JP4471825B2 - 電子部品、及び電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品、及び電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4471825B2
JP4471825B2 JP2004356275A JP2004356275A JP4471825B2 JP 4471825 B2 JP4471825 B2 JP 4471825B2 JP 2004356275 A JP2004356275 A JP 2004356275A JP 2004356275 A JP2004356275 A JP 2004356275A JP 4471825 B2 JP4471825 B2 JP 4471825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solder
electronic component
component
temperature
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004356275A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006159266A (ja
Inventor
稔正 津田
夏彦 坂入
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Dempa Kogyo Co Ltd filed Critical Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority to JP2004356275A priority Critical patent/JP4471825B2/ja
Publication of JP2006159266A publication Critical patent/JP2006159266A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4471825B2 publication Critical patent/JP4471825B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Description

本発明は、配線基板上に表面実装部品を実装した電子部品及びその電子部品の製造方法に関する。
セラミックコンデンサやSAW(表面波)素子チップなどのような小型の電子部品(この明細書では表面実装部品と呼ぶ)はプリント配線基板等の基板に実装
されることで1つの電子部品ユニット(この明細書ではこのユニットを電子部品と呼ぶ)として取り扱われる場合がある。なお表面実装部品は、湿気や搬送時の衝撃等による破壊を防ぐために封止されることもある。封止は、例えばエポキシ樹脂を主成分とした熱硬化性成形材料を、基板上に総ての当該表面実装部品群の表面全体が覆われるように供給した後、当該成形材料を硬化させることにより行われている。表面実装部品を基板に実装させる方法として、現在はリフロー法が広く用いられている。リフロー法とは、あらかじめ基板上にはんだペーストやクリームはんだなどと呼ばれているペースト状のはんだを、基板のパターンに合わせて印刷、又はディスペンスすることで付着させておいた後、当該はんだ材料上に表面実装部品を載置し、当該基板をリフロー炉と呼ばれる加熱炉内に搬入する。基板がリフロー炉内を通過する間に、炉内の熱により、基板上に成膜されたはんだが溶融されることで、電子部品の基板へのはんだ付けを行う方法である。この方法によれば、電子部品を一度に同一の基板にはんだ付けすることができるため、基板上に高密度に電子部品を配置することが可能である。
しかし、リフロー法は前述の通りリフロー炉を用いて、はんだが溶ける程度の熱を基板周囲から与えることによって、はんだ付けを行う方法であるため、電子部品が載置された基板が炉内を通過する際に基板上のはんだのみならず当該電子部品も加熱されることになる。
