JP3209816B2 - 金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の非水分散液の調製方法 - Google Patents

金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の非水分散液の調製方法

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井 英 史 平
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平井 英史
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属微粒子及び/又は
金属化合物微粒子の非水分散液の調製方法に関する。更
に詳細には、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の
水分散液を、界面活性剤の存在下水と相分離する非水
液体と接触させた後、水溶性無機酸塩及び/又は実質的
に界面活性作用を有さない水溶性有機酸塩を添加する
か、あるいは界面活性剤ならびに水溶性無機酸塩及び/
又は実質的に界面活性作用を有さない水溶性有機酸塩の
存在下に、水と相分離する非水液体と接触させ、かくし
て該微粒子を該水分散液から該非水液体中に移動させる
ことからなる金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の
非水分散液の調製方法に関する。
【0002】従来、金属微粒子及び/又は金属化合物微
粒子の化学的製法としては、原料となる金属塩を水及び
/又は水と混合する液体に溶解して、均一溶液とした
後、還元剤、ホウ化剤、硫化剤及び水酸化剤で処理する
ことにより、水及び/又は水と混合する液体に分散した
金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子を調製する方法
が知られている。
【0003】金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子
は、無機及び有機の担体に担持されて、触媒、電子材
料、磁気記録材料及びガスセンサー材料などに用いら
れ、また有機系樹脂中に分散して導電性ペーストなどに
用いられるが、いずれも水を含む場合には良い結果を与
えない。無機系フリット中に顔料として用いられる場合
も、水を含むことは好ましくなく、色調の劣ることが知
られている。
【0004】
【従来の技術】従来、水と相分離する非水液体に分散し
た金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の調製法の1
つとして、ガス中蒸発法がある。この方法の一例は、10
〜50 Torr のヘリウム中で金属を加熱蒸発させ、アルゴ
ンガスで金属蒸気を導き、途中で非水液体蒸気を混入
し、この混合物を液体窒素の冷却トラップ中で凝縮さ
せ、それを加温融解して分散液とする。従って、高価な
設備を必要とし、電力などのエネルギーを多く消費する
という欠点がある。この方法に関し、また、N.Satohand
K.Kimura, The Bulletin of Chemical Society of Jap
an 62巻、1758〜1763頁(1989)によれば、非水液体とし
てノルマルヘキサンを用いた場合には、全ての金属につ
いて、金属微粒子が凝集沈澱し、分散液が得られないこ
とが述べられている。また、ベンゼンを用いた場合に
も、ほとんどの金属が凝集沈澱し、分散液が得られてい
ない。
【0005】また、別法としてマイクロエマルジョン法
が知られている。この方法においては、油溶性界面活性
剤を用いて小量の水を含む非水液体中で逆ミセルのマイ
クロエマルジョンをつくる。このマイクロエマルジョン
粒子内に微量の水が取り込まれ、水と相分離する多量の
非水液体中に分散している。この微量の水中に貴金属塩
を溶解させておき、還元剤を加えることにより、貴金属
微粒子及び/又は貴金属化合物微粒子分散液を調製でき
る。しかしながら、この方法では、貴金属塩を溶解する
水の量が少ないため該微粒子の濃度の高い分散液を得る
ことは困難であり、また、非水液体中に水が逆ミセルの
マイクロエマルジョンとして混入することが避けられな
い。
【0006】さらに、最近では金属塩の抽出法も試みら
れている。この方法においては、貴金属塩を水溶液から
抽出剤を用いて非水液体相に移動させ、これを水相に加
えた還元剤により還元することにより、貴金属微粒子を
調製している。この方法では、非水溶液に溶解する抽出
剤を大量に必要とし、調製された貴金属微粒子分散液に
多量の抽出剤が含有され、その分離が困難であるなどの
欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】このように、金属微
粒子及び/又は金属化合物微粒子の非水分散液は高い有
用性を持ちながら、その製造が困難であるのが現状であ
り、簡単な方法で、非水分散媒中に微粒子が均一に分散
した非水分散液の調製方法の開発が望まれていた。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、電子材
料、磁性材料、磁気記録材料、光学材料、ガスセンサー
材料、触媒材料及び焼結材料などの製造に有利に用いる
ことができるところの、微粒子が、水と相分離して水と
混合しない非水液体中に分散している金属微粒子及び/
又は金属化合物微粒子非水分散液を開発すべく鋭意研究
を行なった。その結果、金属微粒子及び/又は金属化合
物微粒子の水分散液を提供し、該水分散液を界面活性剤
の存在下に水と相分離する非水液体と接触させた後、水
溶性無機酸塩及び/又は実質的に界面活性作用を有さな
い水溶性有機酸塩を添加するか、あるいは界面活性剤な
らびに水溶性無機酸塩及び/又は実質的に界面活性作用
を有さない水溶性有機酸塩の存在下に、水と相分離する
非水液体と接触させると、意外にも、該微粒子が水分散
液から非水液体中に移動し、金属微粒子及び/又は金属
化合物微粒子が均一に分散した非水分散液得られるこ
とを知見した。
【0009】 本発明によれば、金属微粒子及び/又は
金属化合物微粒子の水分散液を、界面活性剤存在下
と相分離する非水液体と接触させた後、水溶性無機酸塩
及び/又は実質的に界面活性作用を有さない水溶性有機
酸塩を添加するか、あるいは界面活性剤ならびに水溶性
無機酸塩及び/又は実質的に界面活性作用を有さない水
溶性有機酸塩の存在下に、水と相分離する非水液体と接
触させる。該水分散液と該非水液体との接触は、混合撹
拌又は超音波処理により容易に行うことができる。接触
後静置して水と該微粒子が分散している非水液体
相分離させ、後者を分離するという、簡便な操作で、特
殊な装置を必要とせずしかも省エネルギーで、金属微粒
子及び/又は金属化合物微粒子の非水分散液を調製する
ことができ、また、大量の非水分散液の調製も容易に行
うことができる。
【0010】また、従来の方法では、高濃度の金属微粒
子及び/又は金属化合物微粒子の非水分散液を調製する
ことは困難であるが、本発明の方法では、非水液体の量
を水分散液の量に比し少くすることにより、また得られ
た非水分散液に水分散液を新たに繰り返し接触させるこ
とにより、高濃度の金属微粒子及び/又は金属化合物微
粒子の非水分散液を調製することができる。
【0011】 即ち、本発明の基本的な態様によれば、
金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の水分散液を、
界面活性剤の存在下水と相分離する非水液体と接触さ
た後、水溶性無機酸塩及び/又は実質的に界面活性作
用を有さない水溶性有機酸塩を添加し、かくして該微粒
子を該水分散液から該非水液体中に移動させ、該微粒子
が分散した非水分散液相と実質的に該微粒子を含有しな
い水性相からなる二相混合物を形成し、その後、該非水
分散液を該二相混合物から分離することからなる金属微
粒子及び/又は金属化合物微粒子の非水分散液の調製方
法が提供される。更に、本発明の基本的な態様によれ
ば、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の水分散液
を、界面活性剤ならびに水溶性無機酸塩及び/又は実質
的に界面活性作用を有さない水溶性有機酸塩(以下、単
に水溶性有機酸塩ということがある)の存在下に、水と
相分離する非水液体と接触させ、かくして該微粒子を該
水分散液から該非水液体中に移動させ、該微粒子が分散
した非水分散液相と実質的に該微粒子を含有しない水性
相からなる二相混合物を形成し、その後、該非水分散液
を該二相混合物から分離することからなる金属微粒子及
び/又は金属化合物微粒子の非水分散液の調製方法が提
供される。
【0012】 本発明によれば、上記微粒子の水分散液
と、水と相分離する非水液体との上記接触を界面活性
剤の存在下に水溶性無機酸塩及び/又は水溶性有機酸塩
を添加して、混合撹拌又は超音波処理により行った後、
あるいは上記接触を界面活性剤及び水溶性無機酸塩及び
/又は水溶性有機酸塩の存在下に混合撹拌又は超音波処
理により行った後、静置すると、該微粒子のほとんどが
水分散液より非水液体に移動し、該微粒子の分散した非
水液体相と水相の二相が極めて容易に分離し、次いで水
相を除去すると、長期間にわたり分散状態の安定な、該
微粒子の非水分散液を得ることができる。
【0013】本発明の方法に用いる金属微粒子及び/又
は金属化合物微粒子の水分散液の分散媒としては、通
常、水が用いられるが、水と相分離する非水液体との非
混和性を阻害しない限りメチルアルコール、エチルアル
コールなどの極性溶媒が該分散媒中に少量含まれていて
もよい。
【0014】本発明の方法に用いる金属微粒子及び/又
は金属化合物微粒子の水分散液は、その分散安定化のた
めに、分散安定化用界面活性剤及び/又は有機高分子を
含有することができる。分散安定化用界面活性剤を含有
している場合には、後で詳細に説明するように、該水分
散液と非水液体とを接触させる際に存在させる該界面活
性剤の少なくとも1部が、該水分散液に含有されている
分散安定化用界面活性剤であることができる。
【0015】本発明に用いる金属微粒子水分散液の金属
微粒子としては、たとえば、金、銀、白金、ロジウム、
パラジウム、ルテニウム、イリジウム及びオスミウムな
どの粒子があげられる。 これらの金属微粒子の水分散
液は、たとえば、塩化金酸、硝酸銀、塩化白金酸、塩化
ロジウム(III)、塩化パラジウム(II)、塩化ルテニウム
(III)、塩化イリジウム酸塩及び酸化オスミウム(VII)な
どの金属塩及び金属化合物を水溶液中で還元することに
より得られる。この金属微粒子水分散液の調製の際用い
られる還元剤としては、メタノール、エタノール、分子
状水素、燐、ヒドラジン、水素化ほう素ナトリウム、ク
エン酸、クエン酸ナトリウム、タンニン酸、シュウ酸、
ホルムアルデヒド及び亜硫酸水素ナトリウムなどがあげ
られる。その他、光照射又は音波照射による還元も可能
である。
【0016】金属塩及び金属化合物を水溶液中で還元す
る際、陽イオン性界面活性剤(たとえば、ステアリルト
リメチルアンモニウムクロリド)、陰イオン性界面活性
剤(たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
または非イオン性界面活性剤(たとえば、ポリエチレン
グリコールモノ−パラ−ノニルフェニルエーテル)を添
加しておくと、分散状態が安定化した微細な金属微粒子
分散液の得られることが知られているが、このようにし
て調製された金属微粒子水分散液も本発明に用いること
ができる。この場合、用いられる水の量に対し、0.001
〜2重量%の界面活性剤を用いることができる。
【0017】また、金属塩又は金属化合物を水溶液中で
還元する際、保護コロイド活性を有する有機高分子を添
加しておくと分散状態が安定化した金属微粒子分散液の
得られることが知られているが、このようにして調製さ
れた金属微粒子水分散液も本発明に用いることができ
る。この場合、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子
の金属原子に対する有機高分子のモノマー単位のモル比
で0.01〜500量の有機高分子が用いられる。この時の、
金属微粒子の粒径は1nmから1μmの範囲である。ま
た、濃度は特に限定されないが、その金属微粒子水分散
液が安定な範囲が好まれる。
【0018】本発明に用いる金属化合物微粒子水分散液
の金属化合物微粒子としては、たとえば、金属ホウ化
物、金属硫化物、金属水酸化物及び金属酸化物などの粒
子があげられる。金属種としては特に限定されないが、
好ましい例としては、鉄、ニッケル、コバルト、カドミ
ウム、銅、バリウム、アルミニウム、インジウム、ス
ズ、チタン、タンタル、ケイ素及びジルコニウムなどが
あげられる。
【0019】これらの金属化合物微粒子の水分散液は、
たとえば、目的とする金属種に対応する金属塩又は金属
アルコキシドの水溶液に、ホウ化剤、硫化剤又は水酸化
剤を加える公知の方法によって行うことができる。たと
えば、ホウ化ニッケル、ホウ化コバルト、ホウ化鉄又は
ホウ化ジルコニウムのような金属ホウ化物の微粒子の水
分散液は、所望の金属種に対応する金属塩の水溶液に水
素化ホウ素ナトリウム及び水素化ホウ素カリウムなどの
ホウ化剤を作用させることにより得られる。また、硫化
銅、硫化コバルト、硫化ニッケル及び硫化カドミウムの
ような金属硫化物の微粒子の水分散液は、所望の金属種
に対応する金属塩の水溶液にチオ硫酸ナトリウム、硫化
ナトリウム、硫化アンモニウム、硫化水素及び硫化ジル
コニウムなどの硫化剤を作用させることにより得られ
る。水酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化インジウ
ム、水酸化スズ及び水酸化チタンのような金属水酸化物
の微粒子の水分散液は、所望の金属種に対応する金属塩
あるいは金属アルコキシドを加水分解することにより得
ることができる。また、マグネタイト、フェライト、酸
化タンタル及び酸化ジルコニウムのような金属酸化物の
微粒子の水分散液は、所望の金属種に対応する金属塩溶
液に水酸化ナトリウムを加えてアルカリ性とし、加熱熟
成することにより得られる。チタン酸バリウムのような
金属酸化物の微粒子の水分散液は、バリウムアルコキシ
ド及びチタンアルコキシドをアルコール中に溶解し、水
を加えることにより得られる。この時の、金属化合物微
粒子の粒径は1nmから3μmの範囲である。また、濃度は
特に限定されないが、その金属化合物微粒子水分散液が
安定な範囲が好まれる。
【0020】本発明の方法において、金属微粒子及び/
又は金属化合物微粒子水分散液と接触させる非水液体
は、水と相分離する非水液体であれば特に限定されな
い。その好ましい例としては、クロロホルム、シクロヘ
キサン、ベンゼン、ノルマルヘキサン、ジエチルエーテ
ル、メチルイソブチルケトン、四塩化炭素、塩化メチレ
ン、酢酸エチル、石油エーテル及びシリコンオイルなど
があげられる。
【0021】本発明の方法において使用される界面活性
剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活
性剤、非イオン性界面活性剤などがあげられる。たとえ
