JP5729496B2 - 電荷輸送性材料 - Google Patents

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Description

本発明は、電荷輸送性材料に関し、さらに詳述すると、電子受容性ドーパントとしてヘテロポリ酸化合物を含む電荷輸送性材料に関する。
従来、低分子有機エレクトロルミネッセンス(以下、OLEDと略す)素子では、正孔注入層として銅フタロシアニン(CuPC)層を設けることによって、駆動電圧の低下や発光効率向上等の初期特性向上、さらには寿命特性向上を実現し得ることが報告されている(非特許文献1)。
また、金属酸化物を真空蒸着させて薄膜を形成し、正孔注入層として用いることで駆動電圧の低下が可能となることが報告されている(非特許文献2)。
一方、高分子発光材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス(以下、PLEDと略す)素子では、ポリアニリン系材料(特許文献1,非特許文献3)や、ポリチオフェン系材料(非特許文献4)からなる薄膜を正孔輸送層として用いることで、OLED素子と同様の効果が得られることが報告されている。
近年、高溶解性の低分子オリゴアニリン系材料やオリゴチオフェン系材料を利用し、有機溶媒に完全溶解させた均一系溶液からなる電荷輸送性ワニスが見出された。そして、このワニスから得られる正孔注入層を有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)素子中に挿入することで、下地基板の平坦化効果や、優れたEL素子特性が得られることが報告されている(特許文献2,特許文献3)。
当該低分子オリゴマー化合物は、それ自体の粘度が低く、通常の有機溶媒を使用した場合、成膜操作におけるプロセスマージンが狭いため、スピンコート、インクジェット塗布、スプレー塗布等の種々の塗布方式や、種々の焼成条件を用いる場合、高い均一性を有する成膜を行うことは困難であった。
この点、各種添加溶媒を用いることで、粘度や、沸点および蒸気圧の調整が可能となり、種々の塗布方式に対応して高い均一性を有する成膜面を得ることが可能になってきている(特許文献4,特許文献5)。
しかしながら、有機ELデバイスの本格量産を目前に控えた現在、素子の駆動電圧のさらなる低下が求められている。
一方で近年、金属酸化物を用いた正孔注入層が見直されており、正孔注入層を形成している金属酸化物が正孔輸送層との接触に際してその界面を酸化することで正孔輸送層にドーピング層を生成させ、駆動電圧を低下させうることが報告されている(非特許文献5,非特許文献6)が、正孔輸送材料に対して酸化性を有する塗布型材料は例がなく、新たな材料の開発が求められている。
特開平3−273087号公報 特開2002−151272号公報 国際公開第2005/043962号 国際公開第2004/043117号 国際公開第2005/107335号
アプライド・フィジックス・レターズ、米国、1996年、69巻、p.2160−2162 ジャーナル・オブ・フィジックス・ディー:アプライド・フィジックス(Journal of Physics D:Applied Physics)、英国、1996年、29巻、p.2750−2753 ネイチャー、英国、1992年、第357巻、p.477−479 アプライド・フィジックス・レターズ、米国、1998年、72巻、p.2660−2662 アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)、米国、2007年、91巻、p.253504 アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)、米国、2008年、93巻、p.043308
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、有機溶媒に対する高い溶解性、正孔注入層における電荷輸送性ホスト物質に対する高酸化性、さらには正孔輸送材料に対する酸化性を兼ね備えた電子受容性ドーパントを含む電荷輸送性材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸化合物が、有機溶媒に対する高溶解性、正孔注入層における電荷輸送性ホスト物質に対する高酸化性、さらには正孔輸送材料に対する酸化性を兼ね備えていることを見出すとともに、当該ヘテロポリ酸化合物と電荷輸送性物質とを含む電荷輸送性薄膜をOLED素子の正孔注入層として用いた場合に、駆動電圧を低下させ、素子寿命を向上し得ることを見出し、本発明を完成した。
なお、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸化合物は、代表的に化1で示されるKeggin型あるいは化2で示されるDawson型の化学構造、すなわちヘテロ原子が分子の中心に位置する構造を有している。
Figure 0005729496
Figure 0005729496
これらの特殊な化学構造によって、金属の酸素酸のみで構成されるイソポリ酸や単純な金属酸化物とは溶解特性や酸化還元特性に大きな違いを示す。この化合物は、従来、重合触媒や有機化合物の呈色試薬としてよく知られていたが、それ自体を電荷輸送性物質として利用した例は少ない。
本発明者らは、このヘテロポリ酸化合物を、有機EL素子中、極薄膜で層を形成させることで有効な正孔注入層として機能することを見出した。
すなわち、本発明は、
1. 分子量が200〜5000のアニリン誘導体化合物または分子量が200〜5000のオリゴチオフェン化合物を含む電荷輸送性物質と、電子受容性ドーパントとしてヘテロポリ酸化合物とを含むことを特徴とする電荷輸送性材料、
2. 前記電荷輸送性物質が、分子量が200〜5000のアニリン誘導体化合物を含む1の電荷輸送性材料、
3. 前記電荷輸送性物質が、分子量が200〜2000のアニリン誘導体化合物または分子量が200〜2000のオリゴチオフェン化合物を含む1の電荷輸送性材料、
4. 前記電荷輸送性物質が、分子量が200〜2000のアニリン誘導体化合物を含むことを特徴とする1の電荷輸送性材料、
. 前記電荷輸送性物質と、前記へテロポリ酸化合物との比が、質量比で、電荷輸送性物質1に対して、ヘテロポリ酸化合物が0.01〜10.0である1〜4のいずれかの電荷輸送性材料、
. 前記ヘテロポリ酸化合物が、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、リンタングストモリブデン酸又はケイタングステン酸を含む〜5のいずれかの電荷輸送性材料、
7. 有機エレクトロルミネッセンス素子用である1〜6のいずれかの電荷輸送性材料、
8. 前記アニリン誘導体化合物が、下記式(1)で表されるオリゴアニリン誘導体、または式(1)の酸化体であるキノンジイミン誘導体である〜6のいずれかの電荷輸送性材料、
Figure 0005729496
〔式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、一価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基またはスルホン基を示し、AおよびBは、それぞれ独立して、一般式(2)または(3)で表される二価の基を示す。
Figure 0005729496
(式中、R4〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、一価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基、またはスルホン基を示す。)
mおよびnは、それぞれ独立して、1以上の整数で、m+n≦20を満足する。〕
9. 前記アニリン誘導体化合物が、式(4)で表されるオリゴアニリン誘導体、または式(4)の酸化体であるキノンジイミン誘導体である8の電荷輸送性材料、
Figure 0005729496
(式中、R1〜R7、mおよびnは、前記と同じ意味を示す。)
10. 前記アニリン誘導体化合物が、式(5)で表されるオリゴアニリン誘導体、または式(5)の酸化体であるキノンジイミン誘導体である8の電荷輸送性材料、
Figure 0005729496
(式中、R2、R4〜R7、nおよびmは前記と同じ意味を表す。R12〜R35は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基、スルホン基またはハロゲン原子を示す。)
11. 1〜10のいずれかの電荷輸送性材料を含む電荷輸送性薄膜、
12. 分子量が200〜5000のアニリン誘導体化合物または分子量が200〜5000のオリゴチオフェン化合物を含む電荷輸送性物質と、ヘテロポリ酸を混合することを特徴とする1の電荷輸送性材料の製造方法、
13. 前記電荷輸送性物質と、前記ヘテロポリ酸とを、溶媒中で混合することを特徴とする12の製造方法
を提供する。
本発明の電荷輸送性材料に含まれるヘテロポリ酸化合物は、一般的な電荷輸送性ワニスの調製に用いられる有機溶媒に対して良好な溶解性を有しており、特に、一旦、良溶媒に溶解させることで、高粘度溶媒や低表面張力溶媒をはじめとした各種有機溶媒に対しても優れた溶解性を示す。このため、高粘度溶媒や低表面張力溶媒を一部、またはほぼ全量使用して低極性有機溶媒系の電荷輸送性ワニスを調製することができる。
このような低極性有機溶媒系の電荷輸送性ワニスは、溶剤耐性が問題となるインクジェット塗布装置にて塗布することができるだけでなく、基板上に絶縁膜や隔壁などの耐溶剤性が問題となる構造物が存在する場合でも用いることができ、その結果、高平坦性を有する非晶質固体薄膜を問題なく作製することができる。
さらに、得られた薄膜は、高電荷輸送性を示すため、正孔注入層または正孔輸送層として使用することで、有機EL素子の駆動電圧を低下させるとともに、素子の長寿命化を実現することができる。
そして、ヘテロポリ酸化合物は一般に高屈折率であることから、有効な光学設計によって光取り出し効率の向上も期待できる。
また、この薄膜は、高平坦性および高電荷輸送性を有しているため、この特性を利用して、当該薄膜を太陽電池のバッファ層あるいは正孔輸送層、燃料電池用電極、コンデンサ電極保護膜、帯電防止膜へ応用することもできる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る電荷輸送性材料は、電荷輸送性物質と、電子受容性ドーパントとしてヘテロポリ酸化合物とを含むものである。電荷輸送性物質は、電子受容性ドーパントと併用して用いられる場合には電荷輸送性ホスト物質ともいう。
ここで、電荷輸送性とは、導電性と同義であり、正孔輸送性、電子輸送性、正孔および電子の両電荷輸送性のいずれかを意味する。本発明の電荷輸送性材料は、それ自体に電荷輸送性があるものでもよく、これから得られる固体膜に電荷輸送性があるものでもよい。
上記ヘテロポリ酸化合物とは、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の酸素酸であるイソポリ酸と、異種元素の酸素酸とが縮合してなるポリ酸である。
この場合、異種元素の酸素酸としては、主にケイ素(Si)、リン(P)、ヒ素(As)の酸素酸が挙げられる。
ヘテロポリ酸化合物の具体例としては、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、リンタングストモリブデン酸、ケイタングステン酸等が挙げられるが、本発明においては、有機溶媒に対する高溶解性、電荷輸送性物質に対する高酸化性、並びに有機EL素子中で用いた場合の駆動電圧低下および寿命向上という点から、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンタングストモリブデン酸が好適であり、リンモリブデン酸が特に好ましい。
なお、これらのヘテロポリ酸化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、リンモリブデン酸(Phosphomolybdic acid hydrate 、または12 Molybdo(VI) phosphoric acid n−hydrate,化学式:H3(PMo1240)・nH2O)は、関東化学(株)、和光純薬(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)等から入手可能である。
本発明の電荷輸送性材料に使用できる電荷輸送性物質としては、使用する有機溶媒に可溶なものであれば特に限定されるものではないが、有機EL用途に用いる場合、100nm以下、通常20〜50nm程度の極薄膜を高均一に作製する必要があるため、電荷輸送性物質は高溶解性を有すること、不純物成分の混入抑制のために分子量分布のないことが好ましく、特に分子量200〜2000の低分子化合物が好ましい。低分子化合物は自身の粘性が低く高均一に塗布成膜を行うことが困難であることが多いため、高粘度溶媒を併用することが望ましく、このことから、電荷輸送性物質は高粘度溶媒への溶解性を有していることが望ましい。
具体的には、従来高溶解性材料として用いられている低分子オリゴアニリン化合物等のアニリン誘導体化合物、低分子オリゴチオフェン化合物等を用いることができる。
ヘテロポリ酸化合物はプロトン酸を含み、NH基を含有する電荷輸送性物質に対して強く電子受容性物質としての機能を発揮することから、電荷輸送性物質としては、アニリン誘導体化合物が好適であり、さらに高い電荷輸送性という点を考慮すると、アニリン単位を3以上有するオリゴアニリン誘導体化合物がより好ましい。
すなわち、ヘテロポリ酸化合物は、通常2つ以上のプロトン性水素を有しており、NH基を複数含有するオリゴアニリン誘導体化合物とともにイオン性の擬似高分子を形成するため、駆動中の素子内でのマイグレーションが抑制され、寿命が向上されやすくなる。さらには後述するようにヘテロポリ酸化合物は、トリフェニルアミン含有化合物に対する酸化性をも有しているため、これを正孔注入層に用いた場合、正孔注入層内の電荷輸送性ホスト物質とだけではなく、隣接する正孔輸送層に含まれる材料に対する酸化も可能となる。
特に、高溶解性および高電荷輸送性を示すとともに、適切なイオン化ポテンシャルを有していることから、下記式(1)で表されるオリゴアニリン誘導体、または式(1)の酸化体であるキノンジイミン誘導体を好適に用いることができ、さらには、溶解性、電荷輸送性、イオン化ポテンシャル(Ip)および本発明のヘテロポリ酸化合物に対する被酸化性の観点から、式(4)または(5)で表されるオリゴアニリン誘導体、またはそれらの酸化体であるキノンジイミン誘導体が最適である。
Figure 0005729496
〔式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、一価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基またはスルホン基を示し、AおよびBは、それぞれ独立して、一般式(2)または(3)で表される二価の基を示す。
Figure 0005729496
(式中、R4〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、一価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基、またはスルホン基を示す。)
mおよびnは、それぞれ独立して、1以上の整数で、m+n≦20を満足する。〕
Figure 0005729496
(式中、R1〜R7、mおよびnは、上記と同じ意味を示す。)
Figure 0005729496
(式中、R2、R4〜R7、R12〜R35、nおよびmは上記と同じ意味を表す。)
なお、キノンジイミン体とは、その骨格中に、下記式で示される部分構造を有する化合物を意味する。
Figure 0005729496
(式中、R4〜R7は上記と同じ。)
上記各式において、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
一価炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビシクロヘキシル基等のビシクロアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1または2または3−ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、キシリル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルシクロヘキシル基等のアラルキル基等や、これらの一価炭化水素基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、スルホン基などで置換されたものが挙げられる。
オルガノオキシ基の具体例としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基などが挙げられ、これらのアルキル基、アルケニル基、アリール基としては、先に例示した基と同様のものが挙げられる。
オルガノアミノ基の具体例としては、フェニルアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ラウリルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基等のジアルキルアミノ基;シクロヘキシルアミノ基、モルホリノ基などが挙げられる。
オルガノシリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリペンチルシリル基、トリヘキシルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基などが挙げられる。
オルガノチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基などのアルキルチオ基が挙げられる。
アシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
リン酸エステル基としては、−P(O)(OQ1)(OQ2)が挙げられる。
エステル基としては、−C(O)OQ1、−OC(O)Q1が挙げられる。
チオエステル基としては、−C(S)OQ1、−OC(S)Q1が挙げられる。
アミド基としては、−C(O)NHQ1、−NHC(O)Q1、−C(O)NQ12、−NQ1C(O)Q2が挙げられる。
ここで、上記Q1およびQ2は、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を示し、これらについては、上記一価炭化水素基で例示した基と同様のものが挙げられる。
上記一価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基およびアミド基などにおける炭素数は、特に限定されるものではないが、一般に炭素数1〜20、好ましくは1〜8である。
好ましい置換基としては、フッ素、スルホン基、オルガノオキシ基、アルキル基、オルガノシリル基等が挙げられる。
なお、置換基において、置換基同士が連結されて環状である部分を含んでいてもよい。
一般式(1)、(4)および(5)において、m+nは、良好な電荷輸送性を発揮させるという点から3以上であることが好ましく、溶媒に対する溶解性を確保するという点から16以下であることが好ましい。
また、式(1)および(4)のオリゴアニリン誘導体は、溶解性を高めるとともに、電荷輸送性を均一にするということを考慮すると、分子量分布のない、換言すれば、分散度が1のオリゴアニリン誘導体であることが好ましい。
その分子量は、材料の揮発の抑制および電荷輸送性発現のために、下限として通常200以上、好ましくは300以上であり、また溶解性向上のために、上限として通常5000以下、好ましくは2000以下である。
これらの電荷輸送性物質は1種類のみを使用してもよく、また2種類以上の物質を組み合わせて使用してもよい。
このような化合物の具体例としては、下記式(6)で表されるN,N,N’,N’−テトラフェニル−p−C−アミノペンタアニリン、式(7)で表されるN−フェニルトリアニリン、式(8)で表されるN−フェニルテトラアニリン、テトラアニリン(アニリン4量体)、オクタアニリン(アニリン8量体)等の有機溶媒に可溶なオリゴアニリン誘導体が挙げられる。
Figure 0005729496
なお、これらの電荷輸送性物質の合成法としては、特に限定されないが、国際公開第2008/129947号記載の方法、オリゴアニリン合成法(ブレティン・オブ・ケミカル・ソサエティ・オブ・ジャパン(Bulletin of Chemical Society of Japan)、1994年、第67巻、p.1749−1752、シンセティック・メタルズ(Synthetic Metals)、米国、1997年、第84巻、p.119−120参照)や、オリゴチオフェン合成法(例えば、ヘテロサイクルズ(Heterocycles)、1987年、第26巻、p.939−942、ヘテロサイクルズ(Heterocycles)、1987年、第26巻、p.1793−1796参照)等が挙げられる。
また、オリゴアニリン誘導体化合物を酸化してキノンジイミン化合物とする方法としては、国際公開第2008/01047号記載の方法等が挙げられる。
本発明に係る電荷輸送性ワニスは、上述した電荷輸送性物質と、電子受容性ドーパントとしてヘテロポリ酸化合物とを含んで構成される電荷輸送性材料と、有機溶媒とを含み、電荷輸送性物質およびヘテロポリ酸化合物が、有機溶媒に均一に溶解しているものである。
電荷輸送性ワニスを調製する際に用いられる有機溶媒としては、電荷輸送性物質およびヘテロポリ酸化合物の溶解能を有する良溶媒を用いることができる。
ここで、良溶媒とは、溶媒分子の極性が高く、高極性化合物を良く溶解することのできる溶媒を意味する。
このような良溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、または2種以上混合して用いることができ、その使用量は、ワニスに使用する溶媒全体に対して5〜100質量%とすることができる。
本発明で用いるヘテロポリ酸化合物は、有機溶媒に対する溶解性に優れているため、上記良溶媒とともに、高粘度溶媒および/または低表面張力溶媒を用いることもできる。良溶媒、高粘度溶媒および低表面張力溶媒は、それぞれお互いの性質を兼ねていてもよい。
