JP6106917B2 - 成膜用インク、成膜方法および発光素子の製造方法 - Google Patents

成膜用インク、成膜方法および発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、成膜用インク、成膜方法および発光素子の製造方に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、陽極と陰極との間に少なくとも1層の発光性有機層(発光層)を介挿した構造を有する発光素子である。このような発光素子では、陰極と陽極との間に電界を印加することにより、発光層に陰極側から電子が注入されるとともに陽極側から正孔が注入され、発光層中で電子と正孔が再結合することにより励起子が生成し、この励起子が基底状態に戻る際に、そのエネルギー分が光として放出される。
一般に、有機EL素子では、陽極上に正孔注入層が設けられ、その正孔注入層上に正孔輸送層または発光層が設けられている。
これらの層を形成する方法(成膜方法)として、成膜材料を溶解または分散した成膜用インクを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような成膜方法は、フォトリソグラフィー法を用いずにパターンニングが可能であるため、製造プロセスが簡単なものとなるとともに、原材料の使用量も少なくて済むという利点がある。
一般に、かかる成膜方法において、正孔注入層を形成する場合は、水系(水と混じり合う性質)の溶媒または分散媒を用いるのに対し、正孔輸送層や発光層を形成する場合は、非水系(水と混じり合わない性質)の溶媒または分散媒が用いられる。
そのため、正孔輸送層や発光層を形成する際には、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された正孔注入層上に、正孔輸送層や発光層の構成材料またはその前駆体を非水系の溶媒または分散媒に溶解または分散させた成膜用インクを塗布することとなる。
しかし、従来の非水系の溶媒または分散媒を用いた成膜用インクは、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された正孔注入層に対する接触角が大きく(すなわち濡れ性が低く)、十分に濡れ拡がらせることができないという問題があった。
特許文献1では、かかる問題を回避するために、溶媒または分散媒に界面活性剤を加えているが、得られる膜中に残存した界面活性剤により発光素子の特性を悪化させてしまうため、実用的ではなかった。
特開2008−77958号公報
本発明の目的は、非水系の溶媒または分散媒を用いる場合において、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層上に対しても、界面活性剤のような添加剤を用いることなく、容易に濡れ拡がらせることができる成膜用インク、成膜方法および発光素子の製造方法提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の成膜用インクは、成膜材料と、
前記成膜材料を溶解または分散させる液性媒体とを含み、
前記液性媒体は、表面張力が30dyn/cm以下であり、常温における粘度が4cP以下であり、下記式(I)で表わされるエーテル系化合物を含み、
常温における粘度が1cP以上5cP以下であることを特徴とする。
Figure 0006106917
[上記式(I)において、RおよびRは、それぞれ、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、分岐アルキル基または環状アルキル基である。Rは、炭素数以上3以下のアルキレン基である。また、nは、である。または互いに同じであっても異なっていてもよい。]
このように構成された成膜用インクによれば、非水系の溶媒または分散媒を用いる場合において、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層(膜)上に対しても、容易に濡れ拡がらせることができる。
また、本発明の成膜用インクは、界面活性剤のような添加剤を用いる必要がないので、得られる膜中に添加物が残留することによる膜の特性悪化を防止することができる。
特に、本発明の成膜用インクに用いるエーテル系化合物は、エーテル酸素原子の数および炭素数が最適化され、かつ、エーテル酸素原子以外のヘテロ原子を含まない(すなわち、エーテル基以外の極性基(例えば、エステル、アセテート、ケトン、水酸基、カルボキシル基、スルホ基)を含まない)ので、非水系の溶媒または分散媒として用いることができるとともに、得られる膜中に残留したとしても、膜の電気的特性に与える悪影響を少なくすることができる。さらに、かかる化合物は、成膜材料に対する攻撃性が低く、この点でも、得られる膜の特性悪化を防止することができる。
また、前記式(I)において、nは、であることにより、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層(膜)上に対する成膜用インクの濡れ性と、成膜用インクの脱溶媒性または脱分散媒性との双方を優れたものとすることができる。また、液性媒体(エーテル系化合物)の沸点が低くなりすぎるのを防止し、その結果、例えば、液滴吐出法に用いる液滴吐出ヘッドのノズルの詰まりを防止することができる。
また、前記式(I)において、R の炭素数が2または3であることにより、成膜材料が非水系溶媒に可溶なものである場合に、液性媒体に対して成膜材料を確実に溶解させるとともに、液性媒体が意図しないもの(例えば、液滴吐出法に用いる液滴吐出ヘッドを構成する部材)を溶解してしまうのを防止または抑制することができる。
本発明の成膜用インクでは、前記液性媒体は、常温における粘度が2cP以下であることが好ましい。
本発明の成膜用インクでは、前記液性媒体中における前記エーテル系化合物の含有量は、0.1wt%以上100wt%以下であることが好ましい。
これにより、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層(膜)上に対する成膜用インクの濡れ性を優れたものとすることができる。
本発明の成膜用インクでは、前記液性媒体は、前記エーテル系化合物の他に、芳香族炭化水素化合物を含むことが好ましい。
これにより、成膜材料が非水系溶媒に可溶なものである場合に、液性媒体に対して成膜材料を確実に溶解させるとともに、成膜用インクを製造する際、エーテル系化合物と芳香族炭化水素化合物との混合比に応じて、所望の表面張力を有する液性媒体を簡単に調製することができる。
本発明の成膜用インクでは、前記成膜材料は、非水系溶媒に可溶なものであることが好ましい。
このような成膜材料は、液性媒体に溶解させることができる。
本発明の成膜用インクでは、前記成膜材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層または発光層を構成する材料またはその前駆体であることが好ましい。
一般に、有機EL素子では、陽極上に正孔注入層が設けられ、その正孔注入層上に正孔輸送層または発光層が設けられている。そして、正孔輸送層や発光層を形成する際には、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された正孔注入層上に、正孔輸送層や発光層の構成材料またはその前駆体を非水系の溶媒または分散媒に溶解または分散させた成膜用インクを塗布することとなる。
したがって、正孔輸送層または発光層の形成に本発明の成膜用インクを用いると、本発明の効果が顕著となる。
本発明の成膜用インクでは、基材に付与し、前記液性媒体を除去することにより、前記成膜材料を主材料として構成された膜を形成するのに用いることが好ましい。
これにより、成膜の目的とする膜またはその前駆体膜を形成することができる。
本発明の成膜用インクでは、液滴吐出法による成膜に用いることが好ましい。
これにより、微細な領域に対しても、所望の位置および領域に成膜用インクを付与することができる。また、液滴吐出法は、気相成膜法に比し、成膜プロセスが簡単なものとなるとともに、原材料(成膜材料)の使用量が少なくて済むという利点がある。
本発明の成膜方法は、本発明の成膜用インクを基材上に付与する工程と、
前記成膜用インクから前記液媒体を除去して、膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
このような成膜方法によれば、非水系の溶媒または分散媒を用いる場合において、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層上に対しても、界面活性剤のような添加剤を用いることなく、容易に濡れ拡がらせることができる。その結果、簡単かつ短時間に、優れた膜質を有する膜を形成することができる。
本発明の発光素子の製造方法は、本発明の成膜用インクを基材上に付与する工程と、
前記成膜用インクから前記液媒体を除去して、正孔輸送層または発光層を形成する工程とを有することを特徴とする。
このような発光素子の製造方法によれば、例えば、非水系の溶媒または分散媒を用いた成膜用インクにより正孔輸送層または発光層を形成する場合において、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された正孔注入層上に対しても、界面活性剤のような添加剤を用いることなく、かかる成膜用インクを容易に濡れ拡がらせることができる。その結果、簡単かつ短時間に、優れた膜質を有する正孔輸送層または発光層を形成することができる。特に、発光素子内に界面活性剤が残留することがないので、発光素子の特性を優れたものとすることができる。
光素子の縦断面を模式的に示す図である。 液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。 図2の液滴吐出装置に備えられた液滴吐出ヘッドの概略構成を示す模式図である。 光装置を備えるディスプレイ装置の実施形態を示す縦断面図である。 バイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 ィジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
以下、本発明の成膜用インク、成膜方法および発光素子の製造方を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。
(発光素子)
図1は、光素子の縦断面を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図1に示す発光素子(エレクトロルミネッセンス素子)1は、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)を発光させて、白色発光するものである。
このような発光素子1は、陽極3と陰極12との間に、正孔注入層4と正孔輸送層5と赤色発光層(第1の発光層)6と第1の中間層7Aと青色発光層(第2の発光層)8と第2の中間層7Bと緑色発光層(第3の発光層)9と電子輸送層10と電子注入層11と陰極12とがこの順に積層されてなるものである。
言い換えすれば、発光素子1は、正孔注入層4と正孔輸送層5と赤色発光層6と第1の中間層7Aと青色発光層8と第2の中間層7Bと緑色発光層9と電子輸送層10と電子注入層11とがこの順に積層で積層された積層体15が2つの電極間(陽極3と陰極12との間)に介挿されて構成されている。
そして、発光素子1は、その全体が基板2上に設けられるとともに、封止部材13で封止されている。
このような発光素子1にあっては、赤色発光層6、青色発光層8、および緑色発光層9の各発光層に対し、陰極12側から電子が供給(注入)されるとともに、陽極3側から正孔が供給(注入)される。そして、各発光層では、正孔と電子とが再結合し、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、エキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出するため、赤色発光層6、青色発光層8、および緑色発光層9がそれぞれ赤色、青色、および緑色に発光する。これにより、発光素子1は、白色発光する。
