JP7083711B2 - 合金粒子分散液の製造方法、合金粒子分散液、及び被膜付基材の製造方法 - Google Patents
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Description
この製造方法は、上記各工程の前後に他の工程を有していてもよい。例えば、洗浄工程の後に、粗大粒子を除去する粗大粒子除去工程を有していてもよい。
ところが、意外にも、この微小気泡を含む液を用いて金属塩の還元反応を行うと、有機安定化剤が存在しなくても、金属塩の分散性が高く、製造される合金粒子分散液の合金粒子が高い収率で得られ、合金粒子の分散性や保存安定性が向上することを見出した。また、この合金粒子分散液を使用した塗布液のポットライフも向上することを見出した。さらに、この塗布液を用いて作製した被膜付基材は、高い導電性(低い表面抵抗値)を有することを見出した。この導電性能は、微小気泡存在下、還元反応時に有機安定化剤を使用しない方が高性能であることを見出した。これらの理由は、よく分からないが、反応液中に含まれる微小気泡によって、合金粒子が酸化されずに、合金として存在するための保護作用があるためと推察している。加えて、金属塩の還元反応において、有機安定化剤が存在しないため、有機安定化剤が金属塩や合金粒子に吸着することはない。その結果、得られた合金粒子分散液、それを使用した塗布液および被膜付基材中の合金粒子は、有機安定化剤に由来する有機物で被覆されないため、導電性能が向上していると考えている。
また、使用する金属の種類や割合にもよるが、貴金属と卑金属、あるいは卑金属同士の合金粒子の方が貴金属粒子よりも製造コストが抑えられるメリットもある。
以下に、合金粒子分散液の製造方法について説明する。
〈粒子調製工程〉
反応液中で、還元剤と複数種の金属塩とを混合して合金粒子を調製する。反応液としては、有機安定化剤を含まず、後述する微小気泡を含む液を用いるのであれば、有機溶媒であっても、水であってもよい。ただし、水の場合に、効果がより発揮される。
反応液中に酸素等の酸化性ガスが存在すると、合金や金属が酸化するおそれがある。このため、反応液及び反応液が接する空間において、酸化性ガスを可能な限り減じることが望ましい。本工程は、酸化性ガスの混入を抑制するため、N2ガスや希ガス等の不活性ガスによりパージした状態で行うことが好ましい。
ここで、酸化性ガスとしては、酸素、オゾン、炭酸ガス、一酸化窒素、一酸化二窒素、二酸化窒素、フッ素、塩素、二酸化塩素、三フッ化窒素、三フッ化塩素、四塩化珪素、二フッ化酸素、ペルクロリルフルオリド等が例示される。
この有機安定化剤は、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ポリアクリル酸、カルボン酸化合物等が例示される。
微小気泡は、好ましくは平均気泡径が40nm~10μmの微小気泡(マイクロナノバブル)である。かかる微小気泡は、気泡径が40~100nm(0.1μm)のいわゆるナノバブル、及び気泡径が0.1~10μmのいわゆるマイクロバブルの少なくとも一方を含むものであり、両者を含むものが好ましい。微小気泡の平均気泡径の上限は、500nmが好ましく、350nmがより好ましく、200nmがさらに好ましい。また、微小気泡の平均気泡径の下限は、50nmが好ましく、60nmがより好ましく、65nmがさらに好ましい。
合金粒子の原料となる金属塩は、周期表の4族、5族、6族、8族、9族、10族、11族、13族、14族及び15族から選ばれる複数種の金属の塩が用いられる。これらの金属塩は予め混合して用いてもよい。塩の種類としては、例えば、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
粒子調製工程における還元反応は、通常、還元剤を用いる。
還元剤は、例えば、硫酸第一鉄、NaBH4、ヒドラジン、水素、アルコール、次亜リン酸ナトリウム、LiBH4、LiAlH4、ジボランが挙げられる。
粒子調製工程の反応液は、上記のように、pHが2.5~10.5になるように、pH調整剤を用いて調整しても良い。pH調整剤は、鉱酸、有機酸が適している。
ここで、有機酸を使用する場合、その分子量が大きいものは、合金粒子への有機物被覆のおそれがあるため、炭素数が1~3の低分子量のものが好ましい。その使用量は、金属塩1モルに対して0.5モル未満が好ましい。
洗浄工程では、粒子調製工程で調製した合金粒子を洗浄液で洗浄する。ここで、脱塩が行われる。この塩とは、複数種の金属塩の還元処理によって生じた合金粒子以外の物質であり、反応液中にイオンとして存在する。具体的には、ナトリウム、鉄等の金属イオンや、ホウ素イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、有機酸イオン等が例示される。この洗浄工程では、カルボン酸化合物等の金属イオンと錯体を形成する有機安定化剤を使用しても構わない。それは、例えば、還元剤として硫酸第一鉄のような金属を含む還元剤を使用した場合、この還元剤の金属イオンと有機安定化剤とが錯体を形成して、効率よく還元剤を除去できるためである。
洗浄工程の後、遠心分離等により、粗大粒子を除去することが好ましい。
[合金粒子分散液]
