JPH04214778A - 電子線硬化型導電性ペースト及び導電性塗膜 - Google Patents

電子線硬化型導電性ペースト及び導電性塗膜

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JPH04214778A
JPH04214778A JP2341079A JP34107990A JPH04214778A JP H04214778 A JPH04214778 A JP H04214778A JP 2341079 A JP2341079 A JP 2341079A JP 34107990 A JP34107990 A JP 34107990A JP H04214778 A JPH04214778 A JP H04214778A
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JP
Japan
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electron beam
conductive paste
conductive
group
weight
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Application number
JP2341079A
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English (en)
Inventor
Yuzo Yamamoto
裕三 山本
Yasuhiro Yoneda
康洋 米田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Publication of JPH04214778A publication Critical patent/JPH04214778A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks
    • H05K1/095Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks for polymer thick films, i.e. having a permanent organic polymeric binder

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  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は長期間にわたって密着性を維持したままで良好
な導電性を有する電子線硬化可能な導電性ペースト、及
び導電性塗膜に関する。より詳しくは、紙・フェノール
樹脂基板やガラス・エポキシ樹脂基板などの回路基板上
に、スクリーン印刷等で塗布後加熱硬化することにより
、金属や絶縁層との優れた密着性を維持したままで、長
期間にわたって良好な導電性を有するものであり、回路
基板の電磁波ノイズ対策用もしくは回路基板の配線用の
導体に適した電子線硬化可能な導電性ペースト、及び導
電性塗膜に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に導電性ペーストは、エポキシ樹脂、飽和ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等の有機バイ
ンダー(以下バインダーと略す)と導電性粉末及び溶剤
とから基本的に構成されている。
この導電性ペーストは、従来から回路基板用の導体とし
て用いられている。また最近では、プリント回路基板の
電磁波シールド材料として導電性ペーストを使用する試
みも始まっている。即ち、この応用は基板上にアースパ
ターンを含む回路パターンを有する導電層を形成してな
る印刷配線基板において、前記基板の導電層が設けられ
た面のアースパターンの部分を除いて基板上に導電層を
覆うように絶縁層が印刷され、前記基板の絶縁層を覆い
アースパターンに接続するように導電性ペーストを印刷
することにより、電磁波シールド層を形成させ、電磁波
ノイズ対策用回路基板の導体として使用するものである
(特開昭63−15497号や実開昭55−29276
号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
導電性ペーストの中でも特に導電性銅ペーストは高価な
導電性銀ペーストに替わる導体として注目されている。
しかしながら、従来開発されてきている導電性銅ペース
トはバインダーとして熱硬化性樹脂を用いている。この
ため適用に際して、この導電性銅ペーストを基材に塗布
または印刷した後、高い温度で加熱硬化する必要がある
。このペーストを硬化させるため、■多大のエネルギー
、■加熱のための時間、■加熱装置設置のための大きな
床面積を必要とし不経済であるばかりでなく、次に示す
ような大きな制約があった。すなわち、特開昭61−3
1454公報に、銅微粉末と熱硬化性バインダーとフェ
ノール系化合物の組成物に関する技術が開示されている
が、初期の導電性は発現するものの、高温長時間の加熱
が必要であるため、合成樹脂系の基材に適用した場合、
加熱によって基材が変形し、プリント配線板において後
工程の部品搭載に支障をきたす。
それゆえに、紫外線、電子線などの活性エネルギー線の
照射により室温またはそれに近い温度で導電性ペースト
を硬化させる手法に期待が集っている。
しかしながら、紫外線による硬化は、紫外線に金属部分
の透過能力がないため、かかる高濃度金属含有塗膜に適
用することが難しい。一方、電子線による硬化は、硬化
性には問題がないものの、熱硬化性樹脂を用いる場合よ
りも、低温かつ短時間で架橋が進むために、フィラーを
導電性を充分に発揮するまでに配列させることが難しく
、初期導電性を得ることにおいて極めて大きな困難性を