基板2は、陽極3を支持するものである。本実施形態の発光素子1は、基板2側から光を取り出す構成(ボトムエミッション型)であるため、基板2および陽極3は、それぞれ、実質的に透明(無色透明、着色透明または半透明)とされている。
基板2の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような基板2の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
なお、発光素子1が基板2と反対側から光を取り出す構成(トップエミッション型)の場合、基板2には、透明基板および不透明基板のいずれも用いることができる。
不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
以下、発光素子1を構成する各部を順次説明する。
(陽極)
陽極3は、後述する正孔注入層4を介して正孔輸送層5に正孔を注入する電極である。この陽極3の構成材料としては、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料を用いるのが好ましい。
陽極3の構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような陽極3の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。
(陰極)
一方、陰極12は、後述する電子注入層11を介して電子輸送層10に電子を注入する電極である。この陰極12の構成材料としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
陰極12の構成材料としては、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
特に、陰極12の構成材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。かかる合金を陰極12の構成材料として用いることにより、陰極12の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
このような陰極12の平均厚さは、特に限定されないが、100〜10000nm程度であるのが好ましく、200〜500nm程度であるのがより好ましい。
なお、本実施形態の発光素子1は、ボトムエミッション型であるため、陰極12に、光透過性は、特に要求されない。
(正孔注入層)
正孔注入層4は、陽極3からの正孔注入効率を向上させる機能を有するものである。
また、この正孔注入層4は、後に詳述するように、水系の溶媒または分散媒の成膜用インクを用いて形成されたものである。
この正孔注入層4の構成材料(正孔注入材料)としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、PEDOT/PSS/Nafion(登録商標)、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニル−p−ジアミノベンゼンおよびその誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような正孔注入層4の平均厚さは、特に限定されないが、5〜150nm程度であるのが好ましく、10〜100nm程度であるのがより好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層5は、陽極3から正孔注入層4を介して注入された正孔を赤色発光層6まで輸送する機能を有するものである。
また、この正孔輸送層5は、後に詳述するように、本発明の成膜用インクおよび成膜方法を用いて形成されたものである。
この正孔輸送層5の構成材料には、各種p型の高分子材料や、各種p型の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができる。
p型の高分子材料(有機ポリマー)としては、例えば、ポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)−(1,4−フェニレン−((4−sec−ブチルフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン(TFB)等のポリアリールアミンのようなアリールアミン骨格を有するもの、フルオレン−ビチオフェン共重合体のようなフルオレン骨格を有するもの、フルオレン−アリールアミン共重合体のようなアリールアミン骨格およびフルオレン骨格の双方を有するもの、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられる。
このようなp型の高分子材料は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
一方、p型の低分子材料としては、例えば、1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリアミノフェニル)シクロへキサン、1,1’−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサンのようなアリールシクロアルカン系化合物、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD1)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD3)、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)、TPTEのようなアリールアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(パラ−トリル)−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(メタ−トリル)−メタ−フェニレンジアミン(PDA)のようなフェニレンジアミン系化合物、カルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾールのようなカルバゾール系化合物、スチルベン、4−ジ−パラ−トリルアミノスチルベンのようなスチルベン系化合物、OZのようなオキサゾール系化合物、トリフェニルメタン、m−MTDATAのようなトリフェニルメタン系化合物、1−フェニル−3−(パラ−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンのようなピラゾリン系化合物、ベンジン(シクロヘキサジエン)系化合物、トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、イミダゾールのようなイミダゾール系化合物、1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4,−オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アントラセン、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンのようなアントラセン系化合物、フルオレノン、2,4,7,−トリニトロ−9−フルオレノン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)−1−ナフチルアゾ)フルオレノンのようなフルオレノン系化合物、ポリアニリンのようなアニリン系化合物、シラン系化合物、1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニル−ピロロ−(3,4−c)ピロロピロールのようなピロール系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリンのようなポルフィリン系化合物、キナクリドンのようなキナクリドン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、銅ナフタロシアニン、バナジルナフタロシアニン、モノクロロガリウムナフタロシアニンのような金属または無金属のナフタロシアニン系化合物、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンのようなベンジジン系化合物等が挙げられる。
このような正孔輸送層5の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、10〜100nm程度であるのがより好ましい。
なお、この正孔輸送層5は、省略することができる。
(赤色発光層)
この赤色発光層(第1の発光層)6は、赤色(第1の色)に発光する赤色発光材料を含んで構成されている。
なお、この赤色発光層6は、前述した正孔輸送層5を省略した場合、または、正孔輸送層5が水系の溶媒または分散媒の成膜用インクを用いて形成された場合、後述するような本発明の成膜用インクおよび成膜方法を用いて形成される。
このような赤色発光材料としては、特に限定されず、各種赤色蛍光材料、赤色燐光材料を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
赤色蛍光材料としては、赤色の蛍光を発するものであれば特に限定されず、例えば、ペリレン誘導体、ユーロピウム錯体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、ポルフィリン誘導体、ナイルレッド、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−(2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H−ベンゾ(ij)キノリジン−9−イル)エテニル)−4H−ピラン−4H−イリデン)プロパンジニトリル(DCJTB)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−(1−シアノビニレンフェニレン)]、ポリ[{9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン}オルト- コ- {2,5−ビス(N,N’-ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン}]、ポリ[{2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−(1−シアノビニレンフェニレン)}−コ- {2,5−ビス(N,N’-ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン}]等を挙げられる。
赤色燐光材料としては、赤色の燐光を発するものであれば特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等の金属錯体が挙げられ、これら金属錯体の配位子の内の少なくとも1つがフェニルピリジン骨格、ビピリジル骨格、ポルフィリン骨格等を持つものも挙げられる。より具体的には、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジネート−N,C’]イリジウム(アセチルアセトネート)(btp2Ir(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−12H,23H−ポルフィリン−白金(II)、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジネート−N,C’]イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)イリジウム(アセチルアセトネート)が挙げられる。
