JP2004315835A - 異形銅粉及びその異形銅粉の製造方法並びにその異形銅粉を用いた導電性ペースト - Google Patents

異形銅粉及びその異形銅粉の製造方法並びにその異形銅粉を用いた導電性ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】従来の物理的手法を用いて製造したフレーク銅粉よりも、安価に製造することが可能で、粉体特性に優れたフレーク状等の異形銅粉を提供する。
【解決手段】本件発明は、湿式法で直接得られるフレーク状若しくはドロップ状をした異形銅粉を提供する。そして、その異形銅粉の製造方法として、硫酸銅溶液にアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加して溶液pHを調製し銅アンミン錯体を生成し、これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して反応させ、これに還元剤を一定条件下で添加して銅を晶出させ、濾別洗浄、洗浄、乾燥することを特徴とした異形銅粉の製造方法を採用する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本件出願に係る発明は、略球状の形状を持つ銅粉ではなく、フレーク状等に扁平化した異形銅粉及びその異形銅粉の製造方法並びにその異形銅粉を用いた導電性ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から銅粉は、銅ペーストの原料として広く用いられてきた。そして、銅ペーストは、プリント配線板の回路形成、セラミックコンデンサの外部電極に代表されるように各種電気的接点部等に応用され、電気的導通確保の手段に用いられてきた。
【0003】
通常、銅粉は略球形の形状をしており、銅ペーストにして導体形成を行った場合には、その導体の抵抗を上昇させることなく、しかも同時に、プリント配線板のビアホールの穴埋め等の場合には穴埋め性の向上、形成する導体の形状の精度等も望まれてきた。これらの市場要求に応えるため、銅ペーストの製造に用いる銅粉に、略球形の粉粒の銅粉を用いるのではなく、フレーク状の粉粒で構成された銅粉(本件明細書においては、単に「フレーク銅粉」と称する。)を用いることが検討されてきた。フレーク銅粉は、鱗片化又は扁平化した形状であるが故に、粉粒の比表面積が大きくなり、粉粒同士の接触面積が大きくなるため、電気的抵抗を減少させ、導体形状の精度を上げるには非常に有効な方法であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−325612号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフレーク銅粉は、専ら物理的な製造方法を採用し、略球形の銅粉の粉粒を押しつぶす等して得られるものであり、物理加工に要する費用分は、製品のコストアップとならざるを得なかった。
【0006】
しかも、従来の物理的手法で製造されたフレーク銅粉は、得られる粉粒が均一な粒径や厚さを備えるものでもなく、微細な粉粒の製品は存在せず、大きな粗粒がある一定の割合で含まれ、亀裂があるものも見られるという品質のもので、非常に広い粒度分布を持つ製品であった。
【0007】
このような品質のフレーク銅粉では、上述した意味での電気的抵抗改善という点でのある程度の目標は達成できても、銅粉としての品質安定性に欠け、銅ペーストに加工して形成する導体回路のファインパターン化、プリント配線板のビアホールの充填性を良好にすることが出来ないと言うのが現実であった。従って、従来のフレーク銅粉を用いた銅ペーストの用途は、粗いパターンの導体回路の形成に用いる等に限定されてきた。
【0008】
これらのことから分かるように、フレーク銅粉の粒度分布を揃え、しかも、より安価な製品が市場で求められてきたのである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本件発明者等は、従来のフレーク銅粉の持つ粒度分布がブロードであるという問題と、生産コストが高いという問題を解決することを目的に、鋭意研究を行った結果、従来の常識を覆し、湿式法で直接フレーク状の扁平形状等を持つ異形銅粉を得る方法を見いだすに到ったのである。そして、この製造方法で得られる異形銅粉は、従来のフレーク銅粉とは異なる表面状態及び従来にない形状を備えるものとなるのである。以下、本件発明を説明する。
【0010】
<異形銅粉> 最初に、本件発明に係る異形銅粉に関して説明する。この本件発明に係る異形銅粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を示したのが図1及び図2である。
【0011】
フレーク状の異形銅粉: 図1(A)が本件発明で言うところのフレーク状の銅粉であり、図1(B)が従来のビーズミルで変形加工させて得られるフレーク銅粉である。これらを対比すると明らかなように、図1(B)の従来のフレーク銅粉の表面は、物理加工された面が滑らかな鏡面状態となっていると考えられる。これに対し、図1(A)に示した本件発明に係るフレーク状の異形銅粉の表面状態は、湿式法で還元析出する微細な銅粉粒が平面的に連結しているように見受けられ、結果として、その表面に一定の凹凸が存在しており、従来のフレーク銅粉とは明らかに異なることが理解できる。
【0012】
従って、請求項では、「物理的手法を用いることなく湿式法で直接得られる異形銅粉であって、当該異形銅粉は、その粉粒表面に微細な凹凸を備えるフレーク形状であることを特徴とした異形銅粉。」としているのである。
【0013】
更に、湿式を用いて得られたフレーク状の異形銅粉は、極めて優れたシャープな粒度分布を備えており、「異形銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90/D10で表される値が4.0以下であることを特徴とするフレーク形状の異形銅粉。」というものとなる。
【0014】
なお、D10、D50、D90及びDmaxとは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる重量累積10%、50%、90%における粒径及び最大粒径のことであり、フレーク銅粉0.1gをSNディスパーサント5468の0.1%水溶液(サンノプコ社製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製 US−300T)で5分間分散させた後、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac HRA 9320−X100型(Leeds+Northrup社製)を用いて測定したものである。
【0015】
ここで、従来の物理的手法を用いて製造したフレーク銅粉の粉体特性がどの程度のものであるかを認識しておく必要があるため、本件発明者等が従来のフレーク銅粉の諸特性を調査した結果を、表1に示す。
【0016】
【表1】
Figure 2004315835
【0017】
この表1に示した結果の内、まず注目すべきは標準偏差SDの値である。この標準偏差SDとは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる全粒径データのバラツキを表す指標であり、この値が大きな程、バラツキが大きなものとなる。従って、ここで測定した5ロットの標準偏差SDの値は、0.343〜14.280の範囲でばらついていることが分かり、ロット間の粒径分布のバラツキが非常に大きな事が分かる。次に、変動係数であるSD/D50の値に着目すると0.55〜0.87の範囲でバラツクという結果が得られており、且つ、D90/D10で表される値が4.04〜7.61の範囲でバラツクものとなっている。更に、Dmaxの値は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られた最大粒径を示すものであり、最大104.70μmという大きな粗粒が含まれている事も分かる。この従来のフレーク銅粉を、走査電子顕微鏡で観察したのが図1(B)から分かるように、従来の銅粉は、その粉粒の厚さが薄くなりすぎ、その厚さにも均一性が無いものであり、粉粒としての形状自体にも安定性が無いものなのである。
【0018】
これらの粉体特性を持つ従来のフレーク銅粉を用いて、銅ペーストを製造し、セラミックコンデンサの外部電極を製造した場合には形状精度がバラツキ、プリント配線板のビアホールの充填を行うと充填性及び形成した導体の電気抵抗にバラツキが生ずる事になるのである。
【0019】
ところが、本件発明に係るフレーク状の異形銅粉のように、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90/D10表される値が4.0以下であるものとすれば、導電性ペーストに加工した際の粘度の安定化が図れ、製造ロット間のバラツキが小さくなり、その導電性ペーストを用いて導体形成を行った場合にも、その導体の抵抗を上昇させることなく、同時に、プリント配線板のビアホールの穴埋め性を向上させ、形成する導体の形状の精度も著しく改善出来ることが判明したのである。