有している。かつ電子線硬化反応は瞬時に硬化が進行す
るため塗膜中に内部応力が蓄積しやすく、このため基板
表面とくに銅箔表面との密着性確保が極めて難しいとい
う欠点を有していた。
例えば、特開昭57−187933、特開平2−182
715号公報には、それぞれ電子線硬化タイプの導電性
塗料による導電路形成方法、導電性組成物の例が示され
ている。これらのタイプは、金属粉として主に銀が使用
されており、特に使用に際して、導電路間のマイグレー
ションや導電性樹脂組成物の絶縁基板に対する接着性不
良や耐久性の悪さの問題があり、未だ実用に供されてい
ない。
また特開平2−272071号公報には電子線硬化可能
な導電性銅および/またはニッケルペーストが開示され
ているが、熱硬化型の銅ペーストに比べて導電性が約1
ケタ低く、実用上大きな問題を残していた。
本発明は、初期の導電性に優れ、基材とくに銅箔表面と
の密着性に優れた電子線硬化型導電性ペーストを提供す
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はかかる現状に鑑みて、導電性ペーストの初期導
電性の向上及び基板との密着性の改善を鋭意検討した結
果、電子線硬化性を有するポリヒドロキシスチレン誘導
体を電子線硬化性バインダーに用いるか、あるいは一般
の電子線硬化性有機化合物に電子線硬化性を有しないポ
リヒドロキシスチレン誘導体をバインダー成分として配
合すれば、金属表面及び有機絶縁層表面との親和性、反
応性、導電性粉末の分散性付与が可能で上記目的を達成
できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、 (1)導電性粉末および有機バインダーを必須成分とす
る導電性ペーストにおいて、該有機バインダーが電子線
硬化性を有するポリヒドロキシスチレン誘導体を含有す
ることを特徴とする導電性ペースト、 (2)(a)電子線硬化性を有する有機化合物;5〜5
0重量% (b)導電性粉末;50〜95重量% (c)電子線硬化性を有しないポリヒドロキシスチレン
および/またはその誘導体; 0.01〜25重量% を必須成分として含有することを特徴とする導電性ペー
スト、 (3)前記(1)及び(2)記載の導電性ペーストを基
材上に塗布または印刷後、硬化してなることを特徴とす
る導電性塗膜、 に関する。
本発明によると、バインダー成分に利用するポリヒドロ
キシスチレン誘導体に導入する置換基の種類及びその密
度を調整することによって、金属表面に対する親和性、
反応性を制御し、導電性粉末の分散性を高めるとともに
、金属や絶縁層との密着性を高めることができる。
本発明の導電性ペーストは電子線硬化性を有するポリヒ
ドロキシスチレン誘導体を電子線硬化性バインダーに用
いたもの、さらにそのような電子線硬化性を有するポリ
ヒドロキシスチレン誘導体を含めて電子線硬化性を有す
る有機化合物に電子線硬化性を有しないポリヒドロキシ
スチレン誘導体をもバインダー成分として配合する二つ
の態様に係るものである。即ち、本発明においては、有
機バインダー中に含有されるポリヒドロキシスチレン誘
導体は、電子線硬化性を有するもの、又は有しないもの
が用いられる。
電子線硬化性を有するポリヒドロキシスチレン誘導体は
、次の一般式(I)で表される化合物である。
〔式中、m≧0(但し、AがHの場合はm>0)、n≧
3で、それぞれ一般式(I)の有機高分子の重量平均分
子量が1,000〜200万になるまでの任意の数、 ;0≦k≦2、 ;0≦p≦2、 ;0<u≦2、 (但し、k、p、uは重合体中の平均 値を示す。) ;R1〜R3はH又は炭素数1〜5のアルキル基、 ;AはH(但し、この場合Xは電子線硬化性なビニル系
単量体である)、または電子線硬化性な飽和もしくは不
飽和の炭化水素、脂肪酸残基、またはエポキシ基を含有
する飽和もしくは不飽和の炭化水素、 ;Xは電子線硬化性のビニル系単量体を含む重合性のビ
ニル系単量体、 ;Y、Zは同種又は異種であり、かつ 又は炭素数1〜18のアルキル基もしくはアリール基か
ら選ばれるものである(式中、;MはH、アルカリ金属
、アルカリ土類金属又はアミン類などの有機カチオン ;Y1、Y4はハロゲン ;Y2−、Y3−はハロゲンイオン、有機酸アニオン、
無機酸アニオンなどの対イオン;WはSまたはO ;R4〜R8は同種または異種であって直鎖または分岐
鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、またはH
、さらにR6とR7はN基とで環を形成していてもかま
わない。
;R9〜R15は同種または異種であって直鎖または分
岐鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、または
H ;q、s、tは0又は1 ;rは0、1又は2を示す)〕 上記一般式(I)において、m、n、k、p、uはある
一定の範囲の任意の数(実数)である。
重合体を構成する単量体について考えるならば、k、p
は当然整数であり、構成単位のブロックごとに考えるな
らば、mは整数であり、そして分子ごとに考えるならば
、nは整数である。しかしながら重合体はその本質にお
いて、混合物であり、そして重合体の性質はその混合物
の性質としてとらえる方が、その個々の構成単位を問題
にするよりも適切である。従って、本発明において、m
、n、k、p、uは重合体中の平均値として表示される
ものである。
上記一般式(I)で表されるポリヒドロキシスチレンお
よび/または誘導体は、一般式(I)においてYまたは
Zで表されるような置換基を有するかあるいは有しない
ところの、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシ−α−メチ
ルスチレン、あるいはヒドロキシ−α−エチルスチレン
等のヒドロキシスチレン系単量体同士のみの共重合体、