以下、図3を参照しながら電子部品内部における、表面実装部品を基板に固着したはんだが変化する様子を説明する。図3(a)は電子部品がリフロー炉内に搬入される前の状態を示している。この時点においては、はんだ材料41は、表面実装部品3Aの両端の電極32と、基板21上に形成されている電極であるマウントパッド22とを接合することで、基板21上に表面実装部品3Aを固着しかつ電極32,22間を電気的に接合している。また、表面実装部品3Aの周囲は封止材料51により覆われている。電子部品がリフロー炉内に入り、加熱されると前記はんだ材料41も加熱される。そして図3(b)及び図3(c)に示すように、はんだが加熱され溶融すると体積膨張により、表面実装部品が接合されている基板の表面及び表面実装部品と、封止材料との間の界面に拡がり、表面実装部品の電極間を短絡するなどして故障に至るおそれがある。なお表面実装部品が封止材料によって封止された電子部品を例にとって説明したが、表面実装部品が封止材料によって封止されていない電子部品においては、はんだが材料が上述のように再溶融することで表面実装部品が基板上を移動したり、基板から落下するおそれがある。
このため表面実装部品と基板との接合は、鉛フリーはんだの中では高い溶融温度を持つとされる高温はんだにより行われている。なお、高温はんだとは一般に溶融温度が250℃以上、450℃未満のはんだのことをいう。リフローと高温はんだの溶融温度の関係についてさらに詳しく述べると、かつてはこのリフローによる電子部品の基板実装は溶融温度が183℃程度のSn−37Pb(Pbを37質量%含み残部がSnからなる合金)からなる共晶はんだが用いられてきたが、環境への影響を考慮して、その使用が中止されつつある。前記はんだに代わり現在ではAg(銀)及びCu(銅)をSnに混合したはんだが広く使用されている。当該はんだはAgを含むことで耐食性に優れ、Cuを含むことで接合後、周囲の部品中に存在するに含まれるCuを溶食する作用が抑制される。例えばSn−3.5Ag−0.75Cuからなるはんだは広く用いられている。このはんだの溶融温度は約220℃である。その溶融温度に合わせて、リフロー炉内の温度も以前より高温に設定されるようになった。現在では、前記はんだを効率よく溶解させるためにリフロー中の本加熱時に、電子部品の表面温度が245℃程度になるようにリフロー炉は設定されることが多い。このような事情と現在流通している電子部品の耐熱性を考慮すると、電子部品の組み立てに用いられる高温はんだの溶融温度は260〜350℃であることが必要である。ただし上記温度範囲内において、はんだの一部が溶融していても完全に溶融しなければ、そのはんだ材料は高温はんだとして好ましく使用できる。つまり当該はんだの固液共存領域(半溶解範囲)が260℃以上であればよい。
しかし本発明者らの検討により、そのような高温はんだが熱により溶融すると、当該高温はんだ中に含まれている同一金属組成物同士が凝集する傾向があることが明らかになった。凝集した各金属組成物が固化すると、各金属組成物間の界面が分離し、高温はんだ全体で見た場合に各所にボイドが形成された構造となる。このボイドの発生は、高温はんだの耐久性を著しく低下させて、機械的ストレスが加えられた際に当該高温はんだにひび、割れなどを引き起こす原因となるおそれがある。従ってその高温はんだを用いた電子部品は、強い機械的ストレスが加えられた場合、例えば搬送時において当該高温はんだが破損することにより故障が引き起こされるおそれがある。
また前記表面実装部品を封止する封止材料としては熱膨張係数の小さいものを選択する必要があった。即ち熱膨張係数が大きいものを選択した場合、当該封止材料を過熱により硬化させ、表面実装部品を封止する際に表面実装部品と基板とを接合している高温はんだに強い力が加わる。その結果、当該高温はんだにひび、われが発生し製造される電子部品の信頼性を損なうこととなっていた。
これまでに開発された高温はんだとして、例えば特許文献1には、Sn(錫)−Cu(銅)系合金、Sn−Cu−Sb(アンチモン)系合金のいずれか、もしくはこれらのうちのいずれかにAg(銀)、In(インジウム)、Bi(ビスマス)、Zn(亜鉛)またはNi(ニッケル)のうちの一種以上を添加して261℃〜600℃の範囲内の融点を持つように調製した第1金属成分、及びCu、Sn、Sb、Ag、Zn、Niのうちの一種以上の金属からなる第2金属成分を混合したはんだが開示されている。
他に特許文献2には、はんだ全体に対して夫々Sbを5〜20質量%、Te(テルル)を0.01〜5質量%含み、残部をSnおよび不可避不純物により構成するはんだが開示されている。このような組成とすることで、当該はんだが加熱された時に発生するβ’相が微細化される。その結果、当該はんだが固化した後のはんだ合金において、ひび、割れの発生が防止されるとしている。
しかし特許文献1に記載されたはんだの溶融温度は261℃から1100℃とされ電子部品の耐熱性が充分に考慮されておらず、実用上問題がある。また、当該特許文献においては、上述のはんだを加熱した後に発生するボイドの対策については全く言及されていない。
