JP2007100155A - 微粒銀粒子付着銀銅複合粉及びその微粒銀粒子付着銀銅複合粉製造方法 - Google Patents

微粒銀粒子付着銀銅複合粉及びその微粒銀粒子付着銀銅複合粉製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 微粒化、均粒化され、かつ低温焼結性に優れ、広範な用途に使用可能な微粒銀粒子付着銀銅複合粉及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 上記課題を達成するため、銀銅複合粉の表面に、微粒銀粒子を付着させたことを特徴とする微粒銀粒子付着銀銅複合粉を採用する。そして、その製造方法であって、銀銅複合粉と、硝酸銀と錯化剤とを混合して攪拌溶解させて得られる銀錯体を含む溶液とを接触させ、ここに還元剤を加えて微粒銀粒子を銀銅粉の粉粒表面へ析出させることを特徴とする微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低温焼結性に優れた微粒銀粒子付着銀銅複合粉及びその製造方法に関する。特に、芯材である銀銅複合粉に、特定の方法で微粒銀粒子を付着させる製造方法に関する。
従来から、銀インク(ペースト)は、セラミック基板と同時焼成して回路形成に用いる等の相対的に高温での焼成用途の他、プリント配線板の配線回路、ビアホール充填、部品実装用接着剤等の種々の樹脂成分と混合して硬化させて用いるような用途が存在している。後者のような用途においては、導電フィラーとしての銀粉の粉粒同士が焼結することなく、粉粒同士の接触のみで電気的導電性を得るというのが一般的であった。
ところが、近年は、銀粉を用いて形成した導体に対する電気的低抵抗化と、その電気的低抵抗化を実現するための高い接続信頼性が要求されるようになり、樹脂成分の硬化と共にフィラーである銀粉自体も焼結して導電性を発揮する銀インクあるいは銀ペーストに対する要求が高まってきた。一般に、このような要求に応えるには、焼結温度を下げるために、導電フィラーである銀粉の粉粒の微粒化が必要と考えられるのは当然である。
従来からの銀粉の製造には、特許文献1(特開2002−334618号公報)に記載したように硝酸銀溶液とアンモニア水とで銀アンミン錯体水溶液を製造し、これに有機還元剤を添加する湿式還元プロセスが採用され、これを銀ペーストに加工して用いられてきた。そして、この従来の銀粉以上の低温焼結性を確保しようと、特許文献2(特開2002−324966号公報)に開示されているような、銀ナノ粒子を含む銀インクが提唱されてきた。
しかしながら、銀粉を含む金属粉では、一般的に粉粒の微粒化と粉粒が単分散により近いという意味での分散性の両立は困難と言われている。例えば、上記特許文献2に開示されているような、銀ナノ粒子を含む銀インクの場合には、ナノ粒子の分散性を安定化するためには保護コロイドとして多量の分散剤を添加するのが一般的である。かかる場合、銀ナノ粒子の焼結温度よりも分散剤の分解温度が高いのが一般的であり、銀ナノ粒子自体の低温焼結性を充分に生かしきれないものとなる。
また、銀ナノ粒子の銀インクの場合、従来のペーストよりもフィラーの含有量が大幅に低いため、薄膜形成は容易であっても厚膜を形成することが難しく、比較的大電流を流すような電源回路に用いることの出来るレベルの回路断面の大きな配線回路の形成用途、又は低抵抗回路用途への適用が困難となる。さらに実装部品の接着剤用途では導電性と共に接着強度に対する要求も厳しく、硬化により強い接着強度を発揮する樹脂を一定量以上添加することが不可欠であり、そのため銀ナノ粒子のインクでは対応できない部分が多く存在したのである。
上述のように、インク等に用いられるフィラー材料として耐酸化性や比抵抗が優れることから銀粉が多用されてきている。一方、銀のマイグレーションを嫌う用途では、銅粉が使用されているが、銅には酸化しやすいという弱点がある。そこで、銀のマイグレーションと、銅の酸化しやすさという双方の弱点を補う特性を持つフィラーとして、銀銅合金粉の使用も見られる。
特開2002−334618号公報 特開2002−324966号公報
以上のように、コロイドインクは分解しにくい保護剤を多量に含むため、ナノ粒子自体の低温焼結性が生かし切れない。また、銀ナノ粒子のインクでは実装用接着剤に適用できない。さらに、粗粒銀粉単味ではペーストのコンテントは上げることができるが、焼結温度は高くなる。従って、ペーストの形で低温焼結を実現するには、フィラーとしての高充鎮性(分散性)と、熱的に活性な粒子表面を併せ持つ粉体が必要である。
一方、上述のように、銀銅合金粉は、銀粉と銅粉の各々の欠点を解消するものであるが、銀粉に比べ酸化が容易で、微粒化、均粒化されたその製造技術が困難で確立されていない。従って、銀銅合金粉の場合には、粉粒の微粒化を行うことが困難で、低温焼結性に優れた製品の製造が出来ないというのが実情である。
従って、本発明の目的は、銀と同等の耐酸化性能を示し、銀銅合金粉と同等の耐マイグレーション性を備え、かつ、低温焼結性に優れ、広範な用途に使用可能な微粒銀粒子付着銀銅複合粉及びその製造方法を提供することにある。
そこで、上記問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、銀銅合金粉と同等の耐マイグレーション性を備え、かつ、低温焼結性に優れ、良好な粉体特性を備える微粒銀粒子付着銀銅複合粉に想到したのである。
(本件発明に係る微粒銀付着銀銅複合粉)
本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉は、芯材粉体の粉粒表面に微粒銀粉を付着させた粉粒から構成された粉体であって、当該芯材粉体は銀銅複合粉であることを特徴とするものである。
そして、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉において、略球形の粉粒形状を備えるものは、以下の粉体特性のいずれかを備えることが好ましい。
A.レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が0.3μm〜6.0μm。
B.レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが20.0μm以下。
C.比表面積が0.2m/g以上。
そして、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉において、フレーク状の粉粒形状を備えるものは、以下の粉体特性のいずれかを備える事が好ましい。
a.レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が1.0μm〜10.0μm。
b.レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが40.0μm以下。
c.粉粒のアスペクト比(厚さ/[D50])が0.02〜0.5。
また、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉は、その粉体を用いて形成した膜抵抗が0.01mΩ・cm〜2.0mΩ・cmの範囲となる。
更に、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉は、銀含有量が22wt%〜60wt%、残部銅及び不可避不純物という組成を備える。
(本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法)
微粒銀粒子付着銀銅複合粉の基本的製造方法: 本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法は、銀銅複合粉と、硝酸銀と錯化剤とを混合して攪拌溶解させて得られる銀錯体を含む溶液とを接触させ、ここに還元剤を加えて微粒銀粒子を銀銅粉の粉粒表面へ析出させることを特徴とするものである。
この微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、銅粉の粉粒表面に、銀コート層を形成した銀コート銅粉を用い、当該銀コート銅粉を湿式熱処理した後、濾過し、アルコール洗浄し、乾燥して得られるものを用いることが好ましい。
そして、前記銀コート銅粉は、銅粉を水に分散させたスラリー中にキレート化剤を添加して得られた分散液に、銀含有溶液を添加して反応させ、さらに濾過して銅粉の粉粒表面に銀コート層を形成したものである事が好ましい。
また、当該銀銅複合粉を得る際の分散液中の銅粉重量を100重量部としたとき、銀として20重量部〜95重量部を含有するように銀含有溶液を、前記分散液に添加するものであることが好ましい。
更に、上記キレート化剤にはエチレンジアミンテトラ酢酸塩を用いることが好ましい。
そして、上記湿式熱処理は、50℃〜200℃の温度の溶液中で、30分〜120分加熱処理するものであることが好ましい。
本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法において、上記錯化剤は、亜硫酸塩又はアンモニウム塩を用いることが好ましい。
微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、銀含有量が20wt%〜55wt%、残部銅及び不可避不純物であるものを用いることが好ましい。
微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、略球状の粉粒であり、以下のI.〜III.の粉体特性を備えたものを用いる事が好ましい。
I. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が0.3μm〜6.0μm。
II. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが20.0μm以下。
III. 比表面積が0.2m/g以上。
微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、フレーク状の粉粒であり、以下のi.〜iii.の粉体特性を備えたものを用いる事が好ましい。
i. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が1.0μm〜10.0μm。
ii. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが40.0μm以下。
iii. 粉粒のアスペクト比(厚さ/[D50])が0.02〜0.5。
