JP2004237297A - クリームはんだ材料、はんだ付け方法及び部品実装基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】はんだの粒子の表面がフラックスに覆われていない部分があり、この部分が酸化することにより、はんだの未溶融がおこり、接合不良となる。
【解決手段】クリームはんだ材料として、粒径が10μm以上50μm以下の分布である第1のはんだ粉末11と、この第1のはんだ粉末の隙間に入り込む粒径の分布である第2のはんだ粉末12とを有する構成とし、第2のはんだ粉末12のまわりにフラックスが回り込み、そのはんだの溶融が起点となって第1のはんだ粉末11まで溶かすことにより、微小部品におけるはんだ付け時のはんだ未溶融を防止し、接合品質を確保することが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】クリームはんだ材料として、粒径が10μm以上50μm以下の分布である第1のはんだ粉末11と、この第1のはんだ粉末の隙間に入り込む粒径の分布である第2のはんだ粉末12とを有する構成とし、第2のはんだ粉末12のまわりにフラックスが回り込み、そのはんだの溶融が起点となって第1のはんだ粉末11まで溶かすことにより、微小部品におけるはんだ付け時のはんだ未溶融を防止し、接合品質を確保することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路基板へ部品実装を行うためのクリームはんだ材料、はんだ付け方法及び回路基板と電子部品とをはんだ付けする部品実装基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品実装に関して、はんだ付け部の機械的強度向上や熱衝撃強度等の信頼性特性向上への要求が高まってきている。その一方、地球環境保護の関心が高まる中、電子回路基板などの産業廃棄物の処理についての法規制も進みつつある。
【0003】
また、携帯機器の小型、多機能化の急速な進展にともなって、それを構成する電子部品の小型化やデバイスの電極端子の微細化も急速に進んでいる。例えば、従来の縦×横の寸法が1.0mm×0.5mmの1005タイプ部品から、0.6mm×0.3mmの0603タイプ部品の超微少チップ部品へとさらに小型化が進み、最近では、0.4mm×0.2mmの0402タイプ部品が開発されてきている。したがって、これらを満足するはんだ付けに関する開発が必要となっている。
【0004】
ところで、従来のはんだ材料の主要構成成分はSnとPbであり、63Sn−37Pbの組成をもつものであった。
【0005】
以下、従来のはんだ材料を用いたはんだ付け方法における電子部品と電子回路基板の接合構造について、図面を参照しながら説明する。
【0006】
図2は、従来のはんだ材料を用いた接合構造を示す概要図である。図2において、1ははんだ材料で構成成分はSnとPbからなり、2は電子部品電極、3は電子回路基板のランドで構成成分はCu、4は接合界面に形成される化合物層のCuSnである。従来のはんだ材料では融点が比較的低く、また、高温高湿環境下での接合部の信頼性も実用上十分である。しかしながら、上述のように、Pbを使用するはんだ材料は、地球環境保護の観点から好ましくない。
【0007】
そこで、鉛を含まないはんだ材料である鉛フリーはんだを用いることが考えられる。図3は、鉛フリーはんだの一例である主要成分がSnとAgで構成されるはんだが、加熱されることによって、状態が変化していく様子を示す模式図である。図3において、5ははんだ粒子、6はフラックス、7は基板電極であり、その構成成分はCuである。図3は、基板ランドの寸法が300μm以下である例を示しており、図3(a)は加熱前の状態、図3(b)は加熱によって少し溶融した状態、図3(c)はさらに加熱したときの状態を示している。
【0008】
【特許文献1】
特開平09−295182号公報(第2−6頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
鉛フリーはんだの一例である主要成分がSnとAgで構成されるはんだは、Sn−Pbはんだより機械的強度は優れるが、融点が30〜40℃も高く、はんだ付け温度が鉛入りはんだより高くなる。そのため、はんだ付け温度が電子部品の耐熱温度以上になることがあり、電子部品を損傷させるという問題点を有していた。
【0010】
