JP5651935B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、レーザ光の光照射時間、照射光度、焦点、及び光照射強度分布のうちの少なくとも一つを制御することにより、熱可逆記録媒体の第1の特定温度と第2の特定温度に加熱温度を制御したり、加熱後の冷却速度を変化させることにより画像記録及び画像消去を全面又は部分的に行うことが可能となることが記載されている。
また、特許文献3には、2つのレーザ光を使用し、一方を楕円形や長円形レーザとして消去を行い、他方を円形レーザで記録する方法、2つのレーザの複合として記録する方法、及び2つのレーザをそれぞれ変形させてそれぞれの複合として画像形成する方法が提案されている。この提案によれば、2つのレーザを用いることで、1つのレーザで記録するよりも高濃度の画像記録が可能になるとされている。
また、特許文献4には、レーザ光のエネルギー、レーザ光の照射時間、及びパルス幅走査速度を、レーザ記録時の25%以上65%以下となるようにして消去することにより、明瞭なコントラストの画像が記録でき、可逆性感熱記録媒体への高耐久性な画像記録を実現する方法が提案されている。
しかし、前記特許文献9では、fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布がfθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光に比べシャープな形状に変化し、fθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光に比べ部分的に強度の大きいレーザ光がfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射され、画像記録と画像消去を繰り返し行うと、熱可逆記録媒体が早期に劣化してしまうという問題がある。
<1> 温度に依存して透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する熱可逆記録媒体に対し、レーザ光を照射して加熱することにより該熱可逆記録媒体に画像を記録する画像記録工程、及び、該熱可逆記録媒体に対して加熱することにより該熱可逆記録媒体に記録された画像を消去する画像消去工程の少なくともいずれかを含む画像処理方法であって、
前記画像記録工程が、レーザ光出射手段と、該レーザ光出射手段におけるレーザ光出射面に配置される光走査手段と、レーザ光の光照射強度分布を変化させる光照射強度分布調整手段と、レーザ光を集光させるfθレンズと、を少なくとも有する画像処理装置を用いて行われ、
前記fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光のエネルギーを、前記fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録該媒体上に照射されるレーザ光のエネルギーよりも低くすることを特徴とする画像処理方法である。
<2> fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力P2を、fθレンズをの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力P1よりも低くなるように調整する前記<1>に記載の画像処理方法である。
<3> (P2/P1)×100が、80%〜99%である前記<2>に記載の画像処理方法である。
<4> fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度V2を、fθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度V1よりも大きくなるように調整する前記<1>に記載の画像処理方法である。
<5> (V2/V1)×100が、101%〜120%である前記<4>に記載の画像処理方法である。
<6> 画像記録工程及び画像消去工程の少なくともいずれかにおいて、fθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布が、下記式(1)で表される関係を満たす前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像処理方法である。
0.40≦I1/I2≦2.00・・・(1)
ただし、前記式(1)中、I1は、熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の中心位置における光照射強度、I2は、熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の全照射エネルギーの80%面の光照射強度をそれぞれ表す。
<7> 熱可逆記録媒体が、支持体上に少なくとも熱可逆記録層を有してなり、該熱可逆記録層が第一の特定温度と該第一の特定温度よりも高温の第二の特定温度とで透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像処理方法である。
<8> 熱可逆記録層が、樹脂及び有機低分子物質を含有する前記<7>に記載の画像処理方法である。
<9> 熱可逆記録層が、ロイコ染料及び可逆性顕色剤を含有する前記<7>に記載の画像処理方法である。
<10> 移動体の画像記録及び画像消去の少なくともいずれかに用いられる請求項1から9のいずれかに記載の画像処理方法である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像処理方法に用いられ、
レーザ光出射手段と、該レーザ光出射手段におけるレーザ光出射面に配置される光走査手段と、レーザ光の光照射強度分布を変化させる光照射強度分布調整手段と、レーザ光を集光させるfθレンズと、を少なくとも有することを特徴とする画像処理装置である。
<12> 光照射強度分布調整手段が、非球面素子レンズ、回折光学素子及びファイバカップリングの少なくともいずれかである前記<11>に記載の画像処理装置である。
<13> 光走査手段が、ガルバノミラーである前記<11>から<12>のいずれかに記載の画像処理装置である。
本発明の画像処理方法は、画像記録工程及び画像消去工程の少なくともいずれかを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
本発明の前記画像処理方法においては、画像記録及び画像消去の両方を行う態様、画像の記録のみを行う態様、画像の消去のみを行う態様のいずれをも含む。
本発明において、前記画像には、文字、記号、線図、図形などが含まれる。
本発明の前記画像処理方法における前記画像記録工程は、温度に依存して透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する熱可逆記録媒体に対し、レーザ光を照射して加熱することにより、前記熱可逆記録媒体に画像を記録する工程である。
前記エネルギーとは、走査する方向の単位長さ当たりに熱可逆記録媒体上に照射するレーザ光のエネルギー量を指し、レーザ光の出力をP、レーザ光の走査線速度をVとしたときにP/Vに相当する特性であり、レーザ光の出力を高くすることでエネルギーは高くなり、レーザ光の走査線速度を速くすることでエネルギーは小さくなる。
前記レーザ光照射部位の中心点18とは、図3Aに示すように、レーザヘッドから熱可逆記録媒体に対して垂直に照射されるレーザ光ビームによって照射される部位を意味する。レーザ光照射部位の中心点18は、使用するレーザ光のスポット径に依存して、その照射部位の面積が変更する。
fθレンズ17の周辺部とは、図3A及び図3Bに示すように、レーザ光源を搭載する画像処理装置に設けられたミラー16の制御によってレーザ光15が熱可逆記録媒体に照射することのできる範囲14のうち、前記fθレンズ17の中心部を除く範囲を含み、その周辺部の面積は、熱可逆記録媒体とレーザ光の光源との距離に依存する(図1、図2、図3A及び図3B参照)。
前記fθレンズの有効半径Rとは、レンズとして機能する部分の半径を意味する。
(P2/P1)×100は、80%〜99%が好ましく、85%〜95%がより好ましく、88%〜92%が更に好ましい。前記(P2/P1)×100が、80%未満であると、fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光において、熱可逆記録媒体のレーザ照射部の繰り返し耐久性は向上するものの、画像線幅が細くなり、画像がかすれるという問題が起きてしまうことがあり、99%を超えると、fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光において、熱可逆記録媒体のレーザ照射部に過剰なエネルギーがかかり熱可逆記録媒体の劣化が起こり、繰り返し耐久性が悪化してしまうことがある。
また、前記レーザ光の出力の上限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200W以下が好ましく、150W以下がより好ましく、100W以下が更に好ましい。前記レーザ光の出力が、200Wを超えると、レーザ装置の大型化を招くことがある。
前記(V2/V1)×100は、101%〜120%が好ましく、105%〜115%がより好ましく、108%〜112%が更に好ましい。前記(V2/V1)×100が、101%未満であると、fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光において熱可逆記録媒体のレーザ照射部に過剰なエネルギーがかかり劣化が起こり、繰り返し耐久性が悪化してしまうことがあり、120%を超えると、fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光において熱可逆記録媒体のレーザ照射部の繰り返し耐久性は向上するものの、画像線幅が細くなり、画像がかすれるという問題が起きてしまうことがある。
前記スポット径が小さいと、画像の線幅が細くなり、コントラストが小さくなって視認性が低下する。また、スポット径が大きくなると、画像の線幅が太くなり、隣接する線が重なり、小さな文字の画像記録が不可能となる。
ここで、前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の全照射エネルギーの80%面とは、図4に示すように、fθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度を高感度焦電式カメラを用いたハイパワー用ビームアナライザを用いて測定し、得られた光照射強度を三次元グラフ化し、Z=0となる面に対して水平な面で全照射エネルギーの80%が含まれるように光照射強度分布を分割した時の面を指す。
熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の強度分布を変化させたときの照射レーザ光の最大値を含む断面における光照射強度分布曲線の例を図5A〜図5Eに示す。図5Eはガウス分布を示し、このような中央部の光照射強度が強い光照射強度分布では、I1に対してI2が小さくなるため、I1/I2は大きくなる。また、図5Aのような図5Eの光照射強度分布より中央部の光照射強度が弱い光照射強度分布では、I1に対してI2が大きくなるため、I1/I2は図5Eの光照射強度分布よりも小さくなる。また、図5Bのようなトップハット形状に近い光照射強度分布では、I1に対してI2が更に大きくなるため、I1/I2は図5Aの光照射強度分布よりも更に小さくなる。図5Cのような中央部の光照射強度が弱く周辺部の光照射強度が強い光照射強度分布では、I1に対してI2が更に大きくなるため、I1/I2は図5Bの光照射強度分布よりも更に小さくなる。よって、前記比I1/I2は前記レーザ光の光照射強度分布の形状を表していることになる。
更に、前記比I1/I2が1.59より大きいと、中心位置の光照射強度が周辺部の光照射強度に対して強い光照射強度分布となることから、画像の記録及び消去の繰り返しによる前記熱可逆記録媒体の劣化を抑制しながら、照射パワーを調整することにより照射距離を変更しなくても描画線の太さを変えることができる。本発明において前記比率の下限としては、0.40が好ましい、好ましくは0.50、より好ましくは0.60、更に好ましくは、0.70となる。また本発明において、前記比率の上限は、2.00が好ましく、1.90がより好ましく、1.80が更に好ましく、1.70が特に好ましい。
前記レーザ光の強度分布を、ガウス分布から、照射レーザ光の中心位置における光照射強度のI1と照射レーザ光の全照射エネルギーの80%面の光照射強度I2の関係が、0.40≦I1/I2≦2.00を満たすように変化させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、特に光照射強度調整手段を用いることが好ましい。
前記画像記録及び画像消去メカニズムには、温度に依存して透明度が可逆的に変化する態様と、温度に依存して色調が可逆的に変化する態様とがある。
前記透明度が可逆的に変化する態様では、前記熱可逆記録媒体における前記有機低分子が、前記樹脂中に粒子状に分散されてなり、前記透明度が、透明状態と白濁状態とに熱により可逆的に変化する。
前記透明度の変化の視認は、下記現象に由来する。即ち、(1)透明状態の場合、樹脂母材中に分散された前記有機低分子物質の粒子と、前記樹脂母材とは隙間なく密着しており、また、前記粒子内部にも空隙が存在しないため、片側から入射した光は散乱することなく反対側に透過し、透明に見える。一方、(2)白濁状態の場合、前記有機低分子物質の粒子は、前記有機低分子物質の微細な結晶で記録されており、該結晶の界面又は前記粒子と前記樹脂母材との界面に隙間(空隙)が生じ、片側から入射した光は前記空隙と前記結晶との界面、あるいは前記空隙と前記樹脂との界面において屈折し散乱するため、白く見える。
前記記録層は、例えば、T0以下の常温では、白濁不透明状態(A)である。これを加熱していくと、温度T1から徐々に透明になり始め、温度T2〜T3に加熱すると透明(B)となり、この状態で再びT0以下の常温に戻しても透明(D)のままである。これは、温度T1付近から前記樹脂が軟化し始め、軟化が進むにつれて該樹脂が収縮し、該樹脂と前記有機低分子物質粒子との界面、あるいは前記粒子内の空隙を減少させるため、徐々に透明度が上がり、温度T2〜T3では、前記有機低分子物質が半溶融状態となり、残った空隙を、前記有機低分子物質が埋めることにより透明となり、種結晶が残ったまま冷却されると比較的高温で結晶化し、その際、前記樹脂がまだ軟化状態にあるため、結晶化に伴う粒子の堆積変化に前記樹脂が追随し、前記空隙が生じず、透明状態が維持されるためであると考えられる。
更にT4以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との中間の半透明状態(C)になる。次に、この温度を下げていくと、再び透明状態になることなく、最初の白濁不透明状態(A)に戻る。これは、温度T4以上で前記有機低分子物質が完全に溶融した後、過冷却状態となり、T0より少し高い温度で結晶化し、その際、前記樹脂が結晶化に伴う体積変化に追随することができず、空隙が発生するためであると考えられる。
ここで、図7Aにおいて、前記記録層を温度T4を大きく超えた温度T5に繰返し昇温すると、消去温度に加熱しても消去できない消去不良が発生したりする場合がある。これは、加熱されることによって溶融した前記有機低分子物質が前記樹脂中を移動することにより記録層の内部構造が変化するためと思われる。繰返しによる前記熱可逆記録媒体の劣化を抑えるためには、前記熱可逆記録媒体を加熱する際に図7Aの前記温度T4と前記温度T5の差を小さくする必要があり、前記加熱手段がレーザ光である場合、該レーザ光の強度分布において前記比(I1/I2)は1.29以下が好ましく、1.25以下がより好ましい。
ただし、図7Aに示す温度−透明度変化曲線は、前記樹脂、前記有機低分子物質等の種類を変えると、その種類に応じて、各状態の透明度に変化が生じることがある。
図7Bでは、1つの長鎖低分子粒子と、その周囲の高分子とを取り出し、加熱及び冷却に伴う空隙の発生及び消失変化を図示している。白濁状態(A)では、高分子と低分子粒子との間(又は粒子内部)に空隙が生じ、光散乱状態となっている。これを加熱し、前記高分子の軟化点(Ts)を超えると、空隙は減少して透明度が増加する。更に加熱し、前記低分子粒子の融点(Tm)近くになると、該低分子粒子の一部が溶融し、溶融した低分子粒子の体積膨張のため、空隙に前記低分子粒子が充満して空隙が消失し、透明状態(B)となる。ここから冷却すると、融点直下で前記低分子粒子は結晶化し、空隙は発生せず、室温でも透明状態(D)が維持される。
図8Aに、前記樹脂中に前記ロイコ染料及び前記顕色剤を含んでなる熱可逆記録層を有する熱可逆記録媒体について、その温度−発色濃度変化曲線の一例を示し、図8Bに、透明状態と発色状態とが熱により可逆的に変化する前記熱可逆記録媒体の発消色メカニズムを示す。
まず、初め消色状態(A)にある前記記録層を昇温していくと、溶融温度T1にて、前記ロイコ染料と前記顕色剤とが溶融混合し、発色が生じ溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると、発色状態のまま室温に下げることができ、発色状態が安定化されて固定された発色状態(C)となる。この発色状態が得られたかどうかは、溶融状態からの降温速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が生じ、初期と同じ消色状態(A)、あるいは急冷による発色状態(C)よりも相対的に濃度の低い状態となる。一方、発色状態(C)から再び昇温していくと、発色温度よりも低い温度T2にて消色が生じ(DからE)、この状態から降温すると、初期と同じ消色状態(A)に戻る。
溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は、前記ロイコ染料と前記顕色剤とが分子同士で接触反応し得る状態で混合された状態であり、これは固体状態を記録していることが多い。この状態では、前記ロイコ染料と前記顕色剤との溶融混合物(前記発色混合物)が結晶化して発色を保持した状態であり、この構造の記録により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は、両者が相分離した状態である。この状態は、少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを記録したり、結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより前記ロイコ染料と前記顕色剤とが分離して安定化した状態であると考えられる。多くの場合、このように、両者が相分離して前記顕色剤が結晶化することにより、より完全な消色が生じる。
更に、図8Aにおいて、前記記録層を溶融温度T1以上の温度T3に繰返し昇温すると消去温度に加熱しても消去できない消去不良が発生したりする場合がある。これは、前記顕色剤が熱分解を起こし、凝集あるいは結晶化しにくくなってロイコ染料と分離しにくくなるためと思われる。繰返しによる前記熱可逆記録媒体の劣化を抑えるためには、前記熱可逆記録媒体を加熱する際に図8Aの前記溶融温度T1と前記温度T3の差を小さくすることにより、繰返しによる前記熱可逆記録媒体の劣化を抑えられる。
本発明の前記画像処理方法に用いられる前記熱可逆記録媒体は、支持体と、可逆性感熱記録層とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、光熱変換層、紫外線吸収層、第1及び第2の酸素バリア層、保護層、中間層、アンダーコート層、バック層、接着層、粘着層、着色層、空気層、光反射層等のその他の層を有してなる。これら各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記熱可逆記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO2、金属などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、紙、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、合成紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のフィルムなどが挙げられる。
前記無機材料及び前記有機材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、有機材料が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、前記支持体に、酸化チタン等の白色顔料などを添加することにより、白色にするのが好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜2,000μmが好ましく、50〜1,000μmがより好ましい。
前記熱可逆記録層(以下、単に「記録層」と称することがある)は、温度に依存して透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する材料を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記温度に依存して透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する材料は、温度変化により、目に見える変化を可逆的に生じる現象を発現可能な材料であり、加熱温度及び加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態とに変化可能である。この場合、目に見える変化は、色の状態の変化と形状の変化とに分けられる。該色の状態の変化は、例えば、透過率、反射率、吸収波長、散乱度などの変化に起因し、前記熱可逆記録媒体は、実際には、これらの変化の組合せにより色の状態が変化する。
例えば常温より高い第一の特定温度で第一の色の状態となり、該第一の特定温度よりも高い第二の特定温度で加熱し、その後冷却することにより第二の色の状態となるもの、更に前記第二の特定温度よりも高い第三の特定温度以上で加熱するものなどが挙げられる。