高粘度溶媒とは、各種塗布装置における噴霧や塗布に適した粘性を付与して均一なウェット膜を形成し、焼成時にはウェット膜の凝集や凹凸の発生を抑制しながら溶媒揮発を生じさせ、高度な膜厚均一性を有する薄膜を形成し得る溶媒を意味する。
高粘度溶媒としては、25℃で10〜200mPa・s、特に50〜150mPa・sの粘度を有するものが挙げられ、具体的には、常圧で沸点50〜300℃、特に150〜250℃の高粘度溶媒であるシクロヘキサノール、エチレングリコール、1,3−オクチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等が好適である。
これらの高粘度溶媒を使用する場合、その使用割合は、ワニス中の溶媒全体に対して10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
低表面張力溶媒とは、表面張力の低下、揮発性の付与等によって基板に対する濡れ性の向上や、各種塗布装置における噴霧や塗布に適した物性を付与したり、塗布装置に対する腐食性の低下を可能にしたりする溶媒を意味する。
このような低表面張力溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、p−キシレン、o−キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルn−アミルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、酢酸i−ブチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸n−ヘキシル、カプロン酸メチル、酢酸−2−メチルペンチル、乳酸n−エチル、乳酸n−ブチル等のエステル類;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール等のグリコールエステルまたはグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、アリルアルコール、n−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、n−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、1−メトキシ−2−ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、i−プロピルエーテル、1,4−ジオキサン、酢酸、γ−ブチルラクトン等のエーテルまたはカルボン酸類などが挙げられる。
良溶媒と高粘度溶媒および/または低表面張力溶媒とを併用する場合、それらの使用割合は特に限定されるものではないが、高粘度溶媒や低表面張力溶媒の使用割合を多くすると、上述のように、粘度の向上、表面張力の低下、揮発性の付与、基板表面に対する塗れ性の向上、塗布、噴霧性の向上等の新たな好ましい物性を付与することが可能となる。また、得られたワニスの極性が低くなる結果、溶剤耐性が問題となる塗布装置や基板などを用いることができるようになり、その応用範囲が広がる。
低表面張力溶媒を使用する場合には、具体的に良溶媒と高粘度溶媒および/または低表面張力溶媒との比率は、質量比で9:1〜1:9程度が好ましく、1:1〜1:4程度がより好ましい。
また、溶媒を2種以上混合して用いる場合には、良溶媒の沸点はその他の溶媒と同等かまたはそれ以上であることが望ましい。
電荷輸送性ワニスの調製法としては、特に限定されるものではなく、各成分および溶媒を任意の順序で混合して調製することができるが、上述したヘテロポリ酸化合物は、一旦、良溶媒に溶解させると、より極性の低い高粘度溶媒および/または低表面張力溶媒を添加しても析出が生じにくいという性質を有しているため、電荷輸送性物質およびヘテロポリ酸化合物を良溶媒に溶解させた溶液に対し、高粘度溶媒および/または低表面張力溶媒を加えて調製することが好ましい。
このような手法を用いると、電荷輸送性ワニス中における高粘度溶媒や低表面張力溶媒の割合を増加させることができる。
電荷輸送性ワニスの固形分濃度は、特に限定されるものではないが、通常、0.01〜50質量%程度であり、0.1〜200nmの薄膜を形成させることを考慮すると、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
また、電荷輸送性物質とヘテロポリ酸化合物との混合割合は、特に限定されるものではないが、得られる薄膜の電荷輸送性をより向上させることを考慮すると、質量比で、電荷輸送性物質:ヘテロポリ酸化合物=1:0.01〜10.0が好ましく、1:0.05〜4.0がより好ましい。
電荷輸送性ワニスの粘度は、特に限定されるものではないが、スピンコート法、インクジェット法あるいはスプレーコート法で0.1〜200nmの薄膜を高い膜厚均一性で作製することを考慮すると、25℃で1〜100mPa・sが好ましく、3〜30mPa・sがより好ましく、5〜20mPa・sがより一層好ましい。
本発明の電荷輸送性ワニスでは、その電荷輸送能等を向上させるために、必要に応じて上述したヘテロポリ酸化合物以外のドーパント物質を、電荷輸送性物質に対して、0.1〜90質量%程度の添加量で用いてもよい。
ドーパント物質としては、高い電子受容性を有する電子受容性ドーパント物質が好ましい。ドーパント物質の溶解性に関しては、ワニスに使用する少なくとも一種の溶媒に溶解するものであれば特に限定されない。
電子受容性ドーパント物質の具体例としては、塩化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機強酸;塩化アルミニウム(III)(AlCl3)、四塩化チタン(IV)(TiCl4)、三臭化ホウ素(BBr3)、三フッ化ホウ素エーテル錯体(BF3・OEt2)、塩化鉄(III)(FeCl3)、塩化銅(II)(CuCl2)、五塩化アンチモン(V)(SbCl5)、五フッ化砒素(V)(AsF5)、五フッ化リン(PF5)、トリス(4−ブロモフェニル)アルミニウムヘキサクロロアンチモナート(TBPAH)等のルイス酸;ベンゼンスルホン酸、トシル酸、カンファスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、国際公開第2005/000832号記載の1,4−ベンゾジオキサンジスルホン酸誘導体、国際公開第2006/025342号記載のアリールスルホン酸誘導体、特開2005−108828号公報記載のジノニルナフタレンスルホン酸誘導体等の有機強酸;7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、ヨウ素等の有機または無機酸化剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に好ましい電子受容性ドーパント物質としては、5−スルホサリチル酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、国際公開第2005/000832号記載の1,4−ベンゾジオキサンジスルホン酸誘導体、特開2005−108828号公報記載のジノニルナフタレンスルホン酸誘導体、国際公開第2006/025342号記載のナフタレンジスルホン酸誘導体等の有機強酸である電子受容性ドーパント物質が挙げられる。
以上で説明した電荷輸送性ワニスを基材上に塗布し、溶媒を蒸発させることで基材上に電荷輸送性薄膜を形成させることができる。
ワニスの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り、インクジェット法、スプレー法、スリットコート法等が挙げられる。
