JP6407640B2 - 鎖状金属粒子およびその製造方法 - Google Patents

鎖状金属粒子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6407640B2
JP6407640B2 JP2014187629A JP2014187629A JP6407640B2 JP 6407640 B2 JP6407640 B2 JP 6407640B2 JP 2014187629 A JP2014187629 A JP 2014187629A JP 2014187629 A JP2014187629 A JP 2014187629A JP 6407640 B2 JP6407640 B2 JP 6407640B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
chain
particles
metal particles
average
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014187629A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016060923A (ja
JP2016060923A5 (ja
Inventor
光章 熊澤
光章 熊澤
小柳 嗣雄
嗣雄 小柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd filed Critical Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority to JP2014187629A priority Critical patent/JP6407640B2/ja
Publication of JP2016060923A publication Critical patent/JP2016060923A/ja
Publication of JP2016060923A5 publication Critical patent/JP2016060923A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6407640B2 publication Critical patent/JP6407640B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Description

本発明は、導電材料として好適な新規鎖状金属粒子およびその製造方法に関する。
従来、金属微粉末は、触媒材料、半導体材料、導電性材料等として各種用途に用いられている。(非特許文献1:「金属および半導体ナノ粒子の科学」編著者・公益社団法人日本化学会、発行者・曽根良介、発行所・(株)化学同人(2012)」)
例えば、導電性材料等として各種電子デバイスの電極、回路、帯電防止用透明被膜、電磁波遮蔽用透明被膜、コンデンサ用電極等に用いられている。
金属微粒子は、鎖状に連結していると、接合部分での導通抵抗が低いため、導電性を高くすることができると考えられる。
本出願人は、配線溝に金属微粒子分散液、あるいは金属微粒子を含む金属塩水溶液を塗布しながら超音波を照射することによって、配線溝に緻密に金属微粒子を充填することができ、微細な回路を形成することができることを開示している。(特許文献1:WO 01/084610号公報、特許文献2:特開2003−273041号公報)
また、本出願人は、電磁波遮蔽のために陰極線管の表面に金属コロイドを配合した透明性の膜を形成することを提案している。(特許文献3:特開平11−12608号公報)このとき、膜の中では金属微粒子の一部が鎖状に連鎖して配列し、導電性が向上することを見出している。
また、基板上に被覆される導電層に金属ナノワイヤーを用いることが開示されている。(特許文献4:特開2009−505358号公報)
さらに、鎖状の金属粒子としては、特開2005-320597号公報、特開2005-314781号公報、特開2004-332047号公報、特開2005-118671号公報、特開2002-1096号公報、特開2001-281401号公報、特開2001-279304号公報(特許文献5〜11)が提案されている。
WO 01/084610号公報 特開2003−273041号公報 特開平11−12608号公報 特表2009−505358号公報 特開2005-320597号公報 特開2005-314781号公報 特開2004-332047号公報 特開2005-118671号公報 特開2002-1096号公報 特開2001-281401号公報 特開2001-279304号公報
金属および半導体ナノ粒子の科学」編著者・公益社団法人日本化学会、発行者・曽根良介、発行所・(株)化学同人(2012)
しかしながら、電磁波遮蔽のために金属コロイドを配合した透明性の膜を形成した場合、金属コロイド粒子が鎖状化せず、導電性の向上に寄与しない金属微粒子が存在していた。
また、ナノワイヤーを用いた場合、ナノワイヤーが導電層中で交絡するために導電層の強度が不充分になったり、光透過率が不充分になる場合があった。また、積層セラミックコンデンサの内部電極に用いる場合、セラミックコンデンサの小型化、高集積化(多層化)のために内部電極を薄層化する必要があるが、薄層化が困難であった。
さらに、特許文献5〜11に提案されていた鎖状金属粒子よりもさらに導電性が向上した鎖状金属粒子の出現が望まれていた。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、ゼータ電位が負の微細な金属コロイド粒子の分散液に金属塩水溶液および還元剤を添加すると鎖状の金属微粒子が得られ、この鎖状粒子は、粒子同士が面状に結合してネック部を形成していることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明は電気特性(導電性)等に優れた鎖状金属微粒子およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る鎖状金属粒子は、
平均粒子径(DM1)が1〜150nmの範囲にある金属粒子が連鎖してなり、前記金属粒子同士の連鎖部(ネック部)が3点以上の連結点で面状に接合し、平均連鎖数が3個以上であることを特徴とする。
