JP2008149366A - ハンダ粉末及びこのハンダ粉末を用いたハンダ用ペースト - Google Patents
ハンダ粉末及びこのハンダ粉末を用いたハンダ用ペースト Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008149366A JP2008149366A JP2006342566A JP2006342566A JP2008149366A JP 2008149366 A JP2008149366 A JP 2008149366A JP 2006342566 A JP2006342566 A JP 2006342566A JP 2006342566 A JP2006342566 A JP 2006342566A JP 2008149366 A JP2008149366 A JP 2008149366A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- powder
- tin
- coating layer
- bismuth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
Abstract
【解決手段】ハンダ粉末は、中心核と、この中心核を被包する被覆層と、この被覆層を被包する最外層とにより構成される構造を有し、その平均粒径は5μm以下である。また中心核は銀、銅、ビスマス、ゲルマニウム又は錫からなり、被覆層は中心核よりイオン化傾向が大きい銅、ビスマス、ゲルマニウム、錫又はニッケルからなり、最外層は被覆層よりイオン化傾向が大きいビスマス、ゲルマニウム、錫、ニッケル又はインジウムからなる。更に中心核、被覆層又は最外層のいずれかは錫からなり、錫の含有割合は85〜99.8質量%である。
【選択図】なし
Description
また回転ディスク法を改良した技術として、回転体に金属微粉末サイズ調整手段としてのメッシュを配し、このメッシュを通して溶融金属を飛散させる金属微粉末の製法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。上記特許文献2に開示された方法によれば、従来の回転ディスク法に比べて微細な金属微粉末を効率良く生成できる。
更にガスアトマイズ法と回転ディスク法を組合せた技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。このガスアトマイズ法と回転ディスク法を組合せた技術では、ノズルから流出した溶融金属に不活性ガスのジェット流を吹付けて溶融金属を粉砕し、更にこの粉砕した溶融金属を回転するディスク上に落下させるように構成される。このように構成されたガスアトマイズ法と回転ディスク法を組合せた技術では、それぞれの単体法よりも微細粉を作製できるようになっている。
本発明の目的は、平均粒径を5μm以下とすることにより、ハンダ用ペーストのファインピッチパターンでの印刷性を向上できる、ハンダ粉末及びこのハンダ粉末を用いたハンダ用ペーストを提供することにある。
この請求項1に記載されたハンダ粉末では、このハンダ粉末が平均粒径5μm以下と微細な粉末であるので、ハンダ用ペーストを基板等にファインピッチパターンで印刷できる。またハンダ粉末の錫の含有割合を85〜99.8質量%としたので、ハンダに必要な低融点を示す。
なお、請求項1において、銀を含むとき銀の含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜5.0質量%であり、銅を含むとき銅の含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、ビスマスを含むときビスマスの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜10質量%であり、ゲルマニウムを含むときゲルマニウムの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、ニッケルを含むときニッケルの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、インジウムを含むときインジウムの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜10質量%である。
また、請求項1において、被覆層又は最外層のいずれか一方又は双方を無電解めっきにて作製することができる。
この請求項4に記載されたハンダ粉末では、このハンダ粉末が平均粒径5μm以下と微細な粉末であるので、ハンダ用ペーストを基板等にファインピッチパターンで印刷できる。
