JP2005297011A - ソルダーペーストおよび半田付け物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 鉛フリーのソルダーペーストであって、機械的強度および耐熱性に優れた半田付け部分を得ることができ、かつリペア性に優れたものを提供する。
【解決手段】 ソルダーペースト4は、ビスマスまたはビスマスを主成分とする合金からなる半田で構成され、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下である、半田粉末5と、半田粉末5の固相線温度以上の温度において溶融するものであって、半田付け後に残留して、半田8の強度を補うように作用する、熱可塑性樹脂と、熱可塑性樹脂を溶解している溶剤を含むフラックス6とを含有する。半田付け後において、半田付け物品1の構成部品2および3は、半田8によって半田付けされながら、半田8は、ソルダーペースト4の残渣としての熱可塑性樹脂9によって覆われることによって、その強度が補われている。
【選択図】 図1
【解決手段】 ソルダーペースト4は、ビスマスまたはビスマスを主成分とする合金からなる半田で構成され、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下である、半田粉末5と、半田粉末5の固相線温度以上の温度において溶融するものであって、半田付け後に残留して、半田8の強度を補うように作用する、熱可塑性樹脂と、熱可塑性樹脂を溶解している溶剤を含むフラックス6とを含有する。半田付け後において、半田付け物品1の構成部品2および3は、半田8によって半田付けされながら、半田8は、ソルダーペースト4の残渣としての熱可塑性樹脂9によって覆われることによって、その強度が補われている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、鉛を実質的に含有しないソルダーペーストおよびそれを用いて半田付けされた部分を有する半田付け物品に関するもので、特に、ソルダーペーストの組成についての改良に関するものである。
半田付けをすべき部分に予め半田を付与しておき、この半田を加熱することによって溶融させて半田付けを行なう方法として、リフローソルダリングが知られている。このリフローソルダリングにおいて、半田は、ソルダー(半田)ペーストの状態で用いられる。
ソルダーペーストは、通常、半田(ソルダー)粉末をフラックスに懸濁させたものであり、必要に応じて、これら両者の分離を防ぎ、また、ペーストに粘性、チクソトロピー性、印刷性などを付与するため種々の成分が添加されている。
他方、半田粉末を構成する半田としては、古くから錫−鉛系合金からなるものが用いられてきたが、近年、環境問題等を配慮して、鉛を含まない半田すなわち鉛フリー半田の開発および使用が進みつつある。
従来、鉛フリー半田としては、たとえば、Sn−3Ag−0.5Cu、Sn−3.5Ag、Sn−0.75Cu等の半田が用いられている。これらの鉛フリー半田は、その液相線温度が220℃程度である。そして、半田付け温度は、この液相線温度より30℃程度高い温度、すなわち250℃程度の温度が適当とされている。
したがって、上述のような半田と併用する半田、たとえば、上述のような半田がプリント基板やセラミック基板などの配線基板上に搭載される電子部品の実装のための半田付けにおいて用いられるとき、上記電子部品を構成するために施される半田付けのための半田は、250℃程度の温度以上の固相線温度を有していることが必要である。すなわち、電子部品を配線基板上に実装するための半田付け時の温度である250℃程度の温度において、電子部品を構成するために施された半田付けのための半田が溶融しないようにするため、この後者の半田の固相線温度は、250℃程度の温度以上であることが要求される。
上述のような250℃程度の温度以上の固相線温度を有する鉛フリー半田として、たとえば特開2001−353590号公報(特許文献1)では、ビスマスを主成分とし、固相線温度が250℃程度以上であって液相線温度が320℃程度以下の、耐熱性に優れた鉛フリーのビスマス系半田が開示されている。
また、固相線温度が250℃を超える可能性のある鉛フリー半田が、特開2003−211289号公報(特許文献2)にも記載されている。この特許文献2では、より具体的には、芯材としての銅またはニッケルの粉末と、これら銅またはニッケルと金属間化合物を作る錫または錫−ビスマス合金の粉末と、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂とを含有し、比較的低温で半田付けを実施でき、信頼性の高い電気的な接続および機械的強度の高い接合を可能にする、導電性接合材料(ソルダーペースト)が開示されている。