また、鉛フリーはんだのはんだ組成は、96.5Sn−3Ag−0.5Cuはんだに代表されるように、鉛含有はんだよりSnの含有量が圧倒的に多い。ところで、Snは酸化しやすいため、鉛フリーはんだを用いたはんだ付けは、その酸化の影響により、ぬれ性が従来のはんだに比べて劣るという課題も有していた。
【0011】
また、0603タイプ部品に代表される微小部品のはんだ付けにおいて、接合部に供給されるはんだ量も、従来よりも大幅に減少する。そのため、接合部に供給されるクリームはんだ中のフラックス量も減少し、はんだの量に比べてフラックス量が不足し、十分にはんだの酸化を抑制することができず、はんだが溶けないという現象が生じ、接合品質が確保できないということが問題となっている。それは図3からもわかるように、はんだの粒子の表面がフラックスに覆われていない部分があり、この部分が酸化することにより、はんだの未溶融がおこり、接合不良となる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、クリームはんだ材料として、粒径が10μm以上50μm以下の分布である第1のはんだ粉末と、この第1のはんだ粉末の隙間に入り込む粒径の分布である第2のはんだ粉末とを有する構成としたものである。
【0013】
これにより、粒径の大きい粒子の間に粒径の小さい粒子が入り込み、そして、粒径の小さい粒子のまわりにフラックスが回り込み、そのはんだの溶融が起点となって粒径の大きい粒子まで溶かすことにより、微小部品におけるはんだ付け時のはんだ未溶融を防止し、接合品質を確保することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明について説明をする。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態にかかるはんだが、加熱されることによって、状態が変化していく様子を示す模式図で、図1(a)は加熱前の状態、図1(b)は加熱によって少し溶融した状態、図1(c)はさらに加熱したときの状態を示している。図1において、11は第1のはんだ粉末である大粒径のはんだ粒子で、その組成がSn、Ag、Cuを含む合金、12は第2のはんだ粉末である小粒径のはんだ粒子で、その組成がSnとBiまたはInを含む合金、13はフラックス、14は基板電極で、その構成成分はCuである。
【0016】
図1(a)からわかるように、小粒径のはんだ粒子12は大粒径のはんだ粒子11の間に入り込み、粒子間に入り込んだフラックス13により覆われている。そのため、図1(b)のようにはんだの融点以上に昇温されると、小粒径のはんだ粒子12がまず溶け始め、それを起点として、大粒径のはんだ粒子11を溶けていく。そして、全体として溶融部の割合が高くなると、加速的にはんだは溶融し、接合部のはんだは全て溶け(図1(c))、良好なぬれ性を確保できるようになる。
【0017】
この時、大粒径のはんだ粒子11と小粒径のはんだ粒子12によって、できるだけ最密に充填した状態であると、最も効率的に溶融が行なわれる。また、大粒径のはんだ粒子11の粒径が50μmを越えると、スクリーン印刷工程により微小開口部へ供給されるはんだの転写特性が劣化するため、50μm以下であることが望ましい。逆に、粒径が小さくなると、粒子自体の酸化が激しくなり溶融が困難となってくるため、10μm以上であることが望ましい。
【0018】
さらに、小粒径のはんだ粒子12は、大粒径のはんだ粒子11の間に入り込む必要があるため、大粒径のはんだ粒子11より小の粒径の分布を含むことが必要となる。この時、粒径が小であっても大粒径のはんだ粒子11の間に入り込んだ状態となるので、フラックス13の量が十分となり、酸化の問題は発生しにくくなる。しかしながら、粒径が5μmを下回ると、はんだの体積に占める表面積が大きくなるため、フラックス13の量が足りていても、十分に酸化膜を取り除くことができなくなる。そのため、大粒径のはんだ粒子11の粒径が10μm以上50μm以下であり、小粒径のはんだ粒子12の粒径が5μm以上10μm以下であることが好適である。また、この時、大粒径のはんだ粒子11と、小粒径のはんだ粒子12との体積比が1.5〜2.5:1であると、ぬれ性が良くなり好適である。それは、大粒径のはんだ粒子11のみで、できるだけ最密に充填した状態に、大粒径のはんだ粒子11の間に入り込む小粒径のはんだ粒子を、できるだけ最密に充填した状態にすることによって、最初に溶融するはんだ量を最大限確保するという溶融性と、接合部のはんだ量を最大限確保するという接合強度が向上するためである。
【0019】