また、微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、略球状の粉粒からなる銀銅複合粉を、粒径が0.5mm以下であり且つの比重が3.0g/cm〜6.5g/cmであるメディアビーズを用いて高エネルギーボールミルで圧縮し塑性変形させることで、フレーク状にしたものを用いることも好ましい。
本発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉は、銀銅複合粉の粉粒表面に、更に微粒の銀粉(銀ナノ粒子)を付着させた構成を持つため、従来の銀粉、銀被覆銅粉又は銀銅合金粉には見られないレベルの低温焼結性を発揮するものとなる。また、該微粒銀粒子付着銀粉の芯材に用いる銀銅複合粉に、微粒化、均粒化したものを用いることで、特に優れた低温焼結性を示すものとなるのである。
以下、本発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉及びその製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
<本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉>
本発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉は、「芯材粉体の粉粒表面に微粒銀粉を付着させた粉粒から構成された粉体であって、当該芯材粉体は銀銅複合粉」であることを特徴とするものである。すなわち、芯材である銀銅複合粉の粉粒表面に、更に微細な微粒銀粒子(一次粒子径が100nm以下)を付着させるのである。このように銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粒子が存在することで、芯材の粉粒の形状及びサイズに依存することなく、粒径の小さな微粒銀粒子が低温焼結性を発揮するため、微粒銀粒子付着銀銅複合粉の隣り合う粉粒同士の焼結を容易にするのである。
ここで言う銀銅複合粉とは、アトマイズ法で製造した銀−銅合金組成を持つ粉体、銅粉の表面に0.1μm〜3.0μm厚さの銀層を形成した銀コート銅粉を得て銀層から銀を銅粒子内に拡散させた傾斜合金組成を持つ粉体等、結果として銀と銅とを粉粒の組成として含む粉体を意図している。従って、本件発明では、これらを総称して銀銅複合粉と称するのである。このような銀銅複合粉を使用することで、銀粉に比べて経済的に優れ、且つ、耐マイグレーション性能を向上させることができる。また、銅粉を用いる場合に比べて、形成する導体の膜抵抗を低くすることが出来るのである。
そして、この銀銅複合粉の表面に付着させる「微粒銀粒子」とは、その粒径が100nm以下の銀ナノ粒子であり、芯材である銀銅複合粉の粉粒表面にのみ存在することになる。上述したように、銀ナノ粒子自体を銀インクに用いる場合には、ナノ粒子の分散性を安定化するため、銀ナノ粒子の焼結温度よりも高い分解温度をもつ多量の分散剤を添加するのが一般的であり、銀ナノ粒子自体の低温焼結性を充分に生かしきれないものとなる。しかし、芯材である銀銅複合粉の粉粒表面に、更に微細な微粒銀粒子を付着させることで、芯材の銀銅複合粉の粉粒の大きさ及び形状に関係なく、銀ナノ粒子の低温焼結性を十分に引き出すことが可能となるのである。従って、芯材の銀銅複合粉の粉粒形状が略球形でも、粉粒径が数十μmのフレーク粉であっても、芯材としての使用が可能となるのである。
そして、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉においては、粉粒形状に関しては特に限定はなく、粉体の粉粒形状が略球状又はフレーク状のものが含まれる。そして、略球形の粉粒形状を備えるものは、以下のA.〜C.の粉体特性のいずれかを備えることが好ましい。
粉体特性A.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が0.3μm〜6.0μmというものである。レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径は、凝集粒子であっても、一粒子として捉える。従って、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉を構成する粉粒は、一次粒子が一定レベルで凝集を起こしているとしても、体積累積平均粒径D50を0.3μm〜6.0μmの範囲に収める事ができる。現実に、体積累積平均粒径D50が0.3μm〜6.0μmの微粒銀粒子付着銀銅複合粉を、走査型電子顕微鏡を用いて、その観察像から一次粒子径を測定した平均一次粒子径は0.2μm〜4.0μmとして観察出来る。従って、プリント配線板の層間導通を得るために用いる径100μm以下のビアホール孔内への充填性にも何ら問題のないレベルとなる。
また、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉を特定する上での、粉体特性には含めていないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径D90も、粉体としての粒度分布の良好さを推し量る上での要素となる。上述のように体積累積平均粒径D50が0.3μm〜6.0μmの微粒銀粒子付着銀銅複合粉の体積累積粒径D90は、0.5μm〜10.0μmの範囲となる。
粉体特性B.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが20.0μm以下である。ここで、下限値を特に規定していないが、敢えて規定するとしたら、工業的に安定生産可能な範囲として1.0μmである。この粉体特性から、粉粒の凝集状態を含めた上での最大粒径を読み取ることが出来る。このようなレベルの粗粒であれば、プリント配線板の層間導通を得るために用いる径100μm以下のビアホール孔内への充填性にも何ら問題のないレベルとなる。
粉体特性C.は、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の比表面積が0.2m/g以上というものである。この比表面積は、粉粒表面の凹凸状態を表し、比表面積が高いほどペーストに加工したときの粘度上昇を招き取り扱いにくくなるが、一方では比表面積が高いほど、粉粒同士の焼結が容易になり、低温焼結が可能となる性質に関わってくる。そこで、現実に得られた本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の比表面積は、0.2m/g〜3.0m/gの範囲となるのが一般的であるが、現在に於いて、上限値がどの程度となるかの限界を特定し得ていない。本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の比表面積が、一応0.2m/g〜3.0m/gの範囲に収まると考えると、導電性ペーストに加工したときの著しい粘度上昇を起こすこともなく、良好な粉粒の焼結特性を両立出来る範囲と言える。
そして、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉において、フレーク状の粉粒形状を備えるものは、以下のa.〜c.の粉体特性のいずれかを備えるものとすることができる。このフレーク状の銀銅複合粉は、扁平形状をしていることから、フレーク状粉単独又はフレーク状粉と略球状分との混合で用いることで、導電性ペースト等に加工して形成した導体の導体電気抵抗を、低くする目的で使用することが出来る。
粉体特性a.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が1.0μm〜10.0μmである。上述のように、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径は、凝集粒子であっても、一粒子として捉える。従って、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉を構成するフレーク状粉粒は、一次粒子が一定レベルで凝集を起こしていることを考えると、凝集を起こしていたとしても、体積累積平均粒径D50を上記範囲に収める事ができ、微粒のフレーク粉であると言える。現実に、体積累積平均粒径D50が上記範囲にある微粒銀粒子付着銀銅複合粉を、走査型電子顕微鏡を用いて、その観察像から一次粒子径(長径)を測定した平均一次粒子径が1.0μm〜7.0μmとして観察出来る。従って、プリント配線板の層間導通を得るために用いる径100μm以下のビアホール孔内への充填性にも何ら問題のないレベルとなる。
また、本件発明に係るフレーク状の粉粒からなる微粒銀粒子付着銀銅複合粉を特定する上での、粉体特性には含めていないが、ここでもレーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径D90が、粉体としての粒度分布の良好さを推し量る上での要素となる。上述のように体積累積平均粒径D50が1.0μm〜10.0μmのフレーク状の銀銅複合粉の体積累積粒径D90は、3.0μm〜20.0μmの範囲となる。アトマイズ法を用いて製造した球状粉を物理的に加工して得られた通常のフレーク品では、体積累積粒径D90の値と体積累積平均粒径D50の値との間に3倍を超えるような粗粒が存在するのが通常であり、体積累積粒径D90の値と体積累積平均粒径D50の値との間に大きな差異が無く、粒度分布としてみれば極めてシャープになっていることが想像出来る。
粉体特性b.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが40.0μm以下である。この粉体特性から、粉粒の凝集状態を含めた上での最大粒径を読み取ることが出来る。体積累積最大粒径Dmaxについては、アトマイズ法を用いて製造した球状粉を物理的に加工して得られた通常のフレーク品では80μm以上となり、場合によっては100μmを超える場合もあることを考えるに、本件発明に係るフレーク状の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の場合の体積累積最大粒径Dmaxが40.0μm以下で、このレベルであれば、プリント配線板の層間導通を得るために用いる径100μm以下のビアホール孔内への充填性にも大きな問題は生じない。
粉体特性c.は、粉粒のアスペクト比(厚さ/[D50])が0.02〜0.5である。ここで言うアスペクト比は、フレーク状粉を構成する粉粒の厚さと前記体積累積平均粒径D50とで表されるアスペクト比([厚さ]/[D50])の値が0.02〜0.5としている。このアスペクト比は、フレーク粉の加工度を表すものであると言える。従って、アスペクト比の値が0.02未満の場合には、粉粒の厚さが薄くなりすぎ、粉粒内部の転位密度の上昇及び結晶粒の微細化が急激に起こり始め、抵抗の上昇を引き起こすと共に粗粒の発生が顕著となるのである。これに対し、アスペクト比の値が0.5を超えると、加工度が低く扁平率が低いため、粉粒同士の十分な接触界面面積の改善が行えず、形成した導体の抵抗を下げる事が出来なくなるのである。
