JP2019178385A - 合金粒子分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
微小気泡を含む液は、従来用いられていたN2バブリング水等の不活性ガスによる脱気(脱酸素)処理水よりも溶存酸素濃度が高く、酸化還元電位も高いため、還元反応系に用いることは一般的には好ましくないと考えられる。ところが、意外にも、この微小気泡を含む液を用いて複数種の金属塩を還元することにより、製造される合金粒子分散液の保存安定性が向上し、この合金粒子分散液を使用した塗布液のポットライフが向上することを見いだした。
また、使用する金属の種類や割合にもよるが、合金粒子の方が貴金属粒子よりも製造コストが抑えられるメリットもある。
この製造方法では、高い収率で合金粒子が得られる。さらに、この合金粒子を用いた被膜は、高い導電性を有する。これらの理由は、よく分からないが、反応液中に含まれる微小気泡によって、複数種の金属塩から合金への還元反応が促進されること、及び合金粒子が酸化されずに、合金として存在するための保護作用があることによるものと推察している。
〈粒子調製工程〉
粒子調製工程は、上記のように、微小気泡を含む液中で複数種の金属塩を還元して合金粒子を調製する。微小気泡を含む液としては、有機溶媒であっても、水であってもよい。ただし、水の場合に、効果がより発揮される。反応液中に酸素等の酸化性ガスが存在すると、合金が酸化するおそれがある。このため、反応液及び反応液が接する空間において、酸化性ガスを可能な限り減じることが望ましい。本工程は、酸化性ガスの混入を抑制するため、N2ガスや希ガス等の不活性ガスによりパージした状態で行うことが好ましい。ただし、本製造法では、不活性ガスでの反応液のバブリングは、必ずしも行う必要はない。
ここで、酸化性ガスとしては、酸素、オゾン、炭酸ガス、一酸化窒素、一酸化二窒素、二酸化窒素、フッ素、塩素、二酸化塩素、三フッ化窒素、三フッ化塩素、四塩化珪素、二フッ化酸素、ペルクロリルフルオリド等が例示される。
微小気泡は、好ましくは平均気泡径が40nm〜10μmの微小気泡(マイクロナノバブル)である。かかる微小気泡は、気泡径が40〜100nm(0.1μm)のいわゆるナノバブル、及び気泡径が0.1〜10μmのいわゆるマイクロバブルの少なくとも一方を含んでいるものであり、両者を含むものが好ましい。微小気泡の平均気泡径の上限は、500nmが好ましく、350nmがより好ましく、200nmがさらに好ましい。また、微小気泡の平均気泡径の下限は、50nmが好ましく、60nmがより好ましく、65nmがさらに好ましい。
合金粒子の原料となる金属塩は、周期表の4族、5族、6族、8族、9族、10族、11族、13族、14族及び15族から選ばれる複数種の金属の塩が用いられる。また、これらの金属塩は、予め混合して用いてもよい。塩の種類としては、例えば、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
粒子調製工程の還元反応は、通常、還元剤を用いて行われる。
還元剤は、例えば、硫酸第一鉄、NaBH4、ヒドラジン、水素、アルコール、クエン酸3ナトリウム、酒石酸、次亜リン酸ナトリウム、ギ酸、LiBH4、LiAlH4、ジボランが挙げられる。中でも、クエン酸3ナトリウム、酒石酸、ギ酸が好ましい。これらは、還元剤と安定剤の両方の機能を有している。このため、不純分を除去する際の工程が軽減されるとともに安定性も向上する。
粒子調製工程では、有機安定化剤を用いることが好ましい。有機安定化剤の添加により、金属塩に有機安定化剤が吸着され、金属塩の分散性が向上し、金属塩の還元をよりスムーズに行える。また、生成した合金粒子が分散媒中に安定的に分散される。
粒子調製工程の反応液のpHが4.0〜11.0になるように、pH調整剤を用いることができる。pH調整剤は、鉱酸、有機酸が適している。中でもC1〜C3の炭素数をもつ有機酸が好ましい。なお、上記有機安定化剤が、pH調整剤の機能を兼ねてもよい。
洗浄工程は、粒子調製工程で調製した合金粒子を洗浄液で洗浄する。本工程で、脱塩が行われ、また、有機安定化剤の除去が行われる。ここで、塩とは、金属塩の還元処理によって生じた合金粒子以外の物質であり、反応液中にイオンとして存在する。具体的には、ナトリウム、鉄等の金属イオンや、ホウ素イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、有機酸イオン等が例示される。
洗浄工程の後、遠心分離等により、粗大粒子を除去することが好ましい。
本発明の合金粒子分散液は、微小気泡を含む液中に合金粒子が分散していることを特徴とする。微小気泡を含む液の詳細は、上記粒子調製工程で用いた微小気泡を含む液(反応液)と同様である。この合金粒子分散液は、上記の製造方法により製造できる。
分散媒は、水や有機溶媒が適している。ここで、有機溶媒は、特に種類を選ばないが、塗布液としての加工のしやすさや被膜付基材の製造のしやすさからアルコール類が好ましい。中でも、メタノールやエタノールが好ましい。
また、pHは、通常、4.0〜7.0であり、4.5〜6.5が好ましい。ここで、pHが4.0未満の場合は、イオンの状態で存在し、合金粒子が得られない場合がある。逆に、pHが7.0を超える場合は、塩濃度が高いため、合金粒子が凝集する場合がある。
合金粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡写真を撮影し、任意の500個の粒子について、粒子径を測定し、その平均値として得る。
本発明の合金粒子分散液に含まれる合金粒子を用いて被膜形成用塗布液が製造できる。被膜形成用塗布液には、従来公知の各種添加剤を添加することができる。
〈粒子調製工程〉
旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK−20−SD)で超純水とN2を接触させて、N2マイクロナノバブル水(平均気泡径70nm、気泡個数2.4億個/mL、pH5.79(25℃、以下同じ)、電気伝導度1.17μS/cm、溶存酸素濃度(DO)1.70ppm、酸化還元電位(ORP)330mV)を準備した。