あるいはこれらのヒドロキシスチレン系単量体と他の重
合性のビニル系単量体(X)との共重合体であり得る。
重合単位のヒドロキシスチレン系単量体は、オルソ体、
メタ体、パラ体あるいはこれらの混合物であってもよい
が、パラ体あるいはメタ体が好ましい。
上記一般式(I)において、Aで表わされる電子線硬化
性な飽和もしくは不飽和の炭化水素、脂肪酸残基または
エポキシ基を含有する飽和もしくは不飽和の炭化水素と
しては、以下のようなものが挙げられる。
(イ)−R−CH=CH2 ここでRは分岐もしくは直鎖の炭素数1〜22の飽和ま
たは不飽和炭化水素である。
ビニル基のポリヒドロキシスチレン誘導体への導入は、
相当するハロゲン化アルキルを用いるウィリアムソン反
応により行うことができる。
ここでBはOまたはS、Rは前記に同じである。
エポキシ基、またはチイラン基のポリヒドロキシスチレ
ン誘導体への導入は、相当するハロゲン化アルキルを用
いるウィリアムソン反応により行うことができる。
ここでR’は分岐もしくは直鎖の炭素数1〜22の飽和
または不飽和炭化水素である。
相当する脂肪酸残基のポリヒドロキシスチレン誘導体へ
の導入は、通常の塩基存在下、相当する酸塩化物または
酸無水物と反応させることにより得ることができる。
このようなAの具体例としては好ましくは次のようなも
のが挙げられる。
また、共重合体である場合の他のビニル系単量体(X)
としては、電子線硬化性(不飽和結合もしくはエポキシ
基)を有する重合性ビニル単量体、アニオン系、カチオ
ン系等のイオン性単量体やノニオン性単量体、メタクリ
レート、ビニルエステル、ビニルエーテル、マレート、
フマレート、α−オレフィンなどの公知の化合物を挙げ
ることができる。
但し、AがHの場合には、Xは電子線硬化性なビニル系
単量体である。
これらの化合物の具体例として、電子線硬化性の単量体
としては例えばアリルアクリレート、アリルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、アリルスチレン、ビニルフェニルグリシジルエー
テル、ビニルアクリレート、N−アリルアクリルアミド
、アリルグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンエ
ポキシドが挙げられる。
これらの単量体のうち特に限定されるものではなく、い
ずれでも使用できるが具体的には、次のようなものが好
適に使用される。
・アリルアクリレート ・グリシジルアクリレート ・ビニルフェニルグリシジルエーテル ・アリルスチレン またAがHでない場合には、Xは電子線硬化性を有しな
い単量体でもよく、そのような電子線硬化性でない単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、
又はそれらの無水物及びそのモノアルキルエステルやカ
ルボキシエチルビニルエーテル、カルボキシプロピルビ
ニルエーテル等の不飽和カルホン酸単量体、スチレンス
ルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸単量
体、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、アクリル
酸エチルホスフェート、メタクリル酸エチルホスフェー
ト等の不飽和リン酸単量体、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、マレイン酸アミド、マレイン酸イミド等のα
,β−不飽和カルボン酸アミド、アクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、パーフ
ルオロアルキルエチルメタクリレート、ステアリルメタ
クリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレ
ート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メ
トキシメチルメタクリレート、クロルメチルメタクリレ
ート、ジクロルトリアジニルアミノエチルメタクリレー
ト、及びマレイン酸、フマル酸、イタコン酸のジエステ
ル等、α,β−不飽和カルボン酸のエステル、メチロー
ルアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、メト
キシメチルアクリルアミドなどの不飽和カルボン酸の置
換アミド類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のα,β−不飽和カルボン酸のニトリル、酢酸ビニル、
塩化ビニル、クロル酢酸ビニルなどの外、ジビニルベン
ゼン等のジビニル化合物、ビニリデン化合物、スチレン
に代表される芳香族ビニル化合物、ビニルピリジンやビ
ニルピロリドンに代表される複素環ビニル化合物、ビニ
ルケトン化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルアミド
化合物、エチレン、プロピレン等のモノオレフィン化合
物、ブタジエン、イソプレン、クロプレン等の共役ジオ
レフィン化合物、並びにアリルアルコール、酢酸アリル
等のアリル化合物、等で代表される単量体の群から選択
される1種以上の単量体が使用される。
これらの単量体のうち特に限定されるものではなく、い
ずれでも使用できるが具体的には、次のようなものが好
適に使用される。
次に、本発明において用いられる電子線硬化性を有しな
いポリヒドロキシスチレン誘導体は、一般式(II)で
表されるものである。
一般式(II): 〔式中、R1、R2、R3、Y、Z、k、p、u、m、
nは前記に同じ。X’は重合性のビニル系重合体を示す
。〕 ここで、X’は重合性のビニル系重合体を示すものであ
り、そのようなビニル系重合体としては前記の電子線硬
化性を有しない単量体としてのXと同様のものが挙げら
