JP2012178307A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雌端子20が正規姿勢から上下逆転した姿勢で挿入された場合には、スタビライザ30が端子収容孔51における挿通路60が設けられた側とは反対側の孔縁の規制面64に当接することで雌端子20がそれ以上挿入されることが規制されるようにしたコネクタにおいて、端子収容孔51の規制面64には、逆挿入された雌端子20のスタビライザ30と係合して規制面64との掛かり代を増大させるべくスタビライザ30の立ち上がり姿勢を変位させる姿勢変位部65が設けられている。
【選択図】図13
Description
そして、端子金具がキャビティに対して正規姿勢で挿入された場合には、スタビライザが挿通路に挿通されつつ正規位置まで挿入され、併せてゴム栓がシール孔に緊密に嵌着されてシールされ、一方、端子金具が正規姿勢から上下逆転した姿勢で挿入された場合には、スタビライザが端子挿入孔における挿通路が設けられた側とは反対側である上側の孔縁部に当接することで、端子金具がそれ以上挿入されることが規制されるようになっている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、端子金具の誤挿入防止機能をより確実に発揮させるところにある。
(1)前記端子金具の前記スタビライザが斜め姿勢で立ち上がり形成されている一方、前記姿勢変位部には、前記スタビライザと当接して同スタビライザを垂直姿勢に向けて変位させるテーパ面が形成されている。
スタビライザが斜め姿勢で形成されていることにより、例えばキャビティの入口部の内周面と干渉することが抑制される。端子金具が誤挿入された場合は、挿入の途中でスタビライザが姿勢変位部のテーパ面で案内されて垂直姿勢に変位し、すなわち大きな掛かり代を持って端子収容孔の孔縁部に当接する。端子金具が正規姿勢で挿入されたときはスタビライザによる傷付きを抑制した上で、逆挿入防止機能はより確実に発揮される。
端子金具が誤挿入されると、挿入の途中で両スタビライザが対応する姿勢変位部のテーパ面に当たり、テーパ面で案内されて垂直姿勢に向けて開くように変位し、垂直姿勢を取ったままで端子収容孔の孔縁部に突き当たる。各スタビライザが垂直姿勢に変わったことで孔縁部に対する掛かり代が大きく取られ、また、スタビライザの内側には姿勢変位部が位置していて、スタビライザが内方に傾くことが阻止されるから、端子金具の押し込み規制はより確実に行われる。
個室防水型のコネクタにおいて、端子金具が正規挿入された場合にスタビライザがシール孔の内周面に傷付けることを抑制し、すなわちシール性能を担保した上で、端子金具の逆挿入防止機能をより確実に発揮することができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図16に基づいて説明する。この実施形態では、個室防水型のコネクタに適用した場合を例示している。
本実施形態のコネクタは、図14に示すように、電線10の端末に固着された図示2個の雌端子20と、これらの雌端子20を収容するコネクタハウジング40(以下、雌ハウジング40)とから構成されている。
本体部21の前面開口から相手の雄端子のタブが挿入されると、同タブが弾性接触片26と突条28との間で弾性的に挟持され、雌端子20と雄端子との間で電気的な接続が取られるようになっている。
そして、電線10における皮剥きされて露出した芯線11の端末がワイヤバレル22にかしめ圧着されるとともに、被覆12の端末がゴム栓15の取付部17とともにインシュレーションバレル23にかしめ圧着されることで、上記のように電線10の端末に雌端子20とゴム栓15とが取り付けられている。
このようなスタビライザ30における立ち上がり端面31と前後の端面32F,32Rに亘る外側の角部には、スタビライザ30の板厚の略半分の領域においてC面35A,35Bが形成されている。ここでC面35A,35Bとは、直線状の面取り部である。
スタビライザ30の立ち上がり端面31と前後の端面32F,32Rに亘る外側の角部に形成されたC面35A,35Bのうち内方の側縁、詳細には立ち上がり端面31のC面35Aでは、基端側の側縁36にR面37Aが形成されており、また前側の端面32FのC面35Bでは後側の側縁、後側の端面32RのC面35Bでは前側の側縁に対して、それぞれR面37Bが形成されている。ここでR面37A,37Bとは、曲線状の面取り部である。
図7に示すように、スタビライザ30の立ち上がり端面31における外側縁の角部にC面35Aが形成されていることにより、スタビライザ30の掛かり代を確保するべく相応の立ち上がり長さを備えた場合にも、同角部が外接円Xと干渉することが避けられる。
この雌ハウジング40が、雄端子を装着した図示しない相手の雄ハウジングと嵌合されると、同雌ハウジング40の端子収容部41と筒部45との間に、雄ハウジングのフード部が挿入され、端子収容部41の基端側に嵌着されたシールリング47を介して雌ハウジング40と雄ハウジング間のシールが取られるとともに、筒部45に設けられたロックアーム48が雄ハウジング側のロック部に弾性的に係止することによって、雌ハウジング40と雄ハウジングとが嵌合状態にロックされるようになっている。
雌端子20が正規位置まで挿入された場合は、大まかには、図14に示すように、雌端子20における本体部21からワイヤバレル22までが端子収容孔51内に、同雌端子20のインシュレーションバレル23及びゴム栓15の取付部17がテーパ孔53からシール孔52の前端側内に、またゴム栓15の栓本体16の前側部分がシール孔52の後端側内に、それぞれ収容されるようになっている。