ば、陰イオン性界面活性剤では、脂肪酸のアルカリ金属
塩、高級アルコール硫酸エステル塩及びアルキルベンゼ
ンスルホン酸アルカリ金属塩などがあげられる。また、
陽イオン性界面活性剤では、アルキル鎖を有する1〜3
級アミン塩、4級アンモニウム塩及びピリジニウム塩な
どがあげられる。また、非イオン性界面活性剤では、多
価アルコールと脂肪酸のエステル系及び酸化エチレン重
合付加系などがあげられる。また場合によっては、両性
界面活性剤及び油溶性界面活性剤も用いることができ、
両性界面活性剤の例としては、スルホベタイン型、ベタ
イン型及びアミノ酸型があげられ、油溶性界面活性剤の
例としては、2本以上の長鎖のアルキル基を有する4級
アンモニウム塩及びコハク酸と高級アルコールのジエス
テルへのスルホン酸基付加物などがあげられる。本発明
の方法においては陰イオン性界面活性剤及び陽イオン性
界面活性剤が特に好ましく用いられる。
【0022】 本発明の方法において用いられる水溶性
無機酸塩及び/又は実質的に界面活性作用を有さない水
溶性有機酸塩の例としては、水溶性のアンモニウム、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム及びラ
ンタンなどの硫酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩、硝酸塩、
炭酸塩、クエン酸塩及び酒石酸塩などがあげられる。
発明の方法において用いられる水溶性無機酸塩及び/又
は水溶性有機酸塩は、水分散液中の上記微粒子を非水液
体に移動させる作用がある。
【0023】本発明に用いられる金属微粒子及び/又は
金属化合物微粒子の水分散液の分散安定に用いることの
できる有機高分子化合物としては、保護コロイド活性を
有するものであれば特に限定されないが、その好ましい
例としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポ
リ(ビニルアルコール)、N−ビニル−2−ピロリドン
とアクリルアミドまたはアクリル酸メチルとの共重合
体、ポリ(メチルビニルエーテル)、ゼラチン、カゼイ
ンナトリウム及びアラビアゴムなどがあげられる。これ
ら有機高分子化合物の数平均分子量は、3,000〜1,000,0
00の範囲である。
【0024】金属微粒子及び金属化合物微粒子の水分散
液の調製方法は公知の方法、たとえば、日本化学会編、
新実験化学講座18巻、界面とコロイド、319頁〜340頁、
丸善、1977に記載の方法を応用して行うことができる。
また、界面活性剤を加えることにより分散状態を安定化
した金属微粒子の水分散液の調製は公知の方法、たとえ
ば、Y. Nakao and K. Kaeriyama, Journal ofColloid a
nd Interface Science 110巻、No.1、82頁〜87頁、Marc
h 1986 に記載の方法を応用して行うことができる。
【0025】保護コロイド活性を有する有機高分子を加
えることにより分散状態を安定化した金属微粒子水分散
液の調製は、公知の方法、たとえば、H. Hirai, Journa
l ofMacromolecular Science-Chemistry、A13巻、5号、
633頁〜649頁、1979 に記載の方法を応用して行うこと
ができる。メタノールなどの水に溶解する非水液体中、
またはこれらの非水液体と水との混合物中で調製された
金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子水分散液のうち
には、温和な条件(たとえば、室温で減圧下に留去)
で、これらの水溶性非水液体を除去し、水を加えて水溶
性非水液体の存在しない水分散液を得ることが可能な水
分散液(通常、界面活性剤及び/又は有機高分子で安定
化された微粒子水分散液)がある。このような安定化さ
れた水分散液は、上記の Nakao らの方法及びHirai の
方法により容易に調製することができる。
【0026】金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の
水分散液の微粒子の濃度は、金属原子として0.005〜100
mmol/lであり、通常0.02〜70mmol/lであるが、濃度の高
い方が好ましい。本発明を実施する際には、例えば、金
属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の水分散液の所定
量を採取し、これに界面活性剤を水分散液の水の量に対
し、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%になる
ように添加する。これに水分散液の容量の0.01〜50倍、
好ましくは0.05〜10倍の容量の非水液体を加えて15分〜
8時間、好ましくは2〜6時間、混合撹拌し、非水液体を
水分散液中に(又は逆でもよい)分散し乳化させる。この
場合、温度は0〜90℃、好ましくは20〜60℃の範囲で一
定に保つことが望ましい。その後、水溶性無機酸塩及び
/又は実質的に界面活性作用を有さない水溶性有機酸塩
を水分散液の水の量に対し、0.005〜30重量%、好まし
くは0.01〜15重量%になるように添加し、30秒〜30分
間、好ましくは1〜2分間の撹拌を加える。これにより実
質的に全部の該微粒子が水相より非水液体相へ移動す
る。その後、2時間〜2日間、静置すると、微粒子の分散
していない水相と微粒子の分散した非水液体相とが、上
下二層に分離するので、分液ロートを用いるか、あるい
は非水液体相の吸い出しにより、微粒子の分散した非水
液体のみを容易に取得することができる。有機高分子の
全部又は大部分は、水相と非水液体相との間の相境界面
に凝集して存在するので、凝集した有機高分子を容易に
除去することができる。還元剤、ホウ化剤、水酸化剤又
はそれらの反応生成物が水分散液中に存在している場
合、それらの試薬の全部又は大部分は、水相中に溶解し
た状態で、又はそれらの試薬と凝集した有機高分子など
との複合体の形で存在する。界面活性剤については、多
くの場合、使用された界面活性剤の一部は、水相と非水
液体相との間の相境界面に凝集して存在し、他の一部は
非水液体相中に存在する。しかしながら或る場合、たと
えば塩化マグネシウムを本発明における水溶性無機酸塩
として用いた場合には、界面活性剤の実質的に全部が非
水液体相中に存在するようになる。
【0027】上述したように、水溶性無機酸塩及び/又
は実質的に界面活性作用を示さない水溶性有機酸塩は、
金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の水分散液に、
非水液体及び界面活性剤を加えて混合撹拌し、均一に乳
化した後に添加し、撹拌混合することが望ましいが、実
施例2及び40に示すように、非水液体に該微粒子の水
分散液を添加する際に、水溶性無機酸塩及び/又は実質
的に界面活性作用を有さない水溶性有機酸塩を同時に撹
拌しながら添加することもできる。また、水溶性無機酸
塩及び/又は実質的に界面活性作用を有さない水溶性有
機酸塩は、固体状態、粉末状態、水溶液状態、又はメタ
ノールなどの極性溶媒に溶解した状態で添加することが
できる。しかし、比較例3及び7に示すように、該微粒
子の水分散液に予め添加すると、該微粒子が凝集し、良
い結果を与えない。
【0028】分散安定化用界面活性剤を加えて分散状態
を安定化した金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の
水分散液を用いる場合、該分散液に含まれる分散安定化
用界面活性剤は、該水分散液と、水と相分離する非水液
体との接触の際に必ず存在する界面活性剤の一部又は全
部としても機能する。したがって、この分散安定化用界
面活性剤の量が該水分散液と、水と相分離する非水液体
との混合物を乳化させるのに充分な量である場合には、
該水分散液と、水と相分離する非水液体との接触の際、
新たに界面活性剤を添加する必要はない。しかし、分散
状態を安定化するために加えた界面活性剤の量が水分散
液の水の量に対して0.01重量%以下の場合には、水分散
液と、水と相分離する非水液体との接触の際、水分散液
の水の量に対し、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜0.5
重量%となるよう界面活性剤を添加することが望まし
い。
【0029】本発明において、水と相分離する非水液体
の量を、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の水分
散液の量より少く用いることにより、該水分散液の微粒
子濃度より高い微粒子濃度を有する非水分散液を得るこ
とができる。使用する非水液体の量は、非水分散液の所
望の微粒子濃度により決定され、得られる非水分散液の
微粒子濃度は、通常、該水分散液の微粒子濃度の1.5〜1
5倍の濃度である。
【0030】上述したように、本発明においては、金属
微粒子及び/又は金属化合物微粒子の水分散液を、上記
した条件下で水と相分離する非水液体と接触させると、
該微粒子は水分散液から該非水液体に移動され、該微粒
子を分散した非水分散相と、実質的に該微粒子を含有し
ない水性相からなる二相混合物を得、該二相混合物から
該非水分散液を単離する。本発明の方法の別の態様で
は、上記と同じ操作を行なう際に、該微粒子を分散して
いる得られた非水分散液を、水と相分離する非水液体の
代わりに使用し、該微粒子をすでに分散している接触さ
せる非水分散液の微粒子濃度より高い微粒子濃度を有す
る非水分散液を得ることができる。この方法により、順
次に高い微粒子濃度の非水分散液を得ることができる。
最終的な非水分散液の微粒子濃度は、該水分散液の微粒
子濃度の1.5〜15倍の微粒子濃度を得ることができる。
この態様では、該非水分散液に含有される微粒子は、該
非水分散液と接触される水分散液の微粒子と同じでも異
なっていてもよく、それにより、接触される該非水分散
液の微粒子及び該水分散液の微粒子に対応する微粒子の
非水分散液を得ることができる。
【0031】本発明の方法によって得られる非水分散液
に分散する微粒子の粒径は、該方法に用いる水分散液中
の微粒子の粒径と実質的に同じであり、均一に分散した
ものである。又、得られる非水分散液の微粒子濃度は金
属原子として約0.05〜500mmol/lである。
【0032】本発明において注目すべきことは、上記し
たように、水と相分離する非水液体と水相が二相をなし
て存在するときに、水相に分配する高分子、還元剤、ホ
ウ化剤、硫化剤、水酸化剤及びそれらの反応生成物など
の添加物の全部又は大部分は、多くの場合、水相に溶存
するか又は非水液体相と水相の境界面に凝集するので、
これらの添加物を非水液体相から容易に分離することが
できることである。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。以下の実施例において、金属微粒子及び/又
は金属化合物微粒子分散液の微粒子の濃度の測定は、次
のように行った。 (1)黒褐色を示す多くの金属微粒子及び/又は金属化
合物微粒子分散液の場合:数種の異なる濃度の金属微粒
子及び/又は金属化合物微粒子分散液を調製し、それら
の紫外可視吸収スペクトルを測定する。金属微粒子及び
/又は金属化合物微粒子の濃度と500nmと700nmの吸光度
の差との間には良好な直線関係があることを見いだし
た。これらの測定点に最小二乗法を用いて検量線を作成
した。微粒子濃度を測定する金属微粒子及び/又は金属
化合物微粒子分散液の紫外可視吸収スペクトルを測定
し、500nmと700nmの吸光度の差を求め、検量線から液中
の金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の濃度を算出
した。
【0034】(2)特性吸収を示す着色した微粒子の場
合:金微粒子 金微粒子分散液の特性吸収帯(460nm〜630nm)の両側の最
低部に接線を引きこれをベースラインとして、520nmの
吸光度を測定し、これを用いて検量線を作成し、金微粒
子濃度を測定した以外は上記(1)の方法に準じて行っ
た。
【0035】銀微粒子(界面活性剤及び高分子で分散状
態を安定化した微粒子も含む) 銀微粒子分散液の特性吸収帯(320nm〜700nm)の両側の最
低部に接線を引きこれをベースラインとして、400nmの
吸光度を測定し、これを用いて検量線を作成し、銀微粒
子濃度を測定した以外は上記(1)の方法に準じて行っ
た。
【0036】(3)微粒子を溶解して金属イオンの溶液
とし、金属イオン濃度を定量して微粒子濃度を算出する
場合:マグネタイト微粒子 マグネタイト微粒子分散液を激しく撹拌しながら所定量
を採取し、濃塩酸を少量加えマグネタイト微粒子を分解
して溶解した。この鉄イオン水溶液より2mlを採取し、
これに10wt%塩酸ヒドロキシルアミン水溶液2mlを加え、
60℃で1時間放置した。1,10-フェナントロリンによる比
色分析により鉄(III)イオンの定量を行い、元のマグネ
タイト微粒子分散液の鉄濃度を求めた。このようにして
測定した鉄濃度からマグネタイト微粒子分散液中のマグ
ネタイト濃度を算出した。
【0037】なお、粒子の直径の分布は、式1で定義さ
れる変異係数 (coefficient of variation)(%) で表わ
すことができ、次の各実施例にその値を示した。それら
の値から本発明の方法により得られる非水分散液の微粒
子は極めて均一に分散していることが分かる。
【式1】
【0038】実施例1 塩化金酸四水和物(HAuCl4・4H2O、和光純薬製)6.06mg
(0.0147mmol)を蒸留水50mlに溶解する。この水溶液を還
流器付き100mlフラスコ中で加熱還流した後、クエン酸
三ナトリウム二水和物(NaOCOCH2C(OH)(COONa)CH2COONa・
2H2O、関東化学製、特級試薬)0.01g(0.0387mmol)を溶
解した蒸留水1mlを添加し、Au 0.288mmol/lの濃度の赤
色均一な金微粒子水分散液を得た。この金微粒子水分散
液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観
察した。金微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は14.7
nm、変異係数は11.6%であった。この金微粒子水分散液
は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見ら
れなかった。
【0039】シクロヘキサン25mlに上記の金微粒子水分
散液25mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)
7COONa、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4時
間撹拌した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大
きな液滴が見られ不均一であったが、添加後は乳化され
均一になった。その後、塩化ナトリウム2.5gを加えた。
【0040】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に金微粒子が分散した赤
