JP2002060805A - 多元複合系金属粒子コロイド分散液の製造方法 - Google Patents
多元複合系金属粒子コロイド分散液の製造方法Info
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Abstract
製造方法の提供。 【解決手段】 (1)1種類のみの金属イオン含有液を
還元して得られた金属コロイド液を調製し、(2)前記
(1)の方法で得られた、金属の種類が異なった金属コ
ロイド液を、複数種混合することを特徴とする多元複合
系金属粒子コロイド分散液の製造方法。
Description
子コロイド分散液の製造方法に関する。
種の貴金属を同時に還元すると、二元金属ナノクラスタ
ー分散液(いいかえれば二元金属粒子コロイド分散液)
が得られること、この二元金属ナノクラスターは、一方
の金属をコアに他の金属がシェルとなったコア/シェル
型構造をもつものであることを発表した〔N.Tosh
ima and T.Yonezawa,New J.
chem.,22, 1179(1998)〕。
元されて、二種の原子ができ、これがその場で結合し、
固溶体化して合金状になるものや、金属の組合せによっ
ては一方の金属がコア(核)になり他方の金属がシェル
(殻)となってコア/シェル型クラスターとなったり、
クラスターインクラスター(cluster−in−c
luster)構造、いいかえればそれぞれの金属がい
くつか集合したものがさらに集ったような構造となって
いることがわかってきた。
な多元複合系金属粒子コロイド分散液の製造方法を提供
する点にある。なお、本発明における多元複合系金属粒
子コロイド分散液とは、前述のような構造のもののほか
例えばコアとなる第一の金属粒子上に第二の金属が斑
状、帯状あるいは殻状に被覆したもの、または金属粒子
中に他の金属層が喰い込んだ状態のもの、さらには一部
合金化したものなどを総称している。
を調製するためには、二種の金属イオンが一液中に共通
して存在している系において、二種の金属イオンを同時
還元するか、または逐次還元することが不可欠であると
考えられていたが、驚くべきことに、本発明者らは、金
属毎に別々の液中で還元しておいたものを、ただ単に混
合するだけで多元複合系金属粒子コロイド分散液が調製
できることを見出し、本発明を完成したものである。
イオン含有液を還元して得られた金属コロイド液を調製
し、(2)前記(1)の方法で得られた、金属の種類が
異なった金属コロイド液を、複数種混合することを特徴
とする多元複合系金属粒子コロイド分散液の製造方法に
関する。
も貴金属である請求項1記載の多元複合系金属粒子コロ
イド分散液の製造方法に関する。
も1つが銀である請求項1または2いずれか記載の多元
複合系金属粒子コロイド分散液の製造方法に関する。
−Pd、Ag−RhまたはAg−Ptである請求項3記
載の多元複合系金属粒子コロイド分散液の製造方法に関
する。
あたりコロイド保護剤を用いる請求項1〜4いずれか記
載の多元複合系金属粒子コロイド分散液の製造方法に関
する。
水性高分子である請求項5記載の多元複合系金属粒子コ
ロイド分散液の製造方法に関する。
は、とくに制限するものではないが、金属のハロゲン化
物、酢酸金属塩、過ハロゲン酸金属塩、硫酸金属塩、硝
酸金属塩、炭酸金属塩、修酸金属塩などの各種酸の金属
塩などを挙げることができる。
うな貨幣金属のほかRu、Rh、Pd、Os、Ir、P
tよりなる白金族金属が好ましい。
組合せは、前項で挙げた金属の組合せが好ましいが、と
くにAg−Pd、Ag−Rh、Ag−Ptといった少な
くとも1方の金属がAgである場合には、金属コロイド
液を高い温度ではなく、室温で混合しただけで、多元複
合系金属粒子コロイド分散液を得ることができる。
は、平均粒径が100nm以下、好ましくは50nm以
下、とくに好ましくは10nm以下である。下限はない
が、好ましくは0.8nm以上である。
媒としては、水、アルコール類、エチレングリコール類
およびエーテル類よりなる群から選ばれた少なくとも1
種を用いることが好ましい。
剤であれば、とくに制限はなく、化学還元剤のほかに光
還元、超音波還元、電気還元、X線還元、γ線還元など
も使用することができる。また、化学還元剤としては、
一級または二級アルコール類、グリコール類、酸素原子
に隣接する炭素原子に水素原子が結合しているエーテル
類、エタノールアミン類さらには水素化ホウ素類、ヒド
ラジンなどを挙げることができる。
ゲン)を、還元剤として、エタノールを用いたケースで
みると、本発明における還元反応は
HXなどは一緒に除去される。式中、Ag(0)は、還
元されて0価の金属になっていることを示す。
モル以上存在すればよく、好ましくは1〜100モルで
ある。
子、金属配位性分子、両親媒性分子および/またはアニ
オン性化合物を挙げることができる。
ルに対し、0.1モル以上存在すればよく、好ましくは