れる。
本発明においては、電子線硬化性を有する/又は有しな
いポリヒドロキシスチレン誘導体は、前記のようにヒド
ロキシスチレン系単量体同士のみの共重合でもよいが、
他の重合性のビニル系単量体(X)又は(X’)との共
重合とする場合には、ヒドロキシスチレン系単量体/他
のビニル系単量体(X)又は(X’)の割合は、モル比
で1/10〜20/1までが適当である。
ビニル系単量体(X)又は(X’)の割合がヒドロキシ
スチレン系単量体より10倍量(モル比)を超えるとヒ
ドロキシスチレンの効果が発揮されないので好ましくな
く、ビニル系単量体(X)又は(X’)の割合が1/2
0未満では、共重合させる効果が発揮されないので、あ
えてビニル系単量体(X)又は(X’)と共重合させる
必要はない。
従って、本発明においてはこのようなビニル系単量体(
X)又は(X’)の個数はm≧0である(但し、AがH
の場合はm>0である)。
またヒドロキシスチレン系単量体の置換基については、
以下のようなものが挙げられる。
(イ) ここでMはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり
、例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba等が
適当である。スルホン基の導入は発煙硫酸または無水硫
酸などをスルホン化剤として用いる通常のスルホン化法
により達成できる。
(ロ) ここでR4〜R8は同種または異種であって直鎖または
分岐鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基または
H、さらにR6とR8はN基とで環を形成していてもか
まわない。また、Y2−は、ハロゲンイオン、有機酸ア
ニオン、無機酸アニオンなどの対イオンを示す。
ここで、直鎖または分岐鎖アルキル基としては、炭素数
1〜36のものが挙げられ、アルキル誘導体基としては
、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、ホスホア
ルキル基、メルカプトアルキル基等が挙げられ、芳香族
基としては炭素数1〜16の直鎖、分岐鎖アルキル基で
置換されたベンジル基等が挙げられる。好ましくは、直
鎖または分岐鎖アルキル基、ヒドロキシアルキル基、あ
るいは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換
された芳香族基が挙げられる。上記第3級アミノ基の導
入は、例えばジアルキルアミンとホルムアルデヒドとを
用いるマンニッヒ反応により容易に第4級アンモニウム
塩基の導入は、例えば上記第3級アミノ化物に対するハ
ロゲン化アルキルによるメンシュトキン反応により容易
に (ハ) ここでR4、R5は前記に同じであり、R■〜R12は
同種または異種であって、直鎖または分岐鎖アルキル基
、アルキル誘導体基、芳香族基、またはHを表わす。ま
た、WはSまたはOであり、qは0又は1、rは0、1
又は2を示す。ここで直鎖または分岐鎖アルキル基とし
ては炭素数1〜36のものが、アルキル誘導体基として
はヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、メルカプ
トアルキル基、ホスホアルキル基等が挙げられ、芳香族
基としては炭素数1〜16の直鎖または分岐鎖アルキル
基で置換されたフェニル基が挙げられる。好ましくは炭
素数18の直鎖又は分岐鎖アルキル基、ヒドロキシアル
キル基、あるいは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖アル
キル基で置換された芳香族基が挙げられる。式(ハ−1
)で表されるものは例えば特開昭53−71190号公
報に開示されているように、ヒドロキシスチレン系共重
合体をメチロール化した後にリン酸またはリン酸エステ
ル基導入体と反応させることによって得られる。式(ハ
−2)で表されるヒドロキシスチレン系共重合体は例え
ば特開昭53−47180号公報に開示されているよう
に、ヒドロキシスチレン系共重合体をまずハロゲン化ま
たはハロメチル化し、それに3価のリン化合物を反応(
アルブゾフ反応)させ、ついでそれを熱転位させること
によって得られる。
(ニ) ここでR4、R5は前記に同じであり、R13、R14
、R15は同種または異種であって、直鎖または分岐鎖
アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、またはHを
表わす。またSは0又は1を示す。また、Y3−はハロ
ゲンイオン、有機酸アニオン、無機酸アニオンなどの対
イオンを示す。
このホスホニウム基を含むヒドロキシスチレン系共重合
体の製造は例えば特開昭61−34444号公報に示さ
れているように、ハロゲン化水素とホルムアルデヒドと
を作用させて、ハロゲノメチル化(例えば−CH2Cl
化)を行ない、次いで3価の亜リン酸エステル類を作用
すれば容易に得られる。
(ホ) ここでY1、Y4はハロゲンを、R4、R5、R6は前
記に同じ。tは0又は1を示す。
(ヘ)その他に、炭素数1〜18のアルキル基もしくは
アリール基が挙げられる。
一般式(I)において、前記のヒドロキシスチレン系単
量体の置換基であるY、Zの個数は重合体中の平均値で
、0≦k≦2、0≦p≦2であり、また、OHの個数は
0<u≦2である。
本発明における有機バインダー成分として用いることの
できるポリヒドロキシスチレンおよび/またはポリヒド
ロキシスチレン系誘導体はその重量平均分子量が1,0
00〜200万の範囲に、好ましくは1,000〜10
0万の範囲である。この理由は有機高分子の分子量が本
発明の効果に影響を与え、分子量が1,000未満の低
分子体では密着性の向上効果が得られにくく、反面分子
量が200万を超えると良好な導電性が得られにくい。