この特許文献2では、芯材としての銅粉末と錫−ビスマス合金粉末との組み合わせの場合、半田付け時の加熱により、錫−ビスマス合金中の錫成分が芯材としての銅に拡散して銅−錫金属間化合物を作り、錫−ビスマスがビスマス単相に近い組成になり、半田付け部分の溶融温度がビスマスの融点に近づき、250℃を超えるとされている。
特開2001−353590号公報
特開2003−211289号公報
しかしながら、上述した特許文献1および2の各々に記載の半田またはソルダーペーストには、次のような問題がある。
まず、特許文献1に記載されたビスマス系半田は、機械的に脆いという欠点を有している。
他方、特許文献2に記載の半田については、前述した銅−錫金属間化合物の生成度合いは、半田付け時の加熱条件に大きく依存し、半田付け後に未拡散・未反応の錫成分が残留し、結果として、この残留錫−ビスマス合金のため、半田付け部分の溶融温度が250℃未満に留まる場合があるという問題を有している。すなわち、ビスマス単体では270℃の融点を示すが、これに錫がたとえば0.1重量%混入するだけで、139℃の低融点共晶が生じることが知られていて、耐熱性を必要とする場面での使用には問題がある。
また、特許文献2に記載のソルダーペーストによって半田付けを一旦施した後、半田を溶融させて半田付け部分を分離し、再び半田付けを行なうといったリペア(修復)処理は、まず、ソルダーペーストが熱硬化性樹脂を含有している場合には不可能である。他方、ソルダーペーストが熱可塑性樹脂を含有する場合においても、半田付け時に生成される銅−錫金属間化合物(Cu6 Sn5 、Cu3 Snなど)の溶融温度が400〜600℃と高いため、電子部品またはこれを構成する細部品を損傷または劣化させずに、リペア処理を行なうことは実質上不可能である。
そこで、この発明の目的は、機械的強度および耐熱性に優れた半田付け部分が安定して得られ、また、リペア性に優れた、鉛フリーのソルダーペーストを提供しようとすることである。
この発明の他の目的は、上述のソルダーペーストを用いて半田付けされた、半田付け物品を提供しようとすることである。
この発明に係るソルダーペーストは、半田粉末とフラックスとを含有するものであるが、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
すなわち、半田粉末は、ビスマスまたはビスマスを主成分とする合金からなる半田で構成され、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下であることを特徴としている。さらに、この発明に係るソルダーペーストは、半田粉末の固相線温度以上の温度において溶融するものであって、半田付け後に残留して、上記半田の強度を補うように作用する、熱可塑性樹脂を含有することを特徴としている。
この発明に係るソルダーペーストにおいて、上述のビスマスを主成分とする合金としては、好ましくは、ビスマス−銅系合金、ビスマス−銀系合金、ビスマス−アンチモン系合金またはビスマス−亜鉛系合金が用いられる。
また、熱可塑性樹脂としては、好ましくは、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメタクリル、ポリカーボネートまたはセルロース系樹脂が用いられる。
また、ソルダーペースト中において、熱可塑性樹脂は、10〜50重量%含有することが好ましい。
この発明は、また、上述のこの発明に係るソルダーペーストを用いて半田付けされた、半田付け物品にも向けられる。この発明に係る半田付け物品は、少なくとも2個の構成部品を備え、2個の構成部品の各々の金属部分が、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下のビスマスまたはビスマスを主成分とする合金からなる半田によって半田付けされていて、当該半田付け部分における半田は、ソルダーペーストの残渣としての熱可塑性樹脂によって覆われることによって、その強度が補われていることを特徴としている。
この発明によれば、まず、固相線温度が250℃以上の半田粉末を含有し、また、この半田粉末の固相線温度以上の温度において溶融する熱可塑性樹脂を含有しているので、耐熱性に優れた半田付け部分を得ることができ、前述した液相線温度が220℃程度のSn−3Ag−0.5Cu等の鉛フリー半田と問題なく併用することができる。
また、半田粉末の液相線温度が370℃以下でありかつ熱可塑性樹脂を含有しているので、優れたリペア性を与えることができる。なお、半田粉末の液相線温度が370℃を超える場合、半田付け温度を液相線温度より30℃程度高い温度としたとき、半田付け温度が400℃を超えることになる。このように、半田付け温度が400℃を超えると、いかに耐熱性のある電子部品であっても、熱によって、損傷あるいは劣化してしまう。そのため、半田付け温度、さらにはリペア処理での再半田付け温度を400℃までの温度に抑える必要があり、したがって、半田粉末の液相線温度は、上述したように、370℃以下に限定される。