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物(有機安定化剤)400gを溶解し、溶液(S1−1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水600gに硫酸第一鉄7水和物(還元剤)180gを溶解し、溶液(S1−2)を調製した。
溶液(S1−1)と溶液(S1−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液A1を調製した。
超純水(pH6.32、電気伝導度0.05μS/cm、DO6.17ppm、ORP350mV)をN2にてバブリングを1時間行い、溶存酸素を除去したN2バブリング水(pH6.6、電気伝導度0.6μS/cm、DO0.6ppm、ORP260mV)を準備した。N2バブリング水を用いて調製した濃度20質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gに、上記分離回収した合金粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、再度遠心分離により分離回収した。
合金粒子分散液(P−1)中の微小気泡については、この合金粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SEP−1013分画分子量4000)で濾過して合金粒子を取り除き、濾液中の微小気泡の平均気泡径と気泡個数を測定した。微小気泡の平均気泡径及び気泡個数は、液中の気泡のブラウン運動移動速度を、ナノ粒子トラッキング解析法を用いて測定した。具体的には、測定試料(溶液A1、溶液B1又は合金粒子分散液(P−1)の濾液)約20mLを吸引させながら測定機器(Malvern社製「ナノサイト NS300」)に注入し、ナノ粒子トラッキング解析法にて測定した。なお、マイクロナノバブル水は、濾過処理をせずに、そのまま上記方法で測定した。
電気伝導度は、交流2電極法によって測定した。具体的には、pHメーター(堀場製作所製F−74 、電極型番3551−10D)を導電率測定モードにて、測定する液に電極を浸漬させて求めた。なお、バブリング水、マイクロナノバブル水、合金粒子分散液の各液温は25℃に調整した。
酸化還元電位(Oxidation Reduction Potential)は、pHメーター(堀場製作所製F−74、電極型番9300−10D)の設定をORP測定モードにて、電極を測定する液に電極を浸漬させて求めた。なお、バブリング水、マイクロナノバブル水、合金粒子分散液の各液温は25℃に調整した。
溶存酸素(Dissolved Oxygen)濃度は、隔膜式ガルバニ電池法によって測定した。具体的には、pHメーター(堀場製作所製OM−51 、電極型番9520−10D)を導電率測定モードにて、測定する液に電極を浸漬させて大気圧下で求めた。なお、バブリング水、マイクロナノバブル水、合金粒子分散液の各液温は25℃に調整した。
合金粒子の収率は、合金粒子分散液中の金属量をICPで測定した金属分散液中の金属濃度から算出し、これを仕込みの金属塩から計算される理論上の金属量で割ったものに100を乗じて求めた。
合金粒子の平均粒子径は、画像解析法により測定した。具体的には、透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、合金粒子分散液を電子顕微鏡用銅セルのコロジオン膜上で乾燥して、倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の500個の粒子について、その粒子径を測定し、その平均値を合金粒子の平均粒子径とした。
合金粒子分散液をそのままセルに入れ、マイクロトラック法にて測定し、その平均値(D50)を金属粒子の平均粒子径とした。
合金粒子分散液を溶液のまま、X線回折による解析を行い、合金及び金属酸化物の存在の有無を確認した。試料のX線回折による定性分析は、RIGAKU(株)製X−RAY DIFFRACT METER(SmartLab)にて行った。具体的には、試料をセルに入れ装置にセットし、管電圧45.0kV、管電流200.0mA、対陰極Cu、測定範囲:開始角度〜終了角度(2θ)5.000°〜70.000°、スキャンスピード5.000°/minにて測定した。
合金のピークが観察され、かつ金属単体のピークが観察されない場合、合金が存在すると判断する。
合金の存在が確認された場合 :○
合金の存在が確認されなかった場合 :×
金属酸化物のピークが観察されなかった場合:○
金属酸化物のピークが観察された場合 :×
各元素の質量分析は、誘導結合プラズマ分光分析装置にて化学分析を行った。具体的には、合金粒子分散液を濃硝酸に溶解して、水で濃度10〜100質量ppmに調整した溶液を島津製作所(株)製 SEQUENTIAL PLASMA SPECTROMETER(ICPS−8100)にて分析した。
合金粒子分散液を、超純水を用いて100倍希釈して、イオン交換クロマトグラフ(東ソー製 TSKgel SuperQ−5PW)を用いて、SO4、Cl、NO3、の濃度を測定した。
合金粒子中の炭素含有量は、合金粒子分散液を100℃で乾燥させ、炭素硫黄分析装置(HORIBA製 EMIA−320V)を用いて測定した。
25℃で保管した合金粒子分散液のX線回折(XRD)による合金粒子の酸化の有無および導電性の変化を確認した。
得られた合金粒子分散液(P−1)をエタノールで0.5質量%に希釈し、被膜形成用塗布液を作製した。これをスピンコート法でガラスに塗布し、ついで窒素雰囲気下で、200℃で30分間焼成し、被膜付基材を作製した。この被膜付基材の導電性をローレスタ(三菱化学製 NSCPプローブ)で測定した。また、被膜の一部をカッターナイフで剥離させ段差をつくり、レーザー顕微鏡でこの段差を測定し、これを膜厚とした。これらの結果を表−1に示した(以下の実施例、比較例も同様)。
〈粒子調製工程〉
実施例1と同様にして、N2マイクロナノバブル水を準備した。
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(S2−1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水600gに硫酸第一鉄7水和物180gを溶解し、溶液(S2−2)を調製した。