連鎖部断面の直径(DC1)と前記平均粒子径(DM1)の比(DC1)/(DM1)が0.02以上であることが好ましい。
前記金属が11族、13族、14族、6族、8-10族から選ばれる少なくとも1種の元素の金属、合金およびこれらの混合物であることが好ましく、前記11族の元素がAg、Cu、Auから選ばれる少なくとも1種であり、前記13族の元素がInであり、前記14族の元素がSnであり、前記6族の元素がWであり、前記8-10族の元素がNi、Co、Pd、Pt,Ruから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係る鎖状金属粒子の製造方法の一態様は、平均粒子径(DM1)が1〜150nmの範囲にある金属コロイド粒子水分散液に金属塩水溶液および還元剤を添加し、金属コロイド粒子の平均連鎖数が3個以上である鎖状金属粒子を調製することにある。
前記金属コロイド粒子のゼータ電位が−60〜−20mVの範囲にあることが好ましい。
前記金属コロイド粒子の金属の重量(WMC)と前記金属塩水溶液を金属に換算した重量(WMS)との重量比(WMS)/(WMC)が0.01〜0.5の範囲にあることが好ましい。
前記還元剤が硫酸第一鉄、NaBH4(四水素化ホウ素ナトリウム)、ヒドラジン、水素、アルコールから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明に係る鎖状金属粒子の製造方法の別の一態様は、平均粒子径(DM1)が1〜150nmの範囲にある金属コロイド粒子水分散液のpHを6.5以下に調整し、ついで、還元性ガスを吹き込み、金属コロイド粒子の平均連鎖数が3個以上である鎖状金属粒子を調製することにある。前記金属コロイド粒子のゼータ電位が−60〜−20mVの範囲にあることが好ましい。
前記金属コロイド粒子水分散液のpHを2.5〜4.5の範囲にあり、水分散液の温度を10〜80℃の範囲に調整することが好ましい。
前記還元性ガスが水素ガスまたは水素/窒素混合ガスであることが好ましい。
前記還元性ガスを吹き込む際に、マイクロ波を照射することが好ましい。
本発明に係る鎖状金属粒子の製造方法のさらに別の一態様は、平均粒子径(DM1)が1〜150nmの範囲にある金属コロイド粒子水分散液に金属塩水溶液を添加し、ついで、マイクロ波を照射して、金属塩を還元して、金属コロイド粒子の平均連鎖数が3個以上である鎖状金属粒子を製造することを特徴としている。前記金属コロイド粒子のゼータ電位が−60〜−20mVの範囲にあることが好ましい。
前記マイクロ波の波長が300MHz〜3GHzの範囲にあることが好ましい。
前記金属コロイド粒子水分散液に安定化剤を添加することが好ましく、安定化剤がカルボン酸化合物であることが好ましい。かかる安定化剤の量が金属コロイド粒子を金属に換算して100重量部に対し0.01〜20重量部の範囲にあることが好ましい。
前記製造方法では、前記金属コロイド粒子および金属塩水溶液を構成する金属が11族、13族、14族、6族、8-10族から選ばれる少なくとも1種の元素の金属、合金およびこれらの混合物であることが好ましい。さらに前記11族の元素がAg、Cu、Auから選ばれる少なくとも1種であり、前記13族の元素がInであり、前記14族の元素がSnであり、前記6族の元素がWであり、前記8-10族の元素がNi、Co、Pd、Pt、Ruから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明によれば、導電性材料等として各種電子デバイスの電極、回路、帯電防止用透明被膜、電磁波遮蔽用透明被膜、コンデンサ用電極等に好適に用いることのできる鎖状金属粒子およびその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明に係る鎖状金属微粒子の定義を示す模式図である。
以下に、まず本発明に係る鎖状金属微粒子について説明する。
鎖状金属粒子
本発明に係る鎖状金属粒子は、平均粒子径(DM1)が1〜150nmの範囲にある金属粒子が連鎖してなり、前記金属粒子同士の連鎖部(ネック部)が3点以上の連結点で面状に接合し、平均連鎖数が3個以上であることを特徴とする。
鎖状金属粒子を構成する金属粒子(一次粒子ということがある)は平均粒子径(DM1)が1〜150nm、さらには2〜100nmの範囲にあることが好ましい。
金属粒子の平均粒子径(DM1)が1nm未満のものは一次粒子自体および鎖状金属粒子を得ることが困難であり、得られたとしても、導電性が不充分となり、また、緻密な導電層、導電性膜、電極層等が形成できない場合がある。
金属粒子の平均粒子径(DM1)が150nmを超えると、例えば、基材上に導電層、導電性膜、電極層等を形成しても基材との密着性が不充分になる場合がある。また、透明性が必要な場合に透明性が不充分となる場合がある。
鎖状金属粒子は、金属粒子が3個以上、好ましくは5個以上連鎖していることが好ましい。
金属粒子の平均連鎖数が2個や、単分散の金属粒子は、導電性の向上効果が不充分となる場合がある。
連鎖部(ネック部)は点ではなく、3点以上の連結点で面状に連結している。このため、連鎖部における導通抵抗の損失が少ない。かかる連鎖部(ネック部)は当然のことながら、一定の断面を有する。この連鎖部断面の平均直径(DC1)と前記平均粒子径(DM1)との比(DC1)/(DM1)が0.02以上、さらには0.1〜0.85であることが好ましい。なお、断面が円形以外の場合は、直径(DC1)は外縁部からか中心で直交する直線を引いたときの最短部の長さをいい、円形の場合、直径がそのまま相当する。
前記比(DC1)/(DM1)が0.02未満の場合は、金属粒子が実質的に点接合となるため、導電性の向上効果が不充分となる場合がある。
前記比(DC1)/(DM1)が0.85を超えても、さらに導電性が向上することもなく、用法によってはナノワイヤーあるいは棒状粒子と変わるところがなく、導電層の強度、光透過率が不充分になる場合があり、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極に用いた場合、セラミックコンデンサの小型化、高集積化(多層化)のために内部電極を薄層化することが困難となる場合がある。
鎖状金属粒子の平均連鎖数、平均粒子径(DM1)および連鎖部断面の平均直径(DC1)は、鎖状金属粒子の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、10個の鎖状金属粒子について一次粒子の連鎖数を数え、その平均値を連鎖数とし、また、鎖状金属粒子中心部の連鎖部(ネック部)の幅を測定し、その平均値を平均直径(DC1)とした。また、100個の一次粒子について粒子径を測定し、その平均値を平均一次粒子径(DM1)とする。