【0020】
更に、湿式法を用いて得られるフレーク状の異形銅粉は、物理的手法で製造されるフレーク銅粉に比べ、微細で形状安定性及び粒度分布に優れた粉粒を製造することが可能となる。特に、平均粒径が10μm以下の本件発明に係るフレーク状の異形銅粉の粒度分布は優れたものとなる。平均粒径が10μm以下のフレーク状の異形銅粉は、特にプリント配線板のビアホールの充填に用いる銅ペーストの原料として好適なものとなるのである。
【0021】
そこで、請求項には、「平均粒径が10μm以下、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.25〜0.50であり、且つ、異形銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D50とで表されるアスペクト比([平均厚さ]/[D50])の値が0.1〜0.4であることを特徴とするフレーク形状の異形銅粉。」としているのである。
【0022】
ここで、「平均粒径が10μm以下」としているのは、フレーク状の異形銅粉の平均粒径が10μm以下でなければ、100μm径以下のビアホール等の凹部の穴埋め性の改善を顕著に行うことが出来ないためである。そして、フレーク状の異形銅粉の粒径とは、扁平化した銅粉の粉粒を観察した際の、粉粒の長径方向の長さを意味するものとして用いており、走査型電子顕微鏡等を用いて粉粒を直接観察することにより測定するものである。
【0023】
ここで述べたアスペクト比を備えるフレーク状の異形銅粉を導電性ペーストにして導体形成を行った場合には、その導体の抵抗を上昇させることなく、同時に、プリント配線板のビアホールの穴埋め性を向上させ、形成する導体の形状の精度も、更に著しく改善出来るのである。特に、低抵抗を実現できるという面において優れるものとなるのである。
【0024】
フレーク状の異形銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D50とで表されるアスペクト比([厚さ]/[D50])の値が0.1〜0.4としている。このアスペクト比は、フレーク状の異形銅粉の扁平度を表すものであると言える。従って、アスペクト比の値が0.1未満の場合には、粉粒の厚さが薄くなりすぎ、形成した導体の電気抵抗の上昇を引き起こすのである。これに対し、アスペクト比の値が0.4を超えると、扁平率が低いため、粉粒同士の十分な接触界面面積が得られず、形成した導体の電気抵抗を下げる事が出来なくなるのである。
【0025】
更に、本件発明に係るフレーク銅粉は、その粉粒形状が従来にない特異なものであるため、300kgf以上の応力で圧縮した圧粉体の圧縮密度が4g/cm以下となる。このことを表したのが図3の圧縮密度−圧縮圧の関係図である。このときの圧縮密度の測定は、三菱化学株式会社の粉体抵抗測定システムである圧密装置MCP−PD41を用いて、銅粉15gを用いて行ったものである。この図2に●でプロットしたa線が略球形の銅粉のみを用いたものであり、最も圧縮密度が高くなるのである。図2に□,■でプロットしたb線が、メカニカル加工により得られた従来のフレーク銅粉を用いたものである。これらに対し、図2に△,▲でプロットしたc線が、本件発明に係るフレーク銅粉を用いたものである。このことから分かるように、いずれの圧力で圧縮した場合でも、本件発明に係るフレーク銅粉を用いた場合の粉体密度が、最も低く充填性が低くなることが分かる。従って、本件発明に係るフレーク銅粉を導電性ペーストに加工して導体形状を描き、焼結加工すると焼成時の脱バインダー反応のガス抜けが良好に維持できる事になるのである。
【0026】
そして、図3には、圧粉抵抗−圧縮密度との関係を示している。この図3に●でプロットしたa線が略球形の銅粉のみを用いたものであり、最も圧粉抵抗が高くなるのである。図3に□,■でプロットしたb線が、メカニカル加工により得られた従来のフレーク銅粉を用いたものである。これらに対し、図3に△,▲でプロットしたc線が、本件発明に係るフレーク銅粉を用いたものである。このことから分かるように、本件発明に係るフレーク銅粉を用いた場合の圧粉抵抗が最も低くなり、良好な電気的導電性の確保が可能なことを示唆しているのである。即ち、図2及び図3から総合的に判断できるのは、本件発明に係るフレーク銅粉を用いた場合の粉体密度の充填性は低くなるが、良好な電気的導電性の確保が可能なものとなると言えるのである。
【0027】
更に、本件発明に係るフレーク状の異形銅粉、従来のメカニカル加工により製造したフレーク銅粉との粉体特性の違いは、([圧縮密度(50kgf)]−[圧縮密度(5kgf)])/[圧縮密度(5kgf)]という式で算出される値(以下、この値を「P値」と称することとする。)でも顕著な差違を示すのである。本件発明者等が確認した限りにおける結果を示すと、従来のメカニカル加工により製造したフレーク銅粉のP値は0.105〜0.120の範囲であり、これに対し本件発明に係るフレーク状の異形銅粉のP値は0.01〜0.08であり、圧縮圧力に対する応答性が小さいことが分かり、結果として粉粒の分散性が高いことを示唆することになるのである。
【0028】
ドロップ状の異形銅粉: 以下に述べる異形銅粉は、従来の銅粉にない、極めて特殊な形状をしている。即ち、図4(A)及び図4(B)に示した如き、粉粒自体が薬剤の錠剤の如き形状、やや長細い紡錘状の形状等であり、これらを総称して本件明細書では「ドロップ状」又は「ドロップ形状」と称しているのである。以下、そのドロップ形状の異形銅粉に関して説明することとする。
【0029】
このドロップ状の異形銅粉は、上述したフレーク状の異形銅粉のように微細な析出銅粒が連結しているようには見られず、湿式で出来たことを想起させるような微細な表面凹凸が見られる。従って、請求項には「物理的手法を用いることなく湿式法で直接得られる異形銅粉であって、当該異形銅粉は、粉粒表面に微細な凹凸を備えるドロップ形状であることを特徴とした異形銅粉。」としているのである。このドロップ形状の異形銅粉は、以下に述べる製造方法を採用することにより初めて得られるようになったものであり、従来の銅粉では全く存在しなかったものである。
【0030】
従って、今後どのような用途に最も適するものとなるかさえ現段階では明らかではない。しかしながら、ドロップ状の異形銅粉を用いて、銅ペーストを製造し、プリント配線板のビアホールの充填、プリント配線回路の引き回しに用いれば、形成される導体の膜密度を向上させることの出来る可能性があり、導体の電気抵抗を低くすることが期待できるのである。
【0031】
しかも、このドロップ状の異形銅粉も、湿式法を用いて製造されるものであるため、次のような分散性に優れた粉体特性を付与することが可能となるのである。即ち、「異形銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90/D10で表される値が3.0以下であることを特徴とするドロップ形状の異形銅粉。」とすることが可能なのである。ここで言う「SD/D50」、「D90/D10」の数値の持つ意味及び規定理由はフレーク状の異形銅粉と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0032】
また、上述したフレーク状の異形銅粉と同様に、以下に述べる湿式製造方法を採用したことから、粒径の微細化が可能であり、平均粒径が15μm以下の微細粒とすることが可能である。従って、「平均粒径が15μm以下、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.15〜0.35であり、且つ、異形銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D50とで表されるアスペクト比([平均厚さ]/[D50])の値が0.4〜1.6であることを特徴とするドロップ形状の異形銅粉。」とする事ができるのである。ここで言う「平均粒径」、「SD/D50」、「D90/D10」、アスペクト比の各数値の持つ意味及び規定理由はフレーク状の異形銅粉と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0033】
<異形銅粉の製造方法> 従来、湿式法を用いて銅粉を製造しようとしても、得られるのは粉粒が略球形のものであり、市場に於いても種々の形状の異形銅粉に対する要求も存在していなかった。しかしながら、本件発明者等の鋭意研究の結果、以下の方法で異形銅粉を得ることに成功したのである。
【0034】
異形銅粉製造の基本フロー: 基本的に「硫酸銅溶液にアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加して溶液pHを調製し銅アンミン錯体を生成し、これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して反応させ、これに還元剤I又は還元剤Iと還元剤IIとを添加して銅を晶出させることを特徴とした異形銅粉の製造方法。」を採用することにより、湿式法で直接異形銅粉を採取することに想到したのである。
