JP2012115860A - ハンダ粉末の製造方法及び該方法により得られたハンダ粉末 - Google Patents

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Abstract

【課題】ファインピッチ化に対応し得る平均粒径が1〜5μmの範囲内に粒径制御された微細なハンダ粉末を簡便、かつ効率よく製造できるハンダ粉末の製造方法及び該方法により得られたハンダ粉末を提供する。
【解決手段】錫イオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを混合し、混合液中で粉末を還元析出させるハンダ粉末の製造方法において、粉末を還元析出させる際に、混合液中に粉末を構成する元素から構成された金属微粉末を一種以上添加することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品の実装等に用いられるハンダ用ペーストの材料として好適なハンダ粉末を製造する方法に関する。更に詳しくは、ファインピッチ化に対応し得る1〜5μmの範囲内の微細なハンダ粉末を、いわゆる湿式還元法により、簡便、かつ効率よく製造する方法及び該方法により得られたハンダ粉末に関するものである。
電子部品の接合に用いられるハンダは環境の面から鉛フリー化が進められ、現在では、錫を主成分としたハンダ粉末が採用されている。ハンダ粉末のような微細な金属粉末を得る方法としては、ガスアトマイズ法や回転ディスク法などのアトマイズ法の他に、メルトスピニング法、回転電極法、機械的プロセス、化学的プロセス等が知られている。ガスアトマイズ法は、誘導炉やガス炉で金属を溶融した後、タンディッシュの底のノズルから溶融金属を流下させ、その周囲より高圧ガスを吹き付けて粉化する方法である。また回転ディスク法は、遠心力アトマイズ法とも呼ばれ、溶融した金属を高速で回転するディスク上に落下させて、接線方向に剪断力を加えて破断して微細粉を作る方法である。
一方、電子部品の微細化とともに接合部品のファインピッチ化も進んでおり、より微細な粒径のハンダ粉末が求められているため、こうしたファインピッチ化に向けた技術の改良も盛んに行われている。例えば、ガスアトマイズ法を改良した技術として、ガスを巻き込ませた状態の金属溶湯をノズルから噴出させ、このノズルの周囲から高圧ガスを吹き付ける金属微粉末の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の方法では、溶湯がノズルを通過する際にガスを巻き込ませることによって、ノズルから出湯した時点で溶湯がすでに分断され、より小さな粉末を製造することができる。
また、錫化合物溶液として塩化第一錫溶液を用い、還元剤として2価クロムイオン溶液を用いて、ポリビニルピロリドン等の保護剤の存在下、非酸化性雰囲気下で上記2価クロムイオン溶液と錫化合物溶液とを混合して錫を還元析出させる金属錫の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に記載の方法は、従来の湿式還元法における課題を克服し、100nmレベルの超微粒子金属錫、及びサブミクロンからナノメータレベルの超微粒子金属錫を湿式還元法で簡単、かつ効率よく製造できる方法である。
また、銀イオン溶液に還元剤を添加して銀微粒子を還元析出させる方法において、ハロゲン化物イオンの存在下で銀イオンを還元させることによって、微細な銀微粒子を析出させることを特徴とする銀微粒子の製造方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−18956号公報(請求項1、段落[0014]) 特開2003−306707号公報(請求項2〜4、段落[0006]) 特開2008−274423号公報(請求項3、請求項4)
しかしながら、上記従来の特許文献1に示された、いわゆるアトマイズ法により微細な粉末を得るためには、この方法によって得られた金属粉末を更に分級して、ファインピッチ化に対応する5μm以下の微細なものを採取する必要がある。このため、歩留まりが非常に悪くなる。一方、7μm程度の粉末であれば、この方法でも歩留まりは良くなるものの、この程度の粒径のものでは、近年のファインピッチ化には十分に対応できない。また、上記特許文献2に示された方法では、ナノメータレベルの粒子を得るには非常に効果的であるが、錫粒子の凝集や粒度分布の幅が比較的広いことから、粒径制御の精度について課題が残されている。更に、上記特許文献3に示された方法のように、微細な粒径に制御するために、ハロゲン化物イオンの存在下で還元析出させる場合、得られる粉末に目的とする組成以外の元素が混入し、組成ズレを起こすことがある。組成ズレが生じた粉末を用いると、ハンダバンプ等の抵抗値にバラツキが生じたり、接合性が低下するといった不具合が生じる。