また、赤色発光層6中には、前述した赤色発光材料の他に、赤色発光材料がゲスト材料として添加されるホスト材料を含んでいてもよい。
ホスト材料は、正孔と電子とを再結合して励起子を生成するとともに、その励起子のエネルギーを赤色発光材料に移動(フェルスター移動またはデクスター移動)させて、赤色発光材料を励起する機能を有する。このようなホスト材料を用いる場合、例えば、ゲスト材料である赤色発光材料をドーパントとしてホスト材料にドープして用いることができる。
このようなホスト材料としては、用いる赤色発光材料に対して前述したような機能を発揮するものであれば、特に限定されないが、赤色発光材料が赤色蛍光材料を含む場合、例えば、ナフタセン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体のようなアセン誘導体(アセン系材料)、ジスチリルアリーレン誘導体、ペリレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアミン誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)等のキノリノラト系金属錯体、トリフェニルアミンの4量体等のトリアリールアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、シロール誘導体、ジカルバゾール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ベンゾピラン誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、キノリン誘導体、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前述したような赤色発光材料(ゲスト材料)およびホスト材料を用いる場合、赤色発光層6中における赤色発光材料の含有量(ドープ量)は、0.01〜10wt%であるのが好ましく、0.1〜5wt%であるのがより好ましい。赤色発光材料の含有量をこのような範囲内とすることで、発光効率を最適化することができる。
このような赤色発光層6の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、10〜100nm程度であるのがより好ましい。
(第1の中間層)
この第1の中間層7Aは、前述した赤色発光層6と後述する青色発光層8との層間にこれらに接するように設けられている。そして、第1の中間層7Aは、発光性を有する材料を実質的に含まずに構成され、赤色発光層(第1の発光層)6と青色発光層(第2の発光層)8との間でキャリア(正孔および電子)の移動を調整する機能を有する。この機能により、赤色発光層6および青色発光層8をそれぞれ効率よく発光させることができる。
このような第1の中間層7Aの構成材料としては、前述したようなキャリア調整機能を発揮することができるものであれば、特に限定されないが、アセン系材料、アミン系材料等が好適に用いられる。
アセン系材料としては、アセン骨格を有し、かつ、前述したような効果を発揮するものであれば、特に限定されず、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、テトラセン(ナフタセン)誘導体、ペンタセン誘導体、ヘキサセン誘導体、ヘプタセン誘導体等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような第1の中間層7Aに用いられるアミン系材料としては、アミン骨格を有し、かつ、前述したような効果を発揮するものであれば、特に限定されず、例えば、前述した正孔輸送材料のうちのアミン骨格を有する材料を用いることができるが、ベンジジン系アミン誘導体を用いるのが好ましい。
また、第1の中間層7Aの平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nmであるのが好ましく、3〜50nmであるのがより好ましく、5〜30nmであるのがさらに好ましい。これにより、駆動電圧を抑えつつ、第1の中間層7Aが赤色発光層6と青色発光層8との間での正孔および電子の移動を確実に調整することができる。
なお、この第1の中間層7Aは、省略することができる。
(青色発光層)
青色発光層(第2の発光層)8は、青色(第2の色)に発光する青色発光材料を含んで構成されている。
このような青色発光材料としては、例えば、各種青色蛍光材料および青色燐光材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
青色蛍光材料としては、青色の蛍光を発するものであれば、特に限定されず、例えば、ジスチリルジアミン系化合物等のジスチリルアミン誘導体、フルオランテン誘導体、ピレン誘導体、ペリレンおよびペリレン誘導体、アントラセン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエン、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル(BCzVBi)、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルオキシフルオレン−2,7−ジイル)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−{2−エトキシヘキシルオキシ}フェニレン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(エチルニルベンゼン)]等が挙げられる。
青色燐光材料としては、青色の燐光を発するものであれば、特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等の金属錯体が挙げられ、具体的には、ビス[4,6−ジフルオロフェニルピリジネート−N,C’]−ピコリネート−イリジウム、トリス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジネート−N,C’]イリジウム、ビス[2−(3,5−トリフルオロメチル)ピリジネート−N,C’]−ピコリネート−イリジウム、ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジネート−N,C’)イリジウム(アセチルアセトネート)等が挙げられる。
また、青色発光層8中には、前述した青色発光材料の他に、青色発光材料がゲスト材料として添加されるホスト材料が含まれていてもよい。
このようなホスト材料としては、前述した赤色発光層(第1の発光層)6で説明したホスト材料と同様のものを用いることができる。
(第2の中間層)
この第2の中間層7Bは、前述した青色発光層8と後述する緑色発光層9との層間にこれらに接するように設けられている。そして、第2の中間層7Bは、発光性を有する材料を実質的に含まずに構成され、青色発光層(第2の発光層)8と緑色発光層(第3の発光層)9との間でキャリア(正孔および電子)の移動を調整する機能を有する。この機能により、青色発光層8と緑色発光層9との間での励起子のエネルギー移動を阻止することができることから、青色発光層8から緑色発光層9へのエネルギー移動を抑制して、青色発光層8および緑色発光層9をそれぞれ効率よく発光させることができる。
このような第2の中間層7Bの構成材料としては、第2の中間層7Bが、青色発光層8のホスト材料および緑色発光層9のホスト材料のうちの少なくとも一方のホスト材料と同一または同種の材料を含み、かつ、発光性を有する材料を実質的に含まずに構成され、前述したようなキャリア調整機能を発揮することができるものであれば、特に限定されないが、前記ホスト材料と同種または同一の材料として、アセン系材料を含むものが好適に用いられる。
アセン系材料としては、前述した第1の中間層7Aで説明したのと同様のものを用いることができる。
また、第2の中間層7Bの厚さは、特に限定されないが、2nm以上、10nm以下程度であるのが好ましく、3nm以上、7nm以下程度であるのがより好ましい。第2の中間層7Bの厚さをかかる範囲内に設定することにより、励起子(正孔および電子)の拡散を抑制または防止して、励起子の移動を確実に調整することができる。
なお、この第2の中間層7Bは、省略することができる。
(緑色発光層)
緑色発光層(第3の発光層)9は、緑色(第3の色)に発光する緑色発光材料を含んで構成されている。
このような緑色発光材料としては、特に限定されず、例えば、各種緑色蛍光材料および緑色燐光材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
緑色蛍光材料としては、緑色の蛍光を発するものであれば特に限定されず、例えば、クマリン誘導体、キナクリドンおよびその誘導体、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセン、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ジフェニレン−ビニレン−2−メトキシ−5−{2−エチルヘキシルオキシ}ベンゼン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−(2−エトキシルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]等が挙げられる。
緑色燐光材料としては、緑色の燐光を発するものであれば特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等の金属錯体が挙げられ、具体的には、ファク−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジネート−N,C’)イリジウム(アセチルアセトネート)、ファク−トリス[5−フルオロ−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジン)フェニル−C,N]イリジウム等が挙げられる。
また、緑色発光層9中には、前述した緑色発光材料の他に、緑色発光材料がゲスト材料として添加されるホスト材料が含まれていてもよい。
このようなホスト材料としては、前述した赤色発光層(第1の発光層)6で説明したホスト材料と同様のものを用いることができる。
(電子輸送層)
電子輸送層10は、陰極12から電子注入層11を介して注入された電子を緑色発光層9に輸送する機能を有するものである。
電子輸送層10の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)等の8−キノリノールなしいその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子輸送層10の平均厚さは、特に限定されないが、0.5〜100nm程度であるのが好ましく、1〜50nm程度であるのがより好ましい。
なお、この電子輸送層10は、省略することができる。
(電子注入層)
電子注入層11は、陰極12からの電子注入効率を向上させる機能を有するものである。
この電子注入層11の構成材料(電子注入材料)としては、例えば、各種の無機絶縁材料、各種の無機半導体材料が挙げられる。
このような無機絶縁材料としては、例えば、アルカリ金属カルコゲナイド(酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物)、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらを主材料として電子注入層を構成することにより、電子注入性をより向上させることができる。特にアルカリ金属化合物(アルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物等)は仕事関数が非常に小さく、これを用いて電子注入層11を構成することにより、発光素子1は、高い輝度が得られるものとなる。
アルカリ金属カルコゲナイドとしては、例えば、LiO、LiO、NaS、NaSe、NaO等が挙げられる。
アルカリ土類金属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、MgO、CaSe等が挙げられる。
アルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、CsF、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl、NaCl等が挙げられる。
アルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF、BaF、SrF、MgF、BeF等が挙げられる。
また、無機半導体材料としては、例えば、Li、Na、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Cd、Mg、Si、Ta、SbおよびZnのうちの少なくとも1つの元素を含む酸化物、窒化物または酸化窒化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子注入層11の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜1000nm程度であるのが好ましく、0.2〜100nm程度であるのがより好ましく、0.2〜50nm程度であるのがさらに好ましい。
なお、この電子注入層11は、省略することができる。
(封止部材)
封止部材13は、陰極12を覆うように設けられ、陽極3、積層体15、および陰極12を気密的に封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。封止部材13を設けることにより、発光素子1の信頼性の向上や、変質・劣化の防止(耐久性向上)等の効果が得られる。
封止部材13の構成材料としては、例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiまたはこれらを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。なお、封止部材13の構成材料として導電性を有する材料を用いる場合には、短絡を防止するために、封止部材13と陰極12との間には、必要に応じて、絶縁膜を設けるのが好ましい。
また、封止部材13は、平板状として、基板2と対向させ、これらの間を、例えば熱硬化性樹脂等のシール材で封止するようにしてもよい。
(発光素子の製造方法)
次に、本発明の成膜用インクおよび成膜方法について、前述した発光素子1の製造に適用した場合を例に説明する。
以上のような発光素子1は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] まず、基板2を用意し、この基板2上に陽極3を形成する。
陽極3は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着等の乾式メッキ法、電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
[2] 次に、陽極3上に正孔注入層4を形成する。
この正孔注入層4は、正孔注入材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる正孔注入層形成用材料(インク)を、陽極3上に供給した後、乾燥(脱溶媒または脱分散媒)することにより形成される。
正孔注入層形成用材料の供給方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット印刷法(液滴吐出法)等の各種塗布法を用いることもできる。かかる塗布法を用いることにより、正孔注入層4を比較的容易に形成することができる。
正孔注入層形成用材料の調製に用いる溶媒または分散媒としては、例えば、各種無機溶媒や、各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
また、かかる溶媒または分散媒には、液滴吐出の安定性を図るため、高沸点溶媒が添加されていてもよい。かかる高沸点溶媒の具体的としては、例えば、芳香族炭化水素、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスソルアミド(HMPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)およびその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等が挙げられる。
なお、乾燥は、例えば、大気圧または減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができる。
また、本工程に先立って、陽極3の上面には、酸素プラズマ処理を施すようにしてもよい。これにより、陽極3の上面を親液性を付与すること、陽極3の上面に付着する有機物を除去(洗浄)すること、陽極3の上面付近の仕事関数を調整すること等を行うことができる。
ここで、酸素プラズマ処理の条件としては、例えば、プラズマパワー100〜800W程度、酸素ガス流量50〜100mL/min程度、被処理部材(陽極3)の搬送速度0.5〜10mm/sec程度、被処理部材を支持する支持体の温度70〜90℃程度とするのが好ましい。
[3] 次に、正孔注入層4上に正孔輸送層5を形成する。
この正孔輸送層5は、前述した正孔輸送材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる正孔輸送層形成用材料(本発明の成膜用インク)を、正孔注入層4上に供給した後、乾燥(脱溶媒または脱分散媒)することにより形成される。
特に、正孔注入層形成用材料(成膜用インク)の供給方法としては、例えば、後述するような液滴吐出装置によるインクジェット印刷法(液滴吐出法)を用いる。
(液滴吐出装置)
ここで、正孔輸送層5の成膜に用いる液滴吐出装置について説明する。
図2は、液滴吐出装置(インクジェット装置)の概略構成を示す斜視図、図3は、図2の液滴吐出装置に備えられた液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の概略構成を説明するための模式図である。
図2に示すように、液滴吐出装置200は、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド。以下、単にヘッドと呼ぶ)110と、ベース130と、テーブル140と、インク貯留部(図示せず)と、テーブル位置決め手段170と、ヘッド位置決め手段180と、制御装置190とを有している。
ベース130は、テーブル140、テーブル位置決め手段170、およびヘッド位置決め手段180等の液滴吐出装置200の各構成部材を支持する台である。
テーブル140は、テーブル位置決め手段170を介してベース130に設置されている。また、テーブル140は、基材S(本実施形態では、基板20と陽極3と正孔注入層4からなる積層体)を載置するものである。
また、テーブル140の裏面には、ラバーヒータ(図示せず)が配設されている。テーブル140上に載置された基材Sは、その上面全体がラバーヒータにて所定の温度に加熱されるようになっている。
テーブル位置決め手段170は、第1移動手段171と、モータ172とを有している。テーブル位置決め手段170は、ベース130におけるテーブル140の位置を決定し、これにより、ベース130における基材Sの位置を決定する。
第1移動手段171は、Y方向と略平行に設けられた2本のレールと、当該レール上を移動する支持台とを有している。第1移動手段171の支持台は、モータ172を介してテーブル140を支持している。そして、支持台がレール上を移動することにより、基材Sを載置するテーブル140は、Y方向に移動および位置決めされる。
モータ172は、テーブル140を支持しており、θz方向にテーブル140を揺動および位置決めする。
ヘッド位置決め手段180は、第2移動手段181と、リニアモータ182と、モータ183、184、185とを有している。ヘッド位置決め手段180は、ヘッド110の位置を決定する。
第2移動手段181は、ベース130から立設する2本の支持柱と、当該支持柱同士の間に当該支持柱に支持されて設けられ、2本のレールを有するレール台と、レールに沿って移動可能でヘッド110を支持する支持部材(図示せず)とを有している。そして、支持部材がレールに沿って移動することにより、ヘッド110は、X方向に移動および位置決めされる。
リニアモータ182は、支持部材付近に設けられており、ヘッド110のZ方向の移動および位置決めをすることができる。
モータ183、184、185は、ヘッド110を、それぞれα,β,γ方向に揺動および位置決めする。
以上のようなテーブル位置決め手段170およびヘッド位置決め手段180とにより、液滴吐出装置200は、ヘッド110のインク吐出面115Pと、テーブル140上の基材Sとの相対的な位置および姿勢を、正確にコントロールできるようになっている。
図3に示すように、ヘッド110は、インクジェット方式(液滴吐出方式)によって成膜用インク300をノズル(突出部)118から吐出するものである。本実施形態では、ヘッド110は、圧電体素子としてのピエゾ素子113を用いてインクを吐出させるピエゾ方式を用いている。ピエゾ方式は、成膜用インク300に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えないなどの利点を有する。
ヘッド110は、ヘッド本体111と、振動板112と、ピエゾ素子113とを有している。
ヘッド本体111は、本体114と、その下端面にノズルプレート115とを有している。そして、本体114を板状のノズルプレート115と振動板112とが挟み込むことにより、空間としてのリザーバ116およびリザーバ116から分岐した複数のインク室117が形成されている。
リザーバ116には、図示しないインク貯留部から成膜用インク300が供給される。リザーバ116は、各インク室117に成膜用インク300を供給するための流路を形成している。
また、ノズルプレート115は、本体114の下端面に装着されており、インク吐出面115Pを構成している。このノズルプレート115には、成膜用インク300を吐出する複数のノズル118が、各インク室117に対応して開口されている。そして、各インク室117から対応するノズル(吐出部)118に向かって、インク流路が形成されている。
振動板112は、ヘッド本体111の上端面に装着されており、各インク室117の壁面を構成している。振動板112は、ピエゾ素子113の振動に応じて振動可能となっている。
ピエゾ素子113は、その振動板112のヘッド本体111と反対側に、各インク室117に対応して設けられている。ピエゾ素子113は、水晶等の圧電材料を一対の電極(不図示)で挟持したものである。その一対の電極は、駆動回路191に接続されている。
そして、駆動回路191からピエゾ素子113に電気信号を入力すると、ピエゾ素子113が膨張変形または収縮変形する。ピエゾ素子113が収縮変形すると、インク室117の圧力が低下して、リザーバ116からインク室117に成膜用インク300が流入する。また、ピエゾ素子113が膨張変形すると、インク室117の圧力が増加して、ノズル118から成膜用インク300が吐出される。なお、印加電圧を変化させることにより、ピエゾ素子113の変形量を制御することができる。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子113の変形速度を制御することができる。すなわち、ピエゾ素子113への印加電圧を制御することにより、成膜用インク300の吐出条件を制御し得るようになっている。
制御装置190は、液滴吐出装置200の各部位を制御する。例えば、駆動回路191で生成する印加電圧の波形を調節して成膜用インク300の吐出条件を制御したり、ヘッド位置決め手段180およびテーブル位置決め手段170を制御したりすることにより基材Sへの成膜用インク300の吐出位置を制御する。
(成膜用インク)
本発明の成膜用インク300は、成膜材料と、その成膜材料が溶解または分散される液性媒体とを有する。
この成膜用インク300は、基材S(本実施形態では正孔注入層4)に付与し、前記液性媒体を除去することにより、前記成膜材料を主材料として構成された膜(本実施形態では正孔輸送層5)を形成するのに用いるものである。これにより、成膜の目的とする膜(本実施形態では正孔輸送層5)またはその前駆体膜を形成することができる。
特に、かかる成膜用インク300は、前述したような液滴吐出装置200を用いた成膜、すなわち液滴吐出法による成膜に用いるものである。これにより、微細な領域に対しても、所望の位置および領域に成膜用インク300を付与することができる。また、液滴吐出法は、気相成膜法に比し、成膜プロセスが簡単なものとなるとともに、原材料(成膜材料)の使用量が少なくて済むという利点がある。
以下、本発明の成膜用インク300の各成分を詳細に説明する。
(成膜材料)
本発明の成膜用インク300に含まれる成膜材料は、成膜の目的とする膜(本実施形態では正孔輸送層5)の構成材料またはその前駆体である。
成膜用インク300中において、成膜材料は、後述する液性媒体に溶解しているものであってもよいし、分散しているものであってもよいが、成膜材料が液性媒体中に分散しているものである場合、成膜材料の平均粒径は、20〜200nmであるのが好ましく、5〜90nmであるのがより好ましい。これにより、成膜用インク300中における成膜材料の分散安定性を優れたものとすることができる。
成膜材料は、非水系溶媒に可溶なものであるのが好ましい。このような成膜材料は、液性媒体に溶解させることができる。そのため、高分子材料を成膜材料として用いた場合においても、均質な膜を形成することができる。
本実施形態では、本工程に用いる成膜材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層を構成する材料またはその前駆体である。
前述した発光素子1では、陽極3上に正孔注入層4が設けられ、その正孔注入層4上に正孔輸送層5が設けられている。そして、正孔輸送層5を形成する際には、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された正孔注入層4上に、正孔輸送層5の構成材料またはその前駆体を非水系の溶媒または分散媒に溶解または分散させた成膜用インク300を塗布することとなる。
したがって、正孔輸送層5の形成に本発明の成膜用インク300を用いると、本発明の効果が顕著となる。
なお、発光素子1においては、前述したように正孔輸送層5を省略することができる。したがって、その場合には、その正孔注入層4上に発光層(赤色発光層6)が設けられることになる。そして、この場合、赤色発光層6を形成する際には、正孔注入層4上に、赤色発光層6の構成材料またはその前駆体を非水系の溶媒または分散媒に溶解または分散させた成膜用インクを塗布することとなる。したがって、このような赤色発光層6の形成に本発明の成膜用インクを用いても、本発明の効果が顕著となる。
成膜用インク300中における成膜材料の含有率は、成膜用インク300の用途に応じて決められるものであり、特に限定されないが、例えば、0.01〜20wt%であるのが好ましく、0.05〜15wt%であるのがより好ましい。成膜材料の含有率が前記範囲内の値であると、成膜用の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)からの吐出性(吐出安定性)を特に優れたものとすることができる。
(液性媒体)
本発明の成膜用インク300に含まれる液性媒体は、前述した成膜材料を溶解または分散させるもの、すなわち、溶媒または分散媒である。この液性媒体は、後述する成膜過程において、その大部分が除去されるものである。
特に、かかる液性媒体は、表面張力が35dyn/cm以下であり、かつ、下記式(I)で表わされるエーテル系化合物を含んでいる。
Figure 0006106917
[上記式(I)において、RおよびRは、それぞれ、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、分岐アルキル基または環状アルキル基である。Rは、炭素数1以上3以下のアルキレン基である。また、nは、0以上4以下の整数である。また、nが2以上である場合、Rは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
このように構成された成膜用インク300によれば、非水系の溶媒または分散媒を用いる場合において、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層(本実施形態では、正孔注入層4)上に対しても、容易に濡れ拡がらせることができる。
また、本発明の成膜用インクは、界面活性剤のような添加剤を用いる必要がないので、得られる膜中に添加物が残留することによる膜の特性悪化を防止することができる。
特に、成膜用インク300に用いる前記エーテル系化合物は、エーテル酸素原子の数および炭素数が最適化され、かつ、エーテル酸素原子以外のヘテロ原子を含まない(すなわち、エーテル基以外の極性基(例えば、エステル、アセテート、ケトン、水酸基、カルボキシル基、スルホ基)を含まない)ので、非水系の溶媒または分散媒として用いることができるとともに、得られる膜(本実施形態では正孔輸送層5)中に残留したとしても、膜の電気的特性に与える悪影響を少なくすることができる。さらに、かかる化合物は、成膜材料(本実施形態では正孔輸送性材料)に対する攻撃性が低く、この点でも、得られる膜の特性悪化を防止することができる。
これに対し、仮に、成膜用インク300に含まれる液性媒体の表面張力が35dyn/cmよりも大きいと、成膜用インク300を正孔注入層4上に対して均一に濡れ拡がらせることができない。
また、正孔注入層4上に対する成膜用インク300の濡れ性をより優れたものとするには、成膜用インク300に含まれる液性媒体の表面張力が30dyn/cm以下であるのが好ましい。
また、前記式(I)において、仮にnが0または1であると、液性媒体(エーテル系化合物)の沸点が低くなりすぎてしまい、その結果、例えば、液滴吐出法に用いる液滴吐出ヘッドのノズルの詰まりを生じさせてしまう。一方、前記式(I)において、仮にnが5以上であると、液性媒体(エーテル系化合物)の粘度が高くなりすぎてしまい、その結果、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層(膜)上に対する成膜用インクを均一に塗れ広がらせることができなかったり、液性媒体(エーテル系化合物)の沸点が高くなりすぎてしまい、その結果、成膜用インクの脱溶媒性または脱分散媒性が低下してしまったりする。
このような観点から、前記式(I)において、nは、2以上4以下であるのが好ましい。すなわち、前記式(I)で表されるエーテル系化合物が、エーテル結合が3つ以上5つ以下であるのが好ましい。これにより、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層(膜)上に対する成膜用インク300の濡れ性と、成膜用インク300の脱溶媒性または脱分散媒性との双方を優れたものとすることができる。また、液性媒体(エーテル系化合物)の沸点が低くなりすぎるのを防止し、その結果、例えば、液滴吐出法に用いる液滴吐出ヘッドのノズルの詰まりを防止することができる。
また、前記式(I)において、nが2以上4以下である場合、Rは、炭素数が2または3であるのが好ましい。これにより、成膜材料が非水系溶媒に可溶なものである場合に、液性媒体に対して成膜材料を確実に溶解させるとともに、液性媒体が意図しないもの(例えば、液滴吐出法に用いる液滴吐出ヘッドを構成する部材)を溶解してしまうのを防止または抑制することができる。
これに対し、前記式(I)において、仮にRの炭素数が少なすぎると、液性媒体に対する非極性材料の溶解性が高すぎてしまい、液性媒体が意図しないものを溶解してしまう場合がある。一方、前記式(I)において、仮にRの炭素数が多すぎると、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層(膜)上に対する成膜用インク300の濡れ性と、成膜用インク300の脱溶媒性または脱分散媒性とを両立することが難しい。
また、前記液性媒体中における前記エーテル系化合物の含有量は、0.1wt%以上100wt%以下であるのが好ましく、10wt%以上100wt%以下であるのがより好ましく、20wt%以上100wt%以下であるのがさらに好ましい。これにより、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層(膜)上に対する成膜用インク300の濡れ性を優れたものとすることができる。
また、液性媒体中には、上記式(I)に示す化合物以外の化合物が含まれていてもよい。液性媒体に含有可能な化合物としては、例えば、ナフタレン、ジメチルナフタレン等のナフタレン誘導体、ベンゼン(Benzene、沸点80.1℃、融点5.5℃)、トルエン(Toluene、沸点110.6℃、融点-93℃)、o−キシレン(o-Xylene (p-,m-)、沸点144℃、融点-25℃)、トリメチルベンゼン(Trimethylbenzene、沸点165℃、融点-45℃)、テトラリン(テトラヒドロナフタレン:Tetralin、沸点208℃、融点-35.8℃)、シクロヘキシルベンゼン(cyclohexylbenzene、沸点237.5℃、融点5℃)、1,4−ジクロロベンゼン(1,4-dchlorobenzene、沸点174℃、融点53.5℃)、1,2,3−トリクロロベンゼン(1,2,3-Trichlorobenzene、沸点221℃、融点52.6℃)、テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran、沸点66℃、融点-108.5℃)、ジエチルエーテル(diethyl ether、沸点35℃、融点-116℃)、ジイソプロピルエーテル(Diisopropyl ether、沸点69℃、融点-85.6℃)、エチレングリコール(ethylene glycol、沸点197.3℃、融点-12.9℃)、エチレングリコールジエチルエーテル(Ethylene glycol diethyl ether、沸点190℃、融点-44.3℃)、ジオキサン(Dioxane、沸点101.1℃、融点11.8℃)、アニソール(メトキシベンゼン:Anisole、沸点154℃、融点-37℃)、ジクロロメタン(dichloromethane、沸点40℃、融点-96.7℃)、トリクロロメタン(trichloromethane、沸点61.2℃、融点-64℃)、塩化炭素四塩化炭素(tetrachloromethane、沸点76.7℃、融点-28.6℃)、ペンタン(pentane、沸点36℃、融点-131℃)、ヘキサン(Hexane、沸点69℃、融点-95℃)、シクロヘキサン(cyclohexane、沸点81℃、融点7℃)、アセトン(Acetone、沸点56.5℃、融点-94℃)、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP:1-Methyl-2-pyrrolidinone、沸点204℃、融点-24℃)、メチルエチルケトン(methylethylketone、沸点79.6℃、融点-86℃)、アルファ−テトラロン(Alpha-tetralone、沸点257℃、融点7℃)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone、沸点157℃、融点-45℃)、酢酸エチル(ethyl acetate、沸点77.1℃、融点-83.6℃)、酢酸ブチル(butyl acetate、沸点126℃、融点-74℃)、メタノール(methanol、沸点67℃、融点-97℃)、エタノール(ethanol、沸点78.4℃、融点-114.3℃)、イソプロピルアルコール(Isopropyl alcohol、沸点82.4℃、融点-89.5℃)、1−プロパノール(1-Propanol、沸点97.15℃、融点-126.5℃)、アセトニトリル(acetonitrile、沸点82℃、融点-45℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF:N,N-dimethylformamide、沸点153℃、融点-61℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc:N,N-Dimethylacetamide、沸点165℃、融点-20℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(1,3-dimethyl-2-imidazolidinone、沸点220℃、融点8℃)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、沸点189℃、融点18.5℃)、4−tert-ブチルアニソール(4-tert-Butylanisole、沸点222℃、融点18℃)、Trans−アネトール(Trans-Anethole、沸点235℃、融点20℃)、1,2−ジメトキシベンゼン(1,2-Dimethoxybenzene、沸点206.7℃、融点22.5℃)、2−メトキシビフェニル(2-Methoxybiphenyl、沸点274℃、融点28℃)、フェニルエーテル(Phenyl Ether、沸点258.3℃、融点28℃)、2−エトキシナフタレン(2-Ethoxynaphthalene、沸点282℃、融点35℃)、ベンジルフェニルエーテル(Benzyl Phenyl Ether、沸点288℃、融点39℃)、2,6−ジメトキシトルエン(2,6-Dimethoxytoluene、沸点222℃、融点39℃)、2−プロポキシナフタレン(2-Propoxynaphthalene、沸点305℃、融点40℃)、1,2,3−トリメトキシベンゼン(1,2,3-Trimethoxybenzene、沸点235℃、融点45℃)、1,4−ジクロロベンゼン(1,4-dichlorobenzene、沸点174℃、融点53.5℃)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、かかる上記式(I)に示す化合物以外の化合物としては、芳香族炭化水素化合物を用いるのが好ましい。すなわち、前記液性媒体は、前記エーテル系化合物の他に、芳香族炭化水素化合物を含むのが好ましい。これにより、成膜材料が非水系溶媒に可溶なものである場合に、液性媒体に対して成膜材料を確実に溶解させるとともに、成膜用インク300を製造する際、エーテル系化合物と芳香族炭化水素化合物との混合比に応じて、所望の表面張力を有する液性媒体を簡単に調製することができる。
液性媒体の常温(20℃)における粘度(以下、単に「粘度」とも言う)は、4cP以下であるのが好ましく、2cP以下であるのがより好ましい。これにより、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層(本実施形態では正孔注入層4)上に対する成膜用インク300の濡れ性を効果的に高めることできる。
また、液性媒体の常圧での沸点は、80℃以上350℃以下であるのが好ましく、160℃以上300℃以下であるのがより好ましく、200℃以上280℃以下であるのがさらに好ましい。これにより、成膜用インク300の液性媒体の揮発性を抑え、成膜用インク300を液滴吐出法を用いて安定的に吐出することができる。また、成膜用インクの脱溶媒性または脱分散媒性を優れたものとすることができる。
このような液性媒体の成膜用インク300中の含有量は、80〜99.99wt%であるのが好ましく、85〜99.95wt%であるのがより好ましい。
以上説明したような成膜用インクは、後述するようなインクジェット法(液滴吐出法)を用いた成膜に用いるものである。インクジェット法によれば、比較的簡単かつ確実に、微細なパターンニングを行うことができる。
このような成膜用インクは、後述するインク付与工程[3−1]において液状をなすものである。
また、このような成膜用インクの粘度は、特に限定されないが、1cP以上5cP以下程度であるのが好ましい。かかる範囲内に成膜用インクの粘度を調製することにより、前述したような液性媒体の低粘度化による効果が顕著となる。
以上説明したような液滴吐出装置200および成膜用インク300を用いて正孔輸送層5を形成する。
(成膜方法)
具体的には、正孔輸送層5の形成方法(成膜方法)は、[3−1]成膜用インクを基材S(具体的には正孔注入層4)上に付与する工程と、[3−2]成膜用インクから液媒体を除去して、正孔輸送層5を形成する工程とを有する。
これにより、非水系の溶媒または分散媒を用いる場合において、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層上に対しても、界面活性剤のような添加剤を用いることなく、容易に濡れ拡がらせることができる。その結果、簡単かつ短時間に、優れた膜質を有する膜を形成することができる。
[3−1]
具体的には、前述した液滴吐出装置200を用いて、正孔注入層4上に所望の量の成膜用インク300を付与する。
この工程[3−1]における雰囲気の温度および圧力は、それぞれ、成膜用インク300の組成に応じて決められるものであり、基材S上に成膜用インク300を付与することができれば、特に限定されないが、常温常圧であるのが好ましい。これにより、成膜用インク300の付与を簡単に行える。
[3−2]
そして、基材S上(本実施形態では、基板20、陽極3および正孔注入層4からなる積層体であって、具体的には正孔注入層4上)に形成された成膜用インク300から液性媒体を除去することにより、成膜材料を主成分とする膜(すなわち正孔輸送層5またはその前駆体膜)を得る。
この工程[3−2]における雰囲気の温度および圧力は、それぞれ、成膜用インク300の組成に応じて決められるものであり、基材S上の成膜用インク300から液性媒体を除去することができれば、特に限定されないが、液性媒体の除去は、加熱・減圧下で行うのが好ましい。これにより、成膜用インク300から液性媒体を効率的に除去することができる。
この加熱は、特に限定されないが、ホットプレートや赤外線などで行うことができる。また、この加熱は、前述した液滴吐出装置200のテーブル140に設けられたラバーヒータにより行ってもよい。
この加熱温度は、特に限定されないが、60〜100℃程度であるのが好ましい。
また、加熱時間は、特に限定されないが、1分以上60分以下程度である。
前述したように減圧するに際し、その圧力は、特に限定されないが、10−7Pa以上10Pa以下程度であるのが好ましい。
このようにして液性媒体が除去されて形成された膜は、成膜の目的とする正孔輸送層5の構成材料またはその前駆体で構成されたものとなる。
そして、成膜材料として正孔輸送層5の構成材料の前駆体を用いた場合、液性媒体を除去して得られた膜は、必要に応じて、所定の処理が施される。例えば、不活性ガス雰囲気下で熱処理(焼成処理)を施す。
この加熱温度は、特に限定されないが、100〜200℃程度であるのが好ましい。
また、加熱時間は、特に限定されないが、10分以上2時間以下程度である。
以上のようにして、正孔輸送層5が形成される。
[4] 次に、正孔輸送層5上に、赤色発光層6を形成する。
赤色発光層6は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
また、赤色発光層6は、例えば、その構成材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる赤色発光層形成用材料を、正孔輸送層5上に供給した後、乾燥(脱溶媒または脱分散媒)することによっても形成することができる。
なお、この赤色発光層6は、前述した正孔輸送層5を省略した場合、または、正孔輸送層5が水系の溶媒または分散媒の成膜用インクを用いて形成された場合、前述した正孔輸送層5の形成と同様にして本発明の成膜用インクおよび成膜方法を用いて形成される。
[5] 次に、赤色発光層6上に、第1の中間層7Aを形成する。
第1の中間層7Aは、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
また、第1の中間層7Aは、例えば、その構成材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる第1の中間層形成用材料を、赤色発光層6上に供給した後、乾燥(脱溶媒または脱分散媒)することによっても形成することができる。
[6] 次に、第1の中間層7A上に、青色発光層8を形成する。
青色発光層8は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
[7] 次に、青色発光層8上に、第2の中間層7Bを形成する。
第2の中間層7Bは、前記工程[5]で説明した、第1の中間層7Aの形成方法と同様の方法を用いて形成される。
[8] 次に、第2の中間層7B上に、緑色発光層9を形成する。
緑色発光層9は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
[9] 次に、緑色発光層9上に、電子輸送層10を形成する。
電子輸送層10は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
また、電子輸送層10は、例えば、電子輸送材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる電子輸送層形成用材料を、緑色発光層9上に供給した後、乾燥(脱溶媒または脱分散媒)することによっても形成することができる。
[10] 次に、電子輸送層10上に、電子注入層11を形成する。
電子注入層11の構成材料として無機材料を用いる場合、電子注入層11は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセス、無機微粒子インクの塗布および焼成等を用いて形成することができる。
[11] 次に、電子注入層11上に、陰極12を形成する。
陰極12は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属箔の接合、金属微粒子インクの塗布および焼成等を用いて形成することができる。
以上のような工程を経て、発光素子1が得られる。
最後に、得られた発光素子1を覆うように封止部材13を形成する。
以上説明したような発光素子1の製造方法によれば、上述したような工程[3−1]および[3−2]を有するので、非水系の溶媒または分散媒を用いた成膜用インクにより正孔輸送層5を形成する場合において、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された正孔注入層4上に対しても、界面活性剤のような添加剤を用いることなく、かかる成膜用インク300を容易に濡れ拡がらせることができる。その結果、簡単かつ短時間に、優れた膜質を有する正孔輸送層5を形成することができる。特に、発光素子1内に界面活性剤が残留することがないので、発光素子1の特性を優れたものとすることができる。また、発光素子1を安価に製造することができる。
以上説明したような発光素子1は、例えば光源等として使用することができる。また、複数の発光素子1をマトリックス状に配置することにより、ディスプレイ装置(表示装置)を構成することができる。
なお、ディスプレイ装置の駆動方式としては、特に限定されず、アクティブマトリックス方式、パッシブマトリックス方式のいずれであってもよい。
(表示装置)
次に、光装置を備えるディスプレイ装置の一例について説明する。
図4は、光装置を備えるディスプレイ装置の実施形態を示す縦断面図である。
図4に示すディスプレイ装置100は、基板21と、サブ画素100R、100G、100Bに対応して設けられた複数の発光素子1R、1G、1Bおよびカラーフィルタ19R、19G、10Bと、各発光素子1R、1G、1Bをそれぞれ駆動するための複数の駆動用トランジスタ24とを有している。ここで、ディスプレイ装置100は、トップエミッション構造のディスプレイパネルである。
基板21上には、複数の駆動用トランジスタ24が設けられ、これらの駆動用トランジスタ24を覆うように、絶縁材料で構成された平坦化層22が形成されている。
各駆動用トランジスタ24は、シリコンからなる半導体層241と、半導体層241上に形成されたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
平坦化層上には、各駆動用トランジスタ24に対応して発光素子1R、1G、1Bが設けられている。
発光素子1Rは、平坦化層22上に、反射膜32、腐食防止膜33、陽極3、積層体(有機EL発光部)15、陰極12、陰極カバー34がこの順に積層されている。本実施形態では、各発光素子1R、1G、1Bの陽極3は、画素電極を構成し、各駆動用トランジスタ24のドレイン電極245に導電部(配線)27により電気的に接続されている。また、各発光素子1R、1G、1Bの陰極12は、共通電極とされている。
なお、発光素子1G、1Bの構成は、発光素子1Rの構成と同様である。また、図4では、図1と同様の構成に関しては、同一符号を付してある。また、反射膜32の構成(特性)は、光の波長に応じて、発光素子1R、1G、1B間で異なっていてもよい。
隣接する発光素子1R、1G、1B同士の間には、隔壁31が設けられている。また、これらの発光素子1R、1G、1B上には、これらを覆うように、エポキシ樹脂で構成されたエポキシ層35が形成されている。
このような発光装置101によれば、前述した発光素子1と同様の構成を有する発光素子1R、1G、1Bを備えているので、安価で、優れた発光特性を有するものとなる。
カラーフィルタ19R、19G、19Bは、前述したエポキシ層35上に、発光素子1R、1G、1Bに対応して設けられている。
カラーフィルタ19Rは、発光素子1Rからの白色光Wを赤色に変換するものである。また、カラーフィルタ19Gは、発光素子1Gからの白色光Wを緑色に変換するものである。また、カラーフィルタ19Bは、発光素子1Bからの白色光Wを青色に変換するものである。このようなカラーフィルタ19R、19G、19Bを発光素子1R、1G、1Bと組み合わせて用いることで、フルカラー画像を表示することができる。
また、隣接するカラーフィルタ19R、19G、19B同士の間には、遮光層36が形成されている。これにより、意図しないサブ画素100R、100G、100Bが発光するのを防止することができる。
そして、カラーフィルタ19R、19G、19Bおよび遮光層36上には、これらを覆うように基板20が設けられている。
以上説明したようなディスプレイ装置100は、単色表示であってもよく、各発光素子1R、1G、1Bに用いる発光材料を選択することにより、カラー表示も可能である。
このようなディスプレイ装置100(表示装置)は、各種の電子機器に組み込むことができる。
図5は、バイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
図6は、帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
図7は、ィジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
以上説明したような電子機器によれば、それぞれ、前述したようなディスプレイ装置100(発光装置101)を有しているので、優れた信頼性を有する。
なお、子機器は、図5のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図6の携帯電話機、図7のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の成膜用インク、成膜方法および発光素子の製造方を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、前述した実施形態では、発光素子が3層の発光層を有するものについて説明したが、発光層が1層または2層であってもよいし4層以上であってもよい。例えば、前述した実施形態において、発光素子の発光層の1層または2層を省略してもよいし、他の1層以上の発光層を追加してもよい。また、発光層の発光色としては、前述した実施形態のR、G、Bに限定されない。
また、正孔注入層または正孔輸送層に接触して設けられる発光層に用いる発光材料は、赤色発光材料に限定されず、例えば、青色発光材料、緑色発光材料、黄色発光材料等であってもよい。
また、前述した実施形態では、発光装置をディスプレイ装置に組み込んだ例を説明したが、光装置は、これに限定されず、例えば、エレクトロクロミック調光ガラス、電子ペーパー、照明装置、電子写真方式のプリンターの露光装置の光源として用いることも可能である。
また、前述した実施形態では、本発明の成膜用インクおよび成膜方法を有機EL素子の製造に適用した場合を例に説明したが、本発明の成膜用インクおよび成膜方法は、これに限定されない。ただし、水系の溶媒または分散媒を用いて形成された層上に対し、非水系の溶媒または分散媒を用いて成膜を行うものに本発明の成膜用インクおよび成膜方法を適用すると、その効果が顕著となるので、好ましい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.液性媒体の用意
以下のサンプルNo.1〜No.27の液性媒体(溶媒)を用意した。
[サンプルNo.1]
ジメチルナフタレン(bp:268、表面張力37dyn/cm)に対して、前記式(I)に示す化合物(n=1、Rの炭素数=1、Rの炭素数=1、Rの炭素数=2)であるエチレングリコールジメチルエーテル(bp:85℃、表面張力23dyn/cm)を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.2]
前記式(I)に示す化合物(n=2、Rの炭素数=1、Rの炭素数=1、Rの炭素数=2)であるジエチレングリコールジメチルエーテル(bp:162℃、表面張力28dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.3]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.2の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.4]
前記式(I)に示す化合物(n=2、Rの炭素数=2、Rの炭素数=1、Rの炭素数=2)であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(bp:176℃、表面張力27dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.5]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.4の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.6]
前記式(I)に示す化合物(n=2、Rの炭素数=3、Rの炭素数=1、Rの炭素数=2)であるジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル(bp:179℃、表面張力24dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.7]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.6の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.8]
前記式(I)に示す化合物(n=2、Rの炭素数=2、Rの炭素数=2、Rの炭素数=2)であるジエチレングリコールジエチルエーテル(bp:188℃、表面張力30dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.9]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.8の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.10]
前記式(I)に示す化合物(n=2、Rの炭素数=4、Rの炭素数=1、Rの炭素数=2)であるジエチレングリコールブチルメチルエーテル(bp:212℃、表面張力24dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.11]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.10の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.12]
前記式(I)に示す化合物(n=2、Rの炭素数=4、Rの炭素数=4、Rの炭素数=2)であるジエチレングリコールジブチルエーテル(bp:256℃、表面張力25dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.13]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.12の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.14]
前記式(I)に示す化合物(n=2、Rの炭素数=1、Rの炭素数=1、Rの炭素数=3)であるジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp:171℃、表面張力26dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.15]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.14の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.16]
前記式(I)に示す化合物(n=3、Rの炭素数=1、Rの炭素数=1、Rの炭素数=2)であるトリエチレングリコールジメチルエーテル(bp:216℃、表面張力31dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.17]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.16の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.18]
前記式(I)に示す化合物(n=3、Rの炭素数=2、Rの炭素数=1、Rの炭素数=2)であるトリエチレングリコールエチルメチルエーテル(bp:225℃、表面張力29dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.19]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.18の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.20]
前記式(I)に示す化合物(n=3、Rの炭素数=4、Rの炭素数=1、Rの炭素数=2)であるトリエチレングリコールブチルメチルエーテル(bp:261℃、表面張力28dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.21]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.20の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.22]