溶媒の蒸発法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレートやオーブンを用いて、適切な雰囲気下、すなわち、大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で蒸発させればよい。これにより、均一な成膜面を有する薄膜を得ることが可能である。
焼成温度は、溶媒を蒸発させることができれば特に限定されないが、40〜250℃で行うことが好ましい。この場合、より高い均一成膜性を発現させたり、基材上で反応を進行させたりする目的で、2段階以上の温度変化をつけてもよい。
電荷輸送性薄膜の膜厚は、特に限定されないが、有機EL素子内で電荷注入層として用いる場合、0.1〜200nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、10〜50nmがさらに好ましい。膜厚を変化させる方法としては、ワニス中の固形分濃度を変化させたり、塗布時の基板上の溶液量を変化させたりする等の方法がある。
本発明の電荷輸送性ワニスを用いてOLED素子を作製する場合の使用材料や、作製方法としては、下記のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
使用する電極基板は、洗剤、アルコール、純水等による液体洗浄を予め行って浄化しておくことが好ましく、例えば、陽極基板では使用直前にオゾン処理、酸素−プラズマ処理等の表面処理を行うことが好ましい。ただし陽極材料が有機物を主成分とする場合、表面処理を行わなくともよい。
正孔輸送性ワニスをOLED素子に使用する場合、以下の方法を挙げることができる。
陽極基板上に当該正孔輸送性ワニスを塗布し、上記の方法により蒸発、焼成を行い、電極上に正孔輸送性薄膜を作製して正孔注入層または正孔輸送層とする。これを真空蒸着装置内に導入し、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極金属を順次蒸着してOLED素子とする。ただし、必要に応じていずれか一層または複数層を除いて素子を作製してもよい。発光領域をコントロールするために任意の層間にキャリアブロック層を設けてもよい。
陽極材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)に代表される透明電極が挙げられ、平坦化処理を行ったものが好ましい。高電荷輸送性を有するポリチオフェン誘導体やポリアニリン誘導体を用いることもできる。
正孔輸送層を形成する材料としては、(トリフェニルアミン)ダイマー誘導体(TPD)、(α−ナフチルジフェニルアミン)ダイマー(α−NPD)、[(トリフェニルアミン)ダイマー]スピロダイマー(Spiro−TAD)等のトリアリールアミン類、4,4’,4”−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4”−トリス[1−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(1−TNATA)等のスターバーストアミン類、5,5”−ビス−{4−[ビス(4−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−2,2’:5’,2”−ターチオフェン(BMA−3T)等のオリゴチオフェン類を挙げることができる。
本発明で用いるヘテロポリ酸化合物に対して還元性を有している正孔輸送材料は、有機EL素子特性における駆動電圧低下の観点において好ましい。特にトリフェニルアミン、トリアリールアミン類あるいはスターバーストアミン類は、本発明で用いるヘテロポリ酸化合物によって酸化されやすいため、これらの化合物を含む層を、当該へテロポリ酸化合物を含有する正孔注入層に隣接する正孔輸送層として使用すると好適である。
発光層を形成する材料としては、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)(Alq3)、ビス(8−キノリノラート)亜鉛(II)(Znq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)(BAlq)および4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)等が挙げられ、電子輸送材料または正孔輸送材料と発光性ドーパントとを共蒸着することによって、発光層を形成してもよい。
電子輸送材料としては、Alq3、BAlq、DPVBi、(2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、バソクプロイン(BCP)、シロール誘導体等が挙げられる。
発光性ドーパントとしては、キナクリドン、ルブレン、クマリン540、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)、(1,10−フェナントロリン)−トリス(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオナート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)3phen)等が挙げられる。
キャリアブロック層を形成する材料としては、PBD、TAZ、BCP等が挙げられる。
電子注入層を形成する材料としては、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al23)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、Liq、Li(acac)、酢酸リチウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。
陰極材料としては、アルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられる。
また、電子輸送性ワニスをOLED素子に使用する場合、以下の方法を挙げることができる。
陰極基板上に当該電子輸送性ワニスを塗布して電子輸送性薄膜を作製し、これを真空蒸着装置内に導入し、上記と同様の材料を用いて電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層を形成した後、陽極材料をスパッタリング等の方法により成膜してOLED素子とする。
本発明の電荷輸送性ワニスを用いたPLED素子の作製方法は、特に限定されないが、以下の方法が挙げられる。
上記OLED素子作製において、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の真空蒸着操作を行う代わりに、発光性電荷輸送性高分子層を形成することによって本発明の電荷輸送性ワニスによって形成される電荷輸送性薄膜を含むPLED素子を作製することができる。
具体的には、陽極基板上に、本発明の電荷輸送性ワニス(正孔輸送性ワニス)を塗布して上記の方法により正孔輸送性薄膜を作製し、その上部に発光性電荷輸送性高分子層を形成し、さらに陰極電極を蒸着してPLED素子とする。発光効率向上および素子寿命向上のために、正孔輸送性薄膜と発光性高分子層の間にインターレイヤーを設けてもよい。
使用する陰極および陽極材料としては、上記OLED素子作製時と同様の物質が使用でき、同様の洗浄処理、表面処理を行うことができる。
発光性電荷輸送性高分子層の形成法としては、発光性電荷輸送性高分子材料、またはこれに発光性ドーパントを加えた材料に溶媒を加えて溶解するか、均一に分散し、正孔注入層を形成してある電極基板に塗布した後、溶媒の蒸発により成膜する方法が挙げられる。
発光性電荷輸送性高分子材料としては、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)等のポリフルオレン誘導体、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)等のポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVCz)などが挙げられる。
溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロホルム等を挙げることができ、溶解または均一分散法としては撹拌、加熱撹拌、超音波分散等の方法が挙げられる。
塗布方法としては、特に限定されるものではなく、インクジェット法、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、スリットコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り等が挙げられる。なお、塗布は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが望ましい。
溶媒の蒸発法としては、不活性ガス下または真空中、オーブンまたはホットプレートで加熱する方法が挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお使用したヘテロポリ酸化合物中の正確な水分量が不明であるため、以下に記載する固形分濃度は秤量値のまま水分量を差し引かずに算出した。秤量に際しても水分除去等の前処理は行わず、購入した化合物をそのまま使用した。
[1]電荷輸送性ワニスおよび電荷輸送性薄膜の作製
[実施例1]
上記式(6)で表されるN,N,N’,N’−テトラフェニル−p−C−アミノペンタアニリン(以下、TPAPAと略す)270mgおよびリンモリブデン酸(関東化学(株)製、以下、PMAと略す)540mgの混合物に対し、窒素雰囲気中で良溶媒であるDMI11.47gを加えて溶解した。この溶液に、プロピレングリコール5.73gおよび40℃まで加熱して融解させたシクロヘキサノール17.20gを加え、室温まで放冷して緑黒色透明溶液を得た。
得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、緑黒色透明の電荷輸送性ワニスを得た(固形分濃度2.3質量%、粘度11mPa・s、25℃)。
30分間オゾン洗浄を行ったITO基板上に、得られたワニスをスピンコート法により塗布し、ホットプレート上、大気中220℃で30分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。
なお、式(6)で表されるTPAPAは国際公開第2008/129947号記載の方法に従って合成した。
[実施例2]
上記式(8)で表されるN−フェニルテトラアニリン(以下、PTAという)270mgおよびPMA540mgの混合物に対し、窒素雰囲気中で良溶媒であるDMI11.47gを加えて溶解した。この溶液に、プロピレングリコール5.73gおよび40℃まで加熱して融解させたシクロヘキサノール17.20gを加え、室温まで放冷して緑黒色透明溶液を得た。
得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、緑黒色透明の電荷輸送性ワニスを得た(粘度11mPa・s、25℃)。
30分間オゾン洗浄を行ったITO基板上に、得られたワニスをスピンコート法により塗布し、ホットプレート上、大気中220℃で30分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。
なお、上記式(8)で表されるPTAは、ブレティン・オブ・ケミカル・ソサエティ・オブ・ジャパン(Bulletin of Chemical Society of Japan)、1994年、第67巻、p.1749−1752に記載されている方法に従って合成した。
[実施例3]
下記式(9)で表される酸化型N,N,N’,N’−テトラフェニル−p−C−アミノテトラアニリン(以下、ox−TPATAと略す)270mgおよびPMA540mgの混合物に対し、窒素雰囲気中で良溶媒であるDMI11.47gを加えて溶解した。この溶液に、プロピレングリコール5.73gおよび40℃まで加熱して融解させたシクロヘキサノール17.20gを加え、室温まで放冷して緑黒色透明溶液を得た。
得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、緑黒色透明の電荷輸送性ワニスを得た(固形分濃度2.3質量%、粘度11mPa・s、25℃)。
30分間オゾン洗浄を行ったITO基板上に、得られたワニスをスピンコート法により塗布し、ホットプレート上、大気中220℃で30分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。
なお、式(9)で表されるox−TPATAは国際公開第2008/129947号および国際公開第2008/01047号記載の方法に従って合成した。
Figure 0005729496
[実施例4]
PTA200mg、NSO−2 204mgおよびPMA204mgの混合物に対し、窒素雰囲気中で良溶媒であるDMI13.30gを加えて溶解した。この溶液に、プロピレングリコール6.65gおよび40℃まで加熱して融解させたシクロヘキサノール19.95gを加え、室温まで放冷して緑黒色透明溶液を得た。
得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、緑黒色透明の電荷輸送性ワニスを得た(粘度11mPa・s、25℃)。
30分間オゾン洗浄を行ったITO基板上に、得られたワニスをスピンコート法により塗布し、ホットプレート上、大気中220℃で30分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。
なお、下式で示されるNSO−2は、国際公開第2006/025342号に従って合成した。
Figure 0005729496
[実施例5]
TPAPA200mgおよびPMA400mgの混合物に対し、窒素雰囲気中でDMI13.79gを加えて溶解した。この溶液に、2,3−ブタンジオール19.70gおよび酢酸−n−ヘキシル5.91gを加え、室温で撹拌して緑黒色透明溶液を得た。
得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、緑黒色透明の電荷輸送性ワニスを得た(粘度8mPa・s、25℃)。
30分間オゾン洗浄を行ったITO基板上に、スプレー塗布装置(NVD200、(株)藤森技術研究所製)を用いて、得られたワニスをスプレーコート法により塗布し、ホットプレート上、大気中220℃で30分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。
[比較例1]
PTA50mgおよびNSO−2 102mgの混合物に対し、窒素雰囲気中でDMI1.68mLを加えて溶解した。この溶液に、プロピレングリコール0.85mLおよび40℃まで加熱して融解させたシクロヘキサノール2.78mLを加え、室温まで放冷して緑色透明溶液を得た。
得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、緑色透明の電荷輸送性ワニスを得た(粘度11mPa・s、25℃)。
30分間オゾン洗浄を行ったITO基板上に、得られたワニスをスピンコート法により塗布し、ホットプレート上、大気中220℃で30分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。
[比較例2]
PEDOT/PSS(H.C.Starck社製、グレード名CH8000)をスピンコート法によりITO基板上に塗布し、ホットプレート上、大気中100℃で60分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。
[比較例3]
電荷輸送性ホスト物質としてPTAを用い、電荷受容性ドーパント物質として酸化モリブデン(関東化学(株)製、MoO3)、モリブデン酸(関東化学(株)製、H2MoO4)、モリブデン酸アンモニウム(関東化学(株)製、(NH46Mo724)、酸化タングステン(関東化学(株)製、WO3)、酸化バナジウム(関東化学(株)製、V25)、酸化マンガン(関東化学(株)製、MnO2)を用いて電荷輸送性ワニスの調製を試みたが、それぞれ上記良溶媒に対して溶解性が極めて低いことから均一溶液は得られなかった。
[比較例4]
PTA100mgおよび酢酸マンガン(関東化学(株)製、Mn(OCOCH33)200mgの混合物に対し、窒素雰囲気中でDMI5.70gを加えて溶解した。PTAの酸化(脱水素)反応が生じて液は黒色化し、黒色固体が析出した。PMAを用いた場合にはPTAの脱水素反応は生じないことから固体の析出は無く、酢酸マンガンは電荷輸送性ワニスの安定性において、より劣っていることがわかる。なお、国際公開第2008/01047号に示されているとおり、PTAの酸化体(キノンジイミン体)は溶解性が低く、固体析出が生じやすいため、電荷輸送性ワニスの状態および塗布時には酸化体を含まないことが望ましい。ただし、その後、電荷輸送性向上の観点から大気中で焼成して基板上で酸化体を生成させることが望ましい。N−フェニルトリアニリンおよびその類縁体では酸化(脱水素)によっても固体の析出が生じにくいがその数は絞られるため、酢酸マンガンでは適用可能なホスト物質の範囲が狭いことがわかる。
実施例1〜5および比較例1,2のワニスの固形分濃度、薄膜の膜厚およびイオン化ポテンシャル(Ip)を表1に示す。また、実施例1および2で得られた薄膜の450nmおよび650nmにおける屈折率を併せて表1に示す。
なお、イオン化ポテンシャルは、理研計器(株)製 光電子分光装置 AC−2を使用して測定した。膜厚は、(株)小坂研究所製 サーフコーダET−4000Aを使用して測定した。屈折率は、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製 M−2000を使用して測定した。
Figure 0005729496
[2]OLED素子の作製
[実施例6]
実施例4と同様の方法によりITO基板上に正孔輸送性薄膜を形成した後、この基板を真空蒸着装置内に導入し、α−NPD、容量比7%のルブレンをドープしたAlq3、Alq3、LiF、Alを順次蒸着し、OLED素子を作製した(発光面積:4mm2)。膜厚は、それぞれ30nm、30nm、30nm、0.8nm、150nmとし、それぞれ2×10-4Pa以下の圧力となってから蒸着操作を行った。蒸着レートは、α−NPDおよびAlq3では0.1〜0.2nm/s、ルブレンおよびLiFでは0.01〜0.02nm/s、Alでは0.2〜0.4nm/sとした。蒸着操作間の移動操作は真空中で行った。
[比較例5]
比較例1と同様の方法によりITO基板上に電荷輸送性薄膜を形成した後、実施例6と同様の方法で各膜を蒸着し、OLED素子を作製した(発光面積:4mm2)。
実施例6および比較例5で得られたOLED素子の特性を、有機EL発光効率測定装置(EL1003、プレサイスゲージ(株)製)を使用して測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 0005729496
表2に示されるように、実施例6で得られたOLED特性は、比較例5のそれと比較して半減輝度時間が著しく長く、寿命特性が良好であることがわかる。また、電流密度、電圧に関してもほぼ同等であることがわかる。
[実施例7〜9]
実施例1〜3と同様の方法によりITO基板上に正孔輸送性薄膜をそれぞれ形成した後、この基板をそれぞれ真空蒸着装置内に導入し、α−NPD、Alq3、LiF、Alを順次蒸着し、OLED素子を作製した(発光面積:100mm2)。膜厚は、それぞれ40nm、60nm、0.8nm、150nmとし、それぞれ2×10-4Pa以下の圧力となってから蒸着操作を行った。蒸着レートは、α−NPDおよびAlq3では0.1〜0.2nm/s、LiFでは0.01〜0.02nm/s、Alでは0.2〜0.4nm/sとした。蒸着操作間の移動操作は真空中で行った。
[比較例6]
正孔注入層を設けず、正孔輸送層であるα−NPDの膜厚を70nmとした以外は、実施例7と同様にして、OLED素子を作製した。
[比較例7]
PEDOT/PSS(H.C.Starck社製、グレード名AI4083)をスピンコート法によりITO基板上に塗布し、ホットプレート上、100℃で60分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。
この基板を用いた以外は、実施例7と同様にして、正孔注入層がPEDOT/PSS薄膜であるOLED素子を作製した。
実施例7〜9および比較例6,7で得られたOLED素子の特性を測定した結果を表3に示す。
Figure 0005729496
表3に示されるように、実施例7〜9の素子中の正孔注入層を構成する薄膜は、PEDOT/PSS薄膜と比べて平坦性が極めて高いため、発光面積100mm2でも特性の安定性に問題がなかった。寿命において、発光面積が大きいにもかかわらず同等以上であり、特に適切なホスト材料との組み合わせによって、大きく改善されることがわかる。
[3]導電率測定
[実施例10]
導電率測定を行うために以下の実験を行った。溶媒をDMAcに変更した以外は、実施例2と同様の方法を用いて、電荷輸送性ワニスとして、PTA/PMA(質量比1/2)の30質量%DMAc溶液を調製した。なお、導電率測定においてはサンプル薄膜自体の抵抗値が測定素子の抵抗を充分に上回る必要があり、厚膜を形成させる必要がある。そのため高濃度ワニスを調製した。
30分間オゾン洗浄を行ったITO基板上に、得られたワニスをスピンコート法により塗布し、ホットプレート上、大気中220℃で30分間焼成して膜厚360nmの電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。
[比較例8]
PEDOT/PSS(H.C.Starck社製、グレード名CH8000)をスピンコート法によりITO基板上に塗布し、ホットプレート上、大気中100℃で60分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。
上記実施例10および比較例8で得られた薄膜の導電率を表4に示す。
なお、導電率は、得られたそれぞれの基板を真空蒸着装置内に導入し、蒸着マスクによってAlを膜厚150nm蒸着したサンドイッチ型素子(ITO/sample/Al(150nm))を用いて測定した(電極面積0.2mm2、電流密度100mA/cm2時)。
Figure 0005729496
表4に示されるように、実施例10で用いたPTA/PMAは導電率の電界依存性が小さく、わずかな電圧で良好な電荷輸送性を示し、正孔注入層材料として充分な高導電率を示した(一般に10-7S/cm以上が必要)。なお、電極からの電界注入障壁が小さい材料では、Ip値は正孔輸送材料に近い値かより深い値、すなわち5.4eV程度かより深い値であることが望ましいが、Ip値は適正な範囲であった。
[4]トリアリールアミン含有材料に対する酸化性評価
[実施例11]
現在、正孔注入層に隣接して積層される正孔輸送層には、ほとんどトリフェニルアミン含有材料をはじめとしたトリアリールアミン含有材料が使用されている。本発明のヘテロポリ酸化合物のトリフェニルアミン含有化合物に対する酸化性について評価するため、以下の実験を行った。
トリフェニルアミン含有化合物は正孔輸送層材料として使用されているその他のトリアリールアミン含有化合物と物性が類似しているため、これによりトリアリールアミン系正孔輸送層材料全般に対する酸化性を評価できる。正孔輸送層材料に対して酸化性を有するということは、正孔輸送層の一部に静電的にキャリアを生成させることができることを意味しており、これにより有機EL素子における駆動電圧を低下させることが可能となる。
下式で示されるトリフェニルアミン2量体0.15gおよび上記リンモリブデン酸0.30g(重量比でトリフェニルアミン2量体の2倍)に対し、DMI7.05gを加え、60℃で加熱撹拌して溶解し、室温まで放冷して均一溶液を得た。
得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、淡褐色透明の電荷輸送性ワニスを得た(固形分濃度6.0質量%)。
30分間オゾン洗浄を行った石英基板上に、得られたワニスをスピンコート法により塗布し、ホットプレート上、大気中150℃で30分間焼成して電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜は均一な非晶質固体であった。得られた薄膜のUV−VISスペクトルを測定した(測定装置:UV−3100、(株)島津製作所製)ところ、550nmおよび730nmにブロードの吸収ピークが発生した。
Figure 0005729496
トリフェニルアミン2量体のみの薄膜およびリンモリブデン酸のみの薄膜ではこれらの吸収ピークは存在しないことから、この吸収ピークトリフェニルアミン2量体のカチオンあるいはジカチオン由来と考えられる。なおトリアリールアミン系材料のカチオン生成についてはα−NPDを用いた研究がよく行われており、カチオンでは490nmおよび1330nmに吸収ピークが発生し、作用させる酸化剤を増量させることでジカチオン由来である610nmおよび810nmへと吸収ピークが移行することがわかっている。
以上の結果より、リンモリブデン酸はトリフェニルアミン2量体に対する酸化性を有していることがわかる。このことから、リンモリブデン酸からなる正孔注入層はトリフェニルアミンあるいはその類縁骨格を含有する正孔輸送材料からなる正孔輸送層に対し、その接触界面を酸化してドーピング層を形成することが可能であり、それにより有機EL素子の駆動電圧低下に寄与しうることがわかる。
[比較例9]
実施例5におけるリンモリブデン酸をジノニルナフタレンジスルホン酸(Aldrich製)に変更した以外は、同様にして電荷輸送性薄膜を形成した。得られた薄膜のUV−VISスペクトルを測定したところ、それぞれの単体膜で得られる吸収ピーク以外の新たな吸収ピークは発生しなかった。5−スルホサチリル酸はトリフェニルアミン2量体に対する酸化性を有していないことがわかる。

Claims (13)

  1. 分子量が200〜5000のアニリン誘導体化合物または分子量が200〜5000のオリゴチオフェン化合物を含む電荷輸送性物質と、電子受容性ドーパントとしてヘテロポリ酸化合物とを含むことを特徴とする電荷輸送性材料。
  2. 前記電荷輸送性物質が、分子量が200〜5000のアニリン誘導体化合物を含む請求項1記載の電荷輸送性材料。
  3. 前記電荷輸送性物質が、分子量が200〜2000のアニリン誘導体化合物または分子量が200〜2000のオリゴチオフェン化合物を含む請求項1記載の電荷輸送性材料。
  4. 前記電荷輸送性物質が、分子量が200〜2000のアニリン誘導体化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の電荷輸送性材料。
  5. 前記電荷輸送性物質と、前記へテロポリ酸化合物との比が、質量比で、電荷輸送性物質1に対して、ヘテロポリ酸化合物が0.01〜10.0である請求項1〜4のいずれか1項記載の電荷輸送性材料。
  6. 前記ヘテロポリ酸化合物が、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、リンタングストモリブデン酸又はケイタングステン酸を含む請求項1〜5のいずれか1項記載の電荷輸送性材料。
  7. 有機エレクトロルミネッセンス素子用である請求項1〜6のいずれか1項記載の電荷輸送性材料。
  8. 前記アニリン誘導体化合物が、下記式(1)で表されるオリゴアニリン誘導体、または式(1)の酸化体であるキノンジイミン誘導体である請求項〜6のいずれか1項記載の電荷輸送性材料。
    Figure 0005729496
    〔式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、一価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基またはスルホン基を示し、AおよびBは、それぞれ独立して、一般式(2)または(3)で表される二価の基を示す。
    Figure 0005729496
    (式中、R4〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、一価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基、またはスルホン基を示す。)
    mおよびnは、それぞれ独立して、1以上の整数で、m+n≦20を満足する。〕
  9. 前記アニリン誘導体化合物が、式(4)で表されるオリゴアニリン誘導体、または式(4)の酸化体であるキノンジイミン誘導体である請求項8記載の電荷輸送性材料。
    Figure 0005729496
    (式中、R1〜R7、mおよびnは、前記と同じ意味を示す。)
  10. 前記アニリン誘導体化合物が、式(5)で表されるオリゴアニリン誘導体、または式(5)の酸化体であるキノンジイミン誘導体である請求項8記載の電荷輸送性材料。
    Figure 0005729496
    (式中、R2、R4〜R7、nおよびmは前記と同じ意味を表す。R12〜R35は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基、スルホン基またはハロゲン原子を示す。)
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の電荷輸送性材料を含む電荷輸送性薄膜。
  12. 分子量が200〜5000のアニリン誘導体化合物または分子量が200〜5000のオリゴチオフェン化合物を含む電荷輸送性物質と、ヘテロポリ酸を混合することを特徴とする請求項1記載の電荷輸送性材料の製造方法。
  13. 前記電荷輸送性物質と、前記ヘテロポリ酸とを、溶媒中で混合することを特徴とする請求項12記載の製造方法。
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