なお、請求項4において、銀を含むとき銀の含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜5.0質量%であり、銅を含むとき銅の含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、ビスマスを含むときビスマスの含有割合が粉末全体量100質量%に対して40〜60質量%であり、ゲルマニウムを含むときゲルマニウムの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、ニッケルを含むときニッケルの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、インジウムを含むときインジウムの含有割合が粉末全体量100質量%に対して40〜60質量%である。
また、請求項4において、被覆層又は最外層のいずれか一方又は双方を無電解めっきにて作製することができる。
この請求項7に記載されたハンダ用ペーストでは、このハンダ用ペーストに含まれるハンダ粉末が平均粒径5μm以下と微細な粉末であるので、ハンダ用ペーストを基板等にファインピッチパターンで印刷できる。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明であって、電子部品の実装に用いられることを特徴とする。
この請求項8に記載されたハンダ用ペーストでは、このハンダ用ペーストに含まれるハンダ粉末が平均粒径5μm以下と微細な粉末であるので、ハンダ用ペーストを基板等にファインピッチパターンで印刷でき、より微細な電子部品をハンダ用ペーストにより実装できる。
またハンダ粉末の平均粒径を5μm以下とするとともに、錫の含有割合を35〜59.9質量%とすれば、ハンダ用ペーストを基板等にファインピッチパターンで印刷できるとともに、ビスマス又はインジウムの含有量を増やすことにより、錫単体によるハンダ粉末より低い温度で溶融する。
更に上記ハンダ用ペーストを電子部品の実装に用いれば、微細な電子部品をハンダ用ペーストにより実装できるとともに、錫単体によるハンダ粉末とハンダ用フラックスとを混合したハンダ用ペーストとほぼ同一か或いは低い温度で溶融する。
<第1の実施の形態>
この実施の形態のハンダ粉末は、中心核と、この中心核を被包する被覆層と、この被覆層を被包する最外層とにより構成される構造を有し、平均粒径が5μm以下、好ましくは0.1〜5μmの粉末である。中心核は銀、銅、ビスマス、ゲルマニウム又は錫のいずれかからなり、被覆層は中心核よりイオン化傾向の大きい銅、ビスマス、ゲルマニウム、錫又はニッケルのいずれかからなり、最外層は被覆層よりイオン化傾向の大きいビスマス、ゲルマニウム、錫、ニッケル又はインジウムのいずれかからなる。銀、銅、ビスマス、ゲルマニウム、錫、ニッケル及びインジウムはこの順にイオン化傾向が大きくなる。
先ず、溶媒に、中心核を構成する金属元素又は半金属元素を含む化合物と、被覆層を構成しかつ中心核よりイオン化傾向の大きい金属元素又は半金属元素を含む化合物と、最外層を構成しかつ被覆層よりイオン化傾向の大きい金属元素又は半金属元素を含む化合物と、分散剤とをそれぞれ添加して混合することにより、溶解液を調製した後、この溶解液のpHを調整する。溶媒としては、水、アルコール、エーテル、ケトン、エステル等が挙げられる。また中心核は銀、銅、ビスマス、ゲルマニウム又は錫のいずれかからなり、被覆層は中心核よりイオン化傾向の大きい銅、ビスマス、ゲルマニウム、錫又はニッケルのいずれかからなり、最外層は被覆層よりイオン化傾向の大きいビスマス、ゲルマニウム、錫、ニッケル又はインジウムのいずれかからなる。銀を含む化合物としては、塩化銀、硝酸銀等が挙げられ、銅を含む化合物としては、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、酢酸銅等が挙げられる。ビスマスを含む化合物としては、塩化ビスマス(III)、硫酸ビスマス(III)、硝酸ビスマス(III)等が挙げられ、ゲルマニウムを含む化合物としては、塩化ゲルマニウム(II)、β−カルボキシエチルゲルマニウム等が挙げられる。錫を含む化合物としては、塩化錫(II)、酢酸錫(II)、シュウ酸錫(II)等が挙げられ、ニッケルを含む化合物としては、塩化ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)六水和物、硝酸ニッケル(II)六水和物等が挙げられ、インジウムを含む化合物としては、塩化インジウム、硝酸インジウム、硫酸インジウム等が挙げられる。また分散剤としては、セルロース系、ビニル系、多価アルコールなどが挙げられ、その他にゼラチン、カゼイン等を用いることができる。
また、中心核又は被覆層のいずれかが錫を含むとき、最外層は錫よりイオン化傾向の大きいニッケル又はインジウムを含む。