連鎖部(ネック部)およびその幅と粒子径の概念を図1に示す。
鎖状金属粒子は、11族、13族、14族、6族、8-10族から選ばれる少なくとも1種の元素の金属、合金およびこれらの混合物であることが好ましい。
11族の元素としてはAg、Cu、Auから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、13族の元素としてはInが好ましく、14族の元素としてはSnが好ましく、6族の元素としてはWが好ましく、8-10族の元素としてはNi、Co、Pd、Pt、Ruから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
鎖状粒子を構成する一次粒子と連鎖部は同じ金属から構成されるものであっても異なるもので構成されるものであってもよいが、望ましくは同種のものか合金を形成しうるものである。
これら本発明に係る鎖状金属粒子は、鎖状粒子の連鎖部での導電性が高いので、かかる粒子を用いると、導電損失が少なく、導電性に優れた透明導電層、透明導電性膜、透明電極層等が得ることが可能となる。
ついで、本発明に係る鎖状金属粒子は、上記特性を有するものであればその製造方法は特に制限されない。たとえば以下に示す3態様の製造方法で製造することが可能である。
鎖状金属粒子の製造方法
・第1の態様:
本発明に係る第1の態様の鎖状金属粒子の製造方法は、金属コロイド粒子水分散液に金属塩水溶液および還元剤を添加することを特徴としている。
(金属コロイド粒子の調製)
第1の態様では、金属コロイド粒子水分散液を用いる。
金属コロイド粒子の平均粒子径(DM1)は1〜150nm、さらには2〜100nmの範囲にあることが好ましい。
金属コロイド粒子の平均一次粒子径(DM1)が1nm未満のものは得ることが困難であり、得られたとしても、鎖状化することなく凝集する場合があり、このため、導電性が不充分となる場合がある。
金属コロイド粒子の平均一次粒子径(DM1)が150nmを超えると、鎖状金属粒子を得ることが困難となる場合があり、得られたとしても導電パスが少なくなり、電気伝導度の向上効果が不充分となる場合がある。また、例えばセラミックコンデンサ等において、誘電体層上に電極層を形成した場合に密着性が不充分となる場合がある。
前記金属コロイド粒子は、ゼータ電位が、分散液のpHが4〜12おいて、−60〜−20mV、さらには−50〜−30mVの範囲にあることが好ましい。
金属コロイド粒子のゼータ電位が、−60mV未満の場合は金属コロイド粒子の鎖状化が進まず、鎖状化による効果、即ち、粒界抵抗の減少効果が不充分となり、電気伝導度の向上効果が不充分となる場合がある。
金属コロイド粒子のゼータ電位が、−20mVを超えると、塗布液あるいはペースト等の調製に用いた場合、凝集粒子を形成する場合があり、導電性が不充分となる場合がある。
ゼータ電位は、電気泳動法、流動電位法、超音波振動電位法、光散乱電気泳動法等で測定することができるが、本発明では光散乱電気泳動法を採用する。
光散乱電気泳動法での具体的な測定法は、金属コロイド粒子の濃度が金属として0.1質量%となるように希釈し、希釈前の金属コロイド粒子水分散液のpHと同じとなるように、希釈金属コロイド粒子水分散液を0.1NのHCl及びNaOHにて調整し、マルバーン製ゼータサイザーZSを使用することにより測定することができる。
本発明に用いる単分散の金属コロイド粒子は、気相合成法、液相還元法、液相マイクロ波照射法、エマルジョン法、高分子保護法等の従来公知の方法で製造することができる。
例えば、液相還元法では、金属塩水溶液に、必要に応じて安定化剤を添加し、還元剤を添加することによって調製することができる。
還元剤としては、硫酸第一鉄、NaBH4、ヒドラジン、水素、アルコール、クエン酸3ナトリウム、酒石酸、次亜リン酸ナトリウム、ギ酸、LiBH4、LiAlH4、ジボラン等が挙げられる。
還元剤の使用量は、金属塩の還元性によっても異なるが、金属塩1モルに対し、水溶性の還元剤化合物の場合は0.5〜10モル、さらには1〜5モルの範囲にあることが好ましい。還元剤が金属塩1モルに対し0.5モル未満の場合は、還元が不充分となり所望の金属コロイド粒子が得られない場合がある。得られたとしても収率が低く生産性の問題がある。還元剤が金属塩1モルに対し10モルを超えると、一次粒子径の大きな金属コロイド粒子が生成する場合がある。
なお、水素などのガスの場合は、所望の金属微粒子が生成するに充分な量を供給することが好ましい。還元する際の温度は概ね10〜80℃の範囲にあることが好ましい。安定化剤としては後述のものを挙げることができる。
また、液相マイクロ波照射法では、例えば、金属塩、金属錯体等のアルコール溶液に、必要に応じて安定化剤を添加し、金属の種類によっても異なるが、マイクロ波(概ね、波長が300MHz〜3GHz)を照射することによって均一な粒子径の金属コロイド微粒子を調製することができる。マイクロ波を照射して還元する際の温度は概ね10〜80℃の範囲にあることが好ましい。
本発明において、金属コロイド粒子水分散液の金属コロイド粒子の濃度は、金属に換算して0.01〜20質量%、さらには0.05〜10質量%の範囲にあることが好ましい。金属コロイド粒子水分散液の金属コロイド粒子の濃度が金属に換算して0.01質量%未満の場合は、コロイド粒子は得られるが、生産性が著しく低い問題がある。
金属コロイド粒子水分散液の金属コロイド粒子の濃度が金属に換算して20質量%を超えると、金属コロイド粒子の大きさによっても異なるが、平均一次粒子径(DM1)が小さい場合は鎖状化することなく凝集する場合があり、平均一次粒子径(DM1)が大きい場合は鎖状化することなく一次粒子の粒子成長を引き起こす場合がある。
(金属塩水溶液の添加)
金属コロイド粒子水分散液に金属塩水溶液を添加する。
金属塩水溶液の添加量は、前記金属コロイド粒子の金属の重量(WMC)と前記金属塩水溶液を金属に換算した重量(WMS)との重量比(WMS)/(WMC)が0.01〜0.5、さらには0.02〜0.3の範囲にあることが好ましい。
前記重量比(WMS)/(WMC)が0.01未満の場合は、単分散金属コロイド粒子を連鎖させることができる金属量が不充分であり鎖状形態を形成しにくい場合がある。