以上に述べてきた粉体特性に関しては、以下に述べる製造方法で用いる芯材としての銀銅粉の基本的粉体特性により左右されるものであると考えられるが、微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造過程において粒子凝集を起こせば粉体特性は劣化するのであり、製造過程において粒子凝集を極力回避出来る製造方法を見いだすことが出来て、初めて製造可能な製品である。
本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の特徴は、低温焼結性に優れ、その粉体を用いて形成した膜抵抗が0.01mΩ・cm〜2.0mΩ・cmの範囲の低抵抗を示す。従って、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉をペースト化、インク化するなりして得られる導体の電気的抵抗を低くすることが可能となる。
更に、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉は、銀含有量が20wt%〜90wt%、残部銅及び不可避不純物という組成を備え、電気の良導体である銀含有量が比較的高く、且つ、均一に分布しているために、上記の形成導体の低抵抗化を促進するものとなる。ここで、銀含有量が20wt%未満の場合には、製品の微粒銀粒子付着銀銅複合粉を導電性ペースト等に加工して形成する導体の導体抵抗の改善が出来ず、銀を含有させる意義が無くなる。一方、銀含有量を90wt%を超えるものとすると、トータル銀量が多くなりすぎて、マイグレーションを防止する効果は得られず、成分的に不均一な銀銅複合粉が得られやすく、経済的に高価となるだけで好ましくない。そして、上述の導体抵抗の改善、マイグレーション防止効果、経済性をバランス良く確保するためには、微粒銀粒子付着銀銅複合粉の銀含有量を40wt%〜60wt%の範囲とすることがより好ましい。なお、微粒銀粒子付着銀銅複合粉としての銀含有量を測定する場合には、微粒銀粒子付着銀銅複合粉を全溶解して、イオンプラズマ発光分光分析装置(ICP)を用いて分析する手法を採用する。
以上に述べてきたような微粒銀粒子付着銀銅複合粉は、焼結可能温度が170℃以下となり、極めて良好な焼結性を示すこととなるのである。その結果、この微粒銀粒子付着銀合金粉を用いて銀ペースト(インク)を製造し、これを用いて回路等を形成する際に、充分な膜厚を確保して大電流でも使用可能な回路を得ることができる。しかも、粉粒同士の焼結が容易であるため、導体としての電気的低抵抗化及び導通信頼性が大幅に向上するのである。
芯材として用いる銀銅複合粉は、略球形状のもの、フレーク形状等の扁平形状のもの等を用いることができ、従来から存在する製造方法において製造条件を考慮することにより、ある程度シャープな粒度分布、分散性を確保することが可能となる。その結果、単体で見たときには分散性の乏しい銀ナノ粒子であっても、その銀ナノ粒子を芯材銀銅複合粉の表面に付着させた微粒銀粒子付着銀銅複合粉として用いることで、取り扱い性に優れ、ペースト加工する際には多量の保護コロイドを必要とせず、しかも従来の銀ペーストと同等の銀粒子含有量を達成することができ、回路等の形状を引き回した際の塗膜を厚くすることが可能となるのである。
(本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法)
本発明に係る製造方法は、「銀銅複合粉と、硝酸銀と錯化剤とを混合して攪拌溶解させて得られる銀錯体を含む溶液とを接触させ、ここに還元剤を加え微粒銀粒子を銀粉の粉粒表面へ析出させることを特徴とした微粒銀粒子付着銀粉の製造方法。」である。
銀銅複合粉: 本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造に用いる銀銅複合粉の内特に以下に述べる銀銅複合粉を用いることが好ましい。即ち、銀と銅とを含む銀銅複合粉であって、銅粉の粉粒表面に銀コート層を形成し、その銀コート銅粉を溶媒中で加熱し、銀と銅とを熱的に相互拡散させて得られるものを用いることが好ましい。この製造方法で得られた銀銅複合粉は、その粉粒内では表層で最も銀濃度が高く内部に行くほど銀濃度が低い傾斜濃度勾配を備えている。これに対し、アトマイズ法で得られた銀銅複合粉は、その粉粒内で銀と銅とが均一に混合し粉粒の内部と外部との銀濃度分布が同一である。
ここで、銅粉の粉粒表面への銀コート層の形成は、電気化学的な手法により形成した銀層であることが好ましい。電気化学的手法とは、置換析出法、無電解メッキ法、電解法を意図したものである。即ち、銅粉と銀粉とを攪拌混合して、銅粉の粉粒表面へ銀を固着させる等のメカノケミカル的な手法で形成した等に比べ、後述する湿式熱処理により、相互拡散が容易だからである。
そして、芯材としての銀銅複合粉は、銀含有量が20wt%〜55wt%、残部銅及び不可避不純物である組成とすることが好ましい。上述の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の組成を達成するためには、芯材である銀銅複合粉の組成を上記範囲に収めるべきだからである。
更に、芯材である銀銅複合粉は、その粉粒の表層部における銀と銅との成分量として、銀が10wt%〜60wt%、残部銅(但し、一定の不可避不純物を含む)であることが好ましい。このような粉粒の表層部における銀と銅との成分量を化学的分析手法を用いて測定することは困難である。そこで、本件発明者等は、エネルギー分散型EPMAを用いた粉粒表層部における簡易定量分析を採用することとした、このときの電子ビームの加速電圧は15keV、観察倍率5000倍以上の条件で、簡易定量分析した結果である。この結果、粉粒の表層部における銀の含有量が60wt%を超えると銀マイグレーションの起こりやすい傾向があり、且つ、高価な銀の無駄遣いとなる。そして、銀の含有量が10wt%以上でなければ、銀の良好な導電性を活用出来ない。そこで、エネルギー分散型EPMAを用いた粉粒表層部における簡易定量分析において、銀含有量が10wt%〜60wt%の範囲にあることが好ましい。
以上に述べてきた銀銅複合粉は、芯材に用いる銅粉として、その粉粒形状に特段の限定はないが、粉粒形状が略球状又はフレーク状の銅粉粒を用いるのも好ましい。本件発明で用いる銀銅複合粉は、微粒で、粒度分布に優れた銅粉を用いることで良好な粒子分散性を得ることが出来る。そして、この銀銅複合粉を用いることが、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造に好適である。
本件発明で用いる銀銅複合粉の内、略球状の粉粒からなる銀銅複合粉は、以下のI.〜III.の粉体特性を備えるものとすることができる。
粉体特性I.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が0.2μm〜6.0μmである。微粒銀粒子付着銀銅複合粉に加工したときの、上記粉体特性A.を満足させるために必要となる体積累積平均粒径D50の範囲である。従って、本件発明で用いる銀銅複合粉を特定する上で、粉体特性には含めていないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径D90も、粉体としての粒度分布の良好さを推し量る上での要素となる。上述のように体積累積平均粒径D50が0.2μm〜6.0μmの銀銅複合粉の体積累積粒径D90は、0.5μm〜10.0μmの範囲となる。
粉体特性II.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが20.0μm以下である。微粒銀粒子付着銀銅複合粉に加工したときの、上記粉体特性B.を満足させるために必要となる体積累積平均粒径Dmaxの範囲である。
粉体特性III.は、本件発明で用いる銀銅複合粉の比表面積が0.2m/g以上というものである。微粒銀粒子付着銀銅複合粉に加工したときの、上記粉体特性C.を満足させるために必要となる比表面積の範囲である。
更に、略球状の粉粒からなる銀銅複合粉の特定可能な粉体特性が存在する。タップ充填密度であるが、上記粉体特性を備える銀銅複合粉の場合には、1.0g/cm〜5.0g/cmの範囲となる。
そして、本件発明で用いる銀銅複合粉として、フレーク状の粉粒からなる銀銅複合粉は、以下のi.〜iii.の粉体特性を備えるもの用いる。
粉体特性i.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が1.0μm〜10.0μmである。微粒銀粒子付着銀銅複合粉に加工したときの、上記粉体特性a.を満足させるために必要となる体積累積平均粒径D50の範囲である。
また、本件発明に係るフレーク状の粉粒からなる銀銅複合粉を特定する上での、粉体特性には含めていないが、ここでもレーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径D90が、粉体としての粒度分布の良好さを推し量る上での要素となる。上述のように体積累積平均粒径D50が1.0μm〜10.0μmのフレーク状の銀銅複合粉の体積累積粒径D90は、3.0μm〜20.0μmの範囲となる。ここでも、体積累積粒径D90の値と体積累積平均粒径D50の値との間に大きな差異が無く、粒度分布としてみれば極めてシャープなものを芯材として用いる。
粉体特性ii.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが40.0μm以下である。微粒銀粒子付着銀銅複合粉に加工したときの、上記粉体特性b.を満足させるために必要となる体積累積平均粒径Dmaxの範囲である。
粉体特性iii.は、粉粒のアスペクト比(厚さ/[D50])が0.02〜0.5である。微粒銀粒子付着銀銅複合粉に加工したときの、上記粉体特性b.を満足させるために必要となるアスペクト比(厚さ/[D50])の範囲である。このアスペクト比は、フレーク粉の加工度を表すものであり、アスペクト比の値が0.02未満の場合には、粉粒の厚さが薄くなりすぎ、粉粒表面への微粒銀粉の付着が不均一になりやすい。これに対し、アスペクト比の値が0.5を超えると、加工度が低く扁平率が低いため、粉粒同士の十分な接触界面面積の改善が行えず、形成した導体の抵抗は球状粉と同等になる。