この実施の形態では、ハンダ粉末中の錫の含有割合が35〜59.9質量%、好ましくは42〜52質量%であり、中心核、被覆層又は最外層がビスマスを含むときビスマスの含有割合が粉末全体量100質量%に対して40〜60質量%、好ましくは55〜58質量%であり、最外層がインジウムを含むときインジウムの含有割合が粉末全体量100質量%に対して40〜60質量%、好ましくは48〜52質量%である。ここで、ハンダ粉末中の錫の含有割合を35〜59.9質量%の範囲に限定したのは、錫単体によるハンダ粉末より融点の低いビスマスやインジウムを比較的多く含有させることを考慮したためである。また中心核、被覆層又は最外層がビスマスを含むときその含有割合を40〜60質量%の範囲に限定し、最外層がインジウムを含むときその含有割合を40〜60質量%の範囲に限定したのは、ハンダ合金の融点を錫単体による粉末の融点よりも低くするためである。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成されたハンダ粉末の製造方法は、第1の実施の形態のハンダ粉末を構成する中心核、被覆層及び最外層の割合を所望の割合に代えることで、製造することができる。
また、第1又は第2の実施の形態のハンダ粉末100質量%に対して、ハンダ用フラックスを10〜30質量%、好ましくは10〜25質量%混合しペースト化することによりハンダ用ペーストを調製すれば、ハンダ用ペーストに含まれるハンダ粉末が平均粒径5μm以下と微細な粉末であるので、ハンダ用ペーストを基板等にファインピッチパターンで印刷できる。ここで、ハンダ用フラックスの混合量を10〜30質量%の範囲に限定したのは、10質量%未満ではフラックス不足でペースト化できず、30質量%を越えるとペースト中におけるハンダ合金の割合が減少し所望サイズのハンダバンプが得られないからである。
更に、上記ハンダ用ペーストを電子部品の実装に用いれば、ハンダ用ペーストに含まれるハンダ粉末が平均粒径5μm以下と微細な粉末であるので、微細な電子部品をハンダ用ペーストにより実装できる。
<実施例1>
先ず水1リットルに、硝酸銀1.22×10-2molと、塩化銅(II)2.58×10-3molと、塩化錫(II)2.64×10-1molと、分散剤としてメチルセルロース14gとをそれぞれ添加して混合することにより、溶解液を調製した後、この溶解液のpHを1.0に調整した。また還元剤として2価クロムイオンを用い、8.17×10-1mol/リットルの2価クロムイオン水溶液1リットルを調製した後、この水溶液のpHを1.0に調整した。次に上記溶解液に上記2価クロムイオン水溶液を添加して混合することにより、溶解液中の各金属イオンを還元させて、液中に中心核が被覆層及び最外層により被包された金属粉末が分散した分散液を得た。具体的には、上記還元反応で、先ず溶解液中の3種類の金属(銀、銅及び錫)のうち最もイオン化傾向に小さい金属(銀)が還元されて中心核を形成し、次に溶液中の残りの2種類の金属(銅及び錫)のうちイオン化傾向の小さい金属(銅)が還元されてこの金属が上記中心核の表面に析出することにより被覆層を形成し、更に溶液中の残りの1種類の金属(錫)が還元されてこの金属が上記被覆層の表面に析出することにより最外層を形成する。更にこの分散液を洗浄濾過し、上記金属粉末を乾燥させることでハンダ粉末を得た。得られたハンダ粉末を元素分析したところ、銀、銅及び錫の含有量はそれぞれ4.0質量%、0.5質量%及び95.5質量%であった。
先ず水1リットルに、塩化銅(II)3.48×10-1molと、塩化錫(II)2.64×10-1molと、β−カルボキシエチルゲルマニウム2.17×10-4molと、分散剤としてメチルセルロース14gとをそれぞれ添加して混合することにより、溶解液を調製した後、この溶解液のpHを1.0に調整した。また還元剤として2価クロムイオンを用い、8.02×10-1mol/リットルの2価クロムイオン水溶液1リットルを調製した後、この水溶液のpHを1.0に調整した。次に上記溶解液に上記2価クロムイオン水溶液を添加して混合することにより、溶解液中の各金属イオン又は半金属イオンを還元させて、液中に中心核が被覆層及び最外層により被包された金属粉末又は半金属粉末が分散した分散液を得た。具体的には、上記還元反応で、先ず溶解液中の3種類の金属及び半金属(銅、錫及びゲルマニウム)のうち最もイオン化傾向の小さい金属(銅)が還元されて中心核を形成し、次に溶液中の残りの2種類の金属及び半金属(錫及びゲルマニウム)のうちイオン化傾向の小さい半金属(ゲルマニウム)が還元されてこの半金属が上記中心核の表面に析出することにより被覆層を形成し、更に溶液中の残りの1種類の金属(錫)が還元されてこの金属が上記被覆層の表面に析出することにより最外層を形成する。更にこの分散液を洗浄濾過し、上記金属粉末を乾燥させることでハンダ粉末を得た。得られたハンダ粉末を元素分析したところ、銅、ゲルマニウム及び錫の含有量はそれぞれ0.7質量%、0.1質量%及び99.2質量%であった。