また、半田付け後において、熱可塑性樹脂は、半田を覆い、半田の強度を補うように作用するので、機械的強度に優れた半田付け部分を得ることができる。
また、この発明に係るソルダーペーストは、熱可塑性樹脂を含有している。この熱可塑性樹脂は、半田付け時において流動性を有しているため、半田粉末の凝集、すなわち、加熱によって半田粉末が溶融し、これらが集合して一体化することが阻害されることはない。なお、上述したような半田粉末の凝集を阻害せず、かつ前述したようなリペア性を阻害しない程度の量であれば、ソルダーペーストに熱硬化性樹脂が含有されることを妨げるものではない。
また、ビスマスまたはビスマスを主成分とする合金の線膨張率は比較的低く、セラミックの線膨張率により近づけることができるため、この発明に係るソルダーペーストを、アルミナ等からなるセラミック基板上に搭載される電子部品の実装のための半田付けにおいて用いると、線膨張率の差によって半田付け時に生じる応力が原因となるセラミック基板のクラックを生じさせにくくすることができる。
この発明に係るソルダーペーストにおいて、半田粉末を構成する半田は、ビスマスまたはビスマスを主成分とする合金からなるものであるが、ビスマスを主成分とする合金が、ビスマス−銅系合金、ビスマス−銀系合金、ビスマス−アンチモン系合金またはビスマス−亜鉛系合金であるとき、鉛フリーのソルダーペーストを実現することができる。また、錫などの低融点共晶を形成する金属が存在しないようにすることができるので、半田付け部分において250℃以上の耐熱性を確保することができる。
また、この発明に係るソルダーペーストにおいて、熱可塑性樹脂の含有率が10〜50重量%に選ばれると、半田付け部分において、十分な電気的導通を確保しながら、熱可塑性樹脂による補強作用を十分に働かせることができる。なお、熱可塑性樹脂の含有率が10重量%未満の場合には、補強作用が十分でなく、他方、50重量%を超えると、半田付け部分において、半田粉末が十分に凝集せず、十分な電気的導通を確保できない可能性がある。
図1は、この発明の一実施形態によるソルダーペーストを用いて半田付けされる半田付け物品を一般化して図示した断面図であり、(a)は、ソルダーペースト付与後かつ半田付け前の状態を示し、(b)は、半田付け後の状態を示している。
図1に示すように、半田付け物品1 は、2 個の構成部品2および3を備えている。これら構成部品2および3は金属から構成される。半田付け物品1は、図1(a)に示すように、2個の構成部品2および3間にソルダーペースト4を付与し、リフローソルダリングを適用することによって、図1(b)に示すように、構成部品2および3を互いに半田付けした構造を有している。
ソルダーペースト4は、図1(a)に図解的に示すように、半田粉末5とフラックス6とを含有している。フラックス6には、熱可塑性樹脂が含有される。
より詳細には、上述の半田粉末は、ビスマスまたはビスマスを主成分とする合金からなる半田で構成される。半田粉末5は、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下である。上述したビスマスを主成分とする合金としては、たとえば、ビスマス−銅系合金、ビスマス−銀系合金、ビスマス−アンチモン系合金またはビスマス−亜鉛系合金が用いられる。
なお、上述のようなビスマスを主成分とする合金において、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下となる組成は、ビスマス−銅系合金では銅が0.01〜0.8重量%程度、ビスマス−銀系合金では銀が0.01〜12重量%程度、ビスマス−アンチモン系合金ではアンチモンが0.01〜13重量%程度、ビスマス−亜鉛系合金では亜鉛が0.01〜0.1重量%程度である。また、ビスマスの融点は271℃であるため、ビスマス単相の場合にも、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下という条件を満足する。
フラックス6は、通常のとおり、ロジン系成分とチクソトロピー性付与剤と活性剤(有機酸)と溶剤とを含有している。熱可塑性樹脂は、フラックス6に含有される上述の溶剤によって溶解された状態でフラックス6中に存在している。
フラックス6中に存在している熱可塑性樹脂は、上述した半田粉末の固相線温度以上の温度において溶融するものである。このような熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメタクリル、ポリカーボネートまたはセルロース系樹脂が有利に用いられる。また、熱可塑性樹脂は、ソルダーペースト4中において、10〜50重量%含有することが好ましい。
図1(a)に示すように、構成部品2および3間にソルダーペースト4を配置した状態でリフローソルダリングが実施され、その結果、図1(b)に示すような半田付け後の状態が得られる。リフローソルダリングでは、半田粉末5の液相線温度より30℃程度高い温度が付与される。半田付け後には、図1(b)に示すように、半田付け部分7において、半田8が構成部品2および3を互いに接合する状態で存在するとともに、半田8を覆うように熱可塑性樹脂9が存在している。