また、大粒径のはんだ粒子11の組成がSn、Ag、Cuを含む合金であり、小粒径のはんだ粒子12の組成がSnとBiまたはInを含む合金であると好適である。それは、大粒径のはんだ粒子11の融点が約220℃であるが、小粒径のはんだ粒子12には、その回りにフラックス13が十分存在し、BiまたはInを含有しているため、融点が110℃〜140℃あたりから溶融しはじめる。そのため、小粒径のはんだ粒子12が溶融の起点となり、次第にまわりの粉末を取り込み加速的に溶融させていく。そして、大粒径のはんだ粒子11も含めてすべて溶け、未溶融現象を防止し、はんだ付けの良い品質を確保することが可能となる。この時、大粒径のはんだ粒子11の組成がSn−3Ag−0.5Cu、小粒径のはんだ粒子12の組成がSn−58BiまたはSn−42Inであると好適である。但し、大粒径のはんだ粒子11と小粒径のはんだ粒子12の組成は、同一であってもはんだ付け性は確保できる。
【0020】
また、溶融後のはんだ組成がAgの含有量が0.1〜5.0重量%で、Biの含有量が0.1〜3.0重量%またはInの含有量が0.1〜10.0重量%となるクリームはんだ材料を用いると、融点と強度等の面から好適である。Agの含有量が0.1重量%より小であると強度向上の効果が薄く、5.0重量%より大であると融点が急激に上昇する。また、Biの含有量が0.1重量%より小であると添加の効果が薄く、3.0重量%より大であると融点は低下して良好であるが、強度が急激に低下する。さらに、Inの含有量が0.1重量%より小であると融点低下の効果が薄く、10.0重量%より大であると融点は低下して良好であるが、伸びが急激に低下する。
【0021】
なお、フラックス含有量が12重量%以上であれば、同様の効果が得られる。この場合のフラックスとして、RAフラックスまたは失活性フラックスを用いると活性力が強いため、未溶融現象を抑制することができ、好適である。これらのフラックスは、はんだを溶かす補助的役割をしている。
【0022】
さらに、これらのはんだ材料を用いて、回路基板と電子部品とをはんだ付けすることによって、未溶融現象を防止し、はんだ付けの良い品質の部品実装基板を得ることが可能となる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、クリームはんだ材料として、粒径が10μm以上50μm以下の分布である第1のはんだ粉末と、この第1のはんだ粉末の隙間に入り込む粒径の分布である第2のはんだ粉末とを有する構成とすることにより、粒径の大きい粒子の間に粒径の小さい粒子が入り込み、そして、粒径の小さい粒子のまわりにフラックスが回り込み、そのはんだの溶融が起点となって粒径の大きい粒子まで溶かすことにより、微小部品におけるはんだ付け時のはんだ未溶融を防止し、接合品質を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるはんだの加熱による状態変化の様子を示す模式図
【図2】従来のはんだ材料を用いた接合構造を示す概要図
【図3】従来のはんだの加熱による状態変化の様子を示す模式図
【符号の説明】
11 大粒径のはんだ粒子
12 小粒径のはんだ粒子
13 フラックス
14 基板電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路基板へ部品実装を行うためのクリームはんだ材料、はんだ付け方法及び回路基板と電子部品とをはんだ付けする部品実装基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品実装に関して、はんだ付け部の機械的強度向上や熱衝撃強度等の信頼性特性向上への要求が高まってきている。その一方、地球環境保護の関心が高まる中、電子回路基板などの産業廃棄物の処理についての法規制も進みつつある。
【0003】
また、携帯機器の小型、多機能化の急速な進展にともなって、それを構成する電子部品の小型化やデバイスの電極端子の微細化も急速に進んでいる。例えば、従来の縦×横の寸法が1.0mm×0.5mmの1005タイプ部品から、0.6mm×0.3mmの0603タイプ部品の超微少チップ部品へとさらに小型化が進み、最近では、0.4mm×0.2mmの0402タイプ部品が開発されてきている。したがって、これらを満足するはんだ付けに関する開発が必要となっている。
【0004】
ところで、従来のはんだ材料の主要構成成分はSnとPbであり、63Sn−37Pbの組成をもつものであった。
【0005】
以下、従来のはんだ材料を用いたはんだ付け方法における電子部品と電子回路基板の接合構造について、図面を参照しながら説明する。