【0035】
「硫酸銅溶液にアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加して銅アンミン錯体を含む溶液を生成し、」としているように、アンモニウムイオンを添加することは必須であり、硫酸銅溶液中の銅イオンと反応させ銅アンミン錯体を形成させるのである。ここで、硫酸銅溶液にアンモニウムイオンを添加するためには、アンモニウム塩含有溶液であって、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウムのいずれか一種又は二種以上を含有した溶液を用いることが好ましい。
【0036】
そして、硫酸銅溶液にアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加する場合がある。このときのアミノ酸は、後に加える還元剤の補助還元剤としての役割を果たすものであるが、この段階でアミノ酸を加えることで、後に添加する還元剤量を削減することも可能となるのである。ここで言うアミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、システインのいずれか一種又は二種以上の混合したものを用いれば、以下に述べる還元剤I及び還元剤IIとの相性に優れ、取扱いが容易であり、工程変動を引き起こすものではなく好ましいのである。
【0037】
以上に述べた溶液に、水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して反応させるのであるが、この工程は主に銅アンミン錯体から一酸化銅(CuO)を生成する工程と考えて良い。この水酸化アルカリ金属塩含有溶液とは、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液の1種又は2種を含有した溶液を用いることが好ましい。安価でしかも工程に悪影響を与えないからである。但し、この工程で完全に一酸化銅に変えるか一部を一酸化銅に変えるかでフレーク状の異形銅粉となるか、ドロップ状の異形銅粉となるかが定まるのである。このことに関しては以下で説明する。
【0038】
そして、最後に還元剤I又は還元剤Iと還元剤IIとを添加して銅を晶出させ異形銅粉とするのである。ここで言う「還元剤I」とは、単糖類及び還元性のある少糖類から選ばれる1種又は2種以上から成る粉状の還元剤のことであり、具体的にはアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースの1種又は2種以上で構成されたものである。この還元剤Iは、粉状又は濃度2.5mol/l以上の高濃度溶液として添加することが好ましい。粉状の還元剤Iを添加する方法が最も好ましいのであるが、溶液中での分散性を考慮して、還元剤Iを水、アルコール等の溶媒に2.5mol/l以上の濃度として溶解させた溶液を用いることも可能である。溶液として添加する際の還元剤Iの濃度が2.5mol/l未満の領域でも2.0mol/l以上であれば一定のレベルのプレート状の異形銅粉を得ることが可能であるが収率のバラツキが大きくなり、更に低濃度になると異形銅粉そのものが全く得られなくなるのである。以上に述べたようにして還元剤Iを用いることで、製品として得られる異形銅粉の粒度分布のバラツキを著しく小さくすることが可能となるのである。また、「還元剤II」とは、還元剤Iより還元能力の高い還元剤及び還元剤Iより標準電極電位の低い還元剤から選ばれる1種又は2種以上から成る還元剤のことであり、具体的にはヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルマリンの1種又は2種以上で構成されたものである。
【0039】
このような還元剤を用いることにより、起こる反応を大まかに捉えれば、水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して銅アンミン錯体から得た一酸化銅(CuO)を、還元剤I又は還元剤Iと還元剤IIとを添加して銅を晶出させるものであり、本件発明で言う異形銅粉を製造するためには、還元剤Iの添加条件が重要になる。還元剤Iは、一括で添加するか、溶液を攪拌しつつ添加速度を一定にして60分以内に添加を終了することが望ましいのである。これに対し、添加時間が60分を超えるものとすると、工業的生産性を満足しないものとなるばかりでなく、得られる異形銅粉の粉体特性のバラツキが大きく、粒度分布がブロードになり品質の低下を招くのである。しかしながら、本件発明者等の研究によれば、粒度分布をシャープに保とうとする場合の品質安定性の観点から、最も安定した品質が得られるのが還元剤Iを一括で添加して反応させる場合であり、少なくとも添加時間を30分以内に設定することで、ロット間での粒度分布の著しい安定化が図れることが明らかとなっている。この還元剤Iの添加速度に関しては、以下に述べる異形銅粉の形状毎の製造方法においても同様の概念を適用できるのである。以上のようにして、本件発明に係る異形銅粉を製造するのである。なお、還元剤IIに関しての添加方法に関しては、特に限定は要さない。
【0040】
フレーク形状の異形銅粉の製造方法1: この製造方法を、以下「フレーク製造方法1」と称する。具体的な製造方法に関して説明する。まず、フレーク形状の異形銅粉の2つの製造方法に関して述べることとする。1つの製造方法は、「フレーク形状の異形銅粉の製造方法であって、液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lの硫酸銅溶液に、銅含有量1molあたりアミノ酸が0.1mol〜1.0molとなるよう添加した溶液を用いて、これにアンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として、これを上記硫酸銅溶液に銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが1.5mol〜10.0molとなるよう添加してアンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とし、これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して、溶液pHを12〜14として反応させ一酸化銅(CuO)を生成し、これに銅含有量1molあたり還元剤Iが1.0mol〜2.0molとなるよう還元剤Iを粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として添加することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅をフレーク形状に晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴とした異形銅粉の製造方法。」である。この製造方法で重要なのは、最終還元には還元剤Iのみを用いる点である。
【0041】
この製造方法を時系列的に説明して行く。ここでは、「液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lの硫酸銅溶液」を出発原料として用いる。ここで液温を50℃〜90℃としているのは、液温が50℃未満となっても液温が90℃を超えることになっても、反応速度が適正ではなく、良好な形状と粒度分布を持つフレーク状の異形銅粉を得ることが出来ないのである。即ち、液温50℃〜90℃の範囲は、適正な反応速度を得られる範囲として定めたものであり、工程の最後までこの温度範囲に維持し、異形銅粉を得ることが好ましいのである。そして、硫酸銅溶液の銅濃度は、0.1mol/l〜5.0mol/lの範囲のものを用いることが好ましい。銅濃度が0.1mol/l未満の場合には、生産効率が悪く工業生産ベースに合致しないのである。一方、銅濃度が5.0mol/lを超えると、液温の変動に応じて鋭敏に再結晶が起こりやすく、溶液管理が煩雑化し、得られるフレーク状の異形銅粉の形状バラツキも大きくなるのである。
【0042】
この硫酸銅溶液に添加するアミノ酸は、硫酸銅溶液に含まれる銅含有量1molあたりアミノ酸が0.1mol〜1.0molとなるよう添加するのである。アミノ酸量が0.1mol未満の場合には、最終還元を還元剤I単独で行うことは出来ないものとなるのである。これに対し、アミノ酸量が1.0molを超えるように添加しても何ら問題ないが、還元速度も向上せず、資源の無駄遣いとなるのである。
【0043】
このアミノ酸を添加した硫酸銅溶液に、アンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として、これを上記硫酸銅溶液に銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが1.5mol〜10.0molとなるよう添加するのである。このときの溶液は、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む状態になるのである。ここで用いるアンモニウム塩含有溶液は、上述したとおりである。
