JP4677968B2 - はんだペーストおよび接合部品 - Google Patents

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Description

本願発明は、はんだペーストおよびそれを用いて構成部材を接合した接合部品に関する。
例えば積層セラミックコンデンサなどの表面実装型電子部品が実装されるべき部品搭載基板上に、表面実装型電子部品を実装するために用いられるはんだペーストの1つに、接着性樹脂と硬化剤とを含有するはんだ付け用フラックスと、はんだ粉末とを配合し、混練することにより得られるはんだペーストが知られている(特許文献1参照)。
このはんだペーストは、部品搭載基板の実装用の部品接続用導体(ランド)に、表面実装型電子部品をはんだ付けして実装する際などに用いられるものであり、表面実装型電子部品が実装された製品の小型化、および表面実装型電子部品の配置間隔の狭ピッチ化(高密度化)に、十分な接合強度を持って対応することができるとされている。
例えば、図3(a)〜(c)は、このはんだペーストを用いて、表面実装型電子部品を部品搭載基板上に実装する工程を示す図である。
図3(a)〜(c)において、部品搭載基板31は、Cu膜51、Ni膜61およびAu膜71を順次に積層して形成した2つの部品接続用導体(ランド)80を有している。
そして、表面実装型電子部品40を部品搭載基板31のランド80の上に実装するにあたっては、まず、ランド80上に、はんだペースト81を塗布する(図3(a)参照)。
それから、はんだペースト81上に、一対の外部電極41を備えた表面実装型電子部品40を搭載し(図3(b)参照)、リフロー炉を通過させることにより、表面実装型電子部品40を部品搭載基板31上にはんだ付けする(図3(c)参照)。なお、はんだ付けが行われた状態では、フラックスに含まれる接着性樹脂がはんだ82の表面に浮き出して樹脂層83が形成された状態となる。
このようにして、特許文献1のはんだペーストを用いて表面実装型電子部品を実装した場合、はんだペーストに配合されているフラックスが、接着性樹脂と、硬化剤とを含有していることから、はんだ付け後に、はんだの表面に浮き出した樹脂層(接着性樹脂)を、部品搭載基板と表面実装型電子部品を固定する接着剤として機能させることが可能で、衝撃や熱ストレスに対し、表面実装型電子部品の剥離、脱落を防ぎ、はんだ接合の信頼性を向上させることができるとされている。
また、上述のようなフラックスを使用することにより、フィレット部がなくても、十分な固着強度を確保することが可能で、部品搭載基板上に形成される部品接続用導体(ランド)に、フィレット部を生じさせるための領域を設ける必要がなくなり、実装密度を向上させることが可能になるとされている。
しかしながら、上記のはんだペーストにおいて、はんだとして融点の低い低温はんだが用いられている場合、例えば、このはんだペーストを用いて接合した部品搭載基板を、マザー回路基板に、融点の高いはんだ(高温はんだ)を用いて実装しようとした場合、高温はんだ用のリフロー加熱工程で、上記はんだ82(図3(c)参照)が溶融し、体積が膨張することにより、フラックスに含まれる接着性樹脂に由来する樹脂層83が割れて、溶融したはんだ82が流れ出し、ショート不良を引き起こすという問題点がある。例えば、Sn系はんだの溶融時の体積膨張率は約5%であり、部品搭載基板などの実装体が上述のようなフラックスに由来する樹脂層やさらにその他の熱硬化性樹脂などで覆われている場合にも、はんだの膨脹による応力を緩和することができないため、溶融したはんだが樹脂を割って流れ出すことになる。
また、リフロー加熱工程以外にも、熱的ストレスが負荷された場合には、線膨張係数差により樹脂層やはんだにクラックが生じ、接合強度の低下を引き起こすという問題点がある。
特開2001−170797号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、例えば、はんだ付け後に、再リフロー加熱工程などで熱衝撃が加わり、はんだが再溶融して体積膨張した場合にも、はんだを覆うように形成される樹脂層にクラックが発生せず、溶融したはんだが流れ出してショート不良を発生したりすることのない、信頼性の高い接合部品を効率よく作製することが可能なはんだペースト、および、それを用いて構成部材を接合することにより形成された、はんだ付け信頼性の高い接合部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)のはんだペーストは、熱硬化後における曲げ弾性率が5GPa以下である熱硬化性樹脂組成物と、フラックスと、はんだ粉末とを含有することを特徴としている。