【0006】
図2は、従来のはんだ材料を用いた接合構造を示す概要図である。図2において、1ははんだ材料で構成成分はSnとPbからなり、2は電子部品電極、3は電子回路基板のランドで構成成分はCu、4は接合界面に形成される化合物層のCuSnである。従来のはんだ材料では融点が比較的低く、また、高温高湿環境下での接合部の信頼性も実用上十分である。しかしながら、上述のように、Pbを使用するはんだ材料は、地球環境保護の観点から好ましくない。
【0007】
そこで、鉛を含まないはんだ材料である鉛フリーはんだを用いることが考えられる。図3は、鉛フリーはんだの一例である主要成分がSnとAgで構成されるはんだが、加熱されることによって、状態が変化していく様子を示す模式図である。図3において、5ははんだ粒子、6はフラックス、7は基板電極であり、その構成成分はCuである。図3は、基板ランドの寸法が300μm以下である例を示しており、図3(a)は加熱前の状態、図3(b)は加熱によって少し溶融した状態、図3(c)はさらに加熱したときの状態を示している。
【0008】
【特許文献1】
特開平09−295182号公報(第2−6頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
鉛フリーはんだの一例である主要成分がSnとAgで構成されるはんだは、Sn−Pbはんだより機械的強度は優れるが、融点が30〜40℃も高く、はんだ付け温度が鉛入りはんだより高くなる。そのため、はんだ付け温度が電子部品の耐熱温度以上になることがあり、電子部品を損傷させるという問題点を有していた。
【0010】
また、鉛フリーはんだのはんだ組成は、96.5Sn−3Ag−0.5Cuはんだに代表されるように、鉛含有はんだよりSnの含有量が圧倒的に多い。ところで、Snは酸化しやすいため、鉛フリーはんだを用いたはんだ付けは、その酸化の影響により、ぬれ性が従来のはんだに比べて劣るという課題も有していた。
【0011】
また、0603タイプ部品に代表される微小部品のはんだ付けにおいて、接合部に供給されるはんだ量も、従来よりも大幅に減少する。そのため、接合部に供給されるクリームはんだ中のフラックス量も減少し、はんだの量に比べてフラックス量が不足し、十分にはんだの酸化を抑制することができず、はんだが溶けないという現象が生じ、接合品質が確保できないということが問題となっている。それは図3からもわかるように、はんだの粒子の表面がフラックスに覆われていない部分があり、この部分が酸化することにより、はんだの未溶融がおこり、接合不良となる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、クリームはんだ材料として、粒径が10μm以上50μm以下の分布である第1のはんだ粉末と、この第1のはんだ粉末の隙間に入り込む粒径の分布である第2のはんだ粉末とを有する構成としたものである。
【0013】
これにより、粒径の大きい粒子の間に粒径の小さい粒子が入り込み、そして、粒径の小さい粒子のまわりにフラックスが回り込み、そのはんだの溶融が起点となって粒径の大きい粒子まで溶かすことにより、微小部品におけるはんだ付け時のはんだ未溶融を防止し、接合品質を確保することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明について説明をする。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態にかかるはんだが、加熱されることによって、状態が変化していく様子を示す模式図で、図1(a)は加熱前の状態、図1(b)は加熱によって少し溶融した状態、図1(c)はさらに加熱したときの状態を示している。図1において、11は第1のはんだ粉末である大粒径のはんだ粒子で、その組成がSn、Ag、Cuを含む合金、12は第2のはんだ粉末である小粒径のはんだ粒子で、その組成がSnとBiまたはInを含む合金、13はフラックス、14は基板電極で、その構成成分はCuである。
【0016】
図1(a)からわかるように、小粒径のはんだ粒子12は大粒径のはんだ粒子11の間に入り込み、粒子間に入り込んだフラックス13により覆われている。そのため、図1(b)のようにはんだの融点以上に昇温されると、小粒径のはんだ粒子12がまず溶け始め、それを起点として、大粒径のはんだ粒子11を溶けていく。そして、全体として溶融部の割合が高くなると、加速的にはんだは溶融し、接合部のはんだは全て溶け(図1(c))、良好なぬれ性を確保できるようになる。