【0044】
そして、次に、水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加する。水酸化アルカリ金属塩含有溶液とは、上述したとおり水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液の1種又は2種を含有した溶液を用いることが好ましいのことである。水酸化アルカリ金属塩含有溶液は、そのときの溶液pHが12〜14の範囲となるよう添加し、一酸化銅(CuO)を生成するのである。
【0045】
そして、上述の水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加しての反応が終了すると、これに銅含有量1molあたり1.0mol〜2.0molの還元剤Iを添加して還元することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅を晶出させフレーク形状の異形銅粉を得るのである。本件発明で用いる還元剤Iは、所謂アルドヘキソースであり、ペンタオキシアルデヒド(CHOH(CHOH)CHO)の16種の立体異性体の全てを含む概念のものである。より具体的には、前述したようにアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースである。最終的には、フレーク形状に晶出した異形銅粉を濾別分離して、洗浄、乾燥させることで、フレーク形状の異形銅粉が得られるのである。このときの濾過方法、洗浄方法、乾燥条件等に関しては、特に制限はなく、種々の方法を採用することが可能である。
【0046】
フレーク形状の異形銅粉の製造方法2: この製造方法を、以下「フレーク製造方法2」と称する。この製造方法で出発原料として用いる硫酸銅溶液は、前述の製造方法と同様に液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lのものである。異なるのは、その硫酸銅溶液に、添加するアミノ酸量であり、アミノ酸添加量を少なくした場合の製造方法と言えるのである。
【0047】
即ち、銅含有量1molあたりアミノ酸が0.1mol未満となるよう添加した溶液とするのである。0.1mol未満であるから、当然にアミノ酸を全く含まない0molをも包含する概念として用いている。このように、還元助剤として機能すると考えられるアミノ酸の添加量を減量する結果、最終的な還元に粉状の還元剤Iだけではなく、還元剤IIを組みあわせて用いなければならないこととなる。この点は後述するものとする。
【0048】
0.1mol未満のアミノ酸を含む硫酸銅溶液に、上述したと同様のアンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とする点は、前述のフレーク製造方法1と同様であるため、重複した記述を避けるため、ここでの説明は省略する。
【0049】
また、次の、「水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して、溶液pHを12より大として反応させ一酸化銅(CuO)を生成する」点に関しても、前述のフレーク製造方法1とほぼ同様であるため、重複した記述を避けるため、ここでの詳細な説明は省略する。しかしながら、工程のバラツキと製品品質のバラツキを考慮すると、pH12.5より強アルカリ状態とすることが最も望ましい。ここでの溶液pHを12より大としているのは、pH12〜14の範囲であり、且つ、pH12を含まないという意味でフレーク製造方法1と異なるのである。
【0050】
そして、これに銅含有量1molあたり0.4mol〜2.0molの還元剤I(還元剤Iを粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として添加するもの)及び銅含有量1molあたり1.0mol〜3.0molの還元剤IIを添加して還元することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅をフレーク形状に晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させるのである。このように還元剤Iと還元剤IIとを組みあわせて用いる必要性が生じるのは、当初の硫酸銅溶液に添加する還元助剤であるアミノ酸の添加量が少ないためである。即ち、出発原料である硫酸銅溶液に含まれるアミノ酸が、銅含有量1molあたり0.1mol未満の場合には、最終還元に還元剤Iと還元剤IIとを組みあわせて用いることが必須となるのである。最終的には、フレーク形状に晶出した異形銅粉を濾別分離して、洗浄、乾燥させることで、フレーク形状の異形銅粉が得られるのである。このときの濾過方法、洗浄方法、乾燥条件等に関しては、特に制限はなく、種々の方法を採用することが可能である。
【0051】
ドロップ形状の異形銅粉の製造方法: この製造方法を、以下「ドロップ製造方法」と称する。この製造方法で出発原料として用いる硫酸銅溶液は、フレーク製造方法1と同様に液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lのものである。最初に異なるのは、その硫酸銅溶液に、添加するアミノ酸量である。
【0052】
即ち、銅含有量1molあたりアミノ酸が1.0mol未満となるよう添加した溶液とするのである。1.0mol未満であるから、当然にアミノ酸を全く含まない0molをも包含する概念として用いている。このように、還元助剤として機能すると考えられるアミノ酸の添加量を減量する結果、フレーク製造方法2と同様に最終的な還元に粉状の還元剤Iだけではなく、還元剤IIを組みあわせて用いなければならないこととなる。ここで、アミノ酸を銅含有量1molあたり1.0mol以上とすると、ドロップ状の異形銅粉の収率が低下するのである。
【0053】
1.0mol未満のアミノ酸を含む硫酸銅溶液に、上述したと同様のアンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、これを上記硫酸銅溶液に銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが1.5mol〜10.0molとなるよう添加してアンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とする点は、前述のフレーク製造方法1と同様であるため、重複した記述を避けるため、ここでの説明は省略する。
【0054】
そして、次に、水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加するのであるが、この工程がドロップ製造方法において最も特徴的な部分である。この水酸化アルカリ金属塩含有溶液の添加量は、上述したフレーク製造方法1及びフレーク製造方法2と比べて、少量の水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液の一種又は二種を含有した溶液を用いるのである。即ち、水酸化アルカリ金属塩含有溶液を、溶液pHが10〜12の範囲となるよう添加し、酸化銅と水酸化銅との混合状態とするのである。ここで、溶液pHが10未満だと良好な酸化銅と水酸化銅との混合状態が得られず、溶液pHが12を超えると、水酸化銅が生成せず、銅アンミン錯体が一酸化銅に転化して、ドロップ状の異形銅粉の製造が不可能となるのである。
【0055】
そして、これに銅含有量1molあたり0.4mol〜2.0molの還元剤I(還元剤Iを粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として添加するもの)及び銅含有量1molあたり1.0mol〜3.0molの還元剤IIを添加して還元することで前記酸化銅と水酸化銅との混合状態から銅をドロップ形状に晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させるのである。また、フレーク製造方法2と同様に、還元剤Iと還元剤IIとを組みあわせて用いる必要性が生じるのは、当初の硫酸銅溶液に添加する還元助剤であるアミノ酸の添加量が少ないためでもある。最終的には、ドロップ形状に晶出した異形銅粉を濾別分離して、洗浄、乾燥させることで、ドロップ形状の異形銅粉が得られるのである。このときの濾過方法、洗浄方法、乾燥条件等に関しては、特に制限はなく、種々の方法を採用することが可能である。
【0056】
<導電性ペースト> 以上に述べてきた異形銅粉は、粒度分布が非常にシャープであり、分散性に優れるため、これらの異形銅粉を用いて製造した導電性ペーストは、ロット間のペースト粘度の安定性に優れたものとなる。また、本件発明に係る異形銅粉は、通常の銅粉である略球形の銅粉と混合して、有機ビヒクル内に分散させることで、従来にない導電性ペーストの品質を期待できるものとなるのである。
【0057】
