JPH05190228A - コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 端子がハウジングに逆挿入されるのを防止す
る効果を向上したコネクタを提供すること。 【構成】 メス端子３１の表面に突出して設けられた２
つのスタビライザ３３を、ハウジング３４への挿入方向
に向って前後にずれた位置に設けることにより、該スタ
ビライザ３３の高さを確保する。また、ハウジング３４
には、メス端子３１の挿入される端子穴１４内部の、メ
ス端子３１を係合するランス１７と対面する面１４ｂに
端子穴１４より一段広がった逃げ部３５を端子挿入口方
向から設け、さらに、逃げ部３５と端子穴１４との段差
によって形成された逆挿入防止壁３７をメス端子３１の
挿入方向に向って前後にずれた２つの壁に分割する。メ
ス端子３１をハウジング３４に逆挿入すると、メス端子
３１に設けられた２つのスタビライザ３３がハウジング
３４に設けられた２つの逆挿入防止壁３７に同時に当接
して、それ以上の逆挿入を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電気接続をするためのコ
ネクタに関するものであって、端子がハウジングに逆挿
入されるのを防止する効果を向上させたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のコネクタとしては、図８に示され
るように、金属板を折曲げた端子１をハウジング２に挿
入して構成されるものがある。図８の例では、端子１と
してメス端子を示している（以降、従来の技術ではメス
端子１とする）。

【０００３】該メス端子１を図９、図１０に示す。メス
端子１には、前方にオス端子（図示略）を挿入する嵌合
部３が設けられ、その後部には後方に向って延びた基部
４が設けられ、該基部４には、口出しされたケーブル５
を取付ける導体圧着部６および絶縁体圧着部７が設けら
れている。嵌合部３は、四角筒状に形成されており、該
嵌合部３の底面８の先端８ａから延びる帯状の金属板
が、嵌合部３内部に巻き込むように折曲げられて、バネ
接触子９が形成されている。また、嵌合部３の底面８に
は係合穴１０が設けられ、該係合穴１０の両側には、左
右対称の２つのスタビライザ１２が形成されている。こ
れらのスタビライザ１２は、メス端子１が折曲成形され
る前には、図１１に示すように、嵌合部３となる長方形
状の金属板３ａの中央部に設けられたＨ形状の切込部１
３であったものが、折曲成形時に開かれることによっ
て、メス端子１の底面の幅を２分割して形成されてい
る。また、前記係合穴１０は、これらのスタビライザ１
２を収納していた部分が開口されて形成されたものであ
る。図１１において、４ａ、９ａはメス端子が折曲成形
されたときに、それぞれ基部４、バネ接触子９となる部
分である。

【０００４】一方、ハウジング２には、後方からメス端
子１を挿入する端子穴１４と、該端子穴１４に挿入され
たメス端子１の先端部１ａを当接させて挿入を終了させ
る突当部１５と、前方からオス端子を挿入するための接
続口１６とが設けられている。そして、前記端子穴１４
の下面１４ａには、前記突当部１５にメス端子１の先端
部１ａが当接したときに該メス端子１の前記係合穴１０
に係合してメス端子１をハウジング２から抜けないよう
に保持するランス１７が設けられ、該ランス１７の両側
には、前記スタビライザ１２を挿入する案内溝１８が設
けられている。そして、端子穴１４の上面１４ｂには、
端子挿入口１４ｃから端子穴１４内部に向って該端子穴
１４の上面１４ｂより一段広がった逃げ部１９が設けら
れ、該逃げ部１９と端子穴１４の上面１４ｂとの段差に
よって逆挿入防止壁２０が形成されている。

【０００５】このように構成されたメス端子１をハウジ
ング２内に収納するには、メス端子１の係合穴１０を下
側にしてハウジング２に挿入する。すると、２つスタビ
ライザ１２がランス１７両側の案内溝１８に挿入され、
メス端子１の姿勢が安定して保たれる。そして、メス端
子１がランス１７を弾性変形させて押し下げながら挿入
され、先端部１ａがハウジング２の突当部１５に当接す
る。このとき、ランス１７が係合穴１０の位置にあっ
て、ランス１７の弾性変形が復元し、先端１７ａが係合
穴１０の前縁１０ａに係合してメス端子１がハウジング
２から抜けないように保持される。