【0017】
この時、大粒径のはんだ粒子11と小粒径のはんだ粒子12によって、できるだけ最密に充填した状態であると、最も効率的に溶融が行なわれる。また、大粒径のはんだ粒子11の粒径が50μmを越えると、スクリーン印刷工程により微小開口部へ供給されるはんだの転写特性が劣化するため、50μm以下であることが望ましい。逆に、粒径が小さくなると、粒子自体の酸化が激しくなり溶融が困難となってくるため、10μm以上であることが望ましい。
【0018】
さらに、小粒径のはんだ粒子12は、大粒径のはんだ粒子11の間に入り込む必要があるため、大粒径のはんだ粒子11より小の粒径の分布を含むことが必要となる。この時、粒径が小であっても大粒径のはんだ粒子11の間に入り込んだ状態となるので、フラックス13の量が十分となり、酸化の問題は発生しにくくなる。しかしながら、粒径が5μmを下回ると、はんだの体積に占める表面積が大きくなるため、フラックス13の量が足りていても、十分に酸化膜を取り除くことができなくなる。そのため、大粒径のはんだ粒子11の粒径が10μm以上50μm以下であり、小粒径のはんだ粒子12の粒径が5μm以上10μm以下であることが好適である。また、この時、大粒径のはんだ粒子11と、小粒径のはんだ粒子12との体積比が1.5〜2.5:1であると、ぬれ性が良くなり好適である。それは、大粒径のはんだ粒子11のみで、できるだけ最密に充填した状態に、大粒径のはんだ粒子11の間に入り込む小粒径のはんだ粒子を、できるだけ最密に充填した状態にすることによって、最初に溶融するはんだ量を最大限確保するという溶融性と、接合部のはんだ量を最大限確保するという接合強度が向上するためである。
【0019】
また、大粒径のはんだ粒子11の組成がSn、Ag、Cuを含む合金であり、小粒径のはんだ粒子12の組成がSnとBiまたはInを含む合金であると好適である。それは、大粒径のはんだ粒子11の融点が約220℃であるが、小粒径のはんだ粒子12には、その回りにフラックス13が十分存在し、BiまたはInを含有しているため、融点が110℃〜140℃あたりから溶融しはじめる。そのため、小粒径のはんだ粒子12が溶融の起点となり、次第にまわりの粉末を取り込み加速的に溶融させていく。そして、大粒径のはんだ粒子11も含めてすべて溶け、未溶融現象を防止し、はんだ付けの良い品質を確保することが可能となる。この時、大粒径のはんだ粒子11の組成がSn−3Ag−0.5Cu、小粒径のはんだ粒子12の組成がSn−58BiまたはSn−42Inであると好適である。但し、大粒径のはんだ粒子11と小粒径のはんだ粒子12の組成は、同一であってもはんだ付け性は確保できる。
【0020】
また、溶融後のはんだ組成がAgの含有量が0.1〜5.0重量%で、Biの含有量が0.1〜3.0重量%またはInの含有量が0.1〜10.0重量%となるクリームはんだ材料を用いると、融点と強度等の面から好適である。Agの含有量が0.1重量%より小であると強度向上の効果が薄く、5.0重量%より大であると融点が急激に上昇する。また、Biの含有量が0.1重量%より小であると添加の効果が薄く、3.0重量%より大であると融点は低下して良好であるが、強度が急激に低下する。さらに、Inの含有量が0.1重量%より小であると融点低下の効果が薄く、10.0重量%より大であると融点は低下して良好であるが、伸びが急激に低下する。
【0021】
なお、フラックス含有量が12重量%以上であれば、同様の効果が得られる。この場合のフラックスとして、RAフラックスまたは失活性フラックスを用いると活性力が強いため、未溶融現象を抑制することができ、好適である。これらのフラックスは、はんだを溶かす補助的役割をしている。
【0022】
さらに、これらのはんだ材料を用いて、回路基板と電子部品とをはんだ付けすることによって、未溶融現象を防止し、はんだ付けの良い品質の部品実装基板を得ることが可能となる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、クリームはんだ材料として、粒径が10μm以上50μm以下の分布である第1のはんだ粉末と、この第1のはんだ粉末の隙間に入り込む粒径の分布である第2のはんだ粉末とを有する構成とすることにより、粒径の大きい粒子の間に粒径の小さい粒子が入り込み、そして、粒径の小さい粒子のまわりにフラックスが回り込み、そのはんだの溶融が起点となって粒径の大きい粒子まで溶かすことにより、微小部品におけるはんだ付け時のはんだ未溶融を防止し、接合品質を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるはんだの加熱による状態変化の様子を示す模式図