また、請求項2のはんだペーストは、請求項1の発明の構成において、前記熱硬化性樹脂組成物が、ゴム成分を含有するものであることを特徴としている。
また、請求項3のはんだペーストは、請求項2の発明の構成において、前記ゴム成分が、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴムであることを特徴としている。
また、請求項4のはんだペーストは、請求項1の発明の構成において、前記熱硬化性樹脂組成物が、ゴム変性した熱硬化性樹脂組成物であることを特徴としている。
また、請求項5の接合部品は、少なくとも一部の構成部材どうしが、請求項1〜4のいずれかに記載のはんだペーストを用いてはんだ付けされていることを特徴としている。
本願発明(請求項1)のはんだペーストには、はんだ粉末とフラックスとを含み、さらに熱硬化後における曲げ弾性率が5GPa以下である熱硬化性樹脂組成物が配合されているので、例えば、図1に示すように、両端に外部電極1a,1bを備えた表面実装型電子部品(例えば積層セラミックコンデンサ)2を、本願発明のはんだペーストを用いて、実装用のランド3a,3bを備えた部品搭載基板4に搭載した場合、はんだ付け後に、はんだペーストに含まれる、熱硬化後(すなわち、はんだ付け後)における曲げ弾性率が5GPa以下の熱硬化性樹脂組成物に由来する樹脂層6により、はんだ5の表面が覆われた接合部品(実装体)が得られることになる(図2参照)。
そして、樹脂層6が曲げ弾性率の低いものであることから、はんだ付け後に、熱的な応力が加わった場合にも、はんだ5の表面を覆う低弾性率の樹脂層6がこの応力を吸収して、樹脂層6にクラックが発生したり、クラックの発生による、表面実装型電子部品2の部品搭載基板4への接合信頼性が低下したりすることを抑制、防止することが可能になる。
また、樹脂層6へのクラックの発生が抑制されることから、はんだ付け後に加熱され、はんだが溶融した場合にも、はんだが流れ出すことを防止することができる。
また、樹脂層6が曲げ弾性率の低いものであることから、例えば、搭載された表面実装型電子部品に応力が加わった場合にも、樹脂層6が応力を緩和して、樹脂層6と部品搭載基板4の界面において剥離が生じることを防止して、十分な接合信頼性を確保することができる。
したがって、本願発明のはんだペーストを用いて、表面実装型電子部品2を実装用のランド3a,3bを備えた部品搭載基板4に搭載した場合、該部品搭載基板4がマザー回路基板に搭載される際に再リフロー加熱工程に供され、はんだが溶融して体積膨張した際にも、樹脂層6にクラックが発生することを防止して、はんだの流れ出しを防止することができるとともに、表面実装型電子部品2と部品搭載基板4との接合信頼性を確保することができる。
なお、本願発明において、熱硬化性樹脂組成物とは、後述の実施例のように、熱硬化性樹脂とゴムを混合したものなどを含む概念である。
また、請求項2のはんだペーストの場合、ゴム成分を含む熱硬化性樹脂組成物が、熱硬化後における曲げ弾性率が5GPa以下のものであり、高温でのはんだ付け対象(例えば部品搭載基板など)への密着性に優れているため、上述の請求項1の発明の効果に関して説明したような、再リフロー加熱工程において加わる応力を、はんだ5の表面を覆う低弾性率の樹脂層6が確実に吸収して、樹脂層6にクラックが発生したり、クラックから溶融はんだが流れ出たり、樹脂層6と部品搭載基板4の界面において剥離が生じたりすることを防止して、十分な接合信頼性を確保することができる。
なお、ゴム成分としては、分散性に優れ、熱硬化性樹脂と化学的な結合をすることで熱硬化性樹脂とゴムとの界面強度が強くなるという理由から、請求項3のはんだペーストのように、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)を用いることが特に好ましい。
なお、本願発明において、ゴム成分を含む熱硬化性樹脂組成物とは、熱硬化性樹脂の分子構造中にはゴム成分が組み込まれずに、ゴム成分が熱硬化性樹脂組成物中に分散している状態で含まれている組成物のことをいう。