色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界面に淡紅
色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの
液相系を、分液ロートに入れ、上層の金微粒子の分散し
たシクロヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサ
ン分散液の金微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであった。
この金微粒子のシクロヘキサン分散液を、炭素薄膜上で
乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。金微粒子の
分散状態は良好で、平均粒径は13.6nm、変異係数は10.6
%であった。この金微粒子分散液は、室温下で3カ月以
上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0041】比較例1 オレイン酸ナトリウムを添加せずに、実施例1と同様の
操作を行った。撹拌を止めた後、15分間、静置すると、
下層に赤色の金微粒子の分散した水相が分離し、上層は
無色透明のシクロヘキサン相となり、水分散液よりシク
ロヘキサンへの金微粒子の移動は認められなかった。
【0042】比較例2 シクロヘキサン25mlに実施例1で得られた金微粒子水分
散液25mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)
7COONa、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加え4時間
撹拌した後、塩化ナトリウムを添加せず約1時間静置し
た。静置後、水相が赤色、シクロヘキサン相が無色にな
り、シクロヘキサン相に分散した金微粒子は得られなか
った。
【0043】比較例3 シクロヘキサン25mlに実施例1で得られた金微粒子分散
液25mlと塩化ナトリウム2.5gを添加し、10分間撹拌し
て、1時間静置すると金微粒子は凝集して沈澱し、水相
は無色透明となった。その後、オレイン酸ナトリウム
(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東京化成製、1級試
薬)0.025gを加え、混合撹拌しても、水相、シクロヘキ
サン相は共に無色であり、相間移動は起こらなかった。
【0044】実施例2 シクロヘキサン25mlに実施例1で得られた金微粒子分散
液25mlとオレイン酸ナトリウムCH3(CH2)7CH=CH(CH2)7CO
ONa、東京化成製、1級試薬)0.025gを水1mlに溶かした
もの、塩化ナトリウム2.5gを同時に添加して10分間撹
拌し、1時間静置した。これにより、金微粒子は凝集
し、水相とシクロヘキサン相の界面に沈澱する。その
後、10分間撹拌し、1時間静止することにより下層に
無色透明の水相が分離し、上層に金微粒子が分散した紫
色均一なシクロヘキサン相を得た。これを分液ロートに
入れ、上層の金微粒子の分散したシクロヘキサン相のみ
を分離した。
【0045】実施例3 実施例1のシクロヘキサンの代わりにノルマルヘキサン
25mlを用い実施例1と同様の操作を行った。オレイン酸
ナトリウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一
であったが、添加後は乳化され均一になった。その後、
塩化ナトリウム2.5gを加えた。
【0046】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に金微粒子が分散した赤
色均一なノルマルヘキサン相を得た。また相境界面に淡
紅色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これら
の液相系を、分液ロートに入れ、上層の金微粒子の分散
したノルマルヘキサン相のみを分離した。このノルマル
ヘキサン分散液の金微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであ
った。この金微粒子のノルマルヘキサン分散液を、炭素
薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。金
微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は13.5nm、変異係
数は11.3%であった。この金微粒子分散液は、室温下で
3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0047】実施例4 実施例1のシクロヘキサンの代わりに四塩化炭素25mlを
用い実施例1と同様の操作を行った。オレイン酸ナトリ
ウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であっ
たが、添加後は乳化され均一になった。その後、塩化ナ
トリウム2.5gを加えた。
【0048】撹拌を止めた後、3時間静置すると上層に
無色透明の水相が分離し、下層に金微粒子が分散した赤
色均一な四塩化炭素相を得た。また相境界面に淡紅色に
着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相
系を、分液ロートに入れ、下層の金微粒子の分散した四
塩化炭素相のみを分離した。この四塩化炭素分散液の金
微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであった。この金微粒子
の四塩化炭素分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電
子顕微鏡により観察した。金微粒子の分散状態は良好
で、平均粒径は17.2nm、変異係数は16.7%であった。こ
の金微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安定で、分散
状態に変化が見られなかった。
【0049】実施例5 クロロホルム25mlに実施例1で得られた金微粒子水分散
液25mlと塩化トリメチルステアリルアンモニウム([C18H
37N(CH3)3]Cl、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加
え、4時間撹拌した。塩化トリメチルステアリルアンモ
ニウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であ
ったが、添加後は乳化され均一になった。その後、塩化
ナトリウム2.5gを加えた。
【0050】撹拌を止めた後、3時間静置すると上層に
無色透明の水相が分離し、下層に金微粒子が分散した赤
色均一なクロロホルム相を得た。また相境界面に濃赤色
に着色した微量の界面活性剤の凝集物がみられた。これ
らの液相系を、分液ロートに入れ、下層の金微粒子の分
散したクロロホルム相のみを分離した。このクロロホル
ム分散液の金微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであった。
この金微粒子のクロロホルム分散液を、炭素薄膜上で乾
固し、透過型電子顕微鏡により観察した。金微粒子の分
散状態は良好で、平均粒径は17.8nm、変異係数は22.2%
であった。この金微粒子分散液は、室温下で3カ月以上
安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0051】実施例6 実施例1と同様な方法で、Au 0.288mmol/lの濃度の赤色
均一な金微粒子水分散液を得た。この金微粒子水分散液
を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察
した。金微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は14.0n
m、変異係数は10.2%であった。この金微粒子水分散液
は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見ら
れなかった。実施例1と添加塩の量を変えて同様な操作
を行った。シクロヘキサン25mlに上記の金微粒子水分散
液25mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7C
OONa、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4時間
撹拌した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大き
な液滴が見られ不均一であったが、添加後は乳化され均
一になった。その後、塩化ナトリウム1.0gを加えた。
【0052】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に金微粒子が分散した赤
色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界面に淡紅
色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの
液相系を、分液ロートに入れ、上層の金微粒子の分散し
たシクロヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサ
ン分散液の金微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであった。
この金微粒子のシクロヘキサン分散液を、炭素薄膜上で
乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。金微粒子の
分散状態は良好で、平均粒径は13.2nm、変異係数は16.4
%であった。この金微粒子分散液は、室温下で3カ月以
上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0053】実施例7 実施例6のシクロヘキサンの代わりにノルマルヘキサン
25mlを用い実施例6と同様の操作を行った。オレイン酸
ナトリウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一
であったが、添加後は乳化され均一になった。その後、
塩化ナトリウム1.0gを加えた。撹拌を止めた後、3時間
静置すると下層に無色透明の水相が分離し、上層に金微
粒子が分散した赤色均一なノルマルヘキサン相を得た。
また相境界面に淡紅色に着色した界面活性剤の凝集物が
みられた。これらの液相系を分液ロートに入れ、上層の
金微粒子の分散したノルマルヘキサン相のみを分離し
た。このノルマルヘキサン分散液の金微粒子の濃度はAu
0.274mmol/lであった。この金微粒子のノルマルヘキサ
ン分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡に
より観察した。金微粒子の分散状態は良好で、平均粒径
は14.0nm、変異係数は18.2%であった。この金微粒子分
散液は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が
見られなかった。
【0054】実施例8 実施例6のシクロヘキサンの代わりに四塩化炭素25mlを
用い実施例6と同様の操作を行った。オレイン酸ナトリ
ウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であっ
たが、添加後は乳化され均一になった。その後、塩化ナ
トリウム1.0gを加えた。撹拌を止めた後、3時間静置す
ると上層に無色透明の水相が分離し、下層に金微粒子が
分散した赤紫色均一な四塩化炭素相を得た。また相境界
面に淡赤紫色に着色した界面活性剤の凝集物がみられ
た。これらの液相系を分液ロートに入れ、下層の金微粒
子の分散した四塩化炭素相のみを分離した。この四塩化
炭素分散液の金微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであっ
た。この金微粒子の四塩化炭素分散液を、炭素薄膜上で
乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。金微粒子の
分散状態は良好で、平均粒径は16.5nm、変異係数は64.5
%であった。この金微粒子分散液は、室温下で3カ月以
上安定で、分散状態に変化が見られなかった。 実施例9 クロロホルム25mlに実施例6で得られた金微粒子水分散
液25mlと塩化トリメチルステアリルアンモニウム([C18H
37N(CH3)3]Cl、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加
え、4時間撹拌した。塩化トリメチルステアリルアンモ
ニウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であ
ったが、添加後は乳化され均一になった。その後、塩化
ナトリウム1.0gを加えた。撹拌を止めた後、3時間静置
すると上層に無色透明の水相が分離し、下層に金微粒子
が分散した赤色均一なクロロホルム相を得た。また相境
界面に濃赤色に着色した微量の界面活性剤の凝集物がみ
られた。これらの液相系を分液ロートに入れ、下層の金
微粒子の分散したクロロホルム相のみを分離した。この
クロロホルム分散液の金微粒子の濃度はAu 0.274mmol/l
であった。この金微粒子のクロロホルム分散液を、炭素
薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。金
微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は13.5nm、変異係
数は26.3%であった。この金微粒子分散液は、室温下で
3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0055】実施例10 クエン酸三ナトリウム二水和物(NaOCOCH2C(OH)(COONa)C
H2COONa・2H2O、関東化学製、特級試薬)14g(54.2mmol)
と硫酸第一鉄七水和物(FeSO4・7H2O、関東化学製、鹿1
級試薬)7.5g(49.3mmol)とを蒸留水60mlに溶解する。こ
の水溶液に硝酸銀(AgNO3、関東化学製、特級試薬)2.5g
(14.8mmol)を溶解した蒸留水25mlを添加した。生じた
沈澱を遠心分離し、1000mlの蒸留水に分散させ、Ag 14.
8mmol/lの濃度の褐色均一な銀微粒子水分散液を得た。
この銀微粒子水分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型
電子顕微鏡により観察した。銀微粒子の分散状態は良好
で、平均粒径は8.0nm、変異係数は25.4%であった。この
銀微粒子分散液は、室温下で3ヵ月以上安定で、分散状
態に変化が見られなかった。シクロヘキサン25mlに上記
で得られた銀微粒子水分散液25mlとオレイン酸ナトリウ
ム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東京化成製)0.025gと
を加え、4時間撹拌した。オレイン酸ナトリウムを添加
する前は、大きな液滴が見られ不均一であったが、添加
後は乳化され均一になった。その後、塩化ナトリウム2.
