JP2007250466A - 導電性高分子被覆材及び金属被覆方法 - Google Patents

導電性高分子被覆材及び金属被覆方法 Download PDF

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Abstract

【課題】銅などの金属基体に導電性高分子層が被覆された導電性高分子被覆材において金属が腐食し易い環境で使用しても、電気伝導特性を損なうことなく、金属の溶解や絶縁被膜生成を抑制でき、長期的な使用に耐える導電性高分子被覆材を提供。また、金属基体との密着性に優れ、均一な導電性高分子を被覆することができる金属被覆方法を提供。
【解決手段】金属基体を導電性高分子層(A)にて被覆した導電性高分子被覆材において、導電性高分子層(A)のドーパントがカルボン酸アニオンであることを特徴とする導電性高分子被覆材。更に緻密な導電性高分子層(B)を有することが好ましい。また、金属基体の表面に酸化物層を形成し、その後、モノマーおよびカルボン酸アニオンを含有する電解液中で電解重合することによって導電性高分子層を形成し、さらに該導電性高分子層上に緻密な導電性高分子層を形成する金属被覆方法。
【選択図面】なし

Description

本発明は、銅などの金属基体に防食層かつ導電層として機能する導電性高分子層が形成された導電性高分子被覆材及び該導電性高分子による金属被覆方法に関するものであり、特に酸性雰囲気下やハロゲン化物溶液など金属が腐食し易い環境で、長期に渡って優れた防食性及び導電性を発揮する導電性高分子被覆材及び導電性高分子による金属被覆方法に関するものである。
銅は他の金属に比べ電気抵抗が非常に低いために、配線材料として幅広く用いられている。しかしながら、腐食し易いために、一般的には腐食環境下では防食加工した上で使用される。現在、銅などの金属基体の主な防食方法としては、有機材料または無機材料により表面を被覆する方法、金属が腐食し易い環境下においてベンゾトリアゾールなどの腐食抑制剤を浴液中に添加する方法、電気化学的に腐食電流を抑える電気防食法などが挙げられる。
ところで、配線材料や集電材料などのような用途の場合、防食性だけではなく電気伝導性をも求められる。例えば、金属薄板やフレキシブルプリント基板の連続めっき装置で用いられる給電用ロール、小型電源として期待されている固体高分子形燃料電池のセパレータなどである。それらの用途に適した材料はめっきなどによる貴金属被覆、導電性塗料を塗膜された材料が挙げられる。
しかしながら、貴金属材料は非常に高価のため、厚めっきは困難である。コストを下げるために、薄めっきを行った場合、ピンホール等に代表されるめっき欠陥によって、局部電池が形成され腐食が進行するなどの問題があり、信頼性にも劣っていた。また、貴金属めっき浴は有害なシアン化合物などが含まれており、環境負荷が高いことも問題となっている。さらに、金属セパレータ等のような凹凸が多く複雑な形状の基体には、均一に導電性塗料を塗布することが困難である。
これらの問題に対して、様々な方法が提案されている。特許文献1では、金属基体上に、上側の層をより卑なNi層となるように、電極電位が異なるNiめっき層を2層設け、さらにAuめっきを最上層に形成することによって、ピンホールに起因する孔食を防止し、金属基体の寿命を向上させる方法が開示されている。また、特許文献2では、導電性塗料を電着塗装により均一に形成する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法は、下地金属に2つのNi層と金めっき層とを有するものであるが、金めっき層のピンホールと卑な電極電位であるNiめっき層によって局部電池が形成されるために、卑なNiめっき層は溶解するが、この自己犠牲によって貴なNiめっき層と金属基体を保護する機構であるが、該電極電位の低いNiめっき層は腐食が進行し続け、最終的には該Niめっき層の消失に伴い、その効果も消える。また、特許文献2の方法は、導電性粉末を塗膜形成用必須成分として含有する電着塗料組成物を用いたものであるが、導電性粉末として炭化タングステン粉末などが用いられており、これらの粉末は非常に高価である。また、電着塗料組成物は樹脂成分が多く含有されるために、高い電気伝導性を達成することが困難である。
また、これらの問題を克服するために、防食性と導電性を兼ね備え、低コストで均一な被覆膜が形成できる方法として、金属基体に電解重合によって導電性高分子を被覆する方法が考えられる。しかしながら、銅基体へ適応する場合、従来用いられてきた支持電解質を用いた電解重合液や基体処理法では、金属基体の溶解反応が優先的に起こり、良好な被膜の形成ができないという問題点があった。従って、銅基体上に密着性、防食性、導電性に優れた導電性高分子膜を被覆した材料を得ることは困難であった。
特開2001−234361号公報 特開2004−031166号公報
本発明の目的は、銅などの金属基体に導電性高分子層が被覆された導電性高分子被覆材において、酸性雰囲気やハロゲン化物溶液など金属が腐食し易い環境で使用しても、金属がもつ良好な電気伝導特性を損なうことなく、金属の溶解や絶縁被膜生成を抑制でき、長期的な使用に耐える導電性高分子被覆材を提供することである。また、そのような防食性、導電性に優れる被覆材を得る際に好適に用いることができ、金属基体との密着性に優れ、均一な導電性高分子を被覆することができる金属被覆方法を提供することである。
本発明者らは、銅など金属基体に導電性高分子を被覆する方法について鋭意研究を進めた結果、金属基体の表面処理方法および金属基体に形成する導電性高分子のドーパントを適切に選択することによって、電解重合法を用いて導電性高分子膜を良好に形成できることを見出した。また、そのような方法によって得られる導電性高分子被覆材は、金属基体が持つ良好な電気伝導特性を損なわず導電性に優れ、長期的な防食性を持つことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下(1)〜(9)に示したものである。
(1)金属基体を導電性高分子層(A)にて被覆した導電性高分子被覆材において、導電性高分子層(A)のドーパントがカルボン酸アニオンであることを特徴とする導電性高分子被覆材。
(2)前記金属基体が銅又はその合金であることを特徴とする1に記載の導電性高分子被覆材。
(3)1又は2に記載の導電性高分子被覆材において、更に緻密な導電性高分子層(B)を有することを特徴とする導電性高分子被覆材。
(4)緻密な導電性高分子層(B)のドーパントがスルホン酸アニオンであることを特徴とする3に記載の導電性高分子被覆材。
(5)緻密な導電性高分子層(B)のドーパントがベンゼン縮合環及び/又は2つ以上の芳香環を有するスルホン酸アニオンであることを特徴とする4に記載の導電性高分子被覆材。
(6)緻密な導電性高分子層(B)のドーパントが電気化学的に可逆である酸化還元活性を示すスルホン酸アニオンであることを特徴とする4又5に記載の導電性高分子被覆材。