また、請求項4のはんだペーストの場合、ゴム変性した熱硬化性樹脂組成物が、熱硬化後における曲げ弾性率が5GPa以下のものであり、高温でのはんだ付け対象(例えば部品搭載基板など)への密着性に優れているため、上述の請求項1の発明の効果に関して説明したような、再リフロー加熱工程において加わる応力を、はんだの表面を覆う低弾性率の樹脂層が確実に吸収して、樹脂層にクラックが発生したり、クラックから溶融はんだが流れ出たり、樹脂層と部品搭載基板の界面において剥離が生じたりすることを防止して、十分な接合信頼性を確保することができる。
なお、本願発明において、ゴム変性した熱硬化性樹脂組成物とは、熱硬化性樹脂の分子構造中にゴム成分が組み込まれている組成物のことをいう。
また、請求項5の接合部品においては、少なくとも一部の構成部材どうしが、請求項1〜4のいずれかに記載のはんだペーストを用いてはんだ付けされており、上述の請求項1の発明の効果に関して説明したように、はんだが、熱硬化後における曲げ弾性率が5GPa以下の樹脂層により覆われているため、例えば、上述のような再リフロー加熱工程に供される場合にも、応力を上記樹脂層6により吸収して、樹脂層6にクラックが発生したり、樹脂層6と部品搭載基板4の界面において剥離が生じたりすることを防止することが可能で、構成部材どうしが確実に接合された信頼性の高い接合部品を提供することができる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[熱硬化性樹脂組成物]
まず、熱硬化性樹脂組成物として、表1の組成物番号1〜7に示すような割合で、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂に、ゴム成分としてカルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(表1では「CTBN」と略記する)を配合した熱硬化性樹脂組成物を用意した(ただし、組成物番号7の熱硬化性樹脂組成物は、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)を含まず(含有量:0重量%))。
また、ゴム変性した熱硬化性樹脂組成物として、組成物番号8のシリコン変性エポキシ樹脂を用意した。
Figure 0004677968
[はんだペーストの作製]
はんだ粉末と、上述の表1の組成物番号1〜8の熱硬化性樹脂組成物と、イミダゾール硬化剤と、フラックスとを、表2に示すような割合で配合し、混練して、ペースト番号1〜8のはんだペーストを作製した。
なお、はんだ粉末としては、組成がSnが96.5重量%、Agが3重量%、Cuが0.5重量%の合金であるはんだ粉末を用いた。
また、フラックスとしては、ロジン系成分とチクソトロピー性付与剤と活性剤(有機酸)と溶剤とを含有するものを用いた。
なお、ペースト番号1〜8のはんだペーストにおいては、熱硬化性樹脂組成物として、表1における同じ番号(組成物番号)の熱硬化性樹脂組成物が用いられている。
表2のペースト番号1〜8のはんだペーストのうち、ペースト番号1〜3のはんだペーストにおいては、表1の組成物番号1〜3の、硬化後の樹脂の曲げ弾性率が5.0GPa以下となるように、エポキシ樹脂にゴム成分としてカルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)を配合した熱硬化性樹脂組成物が用いられており、本願発明の要件を満たすはんだペーストとなっている。
また、表2のペースト番号8のはんだペーストにおいては、硬化後の曲げ弾性率が5.0GPa以下のシリコン変性エポキシ樹脂が、ゴム変性した熱硬化性樹脂組成物として用いられており、本願発明の要件を満たすはんだペーストとなっている。
一方、表2のペースト番号4〜7のはんだペーストにおいては、硬化後の曲げ 弾性率が5.0GPaを超える熱硬化性樹脂組成物が用いられており、本願発明の要件を満たさないはんだペーストとなっている。
Figure 0004677968
[実装体の作製]
表2のペースト番号1〜8の各はんだペーストをそれぞれ20ロットずつ作製して以下の実装体の製造に供した。
ここでは、図1および図2を参照しつつ、部品搭載基板に配設された部品接続用導体(Cu箔からなるランド)上に表面実装型電子部品として積層セラミックコンデンサが搭載された構造を有する実装体を作製する方法について説明する。
まず、厚みが100μmのメタルマスクを用いて、図1に示すように、表2のペースト番号1〜8のはんだペースト15を、部品搭載基板4のランド(Cu箔部)3a,3bに印刷した。