ここで、添加する金属塩は単分散の金属コロイド粒子を連鎖させる役割をしている。
前記重量比(WMS)/(WMC)が0.5を超えると、連鎖用金属塩が過剰に存在するため単分散金属コロイド粒子が凝集し、鎖状の金属コロイド粒子が得られない場合がある。
前記金属コロイド粒子および前記金属塩水溶液の金属は11族、13族、14族、6族、8-10族から選ばれる少なくとも1種の元素の金属、合金およびこれらの混合物が使用される。なお金属塩としては硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、有機酸塩などの水溶性金属塩が挙げられる。
(安定化剤の添加)
金属塩水溶液を添加する前または後に安定化剤を添加することが好ましい。
安定化剤を添加すると、金属コロイド粒子が安定化剤を吸着し、水分散媒中に安定的に分散することが可能となり、ゼータ電位を前記−60〜−20mVに調整しやすくなり、このようにゼータ電位を調製した金属コロイド粒子は、次いで還元剤を添加することによって鎖状金属粒子を容易に得ることができる。
安定化剤としては、金属コロイド粒子に吸着して分散安定性を高めることができれば特に制限はないがゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ポリアクリル酸、カルボン酸化合物等を用いることができる。
本発明で、分散媒に水および/または極性溶媒を用いる場合はカルボン酸化合物を用いることが好ましい。
カルボン酸化合物としては、アンス酸、ヒドロキシアントラセンカルボン酸、ヒドロキシナフトエ酸、没食子酸、クレソチン酸、パラヒドロキシ安息香酸、オルト−アセチルサリチル酸、リンゴ酸、マンデル酸、グルコン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ベンゼンカルボン酸、ギ酸、酢酸、ブタン酸、プロピオン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、9−ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、グリコール酸、L−アスコルビン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸等およびこれらの塩および混合物が挙げられる。
安定化剤の添加量は、金属コロイド粒子の平均粒子径によっても異なるが、金属コロイド粒子を金属に換算して100重量部に対し安定化剤を0.01〜20重量部、さらには0.05〜10重量部の範囲にあることが好ましい。
安定化剤の添加量が0.01重量部未満の場合は、金属コロイド粒子の種類によっても異なるが、ゼータ電位が前記範囲外となったり、金属コロイド粒子が不安定で凝集する場合がある。
安定化剤の添加量が20重量部を超えると、金属コロイド粒子の粒子径によっても異なるが、粒子表面に吸着できない場合があり、吸着できたとしても、緻密な内部電極層が形成できない場合、導電性が不充分になる場合がある。
なお、金属コロイド粒子を調製する際に安定化剤を使用し、金属コロイド粒子水分散液の金属コロイド粒子が所定量の安定化剤を含む場合は、安定化剤を必ずしも添加する必要はない。
(還元剤の添加)
金属塩水溶液を添加した後、還元剤を添加する。
還元剤は、硫酸第一鉄、四水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、ヒドラジン、水素、アルコール、クエン酸3ナトリウム、酒石酸、次亜リン酸ナトリウム、ギ酸、LiBH4、LiAlH4、ジボランから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
還元剤の添加量は、金属塩の還元性によっても異なるが、金属塩1モルに対し、水溶性の還元剤化合物の場合は0.5〜10モル、さらには1〜5モルの範囲にあることが好ましい。
還元剤が金属塩1モルに対し0.5モル未満の場合は、還元が不充分となり所望の鎖状金属粒子が得られない場合がある。得られたとしても収率が低く生産性の問題がある。
還元剤が金属塩1モルに対し10モルを超えると、一次粒子径の大きな金属コロイド粒子が生成する場合や単分散金属粒子の生成する場合がある。
なお、水素などのガスの場合は、所望の金属微粒子が生成するに充分な量を供給することが好ましい。また、還元する際の温度は概ね10〜80℃の範囲にあることが好ましい。
・第2の態様:
次に、本発明に係る第2の態様の鎖状金属粒子の製造方法は、金属コロイド粒子水分散液のpHを酸性に調整し、ついで、還元性ガスを吹き込むことを特徴としている。
金属コロイド粒子としては、前記第1の態様の鎖状金属粒子の製造方法におけると同様の金属コロイド粒子が用いられる。
金属コロイド粒子水分散液の金属コロイド粒子の濃度は、第1の態様の鎖状金属粒子の製造方法におけると同様、金属に換算して0.01〜20質量%、さらには0.05〜10質量%の範囲にあることが好ましい。
金属コロイド粒子水分散液のpHは、酸性に調整し、具体的には2.5〜4.5の範囲にあることが好ましい。
分散液のpHを酸性に調整する場合、例えば、金属コロイド粒子調製時に使用した還元剤、安定化剤あるいは不純物として残存するカチオン、アニオンを陽イオン交換樹脂および/または陰イオン交換樹脂で低減することによって調整することができる。
金属コロイド粒子水分散液のpHを酸性に調製した後、安定化剤を添加することが好ましい。安定化剤および安定化剤の添加量は第1の態様の鎖状金属粒子の製造方法におけると同様である。前記金属コロイド粒子のゼータ電位は、前記第1の方法と同様に−60〜−20mVの範囲にあることが好ましい。
ついで、単分散の金属コロイド粒子の水分散液に水素ガスまたは水素/窒素混合ガスなどの還元力の比較的弱いガスを吹き込むことによって鎖状金属粒子を調製することができる。
このとき、水素ガス等を吹き込むことによって単分散金属コロイド粒子が鎖状になるメカニズムについては必ずしも明らかではないがパーコレーション現象により、ガス吹込みに伴う対流の中で金属コロイド粒子表面の微量のイオン成分が一部金属化され、所定の連鎖部を形成して、金属コロイド粒子同士が連鎖して鎖状になると考えられる。
水素ガスまたは水素/窒素混合ガスの供給は調製量、調製規模、ガス気泡の大きさなどによって異なるが、平均連鎖数が3個以上の鎖状金属粒子が生成するに充分な量を供給する。