また、特許文献2に記載されたTeを加えたはんだは、β’相を微細化することは検討されていても、上述のような同一金属同士の凝集により発生するボイドについての対策はなされておらず、はんだの接合安定性には不安が残る。さらにTeは環境に与える毒性が強いので、その使用はあまり好ましくない。
特開2003−154485(段落0009)
特開2004−106027(段落0012、段落0016)
上述のように、従来から提供されている電子部品は、その表面実装部品と基板とを接合している高温はんだが、適切な溶融温度及び充分な接合安定性を同時に備えておらず、それはその電子部品の信頼性が損われる結果となっていた。本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、電子部品等を組み立てるために適切な溶融温度を有しかつ加熱溶融時における体積の膨張が少なく、さらに溶融、固化後にボイドの発生がなく、適切な接合安定性を有する新規な高温はんだを用いた電子部品を提供することを目的とする。本発明のさらに別の目的は、前記高温はんだ材料を用いて、電子部品を製造するのに好適な製造方法を提供することである。
本発明に係る電子部品は、高温はんだ材料全体に対して、夫々Sbが12〜16質量%、Agが0.01〜2質量%、Cuが0.1〜1.5質量%含まれ、さらにSiが0.001〜0.1質量%含まれかつ、Bが0.001〜0.05質量%含まれ、残部がSn及び不可避不純物である高温はんだを用いて配線基板上に表面実装部品を実装して構成されたことを特徴とする
お既述の電子部品における表面実装部品は封止材料により封止されていてもよい。
また、本発明の電子部品の製造方法は、配線基板の電極上に上述の高温はんだを供給する工程と、この高温はんだの上に表面実装部品を載せる工程と、前記高温はんだを加熱して溶融することにより表面実装部品の電極と配線基板の電極とを電気的に接続する工程と、を含むことを特徴とする。この製造方法にはさらに例えば表面実装部品を封止材料により封止する工程が含まれる。
本発明に係る電子部品に用いられている高温はんだは、Si及びBを含んでいる。Si及びBの各金属同士を馴染ませる作用があり、またBによりSiの結晶晶出が抑えられることから溶融、固化後にはんだ中の同一金属同士が凝集することが妨げられる。その結果、溶融、固化後のはんだ中におけるボイドの発生が防がれ、高温はんだを構成する組織が密になる。これにより当該電子部品に強い機械的ストレスが加えられた場合において、高温はんだが破損することによる当該電子部品の故障が抑えられる。従って当該電子部品の機械的強度が上がることになる。また、表面実装部品を封止する際に封止材料の熱収縮による破損が抑えられるため、封止材料の選択の自由度が広くなる。
また当該高温はんだは液相線と固相線とが離れており、溶融が始まる温度と完全に溶融する温度との差が広いため、通常リフローなどにより加熱される温度下において、溶融しないかあるいは溶融し始めたとしても完全に溶融しにくいため、加熱による体積膨張の程度は小さくなる。従って電子部品を電子機器の配線基板に組み込むときやリペアーのために取り外すときなどにおいて電子部品の電極側のはんだ材料を溶融するために当該電子部品が加熱されても配線基板及び表面実装部品と封止材料との間の界面にはんだ材料が侵入することが抑えられるので、電極間が短絡するといった故障が起こりにくくなる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明に係る電子部品をさらに詳細に説明する。この実施の形態に係る電子部品としては、例えば図1に示すようにセラミックコンデンサのような小型の電子部品(この明細書では表面実装部品と呼ぶ)の電極と、配線基板21の電極であるマウントパッド22と、がはんだ材料(高温はんだ)41により接合されており、さらに前記電子部品の表面が封止材料51により覆われて構成されている。封止材料51は、例えばエポキシ樹脂を主成分とした熱硬化性成形材料を硬化させたものが用いられる。
本発明の一実施の形態としては前記高温はんだについて、高温はんだ材料全体に対して夫々Sbが14質量%、Agが1.0質量%、Cuが0.5質量%、Siが0.001〜0.1質量%、Bが0.001〜0.05質量%含まれ、残部がSn及び不可避不純物であるはんだ合金(高温はんだ)を粉末化し、この粉末と例えばロジン、溶剤、活性剤、増粘剤を含んだ液状フラックスとを混合したペースト状のクリームはんだを使用することができる。勿論本発明の電子部品にはこのようなクリームはんだに限られず、均一液滴噴霧法や油中造粒法等の製法により成形した高温はんだを用いてもよく、例えばこのように従来の高温はんだに使用されていた加工方法を何ら変更することなく適用した高温はんだを用いることができる。