それから、表面実装型電子部品として、積層セラミックコンデンサ(長さ:1mm、幅:0.5mm、厚さ:0.5mm)2を、上記部品搭載基板4の、はんだペースト15が印刷されたランド3a,3b上に搭載し、ピーク温度が250℃のリフロープロファイルで加熱することにより、積層セラミックコンデンサ2を部品搭載基板4上に実装して、図2に示すような実装体(表3の実装体番号1〜8の実装体(接合部品))Aを作製した。
なお、この実施例の各実装体(実装体番号1〜8の実装体)Aにおいては、はんだペースト15(図1)として、表3の実装体番号と同じペースト番号を有する表2の各はんだペーストが用いられている。
この実装体においては、図2に示すように、部品搭載基板4のランド3a,3b上に、積層セラミックコンデンサ2の外部電極1a,1bが、はんだペースト15(図1)に由来するはんだ5を介して接合されており、はんだ5の表面および部品搭載基板4の一部は、はんだペースト15(図1)に含まれる熱硬化性樹脂組成物に由来する樹脂層6(図2)により被覆されている。
[硬化後の樹脂層の曲げ弾性率]
実装体番号1〜8の各実装体について、上記はんだペーストに含まれる熱硬化性樹脂組成物に由来する樹脂層6(図2)の曲げ弾性率を、JIS K 7171に規定されている方法により評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0004677968
表3に示すように、実装体番号1〜7の実装体においては、ゴム成分、すなわち、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)の配合割合が増加するに伴って曲げ弾性率が低下し、ペースト番号1〜3(表2)のはんだペーストを用いて作製した、実装体番号1〜3の実装体では、樹脂層の曲げ弾性率が5GPa以下になることが確認された。
また、熱硬化性樹脂組成物として、ゴム変性した熱硬化性樹脂組成物であるシリコン変性エポキシ樹脂を含有するペースト番号8(表2)のはんだペーストを用いて作製した実装体番号8の実装体の場合にも、樹脂層の曲げ弾性率は0.7GPaと、5GPaよりも低いことが確認された。
[熱衝撃試験前後の接合強度の測定および熱衝撃試験後のクラック発生数の測定]
作製した実装体について、熱衝撃試験前後の接合強度を調べるとともに、熱衝撃試験後の実装体について、クラックの発生数を調べた。
熱衝撃試験は、実装体を−55℃と125℃でそれぞれ30分間維持するサイクルを1000サイクル実施することにより行い、熱衝撃試験前と1000サイクルの熱衝撃試験後における、積層セラミックコンデンサと部品搭載基板の接合強度を調べた。なお、接合強度は、実装した積層セラミックコンデンサをボンディングテスタで横押ししたときの、最大強度を測定した。その結果を表4に示す。
また、クラックの発生数は、実装体の断面を金属顕微鏡で観察して接合状態を調べ、樹脂層6にクラックの発生しているものをクラックが発生している試料(実装体)として、その数をカウントした。その結果を表4に併せて示す。
Figure 0004677968
なお、表4の、実装体番号1〜8の実装体は、表3の実装体番号1〜8の実装体と同じ実装体である。
表4に示すように、実装体番号1〜3の実装体のように、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)の含有量の多い熱硬化性樹脂組成物を含む、ペースト番号1〜3(表2)のはんだペーストを用いて実装した、硬化後の樹脂層の曲げ弾性率が5GPa以下である実装体においては、上述の熱衝撃試験を行った後においても接合強度の低下はあまり認められなかった。
また、実装体番号8の実装体のように、はんだペーストを構成する熱硬化性樹脂組成物がシリコン変性エポキシ樹脂である、ペースト番号8(表2)のはんだペーストを用いて実装した、硬化後の樹脂層の曲げ弾性率が5GPa以下の実装体の場合にも、熱衝撃試験後の接合強度の低下はあまり認められなかった。
また、実装体番号1〜3および実装体番号8の実装体においては、熱衝撃試験後に、樹脂層へのクラックの発生も認められなかった。
これに対し、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)の含有量が少ないか、または、含有していない熱硬化性樹脂組成物を含む、ペースト番号4〜7(表2)のはんだペーストを用いて作製した、実装体番号4〜7の実装体の場合、表4に示すように、熱衝撃試験後に、接合強度の低下が認められ、樹脂層へのクラックの発生が認められた。