先ず水1リットルに、塩化銅(II)3.48×10-3molと、塩化錫(II)2.64×10-1molと、塩化ニッケル(II)5.38×10-4molと、分散剤としてメチルセルロース14gとをそれぞれ添加して混合することにより、溶解液を調製した後、この溶解液のpHを1.0に調整した。また還元剤として2価クロムイオンを用い、8.17×10-1mol/リットルの2価クロムイオン水溶液1リットルを調製した後、この水溶液のpHを1.0に調整した。次に上記溶解液に上記2価クロムイオン水溶液を添加して混合することにより、溶解液中の各金属イオンを還元させて、液中に中心核が被覆層及び最外層により被包された金属粉末が分散した分散液を得た。具体的には、上記還元反応で、先ず溶解液中の3種類の金属(銅、錫及びニッケル)のうち最もイオン化傾向に小さい金属(銅)が還元されて中心核を形成し、次に溶液中の残りの2種類の金属(錫及びニッケル)のうちイオン化傾向の小さい金属(錫)が還元されてこの金属が上記中心核の表面に析出することにより被覆層を形成し、更に溶液中の残りの1種類の金属(ニッケル)が還元されてこの金属が上記被覆層の表面に析出することにより最外層を形成する。更にこの分散液を洗浄濾過し、上記金属粉末を乾燥させることでハンダ粉末を得た。得られたハンダ粉末を元素分析したところ、銅、錫及びニッケルの含有量はそれぞれ0.7質量%、99.2質量%及び0.1質量%であった。
先ず水1リットルに、硝酸銀9.46×10-3molと、塩化錫(II)2.64×10-1molと、塩化インジウム(III)4水和物1.48×10-2molと、分散剤としてメチルセルロース14gとをそれぞれ添加して混合することにより、溶解液を調製した後、この溶解液のpHを1.0に調整した。また還元剤として2価クロムイオンを用い、8.72×10-1mol/リットルの2価クロムイオン水溶液1リットルを調製した後、この水溶液のpHを1.0に調整した。次に上記溶解液に上記2価クロムイオン水溶液を添加して混合することにより、溶解液中の各金属イオンを還元させて、液中に中心核が被覆層及び最外層により被包された金属粉末が分散した分散液を得た。具体的には、上記還元反応で、先ず溶解液中の3種類の金属(銀、錫及びインジウム)のうち最もイオン化傾向に小さい金属(銀)が還元されて中心核を形成し、次に溶液中の残りの2種類の金属(錫及びインジウム)のうちイオン化傾向の小さい金属(錫)が還元されてこの金属が上記中心核の表面に析出することにより被覆層を形成し、更に溶液中の残りの1種類の金属(インジウム)が還元されてこの金属が上記被覆層の表面に析出することにより最外層を形成する。更にこの分散液を洗浄濾過し、上記金属粉末を乾燥させることでハンダ粉末を得た。得られたハンダ粉末を元素分析したところ、銀、錫及びインジウムの含有量はそれぞれ3.0質量%、92.0質量%及び5.0質量%であった。
先ず水1リットルに、硝酸銀1.707×10-3molと、硫酸ビスマス(III)5.022×10-2molと、塩化錫(II)1.319×10-1molと、分散剤としてメチルセルロース14gとをそれぞれ添加して混合することにより、溶解液を調製した後、この溶解液のpHを1.0に調整した。また還元剤として2価クロムイオンを用い、8.501×10-1mol/リットルの2価クロムイオン水溶液1リットルを調製した後、この水溶液のpHを1.0に調整した。次に上記溶解液に上記2価クロムイオン水溶液を添加して混合することにより、溶解液中の各金属イオンを還元させて、液中に中心核が被覆層及び最外層により被包された金属粉末が分散した分散液を得た。具体的には、上記還元反応で、先ず溶解液中の3種類の金属及び半金属(銀、ビスマス及び錫)のうち最もイオン化傾向に小さい金属(銀)が還元されて中心核を形成し、次に溶液中の残りの2種類の半金属及び金属(ビスマス及び錫)のうちイオン化傾向の小さい半金属(ビスマス)が還元されてこの半金属が上記中心核の表面に析出することにより被覆層を形成し、更に溶液中の残りの1種類の金属(錫)が還元されてこの金属が上記被覆層の表面に析出することにより最外層を形成する。更にこの分散液を洗浄濾過し、上記金属粉末を乾燥させることでハンダ粉末を得た。得られたハンダ粉末を元素分析したところ、銀、ビスマス及び錫の含有量はそれぞれ0.5質量%、57.0質量%及び42.5質量%であった。
吹込みガスとしてアルゴンガスを用いたガスアトマイズ法により、錫、銀及び銅の合金からなるハンダ粉末を作製した。得られたハンダ粉末を元素分析したところ、錫、銀及び銅の含有量はそれぞれ95.5質量%、4.0質量%及び0.5質量%であった。
<比較例2>
吹込みガスとしてアルゴンガスを用いたガスアトマイズ法と回転ディスク法の双方を組合せた方法により、錫、銀及び銅の合金からなるハンダ粉末を作製した。具体的には、ノズルから流出した溶融金属に不活性ガスのジェット流を吹付けて溶融金属を粉砕し、更にこの粉砕した溶融金属を回転するディスク上に落下させることにより、上記ハンダ粉末を作製した。得られたハンダ粉末を元素分析したところ、錫、銀及び銅の含有量はそれぞれ95.5質量%、4.0質量%及び0.5質量%であった。
