JP4485174B2 - 複合金属微粒子分散液およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、分散性に優れた複合金属微粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、分散性、安定性が必ずしも良くない金属微粒子を改質して分散性、安定性に優れた複合金属微粒子分散液を製造する方法に関する。
従来より、金属微粒子、複合金属微粒子は、電子部品材料の導電性膜、塗料用材料、光学材料(赤外線反射膜、紫外線遮蔽剤など)あるいは触媒材料として広く使用されている。
たとえば、これらの微粒子を含む透明導電性被膜を陰極線管、蛍光表示管、液晶表示板などの表示パネル表面に形成すると、表示パネルの帯電を防止したり、電磁波を遮蔽することができる。
また、これらの微粒子は触媒活性を有する場合があり、これらの微粒子をコロイド状に分散させると、光が透過しやすく、光反応触媒として好適に使用することができる。
このような微粒子のうち、コア−セル構造(核(コア)となる微粒子の表面に他の金属の層(セル)が形成されている)を有する複合微粒子を用いて、導電性被膜を形成すると、信頼性・耐久性に優れた被膜を形成することができる。また、このようなコア−セル構造を有する複合微粒子は、通常知られている金属微粒子と比べて触媒活性が高いことも知られている(非特許文献1:戸嶋、触媒技術の動向と展望,触媒学会編,12 (1996))。
触媒技術の動向と展望,触媒学会編,12 (1996)
コア−セル構造を有する複合微粒子の製造方法としては、電解めっき法、共還元法、還元めっき法、機械的・物理的方法などが知られている。しかしながら、これらの方法では、コア粒子の大きさの影響を受けるので、粒子径が小さい微粒子が得にくく、形成されるセル層の厚さにばらつきに応じて、得られる粒子の形状および粒子径が不均一であるという欠点があった。また、このような微粒子の中には分散性が低く凝集粒子となりやすいので、例えば導電性被膜を形成しても、電磁遮蔽効果、信頼性および耐久性などが不充分であるという欠点もあった。
さらに、共還元法および還元めっき法では、還元剤として、アルコール、ジメチルアミン、ホルムアルデヒド、ホスフィン酸ナトリウム、クエン酸3ナトリウム、硫酸第一鉄などを使用しているため、金属塩、還元剤に由来するイオンが多く残存し、得られた微粒子が凝集するなどの欠点がある。このため、凝集を抑制し、分散性や安定性を高めるためにゼラチン、ポリビニルピロリドン、クエン酸等の有機安定化剤や界面活性剤が用いられるが、これら安定化剤、界面活性剤は金属微粒子の表面に存在するため導電性を阻害することから充分な導電性が得られないことがあった。
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、粒子径が大きいか、粒子径が小さくても表面電荷量が少なく、分散性、安定性が不充分な金属微粒子を、標準電極電位の高い金属コロイド分散液で処理することにより、金属微粒子表面に金属コロイドを担持させれば、安定性が不充分な金属微粒子の表面に、金属コロイドが担持され、分散安定性に優れた分散液が
得られることを見出した。
すなわち、本発明に係る複合金属微粒子分散液の製造方法は、
平均粒子径(DA)が50nm〜5μmの範囲にある金属微粒子(A)と、該金属微粒
子(A)より標準電極電位が高く、平均粒子径(DB)が1nm〜20nmの範囲にある
金属微粒子(B)との混合分散液のpHを4〜10に維持しながら撹拌することを特徴としている。
前記平均粒子径(DB)と平均粒子径(DA)との比、(DB)/(DA)が1/5000〜1/5の範囲にあることが好ましい。
前記金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の標準電極電位の差が0.1〜4.1Vの範囲にあることが好ましい。
前記金属微粒子(A)がNi、Al、Mg、Ti、Fe、In、Co、Sn、Mo、Cu、Ru、
Rh、Pd、Agから選ばれる1種以上の金属であり、前記金属微粒子(B)がRh、Ru、
Pd、Ag、Pt、Ir、Auから選ばれる1種以上の金属であることが好ましい。
前記金属微粒子(A)と前記金属微粒子(B)の重量比が、金属微粒子(A)100重量部に対し金属微粒子(B)が1〜50重量部の範囲にあることが好ましい。
得られた複合金属微粒子の流動電位が、複合金属微粒子の濃度が1重量%の場合に−400〜−50mVの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る複合金属微粒子分散液は、平均粒子径(DA)が50nm〜5μmの範囲
にある金属微粒子(A)の表面に、該金属微粒子(A)より標準電極電位が高く、平均粒子径(DB)が1nm〜20nmの範囲にある金属微粒子(B)が担持されてなる複合金
属微粒子が分散してなることを特徴としている。
このように本発明によれば、大きめの金属微粒子の表面に、小さい金属コロイド微粒子が担持され、さらに、担持されていない、フリーの金属コロイド微粒子が分散した複合金属微粒子の分散液が得られる。このように、金属コロイド微粒子が表面に担持されているため、複合金属微粒子が高い表面電位を有し、このため、分散性、安定性に優れた複合金属微粒子分散液を得ることができる。
本発明によれば、複合金属微粒子分散液を調製する際に、有機安定化剤等を使用してないので有機安定化剤による導電性阻害がなく、本発明によって得られる複合金属微粒子を用いると、導電性に優れた導電性接着剤、導電性フィルム、回路、電極等を提供することができる。
さらに、有機系導電性材料を用いた場合に比べて、耐候性、耐熱性、耐薬品性等に優れた導電性接着剤、導電性フィルム、回路、電極等を提供することができる。
以下、本発明に係る複合微粒子分散液の製造方法について具体的に説明する。
複合金属微粒子の製造方法
本発明に係る複合金属微粒子の製造方法では、平均粒子径(DA)が50nm〜5μm