このようなものを得るには、一般式(I)で表される繰
り返し単位は、通常n≧3である。
アミノ基、リン酸基、スルホン基等の極性基(水酸基、
芳香環は含まない)は有機高分子の金属粉末との親和性
、反応性を高める点で特に重要であり、その好ましい極
性基密度の範囲は、分子量500単位当たり平均0.0
1〜5個の間にある。極性基密度が0.01未満だと金
属粉末との親和性が悪くて問題となり、5個を超えると
得られるペーストの耐食性が低下して問題となるからで
ある。導電性粉末の耐食性向上の点からはアミノ基系、
メチロール基及びリン系の極性基が好ましい。水酸基は
金属粉末の耐食性向上及び絶縁層との密着性向上にとっ
て重要であり、直接置換基としてついていた方が、また
その数が多い方が効果がよく発揮されるので好ましい。
上記の有機高分子の分子量、構成単位、極性基の種類と
密度、主鎖の種類等の因子は本発明の導電性ペーストの
バインダーにとって本質的役割を果たす重要な因子であ
る。
本発明において、電子線硬化性を有する有機化合物とし
ては前記の一般式(I)で表されるポリヒドロキシスチ
レン誘導体が挙げられるが、その他の電子線硬化性を有
する化合物としては、二重結合を有する多官能アクリル
モノマーおよび/またはそのポリマー、エポキシ基含有
モノマーおよび/またはそのポリマーが挙げられる。例
えば、不飽和ポリエステル類、ポリエステルポリ(メタ
)アクリレート類、エポキシポリ(メタ)アクリレート
類、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート類、ポリオ
ールポリ(メタ)アクリレート類、ポリオールポリ(メ
タ)アクリレート類、ポリエーテルポリ(メタ)アクリ
レート類、ジビニル化合物、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシ
フェニル)プロパン、ペンタエリストリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリア
リルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルトリメート、トリアリルシトレート、ジアリルイ
ソフタレート、ジアリルオルソフタレート、ジアリルク
ロレンテートあるいは、ビスフェノール型エポキシレジ
ン等のエポキシ系樹脂など、あるいはこれらの混合物を
必要に応じて用いることができる。
本発明におけるバインダーの配合割合は、溶剤を除く、
全重量当たり5〜50重量%、好ましくは10〜40重
量%、さらに好ましくは12〜20重量%である。5重
量%未満の場合はバインダーの絶対量が不足して、得ら
れる組成物の流動性が悪くなり、印刷性が低下すると共
に、導電性の低下をまねく。
バインダーの量が50重量%を超えるときは逆に導電性
粉末の絶対量が不足し、回路を形成するのに必要な導電
性が得られない。
本発明において電子線硬化性を有する有機化合物の配合
量は、通常5〜50重量%であり、好ましくは10〜4
0重量%、さらに好ましくは12〜20重量%である。
この場合の導電性粉末は通常50〜95重量%が配合さ
れる。また、電子線硬化性を有しないポリヒドロキシス
チレンおよび/またはその誘導体の配合量は、溶剤を除
くペースト全重量に対して、0.01〜25重量%、好
ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.1
〜10重量%の範囲である。0.01重量%未満では配
合効果が得られにくく、25重量%を超えると、電子線
硬化性バインダーの硬化・収縮機能を阻害して、高い導
電性が得られにくくなるからである。
〔以下余白〕
本発明においては金属キレート剤を添加剤として用いて
もよい。金属キレート剤とは、金属イオンを選択吸着す
るものであり、金属イオンに配位してキレート化合物を
作るものであれば特に限定されるものではなく、金属キ
レート剤として一般に使用されているものをそのまま用
いることができる。例えば各種のアミン類としてo−ア
ミノフェノールなどの芳香族アミン、トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、などの脂肪族アミン、E
DTA(エチレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ
三酢酸)などのポリアミノカルボン酸類、ジビニルベン
ゼン/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合体の
ようなグリシジルメタクリレート共重合体、ポリビニル
アミンおよびビニルアミン/ビニルアルコール共重合体
等の誘導体、o−ニトロフェノール樹脂、高分子エステ
ルにヒドロキシルアミンを反応させて得られる高分子ヒ
ドロキサム酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、フミン
酸アンモニウムなどのカルボン酸、クエン酸、グルコン
酸、アスコルビン酸などのヒドロキシカルボン酸、サリ
チル酸、サリチルヒドロキシサム酸、N,N’−ビスサ
リチロイルヒドラジンなどのサリチル酸系化合物、アン
トラニル酸、トリプトファン、グルタミン酸、アルギニ
ン等のアミノ酸、プロリン、ヒドロキシプロリン等のイ
ミノ酸、ニコチン酸等のピリジンカルボン酸、ヒドラジ
ン、フェニルヒドラジン等のヒドラジン類、一塩酸ヒド
ラジン、硫酸ヒドラジン等のヒドラジニウム塩、ラウリ
ルメルカプタンなどが挙げられる。
本発明における金属キレート剤としては、前記のように
特に限定されるものではないが、好ましくは本発明の導
電性ペーストに用いる溶剤に溶けやすいものが用いられ
る。
金属キレート剤の添加量は通常0.01〜5重量%、好
ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1