本発明の電子部品に用いられる高温はんだ中に含まれるSbは、当該高温はんだの液相線、固相線を高温に保つ効果、即ち高温はんだとして適切な溶融温度をもたせる効果を有する。しかし過剰にSbが加えられた場合、高温はんだの溶融温度が高くなりすぎる。またその場合、高温はんだが溶融後、固化したときにボイドが多く発生して、割れやすくなるといった不利益を生じる。その一方で、Sbの量が不足している場合は、はんだの再溶融機能が発揮されない。そこでSbは、高温はんだ全体に対して12〜16質量%含まれるように調製する。好ましくは、高温はんだ全体に対する割合が14質量%である。
本発明の電子部品に用いられる高温はんだ中に含まれるAgは、接合の安定性を保つ効果を有する。なお接合の安定性がよいとは当該高温はんだを用いてはんだ付けして当該はんだが溶融固化した場合に、高い機械的強度を持つことをいう。さらに具体的には、基板に電子部品を当該はんだにより接合させた際に、当該基板と電子部品との接合強度が強いことを言う。しかし過剰にAgが加えられた場合、はんだの溶融温度が大幅に上昇する。また加える量が少なすぎると上記の接合の安定性を保つ効果が現れない。そこでAgは、高温はんだ全体に対して0.01〜2.0質量%含まれるように調製する。好ましくは、高温はんだ全体に対する割合が1.0質量%である。
本発明の電子部品に用いられる高温はんだ中に含まれるCuは、各組成物間の結晶を馴染ませる効果を有する。結晶を馴染ませるとは、当該高温はんだ中の各金属の結晶同士の結合を強固にすることをいう。しかし過剰にCuが加えられた場合、生成したはんだの溶融温度が大幅に上昇する。そこでCuは、高温はんだ材料全体に対して0.1〜1.5質量%含まれるように調製する。好ましくは、高温はんだ全体に対する割合が0.5質量%である。
本発明の電子部品に用いられる高温はんだ中に含まれるSiは、当該高温はんだが溶融後、固化する際に析出するSbの結晶の肥大化を抑制する効果と、溶融時に各金属成分が凝集しないように馴染ませる効果を持つ。また、Siは当該高温はんだが溶融、固化した際に各金属成分の界面間に付着して、当該高温はんだが固化した時に高温はんだ中にボイドが発生するのを防ぎ、高温はんだ材料の組織を密にする働きを持つ。他にはんだ材料全体を難磁性として安定化させる性質を持つ。Siは過剰にはんだ材料中に加えられるとはんだの金属成分を減少させ、機械的強度を損なう。Siは、微量に組成物中に含まれているだけで上記の効果を充分に発揮できるため、例えば高温はんだ材料全体に対して0.001質量%〜0.1質量%含まれていることが好ましく、0.005質量%含まれていることがより好ましい。
本発明の電子部品に用いられる高温はんだ中に含まれるBは、当該はんだが溶融後、固化する際に析出するSbの結晶の肥大化を抑制する効果と、溶融時に各金属成分が凝集しないように馴染ませる効果を持つ。また、当該はんだが溶融後、固化した際に各金属成分の界面間に付着して、はんだ中にボイドが発生するのを防ぎ、はんだの組織を密にする働きをもつ。Bは、Si同様に過剰にはんだ中に加えられるとはんだの金属成分を減少させ、はんだの機械的強度を損なう。Bは微量に組成物中に含まれているだけで上記の効果を充分に発揮できるため、例えばはんだ材料全体に対して0.001質量%〜0.05質量%含まれていることが好ましく、0.002質量%含まれていることがより好ましい。なおSiとBのはんだ材料が高温はんだを構成する成分として同時に加えられることで当該高温はんだが溶融後、固化する際にSiの結晶が析出するのをBが抑制してよりボイドの発生が抑えられ、安定した金属合金となる。
本発明の電子部品に用いられる高温はんだには上記Siに代えてNiが含有されていてもよい。その場合Niは高温はんだ材料全体に対して0.001質量%〜0.1質量%含まれていることが好ましく、0.005質量%含まれていることがより好ましい。Siに代えてNiが用いられる理由は、NiもSiと同様な性質を持つからである。即ち当該高温はんだが溶融後、固化する際に析出するSbの結晶の肥大化を抑制する性質と、溶融時に各金属成分が凝集しないように馴染ませる性質を持つ。また、Niは当該高温はんだが溶融、固化した際に各金属成分の界面間に付着して、当該高温はんだが固化した時に高温はんだ中にボイドが発生するのを防ぎ、高温はんだ材料の組織を密にする働きを持つ。他にはんだ材料全体を難磁性として安定化させる性質を持つ。なおこのSiに代えてNiを用いる場合にはGeが高温はんだ中に含まれることが必要である。