また、還元する際の温度は概ね10〜80℃の範囲にあることが好ましい。
なお、上記還元性ガスとともにNaBH4、LiBH4、LiAlH4、ジボラン等併用することもをできる。
さらに、還元性ガスを吹き込み時に、マイクロ波を照射することもできる。マイクロ波の照射は後述する第3の態様の鎖状金属粒子の製造方法におけると同様に行なうことができる。
・第3の態様:
次に、本発明に係る第3の態様の鎖状金属粒子の製造方法は、金属コロイド粒子水分散液に金属塩水溶液を添加し、ついで、マイクロ波を照射して還元することを特徴としている。
金属コロイド粒子としては、前記第1および2の態様の鎖状金属粒子の製造方法におけると同様の金属コロイド粒子が用いられる。
また、金属コロイド粒子水分散液の金属コロイド粒子の濃度は、前記同様に鎖状金属粒子の製造方法におけると同様、金属に換算して0.01〜20質量%、さらには0.05〜10質量%の範囲にあることが好ましい。
金属コロイド粒子水分散液に前記第1の態様と同様の金属塩水溶液を添加する。金属コロイド粒子のゼータ電位は、第1および第2の態様と同様に、−60〜−20mVの範囲にあることが好ましい。
金属塩水溶液の添加量は、前記金属コロイド粒子の金属の重量(WMC)と前記金属塩水溶液を金属に換算した重量(WMS)との重量比(WMS)/(WMC)が0.01〜0.5、さらには0.02〜0.3の範囲にあることが好ましい。前記重量比(WMS)/(WMC)が0.01未満の場合は、単分散金属コロイド粒子を連鎖させることができる金属量が不充分であり鎖状形態を形成しにくい場合がある。ここで、添加する金属塩は単分散の金属コロイド粒子を連鎖させる役割をしている。
前記重量比(WMS)/(WMC)が0.5を超えると、連鎖用金属塩が過剰に存在するため単分散金属コロイド粒子が凝集し、鎖状の金属コロイド粒子が得られない場合がある。
金属塩水溶液を添加する前または後に第1の態様と同様に安定化剤を添加することが好ましい。
安定化剤を添加すると、金属コロイド粒子が安定化剤を吸着し、水分散媒中に安定的に分散することが可能となり、ゼータ電位を前記−60〜−20mVに調整しやすくなり、このようにゼータ電位を調製した金属コロイド粒子は、次いでマイクロ波を照射することによって鎖状金属粒子を容易に得ることができる。
照射するマイクロ波の波長は金属塩の還元性によっても異なるが300MHz〜3GHzの範囲にあることが好ましい。
照射するマイクロ波の波長が前記範囲にあれば、平均連鎖数が3個以上の所望の鎖状金属粒子を得ることができる。また、マイクロ波を照射して還元する際の温度は概ね10〜80℃の範囲にあることが好ましい。
なお、マイクロ波照射時に還元性ガスを吹き込むこともできる。還元性ガスの吹き込みは、前記第2の態様の鎖状金属粒子の製造方法におけると同様に行なうことができる。
以下に、実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定するものではない。
[実施例1]
鎖状金属粒子(1)の調製
Pdコロイド(1)溶液の製造
濃度30質量%のクエン酸水溶液219gに還元剤として硫酸第一鉄122gを溶解させた溶液を調製した。
この溶液341gを、濃度20質量%の硝酸パラジウム水溶液39gに、室温にて撹拌しながら添加し、ついで、12時間混合することによりPdコロイド溶液を調製した。
ついで、Pdコロイド溶液について限外濾過器(ADVANTEC社製:ウルトラフィルターQ0500)を用いて粗大不純物を除去し、ついで濃縮し、Pd換算濃度10重%のPdコロイド(1)溶液を得た。
得られたPdコロイド(1)について走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製:S−5500)で平均粒子径を測定し、結果を表に示す。また、ゼータ電位を以下の方法で測定し、分散液のpHとともに結果を表に示す。
ゼータ電位の測定
Pdコロイド(1)溶液0.1gを水9.9gに分散させ、ゼータサイザー(マルバーン社製:ゼータサイザーZS)にてゼータ電位を測定した。このとき、Pdコロイド(1)分散液のpHは7.5であった。
ついで、Pdコロイド(1)溶液の濃度を金属として3質量%に調整した水溶液100gに、撹拌しながら硝酸パラジウム2H2Oを0.38g添加し、ついで、還元剤として硫酸第一鉄7水和物(関東化学 (株)製)0.78gを添加し、20℃で1時間撹拌して鎖状金属粒子(1)分散液を調製した。その後この液を凍結乾燥し鎖状金属粒子(1)を得た。
鎖状金属粒子(1)について、以下の方法で平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
連鎖数、平均一次粒子径(D M1 )、断面の直径(D C1 )の測定
鎖状金属粒子(1)の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、10個の鎖状粒子について一次粒子の連鎖数を数え、その平均値を連鎖数とし、100個の一次粒子について粒子径を測定し、その平均値を平均一次粒子径(DM1)とした。また、100カ所の連鎖部(ネック部)について断面の直径(DC1)を測定し、(DC1)/(DM1)とともに表に示した。
導電性(表面抵抗値)の測定
鎖状金属粒子(1)1g、およびエチルセルロース粉末0.1gをタピネオール系溶剤5gに添加し、泡取練太郎(シンキー社製:AR−250)にて一次分散させ、ついで、三本ロール((株)井上製作所製:HHCタイプ)にて二次分散させて導電性膜形成用ペースト(1)を調製した。
ついで、チタン酸バリウムセラミックシート(厚さ=4.0μm)に導電性膜形成用ペースト(1)をスクリーン印刷にてパターン印刷し、乾燥し、ついで300℃で1時間加熱処理して導電性膜付基材(1)を作製した。このとき、導電性膜の膜厚は0.6μmであった。
得られた導電性膜付基材(1)について表面抵抗測定装置(三菱化学(株)製:ローレスタ計)にて表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例2]
鎖状金属粒子(2)の調製
実施例1において、硝酸パラジウム2H2Oを0.15g添加し、ついで、還元剤として硫酸第一鉄7水和物(関東化学 (株)製)0.313gを添加した以外は同様にして鎖状金属粒子(2)分散液を調製し、ついで凍結乾燥して鎖状金属粒子(2)を得た。
