JP5712673B2 - 端子金具 - Google Patents
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Description
一方、コネクタハウジングには端子金具を挿入するキャビティが形成され、キャビティは具体的には、端子金具の本体部がほぼ緊密に挿入される角形の端子収容孔の後方に、ゴム栓を緊密に嵌着するべく端子収容孔よりも大きな径を有する円形のシール孔が連設された形状であり、また端子収容孔の底壁には、端子金具に設けられたスタビライザが挿通することを許容する左右一対の挿通路が形成されている。
一方、端子金具が正規姿勢から上下逆転された姿勢でキャビティに挿入されると、挿入の途中でスタビライザが端子収容孔における挿通路を設けた側とは上下反対側の孔縁部に当たることでそれ以上の挿入が規制され、もって端子金具の誤挿入が防止されるようになっている。
このものでは、シール孔の内周面への食い込みを防止するために、スタビライザ2Bの立ち上がり端面における外側縁の角部が打圧されてC面3が形成されるが、それでもなお、C面3における立ち上がり端側の側縁にいわゆるエッジ4ができる。同エッジ4は、プレス機の受け型の関係で叩くことができないためにそのまま残さざるを得ず、シール孔の内周面への傷付きを完全に回避することはできず、その結果防水機能が損なわれるおそれがあった。
ここで、C面とは直線状の面取り部であり、R面とは曲線状の面取り部である。
すなわち、スタビライザによる逆挿入防止機能を確実に果たすことができるとともに、スタビライザがキャビティの入口の内周面に傷を付けることを防止して防水機能も担保することができる。
(1)前記スタビライザにおける当該端子金具の挿入方向の前端面の外側角部にC面が形成され、かつそのC面における後側の側縁にR面が形成されている。
端子金具がキャビティ内に挿入される際、スタビライザがキャビティの入口の口縁部に当たったとしても、スタビライザの前端面側のC面からR面で案内されて、キャビティ内にスムーズに挿入できる。
スタビライザが不必要に倒れ変形することを防止できる。
本発明の一実施形態を図1ないし図16に基づいて説明する。この実施形態では、個室防水型のコネクタに適用した場合を例示している。
本実施形態のコネクタは、図14に示すように、電線10の端末に固着された図示2個の雌端子20と、これらの雌端子20を収容するコネクタハウジング40(以下、雌ハウジング40)とから構成されている。
本体部21の前面開口から相手の雄端子のタブが挿入されると、同タブが弾性接触片26と突条28との間で弾性的に挟持され、雌端子20と雄端子との間で電気的な接続が取られるようになっている。
そして、電線10における皮剥きされて露出した芯線11の端末がワイヤバレル22にかしめ圧着されるとともに、被覆12の端末がゴム栓15の取付部17とともにインシュレーションバレル23にかしめ圧着されることで、上記のように電線10の端末に雌端子20とゴム栓15とが取り付けられている。
このようなスタビライザ30における立ち上がり端面31と前後の端面32F,32Rに亘る外側の角部には、スタビライザ30の板厚の略半分の領域においてC面35A,35Bが形成されている。ここでC面35A,35Bとは、直線状の面取り部である。
スタビライザ30の立ち上がり端面31と前後の端面32F,32Rに亘る外側の角部に形成されたC面35A,35Bのうち内方の側縁、詳細には立ち上がり端面31のC面35Aでは、基端側の側縁36にR面37Aが形成されており、また前側の端面32FのC面35Bでは後側の側縁、後側の端面32RのC面35Bでは前側の側縁に対して、それぞれR面37Bが形成されている。ここでR面37A,37Bとは、曲線状の面取り部である。
図7に示すように、スタビライザ30の立ち上がり端面31における外側縁の角部にC面35Aが形成されていることにより、スタビライザ30の掛かり代を確保するべく相応の立ち上がり長さを備えた場合にも、同角部が外接円Xと干渉することが避けられる。
この雌ハウジング40が、雄端子を装着した図示しない相手の雄ハウジングと嵌合されると、同雌ハウジング40の端子収容部41と筒部45との間に、雄ハウジングのフード部が挿入され、端子収容部41の基端側に嵌着されたシールリング47を介して雌ハウジング40と雄ハウジング間のシールが取られるとともに、筒部45に設けられたロックアーム48が雄ハウジング側のロック部に弾性的に係止することによって、雌ハウジング40と雄ハウジングとが嵌合状態にロックされるようになっている。
雌端子20が正規位置まで挿入された場合は、大まかには、図14に示すように、雌端子20における本体部21からワイヤバレル22までが端子収容孔51内に、同雌端子20のインシュレーションバレル23及びゴム栓15の取付部17がテーパ孔53からシール孔52の前端側内に、またゴム栓15の栓本体16の前側部分がシール孔52の後端側内に、それぞれ収容されるようになっている。
一方、テーパ孔53の天井壁を含む端子収容孔51の上側の孔縁部分には、雌端子20が正規姿勢から上下逆転した姿勢で挿入された場合に、スタビライザ30を当てて雌端子20がそれ以上挿入されることを規制する規制部63が形成されている。
各姿勢変位部65の突出した端面の外側の角部には、テーパ面66が削成されている。各テーパ面66は、雌端子20が上下反対姿勢を取った場合における左右一対のスタビライザ30が当接可能な位置に形成されている。各姿勢変位部65の外側には、スタビライザ30を挿通可能なガイド溝67が、真直に上下方向を向いた姿勢で形成されており、各ガイド溝67の奥端(前端)が、上記した規制面64に達している。
雌端子20を雌ハウジング40の対応するキャビティ50に収容する場合は、図14に示すように、スタビライザ30が下面側に来る姿勢として、雌端子20をキャビティ50内に後方から挿入する。
挿入後暫くするとスタビライザ30もシール孔52内に挿入され、そのとき本体部21が上向きにあおられた姿勢を取っている等により、スタビライザ30の立ち上がり端がシール孔52の下側の孔縁に引っ掛かる可能性もあるが、スタビライザ30の前端面32Fの外側角部に形成されたC面35BからR面37Bで案内されつつ、シール孔52内にスムーズに挿入される。
上記のように押し込み規制がなされた時点では、ゴム栓15がシール孔52内に未だ嵌っていないから、ゴム栓15を掴む等で電線10を後方に引っ張ることで雌端子20は簡単に引き戻すことができ、そうしたら雌端子20を正規姿勢に正して、改めてキャビティ50内に挿入すればよい。
すなわち、スタビライザ30による逆挿入防止機能を確実に果たすことができるとともに、スタビライザ30がキャビティ50におけるシール孔52の内周面に傷を付けることを防止して防水機能も担保することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本発明の雌端子におけるスタビライザの構造は、雌ハウジングのキャビティのシール孔の大きさが、最小限で雌端子の本体部の外接円の径と同程度の径を持つものまでについて、傷付き防止手段として有効であるが、それ以上の径を持ったシール孔を設けた雌ハウジングのキャビティに収容するような場合にも、本発明のスタビライザの構造を適用してももちろんよい。
(3)左右一対のスタビライザは、前後方向において位置がずれて形成されいてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(4)本発明は上記実施形態に例示した雌端子に限らず、雄端子についても同様に適用することが可能である。
15…ゴム栓
20…雌端子(端子金具)
21…本体部
24…側板(側面)
25…底板(本体部21の一面)
29…ランス孔
30…スタビライザ
31…(スタビライザ30の)立ち上がり端面
32F…(スタビライザ30の)前端面
35A…(立ち上がり端面31の)C面
35B…(前端面32Fの)C面
36…(C面35Aの)基端側の側縁
37A…R面
37B…R面
39…補強ビード
40…雌ハウジング(コネクタハウジング)
50…キャビティ
51…端子収容孔
52…シール孔(キャビティ50の入口)
57…ランス
X…(雌端子20の本体部21の)外接円
Claims (2)
- 電線の端末には端子金具とゴム栓とが設けられ、前記端子金具がコネクタハウジングのキャビティ内に挿入されて収容される一方、前記ゴム栓が前記キャビティの入口に嵌着されてシールするようにした防水コネクタの前記端子金具であって、角筒形をなす本体部の一面に左右一対の逆挿入防止用のスタビライザが立ち上がり形成されたものにおいて、
前記一対のスタビライザは、前記本体部の前記一面における左右両側縁から幅方向の中心に向けて所定寸法入った位置から、両立ち上がり端が次第に接近するような斜め姿勢を取って形成されることにより、両スタビライザの立ち上がり端が、前記本体部の外接円内に収まる形態で設けられるとともに、
前記両スタビライザの立ち上がり端面における外側縁の角部にC面が形成され、かつそのC面における同スタビライザの基端側の側縁にR面が形成されており、
さらに、前記本体部の前記一面には前記キャビティ内に設けられたランスが係止するランス孔が形成され、前記一対のスタビライザは前記ランス孔の左右両側縁から切り起こし形成されており、前記スタビライザ、前記本体部の前記一面における前記ランス孔の側縁部並びに同側縁部と直角に連設された前記本体部の側面に亘り、補強ビードが裏側に打ち出されて形成され、この補強ビードは、前記スタビライザと前記ランス孔の側縁部との間に第1の屈曲部を有し、かつ、前記ランス孔の側縁部と前記本体部の側面との間に第2の屈曲部を有していることを特徴とする端子金具。 - 前記スタビライザにおける当該端子金具の挿入方向の前端面の外側角部にC面が形成され、かつそのC面における後側の側縁にR面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の端子金具。
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