Geは高温はんだ全体に対して0.001質量%〜0.1質量%含まれていることが好ましく、0.005質量%含まれていることがより好ましい。Bに代えてGeが用いられる理由は、Bと同様に当該高温はんだが溶融後、固化する際にNiの結晶が析出するのをGeが抑制して、よりボイドの発生が抑えられ安定した金属合金となるからである。
本発明の電子部品に用いられる高温はんだの残部は、Sn及び当該はんだを製造する過程で混入する不可避不純物により構成される。不可避的不純物としては、Pb、Bi等の金属または非金属が挙げられる。不可避不純物のはんだ全体に対する割合は、0.01%以下程度であれば許容される。
上述のはんだ組成物は、細かく砕き、粒子状にすることが好ましい。粒子が大きすぎると生成するはんだペーストの基板への印刷性が悪くなる。その一方で、粒子が小さすぎるとはんだペーストが過熱された際におけるはんだのぬれ性が悪くなる原因となる。そのため粒子の大きさは5〜50μm程度であることが好ましい。
はんだ組成物を粒子状にする方法としては、例えばターボミル、ローラミル、金属粉ミル、遠心力粉砕機、パルベライザー等の従来公知の粉砕機を用いて、上述のはんだ組成物を適当な大きさに粉砕する等の方法を用いることができる。
はんだペーストを構成するフラックスとしては、ロジン等の粘着付与材樹脂、チキソ剤、活性剤、溶剤等を含んだ公知のフラックスが使用できる。また、フラックスの持つ活性度の違いに関わりなく使用することができる。
なお、混練を行う際のフラックスを添加する量としては特に限定されないが、最終的に生成するはんだ材料全体の質量に対して、当該フラックスが5〜15質量%含まれるように添加することが好ましい。さらに好ましくは、最終的に生成するはんだ材料全体に対して当該フラックスが10.2〜11.2質量%含まれるように添加する。
また、最終的に生成するはんだペーストの粘度が高すぎると当該はんだペーストを基板へ印刷する際にかすれが生じる。その一方で、粘度が低すぎると当該はんだペーストを基板へ印刷する際に印刷だれ、にじみが生じる。従って、当該はんだペーストの粘度が、25℃において100〜300Pa・sであることが好ましく、より好ましくは、190〜230Pa・sである。
上述のはんだ組成物の粉体、及びフラックスを混練することにより本発明に係る電子部品の製造に用いるはんだペーストが製造される。当該混練は、例えばバンバリーミキサー、ニーダー等の公知の機器を用いて行うことができる。
次に、図2を参照しながら上述のはんだ材料(はんだペースト)41を用いて、本発明に係る電子部品を作成する好ましい実施形態について具体的に説明する。
図2(a)で示すように先ず、基板21のマウントパッド22に合わせた開口部を持つメタルマスク52が、基板21上に設置される。図2(a)で示すように、はんだ印刷機のスキージ61により基板21に供給された高温はんだ材料41は、メタルマスク52の開口部を通過して、基板21上に形成されている電極であるマウントパッド22の形状に合わせて塗布される。なお、はんだ材料41を供給する手段としてはディスペンス方式もあるが生産効率の点から上記に説明した印刷方式を用いることが好ましい。また、はんだ印刷機としてはいずれの従来のはんだ印刷機であっても使用することができる。
メタルマスク52を基板21の表面から取り除いた後、はんだペースト上に表面実装部品3A及び表面実装部品3Bの夫々の電極32が接触するように、各表面実装部品を載置する。
表面実装部品が載置された当該基板21をリフロー炉内に搬入して加熱する。リフローの方式としては赤外線リフロー、VIPSリフロー、N2リフロー等のいずれの方式も用いることができるが、表面実装部品の表面の温度を低くでき、さらにはんだのぬれ性を向上させる等の利点を持つN2リフローが好ましく用いられる。なお、リフロー炉内の酸素分圧は100ppm以下とすることが好ましい。
リフロー炉内における温度は、はんだ材料41に含まれるはんだ粉末が溶融し、かつ基板上の各表面実装部品に影響を与えないように調整される。こうして表面実装部品3A、表面実装部品3Bの電極32と基板21側の電極であるマウントパッド22とが電気的に接続されて固着され、表面実装部品3A、表面実装部品3Bが基板21に実装された状態となる。
リフロー炉から基板が搬出され、高温はんだ材料41が固化した後(図2(b))、高温はんだ材料41及び各電子部品上に付着しているフラックスを洗浄して除去する。