これらの中でも、樹脂母材と該樹脂母材中に分散させた高級脂肪酸等の有機低分子物質とからなる熱可逆記録媒体は、第二の特定温度及び第一の特定温度が比較的低く、低エネルギーでの消去記録が可能な点で有利である。また、発消色メカニズムが、樹脂の固化と有機低分子物質の結晶化とに依存する物理変化であるため、耐環境性に強い特性がある。
また、後述するロイコ染料と可逆性顕色剤とを用いた、第二の特定温度で発色し、第一の特定温度で消色する熱可逆記録媒体は、透明状態と発色状態とを可逆的に示し、発色状態では、黒、青、その他の色を示すため、高コントラストな画像を得ることができる。
このような有機低分子物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール又はハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和又は不飽和モノ若しくはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和又は不飽和ハロゲン脂肪酸及びこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリールカルボン酸及びそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸及びそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸及びそれらのエステル、アミン又はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステル;などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記有機低分子物質は、その分子中に、酸素、窒素、硫黄及びハロゲンから選択される少なくとも1種、例えば、−OH、−COOH、−CONH−、−COOR、−NH−、−NH2、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン原子等を含んでいるのが好ましい。更に具体的には、これらの化合物としては、例えば、ラウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエステルなどが挙げられる。これらの中でも、前記画像処理方法の第3の態様で用いられる有機低分子物質としては、高級脂肪酸が好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸などの炭素数16以上の高級脂肪酸がより好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン;塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート又はポリメタクリレート若しくはアクリレート−メタクリレート共重合体;シリコーン樹脂;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂の比率が、2:1よりも小さいと、前記有機低分子物質を前記樹脂母材中に保持した膜を記録することが困難となることがあり、1:16よりも大きくなると、前記有機低分子物質の量が少ないため、前記記録層の不透明化が困難になることがある。
前記記録層の作製用溶剤としては、特に制限はなく、前記樹脂母材及び前記有機低分子物質の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼンなどが挙げられる。なお、前記分散液を使用した場合はもちろん、前記溶液を使用した場合も、得られる記録層中では前記有機低分子物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
前記(2)分子間の凝集力を制御する構造としては、炭素数8以上の長鎖炭化水素基が好ましく、該炭素数は11以上がより好ましく、また炭素数の上限としては、40以下が好ましく、30以下がより好ましい。
前記R1、前記R2、及び前記R3の炭素数の和としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下限としては、8以上が好ましく、11以上がより好ましく、上限としては、40以下が好ましく、35以下がより好ましい。
前記炭素数の和が、8未満であると、発色の安定性や消色性が低下することがある。
前記脂肪族炭化水素基は、直鎖であってもよいし、分枝鎖であってもよく、不飽和結合を有していてもよいが、直鎖であるのが好ましい。また、前記炭化水素基に結合する置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
X及びYは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、N原子又はO原子を含む2価の基を表し、具体例としては、酸素原子、アミド基、尿素基、ジアシルヒドラジン基、シュウ酸ジアミド基、アシル尿素基等が挙げられる。これらの中でも、アミド基、尿素基が好ましい。
nは、0〜1の整数を示す。
前記光熱変換層は、レーザ光を吸収し発熱する機能を有する層である。
前記光熱変換層は、前記レーザ光を高効率で吸収し発熱する役割を有する光熱変換材料を少なくとも含有してなる。光熱変換材料は前記熱可逆記録層または前記熱可逆記録層の近接層の少なくとも一方の層に含有させることが特に好ましい。前記記録層中に光熱変換材料を含有させる場合、前記記録層は前記光熱変換層を兼ねることとなる。また前記熱可逆記録層の近接層に光熱変換材料を含有させる場合、光熱変換材料を含有する層を熱可逆記録層で挟み込むことで、光熱変換層で発生した熱を効率よく利用することができ、層分離により発生する記録感度消去感度の低下を抑えることができる。ここで熱可逆記録層と光熱変換層が近接とは、熱可逆記録層と光熱変換層を接する又は、熱可逆記録層と光熱変換層の間に記録層膜厚以下の層を形成させることを指す。熱可逆記録層と光熱変換層の間に両層が相互作用を抑制する目的でバリア層を形成することがあり、材料として熱伝導性の良い層が好ましい。前記熱可逆記録層と光熱変換層の間に挟む層は、目的に応じて適宜選択することができ、これらに限定されるものではない。
前記無機系材料としては、例えば、カーボンブラックやGe、Bi、In、Te、Se
、Cr等の金属又は半金属及びそれを含む合金が挙げられ、これらは、真空蒸着法や粒子
状の材料を樹脂等で接着して層状に記録される。
前記有機系材料としては、吸収すべき光波長に応じて各種の染料を適宜用いることがで
きるが、光源として半導体レーザを用いる場合には、700〜1,500nm付近に吸収
ピークを有する近赤外吸収色素が用いられる。具体的には、シアニン色素、キノン系色素
、インドナフトールのキノリン誘導体、フェニレンジアミン系ニッケル錯体、フタロシア
ニン系色素などが挙げられる。及び消去を繰り返すためには、耐熱性に優れた光熱変換材
料を選択するのが好ましい。
前記近赤外吸収色素は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光熱変換層を設ける場合には、通常、前記光熱変換材料は、樹脂と併用して用いられる。該光熱変換層に用いられる樹脂としては、特に制限はなく、前記無機系材料及び有機系材料を保持できるものであれば、公知のものの中から適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが好ましく、前記記録層で用いられたバインダー樹脂と同様なものを好適に用いることができる。これらの中でも、繰り返し時の耐久性を向上させるため、熱、紫外線、電子線などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられ、特にイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱架橋樹脂が好ましい。前記バインダー樹脂において、その水酸基価は100mgKOH/g〜400mgKOH/gであることが好ましい。
前記光熱変換層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜20μmであることが好ましい。
本発明においては、前記熱可逆記録層中のロイコ染料の紫外線による着色及び光劣化による消え残りを防止する目的で、熱可逆記録層上に紫外線吸収層を設けることが好ましく、これによって前記記録媒体の耐光性が改善できる。特に紫外線吸収層が390nm以下の紫外線を吸収するように、紫外線吸収層の厚みを適宜選択することで、耐光性は大きく改善される。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記熱可逆記録層のバインダー樹脂や熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂成分を用いることができる。該樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドなどが挙げられる。
また、紫外線吸収構造を持つポリマー(以下、「紫外線吸収ポリマー」と称することもある)を用いることが好ましい。
ここで、前記紫外線吸収構造を持つポリマーとは、紫外線吸収構造(例えば、紫外線吸収性基)を分子中に有するポリマーを意味する。該紫外線吸収構造としては、例えば、サリシレート構造、シアノアクリレート構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造などが挙げられる。これらの中でも、ロイコ染料の光劣化の原因である340〜400nmの紫外線を吸収することからベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造が特に好ましい。
前記紫外線吸収ポリマーは架橋されていることが好ましい。従って紫外線吸収ポリマーとしては、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基等のような、硬化剤と反応する基を有しているものを用いることが好ましく、特に水酸基を有しているポリマーが好ましい。該紫外線吸収構造を持つポリマー含有層の強度を向上させるためには該ポリマーの水酸基価が10mgKOH/g以上のポリマーを用いると十分な塗膜強度が得られ、より好ましくは30mgKOH/g以上であり、更に好ましくは40mgKOH/g以上である。十分な塗膜強度を持たせることで繰り返し消去印字を行っても記録媒体の劣化が抑えることができる。
第1及び第2の酸素バリア層は、熱可逆記録層に酸素が進入することを防ぐことにより、前記第1及び第2の熱可逆記録層中のロイコ染料の光劣化を防止する目的で、熱可逆記録層の上下に酸素バリア層を設けることが好ましい。即ち支持体と熱可逆記録層との間に第1の酸素バリア層を設け、熱可逆記録層上に第2の酸素バリア層を設けることが好ましい。
前記酸素透過度は、例えばJIS K7126 B法に準じた測定法により測定することができる。