実施例1〜5、比較例1及び2のハンダ粉末について、以下の物性試験を行った。先ず得られたハンダ粉末をレーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置(LEED & NORTHRUP社製:MICROTRAC FRA)にて粒径分布を測定し、その平均粒径を求めた。また集束イオンビーム加工(Focused Ion Beam milling)観察装置にてハンダ粉末の中心部分を通るように薄く加工し、粉末の断面構造を走査電子顕微鏡及び透過電子顕微鏡にて観察した。更に上記ハンダ粉末を粒径5μm以下のものに分級し、実施例1〜5、比較例1及び2で得られたハンダ粉末に対する粒径5μm以下のハンダ粉末の歩留り率を求めた。実施例1〜5、比較例1及び2のハンダ粉末の断面構造、平均粒径及び歩留まり率を表1に示す。
Claims (8)
- 中心核、前記中心核を被包する被覆層及び前記被覆層を被包する最外層で構成される構造を有する平均粒径5μm以下のハンダ粉末であって、
前記中心核が銀、銅、ビスマス、ゲルマニウム又は錫からなり、
前記被覆層が前記中心核よりイオン化傾向が大きい銅、ビスマス、ゲルマニウム、錫又はニッケルからなり、
前記最外層が前記被覆層よりイオン化傾向が大きいビスマス、ゲルマニウム、錫、ニッケル又はインジウムからなり、
前記中心核、前記被覆層又は前記最外層のいずれかが錫からなり、前記錫の含有割合が85〜99.8質量%である
ことを特徴とするハンダ粉末。 - 銀を含むとき銀の含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜5.0質量%であり、
銅を含むとき銅の含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、
ビスマスを含むときビスマスの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜10質量%であり、
ゲルマニウムを含むときゲルマニウムの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、
ニッケルを含むときニッケルの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、
インジウムを含むときインジウムの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜10質量%である請求項1記載のハンダ粉末。 - 被覆層又は最外層のいずれか一方又は双方が無電解めっきにて作製される請求項1記載のハンダ粉末。
- 中心核、前記中心核を被包する被覆層及び前記被覆層を被包する最外層で構成される構造を有する平均粒径5μm以下のハンダ粉末であって、
前記中心核が銀、銅、ビスマス、ゲルマニウム又は錫からなり、
前記被覆層が前記中心核よりイオン化傾向が大きい銅、ビスマス、ゲルマニウム、錫又はニッケルからなり、
前記最外層が前記被覆層よりイオン化傾向が大きいビスマス、ゲルマニウム、錫、ニッケル又はインジウムからなり、
前記中心核、前記被覆層又は前記最外層のいずれかが錫からなり、前記錫の含有割合が35〜59.9質量%であり、
前記ビスマスを含むとき前記インジウムを含まず、前記インジウムを含むとき前記ビスマスを含まない
ことを特徴とするハンダ粉末。 - 銀を含むとき銀の含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜5.0質量%であり、
銅を含むとき銅の含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、
ビスマスを含むときビスマスの含有割合が粉末全体量100質量%に対して40〜60質量%であり、
ゲルマニウムを含むときゲルマニウムの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、
ニッケルを含むときニッケルの含有割合が粉末全体量100質量%に対して0.1〜1.0質量%であり、
インジウムを含むときインジウムの含有割合が粉末全体量100質量%に対して40〜60質量%である請求項4記載のハンダ粉末。 - 被覆層又は最外層のいずれか一方又は双方が無電解めっきにて作製される請求項4記載のハンダ粉末。
- 請求項1ないし6いずれか1項に記載のハンダ粉末とハンダ用フラックスを混合してペースト化することにより得られたハンダ用ペースト。
- 電子部品の実装に用いられる請求項7記載のハンダ用ペースト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006342566A JP2008149366A (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | ハンダ粉末及びこのハンダ粉末を用いたハンダ用ペースト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006342566A JP2008149366A (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | ハンダ粉末及びこのハンダ粉末を用いたハンダ用ペースト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008149366A true JP2008149366A (ja) | 2008-07-03 |
