JP2006344475A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 シール部材の挿入力の低下を図る。
【解決手段】 雌ハウジング10のタワー部11の装着面23にシールリング50が嵌着され、シールリング50の外周面に設けられた3条のリップ52が、雄ハウジング30の小フード部32の内周面における前側の拡径面42に潰れつつ密着される。各リップ52は、周上の上側部分52Uよりも下側部分52Dが後方にずれた斜め姿勢を取って形成され、さらに前側のリップ52の後端部と、後側のリップ52の前端部とが、軸線方向においてほぼ連続した位置に来るように形成される。シールリング50が小フード部32内に挿入される際、各リップ52が小フード部32の開口縁43に当たるタイミングは、周上の上側から下側に向けて次第に変わり、かつ一のリップ52が終了したら次のリップ52が当たり合い始めるといったように連続する。
【選択図】 図6
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、シール部材の挿入力の低下を図るところにある。
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記リップは、複数条が前記嵌合方向と直角をなす姿勢で所定間隔を開けて形成されている一方、前記嵌合周面における嵌合方向に対して斜めに形成された端縁が、一のリップの周上の一側が前記端縁の前端部に当たるのにほぼ続いて、次のリップの周上の反対側が前記端縁の後端部に当たるようにその傾斜角度が設定されているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記第1部材が、端子金具に接続された電線の端末部である一方、前記第2部材は、前記端子金具並びに電線の端末部が挿入されるハウジングであって、前記シール部材は、前記電線の端末部の外周に装着されその外周面が前記ハウジングの収容凹部の内周面に密着されるゴム栓であるところに特徴を有する。
第1部材の嵌合部が第2部材の嵌合凹部内に嵌合され、シール部材のリップが相手の嵌合周面に当たり合う場合に、当たるタイミングがリップの周上における一側から反対側に向けて連続して変化する。したがって、リップが全周にわたって同時に当たり合う場合のように挿入力のピークが現出することがなく、挿入力は凡そ同ピークよりも小さい値で漸増し、ひいては挿入力の低減が図られる。
一のリップが終了したら次のリップが当たり合い始めることで、挿入力が連続して漸増するように変化する。全体として挿入力が低減されることに加え、挿入力が断続的に変化しないことから、円滑な挿入を期することができる。
雌雄のハウジングの間をシールリングでシールする形態のものに、適用することができる。
<請求項5の発明>
電線の端末に固着された端子金具をハウジングに収容する場合に、電線の端末部とハウジングの収容凹部との間をゴム栓でシールする形態のものに、適用することができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。この実施形態1は、図1に示すように、互いに嵌合される雌コネクタFと雄コネクタMとを備えている。なお以下には、各コネクタF,Mにおいて、嵌合面側を前方として説明する。
雌端子15は、内部に弾性接触片を備えた角筒状の本体部16の後方に、バレル17A,17Bが設けられた形状であって、同バレル17A,17Bをかしめることによって電線wの端末に固着されている。また雌端子15の後方には、個室型のゴム栓18が嵌着されて、後側のインシュレーションバレル17Bにかしめられて固定されている。
なお、タワー部11の上面における幅方向の中央部には、後記する相手の雄ハウジング30との間を正規嵌合状態にロックするためのロックアーム25が形成されている。
電線wの端末に固着された雄端子35は、図4に示すように、対応するキャビティ33内に後方から挿入される。雄端子35は、各キャビティ33に設けられたランス40を撓み変形させつつ挿入され、正規深さまで挿入されると、図1に示すように、ランス40が復元して雄端子35に係止し、タブ36Aが小フード部32の奥側内に突出した状態に抜け止め保持し、またゴム栓18が各キャビティ33の入口33A内に緊密に嵌合してシールするようになっている。