本発明で用いる銀銅複合粉の製造: 本発明で用いる銀銅複合粉の製造は、銅粉の粉粒表面に、銀コート層を形成した銀コート銅粉を用い、当該銀コート銅粉を湿式熱処理した後、濾過し、アルコール洗浄し、乾燥することを特徴とするものである。
銀銅複合粉を製造する際に芯材として用いる銅粉に関して説明する。ここで用いられる銅粉は、通常の電解法、還元法、アトマイズ法、機械的粉砕法等から得られる銅粉であり、その形状については特に制限はないが、略球形状又はフレーク形状が好ましく用いられる。また、銅粉は前処理したものが望ましく、前処理としては分級、希硫酸による洗浄、アルカリ性溶液による脱脂等の処理が挙げられる。例えば、純水に銅粉を添加し、攪拌後、希硫酸を加え、攪拌し、リパルプ洗浄を行った前処理銅粉が好ましく用いられる。
特に、本件発明で用いる銀銅複合粉の内、略球状の粉粒からなる銀銅複合粉を製造する場合、以下の以下のA’.〜C’.の粉体特性を持つ、略球状の銅粉を芯材として用いることが好ましい。
芯材としての銅粉の粉体特性A’.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が0.2μm〜5.0μmである。この範囲でなければ、上述した銀含有量(20wt%〜55wt%)となる範囲の銀コート銅粉を製造し、更に湿式熱処理した後の銀銅複合粉の粉体特性としての、体積累積平均粒径D50を0.3μm〜6.0μmの範囲に収めることが困難となる。
芯材としての銅粉の粉体特性B’.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが15.0μm以下である。この範囲でなければ、上述した銀含有量(20wt%〜55wt%)となる範囲の銀コート銅粉を製造し、更に湿式熱処理した後の銀銅複合粉の粉体特性としての、体積累積最大粒径Dmaxを20.0μm以下の範囲に収めることが困難となる。
そして、芯材としての銅粉の粉体特性C’.は、比表面積が0.1m/g以上である。この範囲でなければ、上述した銀含有量(20wt%〜55wt%)となる範囲の銀コート銅粉を製造し、更に湿式熱処理した後の銀銅複合粉の粉体特性としての、比表面積が0.2m/g以上を達成出来ない。また、芯材としての銅粉の比表面積が0.1m/g未満の場合には、銀コート銅粉を製造する場合の銀コート層の析出が不均一になる傾向にあり、湿式熱処理した後の粉粒表面での均一な銀と銅との分散組織が得られにくい傾向にある。
また、本件発明で用いる銀銅複合粉の内、フレーク状の粉粒からなる銀銅複合粉を製造する場合、以下のa’.〜c’.の粉体特性を持つ、フレーク状の銅粉を芯材として用いることが好ましい。
芯材としての銅粉の粉体特性a’.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が1.0μm〜8.0μmである。この範囲でなければ、上述した銀含有量(20wt%〜55wt%)となる範囲の銀コート銅粉を製造し、更に湿式熱処理した後の銀銅複合粉の粉体特性としての、体積累積平均粒径D50を1.0μm〜10.0μmの範囲に収めることが困難となる。
芯材としての銅粉の粉体特性b’.は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが30.0μm以下である。この範囲でなければ、上述した銀含有量(20wt%〜55wt%)となる範囲の銀コート銅粉を製造し、更に湿式熱処理した後の銀銅複合粉の粉体特性としての、体積累積最大粒径Dmaxを40.0μm以下の範囲に収めることが困難となる
そして、芯材としての銅粉の粉体特性c’.は、粉粒のアスペクト比(厚さ/[D50])が0.02〜0.5である。この範囲でなければ、上述した銀含有量(20wt%〜55wt%)となる範囲の銀コート銅粉を製造し、更に湿式熱処理した後の銀銅複合粉の粉体特性としての、粉粒のアスペクト比(厚さ/[D50])が0.02〜0.5を達成出来ない。また、芯材としての銅粉の粉粒のアスペクト比を0.02未満の粒径との相対的関係に於いて、薄くしようとすると、生産上のバラツキが大きく粗粒が発生しやすく好ましくないのである。
上述した如きフレーク銅粉は、従来の手法で得られた略球形の銅粉を、直接、ボールミル、ビーズミル等の粉砕機にかけ、メディアであるボールやビーズにより、粉粒を塑性変形させ扁平化させることでフレーク状にしても得ることは出来ない。一定の凝集状態にあり粉粒の凝集状態を解消することなく圧縮変形を行っても、粉粒同士の凝集状態が保たれたまま圧縮変形を受け、凝集状態のままのフレーク銅粉が得られ、粉粒同士が分散した状態にはならないからである。
従って、まず銅粉の凝集状態を破壊し、凝集粒子を分散化させる解粒処理を行い、その後、粉粒をフレーク状に圧縮変形する方法を採用することが好ましい。例えば、凝集状態にある乾燥した銅粉を遠心力を利用した風力サーキュレータを用いて円周軌道を描くように吹き上げ、その飛程中で凝集した粉粒同士を衝突させる。また、凝集状態にある銅粉を溶媒中に分散させた銅粉スラリーを、遠心力を利用した流体ミルを用いて、円周軌道を描くように高速でフローさせ、このときに発生する遠心力により凝集した粉粒同士を溶媒中で相互に衝突させ、解粒作業を行うのである。そして、この解粒処理の終了した略球形の銅粉を、高エネルギーボールミルを用いて処理することで、銅粉の粉粒を圧縮変形させ、フレーク銅粉とする方法を採用することが好ましい。ここで言う高エネルギーボールミルとは、ビーズミル、アトライター等のように銅粉を乾燥させた状態で行うか、銅粉スラリーの状態で行うかは問わず、メディアを用いて、銅粉の粉粒を圧縮して塑性変形させることのできる装置の総称として用いている。
上述の如き銅粉を芯材として用いて銀コート銅粉を製造するのであるが、ここで用いる銀コート銅粉は、湿式法で製造したものを用いることが好ましい。湿式法で銅粉の表面に銀コート層を形成すると、厳密に言えば、その銀コート層は純粋な銀層ではなく、芯材である銅粉の溶出した銅成分を含んだ組成となる傾向にある。そして、このような銅成分を含有した銀コート層を形成することで、後述する湿式熱処理による銀と銅との低温域での相互拡散が容易となる。
銀コート銅粉を湿式法で製造する場合、銅粉を水に分散したスラリー中にキレート化剤を添加して分散液とし、そこに銀含有溶液を添加して反応させ、さらに濾過して銅粉の粉粒表面に銀コート層を形成するのが好ましい。即ち、銀コート層の厚さ制御が容易で均一な膜厚の形成が可能だからである。
ここに用いられるキレート化剤は、銅イオンと安定な錯体を形成するものであり、銀イオンと反応しないものが望ましい。このようなキレート化剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン五酢酸、N,N,N′,N′−テトラエチルエチレンジアミン、ジエチレンジアミン、フェナントロリン、エチレンジオキシビス(エチルアミン)−N,N,N′,N′−四酢酸、ニトリロ三酢酸、ピコリロ酸及びこれらの組み合わせが用いられる。これらの中でエチレンジアミンテトラ酢酸塩(EDTA)を用いることが、銅のキレート錯体の安定性、試薬の安価性、作業性の点で優れているので好ましく用いられる。
銅粉に対するキレート化剤の添加量は、銅粉100重量部に対して、キレート化剤1重量部〜50重量部、好ましくは5重量部〜40重量部、さらに好ましくは10重量部〜35重量部である。上記添加量の範囲において、銅粉表面上での銅の水酸化物や酸化物を銅のキレート錯体に変え、銅粉表面への銀コートを速やかに、かつ効率よく行うことができる。従って、キレート化剤添加量が1重量部未満の場合には、後の銀コートが良好に行えない。一方、キレート化剤添加量が50重量部を超えても、銅粉表面への銀コート速度は上昇せず、コストを考えたときの工業的採算性を確保出来ない。そして、より好ましいとした範囲は、量産性と工程安定性とを考慮した結果である。
また、本発明に係る製造方法では、キレート化剤に加えて、必要に応じて種々の添加剤を加えることもできる。かかる添加剤としては、光沢剤や展延性向上のための塩化鉛、フェロシアン化カリウムやラウリン酸等の分散剤等が挙げられる。
本発明に係る製造方法では、銅粉を水に分散させたスラリー中にキレート化剤を添加、攪拌して得られた分散液に、銀含有溶液を加えて反応させる。ここで用いる銀含有溶液には、特に限定はないが、分散液中の銅粉重量を100重量部としたとき、銀として20重量部〜95重量部を含有するように添加することが好ましい。銅粉重量に対する銀の含有量が20重量部未満の場合には、銅粉の粉粒表面への銀コート量が、不足し本件発明で用いる銀銅複合粉に求められる最低の銀含有量を達成し得ない。一方、銅粉重量に対する銀の含有量が95重量部を超える場合には、銅粉の粉粒表面への銀コート量が、本件発明で用いる銀銅複合粉に求められる銀含有量の範囲を超える傾向が高く、しかも、銅粉の粉粒表面の銀コート層の厚さも不均一となる傾向にある。
そして、銀含有溶液として、最も工程安定性に優れるのが硝酸銀溶液である。ここで、硝酸銀溶液を用いる場合の濃度は、例えば10g/l〜300g/lに調整して用いられる。硝酸銀溶液は、20℃〜60℃に調整し、10分〜60分かけて添加することが好ましい。また、銅粉100重量部に対して、硝酸銀を約30重量部〜150重量部添加することが好ましい。上記範囲を外れると上述の銀含有量の範囲を外れる傾向がある。
上記分散液に銀含有溶液を添加することによって、即時に置換反応が開始し、銅粉の粉粒表面に銀が析出する。銀含有溶液の添加時及び添加後に分散液を攪拌することにより反応が一層促進されると同時に、反応層内における不均一な反応を防止するのである。
その後、攪拌された分散液と銀イオン溶液との混合溶液を濾過、洗浄することにより、銀コート銅粉が調製される。
ここで、湿式熱処理に関して説明する。以上のようにして得られた銀コート銅粉を純水中に分散した後、湿式熱処理を行う。湿式熱処理は50℃〜200℃の温度で、30分〜120分攪拌することによりなされる。このように湿式熱処理を行うことによって、銅中に銀コート層の銀が拡散し、銀と銅との均一な分散化がなされる。厳密に言えば、粉粒の表面から中心部に向かって銀濃度の勾配があり、高銀濃度から低銀濃度に変化していると考えられる。通常、異種金属間の相互拡散を起こさせる場合には、更に高い温度での加熱を必要とする。しかしながら、電気化学的な還元反応等により析出した金属層は、活性化した状態にあり、低温での加熱により結晶組織の転位の再編成等を起こしやすい結晶構造を持つ。更に、当初から銀コート層に一定量の銅が含まれていることもあり、低温での相互拡散が容易に行えると考える。そして、このような加熱を溶媒中で行うのは、大気との接触を極力防止し、粉粒表面の無用な酸化、汚染を防止するためである。