フラックスの除去が終了した後、封止材料を、基板21上の各表面実装部品の表面が被覆されるように、基板21上に供給する。さらにその封止材料51を固化させることで、基板21上の各電子部品を封止する(図2(c))。封止材料51としては、例えばエポキシ樹脂等を主成分とした材料を用いることができる。この場合例えば、液状のエポキシ樹脂を主成分とした封止材料51を、基板21上の表面実装部品群が完全に覆われるようにディスペンサーにより供給した後、加熱炉に搬入して当該樹脂を硬化させる方法や、ペースト状のエポキシ樹脂を主成分とした封止材料51を、基板21上の表面実装部品群が完全に覆われるように印刷した後、当該封止材料51を加熱炉内にて硬化させる等の方法が、好ましく用いられる。その他の方法として、基板21上の表面実装部品群を金型で覆い、金型内に液状のエポキシ樹脂を主成分とした封止材料を圧入して、当該金型を過熱させることで当該封止材料51を硬化させる等の方法が好ましく用いられる。
図2(d)で示すように必要な表面実装部品が含まれる単位ごとに、基板21を封止材料51と共に鉛直軸に沿って切断することで、1つ以上の表面実装部品を含んだ1つの電子部品が作成される。なお本明細書では1つ以上の表面実装部品が基板上に封止材料により封止された電子デバイスを電子部品と呼んでいる。
ところで図2においては表面実装部品3A及び表面実装部品3Bのみの様子を記載することで簡略化しているが、実際の工程においては、1枚の基板21に多数の表面実装部品群をマウントして上記のリフロー法を用いて基板21上にはんだ付けをすることができる。
また本実施形態では基板21の片面のみに表面実装部品3A及び表面実装部品3Bを実装しているが、表面実装部品は基板21の両面に実装されてもよい。即ち、例えば上述の実施形態と同様にして、基板の片面に対してリフローを用いた電子部品の実装を行った後に、当該基板21において表面実装部品が載置されてない面にも、上述の実施形態と同様にはんだペーストを塗布して、リフローにより部品を固着させてもよい。
上述のように基板の両面に表面実装部品を実装する場合は、基板の片面のみに表面実装部品の実装が終了した直後に洗浄作業を行わず、基板の両面に表面実装部品が実装された後に、洗浄作業を行ってもよい。
このような電子部品によれば、当該電子部品に含まれている高温はんだは、溶融、固化後のはんだ中におけるボイドの発生が抑えられている。従って当該電子部品の搬送時や使用時に強い機械的ストレスが加えられた場合において、当該高温はんだが破損することによる電子部品の故障が抑えられる。また表面実装部品を封止する際に封止材料の熱収縮による高温はんだの破損が抑えられる。従って封止材料の選択の自由度が広くなる。また、アプリケーション機器である電子機器、例えば携帯電話の配線基板にはんだ付けするために当該電子部品を加熱した場合電子部品の封止材料内のはんだ材料の溶融温度が後述の例からも分かるように例えば238〜288℃と高いので、リフローなどにより加熱されても溶融しないので体積膨張により配線基板及び表面実装部品と封止材料との間の界面にはんだ材料が侵入することが抑えられるので、電極間が短絡するといった故障が起こりにくくなる。あるいは溶融し始めたとしても完全に溶融しにくいため、加熱による体積膨張の程度は小さくなり、前記界面へのはんだ材料の侵入の程度が小さくなる。この結果電子部品の故障を引き起こすおそれが小さくなる。なお電子機器をリペアーするために電子部品を配線基板から取り外す場合でも同様な効果が得られる。
Sn−14Sb−1.0−Ag0.5Cu高温はんだ(はんだ材料全体に対して夫々Sbが14質量%、Agが1.0質量%、Cuが0.5質量%含まれており、残部がSnからなるはんだ材料)を用意して、この高温はんだに対してSi及びBを加える。Siは前記高温はんだ全体に対して0.005質量%、Bは前記高温はんだ材料全体に対して0.002質量%、夫々含有されるように加えることで本発明に係る電子部品に用いられる高温はんだ材料を調製した。この調製した高温はんだ材料を電気炉中で一度完全に溶融させて各成分を混合した。溶融、固化した後の高温はんだ材料を砕きJIS4号に従った試験片1〜3を作成した。これら試験片1〜3を実施例1とする。
また、Si及びBが含まれていないSn−14Sb−1.0Ag−0.5Cu高温はんだから同様にしてJIS4号に従い試験片4〜6を作成した。これら試験片4〜6を比較例1とする。夫々の試験片を用いて引張試験を行い引張強度を測定した。引張試験は温度24℃、引張速度30mm/min(30%/min)の条件下で行った。その結果を以下の表1に示す。
Figure 0004471825
上記の表1から明らかなように実施例1で用いた各試験片1〜3が示した引張強度は、わずかな差異はあるものの略同一の値を示した。同様に比較例1で用いた各試験片4〜6が示した引張強度は、わずかな差異はあるものの略同一の値を示した。実施例1における引張強度の平均値は、比較例1における引張強度の平均値と比較して略1.4倍の値を示している。即ち試験片1〜3は、試験片4〜6と比べて高い接合安定性を持つといえる。これは試験片1〜3に係る高温はんだに添加されているSi及びBによる作用であると考えられ、このSi及びBにより溶融固化後のはんだ材料中のボイドの発生が抑制されていることが実証された。