なお、小フード部32の上面には、両ハウジング10,30が正規嵌合した場合に、雌ハウジング10側のロックアーム25に係止するロック受け部45が突設されている。また、雄ハウジング30の上面の後端側には、相手部材に設けられたブラケットに差し込み装着される取付部47が設けられている。
シールリング50の外周面には、図示3条のリップ52が、等間隔を開けて全周にわたって突出形成されている。ただし各リップ52は、図2に示すように、シールリング50の軸線方向に対し、周上の一側(上側)よりも反対側(下側)が後方にずれた斜め姿勢を取って形成されている。より詳細には、隣り合う前後のリップ52について、前側のリップ52の後端部と、後側のリップ52の前端部とが、同シールリング50の軸線方向においてほぼ連続した位置に来るように設定されている。
図1に示すように、雌コネクタF側では、雌ハウジング10に対して、既述した要領で雌端子15が収容されるとともに、シールリング50が装着部22の装着面23に緊密に嵌着される。一方、雄コネクタM側では、雄ハウジング30に対して、雄端子35がタブ36Aを小フード部32内の奥側に突出させた状態で収容される。
この状態から、図1の矢線に示すように雌雄のコネクタF,Mが嵌合され、詳細には、シールリング50が装着された雌ハウジング10のタワー部11が、雄ハウジング30の小フード部32内に嵌合される。
これに対して本実施形態では、シールリング50の各リップ52が同シールリング50の軸線方向に対して斜め姿勢で形成されているから、シールリング50が小フード部32内に挿入される際、シールリング50の各リップ52が相手の小フード部32の開口縁43に当たり合う場合には、当たるタイミングがリップ52の周上における上側から下側に向けて次第に変わり、しかも一のリップ52が終了したら次のリップ52が当たり合い始めるといったように連続する。
そのため、端子金具15,35側の挿入力のピークが重なったときにも、それほど大きい挿入力とはならない。したがって、両ハウジング10,30の嵌合動作を途中で止めて半嵌合状態に留めてしまう事態が発生することを、有効に防止することができる。また挿入力が断続的に変化しないことから、円滑な挿入、すなわちハウジング10,30同士の円滑な嵌合を期することができる。
次に、本発明の実施形態2を図10ないし図13によって説明する。
この実施形態2では、雌ハウジング10に装着されるシールリング55が、従来と同様に、3条のリップ56がシールリング55の軸線方向と直角姿勢で等間隔を開けて形成されている。
それに対して雄ハウジング30A側では、小フード部32の開口縁58が、両ハウジング10,30Aの嵌合方向に対し、上側縁辺58Uに比べて下側縁辺58Dの方が前方(図10の右側)に突出した斜め姿勢に形成されている。より詳細には、図12に示すように、1番目のリップ56の上側部分が開口縁58の上側縁辺58Uを通過するのと同時、2番目のリップ56の下側部分が開口縁58の下側縁辺58Dに当たり合うような傾斜角度を持って形成されている。
雌ハウジング10が正規深さまで嵌合されたら、図13に示すように、シールリング55は、3条のリップ56を潰しつつ、雌ハウジング10の装着面23と、雄ハウジング30Aの小フード部32の拡径面42との間で弾性的に挟持され、雌雄のハウジング10,30A間のシールが取られる。
その結果、挿入力は、上記したグラフの特性線Xに示すように、ピークが現出することなく、凡そ同ピークよりも小さい値で連続して漸増するように変化し、同じく低挿入力化を実現でき、かつ円滑な挿入を期することができる。
図14及び図15は本発明の実施形態3を示す。この実施形態3は、上記実施形態2の変形例とも言うべきものである。
この実施形態3では、雄ハウジング30Bの小フード部32の開口縁自体は、雌雄のハウジング10,30Bの嵌合方向に対して直角をなす姿勢に形成されている。一方、開口縁側の内周面には、先開きに傾斜したガイド面60が形成されており、このガイド面60の奥縁61が、両ハウジング10,30Bの嵌合方向に対し、上側縁辺61Uに比べて下側縁辺61Dの方が前方(図14の右側)に突出した斜め姿勢に形成されている。より詳細には、図15に示すように、シールリング55における1番目のリップ56の上側部分が、ガイド面60の奥縁61における上側縁辺61Uを通過するのと同時、2番目のリップ56の下側部分が、ガイド面60の奥縁61における下側縁辺61Dに当たり合うような傾斜角度を持って形成されている。