そこで、請求項には、「本件発明に係るフレーク形状を持つ異形銅粉を含有した導電性ペースト。」、「本件発明に係るドロップ形状を持つ異形銅粉を含有した導電性ペースト。」、「本件発明に係るフレーク形状を持つ異形銅粉と、本件発明に係るドロップ形状を持つ異形銅粉との双方を含有した導電性ペースト」の3種類を規定しているのである。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態をより理解しやすいように説明する。
【0059】
第1実施形態: この実施形態では、上述したフレーク製造方法1に示したフローに従って、フレーク形状の異形銅粉の製造を行った。硫酸銅溶液には、液温60℃、銅濃度2.0mol/lの硫酸銅溶液0.8リットル(銅含有量1.6mol相当)に、銅含有量1molあたりアミノ酸としてグリシンが0.3molとなるよう、35.7g(0.48mol相当)を添加した溶液調製した。
【0060】
そして、アンモニウム塩含有溶液として水酸化アンモニウムを3.2mol含む490mlの溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、これを上記硫酸銅溶液に添加し、銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが2.0molとなるようして、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とした。
【0061】
これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液として25%水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液pHを12.5として反応させ一酸化銅(CuO)を生成した。
【0062】
これに還元剤Iとして、3.5mol/l濃度のグルコース水溶液を用いて銅含有量1molあたり1.8molとなるように、522g(2.9mol)を一定の添加速度で10分間かけて添加して還元することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅をフレーク形状に晶出させた。その後、濾別分離して、洗浄、乾燥させることで図1(A)に示した如きフレーク状の異形銅粉を得たのである。
【0063】
以上のようにして得られたフレーク状の異形銅粉の諸特性は、表2に試料1として示している。この表2に示した結果から分かるように、最大粒径Dmaxが26.16μmであって粗大粒は見られず、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積D10、D50、D90、及びレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.35であり、D90/D10で表される値が2.66、アスペクト比が0.15となっている。そして、圧縮試験の結果、300kgfの応力で圧縮したときの圧縮密度は2.8g/cm、P値は0.035であった。従って、本件発明に係るフレーク状の異形銅粉の具備すべき要件を満足するものであることが分かるのである。
【0064】
次に、本件発明者等は、上述の製造方法でフレーク状の異形銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、各ロットのフレーク状の異形銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定したのである。このエポキシ系導電性ペーストは、フレーク状の異形銅粉を85重量部、第1のエポキシ樹脂には油化シェル社製のエピコート806を3.5重量部、第2のエポキシ樹脂には東都化成株式会社製のYD−141を10.2重量部、エポキシ樹脂硬化剤として味の素株式会社製のアミキュアMY−24を1.3重量部として、これらを混錬したものである。以上のようにして得られた10ロットのエポキシ系導電性ペーストの粘度を測定すると450Pa・s〜500Pa・sの範囲に収まっており、ロット間変動が非常に小さく、粉体特性が非常に安定していることが推察できるのである。
【0065】
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、25×10−6Ω・mであった。
【0066】
第2実施形態: この実施形態では、上述したフレーク製造方法2に示したフローに従って、フレーク形状の異形銅粉の製造を行った。硫酸銅溶液には、第1実施形態と同様のもの(液温60℃、銅濃度2.0mol/lの硫酸銅溶液0.8リットル)を用いた、銅含有量1molあたりアミノ酸としてグリシンが0.05molとなるよう、6.9g(0.08mol相当)を添加した溶液調製した。即ち、このグリシン添加量は、第1実施形態に比べ、少なくしているのである。
【0067】
そして、第1実施形態と同様に、アンモニウム塩含有溶液として水酸化アンモニウムを12.8mol含む1969mlの溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、これを上記硫酸銅溶液に添加し、銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが8.0molとなるようして、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とした。
【0068】
これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液として25%水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液pHを13.5として反応させ一酸化銅(CuO)を生成した点も第1実施形態と同様である。
【0069】
これに還元剤Iと還元剤IIとを添加した。還元剤Iには、3.0mol/l濃度のグルコース水溶液を用いて銅含有量1molあたり1.0molとなるように、289g(1.6mol)を一定の添加速度で3分間かけて添加した。還元剤IIには、ヒドラジンを用いて銅含有量1molあたり2.0molとなるように、160g(3.2mol)を一定の添加速度で30分間かけて添加した。このようにして還元することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅をフレーク形状に晶出させた。その後、濾別分離して、洗浄、乾燥させることで図1(A)に示した如きフレーク状の異形銅粉を得たのである。
【0070】
以上のようにして得られたフレーク状の異形銅粉の諸特性は、表2に試料2として示している。この表2に示した結果から分かるように、最大粒径Dmaxが26.16μmであって粗大粒は見られず、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積D10、D50、D90、及びレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.41であり、D90/D10で表される値が3.04、アスペクト比0.20となっている。そして、圧縮試験の結果、300kgfの応力で圧縮したときの圧縮密度は2.9g/cm、P値は0.051であった。従って、本件発明に係るフレーク状の異形銅粉の具備すべき要件を満足するものであることが分かるのである。
【0071】
次に、本件発明者等は、第1実施形態と同様の方法で、上述の製造方法でフレーク状の異形銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、各ロットのフレーク状の異形銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定した。その結果、ペースト粘度は、460Pa・s〜495Pa・sの範囲に収まっており、ロット間変動が非常に小さく、粉体特性が非常に安定していることが推察できるのである。
【0072】
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、23×10−6Ω・mであった。
【0073】
第3実施形態: この実施形態では、上述したフレーク製造方法2に示したフローに従って、フレーク形状の異形銅粉の製造を行った。硫酸銅溶液には、第1実施形態と同様のもの(液温60℃、銅濃度2.0mol/lの硫酸銅溶液0.8リットル)を用い、ここにアミノ酸を添加することを行わなかった。
【0074】
そして、第1実施形態と同様に、アンモニウム塩含有溶液として水酸化アンモニウムを9.6mol含む1477mlの溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、これを上記硫酸銅溶液に添加し、銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが6.0molとなるようにして、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とした。
【0075】
これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液として25%水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液pHを13.0として反応させ一酸化銅(CuO)を生成した点も第1実施形態と同様である。
【0076】
これに還元剤Iと還元剤IIとを添加した。還元剤Iには、粉状のグルコースを用いて銅含有量1molあたり1.0molとなるように、289g(1.6mol)を一括で添加した。還元剤IIには、ヒドラジンを用いて銅含有量1molあたり3.0molとなるように、240g(4.8mol)を一定の添加速度で40分間かけて添加した。このようにして還元することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅をフレーク形状に晶出させた。その後、濾別分離して、洗浄、乾燥させることで図1(A)に示した如きフレーク状の異形銅粉を得たのである。
【0077】
以上のようにして得られたフレーク状の異形銅粉の諸特性は、表2に試料3として示している。この表2に示した結果から分かるように、最大粒径Dmaxが22.00μmであって粗大粒は見られず、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積D10、D50、D90、及びレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.34であり、D90/D10で表される値が2.55、アスペクト比0.32となっている。そして、圧縮試験の結果、300kgfの応力で圧縮したときの圧縮密度は3.0g/cm、P値は0.043であった。従って、本件発明に係るフレーク状の異形銅粉の具備すべき要件を満足するものであることが分かるのである。
【0078】
次に、本件発明者等は、第1実施形態と同様の方法で、上述の製造方法でフレーク状の異形銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、各ロットのフレーク状の異形銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定した。その結果、ペースト粘度は、455Pa・s〜495Pa・sの範囲に収まっており、ロット間変動が非常に小さく、粉体特性が非常に安定していることが推察できるのである。
【0079】
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、20×10−6Ω・mであった。
【0080】
第4実施形態: この実施形態では、上述したドロップ製造方法に示したフローに従って、ドロップ形状の異形銅粉の製造を行った。硫酸銅溶液には、第1実施形態と同様のもの(液温60℃、銅濃度2.0mol/lの硫酸銅溶液0.8リットル)を用いた、銅含有量1molあたりアミノ酸としてグリシンが0.40molとなるよう、47.7g(0.64mol相当)を添加した溶液調製した。即ち、このグリシン添加量は、第1実施形態に比べ多くしているのである。
【0081】
そして、第1実施形態と同様に、アンモニウム塩含有溶液として水酸化アンモニウムを3.2mol含む490mlの溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、これを上記硫酸銅溶液に添加し、銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが2.0molとなるようして、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とした。
【0082】
これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液として25%水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液pHを11.0として反応させ、一酸化銅(CuO)と水酸化銅との混合状態を形成した。
【0083】
これに還元剤Iと還元剤IIとを添加した。還元剤Iには、3.5mol/l濃度のグルコース水溶液を用いて銅含有量1molあたり1.5molとなるように、434g(2.4mol)を一定の添加速度で15分間かけて添加した。還元剤IIには、ヒドラジンを用いて銅含有量1molあたり2.5molとなるように200g(4.0mol)を一定の添加速度で30分間かけて添加した。このようにして還元することで前記一酸化銅(CuO)と水酸化銅との混合状態から二酸化銅(CuO)を経て銅をドロップ形状に晶出させた。その後、濾別分離して、洗浄、乾燥させることで図4(A)に示した如きドロップ状の異形銅粉を得たのである。
【0084】
以上のようにして得られたドロップ状の異形銅粉の諸特性は、表2に試料4として示している。この表2に示した結果から分かるように、最大粒径Dmaxが52.33μmであって、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積D10、D50、D90、及びレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.29であり、D90/D10で表される値が2.08、アスペクト比が0.54となっている。従って、本件発明に係るドロップ状の異形銅粉の具備すべき要件を満足するものであることが分かるのである。
【0085】
更に、本件発明者等は、第1実施形態と同様の方法で、上述の製造方法でドロップ状の異形銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、各ロットのドロップ状の異形銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定した。その結果、ペースト粘度は、350Pa・s〜430Pa・sの範囲に収まっており、ロット間変動が非常に小さく、粉体特性が非常に安定していることが推察できるのである。
【0086】
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、25×10−6Ω・mであった。
【0087】
第5実施形態: この実施形態では、上述したドロップ製造方法に示したフローに従って、ドロップ形状の異形銅粉の製造を行った。硫酸銅溶液には、第1実施形態と同様のもの(液温60℃、銅濃度2.0mol/lの硫酸銅溶液0.8リットル)を用い、第4実施形態と同様に、銅含有量1molあたりアミノ酸としてグリシンが0.40molとなるよう、47.7g(0.64mol相当)を添加した溶液調製した。即ち、このグリシン添加量は、第1実施形態に比べ多くしているのである。
【0088】
そして、第1実施形態と同様に、アンモニウム塩含有溶液として水酸化アンモニウムを3.2mol含む490mlの溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、これを上記硫酸銅溶液に添加し、銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが2.0molとなるようして、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とした。
【0089】
これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液として25%水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液pHを11.0として反応させ、一酸化銅(CuO)と水酸化銅との混合状態を形成した。
【0090】
これに還元剤Iと還元剤IIとを添加した。還元剤Iには、3.0mol/l濃度のグルコース水溶液を用いて銅含有量1molあたり0.5molとなるように、144g(0.8mol)を一定の添加速度で20分間かけて添加した。還元剤IIには、ヒドラジンを用いて銅含有量1molあたり3.0molとなるように240g(4.8mol)を一定の添加速度で20分間かけて添加した。このようにして還元することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅をドロップ形状に晶出させた。その後、濾別分離して、洗浄、乾燥させることで図4(B)に示した如きドロップ状(紡錘状)の異形銅粉を得たのである。
【0091】
以上のようにして得られたドロップ状の異形銅粉の諸特性は、表2に試料5として示している。この表2に示した結果から分かるように、最大粒径Dmaxが44.00μmであって、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積D10、D50、D90、及びレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.30であり、D90/D10で表される値が2.11、アスペクト比0.90となっている。従って、本件発明に係るドロップ状の異形銅粉の具備すべき要件を満足するものであることが分かるのである。