〜1重量%である。添加量が0.01重量%未満である
と添加効果が充分でなく、5重量%を超えると密着性の
低下、耐マイグレーション性の低下をまねくので好まし
くない。
本発明の導電性ペーストには、導電性粉末の酸化防止又
は分散性付与のため、飽和・不飽和脂肪酸又はその金属
塩や高級脂肪族アミンの中から選ばれる1種又は2種以
上の添加剤を用いてもよい。
好ましい飽和脂肪酸としては、例えばパルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキン酸などが挙げられ、好ましい不飽
和脂肪酸としては、例えばオレイン酸、リノール酸など
が挙げられる。それらの金属塩としては、例えばナトリ
ウム塩、カリウム塩などが挙げられる。また、不飽和脂
肪酸を60%以上含有するような、例えば大豆油、ゴマ
油、オリーブ油、サフラワー油などの植物油を用いるこ
とも可能である。添加量は導電性粉末100重量部に対
して添加剤の総和が0.1〜20重量部、好ましくは0
.5〜10重量部である。0.1重量部未満の場合は添
加効果がほとんど現れず、20重量部を超える場合は添
加量に見合う分散性の向上が得られないばかりでなく、
逆に得られる塗膜の導電性やその耐久性が低下してしま
う。
また、本発明に用いられる高級脂肪族アミンはアミノ基
を有する有機化合物であれば何でも使用可能であり、他
の置換基をもっていてもよい。例えば、α−オレフィン
から導かれるヒドロキシル基をもったアミンであっても
よい。しかし、導電性粉末と共に用いることの必要性か
ら、例えば溶剤に溶けない固体のものなどは使用できな
い。好ましいものは炭素数8〜22の高級脂肪族アミン
である。
かかる高級アミンとしては、ステアリルアミン、パルミ
チルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミンのような
飽和モノアミン、オレイルアミンのような不飽和モノア
ミン、ステアレルプロピレンジアミン、オレイルプロピ
レンジアミンのようなジアミン等が挙げられる。
本発明においては高級脂肪族アミンは、導電性粉末10
0重量部に対してその総和が0.1〜10重量部の割合
で用いられるのが好ましい。
本発明の導電性ペーストには、導電性粉末の酸化防止の
ため、必要に応じて公知の還元剤を1種又は2種以上用
いることができる。好ましい還元剤としては、例えば亜
リン酸、次亜リン酸などの無機系還元剤、及びヒドロキ
ノン、カテコール類、アスコルビン類、ヒドラジン化合
物、ホルマリン、水素化ホウ素化化合物、還元糖類など
の有機系無機系化合物など挙げられる。
本発明においては還元剤を用いる場合、導電性粉末10
0重量部に対して一般に0.1〜20重量部、好ましく
は0.5〜10重量部の割合で用いるのが好ましい。
本発明に用いる導電性粉末としては、銅粉末、銀粉末、
半田粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末等の金属粉
末、及び表面に上記金属の被膜層を有する粉末が挙げら
れる。その形態は樹枝状、フレーク状、球状、不定型の
いずれの形態であっても良いが、平均粒子径は100μ
m以下であることが好ましく、1〜30μm程度がより
好ましい。
30μmを超えると導電性粉末の高密度充填が難しくな
り、導電性が低下するとともに、印刷性が悪くなるから
である。上記導電性粉末の使用形態としては単独又は混
合系で使用できる。上記金属粉末の純度は高い方が好ま
しい。特に銅粉末については、回路基板の導体に用いら
れている銅箔又はめっき銅層の純度と一致するものが最
も好ましい。
また、本発明におけるポリヒドロキシスチレンおよび/
またはポリヒドロキシスチレン系誘導体の作用効果は金
属銅粉末を用いた場合により顕著に発現されるので、本
発明は導電性銅ペーストの製造にとって特に重要である
導電性粉末の配合量は、硬化塗膜状態において50〜9
5重量%の範囲で用いられ、好ましくは60〜90重量
%、更に好ましくは80〜88重量%である。
配合量が50重量%未満では十分な導電性が得られず、
逆に95重量%を超える時は導電性粉末が十分バイント
されず、得られる塗膜ももろくなり、塗膜の耐久性が低
下するとともにスクリーン印刷性も悪くなる。
本発明の導電性ペーストを製造するには、例えば、ポリ
ビニルフェノール誘導体などの電子線硬化性バインダー
を作業性を調整するため必要に応じて溶剤に溶かし、次
いで導電性粉末を加え、これをディスパーやボールミル
や三本ロール等により十分均一に混練して導電性ペース
トを調製する。
ここで用いることるできる溶剤としては、酢酸セロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビ
トールアセテート、イソプロピルアルコール、ブタノー
ルなどのアルコール系、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン系等の公知の溶剤が挙げら
れる。
溶剤の配合量は混練機の種類、混線条件及び溶剤の種類
によって異なってくる。混練終了後のペースト粘度がス
クリーン印刷の行なえる範囲で溶剤量を調製することが
好ましい。
また、電子線硬化タイプの化合物の減粘剤として、(メ
タ)アクリロイル基やビニル基を有するモノマー類を使
用できる。その類としては、スチレン、ジビニルベンゼ
ンなどの芳香族モノマー、メチル(メタ)アクリレート
、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(
メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジエポキシ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジエポキシ(メタ)アクリレートなど
のアクリレート類、アクリロニトリル及びその変性物な