【０００６】ここで、メス端子１をハウジング２に挿入
するにあたって、メス端子１の上下が反転されて挿入
（以下、単に逆挿入という）されることがある。このよ
うな場合には、図１２に破線で示すようにメス端子１に
設けられたスタビライザ１２がハウジング２に設けられ
た逆挿入防止壁２０に当接して、挿入が続行できないよ
うになっていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電子
部品の小型軽量化が進み、電気接続をするためのコネク
タも小型化が望まれ、これに伴ってコネクタ内部に挿入
される端子の小型化が要求されている。端子１が小型化
されて、幅が小さくなると、その幅を２分割して形成さ
れたスタビライザ１２の高さが低くなり、逆挿入された
場合には、図１２に示すように、該スタビライザ１２が
ハウジング２の逆挿入防止壁２０を乗り越えてしまうと
いう問題があった。そのうえ、スタビライザ１２の端面
１２ａは、金属板の断面であるので、高さの低いスタビ
ライザ１２の端面１２ａが逆挿入防止壁２０に押圧され
ると、逆挿入防止壁２０に食込んで、ハウジング２を傷
つけてしまうことになり、さらに押圧されると、端子が
逆のまま突当部１５に到達するまで完全に挿入されてし
まい、作業者が逆に挿入されたことに気付かないという
欠点があった。

【０００８】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、端子がハウジングに
逆挿入されるのを防止する効果を向上したコネクタを提
供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明では、金属板を折曲げてなる端子をハウ
ジング内部に挿入して構成されるコネクタにおいて、端
子には、該端子の一面を切開いて形成されハウジングへ
の挿入方向と直交する方向に突出する２つのスタビライ
ザが前後にずれた位置関係に設けられ、ハウジングに
は、その内部に端子を挿入する際に前記スタビライザを
係合する案内溝と、端子が反転された状態で挿入された
ときに、スタビライザに当接する逆挿入防止壁とが設け
られていることを特徴としている。また、請求項２の発
明では、前記逆挿入防止壁が２つ設けられ、両逆挿入防
止壁が前記２つのスタビライザのずれと同じ寸法だけ前
後にずれていることを特徴としている。

【００１０】

【作用】本発明に係るコネクタによれば、端子の表面か
ら突出する２つのスタビライザが前後にずれた位置関係
に設けられているので、これらのスタビライザの高さ
は、相互に相手側の高さによって影響されず、十分な高
さを有するように形成される。端子の上下を逆にしてハ
ウジングに挿入されると、ハウジングの逆挿入防止壁に
は、高さの高いスタビライザが当接して逆挿入が防止さ
れる。また、請求項２の発明では、逆挿入防止壁がスタ
ビライザのずれと同じだけずれた位置に２つ設けられて
いるので、端子がハウジングに逆挿入されて押圧された
ときに、２つのスタビライザの双方に逆挿入防止壁が同
時に当接して、押圧力が分散される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例によるコネクタにつ
いて図面を参照して以下に説明する。なお、本実施例に
係るコネクタにおいて、従来のコネクタと構成を共通と
する箇所に同一符号を付し、説明を簡略化する。

【００１２】本実施例に係るコネクタの端子の展開図を
図１に示す。図１に示す例は、メス端子３１の展開図を
示しており、これによると、嵌合部３となる長方形状の
金属板３ａの中央付近には、略Ｓ字状の切込部３２が設
けられている。この金属板を図１に示す破線を折目にし
て折曲げ、前記長方形状の金属板３ａの上縁３ｂと下縁
３ｃとを突き合わせることにより、図３に示すように、
合わせ面部分３ｄを有する四角筒上の嵌合部３が形成さ
れる。このとき、前記略Ｓ字状に切断された切込部３２
は開かれて、図２に示すように、ハウジング３４への挿
入方向に沿って前後に距離Ｌだけずれた位置に嵌合部３
から突出した２つのスタビライザ３３となる。そして、
これらのスタビライザ３３は、このように前後にずれた
位置関係にあるので、その高さは相互に相手側の高さに
影響されることがなく、十分な高さを有するように形成
できる。図３に示す例では、メス端子３１の幅Ｗと同程
度の高さを持つように形成されている。

【００１３】一方、ハウジング３４の端子穴１４内部に
設けられた案内溝３６の深さは、図４に示すように、ス
タビライザ３３の高さより深く設けられ、また、逃げ部
３５は、端子穴１４の上面１４ｂからの段差がスタビラ
イザ３３の高さより大きく設けられている。そして、該
逃げ部３５と端子穴１４の上面１４ｂとの段差によって
形成された逆挿入防止壁３７は、スタビライザ３３とは
勝手違いとなるように、メス端子３１の挿入される方向
に沿って前後にＬだけずれた２つの壁に分れている。す
なわち、図４において紙面に向って手前側のスタビライ
ザ３３が右側にあるのに対し、手前側の逆挿入防止壁３
７は左側に位置している。また、図５において、２つの
逆挿入防止壁３７の間にスロープ３７ａが設けられてい
るのは、メス端子３１をハウジング３４に正常に挿入し
たときに、ちょうど逆挿入防止壁の中央部に位置する嵌
合部３の合わせ面部分３ｄが、逆挿入防止壁３７を分割
する角部３８に接触して食込んでしまうのを防止するた
めである。