1〜50モルである。なお、コロイド保護剤が高分子の
場合には、そのモノマー単位当りのモル数に換算したも
のを適用する。
ロリドン〔たとえばポリ(N−ビニル−2−ピロリド
ン)〕、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル
酸塩のように、アミド基、水酸基、カルボキシル基およ
び/またはアミノ基を含有するポリマーあるいはこれら
親水性ホモ重合体形成用モノマーの共重合体などのほ
か、シクロデキストリン、アミノペクチン、メチルセル
ロース、ゼラチンなどの天然物を挙げることができる。
チオール基、ジスルフィド基、アミド基、カルボン酸
基、ホスフィン基、スルホン酸基など金属に配位するこ
とのできる官能基を1つ以上持つ有機分子および一酸化
炭素、一酸化窒素をあげることができる。
または多官能性界面活性剤(アニオン性、カチオン性、
ノニオン性、両性いずれでも可)たとえばドデシル硫酸
ナトリウム、ポリエチレングリコールモノラウレートな
どを挙げることができる。
どのハロゲン化物、過塩素酸塩、各種アルコキシドなど
のほか修酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸の塩を
挙げることができ、その塩としてはアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩、アミン塩などを挙げることができる。
コロイド分散液は、そのまま、あるいはそれを適当な担
体に担持させて触媒として使用することができる。本発
明の多元複合系金属粒子コロイド分散液中の多元金属粒
子は、本発明者らが先に発表した同時還元法で得られた
多元複合系金属粒子(同時還元以外の点は同じ方法、条
件で得られたもの)より、やや大きい粒子となっている
が、それにもかかわらず、同時還元法で得られたものよ
り触媒活性が高い傾向を示すのは全く驚くべき現象であ
る。
明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものでは
ない。
塩素酸銀(小島化学製特級試薬)0.0068g(0.
033ミリモル)およびポリ(N−ビニル−2−ピロリ
ドン)(東京化成工業製特級試薬)0.147g(1.
32ミリモル、単量体単位)を入れ、反応器の空気部分
を窒素置換した。これに蒸留水5ミリリットルを加え、
磁気撹拌機を用いて十分撹拌した後、さらにエタノール
45ミリリットルを加え、90〜95℃で2時間加熱還
流した。溶液は黄色に変化し、銀粒子コロイド分散液が
得られた。銀粒子コロイド分散液のUV−Vis吸収ス
ペクトルの結果、銀特有の表面プラズモン吸収による吸
収極大が400nm付近に現れた。この溶液を透過型電
子顕微鏡により分析した結果、銀粒子の平均粒径は7.
6nmであった。
塩化ロジウム0.0087g(0.033ミリモル)を
使用した以外は、銀粒子コロイド分散液の調製と同様に
操作し、黒褐色の溶液を得た。ロジウム粒子コロイド分
散液のUV−Vis吸収スペクトルは、吸収極大は観察
されず、滑らかな右下がりの曲線であった。この溶液を
透過型電子顕微鏡により分析した結果、粒子の平均粒径
は2.2nmであった。
製 前記銀粒子コロイド分散液の調製における過塩素酸銀に
変えて、酢酸パラジウム0.0074g(0.033ミ
リモル)を使用した以外は、銀粒子コロイド分散液の調
製と同様に操作し、黒褐色の溶液を得た。パラジウム粒
子コロイド分散液のUV−Vis吸収スペクトルは、吸
収極大は観察されず、滑らかな右下がりの曲線であっ
た。この溶液を透過型電子顕微鏡により分析した結果、
粒子の平均粒径は2.7nmであった。
ド分散液の調製 100ミリリットルナス型フラスコに前記(1)記載の
銀粒子コロイド分散液4ミリリットルと、前記(2)記
載のロジウム粒子コロイド分散液16ミリリットルとを
磁気撹拌機を用いて十分撹拌した。銀/ロジウムコロイ
ドのUV−Vis吸収スペクトルの結果、銀とロジウム
の単なる算術平均を示さず、混合後時間が経つと図1に
示すような滑らかな右下がりの曲線を示した。この結果
は、銀粒子およびロジウム粒子の単独コロイド分散液の
混合物ではなく、銀/ロジウム複合金属粒子コロイド分
散液の生成を示唆している。透過型電子顕微鏡写真から
も、銀およびロジウムの単なる混合ではないことが観察
された。
ロイド分散液の調製) 100ミリリットルナス型フラスコに実施例1(1)記
載の銀コロイド4ミリリットルと、実施例1(3)記載
のパラジウムコロイド16ミリリットルとを磁気撹拌機
を用いて十分撹拌した。銀/パラジウムコロイドのUV
−Vis吸収スペクトルの結果、銀とパラジウムの単な
る算術平均を示さず、滑らかな右下がりの曲線を示し
た。この結果は、銀およびパラジウムの単独コロイドの
単なる混合物ではなく、銀/パラジウム複合金属粒子コ
ロイド分散液の生成を示唆している。透過型電子顕微鏡