溶液(S2−1)と溶液(S2−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液A2を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(P−2)を得た。
合金粒子分散液(P−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1と同様にして、N2マイクロナノバブル水を準備した。
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(S3−1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水600gに硫酸第一鉄7水和物180gを溶解し、溶液(S3−2)を調製した。
溶液(S3−1)と溶液(S3−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液A3を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(P−3)を得た。
合金粒子分散液(P−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1と同様にして、N2マイクロナノバブル水を準備した。
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(S4−1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水500gに硫酸第一鉄7水和物100gを溶解し、溶液(S4−2)を調製した。
溶液(S4−1)と溶液(S4−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液A4を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。N2バブリング水を用いて調製した濃度30質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gに、上記分離回収した金属粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、遠心分離により分離回収した。同様に、N2バブリング水を用いて調製した濃度20質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gに、上記分離回収した金属粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、再度遠心分離により分離回収した。
合金粒子分散液(P−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1と同様にして、N2マイクロナノバブル水を準備した。
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(S5−1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水500gに硫酸第一鉄7水和物100gを溶解し、溶液(S5−2)を調製した。
溶液(S5−1)と溶液(S5−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液A5を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。以降、実施例4と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(P−5)を得た。
合金粒子分散液(P−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1と同様にして、N2マイクロナノバブル水を準備した。
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(S6−1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水500gに硫酸第一鉄7水和物100gを溶解し、溶液(S6−2)を調製した。
溶液(S6−1)と溶液(S6−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液A6を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(P−6)を得た。
合金粒子分散液(P−6)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1と同様にして、N2マイクロナノバブル水を準備した。
N2マイクロナノバブル水450gに硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO3)26H2O)(関東化学(株)製)50gと、硝酸銅(II)3水和物10gと、クエン酸水和物(有機安定化剤)(キシダ化学(株)製)0.5gを溶解し、溶液A7を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(P−7)を得た。
合金粒子分散液(P−7)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1と同様にして、N2マイクロナノバブル水を準備した。
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(S8−1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水600gに硫酸第一鉄7水和物180gを溶解し、溶液(S8−2)を調製した。
溶液(S8−1)と溶液(S8−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液A8を調製した。
実施例1の粒子調製工程と同様にして、N2マイクロナノバブル水を準備した。以降、N2バブリング水の代わりに、このN2マイクロナノバブル水を使用する以外は、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(P−8)を得た。
