の体積固有抵抗を有する硬化体もしくは硬化塗膜を意味
するものとする。
〔作用〕
本発明の導電性ペーストは以下の特徴的作用を有する。
1)バインダー成分として用いるヒドロキシスチレン系
共重合体及び/又はその誘導体が金属表面との親和性、
反応性に優れるため、加熱硬化時に導電性粒子の接触部
以外の表面に緻密な保護膜が形成され、金属粉末の防錆
性が増加する。つまり、長期間にわたる導電性の維持が
可能となる。
2)1)の理由により導電性粉末として小粒径のものを
配合した場合、耐湿信頼性を維持したままで導電性の維
持・向上が可能である。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明は係る実施例にのみ限定されるもの
ではない。実施例及び比較例において「部」とは「重量
部」を意味する。
ペースト調整・印刷 第1表に示す導電性粉末、第2表に示すヒドロキシスチ
レン系共重合体及び/又はその誘導体、第3表に示す熱
硬化性樹脂、第4表に示す添加剤を第5表に示す組成と
なるようにディスパーや三本ロールにより十分均一に混
練して導電性ペーストを調整する。得られた各導電性ペ
ーストを用いて180〜250メッシュのテトロン製ス
クリーンを装着したスクリーン印刷機によって、予め有
機絶縁層(太陽インキ製S−222、HR−6)が40
〜50μmの厚さに印刷・硬化されたガラス・エポキシ
樹脂基板上に幅2mm、全長36cm)のパターンを印
刷した。
次に140〜160℃で10〜30分間加熱硬化し、厚
さ20〜30μmのペースト硬化膜を得た。
上記の過程で得た導電回路について諸特性を調べた結果
を第5表に示す。
導電性の測定 塗膜の導電性とは、加熱硬化された塗膜の体積固有抵抗
をデジタルマルチメーター(アドバンテスト社製 R6
551)を用いて2端子法により測定した値である。
なお、体積固有抵抗の算出式を(1)式に示す。
R:電極間の抵抗値(Ω) t:塗膜の厚さ(cm) W:塗膜の幅(cm) L:電極間の距離(cm) 耐湿性試験 塗膜の耐湿性とは、60℃、95%相対湿度の環境下で
2000時間の放置試験を行ない、その前後での抵抗値
の変化率WRを(2)式により求めた。
R0:試験前の塗膜の抵抗値(Ω) R2000:2000時間試験後の抵抗値(Ω)WRの
値により塗膜の耐湿性を次の如く表示する。
A:WRが30%未満 B:WRが30%以上100%未満 C:WRが100%以上200%未満 D:WRが200%以上 比較例 第5表に示す組成の導電性ペーストを調製し、実施例と
同様に基板に導体を形成した後、塗膜の体積固有抵抗を
測定し、耐湿性を調べた。結果を第5表に併せて示す。
(以下余白) 第5表は本発明に係る導電性ペーストおよび、導電性塗
膜の各種特性を比較例とともに示したものである。
本発明No.1〜16の導電性ペーストはそれぞれ小粒
径銅粉の配合により高い導電性を達成し、かつPHS(
ポリヒドロキシスチレン)又はその誘導体の配合により
、酸化性の強い小粒径銅粉を含んでいながらも優れた耐
湿信頼性を有していることがわかる。
これらを含まない比較品No.17〜20のペーストは
導電性と耐湿信頼性のどちらかの物性が不足しているこ
とがわかる。
以上本発明品の導電性ペーストを用いれば耐湿信頼性と
優れた導電性を兼備した導電性ペーストの生産が可能で
あることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明の導電性ペーストは上記のように導電性粉末とし
て小粒粒のものを配合し、かつ特定の化学構造を有する
有機高分子、即ちヒドロキシスチレン系共重合体及び/
又はその誘導体をバインダー成分に用いたところに大き
な特徴を有している。
本発明によると、導電性粉末として小粒径のものを配合
することにより導電性の維持、向上を図ると共に、従来
小粒径の添加によってもたらされる耐湿信頼性の低下の
問題は、ヒドロキシスチレン系共重合体及び/又はその