5gを加えた。
【0056】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に銀微粒子が分散した褐
色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界面に淡褐
色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの
液相系を、分液ロートに入れ、上層の銀微粒子の分散し
たシクロヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサ
ン分散液の銀微粒子の濃度はAg 14.4mmol/lであった。
この銀微粒子のシクロヘキサン分散液を、炭素薄膜上で
乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。銀微粒子の
分散状態は良好で、平均粒径は7.9nm、変異係数は31.8
%であった。この銀微粒子分散液は、室温下で3カ月以
上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0057】実施例11 実施例10のシクロヘキサンの代わりにノルマルヘキサ
ン25mlを用い実施例10と同様の操作を行った。オレイ
ン酸ナトリウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不
均一であったが、添加後は乳化され均一になった。その
後、塩化ナトリウム2.5gを加えた。
【0058】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に銀微粒子が分散した褐
色均一なノルマルヘキサン相を得た。また相境界面に淡
褐色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これら
の液相系を、分液ロートに入れ、上層の銀微粒子の分散
したノルマルヘキサン相のみを分離した。このノルマル
ヘキサン分散液の銀微粒子の濃度はAg 14.4mmol/lであ
った。この銀微粒子のノルマルヘキサン分散液を、炭素
薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。銀
微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は7.9nm、変異係
数は30.7%であった。この銀微粒子分散液は、室温下で
3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0059】実施例12 実施例10のシクロヘキサンの代わりにベンゼン25mlを
用い実施例10と同様の操作を行った。オレイン酸ナト
リウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であ
ったが、添加後は乳化され均一になった。その後、塩化
ナトリウム2.5gを加えた。
【0060】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に銀微粒子が分散した褐
色均一なベンゼン相を得た。また相境界面に淡褐色に着
色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系
を分液ロートに入れ、上層の銀微粒子の分散したベンゼ
ン相のみを分離した。このベンゼン分散液の銀微粒子の
濃度はAg 14.4mmol/lであった。この銀微粒子のベンゼ
ン分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡に
より観察した。銀微粒子の分散状態は良好で、平均粒径
は10.4nm、変異係数は33.9%であった。この銀微粒子分
散液は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が
見られなかった。
【0061】実施例13 塩化第二鉄六水和物(FeCl3・6H2O、関東化学製、特級試
薬)3.00g(11.1mmol)及び硫酸第一鉄七水和物(FeSO4・7H
2O、関東化学製、鹿1級)1.54g(5.53mmol)を蒸留水150
mlに溶解し、2.5gの水酸化ナトリウムを溶解した蒸留水
50mlを加え、5分間加熱還流を行いマグネタイト[Fe
3O4、酸化鉄(III)鉄(II)]微粒子水分散液を得た。その
後、傾斜法により、蒸留水で5回洗浄し、水溶媒による
透析を3日間行い、再び蒸留水200mlに溶解し、pHを5
に調製し、Fe3O4 82.5mmol/lの濃度の黒色均一なマグネ
タイト微粒子水分散液を得た。このマグネタイト微粒子
水分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡に
より観察した。マグネタイト微粒子の分散状態は良好
で、平均粒径は10.3nm、変異係数は26.0%であった。こ
のマグネタイト微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安
定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0062】シクロヘキサン25mlに上記で得られたマグ
ネタイト微粒子水分散液25mlとオレイン酸ナトリウム(C
H3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東京化成製)0.025gとを加
え、30分間激しく振とうした。オレイン酸ナトリウムを
添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であったが、
添加後は乳化され均一になった。その後、塩化ナトリウ
ム2.5gを加えた。
【0063】振とうを止めた後、3時間静置すると下層
に無色透明の水相が分離し、上層にマグネタイト微粒子
が分散した黒色均一なシクロヘキサン相を得た。また相
境界面に灰色に着色した界面活性剤の凝集物がみられ
た。これらの液相系を分液ロートに入れ、上層のマグネ
タイト微粒子の分散したシクロヘキサン相のみを分離し
た。このシクロヘキサン分散液のマグネタイト微粒子の
濃度はFe3O4 78.4mmol/lであった。このマグネタイト微
粒子のシクロヘキサン分散液を、炭素薄膜上で乾固し、
透過型電子顕微鏡により観察した。マグネタイト微粒子
の分散状態は良好で、平均粒径は10.0nm、変異係数は3
0.3%であった。このマグネタイト微粒子分散液は、室
温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなか
った。
【0064】実施例14 塩化ルテニウム三水和物(RuCl3・3H2O、関東化学製)13.
07mg(0.05mmol)を蒸留水95mlに溶解する。この水溶液
に、水素化ほう素ナトリウム(NaBH4、ナカライテスク
製)7.57mg(0.2mmol)を溶解した蒸留水5mlを添加し、Ru
0.5mmol/lの濃度の黒色均一なルテニウム微粒子水分散
液を得た。このルテニウム微粒子水分散液を、炭素薄膜
上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。ルテニ
ウム微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は5.1nm、変
異係数は30.3%であった。このルテニウム微粒子分散液
は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見ら
れなかった。
【0065】シクロヘキサン25mlに上記で得られたルテ
ニウム微粒子水分散液25mlとオレイン酸ナトリウム(CH3
(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東京化成製、1級試薬)0.02
5gとを加え、4時間撹拌した。オレイン酸ナトリウムを
添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であったが、
添加後は乳化され均一になった。その後、塩化ナトリウ
ム2.5gを加えた。
【0066】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層にルテニウム微粒子が分
散した黒色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界
面に灰色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。こ
れらの液相系を分液ロートに入れ、上層のルテニウム微
粒子の分散したシクロヘキサン相のみを分離した。この
シクロヘキサン分散液のルテニウム微粒子の濃度はRu
0.475mmol/lであった。このルテニウム微粒子のシクロ
ヘキサン分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕
微鏡により観察した。ルテニウム微粒子の分散状態は良
好で、平均粒径は5.7nm、変異係数は23.4%であった。
このルテニウム微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安
定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0067】実施例15 実施例14と同様な方法でRu 0.5mmol/lの濃度の黒色均
一なルテニウム微粒子水分散液を得た。このルテニウム
微粒子水分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕
微鏡により観察した。ルテニウム微粒子の分散状態は良
好で、平均粒径は4.2nm、変異係数は30.3%であった。
このルテニウム微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安
定で、分散状態に変化が見られなかった。実施例14と
添加塩を変えて同様な操作を行った。シクロヘキサン25
mlに上記で得られたルテニウム微粒子水分散液25mlとオ
レイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東京
化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4時間撹拌した。
オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大きな液滴が見
られ不均一であったが、添加後は乳化され均一になっ
た。その後、塩化マグネシウム0.35gを水3mlに溶解し、
加えた。
【0068】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層にルテニウム微粒子が分
散した黒色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界
面に灰色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。こ
れらの液相系を分液ロートに入れ、上層のルテニウム微
粒子の分散したシクロヘキサン相のみを分離した。この
シクロヘキサン分散液のルテニウム微粒子の濃度はRu
0.475mmol/lであった。このルテニウム微粒子のシクロ
ヘキサン分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕
微鏡により観察した。ルテニウム微粒子の分散状態は良
好で、平均粒径は4.6nm、変異係数は25.6%であった。
このルテニウム微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安
定で、分散状態に変化が見られなかった。 実施例16 実施例15のシクロヘキサンの代わりにクロロホルム25
mlを用い実施例15と同様の操作を行った。オレイン酸
ナトリウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一
であったが、添加後は乳化され均一になった。その後、
塩化マグネシウム0.35gを水3mlに溶解したものを加え
た。撹拌を止めた後、3時間静置すると上層に無色透明
の水相が分離し、下層のルテニウム微粒子が分散した黒
色均一なクロロホルム相を得た。また相境界面に灰色に
着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相
系を分液ロートに入れ、下層のルテニウム微粒子の分散
したクロロホルム相のみを分離した。このクロロホルム
分散液のルテニウム微粒子の濃度はRu 0.475mmol/lであ
った。このルテニウ微粒子のクロロホルム分散液を、炭
素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。ル
テニウム微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は4.8n
m、変異係数19.6%であった。このルテニウム微粒子分
散液は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が
見られなかった。 実施例17 塩化パラジウム(PdCl2、小島化学製)8.865mg(0.05mmo
l)と、塩化ナトリウム(NaCl、関東化学製、特級)11.7
mg(0.2mmol)を蒸留水95mlに溶解する。この水溶液に、
水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、ナカライテスク製)7.
75mg(0.2mmol)を溶解した蒸留水5mlを添加し、Pd 0.5mm
ol/lの濃度の黒色均一なパラジウム微粒子分散液を得
た。このパラジウム微粒子水分散液を炭素膜上で乾固
し、透過型電子顕微鏡により観察した。パラジウム微粒
子の分散状態は良好で、平均粒径は5.7nm、変異係数は1
8.2%であった。このパラジウム微粒子の分散状態は室温
下で3ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかっ
た。
【0069】シクロヘキサン25mlに上記で得られたパラ
ジウム微粒子分散液25mlとオレイン酸ナトリウム(CH
3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東京化成製、1級試薬)0.0
25gとを加え、4時間撹拌した。オレイン酸ナトリウム
を添加する前は、大きな液が滴見られ不均一であった
が、添加後は均一になった。その後、塩化マグネシウム
0.35gを3mlの水に溶解し、添加した。撹拌を止めた後、
3時間静置すると下層に無色透明の水相が分離し、上層
にパラジウム微粒子が分散した黒色均一なシクロヘキサ
ン相を得た。また相境界面に灰色に着色した界面活性剤
の凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロートにい
れ、上層のパラジウム微粒子の分散したシクロヘキサン
相のみを分離した。このシクロヘキサン分散液のパラジ
ウム微粒子の濃度はPd 0.475mmol/lであった。このパラ
ジウム微粒子のシクロヘキサン分散液を、炭素膜上で乾
固し、透過型電子顕微鏡により観察した。パラジウム微
粒子の分散状態は良好で、平均粒径は5.5nm、変異係数1
6.8%であった。このパラジウム微粒子分散液は、室温下
で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかっ
た。 実施例18 実施例17のシクロヘキサンの代わりにクロロホルム25
mlを用い実施例17と同様の操作を行った。オレイン酸
ナトリウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一
であったが、添加後は均一になった。その後、塩化マグ
ネシウム0.35gを水3mlの水に溶解し、添加した。撹拌を
止めた後、3時間静置すると上層に無色透明の水相が分
離し、下層にパラジウム微粒子が分散した黒色均一なク
ロロホルム相を得た。また相境界面に灰色に着色した界
面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロ
ートにいれ、下層のパラジウム微粒子の分散したクロロ
ホルム相のみを分離した。このクロロホルム分散液のパ
ラジウム微粒子の濃度はPd 0.475mmol/lであった。この
パラジウム微粒子のクロロホルム分散液を、炭素膜上で
乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。パラジウム
微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は5.5nm、変異係
数20.4%であった。このパラジウム微粒子分散液は、室
温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなか
った。 実施例19 実施例18のオレイン酸ナトリウムの代わりに塩化トリ
メチルステアリルアンモニウム([C18H37N(CH3)3]C
l、東京化成製、1級試薬)、0.025gを用い実施例17
と同様の操作を行った。塩化トリメチルステアリルアン
モニウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一で
あったが、添加後は均一になった。その後、塩化マグネ
シウム0.35gを3mlの水に溶解し、添加した。撹拌を止め
た後、3時間静置すると上層に無色透明の水相が分離
し、下層にパラジウム微粒子が分散した黒色均一なクロ
ロホルム相を得た。また相境界面に灰色に着色した界面
活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系を、分液ロ
ートにいれ、下層のパラジウム微粒子の分散したクロロ
ホルム相のみを分離した。このクロロホルム分散液のパ
ラジウム微粒子の濃度はPd 0.475mmol/lであった。この
パラジウム微粒子のクロロホルム分散液を、炭素膜上で
乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。パラジウム
微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は6.0nm、変異係
数17.7%であった。このパラジウム微粒子分散液は、室
温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなか
った。
【0070】実施例20 硝酸銀(AgNO3、関東化学製、特級試薬)8.50mg(0.05mmo
l)とオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COON
a、東京化成製)10mgとをそれぞれ蒸留水94ml及び1mlに
溶解した。この2液を100mlナスフラスコに加え室温で
撹拌し、水素化ほう素ナトリウム(NaBH4、ナカライテス
ク製)7.57mg(0.2mmol)を溶解した蒸留水5mlを添加し、A
g 0.5mmol/lの濃度の黄色均一な界面活性剤で分散状態
を安定化した銀微粒子水分散液を得た。この銀微粒子水
分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡によ
り観察した。銀微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は
5.3nm、変異係数は60.1%であった。この銀微粒子分散
液は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見
られなかった。シクロヘキサン25mlに上記で得られた界
面活性剤で分散状態を安定化した銀微粒子水分散液25ml
を加え、4時間撹拌したのち、塩化ナトリウム2.5gを加
えた。
【0071】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に銀微粒子が分散した黄
色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界面に淡黄
色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの
液相系を分液ロートに入れ、上層に銀微粒子の分散した
シクロヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサン
分散液の銀微粒子の濃度はAg 0.475mmol/lであった。こ
の銀微粒子のシクロヘキサン分散液を、炭素薄膜上で乾
固し、透過型電子顕微鏡により観察した。銀微粒子の分
散状態は良好で、平均粒径は3.8nm、変異係数は45.5%で
あった。この銀微粒子分散液は、室温下で3カ月上安定
で、分散状態に変化が見られなかった。
【0072】比較例 シクロヘキサン25mlと実施例20で得られた界面活性剤
で分散状態を安定化した銀微粒子水分散液25mlとを4時
間撹拌した後、塩化ナトリウムを添加せず約1時間静置
した。静置後、水相が黄色、シクロヘキサン相が無色に
なり、シクロヘキサン相に分散した銀微粒子は得られな
かった。
【0073】実施例21 シクロヘキサン25mlと実施例20で得られた界面活性剤
で分散状態を安定化した銀微粒子分散液25ml、塩化ナト
リウム2.5gを同時に添加して10分間撹拌し、1時間静
置した。これにより、銀微粒子は凝集して、水相とシク
ロヘキサン相の界面に沈澱する。その後、10分間撹拌
し、1時間静値することにより下層に無色透明の水相が
分離し、上層に銀微粒子が分散した黄色均一なシクロヘ
キサン相を得た。これを分液ロートに入れ、上層の銀微
粒子の分散したシクロヘキサン相となった。一週間安定
であった。
【0074】実施例22 実施例20のシクロヘキサンの代わりにノルマルヘキサ
ン25mlを用い実施例20と同様の操作を行った。撹拌を
止めた後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が分
離し、上層に銀微粒子が分散した黄色均一なノルマルヘ
キサン相を得た。また相境界面に淡黄色に着色した界面
活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロー
トに入れ、上層の銀微粒子の分散したノルマルヘキサン
相のみを分離した。このノルマルヘキサン分散液の銀微
粒子の濃度はAg 0.475mmol/lであった。この銀微粒子の
ノルマルヘキサン分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過
型電子顕微鏡により観察した。銀微粒子の分散状態は良
好で、平均粒径は3.6nm、変異係数は34.4%であった。こ
の銀微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安定で、分散
状態に変化が見られなかった。
【0075】実施例23 実施例20のシクロヘキサンの代わりにベンゼン25mlを
用い実施例20と同様の操作を行った。撹拌を止めた
後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が分離し、
上層に銀微粒子が分散した黄色均一なベンゼン相を得
た。また相境界面に淡黄色に着色した界面活性剤の凝集
物がみられた。これを分液ロートに入れ、上層の銀微粒
子の分散したベンゼン相のみを分離した。このベンゼン
分散液の銀微粒子の濃度はAg0.475mmol/lであった。こ
の銀微粒子のベンゼン分散液を、炭素薄膜上で乾固し、
透過型電子顕微鏡により観察した。銀微粒子の分散状態
は良好で、平均粒径は3.7nm、変異係数は33.2%であっ
た。この銀微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安定
で、分散状態に変化が見られなかった。
【0076】実施例24 塩化ロジウム三水和物(III)(RhCl3・3H2O、日本エンゲル
ハルト製、特級試薬)13.2mg(0.05mmol)とドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム(C12H25C6H4SO3Na、東京化成
製、1級試薬)10mgとをそれぞれ蒸留水94ml及び1mlに
溶解した。この2液を100mlナスフラスコに加え室温で
撹拌し、水素化ほう素ナトリウム(NaBH4、ナカライテス
ク製)7.57mg(0.2mmol)を溶解した蒸留水5mlを添加し、R
h 0.5mmol/lの濃度の茶褐色均一な界面活性剤で分散状
態を安定化したロジウム微粒子水分散液を得た。このロ
ジウム微粒子水分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型
電子顕微鏡により観察した。ロジウム微粒子の分散状態
は良好で、平均粒径は4.5nm、変異係数は45.0%であっ
た。このロジウム微粒子分散液は、室温下で3カ月以上
安定で、分散状態に変化が見られなかった。クロロホル
ム25mlに上記で得られた界面活性剤で分散状態を安定化
したロジウム微粒子水系分散液25mlを加え、4時間撹拌
したのち、塩化ナトリウム2.5gを加えた。
【0077】撹拌を止めた後、3時間静置すると上層に
無色透明の水相が分離し、下層にロジウム微粒子が分散
した茶褐色均一なクロロホルム相を得た。また相境界面
に淡褐色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。こ
れらの液相系を分液ロートに入れ、下層のロジウム微粒
子の分散したクロロホルム相のみを分離した。このクロ
ロホルム分散液のロジウム微粒子の濃度はRh 0.475mmol
/lであった。このロジウム微粒子のクロロホルム分散液
を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察
した。ロジウム微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は
3.6nm、変異係数は31.4%であった。このロジウム微粒子
分散液は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化
が見られなかった。
【0078】実施例25 塩化ルテニウム三水和物(III)(RuCl3・3H2O、関東化学
製)13.lmg(0.05mol)とオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7
CH=CH(CH2)7COONa、東京化成製、1級試薬)10mgとをそ
れぞれ蒸留水94ml及び1mlに溶解した。この2液を100ml
ナスフラスコに加え室温で撹拌し、水素化ほう素ナトリ
ウム(NaBH4、ナカライテスク製)7.57mg(0.2mmol)を溶解
した蒸留水5mlを添加し、Ru 0.5mmol/lの濃度の黒色均
一な界面活性剤で分散状態を安定化したルテニウム微粒
子水分散液を得た。このルテニウム微粒子水分散液を、
炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察し
た。ルテニウム微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は
5.6nm、変異係数は36.7%であった。このルテニウム微粒
子分散液は、室温下で、3カ月以上安定で、分散状態に
変化が見られなかった。
【0079】クロロホルム25mlに上記で得られた界面活
性剤で分散状態を安定化したルテニウム微粒子水分散液
25mlを加え、4時間撹拌したのち、塩化ナトリウム2.5g
を加えた。撹拌を止めた後、3時間静置すると上層に無
色透明の水相が分離し、下層にルテニウム微粒子が分散
した黒色均一なクロロホルム相を得た。また相境界面に
灰色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これら
の液相系を分液ロートに入れ、下層にルテニウム微粒子
の分散したクロロホルム相のみを分離した。このクロロ
ホルム分散液のルテニウム微粒子の濃度はRu 0.475mmol
/lであった。このルテニウム微粒子のクロロホルム分散
液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観
察した。ルテニウム微粒子の分散状態は良好で、平均粒
径は5.1nm、変異係数は36.7%であった。このルテニウム
微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態
に変化が見られなかった。
【0080】実施例26 実施例25と同様な方法で界面活性剤で分散状態を安定
化したRu 0.5mmol/lの濃度の黒色均一なルテニウム微粒
子水分散液を得た。このルテニウム微粒子水分散液を、
炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察し
た。ルテニウム微粒子分散状態は良好で、平均粒径は2.
9nm、変異係数は62.8%であった。このルテニウム微粒子
分散液は、室温下で3ヵ月以上安定で分散状態に変化が
見られなかった。
【0081】実施例25と添加塩を変えて同様な操作を
行った。クロロホルム25mlに上記で得られた界面活性剤
で分散状態を安定化したルテニウム微粒子水分散液25ml
を加え、4時間撹拌したのち、塩化マグネシウム0.35g
を水3mlに溶解し、加えた。撹拌を止めた後、3時間静
置すると上層に無色透明の水相が分離し、下層にルテニ
ウム微粒子が分散した黒色均一なクロロホルム相を得
た。また相境界面に灰色に着色した界面活性剤の凝集物
がみられた。これらの液相系を分液ロートに入れ、下層
にルテニウム微粒子の分散したクロロホルム相のみを分
離した。このクロロホルム分散液のルテニウム微粒子の
濃度はRu 0.475mmol/lであった。このルテニウム微粒子
のクロロホルム分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型
電子顕微鏡により観察した。ルテニウム微粒子の分散状
態は良好で、平均粒径は2.1nm、変異係数は75.6%であっ
た。このルテニウム微粒子分散液は、室温下で3カ月以
上安定で、分散状態に変化が見られなかった。 実施例27 実施例25のクロロホルムの代わりにシクロヘキサン25
mlを用い実施例25と同様の操作を行った。4時間撹拌
した後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が分離
し、下層にルテニウム微粒子が分散した黒色均一なシク
ロヘキサン相を得た。また相境界面に灰色に着色した界
面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロ
ートにいれ、上層のルテニウム微粒子の分散したシクロ
ヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサン分散液
のルテニウム微粒子の濃度はRu 0.475mmol/lであった。
このルテニウム微粒子のシクロヘキサン分散液を、炭素
膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。ルテ
ニウム微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は3.0nm、
変異係数59.5%であった。このルテニウム微粒子分散液
は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見ら
れなかった。
【0082】実施例28 実施例25のクロロホルムの代わりにノルマルヘキサン
25mlを用い実施例25と同様の操作を行った。4時間撹
拌した後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が分
離し、下層にルテニウム微粒子が分散した黒色均一なノ
ルマルヘキサン相を得た。また相境界面に灰色に着色し
た界面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系を分
液ロートにいれ、上層のルテニウム微粒子の分散したノ
ルマルヘキサン相のみを分離した。このノルマルヘキサ
ン分散液のルテニウム微粒子の濃度はRu 0.475mmol/lで
あった。このルテニウム微粒子のノルマルヘキサン分散
液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察
した。ルテニウム微粒子の分散状態は良好で、平均粒径
は2.5nm、変異係数57.1%であった。このルテニウム微粒
子分散液は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変
化が見られなかった。
【0083】実施例29 実施例25のクロロホルムの代わりにベンゼン25mlを用
い実施例25と同様の操作を行った。4時間撹拌した
後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が分離し、
上層にルテニウム微粒子が分散した黒色均一なベンゼン
相を得た。また相境界面に灰色に着色した界面活性剤の
凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロートにい
れ、上層のルテニウム微粒子の分散したベンゼン相のみ
を分離した。このベンゼン分散液のルテニウム微粒子の
濃度はRu 0.475mmol/lであった。このルテニウム微粒子
のベンゼン分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕
微鏡により観察した。ルテニウム微粒子の分散状態は良
好で、平均粒径は2.9nm、変異係数56.4%であった。この
ルテニウム微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安定
で、分散状態に変化が見られなかった。 実施例30 塩化パラジウム(PdCl2、小島化学製)8.865mg(0.05mmo
l)と、塩化トリメチルステアリルアンモニウム([C18H
37N(CH3)3]Cl、東京化成製、1級試薬)、0.025gとを
それぞれ蒸留水94mlおよび1mlに溶解した。この2液を1
00mlナスフラスコに加え室温で撹拌し、水素化ホウ素ナ
トリウム(NaBH4、ナカライテスク製)7.75mg(0.2mmol)
を溶解した蒸留水5mlを添加し、Pd 0.5mmol/lの濃度の
黒色均一な界面活性剤で分散状態を安定化したパラジウ
ム微粒子水分散液を得た。このパラジウム微粒子水分散
液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察
した。パラジウム微粒子の分散状態は良好で、平均粒径
は5.8nm、変異係数は24.0%であった。このパラジウム微
粒子の分散状態は室温下で3ヵ月以上安定で、分散状態
に変化が見られなかった。
【0084】クロロホルム25mlに上記で得られた界面活
性剤で分散状態を安定化したパラジウム微粒子水分散液
25mlを加え、4時間撹拌したのち、塩化マグネシウム0.
35gを水3mlに溶解したものを加えた。撹拌を止めた後、
3時間静置すると上層に無色透明の水相が分離し、下層
にパラジウム微粒子が分散した黒色均一なクロロホルム
相を得た。また相境界面に灰色に着色した界面活性剤の
凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロートにい
れ、下層のパラジウム微粒子の分散したクロロホルム相
のみを分離した。このクロロホルム分散液のパラジウム
微粒子の濃度はPd 0.475mmol/lであった。このパラジウ
ム微粒子のクロロホルム分散液を、炭素膜上で乾固し、
透過型電子顕微鏡により観察した。パラジウム微粒子の
分散状態は良好で、平均粒径は4.8nm、変異係数20.6%で
あった。このパラジウム微粒子分散液は、室温下で3カ
月以上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0085】実施例31 塩化ニッケル6水和物(NiCl2・6H2O、関東化学製)23.7
5mg(0.1mmol)とオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH
(CH2)7COONa、東京化成製、1級試薬)20mgとをそれぞ
れ蒸留水94mlおよび1mlに溶解した。この2液を100mlナ
スフラスコに加え室温で撹拌し、水素化ホウ素ナトリウ
ム(NaBH4、ナカライテスク製)13.6mg(0.36mmol)を溶
解した蒸留水5mlを添加し、NiB 1mmol/lの濃度の黒色均
一な界面活性剤で分散状態を安定化したホウ化ニッケル
微粒子水分散液を得た。このホウ化ニッケル微粒子水分
散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観
察した。ホウ化ニッケル微粒子の分散状態は良好で、平
均粒径は9.8nm、変異係数は33.0%であった。このホウ化
ニッケル微粒子の分散状態は室温下で3ヵ月以上安定
で、分散状態に変化が見られなかった。シクロヘキサン
25mlに上記で得られた界面活性剤で分散状態を安定化し
たホウ化ニッケル微粒子水分散液25mlを加え、4時間撹
拌したのち、塩化マグネシウム0.35gを水3mlに溶解した
ものを加えた。撹拌を止めた後、3時間静置すると下層
に無色透明の水相が分離し、上層にホウ化ニッケル微粒
子が分散した黒色均一なシクロヘキサン相を得た。また
相境界面に灰色に着色した界面活性剤の凝集物がみられ
た。これらの液相系を分液ロートにいれ、上層のホウ化
ニッケル微粒子の分散したシクロヘキサン相のみを分離
した。このシクロヘキサン分散液のホウ化ニッケル微粒
子の濃度はNiB 0.9mmol/lであった。このホウ化ニッケ
ル微粒子のシクロヘキサン分散液を、炭素膜上で乾固
し、透過型電子顕微鏡により観察した。ホウ化ニッケル
微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は10.2nm、変異係
数39.1%であった。このホウ化ニッケル微粒子分散液
は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見ら
れなかった。
【0086】実施例32 実施例31のシクロヘキサンの代わりにノルマルヘキサ
ン25mlを用い実施例31と同様の操作を行った。4時間
撹拌した後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が
分離し、上層にホウ化ニッケル微粒子が分散した黒色均
一なノルマルヘキサン相を得た。また相境界面に灰色に
着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相
系を分液ロートにいれ、上層のホウ化ニッケル微粒子の
分散したノルマルヘキサン相のみを分離した。このノル
マルヘキサン分散液のホウ化ニッケル微粒子の濃度はNi
B0.9mmol/lであった。このホウ化ニッケル微粒子のノル
マルヘキサン分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子
顕微鏡により観察した。このホウ化ニッケル微粒子の分
散状態は良好で、平均粒径は12.3nm、変異係数31.8%で
あった。このホウ化ニッケル微粒子分散液は、室温下で
3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0087】実施例33 実施例31のシクロヘキサンの代わりにベンゼン25mlを
用い実施例31と同様の操作を行った。4時間撹拌した
後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が分離し、
上層にホウ化ニッケル微粒子が分散した黒色均一なベン
ゼン相を得た。また相境界面に灰色に着色した界面活性
剤の凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロートに
いれ、上層のホウ化ニッケル微粒子の分散したベンゼン
相のみを分離した。このベンゼン分散液のホウ化ニッケ
ル微粒子の濃度はNiB 0.9mmol/lであった。このホウ化
ニッケル微粒子のベンゼン分散液を、炭素膜上で乾固
し、透過型電子顕微鏡により観察した。このホウ化ニッ
ケル微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は12.1nm、変
異係数31.3%であった。このホウ化ニッケル微粒子分散
液は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見
られなかった。
【0088】実施例34 金属バリウム(Ba、関東化学製)2.809g(20.5mmol)をイ
ソプロパノール(iso-C3H7OH、関東化学製、特級試
薬)、55.54mlに溶解させ、バリウムイソプロポキシド
を調整した。そして、チタニウムイソプロポキシド(Ti
(OC3H7)4、関東化学製)9ml(47.27mmol)とtert-アミル
アルコール(tert-C5H11OH、関東化学製、鹿特級試薬)3
6ml(333mmol)を混合し24時間加熱還流したものをバリウ
ムイソプロポキシドに44.46ml加え、再び2時間還流し
た。その後、蒸留水2.5mlを滴下することにより加水分
解し、蒸発乾固させ、白色のチタン酸バリウムの粉末を
得た。蒸留水100mlにチタン酸バリウム0.0117g(0.05mmo
l)およびオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7C
OONa、東京化成製、1級試薬)0.1gを添加、混合撹拌す
ることにより BaTiO3 0.5mmol/lの濃度の界面活性剤で
分散状態を安定化させたチタン酸バリウム微粒子水分散
液を得た。チタン酸バリウム微粒子の分散状態は良好で
あった。しかし、このチタン酸バリウム微粒子分散液
は、室温下で2日で沈澱してしまうため、相間移動には
調製直後のものを使用した。また、沈澱してしまったチ
タン酸バリウムは、再度撹拌すると再分散を起こす。
【0089】シクロヘキサン25mlに上記で得られた界面
活性剤で分散状態を安定化したチタン酸バリウム微粒子
水分散液25mlを加え、4時間撹拌したのち、塩化マグネ
シウム0.35gを水3mlに溶解したものを加えた。撹拌を止
めた後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が分離
し、上層にチタン酸バリウム微粒子が分散した白色均一
なシクロヘキサン相を得た。また相境界面に白色の界面
活性剤凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロート
にいれ、上層のチタン酸バリウム微粒子の分散したシク
ロヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサン分散
液のチタン酸バリウム微粒子の濃度はBaTiO3 0.475mmol
/l であった。チタン酸バリウム微粒子の分散状態は良
好であった。このチタン酸バリウム微粒子分散液は、室
温下で1日間安定であり、以後界面に沈澱するが、再度
撹拌すると再分散させることができる。
【0090】実施例35 実施例34のシクロヘキサンの代わりにノルマルヘキサ
ン25mlを用い実施例34と同様の操作を行った。4時間
撹拌した後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が
分離し、下層にチタン酸バリウム微粒子が分散した白色
均一なノルマルヘキサン相を得た。また相境界面に白色
の界面活性剤凝集物がみられた。これらの液相系を分液
ロートにいれ、上層のチタン酸バリウム微粒子の分散し
たノルマルヘキサン相のみを分離した。このノルマルヘ
キサン分散液のチタン酸バリウム微粒子の濃度はBaTiO3
0.475mmol/lであった。チタン酸バリウム微粒子の分散
状態は良好であった。このチタン酸バリウム微粒子分散
液は、室温下で1日間安定であり、以後界面に沈澱する
が、再度撹拌すると再分散させることができる。
【0091】実施例36 実施例34のシクロヘキサンの代わりにベンゼン25mlを
用い実施例34と同様の操作を行った。4時間撹拌した
後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が分離し、
上層にチタン酸バリウム微粒子が分散した白色均一なベ
ンゼン相を得た。また相境界面に白色の界面活性剤凝集
物がみられた。これらの液相系を分液ロートにいれ、上
層のチタン酸バリウム微粒子の分散したベンゼン相のみ
を分離した。このベンゼン分散液のチタン酸バリウム微
粒子の濃度はBaTiO3 0.475mmol/lであった。チタン酸バ
リウム微粒子の分散状態は良好であった。このチタン酸
バリウム微粒子分散液は、室温下で1日間安定であり、
以降界面に沈澱するが、再度撹拌すると再分散する。
【0092】実施例37 実施例34のシクロヘキサンの代わりにクロロホルム25
mlを用い実施例34と同様の操作を行った。4時間撹拌
した後、3時間静置すると上層に無色透明の水相が分離
し、下層にチタン酸バリウム微粒子が分散した白色均一
なクロロホルム相を得た。これらの液相系を分液ロート
にいれ、下層のチタン酸バリウム微粒子の分散したクロ
ロホルム相のみを分離した。このクロロホルム分散液の
チタン酸バリウム微粒子の濃度はBaTiO3 0.475mmol/lで
あった。このチタン酸バリウム微粒子の分散状態は良好
であった。このチタン酸バリウム微粒子分散液は、室温
下で1ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかっ
た。
【0093】実施例38 実施例37のオレイン酸ナトリウムの代わりにドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム(C12H25C6H4SO3Na、東京
化成製、1級試薬)0.025gを用い実施例34と同様の操
作を行った。4時間撹拌した後、3時間静置すると上層
に無色透明の水相が分離し、下層にチタン酸バリウム微
粒子が分散した白色均一なクロロホルム相を得た。これ
らの液相系を分液ロートにいれ、下層のチタン酸バリウ
ム微粒子の分散したクロロホルム相のみを分離した。こ
のクロロホルム分散液のチタン酸バリウム微粒子の濃度
はBaTiO3 0.475mmol/lであった。このチタン酸バリウム
微粒子の分散状態は良好であった。このチタン酸バリウ
ム微粒子分散液は、室温下で1ヵ月以上安定で、分散状
態に変化が見られなかった。
【0094】実施例39 硝酸銀(AgNO3、東京化成製、特級試薬)11.2mg(0.066mmo
l)およびポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)(東京化
成製、平均分子量10,000)59.2mg(モノマー単位として0.
528mmol、銀原子に対しモル比8)をそれぞれメタノー
ル60mlおよび30mlに溶解する。この2液を混合して、還
流器付き100mlナスフラスコ中で30分間還流加熱した
後、水酸化ナトリウム2.46mg(0.066mmol)を溶解したメ
タノール10mlを加え、さらに10分間加熱を行い、高分子
で分散状態を安定化させた黄色均一な銀微粒子メタノー
ル分散液を100ml調製した。この銀微粒子メタノール分
散液を減圧乾固し、蒸留水100mlに再分散させ、Ag 0.66
mmol/lの濃度の高分子で分散状態を安定化させた銀微粒
子水分散液を得た。この銀微粒子水分散液を、炭素薄膜
上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。銀微粒
子の分散状態は良好で、平均粒径は13.0nm、変異係数は
52.4%であった。この銀微粒子分散液は、室温下で3カ
月以上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0095】シクロヘキサン25ml、に上記で得られた高
分子で分散状態を安定化した銀微粒子水分散液を25ml、
オレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東
京化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4時間撹拌し
た。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大きな液滴
が見られ不均一であったが、添加後は乳化され均一にな
った。その後、塩化ナトリウムを2.5gを加えた。
【0096】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に銀微粒子が分散した黄
色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界面に淡黄
色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの
液相系を分液ロートに入れ、上層の銀微粒子の分散した
シクロヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサン
分散液の銀微粒子の濃度はAg 0.627mmol/lであった。こ
の銀微粒子のシクロヘキサン分散液を、炭素薄膜上で乾
固し、透過型電子顕微鏡により観察した。銀微粒子の分
散状態は良好で、平均粒径は8.9nm、変異係数は65.9%で
あった。この銀微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安
定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0097】比較例5 オレイン酸ナトリウムを添加せずに、実施例39と同様
の操作を行なった。銀微粒子のシクロヘキサン相への移
動は見られるが、すぐさま凝集し、銀が析出してしま
う。
【0098】比較例6 シクロヘキサン25mlに、実施例39で得られた高分子で
分散状態を安定化した銀微粒子水分散液25mlとオレイン
酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東京化成
製、1級試薬)0.025gとを加え4時間撹拌した後、塩化
ナトリウムを添加せず約1時間静置した。静置後、下層
に、黄色の銀微粒子の分散した水相が分離し、上層は無
色透明のシクロヘキサン相となり、水分散液より、シク
ロヘキサンへの銀微粒子の移動は認められなかった。
【0099】比較例7 シクロヘキサン25mlに、実施例39で得られた高分子で
分散状態を安定化した銀微粒子分散液25mlに塩化ナトリ
ウム2.5gを添加すると、銀微粒子は凝集して沈澱し、水
相は無色透明となった。その後、オレイン酸ナトリウム
(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東京化成製、1級試薬)
0.025gを加え、混合撹拌しても、水相、シクロヘキサン
相は共に無色になり、相間移動は起こらなかった。
【0100】実施例40 シクロヘキサン25mlに実施例39で得られた高分子で分
散状態を安定化した銀微粒子分散液25mlとオレイン酸ナ
トリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa、東京化成製、1
級試薬)0.025gを水1mlに溶かしたもの、塩化ナトリウ
ム2.5gを同時に添加して10分間撹拌し、1時間静置し
た。これにより、銀微粒子は凝集し、水相とシクロヘキ
サン相の界面に沈澱した。その後、10分間撹拌し、1
時間静置することにより下相に無色透明の水相が分離
し、上層に銀微粒子が分散した黄色均一なシクロヘキサ
ン相を得た。これを分液ロートに入れ、上層の銀微粒子
の分散したシクロヘキサン相のみを分離した。
【0101】実施例41 実施例39のシクロヘキサンの代わりにノルマルヘキサ
ン25mlを用い実施例39と同様の操作を行なった。オレ
イン酸ナトリウムを添加する前は、大きな液滴が見られ
不均一であったが、添加後は乳化され均一になった。そ
の後、塩化ナトリウム2.5gを加えた。
【0102】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に銀微粒子が分散した黄
色均一なノルマルヘキサン相を得た。また相境界面に淡
黄色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これら
の液相系を分液ロートに入れ、上層の銀微粒子の分散し
たノルマルヘキサン相のみを分離した。このノルマルヘ
キサン分散液の銀微粒子の濃度はAg 0.627mmol/lであっ
た。この銀微粒子のノルマルヘキサン分散液を、炭素薄
膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。銀微
粒子の分散状態は良好で、平均粒径は11.3nm、変異係数
は50.3%であった。この銀微粒子分散液は、室温下で3
カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0103】実施例42 実施例39のシクロヘキサンの代わりにベンゼン25mlを
用い実施例39と同様の操作を行なった。オレイン酸ナ
トリウムを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一で
あったが、添加後は乳化され均一になった。その後、塩
化ナトリウム2.5gを加えた。
【0104】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に銀微粒子が分散した黄
色均一なベンゼン相を得た。また相境界面に淡黄色に着
色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系
を分液ロートに入れ、上層の銀微粒子の分散したベンゼ
ン相のみを分離した。このベンゼン分散液の銀微粒子の
濃度はAg 0.627mmol/lであった。この銀微粒子のベンゼ
ン分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡に
より観察した。銀微粒子の分散状態は良好で、平均粒径
は6.6nm、変異係数は65.7%であった。この銀微粒子分散
液は、室温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見
られなかった。
【0105】実施例43 クロロホルム25mlに、実施例39で得られた高分子で分
散状態を安定化した銀微粒子水分散液25mlと塩化トリメ
チルステアリルアンモニウム([C18H37N(CH3)3]Cl、東
京化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4時間撹拌し
た。塩化トリメチルステアリルアンモニウムを添加する
前は、大きな液滴が見られ不均一であったが、添加後は
乳化され均一になった。その後、塩化ナトリウム2.5gを
加えた。
【0106】撹拌を止めた後、3時間静置すると上層に
無色透明の水相が分離し、下層に銀微粒子が分散した黄
色均一なクロロホルム相を得た。また相境界面に淡黄色
に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの液
相系を分液ロートに入れ、下層の銀微粒子の分散したク
ロロホルム相のみを分離した。このクロロホルム分散液
の銀微粒子の濃度はAg 0.627mmol/lであった。この銀微
粒子のクロロホルム分散液を、炭素薄膜上で乾固し、透
過型電子顕微鏡により観察した。銀微粒子の分散状態は
良好で、平均粒径は5.7nm、変異係数は64.3%であった。
この銀微粒子分散液は、室温下で3カ月以上安定で、分
散状態に変化が見られなかった。
【0107】実施例44 硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O関東化成、1級試薬)77.9
mg(0.31mmol)及びポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)
(東京化成製、平均分子量10,000)34.8mg(モノマー単
位として0.31mmol、銅原子に対しモル比1)を水50mlに
溶解し、チオ硫酸ナトリウム(関東化成、特級試薬)7
7.4mg(0.31mmol)を水に溶解したものを加え、60度で30
分間、加熱還流を行い CuS 3.1mmol/lの高分子で分散状
態を安定化させた茶褐色均一な硫化銅微粒子水分散液を
100ml調製した。この硫化銅微粒子水分散液を、炭素膜
上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。硫化銅
微粒子の分散状態は良好で、硫化銅微粒子は第一微粒子
と第一微粒子が凝集した第二微粒子が存在する。これら
の硫化銅第一微粒子の平均粒径は 14.5nm、変異係数は
13.3%、第二微粒子の平均粒径は77.6nm、変異係数は17.
3%であった。この硫化銅微粒子の分散状態は室温、窒素
下で3ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかっ
た。
【0108】クロロホルム25mlに上記で得られた高分子
で分散状態を安定化した硫化銅微粒子水分散液25mlとド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C12H25C6H4SO3N
a、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4時間撹
拌した。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加
する前は、大きな液滴が見られ不均一であったが、添加
後は均一になった。その後、塩化マグネシウム0.35gを
水3mlの水に溶解したものを加えた。撹拌を止めた後、
3時間静置すると上層に無色透明の水相が分離し、下層
に硫化銅微粒子が分散した茶褐色均一なクロロホルム相
を得た。また相境界面に淡褐色に着色した界面活性剤の
凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロートにい
れ、下層の硫化銅微粒子の分散したクロロホルム相のみ
を分離した。このクロロホルム分散液の硫化銅粒子の濃
度はCuS 2.9mmol/lであった。この硫化銅微粒子のクロ
ロホルム分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微
鏡により観察した。硫化銅微粒子の分散状態は良好で、
硫化銅第一微粒子の平均粒径は14.6nm、変異係数11.4
%、第二微粒子の平均粒径は 75.3nm、変異係数は15.4%
であった。この硫化銅微粒子分散液は、室温下で3ヵ月
以上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0109】実施例45 硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O関東化学、鹿1級)62.42
mg(0.25mmol)及びポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)
(東京化成製、平均分子量10,000)1.11g(10mmol、硫化
銅原子に対しモル比40)を蒸留水45mlに溶解する。こ
の水溶液を還流器付き50mlフラスコ中で80℃で還流した
後25℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4
ナカライテスク製)18.92mg(0.5mmol)を溶解した蒸留水
5mlを添加し、Cu 5.0mmol/lの濃度の高分子で分散状態
を安定化させた黒色均一な銅微粒子水分散液を得た。こ
の銅微粒子水分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子
顕微鏡により観察した。銅微粒子の分散状態は良好で、
平均粒径は5.4nm、変異係数は43.5%であった。この銅微
粒子の分散状態は室温、窒素下で3ヵ月以上で、分散状
態に変化が見られなかった。
【0110】 クロロホルム25mlに上記で得られた高分
子で分散状態を安定化した銅微粒子水分散液25mlと塩化
トリメチルステアリルアンモニウム([C18H37N(C
H3)3]Cl、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4
時間撹拌した。塩化トリメチルステアリルアンモニウム
を添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であった
が、添加後は均一になった。その後、塩化マグネシウム
0.35gを水3mlの水に溶解したものを加えた。撹拌を止め
た後、3時間静置すると上層に無色透明の水相が分離
し、下層に銅微粒子が分散した黒色均一なクロロホルム
相を得た。また相境界面に灰色に着色した界面活性剤の
凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロートにい
れ、下層の銅微粒子の分散したクロロホルム相のみを分
離した。このクロロホルム分散液の銅粒子の濃度はCu
4.75mmol/lであった。この銅微粒子のクロロホルム分散
液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察
した。銅微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は 8.8n
m、変異係数 25.9%であった。この銅微粒子分散液は、
室温下で3ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見られな
かった。
【0111】実施例46 実施例45のクロロホルムの代わりにベンゼン25mlを用
い実施例45と同様の操作を行なった。塩化トリメチル
ステアリルアンモニウムを添加する前は、大きな液滴が
見られ不均一であったが、添加後は均一になった。その
後、塩化マグネシウム0.35gを3mlの水に溶解し、添加し
た。4時間撹拌した後、3時間静置すると下層に無色透
明の水相が分離し、上層に銅微粒子が分散した黒色均一
なベンゼン相を得た。また相境界面に灰色に着色した界
面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロ
ートにいれ、上層の銅微粒子の分散したベンゼン相のみ
を分離した。このベンゼン分散液の銅粒子の濃度はCu
4.75mmol/lであった。この銅微粒子のベンゼン分散液
を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察し
た。銅微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は 4.8nm、
変異係数 57.8%であった。この銅微粒子分散液は、室温
下で3ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見られなかっ
た。
【0112】実施例47 実施例46の塩化トリメチルステアリルアンモニウムの
代わりにオレイン酸ナトリウムを用い実施例45と同様
の操作を行なった。オレイン酸ナトリウムを添加する前
は、大きな液滴が見られ不均一であったが、添加後は均
一になった。その後、塩化マグネシウム0.35gを3mlの水
に溶解し、添加した。4時間撹拌した後、3時間静置す
ると下層に無色透明の水相が分離し、上層に銅微粒子が
分散した黒色均一なベンゼン相を得た。また相境界面に
灰色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これら
の液相系を分液ロートにいれ、上層の銅微粒子の分散し
たベンゼン相のみを分離した。このベンゼン分散液の銅
粒子の濃度はCu 4.75mmol/lであった。この銅微粒子の
ベンゼン分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微
鏡により観察した。銅微粒子の分散状態は良好で、平均
粒径は 6.6nm、変異係数 39.9%であった。この銅微粒子
分散液は、室温下で3ヵ月以上安定で、分散状態に変化
が見られなかった。
【0113】実施例48 シクロヘキサン25mlに実施例1で得られた金微粒子水分
散液50mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)
7COONa、東京化成製)0.0325gを加え、4時間撹拌した。
オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大きな液滴が見
られ不均一であったが、添加後は乳化され均一になっ
た。その後、塩化ナトリウム5.0gを加えた。
【0114】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に金微粒子が分散した赤
色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界面に淡紅
色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの
液相系を分液ロートに入れ、上層の金微粒子の分散した
シクロヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサン
分散液の金微粒子の濃度はAu 0.547mmol/lであった。即
ち、使用した金微粒子水分散液(Au 0.288mmol/l)の金微
粒子濃度の1.90倍の高濃度の金微粒子濃度を持つシクロ
ヘキサン分散液が得られた。この金微粒子分散液は、室
温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなか
った。
【0115】実施例49 シクロヘキサン25mlに実施例1で得られた金微粒子水分
散液75mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)
7COONa、東京化成製)0.05gを加え、4時間撹拌した。オ
レイン酸ナトリウムを添加する前は、大きな液滴が見ら
れ不均一であったが、添加後は乳化され均一になった。
その後、塩化ナトリウム7.5gを加えた。
【0116】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に金微粒子が分散した赤
色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界面に淡紅
色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの
液相系を分液ロートに入れ、上層の金微粒子の分散した
シクロヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサン
分散液の金微粒子の濃度はAu 0.821mmol/lであった。即
ち、使用した金微粒子水分散液(Au 0.288mmol/l)の金微
粒子濃度の2.85倍の高濃度の金微粒子濃度を持つシクロ
ヘキサン分散液が得られた。この金微粒子分散液は、室
温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなか
った。
【0117】実施例50 シクロヘキサン25mlに実施例1で得られた金微粒子水分
散液100mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(C
H2)7COONa、東京化成製)0.0625gを加え、4時間撹拌し
た。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大きな液滴
が見られ不均一であったが、添加後は乳化され均一にな
った。その後、塩化ナトリウム10gを加えた。
【0118】撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に
無色透明の水相が分離し、上層に金微粒子が分散した赤
色均一なシクロヘキサン相を得た。また相境界面に淡紅
色に着色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの
液相系を分液ロートに入れ、上層の金微粒子の分散した
シクロヘキサン相のみを分離した。このシクロヘキサン
分散液の金微粒子の濃度はAu 1.094mmol/lであった。即
ち、使用した金微粒子水分散液(Au 0.288mmol/l)の金微
粒子濃度の3.80倍の高濃度の金微粒子濃度を持つシクロ
ヘキサン分散液が得られた。この金微粒子分散液は、室
温下で3カ月以上安定で、分散状態に変化が見られなか
った。
【0119】実施例51 クロロホルム25mlに実施例6で得られた金微粒子水分散
液25mlと塩化トリメチルステアリルアンモニウム([C18
H37N(CH3)3]Cl、東京化成製、1級試薬)0.025gを加え、
4時間撹拌した。塩化トリメチルステアリルアンモニウ
を添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であった
が、添加後は均一になった。その後、塩化ナトリウム1.