これらの結果より、熱硬化後の曲げ弾性率が5GPa以下の熱硬化性樹脂組成物を含有する、本願発明の要件を満たすはんだペーストを用いることにより、熱衝撃を受けた場合にも、接合強度の低下がなく、かつ、樹脂層にクラックの発生のない実装体が得られることが確認された。
[高温下での接合強度の評価]
実装体番号1〜8の実装体について、再リフローはんだ付けを想定した260℃の温度条件下で、部品搭載基板上に搭載された表面実装型電子部品(積層セラミックコンデンサ)をボンディングテスタで横押ししたときの樹脂層と部品搭載基板の界面の破壊(剥離)の発生モードを調べた。
その結果、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)の含有量の多い、ペースト番号1〜3(表2)のはんだペーストを用いて実装した表4の実装体番号1〜3の実装体、および、実装体番号8の、熱硬化性樹脂組成物がシリコン変性エポキシ樹脂であるペースト番号8(表2)のはんだペーストを用いて実装した実装体の場合、表面実装型電子部品は押されて移動するものの、樹脂層と部品搭載基板の界面における接着性は保たれ、界面における破壊(剥離)の発生は認められなかった。
これに対し、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)の含有量が少ないか、または、含有していない実装体番号4〜7の実装体の場合、樹脂層と部品搭載基板の界面における破壊(剥離)の発生が認められ、高温下で十分な接合強度が得られないことが確認された。
この結果より、熱硬化後の曲げ弾性率が5GPa以下の熱硬化性樹脂組成物を含有する、本願発明の要件を満たすはんだペーストを用いて作製した実装体においては、樹脂層と部品搭載基板の界面における破壊が少なく、高温下でも十分な接合強度が得られることが確認された。
[はんだの流れ出し試験]
実装体番号1〜8の実装体を、再度260℃のピーク温度でリフロー加熱して、樹脂層へのクラック発生数およびはんだの流れ出し発生数を評価した。
その結果を表5に示す。
Figure 0004677968
表5に示すように、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)の含有量の多いはんだペーストを用いて実装した実装体番号1〜3の実装体、および、実装体番号8の、はんだペーストを構成する熱硬化性樹脂組成物がシリコン変性エポキシ樹脂であるはんだペーストを用いて実装した実装体の場合、樹脂層にクラックの発生がなく、はんだの流れ出しも認められなかった。
これに対し、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)の含有量が少ないか、または、含有していないはんだペーストを用いて実装した実装体番号4〜7の実装体の場合、樹脂層にクラックが発生して、はんだの流れ出しによるショート不良の発生も認められた。
この結果より、熱硬化後の曲げ弾性率が5GPa以下の熱硬化性樹脂組成物を含有する、本願発明の要件を満たすはんだペーストを用いた実装体においては、高温下(260℃)で再リフロー加熱した場合においても、樹脂層にクラックが発生することがなく、はんだの流れ出しを抑制、防止できることが確認された。
なお、上記実施例では、熱硬化性樹脂組成物を構成する樹脂成分として、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂を用いたが、樹脂成分はこれに限られるものではなく、ビスフェノールA型以外の、他の種類のエポキシ樹脂(例えば、ビスフェノール型、ノボラック型、環状脂肪族型、長鎖脂肪族型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、シラン変性、ウレタン変性、ゴム変性、キレート変性、水系、多官能エポキシ樹脂)や、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケイ素樹脂(シリコーン樹脂)、ポリイミド樹脂、アルキド樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、アクリル樹脂、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)樹脂、ゴム変性樹脂などを用いることが可能であり、これらの樹脂を単独で、あるいは2種類以上組み合わせて用いることが可能である。
また、上記実施例では、ゴム成分として、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)を用いたが、ゴム成分はこれに限られるものではなく、スチレン系ブロック共重合体や、アミノ基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(ATBN)、微粒子アクリルゴム、カルボキシル基末端ポリブチルアクリレートなどを用いることが可能である。
また、ゴム変性した熱硬化性樹脂組成物として、シリコン変性エポキシ樹脂を用いたが、ゴム変性する手段としてはシリコン変性に限られるものではなく、ウレタン変性、アクリル変性、CTBN変性など、種々のゴム変性熱硬化性樹脂組成物を用いることができる。
また、はんだの組成にも特別の制約はなく、例えば、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Bi系、Sn−Sb系、Sn−Zn系などの種々の組成のはんだを用いることが可能である。
また、上記実施例では、接合部品が部品搭載基板に本願発明のはんだペーストを用いて表面実装型電子部品(積層セラミックコンデンサ)をはんだ付けして実装した実装基板(部品搭載回路基板)である場合を例にとって説明したが、本願発明における接合部品はこれに限られるものではなく、少なくとも一部の構成部材どうしが、本願発明のはんだペーストにより、はんだ付けされる種々の部品を接合部品とすることができる。
なお、本願発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂組成物を硬化させるための硬化剤の種類、フラックスの種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることができる。
本願発明によれば、例えば、はんだペーストを用いて表面実装型電子部品をはんだ付けして実装した実装基板を、高温の再リフロー加熱工程などに供した場合において、はんだの再溶融や体積膨張が生じた場合にも、はんだを覆っている樹脂層にクラックが発生せず、溶融したはんだが流れ出してショート不良を発生したりすることのない、信頼性の高い接合部品を効率よく作製することが可能になる。
したがって、本願発明は、はんだペーストを用いて表面実装型電子部品を実装する工程を経て製造される回路基板や多層回路基板などの製造分野、それに用いられるはんだペーストの分野などに広く適用することが可能である。
本願発明の実施例にかかるはんだペーストを用いて表面実装型電子部品を部品搭載基板上に実装する方法を説明する図である。 本願発明のはんだペーストを用いて表面実装型電子部品を部品搭載基板上に実装した、本願発明の実施例にかかる接合部品(部品搭載回路基板)の構成を示す図である。 (a),(b),(c)は、従来のはんだペーストを用いて、表面実装型電子部品を部品搭載基板上に実装する工程を示す図である。
符号の説明
1a,1b 外部電極
2 表面実装型電子部品(積層セラミックコンデンサ)
3a,3b 実装用のランド
4 部品搭載基板
5 はんだ
6 樹脂層
15 はんだペースト
A 実装体(接合部品)

Claims (5)

  1. 熱硬化後における曲げ弾性率が5GPa以下である熱硬化性樹脂組成物と、
    フラックスと、
    はんだ粉末と
    を含有することを特徴とするはんだペースト。
  2. 前記熱硬化性樹脂組成物が、ゴム成分を含有するものであることを特徴とする請求項1記載のはんだペースト。
  3. 前記ゴム成分が、カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴムであることを特徴とする請求項2記載のはんだペースト。
  4. 前記熱硬化性樹脂組成物が、ゴム変性した熱硬化性樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載のはんだペースト。
  5. 少なくとも一部の構成部材どうしが、請求項1〜4のいずれかに記載のはんだペーストを用いてはんだ付けされていることを特徴とする接合部品。
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