前記第1及び第2の酸素バリア層の厚さは、樹脂又は高分子フィルムの酸素透過性によって異なるが、0.1μm〜100μmが好ましい。これより薄いと酸素バリアが不完全であり、厚いと透明性が低下するので好ましくない。
前記酸素バリア層と下層の間には、接着層を設けてもよい。前記接着層の形成方法は、特に制限なく通常のコーティング法、ラミネート法等を挙げることができる。接着層の厚さは特に制限ないが、0.1μm〜5μmが好ましい。前記接着層は、架橋剤により硬化してもよい。これらは前記熱可逆記録層で用いられたものと同様のものを好適に用いることができる。
本発明の熱可逆記録媒体には、前記記録層を保護する目的で該記録層上に保護層を設けることが好ましい。該保護層は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、露出している最表面に設けることが好ましい。
前記光重合開始剤又は光重合促進剤の添加量は、前記保護層の樹脂成分の全質量に対し0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
本発明においては、前記記録層と前記保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設けることが好ましく、これによって発色画像の保存性が改善できる。
また、紫外線吸収ポリマーを用いてもよく、架橋剤により硬化してもよい。これらは前記保護層で用いられたものと同様のものを好適に用いることができる。
本発明においては、印加した熱を有効に利用し高感度化するため、又は支持体と記録層の接着性の改善や支持体への記録層材料の浸透防止を目的として、前記記録層と前記支持体の間にアンダー層を設けてもよい。
前記アンダー層は、少なくとも中空粒子を含有してなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
なお、前記アンダー層には、その他、滑剤、界面活性剤、分散剤などを含有させることもできる。
本発明においては、前記熱可逆記録媒体のカールや帯電防止、搬送性の向上のために支持体の記録層を設ける面と反対側にバック層を設けてもよい。
前記バック層は、少なくともバインダー樹脂を含有し、更に必要に応じて、フィラー、導電性フィラー、滑剤、着色顔料等のその他の成分を含有してなる。
本発明においては、支持体の記録層記録面の反対面に接着剤層又は粘着剤層を設けて熱可逆記録ラベルとすることができる。前記接着剤層又は粘着剤層の材料は一般的に使われているものが使用可能である。
本発明で用いられる熱可逆記録部材は、前記可逆表示可能な記録層と情報記憶部とを、同一のカードやタグに設け(一体化させ)、該情報記憶部の記憶情報の一部を記録層に表示することにより、特別な装置がなくてもカードやタグを見るだけで情報を確認することができ、利便性に優れる。また、情報記憶部の内容を書き換えた時には熱可逆記録部の表示を書き換えることで、熱可逆記録媒体を繰り返し何度も使用することができる。
ここで、図9は、RF−IDタグ85の概略図の一例を示す。このRF−IDタグ85はICチップ81と、該ICチップに接続したアンテナ82とから構成されている。前記ICチップ81は記憶部、電源調整部、送信部、受信部の4つに区分されており、それぞれが働きを分担して通信を行っている。通信はRF−IDタグとリーダライタのアンテナが電波により通信してデータのやり取りを行う。具体的には、RF−IDのアンテナがリーダライタからの電波を受信し共振作用により電磁誘導により起電力が発生する電磁誘導方式と放射電磁界により起動する電波方式の2種類がある。共に外部からの電磁界によりRF−IDタグ内のICチップが起動し、チップ内の情報を信号化し、その後、RF−IDタグから信号を発信する。この情報をリーダライタ側のアンテナで受信してデータ処理装置で認識し、ソフト側でデータ処理を行う。
また、熱可逆記録媒体とRF−IDをラミネート加工等で一体化してカード状やタグ状に加工してもよい。
本発明の画像処理装置は、本発明の前記画像処理方法に用いられ、レーザ光照射手段と、光走査手段と、光照射強度分布調整手段と、レーザ光を集光させるfθレンズとを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してなる。
前記レーザ光出射手段としては、レーザ光を照射可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CO2レーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザ、半導体レーザ(LD)などの通常用いられるレーザが挙げられる。
前記レーザ光出射手段から出射されるレーザ光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視領域から赤外領域が好ましく、画像コントラストが向上する点で、近赤外領域から遠赤外領域がより好ましい。
前記可視領域では、前記熱可逆記録媒体の画像記録及び画像消去のために、レーザ光を吸収して発熱させるための添加剤が着色するため、コントラストが低下することがある。
前記CO2レーザから出射されるレーザ光の波長は、遠赤外領域の10.6μmであり、前記熱可逆記録媒体が該レーザ光を吸収するため、前記熱可逆記録媒体に対する画像の記録及び消去のために、レーザ光を吸収して発熱させるための添加物を添加することが不要となる。また、該添加物は、近赤外領域の波長を有するレーザ光を用いても、若干ではあるが、可視光をも吸収することがあるため、該添加物が不要となる前記CO2レーザは、画像コントラストの低下を防ぐことができるという利点がある。
前記YAGレーザ、前記ファイバーレーザ、及び前記LDから出射されるレーザ光の波長は、可視〜近赤外領域(数百μm〜1.2μm)であり、現状の熱可逆記録媒体は、その波長領域のレーザ光を吸収しないため、レーザ光を吸収して熱に変換するための光熱変換材料の添加が必要となるが、波長が短いため高精細画像の記録が可能であるという利点がある。
また、前記YAGレーザ、及び前記ファイバーレーザは高出力であるため、画像の記録及び消去速度の高速化を量ることができるという利点がある。前記LDはレーザ自体が小さいため、装置の小型化、更には低価格化が可能であるという利点がある。
前記光走査手段は、前記レーザ光出射手段におけるレーザ光出射面に配置される。このようなレーザ光の熱可逆記録媒体上における走査手段としては、例えば、ガルバノミラーによりレーザ光を走査させる手段、熱可逆記録媒体をXYステージに固定してステージを移動させる手段などが挙げられるが、XYステージを移動させる手段では、微細な字を高速に走査させるのが困難であり、走査方法としては、ガルバノミラーを用いるのが好ましい。
前記光照射強度分布調整手段は、前記レーザ光の光照射強度分布を変化させる機能を有する。
前記光照射強度分布調整手段の配置態様としては、前記レーザ光出射手段における前記レーザ光出射面に配置される限り特に制限はなく、前記レーザ光出射手段との距離等については、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光照射強度分布調整手段は、照射レーザ光の中心位置における照射強度(I1)と、照射レーザ光の全照射エネルギーの80%面での光照射強度(I2)の比(I1/I2)が0.4≦I1/I2≦2.0となるように変化させる機能を有する。そのため、画像の記録及び消去の繰返しによる前記熱可逆記録媒体の劣化を抑制し、画像コントラストを維持したまま繰返し耐久性を向上させることができる。
例えば図6Bに示す非球面素子レンズと、併せて熱可逆記録媒体と集光レンズであるfθレンズとの間の距離を焦点距離からずらすことにより光照射強度を調整することができる。
フィルタ、マスクなどを用いる場合、前記レーザ光の中心部を物理的にカットすることにより光照射強度を調整することができる。また、ミラーを用いる場合、コンピュータと連動して機械的に形状が変えられるディフォーマブルミラー、反射率あるいは表面凹凸が部分的に異なるミラーなどを用いることにより光照射強度を調整することができる。また、光照射強度の調整は半導体レーザ、YAGレーザ等をファイバカップリングすると、更に容易に行うことができる。
fθレンズは、レーザ光を熱可逆記録媒体上に集光させる手段である。ガルバノミラーを使用した場合には、熱可逆記録媒体上の走査位置により集光レンズ(凸レンズ及びfθレンズを含む)からの距離が変動するため、通常の凸レンズでは走査位置により集光ビーム径が変化するが、fθレンズを用いることで、熱可逆記録媒体上の走査位置に依存せず、集光ビーム径を一定に保つことが可能となり好ましい。
また、fθレンズには通常表面に反射防止膜(ARコート)が形成されているが、レンズの周辺部の膜厚をレンズ中央部よりも小さくする、反射防止膜の材料を反射率の低い材料に変更するなどを行うことで、fθレンズの中央部と周辺部の光照射強度分布の差異を小さくすることもできる。
本発明の前記画像処理装置は、レーザ光照射手段と、光走査手段と、光照射強度分布調整手段と、レーザ光を集光させるfθレンズとを少なくとも有している以外、その基本構成としては、通常レーザマーカーと呼ばれるものと同様であり、発振器ユニット、電源制御ユニット、及びプログラムユニットを少なくとも備えている。
図6Aに示す画像処理装置は、出力40WのCO2レーザを有するレーザマーカー(サンクス株式会社製、LP−440)の光路中に、前記光照射強度調整手段として、光学レンズを組込み、レーザ光の進行方向直交断面における光照射強度分布を、変化するように調整可能としている。
なお、レーザ照射ユニット、即ち、画像記録及び消去用ヘッド部分の仕様は、可能レーザ出力範囲:0.1〜40W、照射距離可動範囲:特に限定なし、スポット径範囲:0.18〜10mm、スキャンスピード範囲:最大(max)12,000mm/s、照射距離範囲:特に限定なし。
前記発振器ユニットは、レーザ発振器1、ビームエキスパンダ2、スキャンニングユニット5などで構成されている。
前記レーザ発振器1は、光強度が強く、指向性の高いレーザ光を得るために必要なものであり、例えば、レーザ媒質の両側にミラーを配置し、該レーザ媒質をポンピング(エネルギー供給)し、励起状態の原子数を増やし反転分布を記録させて誘導放出を起こさせる。そして、光軸方向の光のみが選択的に増幅されることにより、光の指向性が高まり出力ミラーからレーザ光が放出される。
前記スキャンニングユニット5は、ガルバノメータ4と、該ガルバノメータ4に取り付けられたガルバノミラー4Aとで構成されている。そして、前記レーザ発振器1から出力されたレーザ光を、前記ガルバノメータ4に取り付けられたX軸方向とY軸方向との2枚のガルバノミラー4Aで高速回転走査することにより、熱可逆記録媒体7上に、画像の記録又は消去を行うようになっている。
前記電源制御ユニットは、放電用電源(CO2レーザの場合)又はレーザ媒質を励起する光源の駆動電源(YAGレーザなど)、ガルバノメータの駆動電源、ペルチェ素子などの冷却用電源、画像処理装置全体の制御を司る制御部等などで構成されている。