本発明の合金粒子分散液は、微小気泡を含む液中に合金粒子が分散していることを特徴とする。微小気泡を含む液の詳細は、上記粒子調製工程で用いた微小気泡を含む液(反応液)と同様である。また、合金粒子としては、周期表の4族、5族、6族、8族、9族、10族、11族、13族、14族、15族から選ばれる金属の合金粒子が挙げられる。合金粒子は、複数種を混合して用いてもよい。この合金粒子分散液は、上記の製造方法により製造できる。
分散媒は、水や有機溶媒が適している。ここで、有機溶媒は、特に種類を選ばないが、塗布液としての加工のしやすさや被膜付基材の製造のしやすさからアルコール類が好ましく、メタノールやエタノールがより好ましい。
中でも、Ag-Pd、Cu-Pd、Ni-Cuといった合金粒子は酸化やイオン化を受けにくい。その結果、合金粒子との電気的な相互作用があると推定される微小気泡粒子との安定化効果もあり、保存安定性の高い分散液を得やすい。
また、pHは、通常、4.0~7.0であり、4.5~6.5が好ましい。ここで、pHが4.0未満の場合は、イオンの状態で存在し、合金粒子が得られない場合がある。逆に、pHが7.0を超える場合は、塩濃度が高いため、合金粒子が凝集する場合がある。
この合金粒子に含有される炭素は、金属塩、還元剤、pH調整剤、洗浄液、溶媒等の有機化合物に由来する。これには、合金粒子分散液の製造のために、意図的に添加されたものの他、原料等に不可避的に存在するものも含まれる。特に、合金粒子分散液に、前述の有機安定化剤が含まれていると、合金粒子表面が有機物で被覆されるため、被膜にした場合、導電性が低下するおそれがある。このような有機物に由来する炭素含有量は、後述のように、C(カーボン)量を分析することで求めることができる。
合金粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡写真を撮影し、任意の500個の粒子について、粒子径を測定し、その平均値として得る。
[塗布液の製造方法]
本発明の合金粒子分散液に含まれる合金粒子を用いて被膜形成用塗布液が製造できる。被膜形成用塗布液には、従来公知の各種添加剤を添加することができる。
被膜付基材の製造は、この塗布液を基材上に塗布した後、乾燥し、必要に応じて焼成を行う。
〈粒子調製工程〉
旋回流方式のバブル発生装置(株式会社Ligaric製 HYK-20-SD)で超純水とN2を接触させて、N2マイクロナノバブル水(平均気泡径70nm、気泡個数2.4億個/mL、pH5.79、電気伝導度1.17μS/cm、DO1.70ppm、ORP330mV)を準備した。
N2マイクロナノバブル水600gに硫酸第一鉄7水和物(還元剤)180gを溶解し、溶液A1を調製した。
粒子調製工程と同様にして、N2マイクロナノバブル水を準備した。
N2マイクロナノバブル水200gに、上記分離回収した合金粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、再度遠心分離により分離回収した。
ICP分析で上記分離回収した合金粒子の金属濃度を定量し、N2マイクロナノバブル水を用いて金属換算で濃度が2.5質量%の合金粒子水分散液を調製した。その後、両性イオン交換樹脂10gを用いて脱イオンを行い、金属換算で濃度が2.5質量%の黒茶色の合金粒子分散液P1を得た。
合金粒子分散液P1中の微小気泡については、この合金粒子分散液を限外濾過膜(旭化成製SEP-1013分画分子量4000)で濾過して合金粒子を取り除き、濾液中の微小気泡の平均気泡径と気泡個数を測定した。微小気泡の平均気泡径及び気泡個数は、液中の気泡のブラウン運動移動速度を、ナノ粒子トラッキング解析法を用いて測定した。具体的には、測定試料(溶液A1、溶液B1又は合金粒子分散液P1の濾液)約20mLを吸引させながら測定機器(Malvern社製「ナノサイト NS300」)に注入し、ナノ粒子トラッキング解析法にて測定した。なお、マイクロナノバブル水は、濾過処理をせずに、そのまま上記方法で測定した。
電気伝導度は、交流2電極法によって測定した。具体的には、pHメーター(堀場製作所製F-74 、電極型番3551-10D)を導電率測定モードにて、測定する液に電極を浸漬させて求めた。なお、バブリング水、マイクロナノバブル水、合金粒子分散液の各液温は25℃に調整した。
酸化還元電位(Oxidation Reduction Potential)は、pHメーター(堀場製作所製F-74、電極型番9300-10D)の設定をORP測定モードにて、電極を測定する液に電極を浸漬させて求めた。なお、バブリング水、マイクロナノバブル水、合金粒子分散液の各液温は25℃に調整した。
溶存酸素(Dissolved Oxygen)濃度は、隔膜式ガルバニ電池法によって測定した。具体的には、pHメーター(堀場製作所製OM-51 、電極型番9520-10D)を導電率測定モードにて、測定する液に電極を浸漬させて大気圧下で求めた。なお、バブリング水、マイクロナノバブル水、合金粒子分散液の各液温は25℃に調整した。
合金粒子の収率は、合金粒子分散液中の金属量をICPで測定した合金分散液中の金属濃度から算出し、これを仕込みの金属塩から計算される理論上の金属量で割ったものに100を乗じて求めた。
合金粒子の平均粒子径は、画像解析法により測定した。具体的には、透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H-800)により、合金粒子分散液を電子顕微鏡用銅セルのコロジオン膜上で乾燥して、倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の500個の粒子について、その粒子径を測定し、その平均値を合金粒子の平均粒子径とした。