本発明の目的は、ファインピッチ化に対応し得る平均粒径が1〜5μmの範囲内に粒径制御された微細なハンダ粉末を簡便、かつ効率よく製造できるハンダ粉末の製造方法及び該方法により得られたハンダ粉末を提供することにある。
本発明の第1の観点は、錫イオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを混合し、混合液中で粉末を還元析出させるハンダ粉末の製造方法において、上記粉末を還元析出させる際に、上記混合液中に上記粉末を構成する元素から構成された金属微粉末を一種以上添加することを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に金属微粉末の平均粒径が0.1〜2μmであることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に金属微粉末の添加量が製造するハンダ粉末100質量%に対して0.01〜20質量%であることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1ないし第3の観点の製造方法により得られた平均粒径が1〜5μmのハンダ粉末である。
本発明の第1の観点の製造方法では、錫イオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを混合し、混合液中で粉末を還元析出させるハンダ粉末の製造方法において、上記粉末を還元析出させる際に、上記混合液中に上記粉末を構成する元素から構成された金属微粉末を一種以上添加する。このように、錫イオンが還元剤によって還元される際に、その混合液中に金属微粉末を存在させることにより、錫イオンの還元反応において金属微粉末を核としてこの核を中心に錫が成長する。そして、単位体積あたりの核の数を制御する、具体的には、添加する金属微粉末の粒径を制御することによって、得られるハンダ粉末の粒径を自由に制御することができる。これにより、平均粒径が1〜5μmの範囲内に粒径制御された微細なハンダ粉末を、湿式還元法による簡便な方法で歩留まり良く製造することができる。
また、添加する金属微粉末は、イオンの還元反応において形成される金属粒子の核に比べ、その粒径が安定しているため、結果として、得られるハンダ粉末の平均粒径が安定する。また、添加する金属微粉末の添加量を変えることにより、得られるハンダ粉末の組成比率を自由に制御することができる。また、添加する金属微粉末の金属種を変えることにより、様々な組成を持つハンダ粉末を作製することができる。更に、湿式還元法であるため、イニシャルコストが多大にかかる特殊な装置を必要としない。
本発明の第4の観点のハンダ粉末は、平均粒径が1〜5μmと微細であるため、このハンダ用ペーストを用いれば、基板等にファインピッチパターンで印刷でき、より微細な電子部品を実装できる。
添加する銀微粉末の平均粒径と得られたハンダ粉末の平均粒径の関係を示すグラフである。
次に本発明を実施するための形態を説明する。
本発明のハンダ粉末の製造方法は、錫イオンを含む水溶液と、これを還元剤して析出させる還元剤を含有する水溶液とを混合し、混合液中で粉末を還元析出させる、いわゆる湿式還元法による金属粉末の製造方法を改良した発明である。その特徴ある構成は、上記粉末を還元析出させる際に、上記混合液中に上記粉末を構成する元素から構成された金属微粉末を一種以上添加することにある。
錫イオンが還元剤によって還元される際に、その混合液中に金属微粉末を存在させることにより、錫イオンの還元反応において金属微粉末を核としてこの核を中心に錫が成長する。そして、単位体積あたりの核の数を制御する、具体的には、添加する金属微粉末の粒径を制御することによって、得られるハンダ粉末の粒径を自由に制御することができる。これにより、平均粒径が1〜5μmの範囲内に粒径制御された微細なハンダ粉末を、湿式還元法による簡便な方法で歩留まり良く製造することができる。なお、本明細書において、粉末の平均粒径とは、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置(堀場製作所社製、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-950)にて測定した体積累積中位径(Median径、D50)をいう。