前記プログラムユニットは、タッチパネル入力やキーボード入力により、画像記録又は画像消去のために、レーザ光の強さ、レーザ走査の速度等の条件入力や、記録する文字等の作製及び編集を行うユニットである。
なお、前記レーザ照射ユニット、即ち、画像記録/消去用ヘッド部分は、画像処理装置に搭載されているが、該画像処理装置には、このほか、前記熱可逆記録媒体の搬送部及びその制御部、モニタ部(タッチパネル)等を有している。
<熱可逆記録媒体の作製>
温度に依存して色調が可逆的(透明状態−発色状態)に変化する熱可逆記録媒体を、以下のようにして作製した。
支持体として、厚み125μmの白濁ポリエステルフィルム(帝人デュポン株式会社製、テトロンフィルムU2L98W)を用いた。
スチレン−ブタジエン系共重合体(日本エイアンドエル社製、PA−9159)30質量部、ポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製、ポバールPVA103)12質量部、中空粒子(松本油脂株式会社製、マイクロスフェアーR−300)20質量部、及び水40質量部を添加し、均一状態になるまで1時間撹拌して、アンダー層塗布液を調製した。
次に、得られたアンダー層塗布液を前記支持体上に、ワイヤーバーにて塗布し、80℃にて2分間加熱及び乾燥して、厚み20μmのアンダー層を記録した。
下記構造式(1)で表される可逆性顕色剤5質量部、下記構造式(2)及び(3)で表される2種類の消色促進剤をそれぞれ0.5質量部ずつ、アクリルポリオール50質量%溶液(水酸基価=200mgKOH/g)10質量部、及びメチルエチルケトン80質量部を、ボールミルを用いて平均粒径が1μmになるまで粉砕分散した。
アクリルポリオール樹脂50質量%溶液(三菱レーヨン株式会社製、LR327)3質量部、酸化亜鉛微粒子30質量%分散液(住友セメント株式会社製、ZS303)7質量部、イソシアネート(日本ポリウレタン株式会社製、コロネートHL)1.5質量部、及びメチルエチルケトン7質量部を加え、よく攪拌して中間層用塗布液を調製した。
次に、前記アンダー層、及び前記記録層が記録された支持体上に、前記中間層用塗布液をワイヤーバーにて塗布し、90℃にて1分間加熱及び乾燥した後、60℃にて2時間加熱し、厚み2μmの中間層を記録した。
ペンタエリスルトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)3質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業株式会社製、アートレジンUN−3320HA)3質量部、ジペンタエリスリトールカプロラクトンのアクリル酸エステル(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPCA−120)3質量部、シリカ(水澤化学工業株式会社製、P−526)1質量部、光重合開始剤(日本チバガイギー株式会社製、イルガキュア184)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール11質量部を加え、ボールミルにてよく攪拌して平均粒径が約3μmになるまで分散し、保護層用塗布液を調製した。
次に、前記アンダー層、前記記録層、及び前記中間層が記録された支持体上に、前記保護層用塗布液をワイヤーバーにて塗布し、90℃にて1分間加熱及び乾燥した後、80W/cmの紫外線ランプで架橋させて、厚み4μmの保護層を記録した。
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)7.5質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業株式会社製、アートレジンUN−3320HA)2.5質量部、針状導電性酸化チタン(石原産業株式会社製、FT−3000、長軸=5.15μm、短軸=0.27μm、構成:アンチモンドープ酸化スズ被覆の酸化チタン)2.5質量部、光重合開始剤(日本チバガイギー株式会社製、イルガキュア184)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール13質量部を加え、ボールミルにてよく攪拌してバック層用塗布液を調製した。
次に、前記記録層、前記中間層、及び前記保護層が記録された支持体における、これらの層が記録されていない側の面上に、前記バック層用塗布液をワイヤーバーにて塗布し、90℃にて1分間加熱及び乾燥した後、80W/cmの紫外線ランプで架橋させて、厚み4μmのバック層を記録した。以上により、製造例1の熱可逆記録媒体を作製した。
<熱可逆記録媒体の作製>
温度に依存して透明度が可逆的(透明状態−白濁状態)に変化する熱可逆記録媒体を、以下のようにして作製した。
支持体として、厚み175μmの透明PETフィルム(東レ株式会社製、ルミラー175−T12)を用いた。
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン株式会社製、M110)26質量部を、メチルエチルケトン210質量部に溶解させた樹脂溶解液中に、下記構造式(5)で表される有機低分子物質3質量部、及びベヘン酸ドコシル7質量部を加え、ガラス瓶中に直径2mmのセラミックビーズを入れて、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)を用い48時間分散し、均一な分散液を調製した。
次に、前記支持体上に、得られた記録層液を塗布し、加熱及び乾燥した後、更に65℃環境下に24時間保存して樹脂を架橋させて、厚み10μmの感熱記録層を設けた。
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75質量%酢酸ブチル溶液10質量部(大日本インキ化学工業株式会社製、ユニディックC7−157)、及びイソプロピルアルコール10質量部よりなる溶液を、ワイヤーバーで前記感熱記録層上に塗布し、加熱及び乾燥した後、80W/cmの高圧水銀灯で紫外線を照射して硬化させて、厚み3μmの保護層を記録した。以上により、製造例2の熱可逆記録媒体を作製した。
−熱可逆記録媒体の作製−
製造例1において、前記熱可逆記録媒体の作製の際に、前記記録層中に光熱変換材料(株式会社日本触媒製、イーエクスカラーIR−14)0.03質量部を添加した以外は、製造例1と同様にして、製造例3の熱可逆記録媒体を作製した。
レーザ光のエネルギーとは、走査する方向の単位長さ当たりに熱可逆記録媒体上に照射するレーザ光のエネルギー量である。
該レーザ光のエネルギーを下記式により求めた。
E=P/V・・・ (2)
ただし、前記式(2)中、Eはレーザ光のエネルギー、Pはレーザ光の出力、Vはレーザ光の走査線速度をそれぞれ表す。
レーザ光の強度分布測定は、以下の手順で行った。
レーザとしてCO2レーザ装置を用いた場合は、ハイパワー用レーザビームアナライザー(Spiricon社製、LPK−CO2−16)を用い、レーザ出力が0.05%となるようにZn−Seウエッジ(Spiricon社製、LBS−100−IR−W)及びCaF2フィルタ(Spiricon社製、LBS−100−IR−F)を用いて減光してレーザ光強度を測定した。次に、得られたレーザ光強度を三次元グラフ化してレーザ光の照射強度分布を得た。
レーザとして半導体レーザ装置を用いた場合、まず、照射距離が熱可逆記録媒体に記録するときと同じ位置になるようにレーザビームアナライザー(Point Grey Research社製、Scorpion SCOR−20SCM)を設置し、レーザ出力が3×10−6となるように透過ミラー、フィルタを組合わせたビームスプリッター(OPHIR社製、BEAMSTAR−FX−BEAM SPLITTER)を用いて減光し、レーザビームアナライザーでレーザ光強度を測定した。次に、得られたレーザ光強度を三次元グラフ化してレーザ光の照射強度分布を得た。
I1を照射レーザ光の中心位置における光照射強度から求め、I2を照射レーザ光の全照射エネルギーの80%面の光照射強度から求めた。
ここではレーザ光源を搭載する画像処理装置に設けられたミラーの制御によってレーザ光が照射することのできる範囲をレーザ光照射可能部位の中心点から75mmまでに設定し、fθレンズの中心部としてレーザ光照射可能部位の中心点、fθレンズの周辺部としてレーザ光照射可能部位の中心点から60mm離れた点で熱可逆記録媒体の評価を行った。
<レーザ出力条件の調節>
<<No.1>>
−画像記録工程−
製造例1の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する光学レンズである非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと、集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=32.5mm)を少なくとも設置したCO2レーザ(サンクス株式会社製、LP−440)により、fθレンズから熱可逆記録媒体までのレーザ照射距離を184mmに調整してfθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を、1.6とした。fθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を20W、走査線速度を1,800mm/sとし、fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を22W、走査線速度を1,800mm/sとして、熱可逆記録媒体上に画像を記録した。
製造例1の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する非球面素子レンズと、該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=32.5mm)を少なくとも設置したCO2レーザ(サンクス株式会社製、LP−440)により、照射距離245mm、走査線速度1,750mm/s、スポット径3.0mmとなるように調整して、熱可逆記録媒体の画像を消去した。fθレンズの中心部及び周辺部を照射するレーザの出力は22Wとした。
No.1において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を20Wに変えた以外は、No.1と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.1において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を19Wに変えた以外は、No.1と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.1において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を18Wに変えた以外は、No.1と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.1において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を16.6Wに変えた以外は、No.1と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.1において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を14Wに変えた以外は、No.1と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