どを挙げることができる。
本発明の導電性ペーストは基材に印刷、塗装し、必要に
応じて常温で、あるいは低温短時間の加熱により、揮発
性溶剤を除去した後、空気中または不活性ガス雰囲気中
で電子線を照射することによって硬化される。電子線照
射の条件としては、加速電圧150〜300kv、吸収
線量3〜30Mradの範囲にあることが望ましい。
本発明の導電性ペーストは電子線照射による硬化後、そ
のまま実用に供することが可能であるが、必要に応じて
、短時間の加熱エージング処理を行なうことや、保護の
ための塗料などによって被覆することも可能である。
本発明の導電性ペーストを用いて、回路基板上に電磁波
シールド層を設けた電磁波ノイズ対策用回路基板を作製
する方法は、例えば金属張積層板よりエッチドフォル法
によって形成させた導電回路上に加熱硬化型又は紫外線
硬化型の有機絶縁体をアースパターン部を除いて塗布し
て絶縁層を設け、絶縁体層上に本発明に係る導電性ペー
ストを用いて、スクリーン印刷によってアースパターン
に接続するように絶縁体層上のほぼ全面に導電性ペース
トを塗布し、これを電子線硬化させることにより、有効
な電磁波シールド層を有した電磁波ノイズ対策用回路基
板を作製することができる。
この回路基板は静電シールド層としても有効に活用する
ことができる。
さらに本発明の導電性ペーストを回路基板の配線用の導
体として使用する方法は、従来と同様の方法が使用でき
る。塗布する絶縁基板は、ガラス・エポキシ樹脂基板、
紙、フェノール樹脂基板等公知の基板が使用できる。配
線形成方法はスクリーン印刷、凹版印刷、スプレー又は
ハケ塗り等により塗布する方法を用いることができる。
本発明において導電性塗膜とは、本発明の導電性ペース
トを乾燥硬化させて得られる1×10−2Ω・cm以下
の体積固有抵抗を有する硬化体もしくは硬化塗膜を意味
するものとする。
〔作用〕
本発明の電子線硬化性導電性ペーストは以下の特徴的作
用を有する。
1)バインダー成分としてポリヒドロキシスチレンおよ
び/またはポリヒドロキシスチレン系誘導体を用いるこ
とによりバインダーと金属表面との親和性、反応性か優
れるため、金属表面との密着性が向上する。また、上記
の同じ理由により導電性粉末の分散性が良くなり初期導
電性が向上する。
2)1)の理由により回路基板上に塗布した場合、アー
スパターン部の銅箔に対する密着力が向上する。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明は係る実施例にのみ限定されるもの
ではない。実施例及び比較例において「部」とは「重量
部」を意味する。
ペースト調製・印刷 第1表に示す導電性粉末、第2表に示す電子線硬化可能
なヒドロキシスチレン系誘導体、及びその他の化合物、
第3表に示す電子線非硬化型のヒドロキシスチレン系誘
導体、第4表に示す添加剤を第5表に示す組成となるよ
うにディスパーや三本ロールにより十分均一に混練して
導電性ペーストを調製する。得られた各導電性ペースト
を用いて180〜250メッシュのテトロン製スクリー
ンを装着したスクリーン印刷機によって、予め有機絶縁
層(太陽インキ社製 MF100S、TS−17(紫外
線硬化型)が40〜50μmの厚さに印刷・硬化された
ガラス.エポキシ樹脂基板(CEM−3)上に幅2mm
、全長36cmのパターンを印刷した。170℃×1分
間遠赤外線乾燥機で乾燥後、電子線照射装置(日新ハイ
ボルテージ300KV低エネルギー加速装置)を用い、
N2ガス雰囲気下で加速電圧250KV、吸収線量10
Mradの条件下で電子線を照射し、硬化塗膜とした。
上記の過程で得た導電回路について諸特性を調べた結果
を第5表に示す。
導電性の測定 塗膜の導電性とは、電子線硬化された塗膜の体積固有抵
抗をデジタルマルチメーター(アドバンテスト社製 R
6551)を用いて2端子法により測定した値である。
なお、体積固有抵抗の算出式を(1)式に示す。
R:電極間の抵抗値(Ω) t:塗膜の厚さ(cm) W:塗膜の幅(cm) L:電極間の距離(cm) 初期密着性試験 銅泊及び有機絶縁層(太陽インキ社製 MF−100S
、TS−17)上に本発明の導電性ペーストを20〜3
0μmの厚さにスクリーン印刷し、硬化後、JIS K
 5400(1979)の碁盤目試験方法に準じて、塗
膜上に互いに直交する縦横11本ずつの平行線を1mm
の間隔で引いて、1cm2中に100個のます目ができ
るように碁盤目状の切り傷を付け、その上からセロハン
テープで塗膜を引き剥がした時に銅泊や有機絶縁層上に
残る塗膜の碁盤目個数を求めた。判定基準は次の通りで
ある。
A:100/100 B:90/100以上〜100/100未満C:50/
100以上〜90/100未満D:0/100以上〜1
0/100未満加湿およびはんだ試験後の密着性 60℃、95%相対湿度の環境下で100時間の放置試
験を行った後、有機酸系のフラックスをはけで塗布し、
次いで260℃の溶融はんだ槽に10秒間浸漬を行った
。テスト基板を室温に戻した後、前記の方法で密着性試
験を行った。判定基準も上記と同じである。
比較例 第5表に示す組成の電子線硬化性の導電性ペーストを調
製し、実施例と同様に基板に導体を形成した後、塗膜の
体積固有抵抗を測定し、初期密着性、加湿およびはんだ
試験後の密着性を調べた。
結果を第5表に併せて示す。
〔以下余白〕
第5表は、本発明に係る電子線硬化型導電性ペーストお
よび導電性塗膜の各種特性を比較例として示したもので
ある。
本発明品No.1〜24の導電性ペーストはそれぞれ優
れた導電性と密着性とを示している。
本発明のポリヒドロキシスチレン誘導体を含まない導電
性ペースト(比較例No.27〜30)は、とくに密着
力の不足が顕著であることがわかる。
以上本発明の導電性ペーストを用いれば電子線硬化特有
の密着性の低下が抑制でき、かつ優れた導電性をもった
