JP5696899B2 - 防水コネクタ - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、端子金具の抜け止め力を確保した上で、部品点数の削減とハウジングの小型化を実現した防水コネクタを提供するところにある。
端子金具に二次係止するリテーナ機能を、ホルダに一体的に形成した第2係止部で果たすようにしたから、リテーナを割愛することができて部品点数の削減が図れ、またリテーナの装着スペースも不要となってハウジングの小型化も図ることができる。
また、第2係止部に係止する第2被係止部を既存のバレルで賄うようにしたから、端子金具の構造変更は不要である。さらに、ホルダの組み付けに伴い第2係止部がゴム栓の補助挿通孔に挿通され、ホルダが正規に組み付けられたところで、ロッドが補助挿通孔に水密に嵌ってシールされ、先端の頭部が弾性変位可能な形態でキャビティ内に臨む。また、キャビティの断面の大きさを変えることなく、第2係止部の頭部の弾性変位を許容することが可能となり、それだけハウジングが径方向に大型化するのを抑制できる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図7に基づいて説明する。
本実施形態の防水コネクタは、複数本の電線を一括してシールするタイプのものであって、図1に示すように、電線10の端末に接続された雌端子20が収容される雌ハウジング30と、雌ハウジング30に装着されて電線10の周りをシールする一括ゴム栓40(以下、単にゴム栓40という)と、雌ハウジング30に装着されてゴム栓40を保持するホルダ50とから構成されている。
雌端子20は、導電性に優れた金属板をプレス加工することで形成され、相手の雄端子(図示せず)のタブが挿入接続される角筒形をなす端子接続部21の後方に、ワイヤバレル22とインシュレーションバレル23とが設けられた構造である。ワイヤバレル22は左右一対のバレル片22Aが対向して形成され、インシュレーションバレル23は、左右一対のバレル片23A,23Bが前後にずれて形成されている。
雌端子20の端子接続部21の上面における前端側には、第1被係止部25が突出形成され、また、上記のかしめられたインシュレーションバレル23、詳細には後側のバレル片23Bが、本発明にいう第2被係止部となる。
端子収容部31の基端側の外周には、雄ハウジングとの間をシールするゴムリング34が嵌着され、上記の前壁部材33により抜け止めされている。また、フード部32の上面には、相手の雄ハウジングとの間を嵌合状態にロックするロックアーム32Aが設けられている。
各キャビティ35の前端部の天井面には、雌端子20の第1被係止部25に弾性的に係止する第1係止部であるランス36が形成されている。ランス36は、先下がりの斜め姿勢を採った片持ち状に形成され、先端が上方に向けた弾性変位可能となっている。
挿通孔42は、電線10よりも若干大きい径を持った円形孔であって、その内周面には、電線10の外周面に密着して両面間を水密状に保つための内周リップ43が3条周設されている。
そのため、ホルダ50の後端部の外周には、前方に折り返されるようにして一回り大きい方形状の筒部52が形成されており、同筒部52の内周面には、上下の面に左右2個ずつ、左右の面に1個ずつの合計6個のロック突部53が形成されている。
一方、収容室39の周壁38における後端部の外周面には、ホルダ50のロック突部53と対向した位置ごとに、同数のロック孔38Aが開口されている。
第2係止部55は詳細には、ゴム栓40の厚さよりも若干大きい長さ寸法を持った丸棒からなるロッド56の先端に、頭部57が設けられた形状である。この頭部57は、ロッド56よりも太い短寸の丸棒における上側の半分弱を切除したような形状であって、この頭部57の前面が、かしめられたインシュレーションバレル23における後側のバレル片23Bの上部位置の後面に係止可能である。また、頭部57は、ロッド56との接続部を中心として上方へ弾性変位可能となっている。
補助挿通孔45はまた、第2係止部55のロッド56よりも若干大きい径を持った円形孔であって、その内周面には、ロッド56の外周面に密着して両面間を水密状に保つための内周リップ46が3条周設されている。