【0092】
更に、本件発明者等は、第1実施形態と同様の方法で、上述の製造方法でドロップ状の異形銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、各ロットのドロップ状の異形銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定した。その結果、ペースト粘度は、300Pa・s〜400Pa・sの範囲に収まっており、ロット間変動が非常に小さく、粉体特性が非常に安定していることが推察できるのである。
【0093】
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、26×10−6Ω・mであった。
【0094】
【表2】
Figure 2004315835
【0095】
比較例1: この比較例では、従来のフレーク銅粉を製造した。最初に、フレーク銅粉の製造に用いた略球形の銅粉の製造に関して説明する。硫酸銅(五水塩)100kgを、温水に溶解させ液温60℃の200リットルの溶液とした。そして、ここに125リットルの25質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を60℃に維持しつつ、1時間の攪拌を行い、酸化第二銅を生成した。
【0096】
酸化第二銅の生成が終了すると、液温を60℃に維持し続け、ここに濃度450g/lのグルコース水溶液80リットルを、20分かけて一定の速度で添加し、酸化第一銅スラリーを生成した。ここで、このスラリーを一旦濾過し、洗浄した後、温水を加えて320リットルの再スラリーとした。
【0097】
次に、再スラリーに、1.5kgのアミノ酢酸及び0.7kgのアラビアゴムを添加し、攪拌して、溶液温度を50℃に保持した。この状態の再スラリーに、20質量%濃度の水加ヒドラジン50リットルを、60分かけて一定の速度で添加し、酸化第一銅を還元して銅粉として、銅粉スラリーを生成した。
【0098】
続いて、この銅粉スラリーを濾過し、純水で十分に洗浄し、濾過して水切りを行い、乾燥して銅粉を得た。
【0099】
次に、この銅粉を、媒体分散ミルであるWilly A.Bachofen AG Maschinenfabrik製のダイノーミル KDL型を用いて、0.7mm径のジルコニアビーズをメディアとして用い、溶媒にメタノールを用いて30分間分散し、銅粉の粉粒を圧縮して塑性変形させる事で、略球形の銅粉をアスペクト比が0.18のフレーク状の銅粉にした。この結果、得られたフレーク銅粉の粉体特性が、表1の試料番号5として示したものであり、粉粒が図1(B)に示す如き形態を備えるものである。そして、圧縮試験の結果、300kgfの応力で圧縮したときの圧縮密度は4.2g/cm以下、P値は0.117であった。従って、本件発明に係るフレーク銅粉の具備すべき要件を満足するものでないことが分かるのである。
【0100】
本件発明者等は、第1実施形態と同様の方法で、比較例の製造方法でフレーク銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、各ロットのフレーク銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定した。その結果、ペースト粘度は、420Pa・s〜600Pa・sの範囲になり、ロット間変動が非常に大きく、粘度が非常に不安定であることが分かるのである。
【0101】
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、50×10−6Ω・mであった。
【0102】
比較例2: この比較例では、第1実施形態の製造方法において、還元剤Iであるグルコースの添加速度を変更しただけである。従って、還元剤Iの添加操作以降に関してのみ説明する。
【0103】
還元剤Iには、粉状のグルコースを用いて、銅含有量1molあたり1.0molとなるように、289g(1.6mol)を添加速度を一定にして80分間かけて添加して還元した。その結果、晶出する銅粉の形状は異形銅粉とはならず、略球形となった。その後、濾別分離して、洗浄、乾燥させることで略球形の銅粉を得たのである。従って、上述の各実施形態で得られる銅粉とは、その粉粒形状が全く異なるため、粉体特性を直接的に対比できるものではないが、還元剤の添加速度が長すぎれば、本件発明に係る異形銅粉の製造が出来ないことの実証となる。以下、参考として、本件比較例で得られた略球形の銅粉の粉体特性を記載しておく。
【0104】
以上のようにして得られた略球形の銅粉の諸特性は、最大粒径Dmaxが44.0μmであって粗大粒は見られず、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積D10、D50、D90、及びレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.62であり、D90/D10で表される値が6.30となっていた。
【0105】
次に、本件発明者等は、上述の製造方法で略球形の銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、第1実施形態と同一の樹脂組成で、各ロットの銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定したのである。以上のようにして得られた10ロットのエポキシ系導電性ペーストの粘度を測定すると375Pa・s〜600Pa・sの範囲に収まっていた。
【0106】
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、45×10−6Ω・mであった。
【0107】
実施形態と比較例との対比: 比較例1と上記各実施形態とを比較すると、各実施形態の標準偏差が小さく、変動係数も小さくなっており、本件発明に係る異形銅粉は、非常にシャープな粒度分布を持っていることが分かるのである。そして、導電性ペーストに加工し、ペレットに加工して測定した抵抗値は、本件発明に係る異形銅粉の方が小さくなり、電気抵抗に優れた導体形成に有効であることが分かるのである。また、比較例2より明らかになるように、本件発明における異形銅粉の製造は、還元剤の添加速度が非常に重要であり、添加速度を適正な範囲に保つことが要求されるのである。
【0108】
【発明の効果】
本件発明に係るフレーク状若しくはドロップ状の異形銅粉は、従来市場に供給されてきた銅粉とは全く異なった粉粒形態をしたものである。従って、現段階において、これらの異形銅粉の用途がどのように広がっていくのかを推測することは困難である。しかしながら、その粉粒形状からして、導電性ペーストに加工して、導体を形成したときの導体の膜密度を向上させ、電気抵抗の低減化に大きく寄与するものとなるのではないかと考えられ、プリント配線板製造分野、積層セラミックコンデンサ等のチップ部品の電極形成等に有用となるのではないかと考えられる。また、本件発明に係る異形銅粉の製造には、物理的手法を全く用いることなく、専ら湿式法を採用しているためトータル製造コストを下げることが可能である。しかも、本件発明者等の見いだした製造方法は極めて工程変動に強く、得られる異形銅粉の粉体特性が極めて優れ、非常に高い分散性と非常にシャープな粒度分布を備えるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】フレーク状の異形銅粉と従来のフレーク銅粉との走査型電子顕微鏡観察像。
【図2】圧縮密度−圧縮圧の関係を表す図。
【図3】圧粉抵抗−圧縮密度の関係を表す図。
【図4】ドロップ状の異形銅粉の走査型電子顕微鏡観察像。

Claims (19)

  1. 物理的手法を用いることなく湿式法で直接得られる異形銅粉であって、
    当該異形銅粉は、微粒粉が平面的に連結し、その粉粒表面に微細な凹凸を備えるフレーク形状であることを特徴とした異形銅粉。
  2. 異形銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90/D10で表される値が4.0以下であることを特徴とするフレーク形状の請求項1に記載の異形銅粉。
  3. 平均粒径が10μm以下、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.25〜0.50であり、且つ、異形銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D50とで表されるアスペクト比([平均厚さ]/[D50])の値が0.1〜0.4であることを特徴とするフレーク形状の請求項1又は請求項2に記載の異形銅粉。
  4. 300kgf以上の応力で圧縮した圧粉体の圧縮密度が4g/cm以下である請求項1〜請求項3のいずれかに記載のフレーク形状の異形銅粉。
  5. 物理的手法を用いることなく湿式法で直接得られる異形銅粉であって、
    当該異形銅粉は、粉粒表面に微細な凹凸を備えるドロップ形状であることを特徴とした異形銅粉。