(7)緻密な導電性高分子層(B)のドーパントがキノン構造と1つ以上の芳香環を含むスルホン酸アニオンであることを特徴とする4〜6のいずれかに記載の導電性高分子被覆材。
(8)緻密な導電性高分子層(B)のドーパントがヘテロポリ酸アニオンであることを特徴とする3に記載の導電性高分子被覆材。
(9)金属基体の表面に酸化物層を形成し、その後、モノマーおよびカルボン酸アニオンを含有する電解液中で電解重合することによって導電性高分子層を形成し、さらに該導電性高分子層上に緻密な導電性高分子層を形成する金属被覆方法。
金属基体表面を前記特定の方法による処理後、モノマーおよびカルボン酸アニオンを含有する電解液中で電解重合することによって、密着性に優れ、均一で良質な成膜が可能となる。さらに、導電性高分子層(B)を形成し、該導電性高分子層(B)に含まれるドーパント化合物を前記特定の化合物とすることで、緻密な導電性高分子層が形成でき、基体との密着性に優れ、高導電性であるため、腐食性液体中などの環境下においても基体を保護するバリアー膜として有効に働く。また、該ドーパント化合物として電気化学的に可逆である酸化還元活性を示す化合物を用いることで、被覆材の電極電位を環境下に合わせて制御することができ、金属防食効果が飛躍的に向上する。また、高価な貴金属を使用することなく、導電性と防食性を兼ね備えた被覆材を形成することができる。
金属基体としては、銅、亜鉛、錫、アルミニウムおよびこれらの合金が挙げられるが、生産性や電気伝導度の観点から銅およびその合金を用いるのが好ましい。
本発明の導電性高分子被覆材について、銅を基体に用いた場合を例に説明する。導電性高分子を電解重合により成膜する場合、銅などの金属基体は安価で導電性に非常に優れるが防食性に劣るために、基体を陽極として行う従来の方法では、銅基体の溶解反応が優先的に起こり、該導電性高分子膜の形成は困難である。そのため、良好な電気伝導性を有し、防食性を増加させる銅基体の表面処理法として、導電性酸化層形成を行うのが好適である。
導電性を有する酸化銅(CuO)の形成法としては従来周知の方法が利用できる。例えば、熱処理法、酸化性ガス暴露法、アルカリ液処理法、スパッタ法などがあるが、装置が簡便で、酸化銅膜厚の制御がし易い熱処理法が好適である。
次に、電解重合によりドーパントとしてカルボン酸アニオンを含む導電性高分子層(A)を形成することが好ましい。表面に導電性を有する酸化銅を形成した銅基体を電極(陽極)、支持電解質としてカルボン酸アニオンを含む化合物、陰極にはカーボンまたは金属として、電解重合を行う。電解初期段階において、酸化銅とカルボン酸アニオンが、陽極反応し、防食性が高く電気伝導性を有するカルボン酸銅が基体表面に析出する。該カルボン酸銅の析出電位は導電性高分子の析出電位とほぼ同じであるために、従来から用いられている一般的な支持電解質であるテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TBABF)などを用いた時に生じる銅や酸化銅の溶解は生じず、カルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子がカルボン酸銅の析出と同時に生成し、基体上に成膜される。また、該カルボン酸銅は導電性高分子膜と銅基体との密着性を高める効果も合わせて発現させる。
前記導電性高分子として、例えばポリピロール膜を成膜する場合には、単量体であるピロールとドーパントとなるトリフルオロ酢酸やサリチル酸等のカルボン酸アニオンを含む化合物を水溶液中に溶解させ、酸化銅(CuO)を形成した銅基体を陽極として電解することにより、ポリピロール膜を形成することができる。
酸化銅基体表面に形成する導電性高分子の単量体としては、ピロール、チオフェン、アルキルチオフェン、アルキレンジオキシチオフェン、アニリン、フェニレン、アセチレン、フラン、フェニレンビニレン、アセン、アズレンおよびこれらの誘導体、またはこれらを2つ以上組み合わせたコポリマーなどがあげられるが、特に、防食性および電気伝導度に優れるピロール、アルキルチオフェン、アルキレンジオキシチオフェン、アニリンおよびそれらの誘導体を用いるのが好ましい。
導電性高分子層(A)のドーパントとして用いるカルボン酸アニオンとしては、アミノインダンカルボン酸、アミノテトラリンカルボン酸、テトラヒドロイソキノリンカルボン酸、テトラヒドロ−β−カルボリンカルボン酸、アウリントリカルボン酸、アクリジンカルボン酸、アセチルピペリジンカルボン酸、アセチレンジカルボン酸、アセトンジカルボン酸、アゼチジネンジカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、アミノインダンジカルボン酸、アミノカルボニルシクロプロパンカルボン酸、アミノシクロプロパンカルボン酸、アミノシクロヘキサンカルボン酸、アミノシクロペンタンカルボン酸、アミノジヒドロフェナレンカルボン酸、アミノジメチルピリジンカルボン酸、アミノテトラリンカルボン酸、アミノトリアゾールカルボン酸、アミノビシクロヘプタンカルボン酸、アミノピラジンカルボン酸、アミノピラゾールカルボン酸、アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、アントラセンカルボン酸、アントラキノンカルボン酸、イソキノリンカルボン酸、イミダゾールジカルボン酸、インドールカルボン酸、インドリンカルボン酸、ウラシルカルボン酸、エチルチアゾリジンカルボン酸、エチルビフェニルカルボン酸、オキソテトラヒドロフランカルボン酸、オキソピペリジンカルボン酸、オキソベンゾピランカルボン酸、カルボンキノキサリンカルボン酸、キノリンカルボン酸、3カルボン酸、クロロインドールカルボン酸、クロロエチルフルオロオキソヒドロキノリンカルボン酸、クロロエチレンジオキシビシクロヘプタンカルボン酸、クロロオキソ‐ビシクロヘプタンカルボン酸、クロロシクロプロピルフルオロオキソヒドロキノリンカルボン酸、クロロチオフェンカルボン酸、クロロフェニルシクロブタンカルボン酸、クロロフェニルシクロプロパンカルボン酸、クロロフェニルシクロヘキサンカルボン酸、クロロフェニルシクロペンタンカルボン酸、クロロフルオロシクロプロピルジヒドロオキソキノリンカルボン酸、クロロフルオロフェニルシクロヘキサンカルボン酸、クロロフルオロフェニルシクロヘキサンカルボン酸、クロロフルオロフェニルシクロペンタンカルボン酸、クロロフルオロフェニルシクロペンタンカルボン酸、クロロベンゾイルシクロヘキサンカルボン酸、クロロメチルピリジンカルボン酸、クロロメチルフランカルボン酸エチル、サリチル酸、シアノシクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、シクロプロパンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ジクロロフェニルシクロプロパンカルボン酸、ジクロロフルオロピリジンカルボン酸、ジヒドロキシアントラキノンカルボン酸、ジヒドロキシピリミジンカルボン酸、ジヒドロジメチルオキソピランカルボン酸、ジフルオロジヒドロメチルオキソピリドベンゾオキサジンカルボン酸、ヒドロキシベンゼンカルボン酸、ジメチルアミノアゾベンゼンカルボン酸、ジメチルジフェニルジカルボン酸、チアゾリジンカルボン酸、チオフェンカルボニルシクロヘキサンカルボン酸、チオフェンカルボニルシクロヘキサンカルボン酸、チオフェンカルボン酸、テトラヒドロアクリジンカルボン酸、テトラヒドロイソキノリンカルボン酸、テトラヒドロオキソフランカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、テトラメチルイミダゾリンオキシルカルボン酸、テトラメチルピペリジンオキシルアミノカルボン酸、テトラメチルピロリンオキシルカルボン酸、デカンジカルボン酸、トシルピロールカルボン酸、トリヒドロキシシクロヘキセンカルボン酸、トリメチルチアゾリンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフトキノンカルボン酸、ニトロインドールカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ペリレンテトラカルボン酸、ノルアダマンタンカルボン酸、ルボルネンジカルボン酸、ヒドロキシインドールカルボン酸、ヒドロキシキノキノキサリンカルボン酸、ヒドロキシキノリンカルボン酸、ヒドロキシシクロプロパンカルボン酸、ヒドロキシテトラヒドロイソキノリンカルボン酸、ヒドロキシトリフルオロメチルキノリンカルボン酸、ヒドロキシ(2−ヒドロキシ−4−スルホ−1−ナフチルアゾ)ナフタレンカルボン酸、ヒドロキシビフェニルカルボン酸ヒドロキシピリジンカルボン酸、ヒドロキシピロリジンカルボン酸、ヒドロキシメチルキノリンカルボン酸、ヒドロキシメチルピリジンカルボン酸、ビシクロオクトエンテトラカルボン酸、ビフェニルカルボン酸、ビベンジルカルボン酸、ピペラジンカルボン酸、ピペリジンカルボン酸、ピラジンカルボン酸、ピラジンジカルボン酸、ピラゾールジカルボン酸、ピリジンカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、ピロリジンカルボン酸、ピロリジンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸、フェニルシクロプロパンカルボン酸、フェニルシクロヘキサンカルボン酸、フェニルシクロペンタンカルボン酸、フェニルチアゾリジンカルボン酸、フェニルピロリジンカルボン酸、フェロセンジカルボン酸、フランカルボン酸、フルオレノンカルボン酸、フルオロインドールカルボン酸、(フルオロフェニル)シクロヘキサンカルボン酸、(フルオロフェニル)シクロペンタンカルボン酸、(フルオロベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸、ブチルシクロヘキサンカルボン酸、(tert−ブチルジメチルシリル)アゼチジンオンカルボン酸、ブチルピリジンカルボン酸、(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸、(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンタンカルボン酸、(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸、ブロモエチレンジオキシビシクロヘプタンカルボン酸、(ブロモベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸、プロピルシクロヘキサンカルボン酸、プロピルビフェニルカルボン酸、(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸、(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ビシクロヘプトエンカルボン酸、(ベンジルオキシカルボニル)テトラヒドロイソキノリンカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゼントリカルボン酸、ベンゾイルシクロヘキサンカルボン酸、ベンゾイルビシクロヘプタンカルボン酸、ベンゾイルフェニルシクロヘキサンカルボン酸、チオフェンカルボン酸、ベンゾテルロフェンカルボン酸、ベンゾフェノンカルボン酸、ベンゾフランカルボン酸、ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジヒドロジチインジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロオクトエンジカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、フェニルシクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサクロロノルボルネンジカルボン酸、ベンゼントリカルボン酸、メチルノルボルネンジカルボン酸、メチルシクロプロパンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸、メチルチアゾリジンカルボン酸、メチルチオフェンカルボン酸、メチルテトラヒドロイソキノリンカルボン酸、メチルピラジンカルボン酸、メチルピロールカルボン酸、メチルピロリジンカルボン酸、メチルピロリジンカルボン酸、(メチルフェニル)シクロプロパンカルボン酸、(メチルフェニル)シクロヘキサンカルボン酸、メチルベンズイミダゾールカルボン酸、メチルベンゼンスルホン酸フェニルピペリジンカルボン酸、(p−メチルベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸、(p−メチルベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸、メチレンシクロプロパンジカルボン酸、メチレンビス(ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸)メトキシインドールカルボン酸、(メトキシフェニル)シクロプロパンカルボン酸、(メトキシフェニル)シクロヘキサンカルボン酸、(メトキシフェニル)シクロペンタンカルボン酸、アダマンタン酢酸、アニリノ酢酸、アミノ酢酸、アミノフェニル酢酸、イソデヒドロ酢酸、イミノ二酢酸、インドール酢酸、エチルアセト酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エトキシ酢酸、オキサル酢酸、オキシ二酢酸、クレシルバイオレット酢酸、クロルマジノン酢酸、クロロジフルオロ酢酸、クロロフェニル酢酸、グアニジン酢酸、グルコース五酢酸、イミノ二酢酸、酢酸テトラメチル、シアノ酢酸、シクロヘキサン二酢酸、シクロヘキシル酢酸、シクロヘキシルフェニル酢酸、シクロペンチル酢酸、ジフェニル酢酸、ジエチルホスホノ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジクロロインドール酢酸、ジクロロ酢酸、ジクロロフェニル酢酸、ジヒドロキシフェニル酢酸、ジフルオロフェニル酢酸、ブチルメチルフェニルジアゾ酢酸、ジブロモ酢酸、スチリル酢酸、チオール酢酸、スルホ酢酸、チオ酢酸、チオフェン酢酸、デヒドロ酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、トリメチル酢酸、トリメトキシフェニル酢酸、トリル酢酸、ナフタレン酢酸、ナフチル酢酸、ナフトキシ酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトロフェニル酢酸、ニトロフェノキシ酢酸、ノニルフェノキシ酢酸、ヒダントイン酢酸、ヒドラジン酢酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシフェノキシ酢酸、ヒドロキノン酢酸、ビニル酢酸、ビフェニル酢酸、フェニルシクロペンタン酢酸、フェニレン二酢酸、フェニレン二酢酸、フェノキシ酢酸、フルオロフェニル酢酸、ブチル酢酸、ブトキシ酢酸、ブロモ酢酸、ブロモフェニル酢酸、ペンタフルオロフェニル酢酸、ホルミルフェノキシ酢酸、無水クロロ酢酸、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリメチル酢酸、無水ヨード酢酸、メチルアミノ酢酸、メチルイミノ二酢酸、メチルスルホニルフェニル酢酸、メチルフェニル酢酸、メトキシインドール酢酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、メルカプト酢酸、モノクロロ酢酸、ヨード酢酸、蓚酸、蟻酸、酒石酸、クエン酸およびその誘導体のアルカリ金属塩およびこれらのアンモニウム塩などのアニオン成分が挙げられる。より好ましくは、ベンゼンカルボン酸、ヒドロキシベンゼンカルボン酸、ナフトキノンカルボン酸、アントラセンカルボン酸、アントラキノンカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリフロロ酢酸、ナフタレンジカルボン酸、ブトキシ酢酸、ビニル酢酸、シュウ酸、フェロセンジカルボン酸、蓚酸、酒石酸、クエン酸およびその誘導体のアルカリ金属塩およびこれらのアンモニウム塩などのアニオン成分が挙げられる。
金属が腐食される環境下として、塩酸水溶液や硫酸水溶液などの酸性雰囲気だけではなく、次亜塩素酸ナトリウム水溶液下のように酸化性雰囲気などもある。そのような環境下では、上記のカルボン酸基を有するドーパントでは、該ドーパントのカルボキシル基が酸化されて二酸化炭素になるために、導電性高分子の電気伝導性が損なわれる恐れが生じる。そのため、酸化性がある腐食環境下では、該ドーパント化合物を酸化性雰囲気から保護することが好ましい。そこで、カルボン酸アニオンをドーパントとする導電性高分子膜を電極として、防食性および対酸化性が非常に高い緻密な導電性高分子層(B)をさらに形成し、金属基体とカルボン酸アニオンをドーパントとする導電性高分子膜(A)を保護する必要がある。そのため、防食性の高い緻密な導電性高分子層(B)に用いるドーパント化合物としては、高い電気伝導度を発現させることができ、酸化劣化に強いスルホン酸アニオンを用いるのが好適である。化合物中のスルホン酸基の数は、特に限定されない。
該スルホン酸アニオンの分子量は240以上であることが好適である。240未満である場合、分子量が小さい、すなわち分子が小さいために溶液中で脱ドーピング作用が生じ、また大気中においても導電性高分子被覆材が高温になるような場所では脱ドーピングが生じ、導電性高分子の電気伝導性が失われてしまう可能性があるためである。そのように1つ以上のスルホン酸基を有し、分子量が240以上のドーパント化合物としては、具体的には、フェロセンスルホン酸ナトリウムやリグニンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン成分を例示することができる。このようなドーパントを含有する導電性高分子被膜は、腐食環境と基体とを遮断するバリアー効果が大きく好適である。
また、そのような緻密な導電性高分子層(B)に用いるドーパントの中で、ベンゼン縮合環及び/又は2つ以上の芳香環を有するドーパントは、導電性高分子の高分子鎖と複雑に絡み合うことができ、より緻密な構造を生み出し、バリアー効果をより増大することができ、より好ましい。また、複雑に絡み合うことによって、脱ドーピングし難くなる効果も併せ持ち、好適である。
このような緻密な導電性高分子層(B)のドーパントとしては、アントラセンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ジフェニルアミンスルホン酸、ジフェニルアミンスルホン酸のアルカリ金属塩およびそれらのアンモニウム塩、色素であるアシッドブラック1、アシッドブルー1、アシッドブルー3、アシッドブルー9、アシッドブルー20、アシッドブルー74、アシッドブルー83、アシッドブルー92、アシッドブルー119、アシッドブルー147、アシッドA、アシッドブリリアントグリーンJ、アシッドブラウンM、アシッドキャプターH、アシッドキャプター9M、アシッドシアニン6B、アシッドファーストイエローG、アシッドファクシン、アシッドグリーン1、アシッドグリーン3、アシッドグリーン5、アシッドグリーン9、アシッドグリーン16、アシッドグリーン50、アシッドグリーンB、アシッドグリーンGG、アシッドライトイエロー2G、アシッドオレンジ5、アシッドオレンジ6、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ17、アシッドオレンジ20、アシッドレッド、アシッドレッド1、アシッドレッド2、アシッドレッド9、アシッドレッド13、アシッドレッド18、アシッドレッド18、アシッドレッド26、アシッドレッド27、アシッドレッド29、アシッドレッド52、アシッドレッド60、アシッドレッド87、アシッドレッド88、アシッドレッド91、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドレッド112、アシッドレッド265、アシッドバイオレッド6B、アシッドバイオレッド34、アシッドバイオレッド43、アシッドバイオレッド49、アシッドイエロー3、アシッドイエロー23、アシッドレッド36、アシッドイエロー73、アシッドイエロー186、サルフォナゾIII、モルダント29、サンクロマインブルーブラックR、サンクロマインブルーブラックMB、サンクロマインブルーブラックMD、サンセットイエローFCF、アルファマインレッドR、アルファマインレッドRベース、アルセナゾI、アルセナゾIIIおよびそれらの誘導体などのアニオン成分が挙げられる。