一方、テーパ孔53の天井壁を含む端子収容孔51の上側の孔縁部分には、雌端子20が正規姿勢から上下逆転した姿勢で挿入された場合に、スタビライザ30を当てて雌端子20がそれ以上挿入されることを規制する規制部63が形成されている。
各姿勢変位部65の突出した端面の外側の角部には、テーパ面66が削成されている。各テーパ面66は、雌端子20が上下反対姿勢を取った場合における左右一対のスタビライザ30が当接可能な位置に形成されている。各姿勢変位部65の外側には、スタビライザ30を挿通可能なガイド溝67が、真直に上下方向を向いた姿勢で形成されており、各ガイド溝67の奥端(前端)が、上記した規制面64に達している。
雌端子20を雌ハウジング40の対応するキャビティ50に収容する場合は、図14に示すように、スタビライザ30が下面側に来る姿勢として、雌端子20をキャビティ50内に後方から挿入する。
挿入後暫くするとスタビライザ30もシール孔52内に挿入され、そのとき本体部21が上向きにあおられた姿勢を取っている等により、スタビライザ30の立ち上がり端がシール孔52の下側の孔縁に引っ掛かる可能性もあるが、スタビライザ30の前端面32Fの外側角部に形成されたC面35BからR面37Bで案内されつつ、シール孔52内にスムーズに挿入される。
上記のように押し込み規制がなされた時点では、ゴム栓15がシール孔52内に未だ嵌っていないから、ゴム栓15を掴む等で電線10を後方に引っ張ることで雌端子20は簡単に引き戻すことができ、そうしたら雌端子20を正規姿勢に正して、改めてキャビティ50内に挿入すればよい。
係る構造により、雌端子20が正規姿勢でキャビティ50内に挿入された場合に、スタビライザ30がキャビティ50におけるシール孔52の内周面に傷を付けることを防止できるのであるが、両スタビライザ30が内方に閉じるような傾斜姿勢を取っていることにより、雌端子20が誤挿入されて端子収容孔51の孔縁部に当たった場合に、掛かり代が小さく、また倒れ変形して端子収容孔51に入ってしまう事態が起きることが僅かながらでも懸念される。
その結果、個室防水型の雌側のコネクタにおいて、雌端子20が正規挿入された場合にスタビライザ30がシール孔52の内周面に傷付けることを抑制し、すなわちシール性能を担保した上で、雌端子20の逆挿入防止機能をより確実に発揮することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、斜め姿勢に形成されたスタビライザを垂直姿勢に変位させる場合を例示したが、変位後に端子収容孔の孔縁部に対する掛かり代が増大する限り、スタビライザの変位前後の姿勢は問わない。
(2)上記実施形態では、スタビライザが雌端子の本体部の底面に左右一対設けられている場合を例示したが、スタビライザの本数や配設位置は上記以外のものであってもよい。
(4)さらに本発明は、個室防水型のコネクタに限らず、一括ゴム栓を備えた防水コネクタ、さらには非防水のコネクタ等、要は逆挿入防止用のスタビライザを有する端子金具をコネクタハウジングのキャビティ内に収容する形式のコネクタ全般に広く適用することが可能である。
15…ゴム栓
20…雌端子(端子金具)
21…本体部
25…底板(本体部21の一面)
30…スタビライザ
40…雌ハウジング(コネクタハウジング)
50…キャビティ
51…端子収容孔
52…シール孔(キャビティ50の入口部)
60…挿通路
63…規制部
64…規制面(孔縁部)
65…姿勢変位部
66…テーパ面
Claims (4)
- 端子金具と、この端子金具が挿入されるキャビティを設けたコネクタハウジングとを備え、
前記端子金具は本体部の一面から逆挿入防止用のスタビライザが立ち上がり形成されている一方、
前記コネクタハウジングの前記キャビティは、前記端子金具の前記本体部がほぼ緊密に嵌合される端子挿入孔の手前側に拡径された入口部が連設され、かつ前記端子挿入孔の一面には前記スタビライザの挿通を許容する挿通路が設けられており、
前記端子金具が正規姿勢で挿入された場合には、前記スタビライザが前記挿通路に挿通されつつ正規位置まで挿入可能で、前記端子金具が正規姿勢から上下逆転した姿勢で挿入された場合には、前記スタビライザが前記端子挿入孔における前記挿通路が設けられた側とは反対側の孔縁部に当接することで前記端子金具がそれ以上挿入されることが規制されるようにしたコネクタにおいて、
前記端子挿入孔の前記孔縁部には、逆挿入された前記端子金具の前記スタビライザと係合して前記孔縁部との掛かり代を増大させるべく前記スタビライザの立ち上がり姿勢を変位させる姿勢変位部が設けられていることを特徴とするコネクタ。 - 前記端子金具の前記スタビライザが斜め姿勢で立ち上がり形成されている一方、前記姿勢変位部には、前記スタビライザと当接して同スタビライザを垂直姿勢に向けて変位させるテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記スタビライザは、左右一対がそれぞれの立ち上がり端を次第に接近させた斜め姿勢で形成されているとともに、前記姿勢変位部は、左右一対が前記端子挿入孔の前記孔縁部から手前側に向けて突設され、前記各姿勢変位部の突出端の外側角部に前記テーパ面が形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
- 電線の端末には前記端子金具とその後方にゴム栓が装着されているとともに、前記コネクタハウジングにおける前記キャビティの前記入口部には、前記端子金具が前記キャビティ内に正規に挿入された場合に前記ゴム栓が緊密に嵌着可能となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。
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