合金粒子分散液をそのままセルに入れ、マイクロトラック法にて測定し、その平均値(D50)を合金粒子の平均粒子径とした。
各元素の質量分析は、誘導結合プラズマ分光分析装置にて化学分析を行った。具体的には、合金粒子分散液を濃硝酸に溶解して、水で濃度10~100質量ppmに調整した溶液を島津製作所(株)製 SEQUENTIAL PLASMA SPECTROMETER(ICPS-8100)にて分析した。
合金粒子中の炭素含有量は、合金粒子分散液を100℃で乾燥させ、炭素硫黄分析装置(HORIBA製 EMIA-320V)を用いて測定した。
合金粒子分散液を、超純水を用いて100倍希釈して、イオン交換クロマトグラフ(東ソー製 TSKgel SuperQ-5PW)を用いて、SO4、NO3の濃度を測定した。
合金粒子分散液を溶液のまま、X線回折による解析を行い、合金及び金属酸化物の存在の有無を確認した。試料のX線回折による定性分析は、RIGAKU(株)製X-RAY DIFFRACT METER(SmartLab)にて行った。具体的には、試料をセルに入れ装置にセットし、管電圧45.0kV、管電流200.0mA、対陰極Cu、測定範囲:開始角度~終了角度(2θ)5.000°~70.000°、スキャンスピード5.000°/minにて測定した。
合金のピークが観察され、かつ金属単体のピークが観察されない場合、合金が存在すると判断する。
合金の存在が確認された場合 :○
合金の存在が確認されなかった場合 :×
金属酸化物のピークが観察されなかった場合:○
金属酸化物のピークが観察された場合 :×
25℃で保管した合金粒子分散液のX線回折(XRD)による合金粒子の酸化の有無および導電性の変化を確認した。
得られた合金粒子分散液P1をエタノールで0.5質量%に希釈し、塗布液を作製した。これをスピンコート法でガラスに塗布し、ついで窒素雰囲気下で、200℃で30分間焼成し、被膜付基材を作製した。この被膜付基材の導電性をローレスタ(三菱化学製 NSCPプローブ)で測定した。また、被膜の一部をカッターナイフで剥離させ段差をつくり、レーザー顕微鏡でこの段差を測定し、これを膜厚とした。これらの結果を表2に示した(以下の実施例、比較例も同様)。
〈合金粒子分散液の調製、塗布液および被膜付基材の作製〉
実施例1の洗浄工程で、N2マイクロナノバブル水の代わりに、N2マイクロナノバブル水を用いて調製した濃度20質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gを使用した以外は、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液P2を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液P2を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈合金粒子分散液の調製、塗布液および被膜付基材の作製〉
超純水(pH(25℃、以下同じ)6.32、電気伝導度0.05μS/cm、溶存酸素量(DO)6.17ppm、酸化還元電位(ORP)350mV)をN2にてバブリングを1時間行い、溶存酸素を除去したN2バブリング水(pH6.6、電気伝導度0.6μS/cm、DO0.6ppm、ORP260mV)を準備した。
実施例1の洗浄工程で、N2マイクロナノバブル水の代わりに、N2バブリング水を使用した以外は実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液P3を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液P3を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1の溶液A1と同様にして、溶液A4を調製した。
次に、N2マイクロナノバブル水600gに硝酸銅(II)3水和物60.8gと硝酸パラジウム(II)2水和物10gを溶解し、溶液B4を調製した。その後、溶液B4に溶液A4を添加し、10時間攪拌して得られた分散液から合金粒子を遠心分離機により分離回収した。
洗浄工程以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液P4を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液P4を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例1の溶液A1と同様にして、溶液A5を調製した。
次に、N2マイクロナノバブル水600gに硝酸銅(II)3水和物75gと硝酸パラジウム(II)2水和物0.5gを溶解し、溶液B5を調製した。その後、溶液B5に溶液A5を添加し、10時間攪拌して得られた分散液から、合金粒子を遠心分離機により分離回収した。
洗浄工程以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液P5を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液P5を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