合金粒子分散液(P−8)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1の洗浄工程と同様にして、N2バブリング水を準備した。N2バブリング水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物(有機安定化剤)400gを溶解し、溶液(RS1−1)を調製した。
N2バブリング水600gに硫酸第一鉄7水和物(還元剤)180gを溶解し、溶液(RS1−2)を調製した。
溶液(RS1−1)と溶液(RS1−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液RA1を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。N2バブリング水を用いて調製した濃度20質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gに、上記分離回収した金属粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、再度遠心分離により分離回収した。
金属粒子分散液(RP−1)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1の洗浄工程と同様にして、N2バブリング水を準備した。
N2バブリング水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(RS2−1)を調製した。
N2バブリング水500gに硫酸第一鉄7水和物100gを溶解し、溶液(RS2−2)を調製した。
溶液(RS2−1)と溶液(RS2−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液RA2を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。N2バブリング水を用いて調製した濃度30質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gに、上記分離回収した金属粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、遠心分離により分離回収した。同様に、N2マイクロナノバブル水を用いて調製した濃度20質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gに、上記分離回収した金属粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、再度遠心分離により分離回収した。
金属粒子分散液(RP−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1の洗浄工程と同様にして、N2バブリング水を準備した。
N2バブリング水450gに硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO3)26H2O)(関東化学(株)製)50gと、クエン酸水和物(有機安定化剤)(キシダ化学(株)製)0.5gを溶解し、溶液RA3を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。以降、実施例1と同様にして、黒色の金属粒子分散液(RP−4)を得た。
金属粒子分散液(RP−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1の洗浄工程と同様にして、N2バブリング水を準備した。N2バブリング水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物(有機安定化剤)400gを溶解し、溶液(RS4−1)を調製した。
N2バブリング水600gに硫酸第一鉄7水和物(還元剤)180gを溶解し、溶液(RS4−2)を調製した。
溶液(RS4−1)と溶液(RS4−2)とを混合して30分間攪拌し、溶液RA4を調製した。
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。以降、実施例1と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液(RP−4)を得た。
金属粒子分散液(RP−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。このN2バブリング水を溶液A1及び溶液B1の調製、洗浄、並びに合金粒子分散液の分散媒に使用する以外は、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(RP−5)を得た。
合金粒子分散液(RP−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。このN2バブリング水を溶液A2及び溶液B2の調製、洗浄、並びに合金粒子分散液の分散媒に使用する以外は、実施例2と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(RP−6)を得た。
合金粒子分散液(RP−6)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。このN2バブリング水を溶液A3及び溶液B3の調製、洗浄、並びに合金粒子分散液の分散媒に使用する以外は、実施例3と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(RP−7)を得た。
合金粒子分散液(RP−7)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。このN2バブリング水を溶液A4及び溶液B4の調製、洗浄、並びに合金粒子分散液の分散媒に使用する以外は、実施例4と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(RP−8)を得た。
合金粒子分散液(RP−8)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。このN2バブリング水を溶液A5及び溶液B5の調製、洗浄、並びに合金粒子分散液の分散媒に使用する以外は、実施例5と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(RP−9)を得た。