画像線幅の測定を行った。画像線幅の測定は、グレースケール(Kodak社製)をスキャナー(キャノン社製、Canoscan4400)で取り込み、得られたデジタル階調値と反射濃度計(マクベス社製、RD−914)で測定した濃度値との間で相関を取り、上記で記録した画像を前記スキャナーで取り込んで得られたデジタル階調値を濃度値に変換して濃度値が0.5以上となるときの幅を線幅として前記デジタル階調値の設定画素数(1,200dpi)から算出し、下記基準で評価した。
○:fθレンズの中心部の画像線幅〔mm〕が0.35以上であり、fθレンズの中心部画像線幅〔mm〕とfθレンズの周辺部の画像線幅〔mm〕の差が0.05以下、
△:fθレンズの中心部の画像線幅〔mm〕が0.27以上であり、fθレンズの中心部画像線幅〔mm〕とfθレンズの周辺部の画像線幅〔mm〕の差が0.06〜0.13である。
×:fθレンズの中心部の画像線幅〔mm〕が0.27未満であり、fθレンズの中心部画像線幅〔mm〕とfθレンズの周辺部の画像線幅〔mm〕の差が0.14以上である。
画像記録と画像消去を繰返し、10回おきに消去部の画像濃度を測定し、消去後の画像濃度が、0.15以上の値を示す(消え残り)時の回数を測定し、下記基準で評価した。
○:fθレンズの中心部の繰り返し耐久性〔回〕が200以上であり、fθレンズの中心部の繰り返し耐久性〔回〕とfθレンズの周辺部の繰り返し耐久性〔回〕の差が120以下である。
△:fθレンズの中心部の繰り返し耐久性〔回〕が140以上であり、fθレンズの中心部の繰り返し耐久性〔回〕とfθレンズの周辺部の繰り返し耐久性〔回〕の差が130〜230である。
×:fθレンズの中心部の繰り返し耐久性〔回〕とfθレンズの周辺部の繰り返し耐久性〔回〕の差が240以上である。
なお、No.6では、(P2/P1)×100が80%未満であるため、fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光を透過して該媒体上に照射されるレーザ光において照射部位の繰り返し耐久性は良好であるものの、画像線幅がやや低下した。
これに対してNo.1及びNo.2では、(P2/P1)×100が99%を超えるため、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光において照射部位の繰り返し耐久性が大幅に低下してしまうことが分かった。
<走査線速度の調節>
<<No.7>>
−画像記録工程−
製造例1の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する光学レンズである非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=32.5mm)を少なくとも設置したCO2レーザ(サンクス株式会社製、LP−440)により、fθレンズから熱可逆記録媒体までのレーザ照射距離を184mmに調整してfθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を、1.6とした。fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を20W、走査線速度を1,800mm/sとし、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を20W、走査線速度を1,620mm/sとして、熱可逆記録媒体上に画像を記録した。
製造例1の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する光学レンズである非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=32.5mm)を少なくとも設置したCO2レーザ(サンクス株式会社製、LP−440)により照射距離245mm、線速1,750mm/s、スポット径3.0mmとなるように調整して、熱可逆記録媒体上に画像を消去した。fθレンズの中心部及び周辺部を照射するレーザの出力は22Wとした。画像消去時のレーザ光の光照射強度分布I1/I2は2.3であった。
No.7において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザの走査線速度を1,890mm/sに変えた以外は、No.7と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.7において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザの走査線速度を2,000mm/sに変えた以外は、No.7と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.7において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザの走査線速度を2,170mm/sに変えた以外は、No.7と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.7において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度を2,570mm/sに変えた以外は、No.7と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
なお、No.7及びNo.2は(V2/V1)×100が101%未満であるためfθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光において照射部位の繰り返し耐久性が低下してしまう。これに対してNo.10は(V2/V1)×100が120%を超えるため、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光において照射部位の繰り返し耐久性は良好であるものの、画像線幅がやや低下した。
<光照射強度分布条件の調節>
<<No.12>>
−画像記録工程−
製造例1の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する光学レンズである非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=32.5mm)を少なくとも設置したCO2レーザ(サンクス株式会社製、LP−440)により、fθレンズから熱可逆記録媒体までのレーザ照射距離を178mmに調整してfθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を、0.2とした。fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を37.5W、走査線速度を1,800mm/sとし、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を出力33.8W、走査線速度を1,800mm/sとして、熱可逆記録媒体上に画像を記録した。
製造例1の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する光学レンズである非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=32.5mm)を少なくとも設置したCO2レーザ(サンクス株式会社製、LP−440)により照射距離245mm、線速1,750mm/s、スポット径3.0mmとなるように調整して、熱可逆記録媒体上の画像を消去した。熱可逆記録媒体の中心部及び周辺部を透過するレーザの出力は40Wとした。
−画像記録工程−
No.12において、画像記録工程におけるfθレンズから熱可逆記録媒体までのレーザ照射距離を188mmに調整して、fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を2.3に変え、fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を11.3に変え、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を10.2Wに変えた以外は、No.12と同様にして、画像記録を行った。
No.12において、fθレンズの中心部及び周辺部を透過するレーザの出力を13Wに変えた以外は、No.12と同様にして、画像消去を行った。
No.12及びNo.13は、光照射強度分布が、0.40≦I1/I2≦2.00を満たしていないので照射部位の繰り返し耐久性がやや低下した。
<非球面素子レンズの有無>
<<No.14>>
No.2において、CO2レーザ(LP−440、サンクス株式会社製)から非球面素子レンズを取り外して画像記録を行った以外は、No.2と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.2は、非球面素子レンズを設置しているが、fθレンズの周辺部を透過するレーザ光の出力がNo.4よりも大きいので繰り返し耐久性が低下した。
No.14は、No.2において、非球面素子レンズを取り除いたものであり、非球面素子レンズを設置していないのでfθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光とfθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光において同等のエネルギーがかかるために、中心部と周辺部の繰り返し耐久性及び中心部と周辺部の画像線幅に差はなかった。しかし、fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光における光照射強度分布が制御できないために過剰なエネルギーが熱可逆記録媒体全面にかかることになり、照射部位の繰り返し耐久性が悪化してしまうことが分かった。
<製造例2の熱可逆記録媒体を使用>
−画像記録工程−
製造例2の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=32.5mm)を少なくとも設置したCO2レーザ(サンクス株式会社製、LP−440)により、fθレンズから熱可逆記録媒体までのレーザ照射距離を184mmに調整してfθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布を、1.6とした。fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を18.3W、走査線速度を1,800mm/sとし、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を18.3W、走査線速度を1,800mm/sとして、熱可逆記録媒体上に画像を記録した。