誘導体に導入する置換基の種類及びその密度の調整によ
って解消される。
即ち、ヒドロキシスチレン系共重合体等の使用により金
属表面との親和性、反応性が制御され金属粉末の防錆性
が増加するため、耐湿信頼性に優れた導電性ペーストを
調製することが可能である。
従って、例えば本発明による導電性銅ペーストを用いれ
ば、従来の銅ペーストの大きな欠点とされていた導電性
や耐湿信頼性の大幅な改善を図ることが可能である。こ
の新規な銅ペーストを利用すれば、回路基板上に極めて
信頼性が高く、かつ効果の大きい電磁波シールド層を容
易にそして安定的に形成することができる。同様に、回
路基板の配線用の導体として用いた場合においても、信
頼性の高い配線を形成することが可能である。また、電
子機器部品、回路部品の電極などにも有効に使用できる
。これらの効果は産業上極めて大きいものである。
特許出願人 花王株式会社

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性粉末、有機バインダー及び溶剤を必
    須 成分とする導電性ペーストにおいて、該導電性粉末が次
    の粒子構成: (a)タップ密度が2.0〜6.0g/cc、平均粒径
    が4〜15μm及び粒度分布が1〜40μmの樹枝状又
    は球状の導電性粉末、 (b)タップ密度が1.0〜6.0g/cc、平均粒径
    が0.1〜5μm及び粒度分布が0.05〜20μmで
    あって、球状、樹枝状、多面体状およびフレーク状から
    なる群より選ばれた少なくとも1種の導電性粉末、 からなり、該有機バインダーが重量平均分子量1,00
    0〜200万のヒドロキシスチレン系共重合体及び/又
    はその誘導体を含有することを特徴とする導電性ペース
    ト。
  2. 【請求項2】ヒドロキシスチレン系共重合体及び/又は
    そ の誘導体が次の一般式(I)で表される有機高分子であ
    ることを特徴とする請求項(1)記載の導電性ペースト
    。 一般式(I): 〔式中、m≧0、n≧3で、それぞれ一般式(I)の有
    機高分子の重量平均分子量が1,000〜200万にな
    るまでの任意の数、 ;0≦k≦2、 ;0≦p≦2、 ;0<u≦2、 (但し、k、p、uは重合体中の平均 値を示す。) ;R1〜R3はH又は炭素数1〜5のアルキル基 ;Xは重合性のビニル系単量体、 ;Y、Zは同種又は異種であり、かつ 又は炭素数1〜18のアルキル基もしくはアリール基か
    ら選ばれるものである(式中、;MはH、アルカリ金属
    、アルカリ土類金属又はアミン類などの有機カチオン ;Y1、Y4はハロゲン ;Y2−、Y3−はハロゲンイオン、有機酸アニオン、
    無機酸アニオンなどの対イオン;WはSまたはO ;R4〜R8は同種または異種であって直鎖または分岐
    鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、またはH
    、さらにR6とR7はN基とで環を形成していてもかま
    わない。 ;R9〜R16は同種または異種であって直鎖または分
    岐鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、または
    H ;q、s、tは0又は1 ;rは0、1又は2を示す)〕
  3. 【請求項3】導電性粉末が銅粉末である請求項(1)記
    載の導 電性ペースト。
  4. 【請求項4】請求項(1)記載の(b)成分の導電性粉
    末が、溶剤 を除く全重量に対し0.1〜20重量%である請求項(
    1)、(2)又は(3)記載の導電性ペースト。
  5. 【請求項5】請求項(1) ̄(4)記載の導電性ペース
    トを基材上 に塗布または印刷後、硬化してなることを特徴とする導
    電性塗膜。
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