N2マイクロナノバブル水500gに硫酸第一鉄7水和物100gを溶解し、溶液A6を調製した。
次に、N2マイクロナノバブル水300gに硝酸銀(I)28.5gと硝酸パラジウム(II)2水和物45.3gを溶解し、溶液B6を調製した。その後、溶液B6に溶液A6を添加し、10時間攪拌して得られた分散液から、合金粒子を遠心分離機により分離回収した。
洗浄工程以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液P6を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液P6を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例6と同様にして、合金粒子を調製し、これを遠心分離機により分離回収した。
実施例1の洗浄工程で、N2マイクロナノバブル水の代わりに、N2バブリング水を使用した以外は実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液P7を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液P7を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例6の溶液A6と同様に、溶液A8を調製した。
次に、N2マイクロナノバブル水300gに硝酸銀(I)51.3gと硝酸パラジウム(II)2水和物9.1gを溶解し、溶液B8を調製した。その後、溶液B8に溶液A8を添加し、10時間攪拌して得られた分散液から、合金粒子を遠心分離機により分離回収した。
洗浄以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液P7を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液P8を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
N2マイクロナノバブル水450gに硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO3)26H2O)(関東化学(株)製)50gと、硝酸銅(II)3水和物10gを溶解し、溶液A9を調製した。
洗浄工程以降、実施例1と同様にして、黒色の合金粒子分散液P9を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液P9を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
実施例3の洗浄工程に記載の方法と同様にして、N2バブリング水を準備した。
N2バブリング水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物(有機安定化剤)400gを溶解し、溶液(RS1-1)を調製した。
N2バブリング水600gに硫酸第一鉄7水和物(還元剤)180gを溶解し、溶液(RS1-2)を調製した。
溶液(RS1-1)と溶液(RS1-2)とを混合して30分間攪拌し、溶液RA1を調製した。
N2バブリング水を用いて調製した濃度20質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gに、上記分離回収した合金粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、再度遠心分離により分離回収した。
N2マイクロナノバブル水の代わりにN2バブリング水を使用した以外は、実施例1と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液RP1を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液RP1を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
N2マイクロナノバブル水の代わりにN2バブリング水を使用した以外は、実施例1と同様にして得られた分散液から、合金粒子を遠心分離機により分離回収した。
洗浄工程以降、比較例1と同様にして、黒色の合金粒子分散液RP2を得た。しかしながら、この分散液はすぐに沈殿を生じ、塗布液および被膜付基材の作製は出来なかった。
〈粒子調製工程〉
N2バブリング水の代わりにN2マイクロナノバブル水を使用した以外は、比較例1と同様にして、合金粒子を調製し、これを遠心分離機により分離回収した。
洗浄工程以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液RP3を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液RP3を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程および洗浄工程〉
N2バブリング水の代わりにN2マイクロナノバブル水を使用した以外は、比較例1と同様にした。
実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液RP4を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液RP4を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