また上記試験片1〜3の溶融温度は238〜288℃であった。つまり前記試験片は238℃で溶融を始め、完全に溶融する温度は288℃であった。従って本発明に係る高温はんだ材料は電子部品を組み立てる場合などに用いられる高温はんだとして必要な溶融温度を持つと言える。
本発明に係る電子部品の構造を示す説明図である。 本発明に係る電子部品を作成する工程図である。 従来の電子部品の内部構造を示す断面図である。
符号の説明
21 基板
22 マウントパッド
3A 表面実装部品
3B 表面実装部品
31 チップ部品
32 電極
33 SAWチップ
36 インターポーザー
41 はんだ材料
42 金属膜
43 本体部
51 封止材料
52 メタルマスク
61 スキージ

Claims (4)

  1. 高温はんだ材料全体に対して、夫々Sbが12〜16質量%、Agが0.01〜2質量%、Cuが0.1〜1.5質量%含まれ、さらにSiが0.001〜0.1質量%含まれかつ、Bが0.001〜0.05質量%含まれ、残部がSn及び不可避不純物である高温はんだを用いて配線基板上に表面実装部品を実装して構成されたことを特徴とする電子部品。
  2. 請求項1に記載の電子部品において、前記表面実装部品を封止材料により封止して構成されたことを特徴とする電子部品。
  3. 配線基板の電極上に請求項1に記載の高温はんだを供給する工程と、
    この高温はんだの上に表面実装部品を載せる工程と、
    前記高温はんだを加熱して溶融することにより表面実装部品の電極と配線基板の電極とを電気的に接続する工程と、
    を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
  4. 請求項に記載の電子部品の製造方法において、前記表面実装部品を封止材料により封止する工程を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
JP2004356275A 2004-12-09 2004-12-09 電子部品、及び電子部品の製造方法 Expired - Fee Related JP4471825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004356275A JP4471825B2 (ja) 2004-12-09 2004-12-09 電子部品、及び電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004356275A JP4471825B2 (ja) 2004-12-09 2004-12-09 電子部品、及び電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006159266A JP2006159266A (ja) 2006-06-22
JP4471825B2 true JP4471825B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=36661836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004356275A Expired - Fee Related JP4471825B2 (ja) 2004-12-09 2004-12-09 電子部品、及び電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4471825B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160006667A (ko) 2013-05-10 2016-01-19 후지 덴키 가부시키가이샤 반도체 장치 및 반도체 장치의 제조방법

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5130666B2 (ja) * 2006-06-29 2013-01-30 大日本印刷株式会社 部品内蔵配線板
JP4939861B2 (ja) * 2006-07-14 2012-05-30 パナソニック株式会社 回路基板および携帯端末
JP5210323B2 (ja) * 2006-12-29 2013-06-12 イルジン カッパー ホイル カンパニー リミテッド 無鉛ソルダ合金