鎖状金属粒子(2)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(2)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例3]
鎖状金属粒子(3)の調製
実施例1において、硝酸パラジウム2H2Oを1.50g添加し、ついで、還元剤として硫酸第一鉄7水和物(関東化学 (株)製)3.13gを添加した以外は同様にして鎖状金属粒子(3)分散液を調製し、ついで凍結乾燥して鎖状金属粒子(3)を得た。
鎖状金属粒子(3)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(3)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例4]
鎖状金属粒子(4)の調製
実施例1と同様にして調製したPdコロイド(1)溶液の濃度を金属として1質量%に調整した水溶液100gに、撹拌しながら硝酸パラジウム2H2Oを0.125g添加し、ついで、還元剤として硫酸第一鉄7水和物(関東化学 (株)製)0.26gを添加した以外は同様にして鎖状金属粒子(4)分散液を調製し、ついで凍結乾燥して鎖状金属粒子(4)を得た。
鎖状金属粒子(4)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(4)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例5]
鎖状金属粒子(5)の調製
実施例1と同様にして調製したPdコロイド(1)溶液の濃度を金属として10質量%に調整した水溶液100gに、撹拌しながら硝酸パラジウム2H2Oを0.125g添加し、ついで、還元剤として硫酸第一鉄7水和物(関東化学 (株)製)2.61gを添加した以外は同様にして鎖状金属粒子(5)分散液を調製し、ついで凍結乾燥して鎖状金属粒子(5)を得た。
鎖状金属粒子(5)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(5)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例6]
鎖状金属粒子(6)の調製
銀コロイド微粒子(日揮触媒化成(株)製:MK−5001AGV、平均粒子径10nm、濃度10質量%、ゼータ電位−40mV)100gにクエン酸Naを3g添加し1時間撹拌後、両性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製SMNUPB)を用いてpHを3.5になるまでイオン交換した。次いで水素ガスにて10秒間バブリングを行った。このときの温度は20℃であった。また、この時のクエン酸量はAg100重量部に対して2重量部であった。ついで、金属コロイド微粒子分散液を遠心分離し、上澄みを除去した後、真空乾燥して銀コロイド微粒子が鎖状に連鎖した鎖状金属粒子(6)を得た。
鎖状金属粒子(6)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(6)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例7]
鎖状金属粒子(7)の調製
実施例6において、水素ガスバブリングを5秒間行った以外は同様にして鎖状金属粒子(7)を得た。
鎖状金属粒子(7)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(7)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例8]
鎖状金属粒子(8)の調製
実施例6において、水素ガスバブリングを30秒間行った以外は同様にして鎖状金属粒子(8)を得た。
鎖状金属粒子(8)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(8)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例9]
鎖状金属粒子(9)の調製
Cuコロイド(9)溶液の製造
硝酸銅(Cu(NO3)23H2O)(関東化学(株)製)50gと、クエン酸水和物(キシダ化学(株)製0.86gと1−ブタノール450gと混合し、撹拌しながらマイクロ波照射機(J-SIENCE(株)製:グリーンモチーフIc)にてマイクロ波(波長2.45GHz)を30秒間照射して、金属としての濃度2.63質量%のCuコロイド(9)溶液を得た。
このとき、液が緑色から黒色に変化した。
得られたCuコロイド(9)について平均粒子径、ゼータ電位を測定し、結果を表に示す。
硝酸銅(Cu(NO3)23H2O)5gを混合し、再びマイクロ波(波長2.45GHz)を30秒間照射した。このときの温度は40℃であった。
Cuコロイド(9)分散液を遠心分離し、上澄みを除去した後、真空乾燥して銅コロイド微粒子が鎖状に連鎖した金属粒子(9)を調製した。
鎖状金属粒子(9)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(9)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例10]
鎖状金属粒子(10)の調製
実施例9において、マイクロ波(波長2.45GHz)を10秒間照射した以外は同様にして鎖状金属粒子(10)分散液を調製した。このとき、分散液の温度は28℃であった。
鎖状金属粒子(10)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(10)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例11]
鎖状金属粒子(11)の調製
実施例9において、マイクロ波(波長2.45GHz)を60秒間照射した以外は同様にして鎖状金属粒子(11)分散液を調製した。このとき、分散液の温度は65℃であった。
鎖状金属粒子(11)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(11)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例12]
鎖状金属粒子(12)の調製
硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO3)26H2O)(関東化学(株)製)50g、クエン酸水和物(キシダ化学(株)製)0.5gと1−ブタノール450gと混合し、撹拌しながらマイクロ波照射機(J-SIENCE(株)製:グリーンモチーフIc)にてマイクロ波(波長2.45GHz)を30秒間照射して、金属としての濃度2.02質量%のNiコロイド(12)溶液を得た。このとき、液が緑色から黒色に変化した。
得られたNiコロイド分散液について平均粒子径、ゼータ電位を測定し、結果を表に示す。
ついで、硝酸ニッケル六水和物5gを混合し、再びマイクロ波(波長2.45GHz)を30秒間照射した。このときの温度は45℃であった。
Niコロイド(12)分散液を遠心分離し、上澄みを除去した後、真空乾燥してNiコロイド粒子が鎖状に連鎖した鎖状金属粒子(12)を調製した。
鎖状金属粒子(12)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(12)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例13]
鎖状金属粒子(13)の調製
実施例12において、Niコロイド分散液に硝酸ニッケル六水和物5gを混合し、再びマイクロ波(波長2.45GHz)を10秒間照射した以外は同様にして鎖状金属粒子(13)分散液を調製した。このとき、分散液の温度は30℃であった。
鎖状金属粒子(13)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(13)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[実施例14]
鎖状金属粒子(14)の調製
実施例12において、Niコロイド分散液に硝酸ニッケル六水和物5gを混合し、再びマイクロ波(波長2.45GHz)を60秒間照射した以外は同様にして鎖状金属粒子(14)分散液を調製した。このとき、分散液の温度は85℃であった。
鎖状金属粒子(14)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DM1)を測定し、結果を表に示す。
また、鎖状金属粒子(14)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[比較例1]
金属粒子(R1)の調製
実施例1において、Pdコロイド分散液に硝酸パラジウム2H2Oを0.038g添加し、ついで、還元剤として硫酸第一鉄7水和物(関東化学 (株)製)0.078gを添加した以外は同様にして金属粒子(R1)分散液を調製した。
金属粒子(R1)について、平均連鎖数、平均一次粒子径(DM1)、連鎖部断面の直径(DC1)を測定し、結果を表に示す。
また、金属粒子(R1)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[比較例2]
金属粒子(R2)
実施例6において、水素ガスにて2秒間バブリングを行った以外は同様にして金属粒子(R2)分散液を調製した。このとき、分散液の温度は20℃であった。
金属粒子(R2)は、単分散コロイド粒子であった。かかる粒子の平均一次粒子径(DM1)を測定し、結果を表に示す。なお、連鎖部断面の直径(DC1)は存在しないため評価しない。
また、金属粒子(R2)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[比較例3]
金属粒子(R3)
実施例6において、両性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SMNUPB)を用いてpHを低下させることなく、NH3水溶液にてpHを7.0に調整した後、水素ガスにて10秒間バブリングを行った以外は同様にして金属粒子(R3)分散液を調製した。このとき、分散液の温度は20℃であった。
金属粒子(R3)は、単分散コロイド粒子であった。かかる粒子の平均一次粒子径(DM1)を測定し、結果を表に示す。なお、連鎖部断面の直径(DC1)は存在しないため評価しない。
また、金属粒子(R3)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[比較例4]
金属粒子(R4)
実施例9において、硝酸銅(Cu(NO3)23H2O)5gを混合した後、再びマイクロ波(波長2.45GHz)を2秒間照射した以外は同様にして金属粒子(R4)分散液を調製した。このとき、分散液の温度は22℃であった。
金属粒子(R4)は、単分散コロイド粒子であった。かかる粒子の平均一次粒子径(DM1)を測定し、結果を表に示す。なお、連鎖部断面の直径(DC1)は存在しないため評価しない。また、金属粒子(R4)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
[比較例5]
金属粒子(R5)
実施例12において、硝酸ニッケル六水和物5gを混合した後、再びマイクロ波(波長2.45GHz)を5秒間照射した以外は同様にして金属粒子(R5)分散液を調製した。このとき、分散液の温度は23℃であった。
金属粒子(R5)は、単分散コロイド粒子であった。かかる粒子の平均一次粒子径(DM1)を測定し、結果を表に示す。なお、連鎖部断面の直径(DC1)は存在しないため評価しない。
また、金属粒子(R5)を用いた以外は同様にして表面抵抗値を測定し、結果を表に示す。
Figure 0006407640

Claims (7)

  1. 平均粒子径が1〜150nmの範囲にある金属粒水分散液に金属塩水溶液を添加する工程と
    ついで、前記水分散液にマイクロ波を照射して、前記金属塩を還元することにより、前記金属粒子を連鎖させ、平均連鎖数が3個以上10個以下の鎖状金属粒子を得る工程と、
    を備えることを特徴とする鎖状金属粒子の製造方法。
  2. 平均粒子径が1〜150nmの範囲にある金属粒水分散液のpHを6.5以下に調整する工程と
    ついで、前記水分散液に還元性ガスを吹き込むことにより、前記金属粒子を連鎖させ、平均連鎖数が3個以上10個以下の鎖状金属粒子を得る工程と、
    を備えることを特徴とする鎖状金属粒子の製造方法。
  3. 前記還元性ガスを吹き込む際に、マイクロ波を照射することを特徴とする請求項2に記載の鎖状金属粒子の製造方法。
  4. 平均粒子径が1〜150nmの範囲にあり、ゼータ電位が−60〜−20mVの範囲にある金属粒水分散液を用意する工程と
    前記水分散液に金属塩水溶液と還元剤を添加することにより、前記金属粒子を連鎖させ、平均連鎖数が3個以上10個以下の鎖状金属粒子を得る工程と、