ペーストの生産が可能である。これにより、電子線硬化
型ペーストの経済性を十分に生かすことが可能となった
〔発明の効果〕
本発明の電子線硬化型導電性ペーストはポリヒドロキシ
スチレン誘導体をバインダーに用いたところに大きな特
徴を有している。本発明によると、ポリヒドロキシスチ
レン誘導体を用いることにより金属表面との親和性、反
応性を制御して銅箔表面や絶縁層との密着性を大幅に改
善することが可能である。また同じ理由で導電性粉末の
分散性が改良され、優れた初期導電性の発現が可能であ
る。
従って、例えば本発明による導電性銅ペーストを用いれ
ば、従来の銅ペーストの大きな欠点とされていた基材と
の密着性の大幅な改善を図ることが可能である。この新
規な電子線硬化型銅ペーストを利用すれば、回路基板上
に極めて信頼性が高く、かつ効果の大きい電磁波シール
ド層を容易にそしてきわめて経済的に形成することがで
きる。
同様に、回路基板の配線用の導体として用いた場合にお
いても、信頼性の高い配線を形成することが可能である
。また、電子機器部品、回路部品の電極などにも有効に
使用できる。これらの効果は産業上極めて大きいもので
ある。
特許出願人 花王株式会社

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性粉末および有機バインダーを必須成
    分 とする導電性ペーストにおいて、該有機バインダーが電
    子線硬化性を有するポリヒドロキシスチレン誘導体を含
    有することを特徴とする導電性ペースト。
  2. 【請求項2】電子線硬化性を有するポリヒドロキシスチ
    レ ン誘導体が次の一般式(I)で表される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項(1)記載の導電性ペースト。 一般式(I): 〔式中、m≧0(但し、AがHの場合はm>0)、n≧
    3で、それぞれ一般式(I)の有機高分子の重量平均分
    子量が1,000〜200万になるまでの任意の数、 ;0≦k≦2、 ;0≦p≦2、 ;0<u≦2、 (但し、k、p、uは重合体中の平均 値を示す。) ;R1〜R3はH又は炭素数1〜5のアルキル基、 ;AはH(但し、この場合Xは電子線硬化性なビニル系
    単量体である)、または電子線硬化性な飽和もしくは不
    飽和の炭化水素、脂肪酸残基、またはエポキシ基を含有
    する飽和もしくは不飽和の炭化水素、 ;Xは電子線硬化性のビニル系単量体を含む重合性のビ
    ニル系単量体、 ;Y、Zは同種又は異種であり、かつ 又は炭素数1〜18のアルキル基もしくはアリール基か
    ら選ばれるものである(式中、;MはH、アルカリ金属
    、アルカリ土類金属又はアミン類などの有機カチオン ;Y1、Y4はハロゲン ;Y2−、Y3−はハロゲンイオン、有機酸アニオン、
    無機酸アニオンなどの対イオン;WはSまたはO ;R4〜R8は同種または異種であって直鎖または分岐
    鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、またはH
    、さらにR6とR7はN基とで環を形成していてもかま
    わない。 ;R9〜R15は同種または異種であって直鎖または分
    岐鎖アルキル基、アルキル誘導体基、芳香族基、または
    H ;q、s、tは0又は1 ;rは0、1又は2を示す)〕
  3. 【請求項3】(a)電子線硬化性を有する有機化合物;
    5〜50重量% (b)導電性粉末;50〜95重量% (c)電子線硬化性を有しないポリヒドロキシスチレン
    および/またはその誘導体; 0.01〜25重量% を必須成分として含有することを特徴とする導電性ペー
    スト。
  4. 【請求項4】請求項(3)記載の(c)電子線硬化性を
    有しないポ リヒドロキシスチレンおよび/またはその誘導体が、次
    の一般式(II)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項(3)記載の導電性ペースト。 一般式(II) 〔式中、R1、R2、R3、Y、Z、k、p、u、m、
    nは前記に同じ。X’は重合性のビニル系重合体を示す
    。〕
  5. 【請求項5】請求項(3)記載の(a)電子線硬化性を
    有する有機 化合物が、一般式(I)で表されるポリヒドロキシスチ
    レン誘導体、二重結合を有する多官能アクリルモノマー
    および/またはそのポリマー、エポキシ基含有モノマー
    および/またはそのポリマーであることを特徴とする請
    求項(3)または(4)記載の導電性ペースト。
  6. 【請求項6】請求項(1) ̄(5)記載の導電性ペース
    トを基材上 に塗布または印刷後、硬化してなることを特徴とする導
    電性塗膜。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010087237A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Tdk Corp 導電性ペーストおよび電子部品の製造方法
JP2013105535A (ja) * 2011-11-10 2013-05-30 Hitachi Chemical Co Ltd 導電粒子、異方導電材料及び導電接続構造体
JP2013105537A (ja) * 2011-11-10 2013-05-30 Hitachi Chemical Co Ltd 撥水性導電粒子、異方導電材料及び導電接続構造体
CN108977047A (zh) * 2018-05-23 2018-12-11 无锡万博涂料化工有限公司 一种基于eb固化的卷材涂料

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