US8501088B2 (en) 2007-07-25 2013-08-06 Nippon Steel & Sumikin Materials Co., Ltd. Solder alloy, solder ball and electronic member having solder bump
JP5262045B2 (ja) * 2007-09-27 2013-08-14 富士通セミコンダクター株式会社 電極の形成方法及び半導体装置の製造方法
JP5172275B2 (ja) * 2007-10-26 2013-03-27 パナソニック株式会社 部品内蔵プリント配線基板および部品内蔵プリント配線基板の製造方法
CN102509934A (zh) * 2011-10-31 2012-06-20 中航光电科技股份有限公司 用热缩管固定附件的连接器及其壳体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160006667A (ko) 2013-05-10 2016-01-19 후지 덴키 가부시키가이샤 반도체 장치 및 반도체 장치의 제조방법
US10157877B2 (en) 2013-05-10 2018-12-18 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method of semiconductor device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006159266A (ja) 2006-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6360939B1 (en) Lead-free electrical solder and method of manufacturing
JP5090349B2 (ja) 接合材料、接合部及び回路基板
JP4894758B2 (ja) 鉛フリーソルダペーストとその応用
JP5045673B2 (ja) 機能部品用リッドとその製造方法
JP3476464B2 (ja) すずビスマス半田ペーストと,このペーストを利用して,高温特性の改良された接続を形成する方法
JP5964597B2 (ja) 異方性導電性ペーストおよびそれを用いた電子部品の接続方法
JP2008510620A (ja) 半田組成物および半田接合方法ならびに半田接合構造
WO2006126564A1 (ja) 鉛フリーソルダペースト
JP2013540591A (ja) 可変融点はんだ
JP5643972B2 (ja) 金属フィラー、低温接続鉛フリーはんだ、及び接続構造体
JP2005319470A (ja) 鉛フリーはんだ材料、電子回路基板およびそれらの製造方法
KR20080066552A (ko) 전자부품 땜납 방법 및 전자부품 땜납 구조
JP4471825B2 (ja) 電子部品、及び電子部品の製造方法
JP6002947B2 (ja) 金属フィラー、はんだペースト、及び接続構造体
JP2011147982A (ja) はんだ、電子部品、及び電子部品の製造方法
TWI695893B (zh) 銲錫膏
US7413110B2 (en) Method for reducing stress between substrates of differing materials
JP4939072B2 (ja) 導電性接着剤
KR20150111403A (ko) 전자부품을 접합하기 위한 무연납땜용 플럭스 및 페이스트, 이를 이용하여 납땜하는 방법
JP2005072173A (ja) 電子部品およびソルダペースト
JP2007313548A (ja) クリーム半田
JP2005254254A (ja) 無鉛はんだ、無鉛はんだの製造方法および電子部品
JP5724088B2 (ja) 金属フィラー及びこれを含む鉛フリーはんだ
JP2006512212A (ja) 混合された合金からなる無鉛はんだペースト
JP4435663B2 (ja) はんだ材料、電子部品、及び電子部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100223

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100302

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4471825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees