JP7024670B2 - 接合用ペーストを用いて被接合部材を接合する方法 - Google Patents
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図1に示すように、接合用粉末は、Cuからなる第1中心核11aとこの第1中心核11aを被覆するSnからなる第1被覆層11bとにより構成された第1コアシェル粉末11と、Cuからなる第2中心核12aとこの第2中心核12aを被覆するSnからなる第2被覆層12bとにより構成された第2コアシェル粉末12とを含む。第1コアシェル粉末11は、Cuを25質量%~55質量%、好ましくは30質量%~50質量%の割合で含有し、Snを75質量%~45質量%、好ましくは70質量%~50質量%の割合で含有する。また、第2コアシェル粉末12は、第1コアシェル粉末11と同様に、Cuを25質量%~55質量%、好ましくは30質量%~50質量%の割合で含有し、Snを75質量%~45質量%、好ましくは70質量%~50質量%の割合で含有する。ここで、第1コアシェル粉末11及び第2コアシェル粉末12中のCuの含有割合を25質量%~55質量%の範囲内にそれぞれ限定し、Snの含有割合を75質量%~45質量%の範囲内にそれぞれ限定したのは、Cuの含有割合が25質量%未満でありSnの含有割合が75%を超えると、接合用粉末を用いた接合用ペーストを印刷して形成された塗布層の加熱時に生成された液相のSnの量が多くなって、この塗布層内を第1コアシェル粉末11や第2コアシェル粉末12が移動してしまい、均一な組成の接合層を作製し難くなり、Cuの含有割合が55質量%を超えSnの含有割合が45%未満では、塗布層の加熱時に第1及び第2コアシェル粉末11,12から生成された液相のSnが、隣接する第1及び第2コアシェル粉末11,12から生成された液相のSnと接することができず、接合層の接合強度が低下してしまうからである。
このように構成された接合用粉末の製造方法を説明する。先ず、第1コアシェル粉末を製造する。この第1コアシェル粉末を製造する方法としては、コアとシェルの双方を湿式法で製造する方法と、コアにCu微粉末を用いて、シェルのみを湿式法で製造する方法が挙げられる。前者の製造方法では、先ずCuイオン及びSnイオンが共存する水溶液に還元剤を投入し、酸化還元電位が貴であるCuを還元析出させ、続いてこのCuを覆うように酸化還元電位が卑であるSnを還元析出させることで、CuコアSnシェル構造の粉末前駆体を製造する。なお、還元剤は、Cuのみを還元する弱還元剤と、Snも還元する強還元剤とを段階的に投入して、Cuの還元析出反応とSnの還元析出反応を分離した操作としてもよい。一方、後者の製造方法では、Cu微細粉末を予め準備し、これをSnイオンを含有する水溶液に高分散させ、ここに還元剤を投入して、分散Cu微細粉末の表面にSnを還元析出させる。なお、上記水溶液には、合成したCuコアSnシェル構造の粉末前駆体の凝集を防止する目的で、上記水溶液の調製時にヒドロキシプロピルメチルセルロースやポリビニルピロリドンなどの分散剤を投入してもよい。また、合成したCuコアSnシェル構造の粉末前駆体を洗浄した後、回収し乾燥することで、CuコアSnシェル構造の第1コアシェル粉末が得られる。
上記接合用粉末と有機溶剤とを混合することにより、接合用ペーストが得られる。ここで、有機溶剤としては、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、α-テルピネオール等の沸点が180℃以上である有機溶剤が挙げられる。この中でα-テルピネオールが好ましい。
上記接合用ペーストを用いて被接合部材を接合するには、先ず、接合用ペーストを複数の被接合部材間に介在させる。被接合部材の枚数は、2枚又は3枚以上でもよい。また、被接合部材としては、銅板や、裏面にAuスパッタによるAu層が形成されたSi素子等が挙げられる。次に、窒素ガス雰囲気下又はギ酸ガス雰囲気下で、複数の被接合部材が互いに密着するように0.1MPa~50MPa、好ましくは1MPa~30MPaの圧力を加えて、250℃~350℃、好ましくは280℃~330℃の温度で、1分間~60分間、好ましくは5分間~30分間加熱することにより、複数の被接合部材を接合層で接合する。ここで、上記加熱時の圧力を0.1MPa~50MPaの範囲内に限定したのは、0.1MPa未満では、接合層と被接合部材との密着が不十分になり、接合層の接合強度が低くなってしまい、50MPaを超えると、Si素子等が破壊され易くなるからである。また、上記加熱時の温度を250℃~350℃の範囲内に限定したのは、250℃未満では、Snの融点に近い温度であるため、Snの溶融不十分により接合層の接合強度が低くなってしまい、350℃を超えると、Si素子等が熱によりダメージを受け易いからである。更に、上記加熱時の時間を1分間~60分間の範囲内に限定したのは、1分間未満では、SnとCuの反応が進まず、接合層の接合強度が低くなってしまい、60分間を超えると、接合層の接合強度は高くなるけれども、理由は不明であるが冷熱サイクル後の特性が低くなってしまうからである。
図1に示すように、先ず、接合用粉末として、平均粒径が1μmであって第1中心核11aのCuの割合が25質量%でありかつ第1被覆層11bのSnの割合が75質量%である第1コアシェル粉末11と、平均粒径が8μmであって第2中心核12aのCuの割合が25質量%でありかつ第2被覆層12bのSnの割合が75質量%である第2コアシェル粉末12とを用意した。ここで、第1コアシェル粉末11のCuとSnの組成割合と、第2コアシェル粉末12のCuとSnの組成割合は、ICP発光分光法(Thermo Fisher Scientific社製、iCAP-6500 Duo)によりそれぞれ測定した。次いで、第1コアシェル粉末11と第2コアシェル粉末12とを質量比で10:90になるように混合することにより、接合用粉末を調製した。次に、遊星撹拌混合装置(シンキー社製、あわとり練太郎R250)を用い、上記接合用粉末とα-テルピネオール(有機溶剤)を軟膏瓶で初期混合してペースト前駆体を調製した。更に、このペースト前駆体を、3本ロールミル(ノリタケ社製、NR-2A)により撹拌することにより、接合用ペーストを得た。この接合用ペーストを実施例1とした。
実施例2~13及び比較例1~8では、第1コアシェル粉末の第1中心核のCuの割合及び第1被覆層のSnの割合と、第2コアシェル粉末の第2中心核のCuの割合及び第2被覆層のSnの割合と、第1コアシェル粉末と第2コアシェル粉末の含有割合と、第1及び第2コアシェル粉末の平均粒径とをそれぞれ表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製した。
実施例1~13及び比較例1~8の接合用ペーストを用いて、銅板とSi素子とをそれぞれ接合した。具体的には、先ず、実施例1~13及び比較例1~8の接合用ペーストを、縦及び横が3.0mm□となり厚さが50μmとなるように、銅板上に印刷して塗布層を形成した。次に、この塗布層上に、縦及び横が2.5mm□でありかつ裏面にAuスパッタによるAu層が形成されたSi素子を載せた。更に、このSi層が塗布層を介して載せられた銅板を、接合炉(アユミ工業製:RB-50)に入れて、窒素雰囲気で10MPaの荷重を加えながら、300℃で10分間加熱処理して、銅板とSi素子とを接合層により接合することにより、接合体を得た。これらの接合体を実施例1~13及び比較例1~8の接合体とした。
実施例3の接合用ペーストを用いて、銅板とSi素子とをそれぞれ接合した。具体的には、先ず、実施例3の接合用ペーストを、縦及び横が3.0mm□となり厚さが50μmとなるように、銅板上に印刷して塗布層を形成した。次に、この塗布層上に、縦及び横が2.5mm□でありかつ裏面にAuスパッタによるAu層が形成されたSi素子を載せた。更に、このSi層が塗布層を介して載せられた銅板を、接合炉(アユミ工業製:RB-50)に入れて、窒素雰囲気で0.1MPaの荷重を加えながら、300℃で10分間加熱処理して、銅板とSi素子とを接合層により接合することにより、接合体を得た。この接合体を実施例14の接合体とした。
実施例15~27及び比較例9~14では、実施例3の接合用ペーストを用いて、銅板とSi素子とを接合するために加熱するときの圧力、温度及び時間をそれぞれ表2に示すように変更したこと以外は、実施例14と同様にして接合体を作製した。
実施例14~27及び比較例9~14の接合体について、比較試験1と同様に、初期の接合強度と冷熱サイクル後の接合信頼性とをそれぞれ測定した。その結果を表2に示す。
11 第1中心核(Cu)
12 第1被覆層(Sn)
20 第2コアシェル粉末
21 第2中心核(Cu)
22 第2被覆層(Sn)
Claims (1)
- 接合用粉末と有機溶剤とを含有する接合用ペーストを複数の被接合部材間に介在させる工程と、
窒素ガス雰囲気下又はギ酸ガス雰囲気下で、前記複数の被接合部材が互いに密着するように0.1MPa~50MPaの圧力を加えて250℃~350℃の温度で1分間~60分間加熱することにより、前記複数の被接合部材を接合層で接合する工程と
を含む接合用ペーストを用いて被接合部材を接合する方法であって、
前記接合用粉末が、Cuからなる第1中心核と前記第1中心核を被覆するSnからなる第1被覆層とにより構成されCuを25質量%~55質量%の割合でSnを75質量%~45質量%の割合でそれぞれ含有し平均粒径が0.5μm~2μmである第1コアシェル粉末と、Cuからなる第2中心核と前記第2中心核を被覆するSnからなる第2被覆層とにより構成されCuを25質量%~55質量%の割合でSnを75質量%~45質量%の割合でそれぞれ含有し平均粒径が5μm~10μmである第2コアシェル粉末とを含み、
前記第1コアシェル粉末と前記第2コアシェル粉末との含有割合が質量比で(5:95)~(25:75)の範囲内であることを特徴とする接合用ペーストを用いて被接合部材を接合する方法。
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