Family
ID=39652125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006342566A Pending JP2008149366A (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | ハンダ粉末及びこのハンダ粉末を用いたハンダ用ペースト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008149366A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012152782A (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-16 | Mitsubishi Materials Corp | ハンダ粉末及びその製造方法 |
JP2012157870A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Mitsubishi Materials Corp | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト |
WO2013031588A1 (ja) | 2011-09-02 | 2013-03-07 | 三菱マテリアル株式会社 | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト |
JP2014008506A (ja) * | 2012-06-27 | 2014-01-20 | Mitsubishi Materials Corp | SnAgCu系はんだ粉末及びこの粉末を用いたはんだ用ペースト |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006075459A1 (ja) * | 2005-01-11 | 2006-07-20 | Murata Manufacturing Co., Ltd | はんだペースト、及び電子装置 |
JP2006225692A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | スズコート銅粉及び当該スズコート銅粉を用いた複合導電性ペースト |
JP2006263774A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Toshiba Corp | はんだ材とそれを用いた半導体装置 |
-
2006
- 2006-12-20 JP JP2006342566A patent/JP2008149366A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006075459A1 (ja) * | 2005-01-11 | 2006-07-20 | Murata Manufacturing Co., Ltd | はんだペースト、及び電子装置 |
JP2006225692A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | スズコート銅粉及び当該スズコート銅粉を用いた複合導電性ペースト |
JP2006263774A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Toshiba Corp | はんだ材とそれを用いた半導体装置 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012152782A (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-16 | Mitsubishi Materials Corp | ハンダ粉末及びその製造方法 |
JP2012157870A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Mitsubishi Materials Corp | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト |
WO2013031588A1 (ja) | 2011-09-02 | 2013-03-07 | 三菱マテリアル株式会社 | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト |
US8882934B2 (en) | 2011-09-02 | 2014-11-11 | Mitsubishi Materials Corporation | Solder powder, and solder paste using solder powder |