【００１４】このように構成されたメス端子３１および
ハウジング３４において、メス端子３１がハウジング３
４に逆挿入されると、メス端子３１のスタビライザ３３
がハウジング３１の逃げ部３５に挿入されて、端子穴１
４の途中まで挿入されるが、スタビライザ３３がハウジ
ング３４に設けられた逆挿入防止壁３７に当接し、それ
以上の挿入ができないようになる。

【００１５】このとき、スタビライザ３３の高さは、上
述したように十分に高く構成できるので、逆挿入防止壁
３７を乗り越えることがなく、また、メス端子３１の挿
入される方向に向って前後にずれた２つの逆挿入防止壁
３７に、同じ距離Ｌだけ前後にずれた２つのスタビライ
ザ３３が同時に当接するので、押圧力が分散されて接触
部の面圧が低減される。したがって、メス端子３１がハ
ウジング３４に逆挿入されるのを確実に止めることがで
きるので、作業者は、逆に挿入されていることを即座に
知ることができ、組付作業の効率が高められるばかりで
なく、無理な挿入によってハウジング３４を傷つけるこ
とがない。

【００１６】なお、一実施例では、ハウジング３４に挿
入する端子をメス端子３１としたが、オス端子の場合に
も適用可能である。また、図７に示すように、スタビラ
イザ３３にリブ３９を設けて補強することにしてもよ
い。

【００１７】

【発明の効果】本発明によるコネクタでは、スタビライ
ザの高さを高くできるので、逆挿入防止壁を乗り越えて
逆挿入されるのを防止する効果が向上されるという利点
がある。したがって、作業者が逆挿入に早く気が付き、
作業性が向上されるとともに、逆のまま挿入され不具合
となることがないという効果がある。また、請求項２の
発明によるコネクタでは、ハウジングに設けられた２つ
の逆挿入防止壁に、端子に設けられた２つのスタビライ
ザが同時に当接するので、押圧力が分散され、これによ
り、面圧が低く抑えられるので、端子がハウジングに食
込むことがなく、ハウジングが傷つけられないという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例によるコネクタに使用され
るメス端子用板金を示す展開図である。

【図２】 図１の板金を折曲げて成形されるメス端子を
示す側面図である。

【図３】 図１の板金を折曲げて成形されるメス端子を
示す正面図である。

【図４】 本発明の一実施例におけるハウジングにメス
端子が正常に挿入された状態を示す縦断面図である。

【図５】 本発明の一実施例におけるハウジングをメス
端子を挿入する口の方向から見た図である。

【図６】 本発明の一実施例におけるハウジングにメス
端子が逆挿入された状態を示す縦断面図である。

【図７】 スタビライザを補強したメス端子を示す側面
図である。

【図８】 従来のコネクタにおいてハウジングにメス端
子が正常に挿入された状態を示す縦断面図である。

【図９】 図７のコネクタに使用されるメス端子を示す
側面図である。

【図１０】 図７のコネクタに使用されるメス端子を示
す正面図である。

【図１１】 図８のメス端子用板金を示す展開図であ
る。

【図１２】 従来のコネクタにおいてハウジングにメス
端子が逆挿入された状態を示す縦断面図である。

【符号の説明】

３１・・・・端子、３３・・・・スタビライザ、３４・・・・ハウジ
ング、３６・・・・案内溝、３７・・・・逆挿入防止壁。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属板を折曲げてなる端子（３１）をハ
   ウジング（３４）内部に挿入して構成されるコネクタに
   おいて、 端子には、該端子の一面を切開いて形成されハウジング
   への挿入方向と直交する方向に突出する２つのスタビラ
   イザ（３３）が前後にずれた位置関係に設けられ、 ハウジングには、その内部に端子を挿入する際に前記ス
   タビライザを係合する案内溝（３６）と、端子が反転さ
   れた状態で挿入されたときに、スタビライザに当接する
   逆挿入防止壁（３７）とが設けられていることを特徴と
   するコネクタ。
2. 【請求項２】 前記逆挿入防止壁が２つ設けられ、両逆
   挿入防止壁が前記２つのスタビライザのずれと同じ寸法
   だけ前後にずれていることを特徴とする請求項１記載の
   コネクタ。