ここで、半田8は、半田粉末5から得られたもので、半田粉末5と同様、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下のビスマスまたはビスマスを主成分とする合金からなるものである。また、熱可塑性樹脂9は、ソルダーペースト4に含有されていた熱可塑性樹脂が半田付け後に残留したもので、このソルダーペースト4の残渣としての熱可塑性樹脂9は、半田8の強度を補うように作用する。
ソルダーペースト4中において、前述したように、熱可塑性樹脂は10〜50重量%含有することが好ましい。熱可塑性樹脂の含有率が10重量%未満の場合には、上述した補強作用が十分でなく、他方、50重量%を超えると、半田付け部分7において半田粉末5が凝集せず、半田5による電気的導通を十分に確保できないことがあるためである。
このようにして、半田付け部分7において、優れた機械的強度および耐熱性を与えることができる。また、半田付け物品1をリペア処理する場合には、たとえば、半田8の液相線温度より30℃程度高い温度を加えればよい。これによって、半田8が溶融しかつ熱可塑性樹脂9が軟化するので、構成部品2および3を容易に分離することができる。
図2は、この発明によるソルダーペーストを用いて半田付けされる半田付け物品の一具体例としての貫通コンデンサ11を示す断面図である。
貫通コンデンサ11は、金属からなる貫通端子12を備え、貫通端子12のまわりには、円筒状のセラミック誘電体13が配置される。セラミック誘電体13の内周面上には、内面電極14が形成され、同じく外周面上には、外面電極15が形成される。そして、貫通端子12と内面電極14とが、この発明に係るソルダーペーストを用いて、リフローソルダリングによって半田付けされる。この半田付けの結果、貫通端子12と内面電極14とが半田16によって互いに接合された状態となるとともに、ソルダーペーストの残渣としての熱可塑性樹脂17は、半田16を覆う状態となって、半田16の強度を補うように作用する。
上述のような貫通コンデンサ11において構成される半田付け部分での半田16は、250℃以上の固相線温度を有しているので、液相線温度が220℃程度の半田と併用することができる。たとえば、貫通コンデンサ11を、プリント基板、セラミック基板等の配線基板に実装する際、外面電極15または貫通端子12に対して実施される半田付けにおいて、前述したような液相線温度が220℃程度のSn−3Ag−0.5Cu、Sn−3.5Ag、Sn−0.75Cu等の鉛フリー半田を用い、これらの半田付け時において250℃程度の温度を適用することができる。
なお、この発明に係るソルダーペーストは、貫通コンデンサ11以外の用途にも適用することができる。たとえば、多層セラミック基板およびその上に搭載されるチップ部品のような搭載部品を備えるモジュール部品において、多層セラミック基板と搭載部品との半田付けにおいても、この発明に係るソルダーペーストを用いれば、このモジュール部品をマザーボード上に実装するとき、液相線温度が220℃程度の鉛フリー半田を用いることができる。
また、この発明に係るソルダーペーストは、上述のような2度の半田付けを行なう場合における1度目の半田付けにおいて有利に適用されることができるが、これに限らず、たとえば、電子機器の使用時に発熱により高温となる電子部品の配線基板等への半田付け、あるいは高温となる電子部品を構成するために施される半田付けにおいても有利に適用されることができる。
次に、この発明に係るソルダーペーストの特定の実施例について、その特性を評価するために実施した実験例について説明する。
この発明の範囲内の実施例としてのソルダーペーストとして、Bi−0.5Cu[重量%]からなる半田粉末と熱可塑性樹脂を含有するフラックスとを重量比で80:20の割合で混合したものを用意した。ここで、Bi−0.5Cuからなる半田粉末としては、粒径が20〜40μmの球形粉末を用いた。また、熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリアミドを用い、フラックスとしては、ロジン系成分とチクソトロピー性付与剤と活性剤とを含有する従来のものを用い、溶剤として、ポリアミドを溶解させ得るN−メチル−2−ピロリドンを用いた。
また、上記実施例に係るソルダーペースト中に含有されるBi−0.5Cuからなる半田粉末について、DSC(Differential Scanning Calorimetry ;示差走査熱量測定法)による測定を行ない、DSC曲線を求めた。その結果が図3に示されている。図3に示すように、Bi−0.5Cuからなる半田の固相線温度は270℃であり、液相線温度は273℃であった。