    を備えることを特徴とする鎖状金属粒子の製造方法。
  5. 前記水分散液に含まれる属粒子の金属の重量(WMC)と前記水溶液に含まれる金属塩を金属に換算した重量(WMS)との重量比(WMS MC)が0.01〜0.5の範囲にあることを特徴とする請求項1またはに記載の鎖状金属粒子の製造方法。
  6. 平均粒子径(DM1)が1〜150nmの範囲にある複数の金属粒子が連鎖部で接合した鎖状金属粒子であって、
    記連鎖部の断面の直径(DC1)と前記平均粒子径(DM1)の比(DC1/DM1)が0.1〜0.85であり、
    平均連鎖数が3個以上10個以下であることを特徴とする鎖状金属粒子。
  7. 前記金属粒子と前記連鎖部が同じ元素で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の鎖状金属粒子。

JP2014187629A 2014-09-16 2014-09-16 鎖状金属粒子およびその製造方法 Active JP6407640B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014187629A JP6407640B2 (ja) 2014-09-16 2014-09-16 鎖状金属粒子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014187629A JP6407640B2 (ja) 2014-09-16 2014-09-16 鎖状金属粒子およびその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016060923A JP2016060923A (ja) 2016-04-25
JP2016060923A5 JP2016060923A5 (ja) 2017-11-02
JP6407640B2 true JP6407640B2 (ja) 2018-10-17

Family

ID=55797256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014187629A Active JP6407640B2 (ja) 2014-09-16 2014-09-16 鎖状金属粒子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6407640B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI648099B (zh) * 2017-06-19 2019-01-21 健鼎科技股份有限公司 金屬奈米粒子膠體溶液的製法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011058021A (ja) * 2009-09-07 2011-03-24 Kyoto Univ 強磁性金属ナノ構造体の生成方法、強磁性金属ナノファイバーおよびそれを用いたはんだ、ならびにシート材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016060923A (ja) 2016-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5080731B2 (ja) 微粒銀粒子付着銀銅複合粉及びその微粒銀粒子付着銀銅複合粉製造方法
JP6349310B2 (ja) 金属接合用組成物
JP5047864B2 (ja) 微小銀粒子を含有する導電性ペースト及び硬化膜
JP6274444B2 (ja) 銅粉末の製造方法
KR101407197B1 (ko) 니켈 분말과 그의 제조방법
US20170253750A1 (en) Silver-coated copper powder, and conductive paste, conductive coating material and conductive sheet, each of which uses said silver-coated copper powder
JP6180769B2 (ja) フレーク状の微小粒子
JPWO2015122251A1 (ja) 銅粉
KR20090045508A (ko) 더블-제트형 연속식 용액환원에 의해 은 분말을 제조하기위한 장치 및 방법
KR101671049B1 (ko) 니켈-코발트 나노 입자 및 그 제조 방법
JP5778941B2 (ja) 銀被覆フレーク銅粉の製造方法
JP7398718B2 (ja) 銅酸化物粒子組成物、導電性ペースト及び導電性インク
KR20170021223A (ko) 코어쉘형 금속 미립자의 제조방법, 코어쉘형 금속 미립자, 전도성 잉크 및 기판의 제조방법
JP2012251222A (ja) 銀ナノ粒子の製造方法およびインク
JP6656869B2 (ja) 銅ナノ粒子の製造方法
KR100532695B1 (ko) 고농도 초미세 금속입자 용액의 제조방법
JP6407640B2 (ja) 鎖状金属粒子およびその製造方法
JP2012218020A (ja) 接合方法
JP2011214142A (ja) ニッケルナノ粒子の製造方法
JP5985216B2 (ja) 銀粉
JP2011214144A (ja) 金属複合ニッケルナノ粒子の製造方法
JP5912663B2 (ja) コバルトめっき銅微粉及びコバルトめっき銅微粉を用いて製造した導電ペースト並びにコバルトめっき銅微粉の製造方法
JP5439995B2 (ja) 表面改質銅粒子の製造方法、導電体形成用組成物、導電体膜の製造方法および物品
KR101599104B1 (ko) 코어-쉘 금속 입자의 제조방법
JP6118193B2 (ja) 分散性ニッケル微粒子スラリーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170914

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180813

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6407640

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250