次に、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=32.5mm)を少なくとも設置したサンクス株式会社製CO2レーザ LP−440により照射距離245mm、線速1,750mm/s、スポット径3.0mmとなるように調整して、画像を消去した。熱可逆記録媒体の中心部及び周辺部を透過するレーザの出力は19Wとした。
画像線幅の測定は、グレースケール(Kodak社製)をスキャナー(キャノン社製、Canoscan4400)で取り込み、得られたデジタル階調値と反射濃度計(マクベス社製、RD−914)で測定した濃度値との間で相関を取り、上記で記録した画像を前記スキャナーで取り込んで得られたデジタル階調値を濃度値に変換して濃度値が0.5以上となるときの幅を線幅として前記デジタル階調値の設定画素数(1,200dpi)から算出し実施例1と同様に評価した。結果を表10に示す。
次に、画像記録と画像消去を繰り返し、10回おきに消去部の画像の濃度を前記測定方法により測定し、消去後の画像濃度が、0.15以上の値を示す(消え残り)時の回数を測定し実施例1と同様に評価した。結果を表10に示す。
<製造例2の熱可逆記録媒体>
比較例1において、fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を2.3に変え、fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を18.0Wに変え、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を16.5Wに変えた以外は、比較例1と同様にして、画像記録を行った。
<製造例2の熱可逆記録媒体>
−画像記録工程−
比較例1において、fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を2.3に変え、fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を18W、走査線速度を1,800mm/sに変え、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を18W、走査線速度を1,980mm/sに変えた以外は、比較例1と同様にして、画像記録を行った。
<レーザ出力条件の調節>
<<No.15>>
<製造例3の熱可逆記録媒体>
−画像記録工程−
製造例3の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:150mm、有効半径R=30mm)を少なくとも設置したLIMO社製ファイバカップリング半導体レーザLIMO25−F100−DL808(中心波長:808nm)により、fθレンズから熱可逆記録媒体までのレーザ照射距離を158mmに調整してfθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を、1.3とした。fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を14W、走査線速度を1,000mm/sとし、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を15.4W、走査線速度を1,000mm/sとして、熱可逆記録媒体上に画像を記録した。
次に、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=30mm)を少なくとも設置したLIMO社製ファイバカップリング半導体レーザLIMO25−F100−DL808(中心波長:808nm)により、照射距離195mm、線速500mm/s、スポット径3.0mmとなるように調整して、画像を消去した。fθレンズの中心部及び周辺部を照射するレーザの出力は16.5Wとした。
画像線幅の測定は、グレースケール(Kodak社製)をスキャナー(キャノン社製、Canoscan4400)で取り込み、得られたデジタル階調値と反射濃度計(マクベス社製、RD−914)で測定した濃度値との間で相関を取り、上記で記録した画像を前記スキャナーで取り込んで得られたデジタル階調値を濃度値に変換して濃度値が0.5以上となるときの幅を線幅として前記デジタル階調値の設定画素数(1,200dpi)から算出し実施例1と同様に評価した。結果を表12に示す。
次に、画像記録と画像消去を繰り返し、10回おきに消去部の画像の濃度を前記測定方法により測定し、消去後の画像濃度が、0.15以上の値を示す(消え残り)時の回数を測定し評価した。結果を表12に示す。
No.15において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を14Wに変えた以外は、No.15と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.15において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を13.3Wに変えた以外は、No.15と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.15において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を12.6Wに変えた以外は、No.15と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.15において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を11.6Wに変えた以外は、No.15と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.15において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を9.8Wに変えた以外は、No.15と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
<走査線速度の調節>
<<No.21>>
<製造例3の熱可逆記録媒体>
−画像記録工程−
製造例3の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:150mm、有効半径R=30mm)を少なくとも設置したLIMO社製ファイバカップリング半導体レーザLIMO25−F100−DL808(中心波長:808nm)により、fθレンズから熱可逆記録媒体までのレーザ照射距離を158mmに調整してfθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を、1.3とした。fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を14W、走査線速度を1,000mm/sとし、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を14W、走査線速度を900mm/sとして、熱可逆記録媒体上に画像を記録した。
次に、レーザ光の光路中にレーザ光の光照射強度分布を制御する非球面素子レンズと該レーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=30mm)を少なくとも設置したLIMO社製ファイバカップリング半導体レーザLIMO25−F100−DL808(中心波長:808nm)により、照射距離195mm、線速500mm/s、スポット径3.0mmとなるように調整して、画像を消去した。fθレンズの中心部及び周辺部を照射するレーザの出力は16.5Wとした。
画像線幅の測定は、グレースケール(Kodak社製)をスキャナー(キャノン社製、Canoscan4400)で取り込み、得られたデジタル階調値と反射濃度計(マクベス社製、RD−914)で測定した濃度値との間で相関を取り、上記で記録した画像を前記スキャナーで取り込んで得られたデジタル階調値を濃度値に変換して濃度値が0.5以上となるときの幅を線幅として前記デジタル階調値の設定画素数(1,200dpi)から算出し実施例1と同様に評価した。結果を表14に示す。
次に、画像記録と画像消去を繰り返し、10回おきに消去部の画像の濃度を前記測定方法により測定し、消去後の画像濃度が、0.15以上の値を示す(消え残り)時の回数を測定し評価した。結果を表14に示す。
No.21において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度を1,050mm/sに変えた以外は、No.21と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.21において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度を1,110mm/sに変えた以外は、No.21と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.21において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度を1,200mm/sに変えた以外は、No.21と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.21において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度を1,420mm/sに変えた以外は、No.21と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
<レーザ出力条件の調節>
<<No.26>>
<製造例3の熱可逆記録媒体>
−画像記録工程−
製造例3の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:150mm、有効半径R=30mm)を少なくとも設置したLIMO社製ファイバカップリング半導体レーザLIMO25−F100−DL808(中心波長:808nm)により、fθレンズから熱可逆記録媒体までのレーザ照射距離を151mmに調整してfθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を、1.6とした。fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を11W、走査線速度を1,000mm/sとし、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を12.1W、走査線速度を1,000mm/sとして、熱可逆記録媒体上に画像を記録した。