上記湿式熱処理後、濾過し、次いでアルコール洗浄し、乾燥することにより、銀銅複合粉が製造される。このときのアルコール洗浄は、水分の揮散を容易にするために用いるのであり、特に必須のものではない。アルコール洗浄には、メタノール、エタノールが一般的に用いられる。
ここで、フレーク状の銀銅複合粉を得るための、もう一つの手法に関して説明する。以上に述べてきたフレーク状の銀銅複合粉の製造は、芯材にフレーク状の銅粉を用いる場合に関して述べてきた。しかし、ここで得られた略球状の粉粒からなる銀銅複合粉を、粒径が0.5mm以下であり且つの比重が3.0g/cm〜6.5g/cmであるメディアビーズを用いて高エネルギーボールミルで圧縮し塑性変形させることで、フレーク状にすることも可能である。
ここで言う高エネルギーボールミルとは、ビーズミル、アトライター等のように銅粉を乾燥させた状態で行うか、スラリーの状態で行うかは問わず、メディアビーズを用いて、銀銅複合粉の粉粒を圧縮して塑性変形させることのできる装置の総称として用いているものである。そして、本件発明の場合には、メディアビーズの粒径及び材質の選定が非常に重要となる。
まず、粒径が0.5mm以下のメディアビーズを用いる。このメディアビーズの粒径は、次のような理由から規定した。メディアビーズの粒径が0.5mmを超えると、高エネルギーボールミルの内部で、メディアビーズが圧縮し塑性変形させる際の銀銅複合粉の粉粒が凝集し易くなり、結果として凝集粒子を圧縮塑性変形させるために粗大フレーク粉粒が生じることになり、粒度分布がブロードになるため、粒度分布がシャープな分散性の高いフレーク状の銀銅複合粉を得ることが出来なくなるのである。
更に、メディアビーズは、比重が3.0〜6.5g/cmのものを用いることが好ましい。メディアビーズの比重が3.0g/cm未満の場合には、メディアビーズの重量が軽くなりすぎて、銀銅複合粉の粉粒の圧縮変形に長時間を要し、生産性を考慮すれば、工業的に採用できる条件ではないのである。これに対し、メディアビーズの比重が6.5g/cmを超える場合には、メディアビーズの重量が重くなり、銀銅複合粉の粉粒の圧縮変形力が大きくなり、粉粒同士を凝集させやすくなると共に、変形後のフレーク銀銅複合粉の厚さの不均一が生じやすくなるのである。このようにして得られたフレーク状の銀銅複合粉は、その粒子表面が滑らかで、且つ、本件発明で芯材に要求される粉体特性を備え、フレーク状の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造効率を高めることが出来る
以上に述べた略球状若しくはフレーク状の粉粒からなる銀銅複合粉を、本件発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造に用いるのである。以下に述べる製造形態では、1リットルの純水に銀錯体を含有させた溶液に、50gの銀銅複合粉を分散させた銀銅複合粉スラリー中において、銀銅複合粉の粉粒表面に、銀ナノ粒子を付着させ微粒銀粒子付着銀銅複合粉を得る方法として説明する。
最初に、「硝酸銀と錯化剤とを混合して攪拌溶解させて得られる銀錯体を含む溶液」に関して説明する。上記条件の銀銅複合粉量を処理するためには、8g〜26gの硝酸銀を用いる。8g未満の硝酸銀では、実用上十分な微粒銀による被覆率を得ることが出来ず、26gを超える硝酸銀を用いても、それ以上に被覆率の向上が起こらないからである。そして、ここで用いる錯化剤は、亜硫酸塩、アンモニウム塩である。亜硫酸カリウムを用いる場合には、50g〜150gの範囲で用いるのである。亜硫酸カリウムの添加量が50g未満の場合には、銀の錯化が完全に行えず銀錯体を完全に生成し得ないのである。亜硫酸カリウムの添加量が150gを超えても、既に銀錯体を形成するための十分な量の錯化剤量は超えており、銀錯体を得るための反応速度が速くなることもなく不経済となるからである。上記硝酸銀を1リットルの純水に溶解させ、そこに錯化剤を加え、十分に攪拌して銀錯体を含む溶液を得るのである。
以上のようにして得られた銀錯体を含む溶液に前記の50gの銀銅複合粉を添加し、十分に攪拌するのである。そして、そこに還元剤を加えて還元反応を行わせ、銀銅複合粉の粉粒表面にナノオーダーの粒径を持つ微粒銀粉を均一に析出させるのである。このときに用いる還元剤は、ヒドラジン、DMAB、SBH、ホルマリン、次亜リン酸等が挙げられる。例えば、ヒドラジンを用いる場合には、5g〜50gのヒドラジンを200ml以下(0mlを含む)の純水に溶解し、これを60分以内(一括で添加する場合を含む)の時間で添加するのである。ヒドラジン量が5g未満では、還元がうまくいかず銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粉が均一に析出できないのである。そして、ヒドラジン量が50gを超えても還元速度が特に速くなると言うこともなく、経済性を損なうだけとなるのである。
そして、還元反応を行わせる際の液温は、室温〜45℃の範囲である。液温が45℃を超えると還元反応が速くなりすぎて、銀銅複合粉の粉粒表面への微粒銀粉の析出が不均一化しやすく、得られる微粒銀粒子付着銀合金粉の粒度分布を劣化させるのである。そして、上記還元剤濃度の範囲において、添加時間は5分間〜40分間程度の範囲を採用することが好ましい。5分未満の反応時間は、生成する粉粒の凝集が強くなる傾向がある。一方、40分もの添加時間を採用すれば、十分に均一な被覆が可能となるのである。
以上のようにして銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粉を還元析出すると、その後、濾別、洗浄、脱水、乾燥して、本発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉が得られるのである。ここで言う濾別、洗浄、脱水、乾燥に関しては、種々の方法を用いることが可能であり、特に、その手法、条件に関する限定は要さないものである。
本発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉は、種々の用途に用いることができ、特にインク(ペースト)として利用することができる。また、樹脂成分を自由に選定できることで、実装用接着剤にも適用できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。なお、ここで明示しておくが、以下の実施例では、芯材である銀銅複合粉と、その銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粒子を付着させた後の比表面積はむしろ小さくなる傾向にある。これは、微粒銀粒子の付着前の銀銅複合粉の表面が酸化して極めて微細な凹凸を備えるのに対し、微粒銀粒子を付着させると見かけ上の凹凸は大きくなっても、微細な凹凸形状が減少するためである。
<芯材である銀銅複合粉の製造>
銀銅複合粉の製造に用いる銅粉の硫酸洗浄: 純水1.33リットルに、体積累積平均粒径D50が1.0μmの略球状の粉粒からなる銅粉200gを添加し、5分攪拌した後、20%硫酸溶液を50g加え、20分攪拌し、1リットルの純水で3回リパルプ洗浄し、前処理銅粉とした。
銀コート銅粉の調製: 純水1リットルに上記前処理銅粉200gを添加し、攪拌後、EDTA26.6gを加え、5分攪拌して分散液を得た。次いで、硝酸銀94.4gを900mlの純水に溶解した硝酸銀溶液を40℃に保持し、上記分散液を攪拌しながら30分かけて加えて置換反応を行った。さらに、5分間攪拌後、濾過、洗浄し、銀コート銅粉を調製した。この銀コート銅粉の粉体特性等に関しては表1に掲載した。
銀銅複合粉の製造: 純水1.3リットルに、上記銀コート銅粉を添加し、80℃の液温で60分攪拌し、湿式熱処理を行った後、濾過し、次いでメタノール洗浄、乾燥を行い、銀銅複合粉を製造した。この段階の銀銅複合粉を比較例1として用いて、最終製品である微粒銀粒子付着銀銅複合粉と対比できるよう粉体特性等を表1に掲載した。
<微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造>
純水3200mlに硝酸銀54.1gと亜硫酸カリウム(錯化剤)275.3gを添加し、40℃で溶解させた。この溶液に上記銀銅複合粉160gとポリエチレンイミン49.3gを純水240mlに溶解したポリエチレンイミン溶液とを加え攪拌した。次いで、この混合溶液にヒドラジン(還元剤)32gを純水320mlに溶解したヒドラジン溶液を加え、還元反応を行い、濾過、洗浄し、微粒銀粒子付着銀銅複合粉を製造した。
このようにして製造された微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析と膜評価(比抵抗)を行い、その結果を実施例1として表1に示す。
Figure 2007100155
<実施例1と比較例1との対比>
このようにして製造された銀コート銅粉、銀銅複合粉及び微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と組成を表す化学分析等の結果を表1に示す。なお、表1では、粉体特性(D50、D90、Dmax、比表面積(SSA)、タップ充填密度(T.D))、粉粒を溶解してICP分析装置を用いた化学定量分析結果(表では「化学分析による含有量」と表示)、エネルギー分散型EPMAを用いた粉粒表層部における簡易定量分析結果(表では「EDXによる表層部の成分量」と表示)、膜比抵抗を銀コート銅粉から銀銅複合粉及び微粒銀粒子付着銀銅複合粉に変化した状態が分かるように示した。
粉体特性に関する所見: この表1から分かるように、銀コート銅粉を湿式熱処理し銀銅複合粉としても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり無い。しかしながら、比表面積(SSA)の値が変化しており、銀コート銅粉の比表面積に比べ、湿式熱処理した銀銅複合粉の比表面積が大きくなっている。これに対し、銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粒子を付着させた微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例1)と湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例1)とを対比しても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり無い。ところが、比表面積(SSA)の値は、実施例1の方が比較例1よりも小さくなっている。そして、実施例1と比較例1との膜比抵抗をみるに、実施例1の方が比較例1よりも小さな抵抗を示し、低温焼結が可能で電気的に良好な導電性を示すことが分かる。