また、緻密な導電性高分子層(B)に用いるドーパントとして、少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有し、電気化学的に可逆である酸化還元活性を示すドーパントを含む導電性高分子膜は、腐食性液体と基体とのバリアー性を持たせることができる機能を有しているだけではなく、腐食環境下に曝された場合、該ドーパントがその環境下に合わせて酸化還元反応を行うことによって、電気化学的に導電性高分子被覆材の電極電位を制御するために、特に基体の防食効果が顕著になり、好ましい。
前述の電気化学的に可逆である酸化還元活性とは、電気化学的に可逆な酸化還元反応を示すことができる化合物、すなわち陽極で酸化され、陰極では還元されて元に状態に戻ることができる化合物を指す。例えば、ナフトキノンスルホン酸に含まれるキノン構造部位は、陽極では酸化されてヒドロキシ基に成るが、該ヒドロキシ基部位は陰極において還元されてキノン構造へと戻る。この反応は、サイクリックボルタンメトリ法で確認することができ、酸化反応時の反応ピークと還元反応時の反応ピークがほぼ同じ電位で現れる。
緻密な導電性高分子層(B)に用いるドーパントで、前記電気化学的に可逆である酸化還元活性を有する少なくとも1つ以上のスルホン酸基を含むドーパント化合物としては、フェロセンスルホン酸、ハイドロキノンスルホン酸、アントキノンスルホン酸、ナフトキノンスルホン酸、アザキサントンスルホン酸、ベンズアントラキノンスルホン酸、ベンズアンスロンスルホン酸、フェニルアゾベンゼンスルホン酸、ベンゾキノンスルホン酸、色素であるアントラキノンアイリンR、アントラキノンバイオレッドRN−3RNなどのアニオン成分があげられるが、耐酸化性と脱ドーピング作用を抑制する観点からフェロセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、ナフトキノンスルホン酸、アザキサントンスルホン酸、ベンズアントラキノンスルホン酸、ベンズアンスロンスルホン酸、フェニルアゾベンゼンスルホン酸およびその誘導体のアルカリ金属塩およびこれらのアンモニウム塩、色素であるアントラキノンアイリンR、アントラキノンバイオレッドRN−3RNのアニオン成分を用いるのがより好ましい。
緻密な導電性高分子層(B)に用いるドーパントにおいて、それらの中でも、キノン構造と1つ以上の芳香環を含むスルホン酸基を有するドーパントは、電気化学的活性が高く、かつ酸化還元電位が高い。そのため、該ドーパントを含む導電性高分子膜の酸化還元電位は最も貴へとシフトし、銅基体を保護する効果が最も高くすることが可能であるため、該ドーパントを用いるのが最も好適である。このようなドーパントの具体例として、アントラキノンスルホン酸やナフトキノンスルホン酸等が挙げられる。
また緻密な導電性高分子層(B)に用いるドーパントにおいて、好ましいドーパントとして、ヘテロポリ酸が挙げられる。その具体例としてはリンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸およびそれらの誘導体等のアルカリ金属塩およびこれらのアンモニウム塩である。
前述の各ドーパントは導電性高分子膜中に単独で含有させても良いし、複数存在するように含有されても良い。該導電性高分子膜に含有させるドーパントの含有量はピロール1molに対して0.001〜1molが好ましい。
形成する緻密な導電性高分子層(B)の単量体としては、ピロール、チオフェン、アルキルチオフェン、アルキレンジオキシチオフェン、アニリン、フェニレン、アセチレン、フラン、フェニレンビニレン、アセン、アズレンおよびこれらの誘導体、またはこれらを2つ以上組み合わせたコポリマーなどがあげられるが、特に、防食性および電気伝導度に優れるピロール、アルキルチオフェン、アルキレンジオキシチオフェン、アニリンおよびそれらの誘導体を用いるのが好ましい。
緻密な導電性高分子層(B)の形成法には、化学重合法、電解重合法、溶液法など多くの方法があるが、目的とする導電性高分子の種類やその形態によって適切な方法を選択する必要がある。
高い電気伝導性と腐食環境下から基体を保護するバリアー効果を大きく得るには、ポリピロール誘導体では電解重合法または溶液法が好適であり、ポリアルキルチオフェン誘導体では電解重合法または溶液法または化学重合法が好適であり、ポリアルキレンジオキシチオフェン誘導体では化学重合法が好適であり、アニリン誘導体では電解重合法または溶液法が好適である。特に、電解重合法により形成される導電性高分子膜は、ドーピング率が高いために電気伝導度が高く、他の形成法に比べて配向性が高く緻密な導電性高分子膜を容易に得ることができるので、導電性高分子被覆材として最も好適である。
また、化学重合法や溶液法で得られる導電性高分子膜は、電解重合法で得られる導電性高分子膜に比べて分子量が小さく構造の規則性も低いために電気的物性に劣る場合がある。その場合には、化学重合法や溶液法で得られる導電性高分子膜を電極として電解重合法により導電性高分子膜をさらに形成しても良い。その結果、緻密で規則性の高い電気伝導度を有する導電性高分子膜が最上層に形成されて、耐食性に優れ、電気伝導度に優れる皮膜が基体上層に形成されることになる。
化学重合法においては、基体表面上で目的とする導電性高分子の単量体と酸化剤溶液を接触させることで、防食性の高い導電性高分子膜を形成することができる。例えばポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン被膜を形成する場合には、酸化銅が形成された銅基体上にカルボン酸アニオンをドーパントとする導電性高分子膜を成膜後、該表面上に単量体であるポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンとドーパントであるフェロセンスルホン酸イオンやナフトキノンスルホン酸イオンを含むエタノール−水混合溶液を塗布後、酸化剤溶液である塩化鉄(III)水溶液を噴霧することによって、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン被膜を得ることができる。
溶液法においては、導電性高分子の単量体、酸化剤溶液、ドーパント溶液を接触させて重合させ、得られた重合物を乾燥後、トルエンや塩化メチレンなどの有機溶媒に溶解させ塗布液とする。該塗布液を、カルボン酸アニオンをドーパントとする導電性高分子膜を酸化銅が形成された銅基体上に塗布、乾燥すれば目的の防食性の高い導電性高分子膜を形成することができる。例えば、3−ヘキシルチオフェンの被膜を形成する場合には、3−ヘキシルチオフェン、酸化剤であるペルオキソ二硫酸アンモニウム、ドーパントであるフェロセンスルホン酸ナトリウムをエタノール−水混合溶液中で溶解、攪拌しながら重合反応を進め、得られたポリ−3−ヘキシルチオフェンチオフェンを乾燥後にトルエンに溶解させることで塗布液を得ることができる。酸化銅が形成された銅基体上にカルボン酸アニオンをドーパントとする導電性高分子層形成後、該塗布液を塗布後乾燥させることでポリアルキルチオフェン膜を得ることができる。
溶液法による導電性高分子膜の形成法としては、従来周知の方法が利用できる。例えば、スクリーン印刷法、ディップコート法、ロールコート法、噴霧法、カーテンフローコート法、バーコート法、ドクターブレード法等、刷毛塗布法などがあり、簡便で生産性が高いディップコート法、刷毛塗布法が好ましい。
また、あらかじめ基体にプレス加工等の曲げ加工、切削加工、エッチング加工等の機械加工後に、導電性高分子の形成工程を行うことによって、複雑な形状の基体形成時に導電性高分子膜を損傷することなく、該導電性高分子膜の効果を確実に得ることができる。すなわち、導電性高分子膜の形成に関し、上記のように加工後の基体を電極として電解重合を行えば、加工によって基体表面が凹凸状態にあっても、均一に導電性高分子膜を形成することが可能となり、安定した性能を得ることができる。
形成する導電性高分子の厚みは、0.001μmから100μmが適当であるが、経済的観点から、0.001μmから50μmがより好ましく、0.001μmから35μmが最も好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
金属基体としてリン脱酸銅板を用いた。リン脱酸銅板は大きさが20×30mm、厚さが0.2mmの圧延材であった。本基体を有機溶媒による脱脂処理後、175℃の循環式乾燥機中で5分間放置し、リン脱酸銅板上に酸化銅被膜を形成させた。
次に、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成した。溶媒を純水とし、単量体としてピロール0.5mol/L、支持電解質としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.20mol/Lを含む電解液を用いて、基体を陽極、SUS304を陰極、電解重合時間は1分間、電流密度を15mA/cmとして電解重合を行い、ポリピロール膜を形成した。
続いて、参考文献1(K.Yamamoto,M.Yamamoto,T.Nishiumi.Polymer.Adv.Technol.11,710−715(2000))を参考にしながらフェロセンスルホン酸を作製した。フェロセン60gを400mLのジオキサンに加えた。それを氷浴中で攪拌しながら硫酸(31g)を含むジオキサン120mlをゆっくりと滴下し、12時間攪拌放置した。その溶液を蒸留し、得られたスラリー物質に水500mLを加え、ろ過して未反応物を取り除いた。得られたろ液を蒸留して、さらに不純物を取り除き、フェロセンスルホン酸溶液を得た。これを水−メタノール混合溶液中で再結晶を行い、黄色のフェロセンスルホン酸結晶を得た(収率9.8%)。
さらに、電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成した。溶媒を純水とし、単量体としてピロール0.45mol/L、支持電解質としてフェロセンスルホン酸0.20mol/L、NaOH溶液でpH6.5に調整された電解液を用いて、電解重合法によって形成されたカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を陽極、SUS304を陰極、電解重合時間は1時間、電流密度を2.5mA/cmとして電解重合を行い、ポリピロール膜を形成し、導電性高分子被覆材を合計10枚作製した。
実施例2
実施例1中の電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成する工程において、支持電解質をフェロセンスルホン酸の代わりにp−トルエンスルホン酸とした以外は、同様に実施して導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例3
金属基体としてリン脱酸銅板を用いた。リン脱酸銅板は大きさが20×30mm、厚さが0.2mmの圧延材であった。本基体を有機溶媒による脱脂処理後、175℃の循環式乾燥機中で5分間放置し、リン脱酸銅板上に酸化銅被膜を形成させた。
次に、電解重合法によってカルボン酸アニオンを有する化合物をドーパントとして含む導電性高分子膜を形成した。溶媒を純水とし、単量体としてピロール0.5mol/L、支持電解質としてトリフルオロロ酢酸ナトリウム0.30mol/Lを含む電解液を用いて、基体を陽極、SUS304を陰極、電解重合時間は1時間、電流密度を1mA/cmとして電解重合を行い、ポリピロール膜を形成した。
次に、溶液法によって緻密な導電性高分子膜を形成した。pHが7に調整されたエタノール−水混合溶媒中に、3−ヘキシルチオフェン0.4mol/L、酸化剤およびドーパント剤として作用する2−アントラセンスルホン酸鉄(III)0.20mol/Lを氷浴温度下で6時間攪拌した。その溶液をろ過後、得られた粉末に対して減圧乾燥を行って完全に溶媒を除去し、その粉末をトルエン溶液に溶解させて導電性高分子溶液を得た。
電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜が形成された基体に、噴霧法によって均一に導電性高分子溶液を塗布後、70℃の乾燥機中でトルエンを除去する工程を繰り返し、15μm厚みのポリ−3−ヘキシルチオフェン膜を形成し、導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例4
実施例2中の電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成する工程において、酸化剤およびドーパント剤を2−アントラセンスルホン酸鉄(III)の代わりに塩化鉄(III)とした以外は、同様に実施して導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例5
金属基体として黄銅板(銅75%−亜鉛25%)を用いた。黄銅板は大きさが20×30mm、厚さが0.2mmの圧延材であった。本基体を有機溶媒による脱脂処理後、NaOH40%水溶液(90℃)中で90分間浸漬し、基体表面に酸化被膜を形成させた。
次に、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成した。溶媒を純水とし、単量体としてピロール0.3mol/L、支持電解質としてナフタレンジカルボン酸ナトリウム0.30mol/Lを含む電解液を用いて、基体を陽極、SUS304を陰極、電解重合時間は1時間、電流密度を1mA/cmとして電解重合を行い、ポリピロール膜を形成した。
続いて、電解重合法によりカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜が形成された基体を電極として、電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成した。溶媒を純水とし、単量体としてピロール0.30mol/L、支持電解質としてアシッドブラック0.20mol/Lを含む電解液を用いて、基体を陽極、SUS316Lを陰極、電解重合時間は1時間、電流密度を5mA/cmとして電解重合を行い、ポリピロール膜を形成し、導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例6
実施例3中の電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成する工程において、支持電解質をアシッドブラックの代わりに過塩素酸とした以外は、同様に実施して導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例7
金属基体としてリン脱酸銅板を用いた。リン脱酸銅板は大きさが20×30mm、厚さが0.2mmの圧延材であった。本基体を有機溶媒による脱脂処理後、175℃の循環式乾燥機中で5分間放置し、リン脱酸銅板上に酸化銅被膜を形成させた。
次に、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成した。溶媒をアセトニトリルとし、単量体としてアニリン0.2mol/L、支持電解質としてテトラエチルアンモニウムブトキシ酢酸0.15mol/Lを含む電解液を用いて、基体を陽極、Auを陰極、銀/塩化銀(飽和KCl)を参照電極、電極電解重合時間は1時間、電解電圧を0.4V(vs銀/塩化銀参照電極)として定電位電解重合を行い、ポリアニリン膜を形成した。
続いて、カルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜が形成された基体を電極として、電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成した。溶媒を純水とし、単量体としてo−トルイジン0.30mol/L、支持電解質として1,4−ナフトキノン−2−スルホン酸0.10mol/Lを含む電解液を用いて、基体を陽極、Ptを陰極、電解重合時間は1時間、電流密度を5mA/cmとして電解重合を行い、ポリ−o−トルイジン膜を形成し導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例8
実施例4中の電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成する工程において、支持電解質を1,4−ナフトキノン−2−スルホン酸の代わりにテトラフルオロホウ酸とした以外は、同様に実施して導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例9
金属基体として白銅板(銅90%−ニッケル10%)を用いた。白酸銅板は大きさが20×30mm、厚さが0.2mmの圧延材であった。本基体を有機溶媒による脱脂処理後、NaOH40%水溶液(90℃)中で90分間浸漬し、基体表面に酸化被膜を形成させた。
次に、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成した。溶媒をアセトニトリルとし、単量体としてチオフェン0.3mol/L、支持電解質としてテトラエチルアンモニウムシュウ酸0.15mol/Lを含む電解液を用いて、基体を陽極、SUS304を陰極、電解重合時間は30分間、電流密度を2mA/cmとして電解重合を行い、ポリチオフェン膜を形成した。
続けて、電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成した。溶媒を純水とし、単量体としてピロール0.30mol/L、支持電解質としてアシッドレッド112(0.10mol/L)を含む電解液を用い、カルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜が形成された基体を陽極、Ptを陰極、電解重合時間は1時間、電流密度を5mA/cmとして電解重合を行い、ポリピロール膜を形成し、導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例10
実施例5中の電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成する工程において、支持電解質をアシッドレッド112の代わりにカンファースルホン酸とした以外は、同様に実施して導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例11
金属基体として亜鉛薄板を用いた。亜鉛薄板は大きさが20×30mm、厚さが0.6mmの圧延材である。本基体を有機溶媒による脱脂処理後、NaOH3%水溶液(50℃)中で10分間浸漬し、基体表面に酸化被膜を形成させた。
次に、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成した。溶媒を純水とし、単量体としてアニリン0.1mol/L、支持電解質としてフェロセンジカルボン酸0.15mol/Lを含む電解液を用いて、Auを陰極、銀/塩化銀(飽和KCl)を参照電極、電極電解重合時間は1時間、電解電圧を0.5V(vs銀/塩化銀参照電極)として定電位電解重合を行い、ポリアニリン膜を形成した。
続けて、電解重合法によって緻密な導電性高分子膜を形成した。溶媒を純水とし、単量体としてアニリン0.30mol/L、支持電解質として1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸0.60mol/Lを含む電解液を用い、基体を陽極、Auを陰極、銀/塩化銀(飽和KCl)を参照電極、電極電解重合時間は1時間、電解電圧を0.4V(vs銀/塩化銀参照電極)として定電位電解重合を行い、ポリアニリン膜を形成し、導電性高分子被覆材を10枚作製した。
実施例12
金属基体として錫薄板を用いた。錫薄板は大きさが20×30mm、厚さが0.2mmの圧延材であった。225℃の循環式乾燥機中で5分間放置し、錫薄板上に酸化被膜を形成させた。
次に、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成した。溶媒を50%含水エタノールとし、単量体としてチオフェン0.3mol/L、支持電解質としてテトラエチルアンモニウムサリチル酸0.15mol/Lを含む電解液を用いて、基体を陽極、SUS304を陰極、電解重合時間は30分間、電流密度を2mA/cmとして電解重合を行い、ポリチオフェン膜を形成した。
続いて緻密な導電性高分子膜を化学重合法により形成した。電解重合法によりカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜が形成された錫基体表面上に、単量体であるポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンとドーパント剤であるモリブド燐酸を含むエタノール−水混合溶液を塗布後、酸化剤溶液である塩化鉄(III)エタノール−水溶液を噴霧し、50℃で10分間乾燥する工程を繰り返し、厚みが36μmであるポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン膜を形成し、導電性高分子被覆材を10枚作製した。
比較例1