上記実施形態2と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、一のリップが終了したら次のリップが当たり合い始めることで、挿入力が連続して漸増する場合を例示したが、一のリップと次のリップとの間で、例えば当たり合うタイミングが断続的となっても、挿入力自体は低減させることができるから、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)シールリングのリップの条数は、1条または2条、さらには4条以上であってもよい。
(4)上記実施形態では、シールリングが雌ハウジングのタワー部の外周面に装着された場合を例示したが、逆にシールリングが雄ハウジングの小フード部の内周面側に設けられた形式のものにも適用可能である。その場合は、シールリングの内周面側にリップが形成され、また同リップの当たり合う端縁は、例えば、雌ハウジングのタワー部における先端面の周縁となる。
(6)さらに個室ゴム栓に限らず、複数本の電線の端末を一括してシールする一括型のゴム栓を、ハウジングの後面の収容凹部内に挿入する部分にも同様に適用可能である。
11…タワー部(嵌合部)
13A,33A…(キャビティ13,33の)入口(収容凹部)
15…雌端子
18,38…ゴム栓(シール部材)
23…装着面(嵌合周面)
30,30A,30B…雄ハウジング
32…小フード部(嵌合凹部)
35…雄端子
42…拡径面(嵌合周面)
43,58…(小フード部32の)開口縁
50,55…シールリング(シール部材)
52,56…リップ
52U…(リップ52の)上側部分(前端部)
52D…(リップ52の)下側部分(後端部)
58U…(開口縁58の)上側部分(後端部)
58D…(開口縁58の)下側部分(前端部)
61…(ガイド面60の)奥縁
61U…(奥縁61の)上側部分(後端部)
61D…(奥縁61の)下側部分(前端部)
w…電線
Claims (5)
- 第1部材の嵌合部が、第2部材の嵌合凹部内に嵌合可能とされ、前記嵌合部と前記嵌合凹部との互いに対向した嵌合周面のいずれか一方には、相手の前記嵌合周面と対向した周面にリップが周設されたシール部材が嵌着された防水コネクタにおいて、
前記リップが嵌合方向に対して斜めに形成され、または前記リップが密着される側の嵌合周面における前記リップが当たり始める端縁が、嵌合方向に対して斜めに形成されていることにより、前記両部材の嵌合動作に伴い前記リップが相手の嵌合周面と当たり合う場合に、当たるタイミングが周上において連続して変わるようになっていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記リップは、複数条が前記嵌合方向に対して同じ傾斜角度の斜め姿勢で、かつ所定間隔を開けて形成されており、一のリップの嵌合方向の後端部と、次のリップの嵌合方向の前端部とが、嵌合方向においてほぼ連続した位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ。
- 前記リップは、複数条が前記嵌合方向と直角をなす姿勢で所定間隔を開けて形成されている一方、前記嵌合周面における嵌合方向に対して斜めに形成された端縁が、一のリップの周上の一側が前記端縁の前端部に当たるのにほぼ続いて、次のリップの周上の反対側が前記端縁の後端部に当たるようにその傾斜角度が設定されていることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ。
- 前記第1部材と第2部材とが、互いに嵌合される雌雄のハウジングであって、前記シール部材が、両ハウジングの嵌合部と嵌合凹部との対向した嵌合周面の間で弾性的に挟持されるシールリングであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の防水コネクタ。
- 前記第1部材が、端子金具に接続された電線の端末部である一方、前記第2部材は、前記端子金具並びに電線の端末部が挿入されるハウジングであって、前記シール部材は、前記電線の端末部の外周に装着されその外周面が前記ハウジングの収容凹部の内周面に密着されるゴム栓であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の防水コネクタ。
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