前記式(I)に示す化合物(n=3、Rの炭素数=1、Rの炭素数=1、Rの炭素数=3)であるトリプロピレングリコールジメチルエーテル(bp:215℃、表面張力26dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.23]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.22の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.24]
前記式(I)に示す化合物(n=4、Rの炭素数=1、Rの炭素数=1、Rの炭素数=2)であるテトラエチレングリコールジメチルエーテル(bp:275℃、表面張力33dyn/cm)の単一溶媒
[サンプルNo.25]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.24の液性媒体を添加して、表面張力が35dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
[サンプルNo.26]
ジメチルナフタレンの単一溶媒
[サンプルNo.27]
ジメチルナフタレンに対して、サンプルNo.24の液性媒体を添加して、表面張力が36dyn/cmとなるように調製した混合溶媒
以上のサンプルNo.の液性媒体をまとめたものを表1に示す。
Figure 0006106917
2.発光素子の製造
(実施例1)
<1> まず、平均厚さ0.5mmの透明なガラス基板を用意した。次に、この基板上に、スパッタ法により、平均厚さ100nmのITO電極(陽極)を形成した。
そして、基板をアセトン、2−プロパノールの順に浸漬し、超音波洗浄した後、酸素プラズマ処理を施した。
<2> 次に、ITO電極上に、平均厚さ50nmの正孔注入層を形成した。
この正孔注入層は、正孔注入層形成用の成膜用インクを液滴吐出法によりITO電極上に付与し、真空乾燥後に、窒素雰囲気下で150℃、30分で加熱処理(焼成処理)することにより形成した。
正孔注入層形成用の成膜用インクは、成膜材料としてPEDOT/PSS(1/20)を用い、液性媒体(分散媒)として、ポリスチレンスルフォン酸とポリチオフェン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンと水とからなる混合分散媒を用いた。
<3> 次に、正孔注入層上に、平均厚さ50nmの正孔輸送層を形成した。
この正孔輸送層は、正孔輸送層形成用の成膜用インク(本発明の成膜用インク)を図2に示すような液滴吐出装置を用いた液滴吐出法により正孔注入層上に付与し、真空乾燥後に、窒素雰囲気下で180℃、1時間で加熱処理(焼成処理)することにより形成した。得られた層(正孔輸送層)は、有機媒体に不要なものとなった。
正孔輸送層形成用の成膜用インクは、成膜材料としてTFB(0.9wt%)を用い、液性媒体(溶媒)として、前記サンプルNo.1の液性媒体(混合溶媒)を用いた。
このような成膜用インクは、正孔注入層上に付与したところ、均一に濡れ拡がらせることができた。
<4> 次に、正孔輸送層上に、平均厚さ60nmの赤色発光層(第1の発光層)を形成した。
この赤色発光層は、赤色発光層形成用の成膜用インクを液滴吐出法により正孔輸送層上に付与し、真空乾燥後に、130℃、30分で加熱処理(焼成処理)することにより形成した。
赤色発光層形成用の成膜用インクは、成膜材料として赤色発光材料であるジインデノペリレン(1.5wt%)を用い、液性媒体(溶媒)としてジメチルナフタレンを用いた。
<5> 次に、赤色発光層上に、真空蒸着法(真空度1.33×10−4Pa)を用いて、平均厚さ10nmのCa層および平均厚さ200nmのAl層を順次積層して、これらの積層体で構成された陰極を形成した。
以上の工程により、発光素子を製造した。
(実施例2〜25、比較例1、2)
正孔輸送層の形成に際し、液性媒体(溶媒)として、前記サンプルNo.1の液性媒体(混合溶媒)に代えて、表2に示すサンプルNo.の液性媒体を用いた以外は、前述した実施例1と同様にして発光素子を製造した。
Figure 0006106917
(実施例26)
正孔輸送層の形成を省略するとともに、赤色発光層の形成方法が異なる以外は、前述した実施例1と同様にして発光素子を製造した。
本実施例において、赤色発光層は、赤色発光層形成用の成膜用インク(本発明の成膜用インク)を図2に示すような液滴吐出装置を用いた液滴吐出法により正孔注入層上に付与し、真空乾燥後に、窒素雰囲気下で130℃、30分で加熱処理(焼成処理)することにより形成した。
赤色発光層形成用の成膜用インクは、成膜材料として赤色発光材料であるジインデノペリレン(1.5wt%)を用い、液性媒体(溶媒)として、前記サンプルNo.1の液性媒体(混合溶媒)を用いた。
このような成膜用インクは、正孔注入層上に付与したところ、均一に濡れ拡がらせることができた。
(実施例27〜50、比較例3、4)
赤色発光層の形成に際し、液性媒体(溶媒)として、前記サンプルNo.1の液性媒体(混合溶媒)に代えて、表3に示すサンプルNo.の液性媒体を用いた以外は、前述した実施例27と同様にして発光素子を製造した。
Figure 0006106917
3.評価
<濡れ性の評価>
各実施例および各比較例の発光素子の製造に際し、正孔輸送層または赤色発光層の形成に用いる成膜用インクの下層(正孔注入層上)に対する濡れ性について、良好なものを「○」、良好でないものを「×」として評価した。
<発光状態の評価>
各実施例および各比較例の発光素子に対して、それぞれ、陽極と陰極との間に直流電源により電流密度30mA/cmの電流を流し、発光素子の発光状態を観察し、以下の評価基準により、評価した。
○:均一でムラがない発光が得られた。
×:発光しない部分が比較的大きく、ムラのある発光となった。
<発光効率の評価>
各実施例および各比較例の発光素子について、直流電源を用いて発光素子に30mA/cmの定電流を流した。そして、そのとき、輝度計を用いて輝度を測定し、発光効率(輝度/電流密度)を評価した。なお、発光効率の評価は、実施例1〜25および比較例1、2については、比較例1を基準として規格化して評価し、実施例26〜50および比較例3、4ついては、比較例3を基準として規格化して評価した。
これらの評価結果を表2、3に示す。
表2、3から明らかなように、各実施例では、正孔注入層上での成膜用インクの濡れ性がよく、また、成膜用インクの塗布に要した時間も短くすることができた。また、各実施例の発光素子は、均一で良好な発光が得られた。
これに対して、各比較例では、正孔注入層上での成膜用インクの濡れ性が悪く、また、成膜用インクの塗布に要した時間が長くなってしまった。また、各比較例の発光素子は、その発光が不均一であった。
また、前述したような各実施例において、正孔注入層の構成材料に関し、PEDOTに代えて、ポリピロール誘導体、ポリアニリン誘導体、SPAN(硫酸イオン修飾ポリアニリン)およびトリフェニルアミン誘導体をそれぞれ用いて、同様に発光素子を製造したところ、いずれも、正孔注入層上での成膜用インクの濡れ性が良好であった。
また、前述したような各実施例において、正孔注入層の構成材料に関し、PSSに代えて、ナフィオン(登録商標)を用いて、同様に発光素子を製造したところ、いずれも、正孔注入層上での成膜用インクの濡れ性が良好であった。
また、前述したような各実施例において、正孔注入層の構成材料に関し、PSSを省略して、同様に発光素子を製造したところ、いずれも、正孔注入層上での成膜用インクの濡れ性が良好であった。
1‥‥発光素子 1B‥‥発光素子 1G‥‥発光素子 1R‥‥発光素子 2‥‥基板 3‥‥陽極 4‥‥正孔注入層 5‥‥正孔輸送層 6‥‥赤色発光層 7A‥‥第1の中間層 7B‥‥第2の中間層 8‥‥青色発光層 9‥‥緑色発光層 10‥‥電子輸送層 11‥‥電子注入層 12‥‥陰極 13‥‥封止部材 15‥‥積層体 19B‥‥カラーフィルタ 19G‥‥カラーフィルタ 19R‥‥カラーフィルタ 20‥‥基板 21‥‥基板 22‥‥平坦化層 24‥‥駆動用トランジスタ 27‥‥導電部 31‥‥隔壁 32‥‥反射膜 33‥‥腐食防止膜 34‥‥陰極カバー 35‥‥エポキシ層 36‥‥遮光層 100‥‥ディスプレイ装置 100R、100G、100B‥‥サブ画素 101‥‥発光装置 110‥‥ヘッド 111‥‥ヘッド本体 112‥‥振動板 113‥‥ピエゾ素子 114‥‥本体 115‥‥ノズルプレート 115P‥‥インク吐出面 116‥‥リザーバ 117‥‥インク室 118‥‥ノズル 130‥‥ベース 140‥‥テーブル 170‥‥テーブル位置決め手段 171‥‥第1移動手段 172‥‥モータ 180‥‥ヘッド位置決め手段 181‥‥第2移動手段 182‥‥リニアモータ 183‥‥モータ 184‥‥モータ 185‥‥モータ 190‥‥制御装置 191‥‥駆動回路 200‥‥液滴吐出装置 241‥‥半導体層 242‥‥ゲート絶縁層 243‥‥ゲート電極 244‥‥ソース電極 245‥‥ドレイン電極 300‥‥成膜用インク 1100‥‥パーソナルコンピュータ 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥回路基板 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ

Claims (10)

  1. 成膜材料と、
    前記成膜材料を溶解または分散させる液性媒体とを含み、
    前記液性媒体は、表面張力が30dyn/cm以下であり、常温における粘度が4cP以下であり、下記式(I)で表わされるエーテル系化合物を含み、
    常温における粘度が1cP以上5cP以下であることを特徴とする成膜用インク。
    Figure 0006106917
    [上記式(I)において、RおよびRは、それぞれ、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、分岐アルキル基または環状アルキル基である。Rは、炭素数以上3以下のアルキレン基である。また、nは、である。または互いに同じであっても異なっていてもよい。]
  2. 前記液性媒体は、常温における粘度が2cP以下である請求項1に記載の成膜用インク。
  3. 前記液性媒体中における前記エーテル系化合物の含有量は、0.1wt%以上100wt%以下である請求項1または2に記載の成膜用インク。
  4. 前記液性媒体は、前記エーテル系化合物の他に、芳香族炭化水素化合物を含む請求項1ないしのいずれかに記載の成膜用インク。
  5. 前記成膜材料は、非水系溶媒に可溶なものである請求項1ないしのいずれかに記載の成膜用インク。
  6. 前記成膜材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層または発光層を構成する材料またはその前駆体である請求項に記載の成膜用インク。
  7. 基材に付与し、前記液性媒体を除去することにより、前記成膜材料を主材料として構成された膜を形成するのに用いる請求項1ないしのいずれかに記載の成膜用インク。
  8. 液滴吐出法による成膜に用いる請求項1ないしのいずれかに記載の成膜用インク。
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載の成膜用インクを基材上に付与する工程と、
    前記成膜用インクから前記液性媒体を除去して、膜を形成する工程とを有することを特徴とする成膜方法。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載の成膜用インクを基材上に付与する工程と、
    前記成膜用インクから前記液性媒体を除去して、正孔輸送層または発光層を形成する工程とを有することを特徴とする発光素子の製造方法。
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