比較例2と同様に行った。
洗浄工程以降、実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液RP5を得た。しかしながら、この分散液はすぐに沈殿を生じ、塗布液および被膜付基材の作製は出来なかった。
〈粒子調製工程および洗浄工程〉
比較例1の溶液RA1と同様にして、溶液RA6を調製した。
次に、N2バブリング水600gに硝酸銅(II)3水和物60.8gと硝酸パラジウム(II)2水和物10gを溶解し、溶液RB6を調製した。その後、溶液RB6に溶液RA6を添加し、10時間攪拌して得られた分散液から合金粒子を遠心分離機により分離回収した。
次いで、比較例1の洗浄工程と同様にした。
実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液RP6を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液RP6を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程および洗浄工程〉
比較例1の溶液RA1と同様にして、溶液RA7を調製した。
次に、N2バブリング水600gに硝酸銅(II)3水和物75gと硝酸パラジウム(II)2水和物0.5gを溶解し、溶液RB7を調製した。その後、溶液RB7に溶液RA7を添加し、10時間攪拌して得られた分散液から合金粒子を遠心分離機により分離回収した。
次いで、比較例1の洗浄工程と同様にした。
実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液RP7を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液RP7を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
N2バブリング水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(RS8-1)を調製した。
N2バブリング水500gに硫酸第一鉄7水和物100gを溶解し、溶液(RS8-2)を調製した。
溶液(RS8-1)と溶液(RS8-2)とを混合して30分間攪拌し、溶液RA8を調製した。
N2バブリング水を用いて調製した濃度30質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gに、上記分離回収した合金粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、遠心分離により分離回収した。次いで、同様にN2バブリング水を用いて調製した濃度20質量%のクエン酸3ナトリウム水溶液200gに、上記分離回収した合金粒子を浸漬して洗浄(脱塩)した後、再度遠心分離により分離回収した。
実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液RP8を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液RP8を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(RS9-1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水500gに硫酸第一鉄7水和物100gを溶解し、溶液(RS9-2)を調製した。
溶液(RS9-1)と溶液(RS9-2)とを混合して30分間攪拌し、溶液RA9を調製した。
N2バブリング水の代わりにN2マイクロナノバブル水を使用した以外は、比較例8の洗浄工程と同様にした。
実施例1と同様にして、金属換算で濃度が2.5質量%の黒茶色の合金粒子分散液RP9を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液RP9を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程および洗浄工程〉
N2バブリング水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(RS10-1)を調製した。
N2バブリング水500gに硫酸第一鉄7水和物100gを溶解し、溶液(RS10-2)を調製した。
溶液(RS10-1)と溶液(RS10-2)とを混合して30分間攪拌し、溶液RA10を調製した。
次いで、比較例8の洗浄工程と同様にした。
実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液RP10を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液RP10を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程および洗浄工程〉
N2バブリング水450gに硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO3)26H2O)(関東化学(株)製)50gと、硝酸銅(II)3水和物10gと、クエン酸水和物(有機安定化剤)(キシダ化学(株)製)0.5gを溶解し、溶液RA11を調製した。
次いで、比較例1の洗浄工程と同様にした。