  6. 異形銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90/D10で表される値が3.0以下であることを特徴とするドロップ形状の請求項5に記載の異形銅粉。
  7. 平均粒径が15μm以下、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.15〜0.35であり、且つ、異形銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D50とで表されるアスペクト比([平均厚さ]/[D50])の値が0.4〜1.6であることを特徴とするドロップ形状の請求項5又は請求項6に記載の異形銅粉。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の異形銅粉の製造方法であって、
    硫酸銅溶液にアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加して銅アンミン錯体を含む溶液を生成し、
    これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して反応させ、これに以下に示す▲1▼又は▲2▼の還元剤を添加して銅を晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴とした異形銅粉の製造方法。
    ▲1▼ 単糖類及び還元性のある少糖類から選ばれる1種又は2種以上から成る還元剤(以下、「還元剤I」と称する。)。
    ▲2▼ 還元剤Iと、還元剤Iより還元能力の高い還元剤及び還元剤Iより標準電極電位の低い還元剤から選ばれる1種又は2種以上から成る還元剤(以下、「還元剤II」と称する。)とを組みあわせた還元剤。
  9. 還元剤Iは、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースの1種又は2種以上を混合した粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として用いるものである請求項8に記載の異形銅粉の製造方法。
  10. 還元剤IIは、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルマリンの1種又は2種以上を混合したものである請求項8又は請求項9に記載の異形銅粉の製造方法。
  11. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のフレーク形状の異形銅粉の製造方法であって、
    液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lの硫酸銅溶液に、銅含有量1molあたりアミノ酸が0.1mol〜1.0molとなるよう添加した溶液を用いて、
    これにアンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として、これを上記硫酸銅溶液に銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが1.5mol〜10.0molとなるよう添加してアンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とし、
    これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して、溶液pHを12〜14として反応させ一酸化銅(CuO)を生成し、
    これに銅含有量1molあたり還元剤Iが1.0mol〜2.0molとなるよう還元剤Iを粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として添加することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅をフレーク形状に晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴とした異形銅粉の製造方法。
  12. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のフレーク形状の異形銅粉の製造方法であって、
    液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lの硫酸銅溶液に、銅含有量1molあたりアミノ酸が0.1mol未満となるよう添加した溶液を用いて、
    これにアンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として、これを上記硫酸銅溶液に銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが1.5mol〜10.0molとなるよう添加してアンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とし、
    これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して、溶液pHを12より大として反応させ一酸化銅(CuO)を生成し、
    これに銅含有量1molあたり0.4mol〜2.0molの還元剤I(還元剤Iを粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として添加するもの)及び銅含有量1molあたり1.0mol〜3.0molの還元剤IIを添加して還元することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅をフレーク形状に晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴とした異形銅粉の製造方法。
  13. 請求項5〜請求項7のいずれかに記載のドロップ形状の異形銅粉の製造方法であって、
    液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lの硫酸銅溶液に、銅含有量1molあたりアミノ酸が1.0mol未満となるよう添加した溶液を用いて、
    これにアンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として、これを上記硫酸銅溶液に銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが1.5mol〜10.0molとなるよう添加してアンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とし、
    これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して、溶液pHを10〜12として反応させ、
    これに銅含有量1molあたり0.4mol〜2.0molの還元剤I(還元剤Iを粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として添加するもの)及び銅含有量1molあたり1.0mol〜3.0molの還元剤IIを添加して還元することで一酸化銅と水酸化銅との混合状態から銅をドロップ形状に晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴とした異形銅粉の製造方法。
  14. アミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、システインのいずれか一種又は二種以上の混合したものである請求項8〜請求項13のいずれかに記載の異形銅粉の製造方法。
  15. アンモニウム塩含有溶液は、水酸化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムのいずれか一種又は二種以上を含有した溶液である請求項8〜請求項14のいずれかに記載の異形銅粉の製造方法。
  16. 水酸化アルカリ金属塩含有溶液は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液の一種又は二種を含有した溶液である請求項8〜請求項15のいずれかに記載の異形銅粉の製造方法。
  17. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のフレーク形状を持つ異形銅粉を含有した導電性ペースト。
  18. 請求項5〜請求項7のいずれかに記載のドロップ形状を持つ異形銅粉を含有した導電性ペースト。
  19. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のフレーク形状を持つ異形銅粉と、請求項5〜請求項7のいずれかに記載のドロップ形状を持つ異形銅粉との双方を含有した導電性ペースト。
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