の範囲にある金属微粒子(A)と、該金属微粒子(A)より標準電極電位が高く、平均粒
子径(DB)が1nm〜20nmの範囲にある金属微粒子(B)との混合分散液のpHを
4〜10の範囲に維持しながら撹拌することを特徴としている。
すなわち、大きめの金属微粒子(A)と小さい金属微粒子(B)が使用される。
本発明に用いる金属微粒子(A)は、Ni、Al、Mg、Ti、Fe、In、Co、Sn、Mo
、Cu、Ru、Rh、Pd、Agから選ばれる1種以上の金属からなる。これらの金属からな
る金属微粒子(A)は、導電性は有しているものの、表面帯電量が少なく、液中への分散性が必ずしも良くない。このため凝集したり沈降し易く、安定な金属微粒子の分散液を得ることが困難であった。
金属微粒子(A)の平均粒子径(DA)は、50nm〜5μm、好ましくは100〜1
μmの範囲にある。
金属微粒子(A)の平均粒子径(DA)が50nm未満の場合は、前記金属が容易に酸
化されやすいことに加えて、粒子径が小さいことによる易酸化性のために導電性の高い複合金属微粒子を得ることが困難である。
金属微粒子(A)の平均粒子径(DA)が5μmを越えると、粒子が大きすぎてしまい
、粒子が容易に沈降し、本発明の方法で複合金属微粒子を含む導電性被膜形成用塗布液を調製しても、複合金属微粒子が沈降しやすく、均一に分散せず、また導電性被膜を形成しても膜形成性が悪く、所望の導電性が得られなかったり、膜の強度が不充分になることがある。
前記金属微粒子(A)は、必ずしも単分散の金属微粒子(以下、一次粒子ということがある。)である必要はなく、粒状に凝集した粒子でなければ、鎖状に連結した鎖状粒子(以下、二次粒子ということがある。)であってもよい。鎖状粒子の場合、通常一次粒子が2個以上、好ましくは5〜50個程度連結した鎖状粒子である。このような鎖状粒子を用いると、予め粒子が連結しているために粒界抵抗が小さく高い導電性が得られる傾向にある。
本発明に用いる金属微粒子(A)としては、従来公知の製造方法で得られた金属粒子を特に制限なく用いることができる。
例えば、特開2000−196287号公報等に開示された一次粒子(単分散粒子)、二次粒子(鎖状粒子)は好適に用いることができる。
つぎに、本発明に用いる金属微粒子(B)は、Rh、Ru、Pd、Ag、Pt、Ir、Auか
ら選ばれる1種以上の金属であることが好ましい。これら金属の微粒子は表面帯電量が多く、分散性、安定性に優れている。
このような金属微粒子(B)の平均粒子径(DB)は、1nm〜20nm、さらには2
〜10nmの範囲の範囲にあることが好ましい。
金属微粒子(B)の平均粒子径(DB)が1nm未満のものは、得ることが困難であり
、得られたとしても凝集する傾向があるので、金属微粒子(B)の分散液を金属微粒子(A)の分散液と混合しても金属微粒子(A)の表面に均一に担持できないことがあり、分散性、安定性を有する複合金属微粒子(分散液)が得られないことがある。
金属微粒子(B)の平均粒子径(DB)が20nmを越えると、金属微粒子(A)に担
持されても複合金属微粒子としての表面帯電量を増加させる効果が少なく、分散性、安定性を有する複合金属微粒子(分散液)が得られないことがある。
本発明に用いる金属微粒子(B)としては、上記した粒子径を有していれば特に制限はなく従来公知の金属粒子を用いることができる。
(例えば、特開2002−294301号公報等に開示された金属微粒子を好適に用いることができる。)
本発明で使用される金属微粒子(A)および(B)は、2種以上の合金であってもよい。
前記平均粒子径(DB)と平均粒子径(DA)との比、(DB)/(DA)が1/5000〜1/5、さらには1/500〜1/10の範囲にあることが好ましい。
(DB)/(DA)が1/5000未満の場合は、金属微粒子(B)が金属微粒子(A)の表面に不均一に担持される傾向があり、金属微粒子(A)の表面帯電量を効果的に増加させることができず、得られた複合金属微粒子の分散性、安定性の向上効果が充分得られないことがある。
(DB)/(DA)が1/5を越えると、金属微粒子(B)の金属微粒子(A)への担持力が低下するとともに、金属微粒子(B)の担持粒子数も少なく、金属微粒子(A)の表面帯電量を効果的に増加させることができず、得られた複合金属微粒子の分散性、安定性の向上効果が充分得られないことがある。
また、金属微粒子(B)は金属微粒子(A)より標準電極電位が高く、金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の標準電極電位の差が0.1〜4.1V、さらには0.2〜4.0Vの範囲にあることが好ましい。こような電位差にあると、pH調製によって、金属微粒子(B
)が金属微粒子(A)に容易に担持される。
金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の標準電極電位の差が0.1V未満の場合は、金
属微粒子(B)の大きさにもよるが、所望の量を担持することができない場合がある。
このため、分散性、安定性に優れた複合金属微粒子の分散液が得られないことがある。
金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の標準電極電位の差は、前記金属成分を選択する限りにおいては4.1Vを越えることはない。
本発明に用いる金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の組み合わせとしては、上記条件を満たすもののであれば特に制限はないが、好適な組み合わせの例として、(A)−(B)(電位差=V)で表すと、Au−Ni(3.96V)、Pt−Ni(3.47V)、Pd−Ni(3.20V)、Ag−Ni(3.08V)、Ru−Ni(2.74V)、Au−Fe(2.12V)、Pd−Fe(
1.36V)、Au−Ag(0.88V)等が挙げられる。
本発明に係る複合金属微粒子の製造方法では、上記した金属微粒子(A)の分散液と金属微粒子(B)の分散液とを混合し、混合分散液のpHを4〜10、好ましくは5〜9の範囲に調整する。このとき、金属微粒子(A)が沈降しない程度に撹拌することが好ましい。
金属微粒子(A)の分散液と金属微粒子(B)の分散液との混合割合は、金属微粒子(A)100重量部に対し金属微粒子(B)が1〜50重量部、さらには5〜30重量部の範囲にあることが好ましい。
金属微粒子(A)100重量部に対し金属微粒子(B)が1重量部未満の場合は、金属微粒子(B)の粒子径にもよるが、金属微粒子(A)の表面帯電量の増加が不充分となり、分散性、安定性に優れた複合金属微粒子の分散液が得られないことがある。
金属微粒子(A)100重量部に対し金属微粒子(B)が50重量部を越えてもさらに表面帯電量が増加することもなく、凝集した複合金属微粒子が生成することがある。
なお、金属微粒子(B)は全量が金属微粒子(A)に担持されるのではなく、一部が、分散液中に担持されずに残っていてもよい(フリーの金属微粒子(B))。
金属微粒子(A)の分散液の金属微粒子の濃度は、概ね1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。また、金属微粒子(B)の分散液の金属微粒子の濃度も概ね1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
金属微粒子(A)および(B)の分散液をそれぞれ混合して得られた混合分散液の濃度は、1〜30重量%、さらには5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。混合分散液の濃度が1重量%未満の場合は、金属微粒子(B)が金属微粒子(A)に担持される割合が低下したり、長時間を要するので経済性が低下する。
混合分散液の濃度が30重量%を越えると、凝集した複合金属微粒子が生成することがある。
ついで、混合分散液のpHを4〜10に調整する。このpH調整によって、金属微粒子
(B)が金属微粒子(A)表面に担持される。
混合分散液のpHが4未満の場合は、金属微粒子(A)、金属微粒子(B)がイオン化して溶解し、この場合も凝集した複合金属微粒子が生成することがある。
混合分散液のpHが10を越えると、金属微粒子(A)、金属微粒子(B)の一部が酸化物あるいは水酸化物となることがあり、得られる複合金属微粒子の導電性が低下することがある。
また、pH調整剤としては酸、または塩基を用いるが、酸としてはHCl、HNO3
、塩基としてはNaOH、NH3、有機アミン等が用いられる。
なお、金属微粒子(A)の分散液および/または金属微粒子(B)の分散液は、金属微粒子(A)および/または金属微粒子(B)の分散性を向上するために、あるいは、予め混合後の分散液のpHが上記範囲となるようにpH調整(酸または塩基の添加)を行ってもよく、さらに混合後の分散液のpH調整と併用することもできる。
予め調整する場合の金属微粒子(A)分散液のpHは、金属微粒子の種類によっても異なるが6〜10、金属微粒子(B)分散液のpHは4〜7の範囲にあることが好ましい。
pHを調整する際に、通常攪拌を行う。攪拌としては特に制限されるものではなく、均
一に混合できればよい。
混合後の分散液は、pH調整した後、通常常温で10分間〜10時間攪拌を継続する。
このとき、pH調整、撹拌等は、金属の酸化を防止するために不活性ガス雰囲気下および/または還元ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
さらに、上記撹拌の後、必要に応じて分散を促進するためにナノマイザー、ホモジナイザー、超音波照射等により分散処理することもできる。
ついで、得られた分散液は、そのまま使用することもできるが、必要に応じて、遠心分離、濾過分離、磁気分離等により複合金属微粒子を分離回収し、ついで、純水に再分散させてもよい。さらに、必要に応じてイオン交換処理してもよい。
最終的に調製される複合金属微粒子分散液の濃度は用途によって異なるが、所望の濃度に調整すれば良く、1〜30重量%である。
また、用途によっては、分散媒を有機溶媒に置換してもよい。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
このようにして得られた複合金属微粒子水分散液は、複合金属微粒子の濃度が1重量%の場合に、流動電位が−400〜−50mV、さらには−300〜−100mVの範囲にあることが好ましい。
流動電位が−400mV未満の場合は、複合金属微粒子の表面電荷量が過剰となり、複合金属微粒子が凝集することがある。
流動電位が−50mVを越えると、複合金属微粒子の表面電荷が消失し、複合金属微粒子が凝集することがある。
なお流動電位は、Mutek社製:Particle Charge Detectorを用いて測定した。
複合金属微粒子分散液
本発明に係る複合金属微粒子分散液は、平均粒子径(DA)が50nm〜5μmの範囲
にある金属微粒子(A)の表面に、該金属微粒子(A)より標準電極電位が高く、平均粒子径(DB)が1nm〜20nmの範囲にある金属微粒子(B)が担持されてなる複合金
属微粒子が分散してなることを特徴としている。金属微粒子(A)および(B)、分散媒としては、前記と同様である。このような、複合金属微粒子分散液の濃度は用途によって異なるが、1〜30重量%であればよい。また前記したように重量%のときの分散液の流動電位が−400〜−50mV、さらには−300〜−100mVの範囲にあることが好ましい。
前記平均粒子径(DB)と平均粒子径(DA)との比、(DB)/(DA)が1/5000〜1/5、さらには1/500〜1/10の範囲にあることが好ましい。
前記金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の標準電極電位の差が0.1〜4.1V、さらには0.2〜4.0Vの範囲にあることが好ましい。
前記金属微粒子(A)と前記金属微粒子(B)の重量比が、金属微粒子(A)100重量部に対し金属微粒子(B)が1〜50重量部、5〜30重量部の範囲にあることが好ま
しい。
このような複合金属微粒子分散液は、前記したように大きめでなおかつ表面帯電量の少ない、金属微粒子(A)表面に、小さいかつ表面帯電量の大きい金属微粒子(B)が担持されている。このため、かかる複合金属微粒子には、金属微粒子(B)より電荷が付与され、金属微粒子(A)では困難であった、分散性に優れた分散液を得ることができる。また
、金属微粒子(B)は、金属微粒子(A)に担持されている他に、そのままフリーの状態で、分散液中に分散している。その理由は明確ではないが、このフリーの金属微粒子(B)に
よって、複合金属微粒子の分散性、安定性も向上されるものと考えられる。
したがって、このような複合金属微粒子は、有機安定剤を使用しなくとも、分散性、安定性に優れている。このため、有機安定化剤による導電性阻害がない。また本発明によって得られる複合金属微粒子分散液を用いると、その導電性を利用して、接着剤に配合したり、フィルムに配合したりすれば導電性に優れた導電性接着剤、導電性フィルムがえられ、塗布液として使用すれば、導通性が高く、抵抗の小さい、回路、電極等を提供することができる。
さらに、有機系導電性材料を用いた場合に比べて、耐候性、耐熱性、耐薬品性等に優れた導電性接着剤、導電性フィルム、回路、電極等を提供することができる。
実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1(Au/Ni)
複合金属微粒子(1)分散液の調製
純水16000gに塩化金酸四水和物19g(Auとして9g)を溶解した金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度1.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液1660gと、還元
剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム140gを加え、窒素雰囲気下で1
時間、20℃で攪拌して金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、限外洗浄により精製した後濃縮して金属換算で濃度5.0重量%Au微粒子(金属微粒子(B-1))の分散液
とした。
金属微粒子(B-1)分散液のpHは6で、平均粒子径は5nmであった。
ついで、純水71gにニッケル粉末(住友電気工業(株)製:平均粒子径200nm)9gを添加し、混合攪拌後にpH9に調製してニッケル粒子(金属微粒子(A-1))分散液を
得た。これに金属微粒子(B-1)分散液20g(Auとして1g)を加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナノマイザーにて分散処理をしてAu/Ni複合金属微粒子の分
散液を得た。得られた分散液は、遠心分離機により分離回収し、再度純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%のAu/Ni複合金属微粒子(1)の分散液とした。
得られたAu/Ni複合金属微粒子(1)のAu含有量は10重量%であり、流動電位は−1
30mVで表面電位を有し、複合金属微粒子(1)の平均粒子径は210nmであった。
なお、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について測定し、その平均値を用いた。また、流動電位は金属微粒子の濃度が1重量%の複合金属微粒子分散液を調製し、Mutek社製:Particle Charge Detectorを用いて測定した。
得られたAu/Ni複合金属微粒子(1)分散液の安定性を以下の基準で評価した。
分散液の撹拌を止めた後、60分以上沈降物が認められなかった :◎
分散液の撹拌を止めた後、30〜60分未満で沈降物が認められた:○
分散液の撹拌を止めた後、3〜30分未満で沈降物が認められた :△
分散液の撹拌を止めた後、0〜3分未満で沈降物が認められた :×
結果をあわせて表1に示す。
導電性フィルム(1)の調製
複合金属微粒子(1)の分散液10gに樹脂濃度34重量%の水溶性ポリエステル樹脂(
東洋紡績(株)性:バイロナール MD−1200)2.9gを加え、導電性フィルム形成用塗料(1)を調製した。ついで、導電性フィルム形成用塗料(1)をPETフィルム上にバーコーター法にて塗布し、120℃で30分間乾燥して導電性フィルム(1)を調製した。導電性フィルム(1)について、表面抵抗測定装置(三菱化学(株)製:ローレスター)にて測定した。
結果を表1に示した。
実施例2(Pt/Ni)
複合金属微粒子(2)分散液の調製
純水16000gに塩化白金酸六水和物25g(Ptとして9g)を溶解した金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度1.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液1660gと還元
剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム140gを加え、窒素雰囲気下で1
時間、20℃で攪拌して金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、限外洗浄により精製した後濃縮して金属換算で濃度5.0重量%のPt微粒子(金属微粒子(B-2))の分散
液とした。金属微粒子(B-2)分散液のpHは6で、平均粒子径は2nmであった。
ついで、実施例1と同様にして調製した金属微粒子(A-1)分散液に金属微粒子(B-2)分散液20g(Ptとして1g)を加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナノマ
イザーにて分散処理をしてPt/Ni複合金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、
遠心分離機により分離回収し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%のPt/Ni複合金属微粒子(2)の分散液とした。得られたPt/Ni複合金属微粒子(2)のPt含有量は10重量%であり、流動電位は−120mVで表面電位を有し、平均粒子径は
204nmであった。また、Pt/Ni複合金属微粒子(2)分散液の安定性を評価した。
結果を表1に示す。
導電性フィルム(2)の調製
実施例1において、複合金属微粒子(2)の分散液10gを用いた以外は同様にして導電
性フィルム(2)を調製した。導電性フィルム(2)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
実施例3(Pd/Ni)
複合金属微粒子(3)分散液の調製
純水230gに硝酸パラジウムニ水和物22.5g(Ptとして9g)を溶解した金属塩水
溶液に、錯化安定剤として濃度30重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液460gと還元剤として濃度25重量%の硫酸第一鉄七水和物187gを加え、窒素雰囲気下で20時間、20℃で攪拌して金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液から金属微粒子を遠心分離機により分離回収し、純水に再分散させて金属換算で濃度5.0重量%のPd微粒子(金属微粒子(B-3))の分散液とした。金属微粒子(B-3)分散液のpHは5で、平均粒子径は3
nmであった。
ついで、実施例1と同様にして調製した金属微粒子(A-1)分散液に金属微粒子(B-3)分散液20g(Pdとして1g)を加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナノマ
イザーにて分散処理をしてAu/Ni複合金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、
遠心分離機により分離回収し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%のPd/Ni複合金属微粒子(3)の分散液とした。得られたPd/Ni複合金属微粒子(3)のPd含有量は10重量%であり、流動電位は−98mVで表面電位を有し、複合金属微粒子(3)の平均粒子径は206nmであった。また、Pd/Ni複合金属微粒子(3)分散液の安定性を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(3)の調製
実施例1において、複合金属微粒子(3)の分散液10gを用いた以外は同様にして導電性フィルム(3)を調製した。導電性フィルム(3)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
実施例4(Ag/Ni)
複合金属微粒子(4)分散液の調製
純水230gに硝酸銀14.2g(Agとして9g)を溶解した金属塩水溶液に、錯化安定
剤として濃度30重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液460gと還元剤として濃度25重量%の硫酸第一鉄七水和物93gを加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌して金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液から金属微粒子を遠心分離機により分離回収し、純水に再分散させて金属換算で濃度5.0重量%のAg微粒子(金属微粒子(B-4))の分
散液とした。金属微粒子(B-4)分散液のpHは5で、平均粒子径は4nmであった。
ついで、実施例1と同様にして調製した金属微粒子(A-1)分散液に金属微粒子(B-4)分散液20g(Agとして1g)を加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナノマ
イザーにて分散処理をしてAu/Ni複合金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、
遠心分離機により分離回収し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%のAg/Ni複合金属微粒子(4)の分散液とした。得られたAg/Ni複合金属微粒子(4)のAg含有量は10重量%であり、流動電位は-80mVで表面電位を有し、複合金属微粒子(4)
平均粒子径は208nmであった。また、Ag/Ni複合金属微粒子(4)分散液の安定性を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(4)の調製
実施例1において、複合金属微粒子(4)の分散液10gを用いた以外は同様にして導電性フィルム(4)を調製した。導電性フィルム(4)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
実施例5(Ag-Pd/Ni)
複合金属微粒子(5)分散液の調製
純水230gに硝酸パラジウムニ水和物11.3g(Ptとして4.5g)と硝酸銀7.1g(Agとして4.5g)を溶解した金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度30重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液460gと還元剤として濃度25重量%の硫酸第一鉄七水和物187
gを加え、窒素雰囲気下で20時間、20℃で攪拌して金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液から金属微粒子を遠心分離機により分離回収し、純水に再分散させて金属換算で濃度5.0重量%のAg-Pd合金微粒子(金属微粒子(B-5))の分散液とした。金属微粒
子(B-5)分散液のpHは5で、平均粒子径は5nmであった。
ついで、実施例1と同様にして調製した金属微粒子(A-1)分散液に金属微粒子(B-5)分散液20g(Ag-Pdとして1g)を加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナノマイザーにて分散処理をしてAg-Pd/Ni複合金属微粒子の分散液を得た。得られた分散
液は、遠心分離機により分離回収し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%のAg-Pd/Ni複合金属微粒子(5)の分散液とした。得られたAg-Pd/Ni複合金
属微粒子(5)のAg-Pd含有量は10重量%であり、流動電位は−160mVで表面電位を有し、複合金属微粒子(5)の平均粒子径は210nmであった。また、Ag-Pd/Ni複合金属微粒子(5)分散液の安定性を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(5)の調製
実施例1において、複合金属微粒子(5)の分散液10gを用いた以外は同様にして導電性フィルム(5)を調製した。導電性フィルム(5)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
実施例6(Ag-Pd/Fe)
複合金属微粒子(6)分散液の調製
実施例5と同様にしてAg-Pd合金微粒子(B-5)分散液を調製した。
ついで、純水71gに鉄粉末(真空冶金(株)製:平均粒子径200nm)9g添加し混合攪拌後にpH9に調製し鉄粒子(金属微粒子(A-2))分散液を得た。 ついで、金属微
粒子(A-2)分散液にAg-Pd合金微粒子(B-5)分散液20g(Ag-Pdとして1g)を加え、窒
素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナノマイザーにて分散処理をしてAg-Pd/Fe複合金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、遠心分離機により分離回収し、純
水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%のAg-Pd/Fe複合金属微粒子(6)の分散液とした。得られたAg-Pd/Fe複合金属微粒子(6)のAg-Pd含有量は10重量
%であり、流動電位は-97mVで表面電位を有し、複合金属微粒子(6)の平均粒子径は210nm、であった。また、Ag-Pd/Fe複合金属微粒子(6)分散液の安定性を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(6)の調製
実施例1において、複合金属微粒子(6)の分散液10gを用いた以外は同様にして導電性フィルム(6)を調製した。導電性フィルム(6)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
実施例7(Au/Ag)
複合金属微粒子(7)分散液の調製
実施例1と同様にして金属微粒子(B-1)分散液を調製した。
ついで、純水71gにAg粉末((株)徳力本店製:平均粒子径500nm)9g添加
し混合攪拌後にpH6に調製しAg粒子(金属微粒子(A-3))分散液を得た。
ついで、金属微粒子(A-3)分散液に金属微粒子(B-1)分散液20g(Auとして1g)を加
え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナノマイザーにて分散処理をしてAg-Pd/Ni複合金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、遠心分離機により分離回収
し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%のAu/Ag複合金属微粒
子(7)の分散液とした。得られたAu/Ag複合金属微粒子(7)のAu含有量は10重量%であり、流動電位は−78mVで表面電位を有し、複合金属微粒子(7)の平均粒子径は510
nmであった。また、Au/Ag複合金属微粒子(7)分散液の安定性を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(7)の調製
実施例1において、複合金属微粒子(7)の分散液10gを用いた以外は同様にして導
電性フィルム(7)を調製した。導電性フィルム(7)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
実施例8(Au/Fe)
複合金属微粒子(8)分散液の調製
純水16000gに塩化金酸四水和物19g(Auとして9g)を溶解した金属塩水溶液に、濃度1.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液800gと還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム140gを加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌して金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、限外洗浄により精製した後濃縮して金属換算で濃度5.0重量%のAu微粒子(金属微粒子(B-6))の分散液とした。金属微粒子(B-6)分散液のpHは6で、平均粒子径は15nmであった。
ついで、実施例1と同様にして調製した金属微粒子(A-1)分散液に金属微粒子(B-6))の分散液20g(Auとして1g)を加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナ
ノマイザーにて分散処理をしてAu/Fe複合金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液
は、遠心分離機により分離回収し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%のAu/Fe複合金属微粒子(8)の分散液とした。得られたAu/Fe複合金属微粒子(8)のAu含有量は10重量%であり、流動電位は−82mVで表面電位を有し、複合金属微
粒子(8)の平均粒子径は230nmであった。また、Au/Fe複合金属微粒子(8)分散液の
安定性を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(8)の調製
実施例1において、複合金属微粒子(8)の分散液10gを用いた以外は同様にして導
電性フィルム(8)を調製した。導電性フィルム(8)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
比較例1
金属微粒子(R-1)分散液の調製
実施例1と同様にして金属微粒子(A-1)分散液を調製した。
金属微粒子(A-1)分散液に濃度5.0重量%のポリビニルピロリドン水溶液20g(ニッ
ケル金属重量に対してポリビニルピロリドンが20重量%)を加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナノマイザーにて分散処理をして界面活性剤処理金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、遠心分離機により分離回収し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%の界面活性剤で処理した金属微粒子(R-1)の分散液
とした。得られたNi金属微粒子(R-1)分散液の流動電位は実質的にゼロであった。Ni金
属微粒子(R-1)の平均粒子径は200nmであった。
また、Ni金属微粒子(R-1)分散液の安定性を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(R-1)の調製
実施例1において、金属微粒子(R-1)の分散液10gを用いた以外は同様にして導電性
フィルム(R-1)を調製した。導電性フィルム(R-1)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。。
比較例2
金属微粒子(R-2)分散液の調製
純水16000gに塩化金酸四水和物19g(Auとして9g)を溶解した金属塩水溶液に、濃度1.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液800gと還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム140gを加え、窒素雰囲気下で1時間、50℃で攪拌して金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、限外洗浄により精製した後濃縮して金属換算で濃度5.0重量%のAu微粒子(金属微粒子(B-7))の分散液とした。金属微粒子(B-7)分散液のpHは6で、平均粒子径は60nmであった。
ついで、実施例1と同様にして調製した金属微粒子(A-1)分散液に金属微粒子(B-7))の分散液20g(Auとして1g)を加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナ
ノマイザーにて分散処理をしてAu/Ni複合金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液
は、遠心分離機により分離回収し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%のAu/Ni複合金属微粒子(R-2)の分散液とした。得られたAu/Fe複合金属微粒子(R-2)のAu含有量は10重量%であり、流動電位は−30mVで、複合金属微粒子(R-2)の平均粒子径は320nmであった。また、Au/Fe複合金属微粒子(R-2)分散液の安定性を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(R-2)の調製
実施例1において、複合金属微粒子(R-2)の分散液10gを用いた以外は同様にして導
電性フィルム(R-2)を調製した。導電性フィルム(R-2)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
比較例3
金属微粒子(R-3)分散液の調製
実施例6と同様にして金属微粒子(A-2)分散液を調製した。
金属微粒子(A-2)分散液に濃度5.0重量%のポリビニルピロリドン水溶液20g(鉄金属重量に対してポリビニルピロリドンが20重量%)を加え、窒素雰囲気下で1時間、2
0℃で攪拌した後、ナノマイザーにて分散処理をして界面活性剤処理金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、遠心分離機により分離回収し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%の界面活性剤で処理した金属微粒子(R-3)の分散液とした
。得られたFe金属微粒子(R-3)分散液の流動電位は実質的にゼロであった。Fe金属微粒
子(R-3)の平均粒子径は200nmであった。また、Fe金属微粒子(R-3)分散液の安定性
を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(R-3)の調製
実施例1において、Fe金属微粒子(R-3)の分散液10gを用いた以外は同様にして導電性フィルム(R-3)を調製した。導電性フィルム(R-3)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
比較例4
金属微粒子(R-4)分散液の調製
実施例7と同様にして金属微粒子(A-3)分散液を調製した。
金属微粒子(A-3)分散液に濃度5.0重量%のポリビニルピロリドン水溶液20g(銀金属重量に対してポリビニルピロリドンが20重量%)を加え、窒素雰囲気下で1時間、20℃で攪拌した後、ナノマイザーにて分散処理をして界面活性剤処理金属微粒子の分散液を得た。得られた分散液は、遠心分離機により分離回収し、純水に分散させ、pHを6に調製し固形分換算で10重量%の界面活性剤で処理した金属微粒子(R-4)の分散液とした
。得られたAg金属微粒子(R-4)分散液の流動電位は実質的にゼロであった。Ag金属微
粒子(R-4)の平均粒子径は500nmであった。また、Ag金属微粒子(R-4)分散液の安定性を評価した。
結果を表1に示した。
導電性フィルム(R-4)の調製
実施例1において、Fe金属微粒子(R-4)の分散液10gを用いた以外は同様にして導電性フィルム(R-4)を調製した。導電性フィルム(R-4)について、表面抵抗値を測定した。
結果を表1に示した。
Figure 0004485174

Claims (12)

  1. (i)平均粒子径(DA)が50nm〜5μmの範囲にある金属微粒子(A)と、該金属微粒子(A)より標準電極電位が高く、平均粒子径(DB)が1nm〜20nmの範囲にある金属微粒子(B)を用い、
    (ii)前記平均粒子径(D B )と平均粒子径(D A )との比、(D B )/(D A )が1/5000〜1/5の範囲にあり、
    (iii)前記金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の標準電極電位の差が0.1〜4.1Vの範囲にあり、
    (iv)金属微粒子(A)と、金属微粒子(B)との混合分散液のpHを4〜10に維持しながら撹拌することを特徴とする、
    金属微粒子(A)の表面に金属微粒子(B)が担持された複合金属微粒子分散液の製造方法。
  2. 前記平均粒子径(DB)と平均粒子径(DA)との比、(DB)/(DA)が1/100〜3/40の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の複合金属微粒子分散液の製造方法。
  3. 前記金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の標準電極電位の差が0.88〜3.96Vの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の複合金属微粒子分散液の製造方法。
  4. 前記金属微粒子(A)がNi、Al、Mg、Ti、Fe、In、Co、Sn、Mo、Cu、Ru、Rh、Pd、Agから選ばれる1種以上の金属であり、前記金属微粒子(B)がRh、Ru、Pd、Ag、Pt、Ir、Auから選ばれる1種以上の金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属微粒子分散液の製造方法。
  5. 前記金属微粒子(A)と前記金属微粒子(B)の重量比が、金属微粒子(A)100重量部に対し金属微粒子(B)が1〜50重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合金属微粒子分散液の製造方法。
  6. 得られた複合金属微粒子分散液の流動電位が、複合金属微粒子の濃度が1重量%の場合に−400〜−50mVの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属微粒子分散液の製造方法。
  7. 平均粒子径(DA)が50nm〜5μmの範囲にある金属微粒子(A)の表面に、該金属微粒子(A)より標準電極電位が高く、平均粒子径(DB)が1nm〜20nmの範囲にある金属微粒子(B)が担持されてなり、
    前記平均粒子径(D B )と平均粒子径(D A )との比、(D B )/(D A )が1/5000〜1/5の範囲にあり、前記金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の標準電極電位の差が0.1〜4.1Vの範囲にある複合金属微粒子が分散してなることを特徴とする複合金属微粒子分散液。
  8. 複合金属微粒子の濃度が1重量%のときの分散液の流動電位が−400〜−50mVの範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の複合金属微粒子分散液。
  9. 前記平均粒子径(DB)と平均粒子径(DA)との比、(DB)/(DA)が1/100〜3/40の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の複合金属微粒子分散液。
  10. 前記金属微粒子(A)と金属微粒子(B)の標準電極電位の差が0.88〜3.96Vの範囲にあることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の複合金属微粒子分散液。
  11. 前記金属微粒子(A)がNi、Al、Mg、Ti、Fe、In、Co、Sn、Mo、Cu、Ru、Rh、Pd、Agから選ばれる1種以上の金属であり、前記金属微粒子(B)がRh、Ru、Pd、Ag、Pt、Ir、Auから選ばれる1種以上の金属であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の複合金属微粒子分散液。
  12. 前記金属微粒子(A)と前記金属微粒子(B)の重量比が、金属微粒子(A)100重量部に対し金属微粒子(B)が1〜50重量部の範囲にあることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の複合金属微粒子分散液。
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