また、添加する金属微粉末は、イオンの還元反応において形成される金属粒子の核に比べ、その粒径が安定しているため、結果として、得られるハンダ粉末の平均粒径が安定する。また、混合液中に添加する金属微粉末は、得られるハンダ粉末中に核として存在するため、金属微粉末添加量を変えることにより、得られるハンダ粉末の組成比率を自由に制御することができる。また、添加する金属微粉末の金属種を変えることにより、様々な組成を持つハンダ粉末を作製することができる。例えば、錫微粉末の添加であれば、錫単体から構成されたハンダ粉末が得られ、コバルト微粉末の添加であれば、錫とコバルトから構成されたハンダ粉末が得られ、ビスマス微粉末の添加であれば、錫とビスマスから構成されたハンダ粉末が得られ、ゲルマニウム微粉末の添加であれば、錫とゲルマニウムから構成されたハンダ粉末が得られ、ニッケル微粉末の添加であれば、錫とニッケルから構成されたハンダ粉末が得られ、インジウム微粉末の添加であれば、錫とインジウムから構成されたハンダ粉末が得られ、銀微粉末の添加であれば、錫と銀から構成されたハンダ粉末が得られ、銅微粉末の添加であれば、錫と銀から構成されたハンダ粉末が得られ、金微粉末の添加であれば、錫と金から構成されたハンダ粉末が得られる。更に、湿式還元法であるため、イニシャルコストが多大にかかる特殊な装置を必要としない。添加する金属微粉末の金属種の数は好ましくは1種類から3種類である。
次に、本発明のハンダ粉末の製造方法について、詳細な手順とともに説明する。溶媒に、錫イオンとして溶解する錫化合物を添加し、スターラを用いて、好ましくは回転速度100〜500rpmにて10〜30分間攪拌することにより錫イオンを含む水溶液を調製する。溶媒としては、水又はpHを0.5〜2に調整した塩酸水溶液、硝酸水溶液、硫酸水溶液等が挙げられる。錫イオンとして溶解する錫化合物には、塩化錫(II)、硝酸錫(II)、硫酸錫(II)等が挙げられる。また、錫イオンを含む水溶液中の錫イオンの濃度は、0.05〜3モル/Lの範囲内とするのが好ましい。下限値未満では、錫イオンの濃度が希薄なため、反応が極めて遅くなり、定量的に反応が終了しないからである。一方、上限値を越えると、錫イオンを含む水溶液と還元剤水溶液の均一な混合に時間がかかるため、反応が局所的に進むことによって粒径が不均一になる傾向があることから好ましくない。上記調製した錫イオンを含む水溶液のpHを調整し、更に分散剤を添加する。錫イオンを含む水溶液のpHは、還元反応によって析出した金属等の再溶解を防ぐため、0.5〜2の範囲に調整するのが好ましい。分散剤としては、セルロース系、ビニル系の分散剤、或いは多価アルコール等が挙げられ、その他にゼラチン、カゼイン、ポリビニルピロリドン(PVP)等を用いることができる。分散剤の添加量は、好ましくは0.001〜15質量%の範囲である。分散剤を添加した後、更にスターラを用いて、好ましくは回転速度100〜500rpmにて1〜30分間攪拌する。
次に、金属微粉末を分散させた分散液を調製する。溶媒に、金属微粉末を添加し、超音波ホモジナイザを用いて分散させる。金属微粉末を構成する金属種は、錫、コバルト、ビスマス、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、銀、銅又は金のいずれかである。金属微粉末の平均粒径は、0.1〜2μmの範囲が好ましい。添加する金属微粉末の平均粒径を上記範囲としたのは、0.1μm未満では、錫イオンの還元反応における核が小さくなり、得られるハンダ粉末の平均粒径が1μmを下回り、2μmを越えると、錫イオンの還元反応における核が大きくなり、得られるハンダ粉末の平均粒径が5μmを上回るためである。金属微粉末の添加量が、製造するハンダ粉末100質量%に対して、0.01〜20質量%の範囲となるように金属微粉末を添加する。金属微粉末の添加量を上記範囲としたのは、0.01質量%未満では、単位体積当たりの核の数が少なくなり、得られるハンダ粉末の平均粒径が5μmを上回り、20質量%を越えると、単位体積当たりの核の数が多くなり、得られるハンダ粉末の平均粒径が1μmを下回るためである。そしてこの分散液に分散剤を添加することにより、金属微粉末分散液を調製する。分散剤は上記錫イオンを含む水溶液の説明で挙げた分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は、好ましくは金属微粉末100質量%に対して、0.001〜15質量%の範囲である。分散剤を添加した後、更にスターラを用いて、好ましくは回転速度100〜500rpmにて1〜30分間攪拌する。