合金粒子分散液(RP−9)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。このN2バブリング水を溶液A6及び溶液B6の調製、洗浄、並びに合金粒子分散液の分散媒に使用する以外は、実施例6と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液(RP−10)を得た。
合金粒子分散液(RP−10)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1と同様にして、N2バブリング水を準備した。このN2バブリング水を溶液A7及び溶液B7の調製、洗浄、並びに合金粒子分散液の分散媒に使用する以外は、実施例7と同様にして、黒色の合金粒子分散液(RP−11)を得た。
合金粒子分散液(RP−11)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
CuCl2粉末、溶媒として水、分散剤としてCTAB、銅ナノ粒子の酸化を抑制する保護剤としてクエン酸を用いた。容積100mlのビーカーに水を入れ、水中に窒素を流し、攪拌した状態で、1.0×10−2Mの塩化銅、0.0364gのCTAB、1.5×10−3Mのクエン酸を水に混合した後、還元剤として0.4Mのヒドラジンを加えて銅ナノ粒子の作製を行った。このとき加えた試薬と水は全体で20mlとなるように水の量を調整した。3時間室温で攪拌した後、得られた粒子に遠心洗浄を3回行った後、純水を用いて金属換算で濃度が2.5質量%の金属粒子分散液(RP−12)水分散液を調製した。
金属粒子分散液(RP−12)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
硫酸銅0.1モル、次亜リン酸ナトリウム0.4モル、PVP1モル及びエチレングリコール500mlをビーカーで混合して40℃に昇温した後、撹拌機を用いて溶解させて混合溶液を製造した。製造した混合溶液をマイクロ波オーブンに投入して3分間マイクロ波を照射した。還元反応により黒褐色の反応物が得られたらマイクロ波の照射を止め、前記混合溶液に予め冷却した蒸留水500mlを投入して急冷した。遠心分離により黒褐色の銅ナノ粒子を回収し、アセトンと蒸留水とを用いて3回洗浄した後、エチレングリコールを用いて金属換算で濃度が2.5質量%の金属粒子エチレングリコール分散液(RP−13)を調製した。
金属粒子分散液(RP−13)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1の粒子調製工程と同様にして、N2マイクロバブル水を準備した。このN2マイクロバブル水を、N2バブリング水の代わりに、粒子調製工程に使用する以外は、比較例1と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液(SP−1)を得た。
金属粒子分散液(SP−1)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1の粒子調製工程と同様にして、N2マイクロバブル水を準備した。このN2マイクロバブル水を、N2バブリング水の代わりに、粒子調製工程に使用する以外は、比較例2と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液(SP−2)を得た。
金属粒子分散液(SP−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1の粒子調製工程と同様にして、N2マイクロバブル水を準備した。このN2マイクロバブル水を、N2バブリング水の代わりに、粒子調製工程に使用する以外は、比較例3と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液(SP−3)を得た。
金属粒子分散液(SP−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製および洗浄工程〉
実施例1の粒子調製工程と同様にして、N2マイクロバブル水を準備した。このN2マイクロバブル水を、N2バブリング水の代わりに、粒子調製工程に使用する以外は、比較例4と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液(SP−4)を得た。
金属粒子分散液(SP−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、被膜形成用塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
Claims (7)
- 微小気泡を含む液中で複数種の金属塩を還元して合金粒子を調製する粒子調製工程と、
前記合金粒子を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、
を含むことを特徴とする合金粒子分散液の製造方法。 - 前記金属塩が、4族、5族、6族、8族、9族、10族、11族、13族、14族及び15族から選ばれる金属の塩であることを特徴とする請求項1に記載の合金粒子分散液の製造方法。
- 前記微小気泡を含む液が、微小気泡を含む水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合金粒子分散液の製造方法。
- 前記微小気泡を含む液が、有機安定化剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合金粒子分散液の製造方法。
- 前記微小気泡が、非酸化性ガスを含む気泡であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の合金粒子分散液の製造方法。
- 前記洗浄液が、微小気泡を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の合金粒子分散液の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により調製された合金粒子を含む被膜形成用塗布液を基材上に塗布することを特徴とする被膜付基材の製造方法。
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