実施例1において、支持電解質としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムに代わりにp−トルエンスルホン酸とした以外は、同様に実施した結果、銅の溶解反応によってポリピロール膜を形成することはできなかった。
比較例2
実施例2において、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成する場合に、支持電解質としてトリフルオロロ酢酸ナトリウムの代わりにテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートとした以外は、同様に実施した結果、銅の溶解反応によってポリ−3−ヘキシルチオフェン膜を形成することはできなかった。
比較例3
実施例3において、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成する場合に、支持電解質をナフタレンジカルボン酸ナトリウムの代わりに過塩素酸ナトリウムとした以外は、同様に実施した結果、銅の溶解反応によってポリピロール膜を形成することはできなかった。
比較例4
実施例4において、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成する場合に、支持電解質をテトラエチルアンモニウムブトキシ酢酸の代わりにテトラフルオロホウ酸テトラ−n−ブチルアンモニウムとした以外は、同様に実施した結果、銅の溶解反応によってポリアニリン膜を形成することはできなかった。
比較例5
実施例5において、電解重合法によってカルボン酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子膜を形成する場合に、支持電解質をテトラエチルアンモニウムシュウ酸の代わりにカンファースルホン酸とした以外は、同様に実施した結果、銅の溶解反応によってポリアニリン膜を形成することはできなかった。
比較例6
特開2001‐234361号公報に準じて、金属基体としてリン脱酸銅板(20×30mm、厚さが0.2mm)を用いた。基体をアルカリ脱脂液にて脱脂、続いて10%蓚酸にて酸洗後、めっき基体として供した。まず、硫酸ニッケル6水和物1.00mol/L、塩化ニッケル6水和物0.25mol/L、ホウ酸0.65mol/Lとする塩化ニッケルを多く含むワット浴を用いて、電流密度100mA/cm、浴温度50℃にて硫黄含有率の低い第1Niめっき層を形成した。続いて、硫酸ニッケル6水和物1.2mol/L、塩化ニッケル6水和物0.19mol/L、ホウ酸0.65mol/L、1,5‐ナフタリンジスルホン酸ナトリウム2.33×10−2mol/L、チオ尿素1.31×10−3mol/Lとするワット浴を用いて、電流密度100mA/cm、浴温度50℃にて、第2Niめっき層を形成した。次に、市販のシアン金めっき浴(上村工業株式会社:登録商標オールナ556)を用いて、電流密度800mA/cm、浴温度50℃にて、金めっき層を形成し、防食性導電部材を10枚作製した。
防食性および導電性評価
このようにして作製した実施例1〜12、および比較例1〜5の導電性高分子被覆材並びに比較例6の耐食性導電部材に対して、工業的に用いられているニッケルめっき浴(硫酸ニッケル6水和物300g/L、塩化ニッケル6水和物50g/L、ホウ酸40g/L、p−トルエンスルホン酸2.5g/L、浴温度:70℃)を用い浸漬試験を90日間実施し、めっき液中に含まれる金属基体のイオン濃度をシーケンシャル形高周波プラズマ発光分析装置によって測定し、防食性を比較した結果を表1に示す。また集電特性を図るために、図1に示した接触抵抗測定法によって、負荷加重10kg/cmにおける初期抵抗と浸漬試験実施後の比較を行った結果を表2に示す。
その表1の結果によれば、本発明にかかる各導電性高分子被覆材は、浸漬試験90日後においても全く変化することなく基体を保護し、優れた防食効果を有することが認められた。これに対し、同様に浸漬試験を行った比較例6で作製した材料は、基体の腐食によってめっき層の剥離が確認された。また、緻密な導電性高分子層に用いるドーパントを一般的なアニオンにした実施例2、4、6、8、10においては防食性能にやや劣ることが確認された。
表2の結果によれば、本発明にかかる導電性高分子被覆材は、浸漬試験90日後においても良好な接触抵抗を保持し、優れた集電特性を有することが認められた。これに対し、比較例6で作製した導電性高分子被覆材及び耐食性導電部材は、基体の腐食も時間とともに進行し、90日後には接触抵抗が非常に高くなる傾向にあり、集電特性には劣ることが認められた。また、緻密な導電性高分子層に用いるドーパントを一般的なアニオンにした実施例2、4、6、8、10においては集電特性にやや劣ることが確認された。
Figure 2007250466
Figure 2007250466
本発明の導電性高分子被覆材は、めっき装置の給電ロールや燃料電池用金属セパレータに好適に用いることができる。
集電特性を測定するための接触抵抗測定法を示した図
符号の説明
1 負荷加重装置
2 金電極
3 カーボン電極
4 導電性高分子被覆材

Claims (9)

  1. 金属基体を導電性高分子層(A)にて被覆した導電性高分子被覆材において、導電性高分子層(A)のドーパントがカルボン酸アニオンであることを特徴とする導電性高分子被覆材。
  2. 前記金属基体が銅又はその合金であることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子被覆材。
  3. 請求項1又は2に記載の導電性高分子被覆材において、更に緻密な導電性高分子層(B)を有することを特徴とする導電性高分子被覆材。
  4. 緻密な導電性高分子層(B)のドーパントがスルホン酸アニオンであることを特徴とする請求項3に記載の導電性高分子被覆材。
  5. 緻密な導電性高分子層(B)のドーパントがベンゼン縮合環及び/又は2つ以上の芳香環を有するスルホン酸アニオンであることを特徴とする請求項4に記載の導電性高分子被覆材。
  6. 緻密な導電性高分子層(B)のドーパントが電気化学的に可逆である酸化還元活性を示すスルホン酸アニオンであることを特徴とする請求項4又5に記載の導電性高分子被覆材。
  7. 緻密な導電性高分子層(B)のドーパントがキノン構造と1つ以上の芳香環を含むスルホン酸アニオンであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の導電性高分子被覆材。
  8. 緻密な導電性高分子層(B)のドーパントがヘテロポリ酸アニオンであることを特徴とする請求項3に記載の導電性高分子被覆材。
  9. 金属基体の表面に酸化物層を形成し、その後、モノマーおよびカルボン酸アニオンを含有する電解液中で電解重合することによって導電性高分子層を形成し、さらに該導電性高分子層上に緻密な導電性高分子層を形成する金属被覆方法。
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