また、雌ハウジング30の各キャビティ35の入口35Aにおける天井部には、ゴム栓40の前面から突出した第2係止部55の頭部57が進入することを許容し、かつ上方への弾性変位を許容するべく逃がし凹部37がそれぞれ形成されている。
一方、ホルダ50の前面にゴム栓40を装着する。すなわち、ホルダ50の前面に突出形成された第2係止部55を補助挿通孔45に挿通しつつゴム栓40をホルダ50の前面に向けて押し込む。ゴム栓40がホルダ50の前面に押し付けられたところで、第2係止部55におけるロッド56の全長が補助挿通孔45内に水密に嵌合され、また頭部57が補助挿通孔45の前方に上方への弾性変位可能に突出した形態で、ゴム栓40がホルダ50に前面に一体的に装着される。
このとき、ゴム栓40の前面から突出した第2係止部55の頭部57は、対応するキャビティ35の入口35Aの天井面に形成された逃がし凹部37内に進入する。
雌端子20は、初めに第2係止部55の頭部57を逃がし凹部37内で上方に弾性変位させつつ押し込まれ、終盤では第1係止部であるランス36が、端子接続部21の上面の第1被係止部25に乗り上げて上方に弾性変位し、また第2係止部55の頭部57がインシュレーションバレル23の上面に乗り上げて上方に弾性変位しつつ押し込まれる。
キャビティ35の入口35Aの天井面に逃がし凹部37を設けたことで、キャビティ35の断面の大きさを変えることなく、第2係止部55の頭部57の進入と弾性変位を許容することが可能となり、それだけ雌ハウジング30が径方向に大型化するのを防止できる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)雌端子のインシュレーションバレルは、一対のバレル片がオーバラップしてかしめられる形式のものであってもよく、この形式の方が第2係止部に対する掛かり代を大きく取ることができる。
(4)防水コネクタの組み付けの手順は上記実施形態に例示したものに限らず、例えば雌ハウジングの収容室に先にゴム栓を単体で収容したのち、改めてホルダを装着する等、適宜に変更し得るものである。
(5)本発明は、雄端子を雄ハウジングのキャビティ内に収容して一括ゴム栓でシールするようにした雄側の防水コネクタにも同様に適用することが可能である。
20…雌端子(端子金具)
23…インシュレーションバレル
23B…後側のバレル片(第2被係止部)
25…第1被係止部
30…雌ハウジング(ハウジング)
31…端子収容部
35…キャビティ
35A…(キャビティ35の)入口
36…ランス(第1係止部)
37…逃がし凹部
39…収容室
40…ゴム栓
42…挿通孔
45…補助挿入孔
50…ホルダ
55…第2係止部
56…ロッド
57…頭部
Claims (1)
- 電線の端末に接続された端子金具が後方から挿入されるキャビティを有するハウジングと、
前記キャビティに設けられ前記端子金具の第1被係止部に弾性的に係止して抜け止めする第1係止部と、
前記ハウジングの後面に配され前記端子金具と電線とを挿通可能な挿通孔が設けられた一括型のゴム栓と、
このゴム栓を前記ハウジングの後面に密着した状態に保持するべく前記ゴム栓の後面側において前記ハウジングに組付可能なホルダと、
が備えられ、
前記ホルダの前面には、前記ゴム栓を水密な状態で貫通して前記キャビティ内に臨みかつ前記端子金具の後部側の第2被係止部に弾性的に係止して抜け止めする第2係止部が突出形成され、
前記第2被係止部は、前記端子金具において前記電線の端末にかしめられて固着されるバレルによって形成されており、
前記ゴム栓には補助挿通孔が前後面を貫通して形成されている一方、前記ホルダの前記第2係止部は、前記補助挿通孔に水密に嵌合するロッドの先端に、前記端子金具の前記第2被係止部に係止する頭部が弾性変位可能に設けられた形状であり、
前記頭部は、前記補助挿通孔の直前の位置に配され、かつ、前記端子金具が挿入される際に前記端子金具から離れる方向に弾性変位し、前記端子金具が正規位置に至ると弾性復帰するようになっており、
前記キャビティの内周面には、前記第2係止部の頭部が変位する場合にこれを逃がす逃がし凹部が形成されていることを特徴とする防水コネクタ。
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