次に、還元剤を溶解した水溶液を調製する。還元剤としては、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン等のホウ素水素化物、ヒドラジン等の窒素化合物、三価のチタンイオンや2価クロムイオン等の金属イオン等が挙げられるが、酸化還元反応が可逆的であり、再利用が比較的容易であることから、2価クロムイオンを用いるのが特に好ましい。2価クロムイオンは不安定であるため、これを還元剤に用いる場合は、上記錫イオンを含む水溶液及び金属微粉末分散液と混合する直前にその都度調製するのが好ましい。例えば、錫イオンを含む水溶液及び金属微粉末分散液と混合する直前に、塩化第二クロム溶液を非酸化性雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で金属亜鉛に接触させて2価クロムイオンに還元し、塩化第一クロム溶液としたものを用いればよい。この水溶液のpHは、還元反応によって析出した金属等の再溶解を防ぐこと、及びクロムの水酸化物の生成を防ぐために、上記調製した錫イオンを含む水溶液と同程度、即ち0.5〜2の範囲に調整するのが好ましい。
次に、上記錫イオンを含む水溶液、金属微粉末分散液及び還元剤水溶液を混合する。先ず、錫イオンを含む水溶液と金属微粉末分散液とをスタティックミキサー等を用いて混合する。続いて、上記錫イオンを含む水溶液と金属微粉末分散液との混合液と還元剤水溶液とを反応容器にそれぞれ送液する。スターラ及び攪拌子にて反応容器内に供給された錫イオンを含む水溶液と金属微粉末分散液と還元剤水溶液との混合液を一定時間、攪拌混合する。このとき、回転速度50〜500rpmにて5〜15分間攪拌するのが好ましい。上記撹拌混合で錫イオンの還元反応が生じるが、この還元反応時に、混合液中に添加した金属微粉末が核となり、この核を中心として錫が成長する。これにより、この還元反応により析出した粉末が分散する分散液が得られる。
最後に、この分散液を、デカンテーション等によって固液分離し、回収した固形分を水又はpHを0.5〜2に調整した塩酸水溶液、硝酸水溶液、硫酸水溶液、或いはメタノール、エタノール、アセトン等で洗浄する。洗浄後は、再度固液分離して固形分を回収する。洗浄から固液分離までの工程を、好ましくは2〜5回繰り返した後、回収した固形分を真空乾燥させることにより、ハンダ粉末を得ることができる。
以上の工程により、ファインピッチ化に対応し得る平均粒径が1〜5μmの範囲内に粒径制御された微細なハンダ粉末を、湿式還元法による簡便な方法で歩留まり良く製造することができる。
上記製造方法により得られる本発明の金属粉末は、平均粒径が1〜5μmと微細であるため、このハンダ用ペーストを用いれば、基板等にファインピッチパターンで印刷でき、より微細な電子部品を実装できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、水1000mlに塩化錫(II)1.2molを溶解させ、塩酸にてpHを0.2に調整した後、分散剤として更にセルロース系分散剤を4.5g加えて錫イオン溶液を得た。次いで、水1000mlに平均粒径0.37μmの銀微粉末0.041molを添加し、超音波ホモジナイザにて分散させた。この分散液に、セルロース系分散剤4.5gを加えて銀微粉末分散液を得た。次に、塩化第二クロム溶液を還元し、更に塩酸にてpHを0.5に調整した1.58mol/Lの2価クロムイオン水溶液を得た。次に、錫イオン溶液、銀微粉末分散液及び2価クロムイオン水溶液をそれぞれ反応容器へ送液し、還元反応を進行させ、錫と銀から構成された粉末が分散する分散液を得た。還元反応終了後、分散液を60分間静置して銀と錫から構成された粉末を沈降させた後、上澄み液を捨て、ここに水1000mlを加えて回転速度300rpmにて10分間攪拌する操作を4回繰返し、洗浄を行った。最後に、これを真空乾燥機にて乾燥することによりハンダ粉末を得た。このハンダ粉末の質量から銀微粉末の添加量を算出すると3.0質量%であった。
<実施例2〜7>