EP2752270A4 (en) * | 2011-09-02 | 2015-08-19 | Mitsubishi Materials Corp | SOLDER POWDER AND SOLDER PASTE WITH THE SOLDER POWDER |
JP2014008506A (ja) * | 2012-06-27 | 2014-01-20 | Mitsubishi Materials Corp | SnAgCu系はんだ粉末及びこの粉末を用いたはんだ用ペースト |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008138266A (ja) | ハンダ粉末及び該粉末を用いたハンダ用ペースト | |
WO2013031588A1 (ja) | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP5895344B2 (ja) | ハンダ粉末の製造方法及びこの方法により製造されたハンダ粉末を用いてハンダ用ペーストを製造する方法 | |
JP5754582B2 (ja) | プリコート用ハンダペースト | |
JP4797968B2 (ja) | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP5736799B2 (ja) | ハンダ粉末及びその製造方法 | |
JP5927745B2 (ja) | SnAgCu系はんだ粉末及びこの粉末を用いたはんだ用ペースト | |
JP2012076086A (ja) | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP5750913B2 (ja) | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP2010242158A (ja) | 金属粉末の製造方法及び該方法により得られる金属粉末を用いたはんだペースト | |
JP2008149366A (ja) | ハンダ粉末及びこのハンダ粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP2011177719A (ja) | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP2012115861A (ja) | ハンダ粉末の製造方法及び該方法により得られたハンダ粉末 | |
JP6191143B2 (ja) | SnAgCu系はんだ粉末の製造方法及びこの粉末を用いたはんだ用ペーストの調製方法 | |
JP4826453B2 (ja) | ハンダ粉末及び該粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP2012115860A (ja) | ハンダ粉末の製造方法及び該方法により得られたハンダ粉末 | |
JP6102280B2 (ja) | SnAgCu系はんだ粉末の製造方法及びこの粉末を用いたはんだ用ペースト | |
JP2009190072A (ja) | ハンダ粉末及び該粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP5447464B2 (ja) | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP5488553B2 (ja) | ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト | |
JP6244869B2 (ja) | SnAgCu系はんだ粉末及びこの粉末を用いたはんだ用ペーストの製造方法 | |
JP2010070776A (ja) | Snを含有する粉末の製造方法及び該方法により製造されたSnを含有する粉末並びに該Snを含有する粉末を用いたはんだ用ペースト | |
JP2010070775A (ja) | Snを含有する粉末の製造方法及びSnを含有する粉末並びに該Snを含有する粉末を用いたはんだ用ペースト | |
JP2005088028A (ja) | はんだペースト、はんだペースト用金属球の製造方法、及びはんだペーストの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090331 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110322 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110520 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20110520 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110816 |