成分量の変化に対する所見: 湿式熱処理を行う前後の銀コート銅粉と銀銅複合粉との銀及び銅の各含有量の化学定量分析結果に関しては、湿式熱処理により変化しないことが分かる。これに対して、エネルギー分散型EPMAを用いた粉粒表層部における簡易定量分析結果を見ると、銀コート銅粉としての表層での銀量が55.8wt%であるのに対し、湿式熱処理後の銀銅複合粉では表層での銀量が33.9wt%と少なくなっており、芯材である銅粉内に確実に拡散したことが理解出来る。
そして、湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例1)に微粒銀粒子を付着させ、微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例1)とすると、やはり銀含有量が化学分析の結果、EDX分析の結果共に増加している事が分かる。
なお、粒度分布の測定は、銀銅複合粉0.1gをSNディスパーサント5468の0.1%水溶液(サンノプコ社製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製 US−300T)で5分間分散させた後、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac HRA 9320−X100型(Leeds+Northrup社製)を用いて行った。平均粒径D50はレーザー回折散乱法で求められる累積体積が50%の時点における粒径(μm)であり、D90はレーザー回折散乱法で求められる累積体積が90%の時点における粒径(μm)であり、最大粒径Dmaxはレーザー回折散乱法で求められる累積体積が最大の粒径(μm)である。比表面積は、島津式比表面積測定装置SS−10を用いた透過法で求めた値である。また、タップ充填密度は、銀銅複合粉200gを精秤し、150cmのメスシリンダーに入れ、ストローク40mmで1000回の落下を繰り返しタッピングした後、銀銅複合粉の容積を測定するという方法で測定したものである。更に、膜比抵抗の測定は、粉体を用いて導電性ペーストを製造し、セラミック基板上に回路を引き回し、180℃〜250℃の温度範囲で抵抗測定可能な程度に焼結加工して得られた1mm幅回路を用いて測定したものである。なお、導電性ペーストの組成は、粉体85wt%、エチルセルロース0.75wt%、ターピネオール14.25wt%とした。これらの測定方法は、以下の実施例においても同様である。
<芯材である銀銅複合粉の製造>
純水1リットルに、実施例1で用いたのと同様の前処理銅粉200gを添加し、攪拌後、EDTA44.4gを加え、5分攪拌して分散液を得た。次いで、硝酸銀157.4gを900mlの純水に溶解した硝酸銀溶液を40℃に保持し、上記分散液に30分かけて攪拌下で加えて置換反応を行った。さらに、5分間攪拌後、濾過、洗浄し、銀コート銅粉を調製した。この銀コート銅粉の粉体特性等に関しては表2に掲載した。
得られた銀コート銅粉を実施例1と同様に湿式熱処理、濾過、メタノール洗浄、乾燥を行い、銀銅複合粉を製造した。この段階の銀銅複合粉を比較例2として用いて、最終製品である微粒銀粒子付着銀銅複合粉と対比できるよう粉体特性等を表2に掲載した。
<微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造>
実施例1と同様のプロセスを経て、微粒銀粒子付着銀銅複合粉を製造した。このようにして製造された微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析と膜評価(比抵抗)を行い、その結果を実施例2として表2に示す。
Figure 2007100155
<実施例2と比較例2との対比>
このようにして製造された銀コート銅粉、銀銅複合粉及び微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と組成を表す化学分析等の結果を対比する。
粉体特性に関する所見: この表2から分かるように、銀コート銅粉を湿式熱処理し銀銅複合粉としても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり無い。しかしながら、比表面積(SSA)の値が変化しており、銀コート銅粉の比表面積に比べ、湿式熱処理した銀銅複合粉の比表面積が大きくなっている。これに対し、銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粒子を付着させた微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例2)と湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例2)とを対比しても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり大きなものではない。ところが、比表面積(SSA)の値は、実施例2の方が比較例2よりも小さくなっている。そして、実施例2と比較例2との膜比抵抗をみるに、実施例2の方が比較例2よりも小さな抵抗を示し、低温焼結が可能で電気的に良好な導電性を示すことが分かる。この傾向は、実施例1と同様である。
成分量の変化に対する所見: 湿式熱処理を行う前後の銀コート銅粉と銀銅複合粉との銀及び銅の各含有量の化学定量分析結果に関しては、湿式熱処理により変化しないことが分かる。これに対して、エネルギー分散型EPMAを用いた粉粒表層部における簡易定量分析結果を見ると、銀コート銅粉としての表層での銀量が59.4wt%であるのに対し、湿式熱処理後の銀銅複合粉では表層での銀量が47.0wt%と少なくなっており、芯材である銅粉内に確実に拡散したことが理解出来る。
そして、湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例1)に微粒銀粒子を付着させ、微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例1)とすると、やはり銀含有量が化学分析の結果、EDX分析の結果共に増加している事が分かる。この傾向は、実施例1と同様である。
<芯材である銀銅複合粉の製造>
純水1リットルに、実施例1で用いたのと同様の前処理銅粉200gを添加し、攪拌後、EDTA62.2gを加え、5分攪拌して分散液を得た。次いで、硝酸銀220.4gを900mlの純水に溶解した硝酸銀溶液を40℃に保持し、上記分散液に30分かけて攪拌下で加えて置換反応を行った。さらに、5分間攪拌後、濾過、洗浄し、銀コート銅粉を調製した。この銀コート銅粉の粉体特性等に関しては表3に掲載した。
得られた銀コート銅粉を実施例1と同様に湿式熱処理、濾過、メタノール洗浄、乾燥を行い、銀銅複合粉を製造した。この段階の銀銅複合粉を比較例3として用いて、粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析等を実施例1と同様に行い、最終製品である微粒銀粒子付着銀銅複合粉と対比できるよう粉体特性等を表3に掲載した。
<微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造>
実施例1と同様のプロセスを経て、微粒銀粒子付着銀銅複合粉を製造した。このようにして製造された微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析と膜評価(比抵抗)を行い、その結果を実施例3として表3に示す。
Figure 2007100155
<実施例3と比較例3との対比>
このようにして製造された銀コート銅粉、銀銅複合粉及び微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と組成を表す化学分析等の結果を対比する。
粉体特性に関する所見: この表3から分かるように、銀コート銅粉を湿式熱処理し銀銅複合粉としても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり無い。しかしながら、比表面積(SSA)の値が変化しており、銀コート銅粉の比表面積に比べ、湿式熱処理した銀銅複合粉の比表面積が大きくなっている。これに対し、銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粒子を付着させた微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例3)と湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例3)とを対比しても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり大きなものではない。ところが、比表面積(SSA)の値は、実施例3の方が比較例3よりも小さくなっている。そして、実施例3と比較例3との膜比抵抗をみるに、実施例3の方が比較例3よりも小さな抵抗を示し、低温焼結が可能で電気的に良好な導電性を示すことが分かる。この傾向は、実施例1及び実施例2と同様である。
成分量の変化に対する所見: 湿式熱処理を行う前後の銀コート銅粉と銀銅複合粉との銀及び銅の各含有量の化学定量分析結果に関しては、湿式熱処理により変化しないことが分かる。これに対して、エネルギー分散型EPMAを用いた粉粒表層部における簡易定量分析結果を見ると、銀コート銅粉としての表層での銀量が59.4wt%であるのに対し、湿式熱処理後の銀銅複合粉では表層での銀量が47.0wt%と少なくなっており、芯材である銅粉内に確実に拡散したことが理解出来る。
そして、湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例1)に微粒銀粒子を付着させ、微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例1)とすると、やはり銀含有量が化学分析の結果、EDX分析の結果共に増加している事が分かる。この傾向は、実施例1及び実施例2と同様である。
<芯材である銀銅複合粉の製造>
原料銅粉として体積累積平均粒径D50が3.2μm、アスペクト比が0.1のフレーク状銅粉を用いた以外は実施例1と同様にして、銀コート量を変化させた3種類の銀コート銅粉(フレーク粉)とした。この3種類の銀コート銅粉の粉体特性等に関しては表4〜表6のそれぞれに分けて掲載した。