添加する銀微粉末を次の表1に示す平均粒径に変更した以外は実施例1と同様の操作を行って錫と銀から構成されたハンダ粉末を得た。このハンダ粉末の質量から銀微粉末の添加量を算出すると3.0質量%であった。
<実施例8,9>
銀微粉末に代えて銅微粉末を使用し、この銅微粉末を次の表1に示す平均粒径及び添加量(1.14×10-2mol)とした以外は実施例1と同様の操作を行って錫と銅から構成されたハンダ粉末を得た。このハンダ粉末の質量から銅微粉末の添加量を算出すると0.5質量%であった。
<比較試験及び評価>
実施例1〜9で得られたハンダ粉末について、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置(堀場製作所社製、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-950)にて粒径分布を測定し、その体積累積中位径(Median径、D50)をハンダ粉末の平均粒径とした。また、実施例1〜9で得られたハンダ粉末について、誘導結合プラズマ発光分光分析(Inductively Coupled Plasma - Atomic Emission Spectroscopy:ICP−AES)により各種金属含有量を測定した。これらの結果を次の表1に示す。また、実施例1〜5,7の添加する銀微粉末の平均粒径と得られたハンダ粉末の平均粒径の関係を図1に示す。
Figure 2012115860
表1から明らかなように、銀微粉末を添加した実施例1〜7では、平均粒径が1.4〜5.2μmとファインピッチに対応可能な銀と錫から構成されたハンダ粉末が得られており、本発明の製造方法のように、混合液中に還元反応時に核となる所定の平均粒径を有する金属微粉末を添加することで、ファインピッチ化に対応し得る範囲内の微細なハンダ粉末を簡便、かつ効率よく製造できることが確認された。
また、図1から明らかなように、添加する銀微粉末の平均粒径が大きくなるに従って、得られるハンダ粉末の平均粒径も大きくなっており、この結果から、銀微粉末の平均粒径を制御することで、得られるハンダ粉末の平均粒径を自由に制御することができることが確認された。
また、銅微粉末を添加した実施例8,9では、平均粒径が2.8μm,4.8μmとファインピッチに対応可能な銅と錫から構成されたハンダ粉末が得られており、実施例1〜7の銀微粉末だけでなく、金属種の異なる銅微粉末を添加した場合についても、ファインピッチに対応可能なハンダ粉末が得られ、また、添加する金属微粉末の金属種を変えることにより、様々な組成を持つハンダ粉末が得られることが確認された。
更に、金属微粉末の添加量が3.0質量%の実施例1〜7では、得られるハンダ粉末の銀含有割合が3%前後であるのに対し、金属微粉末の添加量が0.5%の実施例8,9では、得られるハンダ粉末の銅含有割合が0.5%であり、この結果から、金属微粉末の添加量を変えることによって、得られるハンダ粉末の組成比率を自由に制御することができることが確認された。
本発明は、特に、ファインピッチ化が進む電子部品実装の技術分野において、電子部品同士の接合に用いられるハンダ用ペーストの材料として好適なハンダ粉末及びその製造に利用することができる。

Claims (5)

  1. 錫イオンを含む水溶液と還元剤水溶液とを混合し、混合液中で粉末を還元析出させるハンダ粉末の製造方法において、
    前記粉末を還元析出させる際に、
    前記混合液中に前記粉末を構成する元素から構成された金属微粉末を一種以上添加する
    ことを特徴とするハンダ粉末の製造方法。
  2. 前記金属微粉末を構成する金属種が錫、コバルト、ビスマス、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、銀、銅又は金のいずれかである請求項1記載のハンダ粉末の製造方法。
  3. 前記金属微粉末の平均粒径が0.1〜2μmである請求項1又は2記載のハンダ粉末の製造方法。
  4. 前記金属微粉末の添加量が製造するハンダ粉末100質量%に対して0.01〜20質量%である請求項1ないし3いずれか1項記載のハンダ粉末の製造方法。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の製造方法により得られた平均粒径が1〜5μmのハンダ粉末。
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