次に、レーザ光の光路中にレーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=30mm)を少なくとも設置したLIMO社製ファイバカップリング半導体レーザLIMO25−F100−DL808(中心波長:808nm)により、照射距離195mm、線速500mm/s、スポット径3.0mmとなるように調整して、画像を消去した。fθレンズの中心部及び周辺部を照射するレーザの出力は16.5Wとした。
画像線幅の測定は、グレースケール(Kodak社製)をスキャナー(キャノン社製、Canoscan4400)で取り込み、得られたデジタル階調値と反射濃度計(マクベス社製、RD−914)で測定した濃度値との間で相関を取り、上記で記録した画像を前記スキャナーで取り込んで得られたデジタル階調値を濃度値に変換して濃度値が0.5以上となるときの幅を線幅として前記デジタル階調値の設定画素数(1,200dpi)から算出し実施例1と同様に評価した。結果を表16に示す。
次に、画像記録と画像消去を繰り返し、10回おきに消去部の画像の濃度を前記測定方法により測定し、消去後の画像濃度が、0.15以上の値を示す(消え残り)時の回数を測定し評価した。結果を表16に示す。
No.26において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を11Wに変えた以外は、No.26と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.26において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を10.7Wに変えた以外は、No.26と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.26において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を9.9Wに変えた以外は、No.26と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.26において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を9.1Wに変えた以外は、No.26と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.26において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を7.7Wに変えた以外は、No.26と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
<走査線速度の調節>
<<No.32>>
<製造例3の熱可逆記録媒体>
−画像記録工程−
製造例3の熱可逆記録媒体を用い、レーザ光の光路中にレーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:150mm、有効半径R=30mm)を少なくとも設置したLIMO社製ファイバカップリング半導体レーザLIMO25−F100−DL808(中心波長:808nm)により、fθレンズから熱可逆記録媒体までのレーザ照射距離を151mmに調整してfθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布I1/I2を、1.6とした。fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を11W、走査線速度を1,000mm/sとし、fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力を11W、走査線速度を900mm/sとして、熱可逆記録媒体上に画像を記録した。
次に、レーザ光の光路中にレーザ光の走査を行うガルバノミラーと集光光学系fθレンズ(焦点距離:189mm、有効半径R=30mm)を少なくとも設置したLIMO社製ファイバカップリング半導体レーザLIMO25−F100−DL808(中心波長:808nm)により、照射距離195mm、線速500mm/s、スポット径3.0mmとなるように調整して、画像を消去した。fθレンズの中心部及び周辺部を照射するレーザの出力は16.5Wとした。
画像線幅の測定は、グレースケール(Kodak社製)をスキャナー(キャノン社製、Canoscan4400)で取り込み、得られたデジタル階調値と反射濃度計(マクベス社製、RD−914)で測定した濃度値との間で相関を取り、上記で記録した画像を前記スキャナーで取り込んで得られたデジタル階調値を濃度値に変換して濃度値が0.5以上となるときの幅を線幅として前記デジタル階調値の設定画素数(1,200dpi)から算出し実施例1と同様に評価した。結果を表18に示す。
次に、画像記録と画像消去を繰り返し、10回おきに消去部の画像の濃度を前記測定方法により測定し、消去後の画像濃度が、0.15以上の値を示す(消え残り)時の回数を測定し評価した。結果を表18に示す。
No.32において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度を1,030mm/sに変えた以外は、No.32と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.32において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度を1,110mm/sに変えた以外は、No.32と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.32において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度を1,200mm/sに変えた以外は、No.32と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
No.32において、画像記録工程におけるfθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度を1,420mm/sに変えた以外は、No.32と同様にして、画像記録及び画像消去を行った。
−移動体での評価−
製造例1の熱可逆記録媒体をプラスチックの箱に貼り付け、コンベアに載せて10m/分の搬送速度で移動させながら、実施例1のNo.3の条件で画像処理した。その結果、移動体に貼り付けた熱可逆記録媒体に均一に画像記録でき、かつ均一に画像消去することができた。また、繰り返し耐久性及び画像線幅は、No.3と同様の結果を示した。
2 ビームエキスパンダ
3 光学レンズ
4 ガルバノメータ
4A ガルバノミラー
5 スキャニングユニット
6 fθレンズ
7 熱可逆記録媒体
81 ICチップ
82 アンテナ
85 RF−IDタグ
Claims (11)
- 温度に依存して透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する熱可逆記録媒体に対し、レーザ光を照射して加熱することにより該熱可逆記録媒体に画像を記録する画像記録手段、及び、該熱可逆記録媒体に対して加熱することにより該熱可逆記録媒体に記録された画像を消去する画像消去手段のいずれかを含む画像処理装置であって、
前記画像記録手段が、レーザ光出射手段と、該レーザ光出射手段におけるレーザ光出射面に配置される光走査手段と、レーザ光の光照射強度分布を変化させる光照射強度分布調整手段と、レーザ光を集光させるfθレンズと、を少なくとも有し、
前記fθレンズの中心部が、前記fθレンズにおけるレーザ光照射部位の中心点から2/5*R内(ただし、Rは、fθレンズの有効半径を意味する)の範囲であり、前記fθレンズの周辺部が、前記fθレンズの中心部を除く範囲であるときに、
前記fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力P2を前記fθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の出力P1よりも低くする方法、又は前記fθレンズの周辺部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度V2を前記fθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の走査線速度V1よりも大きくする方法により、前記fθレンズの周辺部を透過して前記熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光のエネルギーが、前記fθレンズの中心部を透過して前記熱可逆記録該媒体上に照射されるレーザ光のエネルギーよりも低くなり、
前記レーザ光のエネルギーが、走査する方向の単位長さ当たりに熱可逆記録媒体上に照射するレーザ光のエネルギー量を指し、レーザ光の出力をP、レーザ光の走査線速度をVとしたときにP/Vに相当することを特徴とする画像処理装置。 - (P2/P1)×100が、80%〜99%である請求項1に記載の画像処理装置。
- (V2/V1)×100が、101%〜120%である請求項1から2のいずれかに記載の画像処理装置。
- 画像記録及び画像消去の少なくともいずれかにおいて、fθレンズの中心部を透過して熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の光照射強度分布が、下記式(1)で表される関係を満たす請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
0.40≦I 1 /I 2 ≦2.00・・・(1)
ただし、前記式(1)中、I 1 は、熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の中心位置における光照射強度、I 2 は、熱可逆記録媒体上に照射されるレーザ光の全照射エネルギーの80%面の光照射強度をそれぞれ表す。 - 熱可逆記録媒体が、支持体上に少なくとも熱可逆記録層を有してなり、該熱可逆記録層が第一の特定温度と該第一の特定温度よりも高温の第二の特定温度とで透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する請求項1から4のいずれかに記載の画像処理装置。
- 熱可逆記録層が、樹脂及び有機低分子物質を含有する請求項5に記載の画像処理装置。
- 熱可逆記録層が、ロイコ染料及び可逆性顕色剤を含有する請求項5に記載の画像処理装置。
- 移動体の画像記録及び画像消去の少なくともいずれかに用いられる請求項1から7のいずれかに記載の画像処理装置。
- レーザ光出射手段と、該レーザ光出射手段におけるレーザ光出射面に配置される光走査手段と、レーザ光の光照射強度分布を変化させる光照射強度分布調整手段と、レーザ光を集光させるfθレンズと、を少なくとも有する請求項1から8のいずれかに記載の画像処理装置。
- 光照射強度分布調整手段が、非球面素子レンズ、回折光学素子及びファイバカップリングの少なくともいずれかである請求項9に記載の画像処理装置。
- 光走査手段が、ガルバノミラーである請求項9から10のいずれかに記載の画像処理装置。
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