写真からも、銀およびパラジウムの単なる混合ではない
ことが観察された。
載の銀/ロジウム複合金属粒子コロイド分散液を0.3
ミリリットル(2.0×10−4ミリモル)入れ、溶媒
としてエタノール18.7ミリリットルを加え、水素雰
囲気下、磁気撹拌機を用いて2時間30℃で十分撹拌し
た。2時間後、水素化反応の基質としてアクリル酸メチ
ル1ミリリットル(0.5ミリモル)を加え、消費した
水素の量をガスビュレットにより読みとった。水素化触
媒活性は、水素化初速度を測定することにより評価し
た。調製した触媒の水素化触媒活性は、4.7モル−H
2モル−M−1s−1であった。
素化触媒活性を調べたところ、0.1モル−H2モル−
M−1s−1であった。
液の水素化触媒活性を調べたところ、3.1モル−H2
モル−M−1s−1であった。
(小島化学製特級試薬)0.0068g(0.033ミ
リモル)およびポリアクリル酸ナトリウム(Aldri
ch Chemical製特級試薬)0.124g
(1.32ミリモル、単量体単位)を入れ、これに蒸留
水25ミリリットルを加え、さらにエタノール25ミリ
リットルを加え、反応器の空気部分を窒素置換した。磁
気撹拌機を用いて十分撹拌した後、500W高圧水銀灯
にて1時間紫外線照射した。溶液は黄色に変化し、銀コ
ロイド溶液が得られた。銀粒子コロイド分散液のUV−
Vis吸収スペクトルの結果、銀特有の表面プラズモン
吸収による吸収極大が400nm付近に現れた。この溶
液を透過型電子顕微鏡により分析した結果、銀粒子の平
均粒径は3.7nmであった。
製 実施例4(1)の過塩素酸銀に変えて、酢酸パラジウム
0.0074g(0.033ミリモル)を使用した以外
は、実施例4(1)と同様に操作し、黒褐色の溶液を得
た。パラジウム粒子コロイド分散液のUV−Vis吸収
スペクトルは、吸収極大は観察されず、滑らかな右下が
りの曲線であった。この溶液を透過型電子顕微鏡により
分析した結果、粒子の平均粒径は3.0nmであった。
ド分散液の調製 100ミリリットルナス型フラスコに実施例4(1)記
載の銀コロイド18ミリリットルと、実施例4(2)記
載のパラジウムコロイド2ミリリットルとを磁気撹拌機
を用いて十分撹拌した。銀/パラジウムコロイドのUV
−Vis吸収スペクトルの結果、銀とパラジウムの単な
る算術平均を示さず、滑らかな右下がりの曲線を示し
た。この結果は、銀およびパラジウムの単独コロイドの
混合物ではなく、銀/パラジウム複合金属粒子コロイド
分散液の生成を示唆している。透過型電子顕微鏡写真か
らも、銀およびパラジウムの単なる混合ではないことが
観察された。
実施例4(3)記載の銀/パラジウム複合金属粒子コロ
イド分散液を30ミリリットル入れ、凍結脱気した。エ
チレン:酸素(2:1)600ミリリットルの雰囲気下
に静置し、閉鎖系で磁気撹拌機を用いて十分撹拌した
後、3時間、170℃で加熱した。3時間後反応温度を
0〜5℃に冷却し、反応を停止した。反応溶液中の生成
物をガスクロマトグラフ法(TSG−1カラムにより6
0℃、FID検出器)により分析定量したところ、調製
した触媒のエチレン酸化触媒活性は、4.3モル−EO
モル−M−1h−1であった。
チレン酸化触媒活性を調べたところ、2.7モル−EO
モル−M−1h−1であった。
散液のエチレン酸化触媒活性を調べたところ、0.46
モル−EOモル−M−1h−1であった。
系金属粒子コロイド分散液の簡単な製法が提供でき、か
つそのコロイド分散液は触媒としても有用であった。
混合したときの銀表面プラズモン吸収が時間の経過とと
もに滑らかな右下り曲線に収れんしてゆくことを示すグ
ラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 (1)1種類のみの金属イオン含有液を
還元して得られた金属コロイド液を調製し、(2)前記
(1)の方法で得られた、金属の種類が異なった金属コ
ロイド液を、複数種混合することを特徴とする多元複合
系金属粒子コロイド分散液の製造方法。 - 【請求項2】 複数種の金属が、いずれも貴金属である
請求項1記載の多元複合系金属粒子コロイド分散液の製
造方法。 - 【請求項3】 前記金属のうち少なくとも1つが銀であ
る請求項1または2いずれか記載の多元複合系金属粒子
コロイド分散液の製造方法。 - 【請求項4】 貴金属の組合せが、Ag−Pd、Ag−
RhまたはAg−Ptである請求項3記載の多元複合系
金属粒子コロイド分散液の製造方法。 - 【請求項5】 金属コロイド液の調製にあたりコロイド
保護剤を用いる請求項1〜4いずれか記載の多元複合系
金属粒子コロイド分散液の製造方法。 - 【請求項6】 前記コロイド保護剤が親水性高分子であ
る請求項5記載の多元複合系金属粒子コロイド分散液の
製造方法。
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