得られた3種類の銀コート銅粉を実施例1と同様に湿式熱処理、濾過、メタノール洗浄、乾燥を行い、銀銅複合粉(フレーク粉)を製造した。この段階の銀銅複合粉を、銀コート量に応じて比較例4−1〜比較例4−3として用い、粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析等を実施例1と同様に行い、最終製品である微粒銀粒子付着銀銅複合粉(フレーク粉)と対比できるよう粉体特性等を表4〜表6に掲載した。
<微粒銀粒子付着銀銅複合粉(フレーク粉)の製造>
上記3種類の銀銅複合粉を、実施例1と同様のプロセスを経て、3種類の微粒銀粒子付着銀銅複合粉(フレーク粉)とした。このようにして製造された微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析と膜評価(比抵抗)を行い、その結果を実施例4−1〜実施例4−3として表4〜表6に示す。
Figure 2007100155
Figure 2007100155
Figure 2007100155
<実施例4−1〜実施例4−3と比較例4−1〜比較例4−3との対比>
このようにして製造された銀コート銅粉、銀銅複合粉及び微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と組成を表す化学分析等の結果を対比する。ここでは、実施例4−1の比較対象は比較例4−1、実施例4−2の比較対象は比較例4−2、実施例4−3の比較対象は比較例4−3である。
粉体特性に関する所見: この表4〜表6から分かるように、フレーク状の銀コート銅粉を湿式熱処理し銀銅複合粉(比較例4−1〜比較例4−3)としても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しては、ややそれぞれの値が大きくなる傾向にある。また、比表面積(SSA)の値に関しても、銀コート銅粉の比表面積に比べ、湿式熱処理した銀銅複合粉の比表面積がやや大きくなっているが、球状粉程の明瞭な増加はない。これに対し、銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粒子を付着させた微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例4−1〜実施例4−3)と湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例4−1〜比較例4−3)とを対比しても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり大きなものではない。ところが、比表面積(SSA)の値は、実施例の方が比較例よりも小さくなっている。そして、実施例と比較例との膜比抵抗をみるに、実施例の方が比較例よりも明らかに小さな抵抗を示し、低温焼結が可能で電気的に良好な導電性を示すことが分かる。この傾向は、実施例1〜実施例3の球状粉と同様である。
成分量の変化に対する所見: 湿式熱処理を行う前後の銀コート銅粉と銀銅複合粉との銀及び銅の各含有量の化学定量分析結果に関しては、湿式熱処理により変化しないことが分かる。これに対して、エネルギー分散型EPMAを用いた粉粒表層部における簡易定量分析結果を見ると、銀コート銅粉としての表層での銀量に対し、湿式熱処理後の銀銅複合粉では表層での銀量が少なくなっており、芯材である銅粉内に確実に拡散したことが理解出来る。
そして、湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例4−1〜比較例4−3)に微粒銀粒子を付着させ、微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例4−1〜実施例4−3)とすると、やはり銀含有量が化学分析の結果、EDX分析の結果共に増加している事が分かる。この傾向は、実施例1〜実施例3の球状粉と同様である。
<芯材である銀銅複合粉の製造>
この実施例5では、銀−銅合金溶湯を用い公知のアトマイズ法により、球状の銀銅複合粉として製造した。この段階の銀銅複合粉が、比較例5であり、粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析等を実施例1と同様に行い、最終製品である微粒銀粒子付着銀銅複合粉と対比できるよう粉体特性等を表7に掲載している。
<微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造>
実施例1と同様のプロセスを経て、微粒銀粒子付着銀銅複合粉を製造した。このようにして製造された微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析と膜評価(比抵抗)を行い、その結果を実施例5として表7に示す。
Figure 2007100155
<実施例5と比較例5との対比>
このようにして製造された銀コート銅粉、銀銅複合粉及び微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と組成を表す化学分析等の結果を対比する。
粉体特性に関する所見: この表7から分かるように、銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粒子を付着させた微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例5)と湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例5)とを対比しても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり大きなものではない。ところが、比表面積(SSA)の値は、実施例5の方が比較例5よりも大きくなっている点が、実施例1〜実施例4までとは異なる。そして、実施例5と比較例5との膜比抵抗をみるに、実施例5の方が比較例5よりも小さな抵抗を示し、低温焼結が可能で電気的に良好な導電性を示すことが分かる。この膜抵抗に関する傾向は、実施例1〜実施例4と同様である。
成分量の変化に対する所見: 銀銅複合粉(比較例5)のトータル及び表層での銀量に比べ、微粒銀粒子を付着させ、微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例5)とすると、やはり銀含有量が化学分析(トータル銀量の分析)の結果、EDX分析(表層銀量の簡易分析)の結果共に増加している事が分かる。この傾向は、実施例1〜実施例5と同様であり、微粒銀粒子がしっかりと付着していることが理解出来る。
<芯材である銀銅複合粉の製造>
この実施例6では、銀−銅合金溶湯を用い公知のアトマイズ法により、銀銅複合粉として製造した実施例5に銀銅複合粉を、公知の方法でフレーク化した。この段階のフレーク化した銀銅複合粉が、比較例6であり、粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析等を実施例1と同様に行い、最終製品である微粒銀粒子付着銀銅複合粉と対比できるよう粉体特性等を表8に掲載している。
<微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造>
実施例1と同様のプロセスを経て、微粒銀粒子付着銀銅複合粉を製造した。このようにして製造された微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析と膜評価(比抵抗)を行い、その結果を実施例6として表8に示す。
Figure 2007100155
<実施例6と比較例6との対比>
このようにして製造されたフレーク状の銀コート銅粉、銀銅複合粉及び微粒銀粒子付着銀銅複合粉の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と組成を表す化学分析等の結果を対比する。
粉体特性に関する所見: この表8から分かるように、銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粒子を付着させた微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例6)と湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例6)とを対比しても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり大きなものではない。そして、比表面積(SSA)の値も、ここでは実施例6と比較例6とに大きな差異は見られない。しかしながら、実施例6と比較例6との膜比抵抗をみるに、実施例6の方が比較例6よりも遙かに小さな抵抗を示し、低温焼結が可能で電気的に良好な導電性を示すことが分かる。この膜抵抗に関する傾向は、実施例1〜実施例5と同様である。
成分量の変化に対する所見: 銀銅複合粉(比較例6)のトータル及び表層での銀量に比べ、微粒銀粒子を付着させ、微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例6)とすると、やはり銀含有量が化学分析(トータル銀量の分析)の結果、EDX分析(表層銀量の簡易分析)の結果共に増加している事が分かる。この傾向は、実施例1〜実施例5と同様であり、微粒銀粒子がしっかりと付着していることが理解出来る。
<芯材である銀銅複合粉の製造>
銀銅複合粉の製造に用いる銅粉の硫酸洗浄: 純水1.33リットルに、体積累積平均粒径D50が5.9μmの略球状の粉粒からなる銅粉200gを添加し、5分攪拌した後、20%硫酸溶液を50g加え、20分攪拌し、1リットルの純水で3回リパルプ洗浄し、前処理銅粉とした。
銀コート銅粉の調製: 実施例1と同様であるため、重複した記載を避けるため、説明を省略する。この銀コート銅粉の粉体特性等に関しては表9に掲載した。
銀銅複合粉の製造: 純水1.3リットルに、上記銀コート銅粉を添加し、80℃の液温で60分攪拌し、湿式熱処理を行った後、濾過し、次いでメタノール洗浄、乾燥を行い、銀銅複合粉を製造した。
次に、この銀銅複合粉を、媒体分散ミルであるVMG−GETZMANN社製のDISPERMAT D−5226を用いて、比重が5.8g/cmの0.3mm径のジルコニアビーズ600gをメディアビーズとして用い、溶媒に120gのメタノール、5gのカプリン酸を混合して用い、回転数2000rpmで3時間処理し、元粉の粉粒を圧縮して塑性変形させる事で、略球状の粉粒形状をフレーク状とした。この段階のフレーク状の粉粒からなる銀銅複合粉を比較例9として用いて、最終製品である微粒銀粒子付着銀銅複合粉(フレーク粉)と対比できるよう粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と化学分析等の粉体特性を表9に掲載した。
<微粒銀粒子付着銀銅複合粉(フレーク粉)の製造>
上記の銀銅複合粉を、実施例1と同様のプロセスを経て、微粒銀粒子付着銀銅複合粉(フレーク粉)とした。このようにして製造された銀コート銅粉(略球状粉)、銀銅複合粉(フレーク粉)及び微粒銀粒子付着銀銅複合粉(フレーク粉)の粒度分布(D50、D90、Dmax)、比表面積及びタップ充填密度の測定と組成を表す化学分析等の結果を表9に示す。
Figure 2007100155
<実施例9と比較例9との対比>
表9には、粉体特性(D50、D90、Dmax、比表面積(SSA)、タップ充填密度(T.D))、化学定量分析結果、簡易定量分析結果、膜比抵抗のそれぞれを銀コート銅粉から銀銅複合粉及び微粒銀粒子付着銀銅複合粉に変化した状態が分かるように示した。
粉体特性に関する所見: この表9から分かるように、銀コート銅粉は略球状の粉粒からなっている。これに対して、湿式熱処理した後の銀銅複合粉はフレーク状の粉粒からなるものである。従って、これらの粉体特性の内、D50、D90、Dmax、比表面積(SSA)、タップ充填密度(T.D)に関しての対比は、ほぼ意味をなさない。従って、対比可能なのは、化学定量分析結果及び簡易定量分析結果のみである。これに関しては、後述する。そこで、銀銅複合粉の粉粒表面に微粒銀粒子を付着させた微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例7)と湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例7)とを対比しても、粉体特性の内D50、D90、Dmax、タップ充填密度(T.D)に関しての変化はあまり無い。ところが、比表面積(SSA)の値は、実施例7の方が比較例7よりも小さくなっている。そして、実施例7と比較例7との膜比抵抗をみるに、実施例7の方が比較例7よりも小さな抵抗を示し、低温焼結が可能で電気的に良好な導電性を示すことが分かる。
成分量の変化に対する所見: 湿式熱処理を行う前後の銀コート銅粉と銀銅複合粉との銀及び銅の各含有量の化学定量分析結果に関して言えば、湿式熱処理により変化しないせず、トータル量の変化はないことが分かる。これに対して、エネルギー分散型EPMAを用いた粉粒表層部における簡易定量分析結果を見ると、銀コート銅粉としての表層での銀量が69.1wt%であるのに対し、湿式熱処理後の銀銅複合粉では表層での銀量が60.0wt%と少なくなっており、芯材である銅粉内に確実に拡散したことが理解出来る。
そして、湿式熱処理した銀銅複合粉(比較例7)に微粒銀粒子を付着させ、微粒銀粒子付着銀銅複合粉(実施例7)とすると、やはり銀含有量が化学分析の結果、EDX分析の結果共に増加している事が分かる。
本発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉は、銀銅複合粉の粉粒表面に、更に微粒の銀粉(銀ナノ粒子)を付着させた構成を持つため、従来の銀粉、銀被覆銅粉又は銀銅複合粉には見られないレベルの低温焼結性を発揮するものとなる。そして、従来に無い程、安定した低温焼結性を示すため、利用分野を大幅に拡大することが期待され、焼結工程のエネルギーコストを大幅に低減することが可能となるのである。また、該微粒銀粒子付着銀銅複合粉の芯材に用いる銀銅複合粉に、微粒化、均粒化したものを用いることで、特に優れた低温焼結性を示すものとなるのである。
一方、本発明に係る微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法は、工程の操業安定性に優れ、該微粒銀粒子付着銀銅複合粉を非常に効率よく製造できる方法であるため、市場に安価に高品質の微粒銀粒子付着銀銅複合粉供給を可能とする。

Claims (20)

  1. 芯材粉体の粉粒表面に微粒銀粉を付着させた粉粒から構成された粉体であって、
    芯材粉体は、銀銅複合粉であることを特徴とする微粒銀付着銀銅複合粉。
  2. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が0.3μm〜6.0μmの粉体特性を備える略球形状の粉粒からなる請求項1に記載の微粒銀付着銀銅複合粉。
  3. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが20.0μm以下の粉体特性を備える略球形状の粉粒からなる請求項2に記載の微粒銀付着銀銅複合粉。
  4. 比表面積が0.2m/g以上の粉体特性を備える略球形状の粉粒からなる請求項2に記載の微粒銀付着銀銅複合粉。
  5. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が1.0μm〜10.0μmの粉体特性を備えるフレーク形状の粉粒からなる請求項1に記載の微粒銀付着銀銅複合粉。
  6. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが40.0μm以下の粉体特性を備えるフレーク形状の粉粒からなる請求項5に記載の微粒銀付着銀銅複合粉。
  7. 粉粒のアスペクト比(厚さ/[D50])が0.02〜0.5の粉体特性を備えるフレーク形状の粉粒からなる請求項5に記載の微粒銀付着銀銅複合粉。
  8. 前記粉体を用いて形成した膜抵抗が0.01mΩ・cm〜2.0mΩ・cmである請求項1〜請求項7のいずれかに記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉。
  9. 銀含有量が20wt%〜90wt%、残部銅及び不可避不純物である請求項1〜請求項8のいずれかに記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉。
  10. 銀銅複合粉と、硝酸銀と錯化剤とを混合して攪拌溶解させて得られる銀錯体を含む溶液とを接触させ、ここに還元剤を加えて微粒銀粒子を銀銅粉の粉粒表面へ析出させることを特徴とする微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
  11. 微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、 銅粉の粉粒表面に、銀コート層を形成した銀コート銅粉を用い、当該銀コート銅粉を湿式熱処理した後、濾過し、アルコール洗浄し、乾燥して得られるものである請求項10に記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
  12. 前記銀コート銅粉は、銅粉を水に分散させたスラリー中にキレート化剤を添加して得られた分散液に、銀含有溶液を添加して反応させ、さらに濾過して銅粉の粉粒表面に銀コート層を形成したものである請求項11に記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
  13. 分散液中の銅粉重量を100重量部としたとき、銀として20重量部〜95重量部を含有するように銀含有溶液を、前記分散液に添加するものである請求項12に記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
  14. 上記キレート化剤がエチレンジアミンテトラ酢酸塩である請求項12に記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
  15. 上記湿式熱処理は、50℃〜200℃の温度の溶液中で、30分〜120分加熱処理するものである請求項11に記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
  16. 上記錯化剤は、亜硫酸塩又はアンモニウム塩である請求項10に記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
  17. 微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、銀含有量が20wt%〜55wt%、残部銅及び不可避不純物である請求項10〜請求項16のいずれかに記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
  18. 微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、略球状の粉粒であり、以下のI.〜III.の粉体特性を備えたものを用いる請求項10〜請求項17のいずれかに記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
    I. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が0.2μm〜6.0μm。
    II. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが20.0μm以下。
    III. 比表面積が0.2m/g以上。
  19. 微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、フレーク状の粉粒であり、以下のi.〜iii.の粉体特性を備えたものを用いる請求項10〜請求項17のいずれかに記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。。
    i. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積平均粒径D50が0.5μm〜10.0μm。
    ii. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積最大粒径Dmaxが40.0μm以下。
    iii. 粉粒のアスペクト比(厚さ/[D50])が0.02〜0.5。
  20. 微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法で芯材として用いる銀銅複合粉は、
    略球状の粉粒からなる銀銅複合粉を、粒径が0.5mm以下であり且つの比重が3.0g/cm〜6.5g/cmであるメディアビーズを用いて高エネルギーボールミルで圧縮し塑性変形させることで、フレーク状にしたものを用いる請求項10〜請求項17のいずれかに記載の微粒銀粒子付着銀銅複合粉の製造方法。
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