実施例1と同様にして、黒茶色の合金粒子分散液RP11を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに合金粒子分散液RP11を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
比較例1の溶液RA1と同様にして、溶液RA12を調製した。
洗浄工程以降、比較例1と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液RP12を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに金属粒子分散液RP12を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
N2バブリング水の代わりにN2マイクロナノバブル水を使用する以外は、比較例12と同様にして、粒子調製を行った。
洗浄工程以降、実施例1と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液RP13を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに金属粒子分散液RP13を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物400gを溶解し、溶液(RS14-1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水500gに硫酸第一鉄7水和物100gを溶解し、溶液(RS14-2)を調製した。
溶液(RS14-1)と溶液(RS14-2)とを混合して30分間攪拌し、溶液RA14を調製した。
N2バブリング水の代わりにN2マイクロナノバブル水を使用した以外は、比較例8の洗浄工程と同様にした。
実施例1と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液RP14を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに金属粒子分散液RP14を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
N2マイクロナノバブル水450gに硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO3)26H2O)(関東化学(株)製)50gと、クエン酸水和物(有機安定化剤)(キシダ化学(株)製)0.5gを溶解し、溶液RA15を調製した。
洗浄工程以降、実施例1と同様にして、黒色の金属粒子分散液RP15を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに金属粒子分散液RP1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
〈粒子調製工程〉
N2マイクロナノバブル水930gにクエン酸3ナトリウム2水和物(有機安定化剤)400gを溶解し、溶液(RS16-1)を調製した。
N2マイクロナノバブル水600gに硫酸第一鉄7水和物(還元剤)180gを溶解し、溶液(RS16-2)を調製した。
溶液(RS16-1)と溶液(RS16-2)とを混合して30分間攪拌し、溶液RA16を調製した。
洗浄工程以降、実施例1と同様にして、黒茶色の金属粒子分散液RP16を得た。
合金粒子分散液P1の代わりに金属粒子分散液RP16を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液および被膜付基材を作製し、評価した。
Claims (5)
- 有機安定化剤を含まない液の中で金属塩を還元して合金粒子を調製する工程と、
前記合金粒子を洗浄する工程と、
を有し、
平均気泡径が40nm~10μmの、窒素及び希ガスの少なくとも1種の非酸化性ガスからなる微小気泡が、前記液に含まれることを特徴とする合金粒子分散液の製造方法。 - 前記洗浄に使用する洗浄液が、予め不活性ガスをバブリングして酸素を除去したバブリング液、及び、前記微小気泡を含む液の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の合金粒子分散液の製造方法。
- 前記金属塩が、4族、5族、6族、8族、9族、10族、11族、13族、14族及び15族から選ばれる複数種の金属の塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の合金粒子分散液の製造方法。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載の方法により調製された合金粒子分散液を用いて、合金粒子を含む塗布液を作製する工程と、
基材上に前記塗布液を塗布して、被膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする被膜付基材の製造方法。 - 平均気泡径が40nm~10μmの、窒素及び希ガスの少なくとも1種の非酸化性ガスからなる微小気泡を含む液中に合金粒子が分散し、酸化還元電位が0~300mVであり、前記合金粒子の炭素含有量が、0.1質量%以下であることを特徴とする合金粒子分散液。
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