また、上記実施例に係るソルダーペースト中に用いたBi−0.5Cuからなる半田の機械的特性を調べるため、固相状態での線膨張率および凝固時の体積変化率をそれぞれ測定した。線膨張率については、TMA(Thermomechanical Analysis ;熱機械分析法)によって求めた。また、体積変化率については、V=(X−Y)/Xの式から算出した。なお、Xは固相線温度における体積であり、Yは液相線温度における体積である。
他方、比較例1および2として、それぞれ、Sn−3.5AgおよびSn−50Pbからなる半田についても、実施例の場合と同様の方法によって、線膨張率および体積変化率を求めた。
これらの結果が表1に示されている。
表1に示すように、実施例は、線膨張率および体積変化率の絶対値のいずれに関しても、比較例1および2のいずれよりも低い値を示している。特に、線膨張係数について見たとき、実施例は、比較例1および2の各々と比較して、より小さく、セラミック基板の線膨張率(たとえば、BaTiO3 からなるセラミック基板の場合には0.4×10-5K-1)により近くなる。したがって、実施例に係るソルダーペーストを用いることにより、半田付け時のセラミック基板あるいは半田付け部分のクラック発生を抑えることができる。
次に、純度99.9%以上であって、平面寸法が15mm×15mmでありかつ厚さが0.2mmの無酸素銅板を用意し、その上に、口径2mm×2mmであって厚さ0.2mmのメタルマスクを介して、前述のように用意された実施例に係るソルダーペーストを付与した。そして、ソルダーペースト上に、Ni/Auめっきを施した黄銅からなるもので、12mm×12mm×1mmの寸法を有する金属端子を配置し、これに対して、リフロー炉を想定したホットプレートによる加熱を行ない、無酸素銅板に金属端子が半田付けされた試料を得た。なお、ホットプレートによる加熱は、固相線温度より30℃高い温度すなわち300℃の温度で30秒間行なった。
次に、上述のようにして得られた試料について、無酸素銅板を固定しながら、金属端子を20mm/分の速度で上方に引っ張り、金属端子が無酸素銅板から離れた時点で付与されていた引っ張り力を引っ張り強度として求めた。
他方、比較例3として、用いたソルダーペースト中に熱可塑性樹脂を含有させないことを除いて、実施例に係るソルダーペースト同様の組成を有するソルダーペーストを用意した。そして、この比較例3に係るソルダーペーストについても、実施例の場合と同様の方法によって、引っ張り強度を評価した。
これらの結果が表2に示されている。
表2に示すように、実施例によれば、比較例3と比較して、3〜4倍の引っ張り強度を有している。このことから、ビスマス系合金からなる半田の欠点である低強度は、熱可塑性樹脂によって克服されていることがわかる。
1 半田付け物品
2,3 構成部品
4 ソルダーペースト
5 半田粉末
6 フラックス
7 半田付け部分
8,16 半田
9,17 熱可塑性樹脂
12 貫通端子
14 内面電極
2,3 構成部品
4 ソルダーペースト
5 半田粉末
6 フラックス
7 半田付け部分
8,16 半田
9,17 熱可塑性樹脂
12 貫通端子
14 内面電極
Claims (5)
- ビスマスまたはビスマスを主成分とする合金からなる半田で構成され、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下である、半田粉末と、
前記半田粉末の固相線温度以上の温度において溶融するものであって、半田付け後に残留して、前記半田の強度を補うように作用する、熱可塑性樹脂と、
フラックスと
を含有する、ソルダーペースト。 - 前記ビスマスを主成分とする合金は、ビスマス−銅系合金、ビスマス−銀系合金、ビスマス−アンチモン系合金またはビスマス−亜鉛系合金である、請求項1に記載のソルダーペースト。
- 前記熱可塑性樹脂は、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメタクリル、ポリカーボネートまたはセルロース系樹脂である、請求項1に記載のソルダーペースト。
- 前記熱可塑性樹脂は、当該ソルダーペースト中において、10〜50重量%含有する、請求項1ないし3のいずれかに記載のソルダーペースト。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載のソルダーペーストを用いて半田付けされた、半田付け物品であって、少なくとも2個の構成部品を備え、2個の前記構成部品の各々の金属部分が、固相線温度が250℃以上かつ液相線温度が370℃以下のビスマスまたはビスマスを主成分とする合金からなる半田によって半田付けされていて、当該半田付け部分における半田は、前記ソルダーペーストの残渣としての熱可塑性樹脂によって覆われることによって、その強度が補われている、半田付け物品。
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