【図2】従来のはんだ材料を用いた接合構造を示す概要図
【図3】従来のはんだの加熱による状態変化の様子を示す模式図
【符号の説明】
11 大粒径のはんだ粒子
12 小粒径のはんだ粒子
13 フラックス
14 基板電極
Claims (10)
- 粒径が10μm以上50μm以下の分布である第1のはんだ粉末と、この第1のはんだ粉末の隙間に入り込む粒径の分布である第2のはんだ粉末とを有することを特徴とするクリームはんだ材料。
- 第2のはんだ粉末の粒径が5μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のクリームはんだ材料。
- 第1のはんだ粉末と第2のはんだ粉末の体積比が1.5〜2.5:1であることを特徴とする請求項2に記載のクリームはんだ材料。
- 第1のはんだ粉末の組成がSn、Ag、Cuを含む合金であり、第2のはんだ粉末の組成がSnとBiまたはInを含む合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクリームはんだ材料。
- 溶融後のはんだ組成がAgの含有量が0.1〜5.0重量%で、Biの含有量が0.1〜3.0重量%またはInの含有量が0.1〜10.0重量%であることを特徴とする請求項4に記載のクリームはんだ材料。
- フラックス含有量が12重量%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクリームはんだ材料。
- フラックスがRAフラックスまたは失活性フラックスであることを特徴とする請求項6に記載のクリームはんだ材料。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のクリームはんだ材料を溶融してはんだ付けを行なうことを特徴とするはんだ付け方法。
- 請求項8に記載の方法により回路基板と電子部品とをはんだ付けしたことを特徴とする部品実装基板の製造方法。
- 溶融後のはんだ組成がAgの含有量が0.1〜5.0重量%で、Biの含有量が0.1〜3.0重量%またはInの含有量が0.1〜10.0重量%であることを特徴とする請求項9に記載の部品実装基板の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003026744A JP2004237297A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | クリームはんだ材料、はんだ付け方法及び部品実装基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003026744A JP2004237297A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | クリームはんだ材料、はんだ付け方法及び部品実装基板の製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100818095B1 (ko) * | 2006-09-28 | 2008-03-31 | 주식회사 하이닉스반도체 | 플립 칩 패키지 및 그의 형성방법 |
JP2009190072A (ja) * | 2008-02-15 | 2009-08-27 | Mitsubishi Materials Corp | ハンダ粉末及び該粉末を用いたハンダ用ペースト |
JP2009241126A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Mitsubishi Materials Corp | ディスペンス塗布用Au−Sn合金はんだペースト |
JP2020040074A (ja) * | 2018-09-06 | 2020-03-19 | 三菱マテリアル株式会社 | 接合用粉末及び接合用ペースト並びにこのペーストを用いて被接合部材を接合する方法 |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003026744A patent/JP2004237297A/ja active Pending
Cited By (5)
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