12gを加えた。撹拌を止めた後、3時間静置すると上層
に無色透明の水相が分離し、下層に金微粒子が分散した
赤色均一なクロロホルム相を得た。また相境界面に濃赤
色に着色した微量の界面活性剤の凝集物がみられた。こ
れらの液相系を分液ロートに入れ、下層の金微粒子の分
散したクロロホルム相のみを分離した。このクロロホル
ム分散液の金微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであった。
この金微粒子のクロロホルム分散液を、炭素膜上で乾固
し、透過型電子顕微鏡により観察した。金微粒子の分散
状態は良好で、平均粒径は13.5nm,変異係数26.3%であ
った。この金微粒子の分散液は、室温下で6ヵ月以上安
定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0120】実施例52 クロロホルム25mlに実施例6で得られた金微粒子水分散
液25mlと塩化トリメチルステアリルアンモニウム([C18
H37N(CH3)3]Cl、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加
え、4時間撹拌した。塩化トリメチルステアリルアンモ
ニウを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であっ
たが、添加後は均一になった。その後、塩化ナトリウム
1.12gを3mlに溶かしたものを加えた。撹拌を止めた後、
3時間静置すると上層に無色透明の水相が分離し、下層
に金微粒子が分散した赤色均一なクロロホルム相を得
た。また相境界面に濃赤色に着色した微量の界面活性剤
の凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロートにい
れ、下層の金微粒子の分散したクロロホルム相のみを分
離した。このクロロホルム分散液の金微粒子の濃度はAu
0.274mmol/lであった。この金微粒子のクロロホルム分
散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観
察した。金微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は15.1
nm、変異係数9.51%であった。この金微粒子分散液は、
室温下で4ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見られな
かった。
【0121】実施例53 クロロホルム25mlに実施例6で得られた金微粒子水分散
液25ml及び塩化トリメチルステアリルアンモニウム([C
18H37N(CH3)3]Cl、東京化成製、1級試薬)0.025gを加
え、4時間撹拌した。塩化トリメチルステアリルアンモ
ニウを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であっ
たが、添加後は均一になった。その後、塩化マグネシウ
ム0.35gを加えた。撹拌を止めた後、3時間静置すると
上層に無色透明の水相が分離し、下層に金微粒子が分散
した赤色均一なクロロホルム相を得た。これらの液相系
を分液ロートにいれ、下層の金微粒子の分散したクロロ
ホルム相のみを分離した。このクロロホルム分散液の金
微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであった。この金微粒子
のクロロホルム分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電
子顕微鏡により観察した。金微粒子の分散状態は良好
で、平均粒径は15.2nm、変異係数28.6%であった。この
金微粒子分散液は、室温下で6ヵ月以上安定で、分散状
態に変化が見られなかった。
【0122】実施例54 クロロホルム25mlに実施例6で得られた金微粒子水分散
液25mlと塩化トリメチルステアリルアンモニウム([C18
H37N(CH3)3]Cl、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加
え、4時間撹拌した。塩化トリメチルステアリルアンモ
ニウを添加する前は、大きな液滴が見られ不均一であっ
たが、添加後は均一になった。その後、塩化マグネシウ
ム0.35gを水3mlに溶かしたものを加えた。撹拌を止めた
後、3時間静置すると上層に無色透明の水相が分離し、
下層に金微粒子が分散した赤色均一なクロロホルム相を
得た。これらの液相系を分液ロートにいれ、下層の金微
粒子の分散したクロロホルム相のみを分離した。このク
ロロホルム分散液の金微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lで
あった。この金微粒子のクロロホルム分散液を、炭素膜
上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察した。金微粒
子の分散状態は良好で、平均粒径は13.2nm、変異係数1
8.2%であった。この金微粒子分散液は、室温下で4ヵ月
以上安定で、分散状態に変化が見られなかった。
【0123】実施例55 四塩化炭素25mlに実施例6で得られた金微粒子水分散液
25ml及びオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7
COONa、東京化成製、1級試薬)0.025gを加え、4時間撹
拌した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大きな
液滴が見られ不均一であったが、添加後は均一になっ
た。その後、塩化ナトリウム1.12gを加えた。撹拌を止
めた後、3時間静置すると上層に無色透明の水相が分離
し、下層に金微粒子が分散した赤紫色均一な四塩化炭素
相を得た。また相境界面に淡赤紫色に着色した界面活性
剤の凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロートに
いれ、下層の金微粒子の分散した四塩化炭素相のみを分
離した。この四塩化炭素分散液の金微粒子の濃度はAu
0.274mmol/lであった。この金微粒子の四塩化炭素分散
液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察
した。金微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は16.5n
m、変異係数64.5%であった。この金微粒子分散液は、室
温下で2ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見られなか
った。
【0124】実施例56 四塩化炭素25mlに実施例6で得られた金微粒子水分散液
25mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7CO
ONa、東京化成製、1級試薬)0.025gを加え、4時間撹拌
した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大きな液
滴が見られ不均一であったが、添加後は均一になった。
その後、塩化ナトリウム1.12gを水3mlに溶解し加えた。
撹拌を止めた後、3時間静置すると上層に無色透明の水
相が分離し、下層に金微粒子が分散した赤紫色均一な四
塩化炭素相を得た。また相境界面に淡赤紫色に着色した
界面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系を分液
ロートにいれ、下層の金微粒子の分散した四塩化炭素相
のみを分離した。この四塩化炭素分散液の金微粒子の濃
度はAu 0.274mmol/lであった。この金微粒子の四塩化炭
素分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡によ
り観察した。金微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は
19.2nm、変異係数39.4%であった。この金微粒子分散液
は、室温下で2ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見ら
れなかった。
【0125】実施例57 四塩化炭素25mlに実施例6で得られた金微粒子水分散液
25ml及びオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7
COONa、東京化成製、1級試薬)0.025gを加え、4時間撹
拌した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大きな
液滴が見られ不均一であったが、添加後は均一になっ
た。その後、塩化マグネシウム0.35gを加えた。撹拌を
止めた後、3時間静置すると上層に無色透明の水相が分
離し、下層に金微粒子が分散した赤紫色均一な四塩化炭
素相を得た。また相境界面に淡赤紫色に着色した界面活
性剤の凝集物がみられた。これらの液相系を分液ロート
にいれ、下層の金微粒子の分散した四塩化炭素相のみを
分離した。この四塩化炭素分散液の金微粒子の濃度はAu
0.274mmol/lであった。この金微粒子の四塩化炭素分散
液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により観察
した。金微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は14.3n
m、変異係数27.0%であった。この金微粒子分散液は、室
温下で2ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見られなか
った。
【0126】実施例58 四塩化炭素25mlに実施例6で得られた金微粒子水分散液
25mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7CO
ONa、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4時間撹
拌した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大きな
液滴が見られ不均一であったが、添加後は均一になっ
た。その後、塩化マグネシウム0.35gを水3mlに溶解し加
えた。撹拌を止めた後、3時間静置すると上層に無色透
明の水相が分離し、下層に金微粒子が分散した赤紫色均
一な四塩化炭素相を得た。また相境界面に淡赤紫色に着
色した界面活性剤の凝集物がみられた。これらの液相系
を分液ロートにいれ、下層の金微粒子の分散した四塩化
炭素相のみを分離した。この四塩化炭素分散液の金微粒
子の濃度はAu 0.274mmol/lであった。この金微粒子の四
塩化炭素分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微
鏡により観察した。金微粒子の分散状態は良好で、平均
粒径は14.0nm、変異係数28.7%であった。この金微粒子
分散液は、室温下で2ヵ月以上安定で、分散状態に変化
が見られなかった。
【0127】実施例59 シクロヘキサン25mlに実施例6で得られた金微粒子水分
散液25ml及びオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(C
H2)7COONa、東京化成製、1級試薬)0.025gを加え、4時
間撹拌した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、大
きな液滴が見られ不均一であったが、添加後は均一にな
った。その後、塩化マグネシウム0.35gを加えた。撹拌
を止めた後、3時間静置すると下層に無色透明の水相が
分離し、上層に金微粒子が分散した赤色均一なシクロヘ
キサン相を得た。これらの液相系を分液ロートにいれ、
上層の金微粒子の分散したシクロヘキサン相のみを分離
した。このシクロヘキサン分散液の金微粒子の濃度はAu
0.274mmol/lであった。この金微粒子のシクロヘキサン
分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕微鏡により
観察した。金微粒子の分散状態は良好で、平均粒径は1
3.7nm、変異係数14.6%であった。この金微粒子分散液
は、室温下で6ヵ月以上安定で、分散状態に変化が見ら
れなかった。
【0128】実施例60 シクロヘキサン25mlに実施例6で得られた金微粒子水分
散液25mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(C
H2)7COONa、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4
時間撹拌した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、
大きな液滴が見られ不均一であったが、添加後は均一に
なった。その後、塩化マグネシウム0.35gを水3mlに溶解
し加えた。撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に無
色透明の水相が分離し、上層に金微粒子が分散した赤色
均一なシクロヘキサン相を得た。これらの液相系を分液
ロートにいれ、下層に金微粒子の分散したシクロヘキサ
ン相のみを分離した。このシクロヘキサン分散液の金微
粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであった。この金微粒子の
シクロヘキサン分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電
子顕微鏡により観察した。金微粒子の分散状態は良好
で、平均粒径は13.8nm、変異係数16.7%であった。この
金微粒子分散液は、室温下で6ヵ月以上安定で、分散状
態に変化が見られなかった。
【0129】実施例61 ノルマルヘキサン25mlに実施例6で得られた金微粒子水
分散液25ml及びオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH
(CH2)7COONa、東京化成製、1級試薬)0.025gを加え、4
時間撹拌した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、
大きな液滴が見られ不均一であったが、添加後は均一に
なった。その後、塩化マグネシウム0.35gを加えた。撹
拌を止めた後、3時間静置すると下層に無色透明の水相
が分離し、上層に金微粒子が分散した赤色均一なシクロ
ヘキサン相を得た。これらの液相系を分液ロートにい
れ、上層の金微粒子の分散したノルマルヘキサン相のみ
を分離した。このノルマルヘキサン分散液の金微粒子の
濃度はAu 0.274mmol/lであった。この金微粒子のノルマ
ルヘキサン分散液を、炭素膜上で乾固し、透過型電子顕
微鏡により観察した。金微粒子の分散状態は良好で、平
均粒径は14.0nm、変異係数17.0%であった。この金微粒
子分散液は、室温下で5ヵ月以上安定で、分散状態に変
化が見られなかった。
【0130】実施例62 ノルマルヘキサン25mlに実施例6で得られた金微粒子水
分散液25mlとオレイン酸ナトリウム(CH3(CH2)7CH=CH(C
H2)7COONa、東京化成製、1級試薬)0.025gとを加え、4
時間撹拌した。オレイン酸ナトリウムを添加する前は、
大きな液滴が見られ不均一であったが、添加後は均一に
なった。その後、塩化マグネシウム0.35gを水3mlに溶解
し加えた。撹拌を止めた後、3時間静置すると下層に無
色透明の水相が分離し、上層に金微粒子が分散した赤色
均一なノルマルヘキサン相を得た。これらの液相系を分
液ロートにいれ、上層の金微粒子の分散したノルマルヘ
キサン相のみを分離した。このノルマルヘキサン分散液
の金微粒子の濃度はAu 0.274mmol/lであった。この金微
粒子のノルマルヘキサン分散液を、炭素膜上で乾固し、
透過型電子顕微鏡により観察した。金微粒子の分散状態
は良好で、平均粒径は13.6nm、変異係数16.7%であっ
た。この金微粒子分散液は、室温下で6ヵ月以上安定
で、分散状態に変化が見られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 9/00 B01J 13/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子
    の非水分散液の調製方法において、 (1)金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の水分散
    液を、界面活性剤の存在下水と相分離する非水液体と
    接触させた後、水溶性無機酸塩及び/又は実質的に界面
    活性作用を有さない水溶性有機酸塩を添加し、 かくして該微粒子を該水分散液から該非水液体中に移動
    させ、該微粒子が分散した非水分散液相と実質的に該微
    粒子を含有しない水性相からなる二相混合物を形成し、
    その後 (2)該非水分散液を該二相混合物から分離することを
    特徴とする上記調製方法。
  2. 【請求項2】 該非水液体の容量が該水分散液の容量の
    0.01〜50倍である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(1)の接触時に存在する該界面活
    性剤の量が、該水分散液の水の重量に対して0.01〜
    5重量パーセントの量である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該水溶性無機酸塩及び/又は実質的に界
    面活性作用を有さない水溶性有機酸塩を、該水分散液の
    水の重量に対して0.005〜30重量パーセントの量
    で用いる請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該水分散液が、該水分散液と該非水液体
    との接触の前に、該界面活性剤の少くとも一部を含有す
    る請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 該水分散液に含有される該界面活性剤の
    量が該水分散液の水の重量に対して0.001〜2重量
    パーセントである請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 該水分散液が保護コロイド活性を有する
    有機高分子を含有する請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 該非水液体の容量が該水分散液の水の容
    量よりも少ない量である請求項2に記載の方法。
  9. 【請求項9】 接触させる非水液体が金属微粒子及び/
    又は金属化合物微粒子を含有しており、該微粒子は該水
    分散液の微粒子と同一かもしくは異なる請求項1に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 工程(1)における該水分散液と該非
    水液体との接触を、該水分散液と該非水液体との混合撹
    拌により行う請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 金属微粒子及び/又は金属化合物微粒
    子の非水分散液の調製方法において、 (1)金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の水分散
    液を、界面活性剤及び水溶性無機酸塩及び/又は実質的
    に界面活性作用を有さない水溶性有機酸塩の存在下に、
    水と相分離する非水液体と接触させ、 かくして該微粒子を該水分散液から該非水液体中に移動
    させ、該微粒子が分散した非水分散液相と実質的に該微
    粒子を含有しない水性相からなる二相混合物を形成し、
    その後 (2)該非水分散液を該二相混合物から分離することを
    特徴とする上記調製方法。
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